JP3818938B2 - データ処理装置、情報再生装置、それらの方法、それらのプログラム、および、それらのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

データ処理装置、情報再生装置、それらの方法、それらのプログラム、および、それらのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体に階層状に記録されたプログラム情報を識別する識別データを読み取ってリストアップすることにより管理リストデータを作成するデータ処理装置、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体、および、記録媒体に階層状に記録された個々のプログラム情報を読み出して再生する情報再生装置、その方法、そのプログラム、および、そのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、いわゆる音楽CDであるCD−DA(Compact Disk-Digital Audio)に記録された音楽データを読み出して再生する再生装置が広く利用されている。また、従来の音楽データを再生する再生装置として、記録された音楽データをリスト表示する表示部を有した構成も知られている。
【0003】
一方、音質をほとんど劣化させずに音楽データなどのデータを圧縮して記録媒体に記録させることにより、限られた記録領域により多くのデータを記録可能としたデータ圧縮方法が知られている。このデータの圧縮方法としては、例えば、MP3(MPEG(Moving Picture Experts Group) Audio Layer-3)方式が採用されている。
【0004】
そして、MP3方式により圧縮されたデータ(以下、MP3データと称して説明する)を記録する記録媒体として、例えば、CD−R(Compact Disk-Read)が利用されている。このCD−Rのディスク構造は、複数のディレクトリまたはファイルが階層的に関連付けられた構造になっている。そして、MP3データは、1データ単位(音楽データであれば1曲)毎にファイル形式で各階層のディレクトリ内に格納されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の再生装置では、CD−Rなどの記録媒体に記録された音楽データの中から所望のデータを選択して再生させる際に、音楽データは階層的に関連付けられた構造で記録されていることから、最上層から順次階層毎に検索する必要がある。このため、例えば所望する音楽データが最下層に記録されている場合には、音楽データが再生される(スピーカから音楽などの音が出力される)までに時間がかかるという不具合がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて、記録媒体が装着されてからプログラム情報が再生されるまでの時間の短縮が図れるデータ処理装置、情報再生装置、それらの方法、それらのプログラム、および、それらのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、記録媒体に階層状に記録された個々のプログラム情報を識別する識別データを読み取ってリストアップすることにより管理リストデータを作成するデータ処理装置であって、前記識別データを最上層から順次階層毎に検索して読み取るとともに、最初に検出した前記識別データに対するプログラム情報を再生させる再生処理を開始させ、この再生処理の開始後に、読み取られた識別データが属する階層毎に前記識別データをリストアップして前記管理リストデータを作成することを特徴とするデータ処理装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のデータ処理装置において、識別データに対するプログラム情報が再生される際に前記識別データが属する階層の管理リストデータを表示手段に表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のデータ処理装置において、プログラム情報の再生中に表示手段に表示されている管理リストデータを構成する識別データの中から、前記再生中のプログラム情報を識別する識別データ以外の識別データが選択された場合、この選択された識別データに対するプログラム情報の再生処理をすることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、記録媒体に階層状に記録された個々のプログラム情報を識別する識別データを読み取ってリストアップすることにより管理リストデータを作成するデータ処理方法であって、前記識別データを最上層から順次階層毎に検索して読み取り、最初に検出した前記識別データに対するプログラム情報を再生させる再生処理を開始させ、この再生処理後に、前記読み取った識別データが属する階層毎に前記識別データをリストアップすることを特徴とするデータ処理方法である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のデータ処理方法において、識別データに対するプログラム情報が再生される際に、識別データが属する階層の管理リストデータを表示手段に表示させることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のデータ処理方法において、プログラム情報の再生中に表示手段に表示されている管理リストデータを構成する識別データの中から、前記再生中のプログラム情報を識別する識別データ以外の識別データが選択されたことを認識すると、この選択された識別データに対するプログラム情報の再生処理をする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項4ないし6のいずれかに記載のデータ処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするデータ処理プログラムである。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のデータ処理プログラムがコンピュータにて読取可能に記録されたことを特徴とするデータ処理プログラムを記録した記録媒体である。
【0015】
請求項9に記載の発明は、記録媒体に階層状に記録された個々のプログラム情報を読み出して再生する情報再生装置であって、前記記録媒体に記録された個々のプログラム情報を識別する識別データを最上層から順次階層毎に検索して読み取る読取手段と、この読取手段により読み取られた識別データに対するプログラム情報が書き込まれる書込手段と、記読取手段により最初に読み取った前記識別データに対する前記プログラム情報を前記書込手段に書き込ませるとともに、この書込手段に書き込まれた前記プログラム情報を再生させ、この最初のプログラム情報の再生中に前記識別データが属する階層毎にその識別データをリストアップして管理リストデータを作成し、この管理リストデータに基づいて前記書込手段に前記プログラム情報を順次書き込ませて順次再生させる制御手段と、を具備したことを特徴とする情報再生装置である。
【0016】
請求項10に記載の発明は、記録媒体に階層状に記録された個々のプログラム情報を読み出して再生する情報再生方法であって、前記記録媒体に記録された個々のプログラム情報を識別する識別データを最上階から順次階層毎に検索して読み取り、最初に検出した前記識別データに対する前記プログラム情報を書込手段へ書き込ませるとともに、この書込手段に書き込まれた前記プログラム情報を再生させ、このプログラム情報の再生中に前記識別データが属する階層毎にその識別データをリストアップして管理リストデータを作成させ、この作成した前記管理リストデータに基づいて前記書込手段に前記プログラム情報を順次書き込ませて順次再生させることを特徴とする情報再生方法である。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の情報再生方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報再生プログラムである。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の情報再生プログラムがコンピュータにて読取可能に記録されたことを特徴とする情報再生プログラムを記録した記録媒体である。
【0019】
なお、請求項7に記載の発明、請求項8に記載の発明、請求項11に記載の発明および請求項12に記載の発明において、コンピュータは、1つに限らず、例えば複数のコンピュータをネットワーク状に組み合わせた構成や、マイクロコンピュータなどの素子、あるいは複数の電子部品が搭載された回路基板などをも含む。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の情報再生装置における一実施の形態に係る再生装置の構成について、図面を参照して説明する。
【0021】
〔再生装置の構成〕
図1は、再生装置の概略構成を示すブロック図である。この図1において、1は再生装置で、この再生装置1は、データとして例えば音楽データを再生する。そして、再生装置1は、読取手段としてのハードディスクドライブ2と、再生手段3と、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)4と、操作部5と、表示手段としての表示部6と、ディスクドライブ7と、を備えている。
【0022】
ハードディスクドライブ2は、CPU4に接続されている。そして、ハードディスクドライブ2は記憶手段としてのハードディスク2aを備え、このハードディスク2aに記憶されたデータを読み取って適宜CPU4へ出力する。すなわち、ハードディスクドライブ2は、ハードディスク2aに記録されたデータを読み取る読取手段として機能する。
【0023】
また、ハードディスク2aには、音楽データ、音楽データに関連付けられた音楽データの固有の情報であるアーティスト名やタイトル名などのタグデータ、音楽データを再生するための目次的なリストであるプレイリストデータ、画像データなど、各種データを記憶可能な記憶領域を有している。
【0024】
プレイリストデータは、ハードディスク2aに記憶された音楽データの目次的な役割を示し、音楽データの固有の情報であるタグデータやファイル名などの再生項目データがリストアップされたデータである。なお、各種データは、ハードディスク2aに音楽データを記憶する際に合わせて記憶されるとともに、プレイリストデータが合わせて作成される。
【0025】
そして、ハードディスクドライブ2は、CPU4からの制御信号により、記憶する音楽データなどの各種データをCPU4に出力するとともに、各種データを記憶する。
【0026】
操作部5は、CPU4に接続されている。この操作部5は、再生装置1の動作指令をするための図示しない操作スイッチや操作ボタンを備えている。そして、操作部5は、これら操作スイッチや操作ボタンの入力操作に対応する所定の信号をCPU4へ出力する。
【0027】
表示部6は、CPU4に接続されている。この表示部6は、CPU4から出力される映像データに基づいて適宜画像表示する図示しない表示面を備えている。この表示部6は、再生する音楽データに関するプレイリストデータ、タグデータに基づく例えばアーティスト名やタイトル名などを表示する。
【0028】
再生手段3はCPU4に接続され、CPU4から出力される音楽データを音として出力して再生する。そして、この再生手段3は、DSP(Digital Signal Processor)11と、D/Aコンバータ12と、スピーカ13と、を備えている。
【0029】
DSP11は、CPU4に接続されているとともに、D/Aコンバータ12が接続されている。このDSP11は、CPU4から出力される音楽データのデジタル信号を信号処理する集積回路である。そして、DSP11は、信号処理したデータをD/Aコンバータ12に出力する。
【0030】
D/Aコンバータ12には、スピーカ13が接続されている。このD/Aコンバータ12は、DSP11から出力される信号処理されたデータをアナログ信号に変換し、スピーカ13へ出力する。そして、スピーカ13は、D/Aコンバータ12から出力されたアナログ信号を音として出力する。
【0031】
ディスクドライブ7は、CPU4に接続されている。このディスクドライブ7には、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、CD−R(Compact Disk-Read)、CD−R/W(Compact Disk-Read/Write)、DVD−RAM(Digital Versatile Disc-Random Access Memory)などの光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスクなどの外部メディアである記録媒体15が着脱可能に装着される。このディスクドライブ7には、記録媒体15が装着されたことを検出する図示しない検出手段が設けられている。そして、ディスクドライブ7は、記録媒体15から各種データを読み取ってCPU4に出力するとともに、CPU4からの信号に基づいて各種データを記録媒体15に記録する。
【0032】
この記録媒体15には、例えば、プログラム情報としての音楽データであるMP3(MPEG(Moving Picture Experts Group) Audio Layer-3)方式により圧縮されたMP3ファイル、このMP3ファイルに関連付けられたアーティスト名やタイトル名などのMP3ファイルを識別する識別データとしてのタグデータ、画像データなどの各種データが、階層状に記録されている。なお、記録媒体15への音楽データなどのデータの記録は、例えばパーソナルコンピュータを用いて別途あらかじめ記録される。
【0033】
CPU4は、書込手段としてのRAM(Random Access Memory)などの図示しない内蔵メモリを備えている。この内蔵メモリには、再生装置1全体の動作制御をするOS(Operating System)上に展開される各種プログラムが記録されている。そして、CPU4は、内蔵メモリに記録された各種プログラムとして、データ検索手段としての音楽データ検索手段22と、階層毎の管理リストデータを作成する管理リスト作成手段23と、表示制御手段25と、が構成される。
【0034】
音楽データ検索手段22は、記録媒体15に記録された音楽データであるMP3ファイルを、最上階層から順次階層毎に検索する。
【0035】
管理リスト作成手段23は、音楽データ検索手段22にて階層毎に検索したMP3ファイルを、階層毎にリストアップする管理リストデータを作成する。
【0036】
表示制御手段25は、再生手段3にて再生して音楽データが所属する階層の管理リストデータを読み出し、表示部6に出力して表示させる。
【0037】
〔再生装置におけるデータ処理〕
次に、本実施の形態における音楽データであるMP3ファイルのデータの再生処理について、図面を参照して説明する。図2は、階層毎の管理リストデータを作成する動作を示すフローチャートである。図3は、MP3ファイルのデータを検索して管理リストデータを作成する動作を示すフローチャートである。図4は、記憶媒体の階層ファイルの構造を示す概念図である。図5は、階層毎の管理リストデータをリスト表示する動作を示すフローチャートである。図6は、階層毎の管理リストデータの画面表示を示す説明図である。図7は、最上階層より下層のディレクトリにおける階層の管理リストデータを表示するとともに、その管理リストデータの所属するMP3ファイルのデータが再生されている画面表示を示す説明図である。図8は、MP3ファイルのデータの再生中に管理リストデータを表示させる動作を示すフローチャートである。
【0038】
まず、記録媒体15が利用者により再生装置1に装着されると、図2のフローチャートに示すように、CPU4は図示しない検出手段により記録媒体15が装着されたことを認識する(ステップS1)。そして、CPU4は、記録媒体15に記録されたMP3ファイルの検索処理回数が0である旨を設定する。すなわち、CPU4は、記録媒体15に記憶されたMP3ファイルの再生処理回数に対応したN値がまだMP3ファイルのデータを再生処理していない旨のN=0を設定する(ステップS2)。
【0039】
この後、CPU4は、後述するように、あらかじめ記録媒体15に記録されたエントリ情報に基づいて記録媒体15に記録されたMP3ファイルを検索して管理リストデータを作成する処理をする(ステップS3)。そして、このステップS3におけるMP3ファイルの検索処理により、MP3ファイルを検出できたか否かを判断する(ステップS4)。
【0040】
このステップS4で、MP3ファイルを検出できなかった場合には、本実施の形態のMP3ファイルを検索して管理リストデータを作成する処理が終了する。また、ステップS4で、MP3ファイルが1つ以上検出できた場合には、ハードディスク2aの管理リストデータに記録されたN番目のMP3ファイル、最初の段階では1番目のMP3ファイルを検索処理する旨のN=N+1を設定する(ステップS5)。
【0041】
そして、CPU4は、ハードディスクドライブ2によりハードディスク2aに記録された管理リストデータを読み取る。なお、この読み取られた管理リストデータは、内蔵メモリに記憶される。この取得した管理リストデータに基づいてリストのN番目、最初の段階では1番目のMP3ファイルのファイル名を、最初に再生するMP3ファイルとして設定する(ステップS6)。
【0042】
この後、CPU4は、ステップS6で設定したMP3ファイルのデータを記録媒体15から読み取って内蔵メモリに記憶させる(ステップS7)。さらに、CPU4は、内蔵メモリに記憶したMP3ファイルのデータを再生手段3のDSP11に出力させ、DSP11で適宜伸長処理し、D/Aコンバータ12を介してスピーカ13で音として出力させる処理を開始し、MP3ファイルのデータを1曲目のトラックとして再生させる(ステップS8)。
【0043】
そして、CPU4は、ステップS8でMP3ファイルのデータの再生処理の開始後、記録媒体15の各階層毎の管理リストデータを作成する。具体的には、ルートディレクトリ内のディレクトリ毎、さらには各ディレクトリ内のディレクトリ毎に、順次管理リストデータを作成する(ステップS9)。この階層毎の管理リストデータの作成により、ステップS3で作成された管理リストデータをディレクトリ毎に分ける処理が行われる。
【0044】
また、CPU4は、階層毎の管理リストデータの作成とともに、現在再生しているMP3ファイルのデータの再生が完了したか否かを検出する(ステップS10)。そして、再生の完了を認識することにより、CPU4は次のMP3ファイルのデータを再生処理する旨のN=N+1を設定する(ステップS11)。
【0045】
この後、CPU4は、管理リストデータに基づいて、N段目すなわち2番目のMP3ファイルのファイル名を、次に再生するMP3ファイルのデータとして設定する(ステップS12)。そして、CPU4は、ステップS12で設定したMP3ファイルのデータを記録媒体15から読み取って内蔵メモリに記憶させる(ステップS13)。この後、CPU4は、内蔵メモリに記憶したMP3ファイルのデータを再生手段3のDSP11に出力させ、DSP11で適宜伸長処理し、D/Aコンバータ12を介してスピーカ13から音として出力させる処理を開始し、MP3ファイルのデータを再生させる(ステップS14)。
【0046】
そして、CPU4は、ステップS14でMP3ファイルのデータの再生処理を開始後、ステップS9における記録媒体15の各階層毎の管理リストデータの作成が完了していなければ、引き続き各階層毎の管理リストデータを作成する。また、既に管理リストデータの作成が終了していれば、ステップS10に進んで、管理リストデータに基づいて順次MP3ファイルのデータを再生させる。
【0047】
一方、ステップS3におけるMP3ファイルを検索して管理リストデータを作成する処理では、図3のフローチャートに示すように、例えば記録媒体15の図4に示すような階層ファイルの構造を階層索引順次アクセス方式(Hierarchical Indexed Sequential Access Method:HISAM)によりMP3ファイルを検索し、管理リストデータを作成する処理をする。
【0048】
具体的には、CPU4は、記録媒体15内に設けられたディレクトリ内に記録されたMP3ファイルの検索処理回数が0である旨を設定する。すなわち、CPU4は、記録媒体15内のディレクトリ内に記録されたMP3ファイルの検索処理回数に対応したn値がまだMP3ファイルを検索処理していない旨のn=0を設定する(ステップS21)。
【0049】
この後、CPU4は、音楽データ検索手段22により、データの検索処理をするディレクトリのディレクトリ名を設定する。例えば、データの検索処理対象のディレクトリのディレクトリ名を、検索対象として設定し、内蔵メモリに記憶させる処理をする。さらに、CPU4は、この検索処理対象のディレクトリのエントリ情報を取得する(ステップS22)。
【0050】
このステップS22において、取得するエントリ情報は、ディレクトリ内に格納されたデータ数などの情報である。また、検索処理当初では、記録媒体15の記録領域を構成する最上層のルートディレクトリをデータ検索処理することとなるので、ディレクトリ名としては、例えば「ルートディレクトリ」が設定され、このルートディレクトリ内のエントリ情報を取得することとなる。
【0051】
そして、CPU4は、データの検索処理をするディレクトリ内のn段目のデータを検索処理、処理当初では1段目のデータを処理するために、n=n+1を設定する(ステップS23)。この後、CPU4は、ステップS22で取得したエントリ情報に基づいて、n段目のデータの属性がファイル属性でかつファイル名の拡張子に「.mp3」であるか否かを判断する(ステップS24)。
【0052】
このステップS24で、n段目のデータの属性がファイル属性でないと判断した場合には、そのデータがディレクトリ属性であるか否かを判断する(ステップS25)。
【0053】
このステップS25において、ディレクトリ属性であると判断した場合には、そのディレクトリ内のエントリ情報を取得するために、データの検索処理を実施するディレクトリ名として、この検索したディレクトリのディレクトリ名に変更して内蔵メモリなどに記憶させる設定処理をする(ステップS26)。そして、ステップS22に進み、例えば図4に示すように、ディレクトリ1より下層のディレクトリ2内を1段目から順次検索処理させるように設定する。なお、このステップS22に進む際に、それまでデータの検索処理の対象であった上層のディレクトリのディレクトリ名およびデータの検索処理をしているn値を、例えば内蔵メモリに記憶しておく。
【0054】
また、ステップS25において、ディレクトリ属性ではないと判断した場合には、ファイル属性ではないが拡張子が「.mp3」であるとして、現在検索処理しているディレクトリのエントリ情報に基づいて、n値が現在のディレクトリ内におけるエントリ情報に記述されたデータの総数x(n=x)であるか否かを判断する(ステップS27)。
【0055】
一方、ステップS24で、拡張子が「.mp3」のファイル属性であると判断した場合には、この検索したn段目のエントリ情報のMP3ファイルのファイル名を、記録媒体15の管理リストデータとして登録する処理、MP3ファイルのファイル名を内蔵メモリに記憶されたディレクトリ名と対応付けて、MP3ファイルのファイル名を記憶させる。それらをハードディスク2aに記憶させる(ステップS28)。この後、ステップS27に進む。
【0056】
そして、ステップS27において、n=xではないと判断した場合、現在データの検索処理をしているディレクトリにおいて、データの検索処理をしていないデータが残っていると判断する。そして、引き続き検索処理を継続するために、ステップS23に戻ってn=n+1を設定し、順次データの検索処理をする。
【0057】
また、ステップS27において、n=xであると判断した場合には、現在データの検索処理をしているディレクトリ内の全てのデータを検索処理したと判断する。そして、CPU4は、現在、ルートディレクトリ内のデータの検索処理を実施しているか否かを判断する(ステップS29)。この判断は、例えばデータの検索処理対象として内蔵メモリに記憶したディレクトリ名に基づいて判断する。
【0058】
そして、ステップS29で、ルートディレクトリのデータの検索処理を実施しているのではないと判断した場合には、ディレクトリ内のデータ検索処理をしていると判断し、このディレクトリがエントリ情報として含まれる1つ上層のディレクトリに戻って、データの検索処理を継続する(ステップS30)。このステップS30でのデータの検索処理を継続する際には、例えばステップS26で内蔵メモリに記憶しておいたディレクトリのディレクトリ名とデータの検索処理が終了して段数のn値とに基づいて処理する。より具体的には、データ検索処理対象のディレクトリ名を記憶されていたディレクトリのディレクトリ名に再び変更するとともに、記憶されていたn値を呼び出す。
【0059】
この後、ステップS23に戻って、次のデータを検索処理するために、n=n+1を設定し、再びデータを順次検索処理する。
【0060】
そして、ステップS29で、現在ルートディレクトリのデータの検索処理を実施していると判断した場合には、CPU4は記録媒体15に記録された全てのデータの検索処理が終了したと判断する。このようにして、記録媒体15のMP3ファイルのファイル名をリストアップする管理リストデータを作成するためのMP3ファイルの検索処理が終了する。そして、検索処理が終了するとほぼ同時に、階層毎に作成された管理リストデータの基となる管理リストデータがハードディスク2aに形成されることとなる。
【0061】
上記した処理では、記録媒体15が装着されて直ちにMP3ファイルのファイル名が検索されて抽出される。そして、記録媒体15からMP3ファイルのデータを再生するために最小限のMP3ファイルのデータを設定し、その設定されたMP3ファイルのデータを再生させるとともに、再生している間に各階層毎の管理リストデータを作成する。
【0062】
このようにして、各階層毎の管理リストデータの作成が必要最小限のMP3ファイルの再生の間に終了する。この作成された管理リストデータをリスト表示する場合には、図5のフローチャートに示すように処理される。
【0063】
すなわち、図5のフローチャートに示すように、まずCPU4は、利用者による記録媒体15に記録されたMP3ファイルのデータを選択させる旨の操作部5の入力操作の待機状態となっている(ステップS31)。そして、CPU4が操作部5からの選択指令の信号を認識すると、ハードディスク2aに記憶された最上階層のルートディレクトリの管理リストデータを読み出し、内蔵メモリに記憶させる(ステップS32)。そして、CPU4は、内蔵メモリに記憶した管理リストデータを、例えば図6に示すように、表示部6に表示させる制御をする(ステップS33)。
【0064】
さらに、CPU4は、1階層下のリスト表示を要求する操作部5の入力操作の有無を検出する(ステップS34)。この下層のリスト表示を要求する入力操作としては、例えば図6に示す表示されたリストの中からディレクトリのタイトル名を選択して設定入力される。このステップS34で、操作部5の下層のリスト表示の要求が無いと判断した場合には、リスト表示の処理を終了する。
【0065】
また、ステップS34で、さらに下層のリスト表示を要求する入力操作を認識すると、選択された階層、すなわち選択されてリスト表示要求されたディレクトリの管理リストデータをハードディスク2aから読み取り、内蔵メモリに記憶させる(ステップS35)。そして、CPU4は、内蔵メモリに記憶した管理リストデータを、例えば図7に示すように、表示部6に表示させる制御をする(ステップS36)。この後、さらに下層のリスト表示の要求の有無を認識するために、ステップS34に進む。
【0066】
この図5のフローチャートに示す動作により、階層毎に作成した管理リストデータがリスト表示される。
【0067】
また、MP3ファイルのデータの再生処理における表示においては、図8のフローチャートに示すように処理される。すなわち、CPU4は、再生するトラックの切り替わり、すなわちMP3ファイルのデータを検出する待機状態となっている(ステップS41)。具体的には、例えば再生するMP3ファイルのデータを切り替える入力操作や再生するMP3ファイルのデータの再生が終了し、次のMP3ファイルのデータを再生するため、MP3ファイルのデータの切替を検出する。
【0068】
そして、CPU4は、トラックの切り替わりを検出すると、切替られるMP3ファイルが所属する階層であるディレクトリの管理リストデータをハードディスク2aから検索する(ステップS42)。そして、検索した管理リストデータを内蔵メモリに記憶させ(ステップS43)、この記憶した管理リストデータを、図7に示すように表示制御手段25により表示部6に表示させる(ステップS44)。このようにして、再生する音楽データに対応した管理リストデータが表示される。
【0069】
このリスト表示された音楽データを選択して設定する操作部5の入力操作により、CPU4は選択された音楽データを記録媒体15から読み出し、再生手段3にて再生させる処理をする。この音楽データが再生されている間、図7に示すように、その音楽データが所属する管理リストデータが常時リスト表示される。
【0070】
このように、音楽データ検索手段22にて記録媒体15に階層状に記録されたMP3ファイルを最上階層から順次階層毎に検索し、そして、階層毎に検索したMP3ファイルやディレクトリなどのデータを管理リスト作成手段23にて階層毎にリストアップして管理リストデータを作成する。よって、利用者が選択して再生を所望するMP3ファイルのデータを階層毎に表示させるので、再生を所望するMP3ファイルのデータの選択が容易でかつ迅速にでき、記録媒体15が装着されてからMP3ファイルのデータが再生されるまでの時間が短縮し、利便性を向上できる。そして、この作成した管理リストデータをハードディスク2aに記憶させるので、一旦電源がオフとなっても階層毎に作成された管理リストデータは記憶されているので、再び再生させる際には直ちに再生処理できる。
【0071】
また、最上階層からMP3ファイルのデータを検索して最初に検出したMP3ファイルのデータを再生させている間に階層毎の管理リストデータを作成しているので、記録媒体15を装着してから音楽再生されるまでの時間を短縮化できるので、処理効率も向上できる。
【0072】
そして、再生している間は常時そのMP3ファイルのデータが所属する階層の管理リストデータを表示させるので、所属する管理リストデータを適宜確認でき、利便性を向上できる。
【0073】
また、MP3ファイルのデータを再生する際に、この再生されるMP3ファイルのデータが所属する階層の管理リストデータを表示させる。このため、再生されるMP3ファイルのデータが所属する管理リストデータの表示により、利用者は他の所属するMP3ファイルのデータを容易に認識でき、利便性を向上できる。
【0074】
そして、操作部5の入力操作により、表示部6に画像表示される階層毎の管理リストデータにリストアップされるMP3ファイルを設定入力することにより、CPU4が設定されたMP3ファイルのデータを再生させる。このため、利用者が再生させるMP3ファイルのデータを管理リストデータに基づいて容易に選択でき、利便性を向上できる。
【0075】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0076】
上述した実施の形態では、コンピュータに読み取り可能なプログラムとし、コンピュータに装着された記録媒体15に記録されたデータを再生させる処理の際に、階層毎の管理リストデータを作成する処理を実行させるプログラムなど、いずれの形態でも適用できる。もちろん、プログラムを記録した記録媒体としてもよい。
【0077】
そして、本実施の形態におけるプログラム情報としては、MP3方式により圧縮されたMP3データを対象として説明したが、これに限ることなく、異なる方式により圧縮されたいずれの音楽データや圧縮処理されていないデータについても適用可能で、さらには画像データなど他のいずれのプログラム情報でも適用できる。
【0078】
また、作成した管理リストデータをハードディスク2aに記憶させたが、内蔵メモリに記憶させたり、別の記憶手段に記憶させてもよい。
【0079】
そして、記憶手段は、ハードディスク2aに限らず、例えば、CD−R(Compact Disk-Read)、CD−R/W(Compact Disk-Read/Write)、DVD−RAM(Digital Versatile Disc-Random Access Memory)などの磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、記憶素子、複数の素子にて構成された回路基板、磁気カードなど、いずれの構成でもできる。
【0080】
また、記録媒体15としては、1つのみ装着可能な構成に限らず、複数の記録媒体15が装着される構成としてもよい。この場合には、各記録媒体15についてそれぞれ階層毎に管理リストデータを作成すればよい。
【0081】
さらに、書込手段として内蔵メモリを用いて説明したが、例えばハードディスク2aに書き込むなど、内蔵メモリに限らず、データを読み書き可能な他のいずれの構成を用いることもできる。
【0082】
本発明は、上述した一実施の形態および実施形態の変形のみに限ることなく、その他、本発明の目的を逸脱しない範囲で様々な応用が可能である。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、記録媒体に階層状に記録されたプログラム情報を識別する識別データを最上層から順次階層毎に検索して読み取るとともに識別データをリストアップして階層毎の管理リストデータを作成するため、所望のプログラム情報を再生するまでの時間を短縮できる。
【0084】
また、本発明によれば、最初に検出した前記識別データに対するプログラム情報を再生させる再生処理を開始させ、この再生処理の開始後に、このプログラム情報の識別データが属する階層毎に識別データをリストアップして管理リストデータを作成するため、プログラム情報を再生しつつ階層毎の管理リストデータが作成され、プログラム情報を再生するまでの時間が掛かって利用者に不信感を与えるという不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る再生装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】前記一実施の形態における階層毎の管理リストデータを作成する動作を示すフローチャートである。
【図3】前記一実施の形態における音楽データを検索して管理リストデータを作成する動作を示すフローチャートである。
【図4】前記一実施の形態における記憶媒体の階層ファイルの構造を示す概念図である。
【図5】前記一実施の形態における階層毎の管理リストデータをリスト表示する動作を示すフローチャートである。
【図6】前記一実施の形態における最上階層の管理リストデータの画面表示を示す説明図である。
【図7】前記一実施の形態における下層の階層毎の管理リストデータを表示するとともに、その管理リストデータに所属する音楽データが再生されている画面表示を示す説明図である。
【図8】前記一実施の形態における階層毎の管理リストデータを表示させる動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 データ処理装置としての情報再生装置である再生装置
2a 記憶手段としてのハードディスクドライブ
4 制御手段としてのCPU
6 表示手段としての表示部
7 読取手段としてのディスクドライブ
15 記録媒体
22 音楽データ検索手段
23 管理リスト作成手段

Claims (12)

  1. 記録媒体に階層状に記録された個々のプログラム情報を識別する識別データを読み取ってリストアップすることにより管理リストデータを作成するデータ処理装置であって、
    前記識別データを最上層から順次階層毎に検索して読み取るとともに、最初に検出した前記識別データに対するプログラム情報を再生させる再生処理を開始させ、この再生処理の開始後に、読み取られた識別データが属する階層毎に前記識別データをリストアップして前記管理リストデータを作成する
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  2. 請求項1に記載のデータ処理装置において、
    識別データに対するプログラム情報が再生される際に前記識別データが属する階層の管理リストデータを表示手段に表示させる
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  3. 請求項2に記載のデータ処理装置において、
    プログラム情報の再生中に表示手段に表示されている管理リストデータを構成する識別データの中から、前記再生中のプログラム情報を識別する識別データ以外の識別データが選択された場合、この選択された識別データに対するプログラム情報の再生処理をする
    ことを特徴とするデータ処理装置。
  4. 記録媒体に階層状に記録された個々のプログラム情報を識別する識別データを読み取ってリストアップすることにより管理リストデータを作成するデータ処理方法であって、
    前記識別データを最上層から順次階層毎に検索して読み取り、
    最初に検出した前記識別データに対するプログラム情報を再生させる再生処理を開始させ、
    この再生処理後に、前記読み取った識別データが属する階層毎に前記識別データをリストアップする
    ことを特徴とするデータ処理方法。
  5. 請求項4に記載のデータ処理方法において、
    識別データに対するプログラム情報が再生される際に、識別データが属する階層の管理リストデータを表示手段に表示させる
    ことを特徴とするデータ処理方法。
  6. 請求項5に記載のデータ処理方法において、
    プログラム情報の再生中に表示手段に表示されている管理リストデータを構成する識別データの中から、前記再生中のプログラム情報を識別する識別データ以外の識別データが選択されたことを認識すると、この選択された識別データに対するプログラム情報の再生処理をする
    ことを特徴とするデータ処理方法。
  7. 請求項4ないし6のいずれかに記載のデータ処理方法をコンピュータに実行させる
    ことを特徴とするデータ処理プログラム。
  8. 請求項7に記載のデータ処理プログラムがコンピュータにて読取可能に記録された
    ことを特徴とするデータ処理プログラムを記録した記録媒体。
  9. 記録媒体に階層状に記録された個々のプログラム情報を読み出して再生する情報再生装置であって、
    前記記録媒体に記録された個々のプログラム情報を識別する識別データを最上層から順次階層毎に検索して読み取る読取手段と、
    この読取手段により読み取られた識別データに対するプログラム情報が書き込まれる書込手段と、
    記読取手段により最初に読み取った前記識別データに対する前記プログラム情報を前記書込手段に書き込ませるとともに、この書込手段に書き込まれた前記プログラム情報を再生させ、この最初のプログラム情報の再生中に前記識別データが属する階層毎にその識別データをリストアップして管理リストデータを作成し、この管理リストデータに基づいて前記書込手段に前記プログラム情報を順次書き込ませて順次再生させる制御手段と、
    を具備したことを特徴とする情報再生装置。
  10. 記録媒体に階層状に記録された個々のプログラム情報を読み出して再生する情報再生方法であって、
    前記記録媒体に記録された個々のプログラム情報を識別する識別データを最上階から順次階層毎に検索して読み取り、
    最初に検出した前記識別データに対する前記プログラム情報を書込手段へ書き込ませるとともに、この書込手段に書き込まれた前記プログラム情報を再生させ、
    このプログラム情報の再生中に前記識別データが属する階層毎にその識別データをリストアップして管理リストデータを作成させ
    この作成した前記管理リストデータに基づいて前記書込手段に前記プログラム情報を順次書き込ませて順次再生させ
    ことを特徴とする情報再生方法。
  11. 請求項10に記載の情報再生方法をコンピュータに実行させる
    ことを特徴とする情報再生プログラム。
  12. 請求項11に記載の情報再生プログラムがコンピュータにて読取可能に記録された
    ことを特徴とする情報再生プログラムを記録した記録媒体。
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