JP3819385B2 - 車両用床下収納庫 - Google Patents
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Description
このような車両用床下収納庫によれば、前席を倒さずに蓋の後側を開き前席と後席の間に形成された段差部に沿ってスペアタイヤを取り出せるため、スペアタイヤの取り出し作業が行い易いメリットがある。
そこで、この発明は、小さな荷物でも簡単に取り出すことができ、走行時に荷物が動き回ることがなく、広いスペースを確保でき、荷物をスムーズに取り出すことができる車両用床下収納庫を提供するものである。
このように構成することで、蓋を開いて回転式トレーを回転させれば、回転式トレーの内部に収納されたどの場所の荷物でも容易に取り出すことができる。また、蓋を閉じれば回転式トレーの係合部に係止装置が係止して回転式トレーの回転を阻止するため、車両走行時における回転式トレーの回転移動を防止することができる。
また、係合部を回転式トレーに設け、これに対応して収納凹部に係止装置を設けたため、前記係合部及び係止装置を回転式トレーの外側に設けることができ、したがって、回転式トレーの内部に係合部及び係止装置を設けた場合に比較して回転式トレーの収納空間を大きく確保することが可能となる。
そして、収納凹部に対する蓋の上下位置が多少ずれていたとしても、蓋の閉作動により係止杆が係合部に係止すれば、位置調整機構により蓋の上下位置のズレに起因するスイッチ部材の所定の範囲(例えば、実施形態におけるストローク量D)外での移動が係止杆に伝達されないようにすることができる。
このように構成することで、蓋の閉作動位置に誤差があり、この誤差の範囲内でピンが移動した場合でも、ピンの移動が案内溝のオーバーストローク部により係止杆には伝達されることがない。
また、蓋を閉じれば回転式トレーの係合部に係止装置が係止して回転式トレーの回転を阻止するため、車両走行時における回転式トレー内の荷物の移動を防止することができる。
その結果、回転式トレーが車両走行時に回転して収納した荷物が移動して荷物の位置を把握できなくなったり、移動により破損したりすることがなく、また、回転式トレーの車両走行中の回転による雑音発生を防止できる効果がある。
また、係合部を回転式トレーに設け、これに対応して収納凹部に係止装置を設けたため、前記係合部及び係止装置を回転式トレーの外側に設けることができ、したがって、回転式トレーの内部に係合部及び係止装置を設けた場合に比較して回転式トレーの収納空間を大きく確保することが可能となり、荷物の収納量を多くできる効果がある。
そして、収納凹部に対する蓋の上下位置が多少ずれていたとしても、蓋の閉作動により係止杆が係合部に係止すれば、位置調整機構により蓋の上下位置のズレに起因するスイッチ部材の所定の範囲外での移動が係止杆に伝達されないようにすることができるため、組み付け誤差、建て付け誤差等を吸収して確実に作動し、信頼性をより一層向上できる効果がある。
図1はこの発明の実施形態の車両用床下収納部構造を適用した一例であって、前後3列シートを備えた2ボックスタイプの車両1を示している。
この車両1はフロア上に前方から後方に向けて1列目シート2、2列目シート3及び3列目シート4が左右に離間して配置されたシート配置構造を備えている。
1列目シート2下方のフロアパネル5は下側に膨出形成されてここに荷物の収納凹部6が設けられている。そして、収納凹部6の上部開口部7に後側が開閉する第1の蓋8が取り付けられ、2列目シート3に着座する乗員が収納凹部6内の荷物を取り出せるようになっている。
第1の蓋8は前縁が車幅方向に沿って直線状に形成された部材で、後縁は2列目シート3のシートクッション前端よりもやや前側に位置しており、後縁の両側部はアール形状に形成されて開閉時における2列目シート3に着座する乗員の脚部にできるだけ杆渉しないようになっている。
また、図1、図3に示すように、第1の蓋8の裏側にはワイヤ14が取り付けられ、ワイヤ14端部のフック15が第1の蓋8の図示しない裏側にセット可能に構成され、第1の蓋8を開いた状態で第1の蓋8を1列目シート2のシートバックに係止して保持できるようになっている。
ここで、図3に示すように1列目シート2の前後端に対応するフロアパネル5下には前後にクロスメンバ16、17が車幅方向に配置され、後側のクロスメンバ17を前後で跨ぐようにして前記収納凹部6が形成され、前記第1の蓋8の前縁は後ろのクロスメンバ17の後方に位置している。
このように第1の蓋8と第2の蓋12はフロアパネル5面上に載置される関係で、通路9を移動する乗員の体重を支えるのに十分な強度剛性を確保してある。
尚、19は第1の蓋8の取手を示し、20は第2の蓋12の取手を示す。
トレーユニット23は下側に向かって形成されたフロアパネル5の収納凹部6に沿う形状の樹脂製のトレー本体24とこのトレー本体24内に回転可能に設けられた樹脂製の回転式トレー25を備えている。
そして、このように形成されたトレー本体24の底壁24a裏面には前記取付孔29にベースプレート34が図5に示すようにビス35により取り付けられている。ベースプレート34は中央部にボス部36を有し、ボス部36の中央部には穴37が形成されている。
このように、後述するロックユニット60が回転式トレー25の内部に配置されていないため、上述したように自由な仕切壁の配置が可能となる。
そして、このレインフォース50を回転式トレー25の底壁25aの裏面に重ね合わせ、該底壁25aの裏面に形成された装着用ピン(図5参照)54をレインフォース50の孔55に挿入して溶着し、回転式トレー25の底壁25a裏面をレインフォース50で補強している。尚、レインフォース50の裏面には、回転式トレー25の回転をスムーズに行うためにローラ56が取り付けられている。
このように構成されたスイッチ部材61の前記スイッチケース68がそのスプリング収容部69の取付部(図12、図13に示す)70で図10に示すケースユニット71の取付孔72にビス73により取り付けられている。
また、ロッド部103には頭部102に規制され、抜け止めされたスプリング105が外挿されていて、このスプリング105が装着された状態で前記ロック杆101がロッドケース(係止杆)106に装着されている。
ロッドケース106は角形筒状の部材で上下壁には前記ロッド部103の長孔104に対応して孔107が形成され、この孔107に挿通されたピン108をロッドケース106に挿入されたロック杆101の長孔104に挿通して、ロック杆101がロッドケース106に固定されている。また、ロッドケース103の開放された後部を閉塞するブッシュ109がビス110により固定されている。そして、前記ロッドケース106の左側壁には後述するカム120の案内孔(案内手段)122に段付部111が挿通されるピン112が設けられている。ここで、広義にはピン112、カム120及び案内孔122が、狭義にはピン112及び案内孔122が位置調整機構を構成している。
このオーバーストローク部122bにより、第1の蓋8の閉作動位置に誤差があり、この誤差の範囲内でピン112が距離(誤差範囲)S(図13参照)だけ移動した場合でも、ピン123の移動がロッドケース106には伝達されることがない。
そして、前記カム120の案内孔122は前記ロック装置100のピン112の段付部111に挿入され、前記ピン112は前記スイッチ部材61のロッド部材63の長孔66に挿通されるものである。
このように、スイッチ部材61、ロック装置100及びカム120が装着されたケースユニット71にケース蓋78を取り付けて、これを前述したようにフロアパネル5に取り付けるのである。
図12は第1の蓋8が開いた状態、図13は第1の蓋8が閉じた状態を示す。尚、両図は動きを分かり易くするために簡略して示している。また、動きを分かり易くするために、ピン112,123、及びピン108はハッチングで示し、それ以外の部分のハッチングは省略する。そして、図13においてピン108は図示都合上部分的に示す。
図12に示すように第1の蓋8が閉じた状態では、スプリング67により押圧されたスイッチ部材61のロッド部材63はスプリング67により上方に付勢されているためノブ62はトレー本体24のフランジ部30の角孔33から突出した状態となる。
したがって、この状態で乗員は回転式トレー25を回転させて、自分の好きな収納部45に荷物を入れたり、特定の収納部45を手前に回転させて、必要とする荷物を小さな荷物でもどの場所からでも簡単に取り出すことができる。この場合には、ベアリング53によりスムーズ回転式トレー25の回転を確保できる。この時に、第2の蓋12を開けば前側の乗員も荷物の出し入れを行うことができる。よって、回転式トレー25の収納スペース全体を効率良く使用することができ、使い勝手がよいものとなる。
そして、このカム120の回動により、案内孔122の内側端末に係止していた状態のピン112はカム120の外周側に相対的に変位して、案内孔122の屈曲部122aに至る。
そして、この時、回転式トレー25に回転方向で大きな力がかかった場合には、係合部40からロック杆101の斜面101aに力が作用すると、前記ロック杆101はスプリング105を押し縮めながらロッドケース106内で後退するため、回転式トレー25は回転してこの力を逃がすことができる。したがって、前記スプリング105の弾性力を最適に設定することで、係合部40とロック杆101との係合部分の破損を確実に防止できる。
6 収納凹部
8 第1の蓋(蓋)
25 回転式トレー
40 係合部
60 ロックユニット(係止装置)
61 スイッチ部材
106 ロッドケース(係止杆)
112 ピン(位置調整機構)
120 カム(位置調整機構)
122 案内孔(位置調整機構、案内手段)
122b オーバーストローク部
S 距離(誤差範囲)
Claims (2)
- フロアパネル下に形成された収納凹部に回転式トレーを設け、前記収納凹部を開閉する蓋を設けた車両用床下収納庫であって、前記回転式トレーに係合部を設ける一方、前記収納凹部に前記係合部に係止して回転式トレーの回転を阻止する係止装置を設け、前記蓋の閉作動に連係して前記係止装置を回転式トレーの係合部に係止可能に構成し、前記係止装置が前記係合部に係止する係止杆を有すると共に前記蓋の閉作動によりストロークするスイッチ部材と、これに連係する連結部材を有し、前記連結部材と係止杆との間に前記蓋の上下位置のバラツキを吸収する位置調整機構を設けたことを特徴とする車両用床下収納庫。
- 前記連結部材がスイッチ部材に連動して回動するカムであって、位置調整機構が前記係止杆に設けたピンと、このピンが係止されるカムに形成された案内手段であり、案内手段には蓋の閉作動位置の誤差範囲内にピンの移動のみを許容するオーバーストローク部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用床下収納庫。
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