JP3820006B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワイドデータバスを有する記憶装置と論理回路を単一チップ上に混載した半導体集積回路における、半導体集積回路と同一チップ上に設けられ、記録装置の単体テストをするためのテスト回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来のテスト回路を示す回路構成図であり、図において、201はテスト用データ入力端子102からのmビットのテスト用データ(入力データ)を、テスト用データ書き込みクロック入力端子103からのクロックパルスにより順次シフトさせて書き込みを行うシフトレジスタであり、このシフトレジスタ201は、mビット×n段(m×nビット)のデータを書き込むことができる。なお、図3のシフトレジスタ201は、8ビット×16段(即ち、128ビット)のデータを書き込む場合を示す。また、シフトレジスタ201には、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号に基づいて出力制御を行う出力制御機能が付いている。
【0003】
202はテスト対象である記憶装置としての16MビットのDRAM(Dynamic Random Access Memory)であり、このDRAM202は、テスト用アドレス入力端子104、テスト用行アドレスストローブ入力端子105及びテスト用列アドレスストローブ入力端子106からの制御信号に従ってアドレス(行アドレス及び列アドレス)が入力され、テスト用書き込み制御入力端子107からの制御信号により、入力されたアドレスにシフトレジスタ201のテスト用データの書き込みが行われる。また、このDRAM202にも、シフトレジスタ201と同様、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号(シフトレジスタ201に入力される制御信号とは反転された制御信号)に基づいて出力制御を行う出力制御機能が付いている。
【0004】
203は複数の入力のデータを、テスト用データ出力選択入力端子109からの選択制御信号により、テスト用データ出力端子101に出力するマルチプレクサである。204はシフトレジスタ201、DRAM202及びマルチプレクサ203をつなぐ、m×nビット幅(ここで、mはチップのテスト用データバスビット幅、nは内部ワイドデータバスビット幅/m)のワイドデータバスである。この図3のワイドデータバス204のビット幅は、8×16(128)ビット幅である場合を示す。
【0005】
なお、各配線につけられている数字(4,8,12,128)は、転送されるデータのビット数を示している。
また、シフトレジスタ201のD(7:0)及びQ(127:0)、DRAM202のA(11:0)及びDQ(127:0)、マルチプレクサ203のD(127:0)、Q(7:0)及びSEL(3:0)も、入出力されるデータのビット数を示している。例えば、D(7:0)は8ビットのデータが入力されることを示している。
【0006】
次に動作について説明する。
(1)まず、DRAM202へのテスト用データ書き込み時の動作を説明する。
テスト用データ入力端子102からのテスト用データ(入力データ)は、シフトレジスタ201へ、テスト用データ書き込みクロック入力端子103からのクロックパルスの立ち上がりに応じて、クロックパルス1発毎に8ビットずつ書き込まれていく。従って、シフトレジスタ201に128ビットのテスト用データを書き込むためには、クロックパルス1発毎に8ビットずつ(シフトレジスタ201のQ(127:0)に、Q(127:119)からQ(7:0)まで)書き込まれるので、16発のクロックパルスが必要である。
【0007】
ここで、シフトレジスタ201に8ビットずつテスト用データが順次書き込まれていくが、このように書き込まれたテスト用データは、Q(127:0)から常に出力される状態にある。しかし、シフトレジスタ201には出力制御機能があり、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号、例えばHレベル(ロジックで言えば1)が、シフトレジスタ201のOEに入力されている場合、シフトレジスタ201に書き込まれたデータのQ(127:0)からの出力は、禁止される状態となっている(出力しないように制御されている)。一方、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号Hレベル(1)は、DRAM202に反転されて入力されている(即ち、DRAM202にはLレベル(0)が入力されている)ので、DRAM202のDQ(127:0)は、シフトレジスタ201のQ(127:0)とは逆にデータを出力してもよい状態になっている。このように、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号により、シフトレジスタ201及びDRAM202の出力制御を行うのは、ワイドデータバス204に転送されるデータが衝突しないようにするためである。
【0008】
そして、シフトレジスタ201に8ビットずつ16発分のテスト用データ(128ビット分のテスト用データ)が書き込まれると、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号をHレベル(1)からLレベル(0)にする。すると、シフトレジスタ201のQ(127:0)がテスト用データを出力してもよい状態となって、シフトレジスタ201からテスト用データが出力される。このように、シフトレジスタ201に書き込まれた128ビットのテスト用データは、128ビット幅のワイドデータバス204を介してDRAM202に1回の書き込み動作で書き込みが行われる。
【0009】
DRAM202は、書き込み動作時には、テスト用書き込み制御入力端子107からHレベル(1)の制御信号の反転されたLレベル(0)が入力され、読み出し動作時には、テスト用書き込み制御入力端子107からLレベル(0)の制御信号の反転されたHレベル(1)が入力される。従って、128ビットのテスト用データがDRAM202に書き込まれる時は、テスト用書き込み制御入力端子107からHレベル(1)の制御信号が送られている。
【0010】
128ビットのテスト用データは、1回の書き込み動作でDRAM202に格納するデータの記憶場所であるアドレスに書き込まれる。従って、テスト用データをDRAM202に書き込む前に、DRAM202には、アドレスを書き込んでおく必要がある。アドレスは、テスト用アドレス入力端子104から12ビットのアドレスデータとして入力される。アドレスのうち、行アドレスを入力する場合には、テスト用行アドレスストローブ入力端子105からの制御信号をHレベルとし、反転されたLレベル(0)の信号をDRAM202のRAS(Row Address Strobe)に入力する。また、列アドレスを入力する場合には、テスト用列アドレスストローブ入力端子106からの制御信号をHレベル(1)とし、反転されたLレベル(0)の信号をDRAM202のCAS(Column Address Strobe)に入力する。なお、通常時(行及び列アドレスを入力しない時)、テスト用行アドレスストローブ入力端子105及びテスト用列アドレスストローブ入力端子106からの制御信号はLow(0)であり、DRAM202のRAS及びCASには信号High(1)が入っている。
テスト用アドレス入力端子104から送られるアドレスデータは12ビットである。行アドレスは、アドレスデータ12ビット分の〔1,0〕の組み合わせ、即ち、212行(4096行)あり、列アドレスは、アドレスデータ12ビットのうちの5ビット分の〔1,0〕の組み合わせ、即ち、25 列(32列)ある。
【0011】
(2)次に、DRAM202に書き込まれたテスト用データ読み出し時(DRAM202の機能判定時)の動作について説明する。
テスト用出力制御入力端子108の制御信号をHレベル(1)に切り換えて(反転された信号Lレベル(0)をDRAM202に入力して)、DRAM202のDQ(127:0)を出力してもよい状態とすると共に、テスト用書き込み制御入力端子107の制御信号をLレベル(0)に切り換えて(反転された信号Hレベル(1)をDRAM202に入力して)、DRAM202のDQ(127:0)をデータ読み出し状態にし、DRAM202に書き込まれたテスト用データを1回の読み出し動作で読み出し、ワイドデータバス204を介してマルチプレクサ203に転送する。
【0012】
そして、マルチプレクサ203にテスト用データが送られると、テスト用データ出力選択入力端子109を16回(n回)切り換えて、マルチプレクサ203から8ビット(mビット)単位でテスト用データをチップのテスト用データ出力端子101から読み出す。なお、16通りの信号の切り換えができるように、テスト用データ出力選択入力端子109からの選択制御信号は4ビットとなっている。この読み出した8ビットのテスト用データと予め用意された8ビット期待値との比較を16個分(n回)行うことにより、DRAM202の機能判定を行う。
【0013】
なお、本願に関連する先行技術文献として、特開昭60−185300号公報が挙げられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来のテスト回路は以上のように構成されているので、
(1)シフトレジスタ201へのテスト用データ書き込み時、16発(n発)のクロックパルスを加えなければならず、クロックパルス分だけテスト時間がかかってしまうという課題があった。
(2)また、DRAM202に書き込まれたテスト用データの正常・異常判定をワイドデータバス分行うには、テスト用データ出力選択入力端子109からの選択信号を16回(n回)切り換え、チップの8ビット(mビット)のテスト用データ出力端子101からテスト用データを読み出し、8ビット(mビット)期待値との比較を16(n回)回行わなければならず、テスト時間がさらにかかってしまうという課題があった。
なお、テスト用データ出力端子101を128ビットとすれば、128ビットのテスト用データ出力端子101から128ビットのテスト用データを読み出せるので、マルチプレクサ203による16回の切り換え作業も不要となり、128ビットの期待値との比較を1回で行うことができるように考えられるが、半導体集積回路(IC)のパッケージのピン数には制限があり、テスト用データ出力端子101はあくまでテスト用の端子であってテスト用データ出力端子101に多くのピン数を割くことができないという事情があるため、テスト用データ出力端子101は8ビットとされている。
【0015】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、記憶装置への書き込み及び記憶装置からの読み出し時間(機能判定時間)を短くし、テスト時間を短縮することができると共に、記憶装置の単体テストを確実にできる半導体装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る半導体装置は、m(mは自然数)個の入力端子からmビットデータをクロックで取り込みmビットデータを出力し、このmビットデータをn(nは2以上の自然数)本に分岐し、n個の同一のmビットデータを出力するデータ書き込み手段と、m×n個のデータ入出力部を有し、データ書き込み手段の出力に応じて、データ入出力部を介してn個のmビットデータが書き込まれ、書き込まれたn個のmビットデータが読み出され、データ入出力部を介して出力される記憶装置と、記憶装置から読み出されたn個のmビットデータを受け、m×n個のデータが書き込まれ、n個の中のいずれのmビットデータを第1の出力端子へ出力するかを選択する出力選択信号に応じて、mビットデータを第1の出力端子へ出力するマルチプレクサと、記憶装置から読み出されたn個のmビットデータを受け、これらのデータの一致・不一致を判定して第2の出力端子へ出力する判定回路と、データ書き込み手段、記憶装置のデータ入出力部、マルチプレクサ及び判定回路と接続され、データ書き込み手段と記憶装置間、マルチプレクサと記憶装置間、及び判定回路と憶装置間で、n個のmビットデータを転送可能なm×n本のバスを有するワイドデータバスとを備えたものである。
0017
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるテスト回路を示す回路構成図であり、図において、205はテスト用データ入力端子(入出力端子)102からのmビットのテスト用データ(mビットデータ)を、テスト用データ書き込みクロック入力端子103からのクロックパルス1発で書き込みを行い、直ちにこのmビットのテスト用データを出力するDフリップフロップ(データ書き込み手段)である。なお、図1のDフリップフロップ205は、8ビットのテスト用データを書き込む場合を示している。また、Dフリップフロップ205には、図3に示した従来のテスト回路におけるシフトレジスタ201と同様、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号に基づいて出力制御を行う出力制御機能が付いている。
0018
202はテスト対象である記憶装置としての16MビットのDRAMであり、このDRAM202は、テスト用アドレス入力端子104、テスト用行アドレスストローブ入力端子105及びテスト用列アドレスストローブ入力端子106からの制御信号に従ってアドレス(行アドレス及び列アドレス)が入力され、テスト用書き込み制御入力端子107からの制御信号により、入力されたアドレスにDフリップフロップ205のテスト用データの書き込みが行われる。また、このDRAM202にも、Dフリップフロップ205と同様、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号(Dフリップフロップ205に入力される制御信号とは反転された制御信号)に基づいて出力制御を行う出力制御機能が付いている。
0019
203はテスト用データ出力選択入力端子109からの選択制御信号(選択信号)により選択された特定の入力データ(n個のmビットデータ)をテスト用データ出力端子101に出力するマルチプレクサ(選択データ出力部、機能判定手段)である。206はn個のmビットデータそれぞれの一致・不一致を判定する一致・不一致判定回路(一致・不一致判定部、機能判定手段)であり、この一致・不一致判定回路206の判定結果は、テスト用一致・不一致判定結果出力端子110に出力される。なお、図1の一致・不一致判定回路206は、16個の8ビットデータの一致・不一致を判定するものである。
0020
204はm×nビット幅(ここで、mはチップのテスト用データバスビット幅、nは内部ワイドデータバスビット幅/m)のワイドデータバスである。このワイドデータバス204のビット幅は、8×16(128)である。207はDフリップフロップ205とワイドデータバス204をつなぐmビットのデータ線(データ書き込み手段)であり、このデータ線207は、mビットの同一データをそのままn本に分岐してn個のmビットデータをm×nビットのワイドデータバス204に送るものである。なお、データ線207は、8ビットのデータを16本に分岐している。208はワイドデータバス204と一致・不一致判定回路206をつなぐmビットのデータ線(一致・不一致判定部、機能判定手段)であり、このデータ線208は、ワイドデータバス204からのm×nビットのデータをn個の同一mビットデータに分配して一致・不一致判定回路206に送るものである。データ線208は、128ビットのデータを16個の同一8ビットデータに分配している。また、各配線につけられている数字(4,8,12,128)は、転送されるデータのビット数を示している。
0021
上述したチップのテスト用データ入力端子102とテスト用データ出力端子101は、mビットデータの双方向端子として入出力共通の場合でもよい。
また、記憶装置としてDRAM202を示したが、SRAMなどの記憶装置であってもよい。
0022
次に動作について説明する。
(1)まず、DRAM202へのテスト用データ書き込み時の動作を説明する。 テスト用データ入力端子102からの8ビットのテスト用データは、テスト用データ書き込みクロック入力端子103からのクロックパルスの立ち上がりに応じて、クロックパルス1発で8ビットのデータがDフリップフロップ205に書き込まれ、この書き込まれた8ビットのテスト用データは、直ちにDフリップフロップ205のQ(7:0)から出力される。
0023
Dフリップフロップ205及びDRAM202はともに出力制御機能を備えている。テスト用出力制御入力端子108からの制御信号がHレベル(1)の場合、Dフリップフロップ205のQ(7:0)は出力が禁止された状態となり、一方、DRAM202は制御信号Hレベル(1)が反転されてLレベル(0)が入力されているので、DQ(127:0)からデータを出力してもよい状態になっている。逆に、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号がLレベル(0)の場合、Dフリップフロップ205は8ビットのテスト用データをQ(7:0)から出力してもよい状態になり、一方、DRAM202は制御信号Lレベル(0)が反転されてHレベル(1)が入力されているので、DRAM202のDQ(127:0)は出力が禁止された状態となる。このように、出力制御機能が設けられているので、Dフリップフロップ205及びDRAM202から出力されるデータがワイドデータバス204上で衝突することはない。なお、テスト用データの書き込み動作時には、テスト用出力制御入力端子108の制御信号はLレベル(0)となっている。
0024
Dフリップフロップ205のQ(7:0)から出力された8ビットのテスト用データは、データ線207において同一の8ビットデータをそのまま16本に分岐される。そして、同一の8ビットデータ16個(即ち、128ビットのデータ)が1回の書き込み動作で128ビット幅のワイドデータバス204を介してDRAM202に書き込まれる。
0025
DRAM202は、書き込み動作時には、テスト用書き込み制御入力端子107からHレベル(1)の制御信号の反転されたLレベル(0)が入力され、読み出し動作時には、テスト用書き込み制御入力端子107からLレベル(0)の制御信号の反転されたHレベル(1)が入力される。従って、128ビットのテスト用データがDRAM202に書き込まれる時は、テスト用書き込み制御入力端子107からHレベル(1)の制御信号が送られている。
0026
なお、テスト用データをDRAM202に書き込む前に、DRAM202には、アドレスを書き込んでおく必要があるが、このアドレスの書き込みは、テスト用アドレス入力端子104から12ビットのアドレスデータとして入力され、テスト用行アドレスストローブ入力端子105及びテスト用列アドレスストローブ入力端子106からの制御信号に基づいて、行アドレス及び列アドレスが書き込まれる。
また、行アドレスは、テスト用アドレス入力端子104からのアドレスデータ12ビット分の〔1,0〕の組み合わせ、即ち、212行(4096行)あり、列アドレスは、アドレスデータ12ビットのうちの5ビット分の〔1,0〕の組み合わせ、即ち、25 列(32列)ある。
0027
(2)次に、DRAM202に書き込まれたテスト用データ読み出し時(DRAM202の機能判定時)の動作について説明する。
テスト用出力制御入力端子108の制御信号をHレベル(1)に切り換えて(反転された信号Lレベル(0)をDRAM202に入力して)、DRAM202のDQ(127:0)を出力してもよい状態とすると共に、テスト用書き込み制御入力端子107の制御信号をLレベル(0)に切り換えて(反転された信号Hレベル(1)をDRAM202に入力して)、DRAM202のDQ(127:0)をデータ読み出し状態にし、DRAM202に書き込まれた128ビットのテスト用データ(16個の同一8ビットデータ)を1回の読み出し動作で読み出し、ワイドデータバス204を介してマルチプレクサ203及び一致・不一致判定回路206に転送する。
0028
DRAM202から転送された128ビットのテスト用データ(16個の同一8ビットデータ)は、マルチプレクサ203に書き込まれる。テスト用データ出力選択入力端子109からの選択制御信号をある値に固定し、マルチプレクサ203から16個の同一8ビットデータの中から1個の8ビットデータを、チップのテスト用データ出力端子101から読み出す。そして、この読み出した8ビットのテスト用データと予め用意された8ビット期待値との比較を1回行う。
0029
また、DRAM202から転送された128ビットのテスト用データ(16個の同一8ビットデータ)は、データ線208により、8ビットの同一データ16個に分配されて、一致・不一致判定回路206に送られる。そして、一致・不一致判定回路206は、8ビットの同一データ16個それぞれの一致・不一致を判定し、この判定結果をテスト用一致・不一致判定結果出力端子110でモニタする。通常、DRAM202が正常であれば、8ビットのデータ16個が一致し、DRAM202に異常な箇所があれば、8ビットのデータ16個が不一致となる。例えば、出力結果が1であれば一致であり、出力結果が0であれば不一致であると判断される。
0030
このように、テスト用データ出力端子101から出力された8ビットのテスト用データと予め用意された8ビット期待値とが一致し、かつ、テスト用一致・不一致判定結果出力端子110の判定結果が一致すれば、DRAM202は正常であると判断され、テスト用データ出力端子101の出力結果またはテスト用一致・不一致判定結果出力端子110の判定結果のいずれか一方でも一致しなければ、DRAM202の異常と判断される。
0031
以上のように、この実施の形態1によれば、Dフリップフロップ205を用いて1発のクロックパルスでmビットのテスト用データを書き込み、mビットのテスト用データを出力し、データ線207でmビットのテスト用データを同一mビットデータn個に分岐して、DRAM202に1回の書き込み動作でm×nビットのテスト用データを書き込むように構成したので、シフトレジスタ201を用いた従来のテスト回路よりも書き込みクロック数を(n−1)回減らすことができる。
0032
また、テスト用データ出力選択入力端子109からの選択制御信号を固定し、マルチプレクサ203からテスト用データ出力端子101に出力されるmビットのテスト用データとmビットの期待値との比較を1回行うと共に、一致・不一致判定回路206にてn個の同一mビットデータの一致・不一致をモニタして、DRAM202の全m×nビット出力の正常・異常の判定を行うように構成したので、従来のテスト回路では、テスト用データ出力選択入力端子109からの選択制御信号をn回切り換えて、チップのmビットのテスト用データをテスト用データ出力端子101から読み出し、mビットの期待値との比較をn回行う必要があったが、この実施の形態1では、mビットのテスト用データとmビットの期待値との比較が1回で済み、テスト時間を短縮することができる。
0033
実施の形態2.
上記実施の形態1では、マルチプレクサ203からテスト用データ出力端子101に出力されるmビットデータと予め用意されたmビット期待値とを比較すると共に、一致・不一致判定回路206により、mビットデータn個の一致・不一致を判定し、DRAM202の正常・異常をテストするものであるが、上記実施の形態1によるテスト回路では、一致・不一致判定回路206中に故障(例えば、あるノードの縮退故障)などがある場合には、DRAM202が異常であるにもかかわらず、DRAM202が正常であると判断してしまうおそれがある。例えば、実際はmビットのデータが全て1(オール1)である場合に、DRAM202の異常によりある1ビットのデータが0と記憶されているにもかかわらず、一致・不一致判定回路206中のノードの縮退故障により、その対応するビット(データが0であるビット)が常に1である場合、一致・不一致判定回路206はmビットデータn個が一致と判断し、DRAM202が異常であるのに、正常と判断してしまう。
そこで、この実施の形態2では、一致・不一致判定回路206中の故障を検出し、一致・不一致判定回路206の故障による誤判定を防ぐように構成したものである。
0034
図2はそのようなこの発明の実施の形態2によるテスト回路を示す回路構成図であり、図において、209は一致・不一致判定回路206中の故障を検出するためのテストパターンを生成し、この生成したテストパターンを一致・不一致判定回路206に送るテストパターン生成回路(テストパターン生成手段)である。このテストパターン生成回路209は、テスト用一致・不一致判定回路テスト入力端子112からの制御信号に基づいて出力制御を行う出力制御機能が付いている。210はテスト用出力制御入力端子108からの制御信号とテスト用一致・不一致判定回路テスト入力端子112からの制御信号の反転信号との論理積をとって、Dフリップフロップ205に出力するAND回路である。211はテスト用出力制御入力端子108からの制御信号とテスト用一致・不一致判定回路テスト入力端子112からの制御信号との論理和をとって、DRAM202に出力するOR回路である。
なお、図2において、図1と同一または相当する構成部分には、同一符号を付し重複する説明を省略する。
0035
次に動作について説明する。
DRAM202の正常・異常をテストする場合、テスト用一致・不一致判定回路テスト入力端子112からの制御信号はLレベル(0)となっている。従って、AND回路210には、テスト用一致・不一致判定回路テスト入力端子112からの制御信号Lレベル(0)の反転されたHレベル(1)が入力されるので、AND回路210の出力は、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号に応じて変わる(即ち、制御信号がHレベルならHレベルを出力し、LレベルならLレベルを出力する)。また、OR回路211には、テスト用一致・不一致判定回路テスト入力端子112からの制御信号Lレベル(0)がそのまま入力されるので、OR回路211の出力も、テスト用出力制御入力端子108からの制御信号に応じて変わる(即ち、制御信号がHレベルならHレベルを出力し、LレベルならLレベルを出力する)。この時、テストパターン生成回路209には、テスト用一致・不一致判定回路テスト入力端子112からの制御信号Lレベル(0)がそのまま入力され、テストパターン生成回路209は、Q(127:0)から出力しないように制御されている。
このような状態において、上記実施の形態1の場合と同様の動作で、DRAM202の単体テストが行われる。
0036
一致・不一致判定回路206の故障をテストする場合、テスト用一致・不一致判定回路テスト入力端子112からの制御信号は、Hレベル(1)となっている。従って、AND回路210には、制御信号Hレベル(1)の反転されたLレベル(0)が入力されるので、AND回路210の出力は必ずLレベル(0)になり、Dフリップフロップ205のQ(7:0)からの出力は禁止される。また、OR回路211には、制御信号Hレベル(1)がそのまま入力されるので、OR回路211の出力は必ずHレベル(1)となり、反転されたLレベル(0)がDRAM202に入力され、DRAM202のDQ(127:0)からの出力は禁止される。一方、テストパターン生成回路209のQ(127:0)は、出力してもよい状態となり、ワイドデータバス204を介して一致・不一致判定回路206にテストパターンデータが転送される。このように、Dフリップフロップ205、DRAM202及びテストパターン生成回路209の出力制御を行うことにより、ワイドデータバス204上でデータの衝突が起こるのを防ぐことができる。
0037
一致・不一致判定回路206の故障をテストする場合について説明する。
テストパターン生成回路209で生成したテストパターンを、テストパターン生成回路209のQ(127:0)からワイドデータバス204を介して、一致・不一致判定回路206に転送する。テストパターンとしては、例えば1ビットだけHレベルでその他の127ビットはLレベルとし、Hレベルを順次シフトしていくパターンと、逆に1ビットだけLレベルでその他の127ビットはHレベルとし、Lレベルを順次シフトしていくパターンとする。このようなテストパターンを一致・不一致判定回路206のD(127:120)〜D(7:0)に入力すると、一致・不一致判定回路206が正常であれば、テスト用一致・不一致判定結果出力端子110から出力される判定結果は全て不一致(例えば0)となり、一方、一致・不一致判定回路206に縮退故障などの故障があれば、テスト用一致・不一致判定結果出力端子110から出力される判定結果は一致(例えば1)となる場合が生じる。このようにして、一致・不一致判定回路206のHレベルまたはLレベルの縮退故障を検出する。
0038
以上のように、この実施の形態2によれば、テストパターン生成回路209が生成したテストパターンを一致・不一致判定回路206に送り、一致・不一致判定回路206の故障を検出するようにしたので、一致・不一致判定回路206の故障によるDRAM202の機能の誤判定を防ぐことができる。
0039
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、m(mは自然数)個の入力端子からmビットデータをクロックで取り込みmビットデータを出力し、このmビットデータをn(nは2以上の自然数)本に分岐し、n個の同一のmビットデータを出力するデータ書き込み手段と、m×n個のデータ入出力部を有し、データ書き込み手段の出力に応じて、データ入出力部を介してn個のmビットデータが書き込まれ、書き込まれたn個のmビットデータが読み出され、データ入出力部を介して出力される記憶装置と、記憶装置から読み出されたn個のmビットデータを受け、m×n個のデータが書き込まれ、n個の中のいずれのmビットデータを第1の出力端子へ出力するかを選択する出力選択信号に応じて、mビットデータを第1の出力端子へ出力するマルチプレクサと、記憶装置から読み出されたn個のmビットデータを受け、これらのデータの一致・不一致を判定して第2の出力端子へ出力する判定回路と、データ書き込み手段、記憶装置のデータ入出力部、マルチプレクサ及び判定回路と接続され、データ書き込み手段と記憶装置間、マルチプレクサと記憶装置間、及び判定回路と憶装置間で、n個のmビットデータを転送可能なm×n本のバスを有するワイドデータバスとを備えるように構成したので、記憶装置にテスト用のmビットデータを書き込む時間を短縮することができると共に、記憶装置の機能判定を行う時間も短縮することができ、その結果、記憶装置の単体テストの全体時間を短縮することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるテスト回路を示す回路構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2によるテスト回路を示す回路構成図である。
【図3】 従来のテスト回路を示す回路構成図である。
【符号の説明】
101 テスト用データ出力端子(入出力端子)、102 テスト用データ入力端子(入出力端子)、202 DRAM(記憶装置)、203 マルチプレクサ(選択データ出力部、機能判定手段)、204 ワイドデータバス、205 Dフリップフロップ(データ書き込み手段)、206 一致・不一致判定回路(一致・不一致判定部、機能判定手段)、207 データ線(データ書き込み手段)、208 データ線(一致・不一致判定部、機能判定手段)、209 テストパターン生成回路(テストパターン生成手段)。

Claims (2)

  1. m(mは自然数)個の入力端子からmビットデータをクロックで取り込上記mビットデータを出力し、このmビットデータをn(nは2以上の自然数)本に分岐し、n個の同一の上記mビットデータを出力するデータ書き込み手段と、
    m×n個のデータ入出力部を有し、上記データ書き込み手段の出力に応じて、上記データ入出力部を介してn個の上記mビットデータが書き込まれ、書き込まれたn個の上記mビットデータが読み出され、上記データ入出力部を介して出力される記憶装置と、
    上記記憶装置から読み出されたn個の上記mビットデータを受け、m×n個のデータが書き込まれ、n個の中のいずれのmビットデータを第1の出力端子へ出力するかを選択する出力選択信号に応じて、mビットデータを第1の出力端子へ出力するマルチプレクサと、
    上記記憶装置から読み出されたn個の上記mビットデータを受け、これらのデータの一致・不一致を判定して第2の出力端子へ出力する判定回路と、
    上記データ書き込み手段、上記記憶装置の上記データ入出力部、上記マルチプレクサ及び上記判定回路と接続され、上記データ書き込み手段と上記記憶装置間上記マルチプレクサと上記記憶装置間、及び上記判定回路と上記記憶装置間で、n個の上記mビットデータを転送可能なm×n本のバスを有するワイドデータバスとを備えた半導体装置。
  2. データ書き込み手段はmビットデータを取り込みmビットデータを出力する手段と、この手段から出力された上記mビットデータをn本に分岐してn個の同一の上記mビットデータにするデータ線とを含み、
    判定回路は、mビットデータ毎にデータの一致・不一致を判定する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
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