JP4460786B2 - 音楽映像再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、交換可能に装着される記録媒体あるいはライン入力源からと内蔵メモリから音楽映像を再生できるようにした音楽映像再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、DVD等の音楽映像記録媒体(メディア)を装着して音楽と映像を再生するようにした音楽映像再生装置において、携帯型のものが開発されている。かかる携帯型の音楽映像再生装置は音楽映像記録媒体を装着しないと、当然のことながら画像や音声を再生することができなかったが、近年は、内蔵メモリを備え、この内蔵メモリに音楽映像を記録し再生できるようにした音楽映像プレーヤが提案されている。これにより、お気に入り音楽映像を聞いたり見たりするためには、常に特定のメディアを持ち歩かなくともよいため、携帯性が向上する。そして、内蔵メモリとしてはフラッシュメモリ等が利用されており、これは不揮発性で電源のバックアップが不要であるからである。
【0003】
このような内蔵メモリを備えた音楽のみの再生プレーヤとしては、例えば特開平11−297063号公報には、リモートコントローラに音声信号を記録及び再生できるようにした半導体メモリを内蔵させ、繰り返し聞きたい曲を携帯用の音楽プレーヤから記録し、携帯用プレーヤを動作させずに半導体メモリから繰り返し再生させ、音楽プレーヤの消耗及び電池の消費を少なくするようにしたものについて開示がなされている。一方、内蔵メモリを備えていない音楽再生装置において、特開平9−128868号公報には、CDに記録されているダイジェスト管理情報に基づいて、CDからダイジェスト音楽を再生するようにした音楽再生装置について開示がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の内蔵メモリを備えた音楽映像プレーヤにおいては、折角内蔵メモリを備えていても、単に短い曲又は映像を記録し再生する程度の利用に止まり、内蔵メモリの有効な利用に関する提案はなされていない。本発明は、内蔵メモリを有効に活用した音楽映像再生装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に係る発明は、少なくとも音楽ファイルと静止画ファイルが記憶された内蔵メモリと、少なくとも前記音楽ファイルと静止画ファイルを単独又は組み合わせて再生する再生制御手段と、少なくとも前記音楽ファイルと静止画ファイルの組み合わせを指定する組合せ指定手段とを備え、前記組合せ指定手段は、指示に応じて、前記組み合わせをパワーオン時に再生されるオープニングファイルとして指定し、前記再生制御手段は、前記組合せ指定手段によって前記オープニングファイルが指定されている場合には、パワーオン時に指定されたオープニングファイルを再生し、前記オープニングファイルが指定されていない場合には、パワーオン時に、前記音楽ファイル又は静止画ファイルのいずれかの種類であって、設定された優先順位に従った種類の先頭ファイルを再生することを特徴として音楽映像再生装置を構成するものである。
【0006】
このように構成された音楽映像再生装置においては、パワーオン時にすぐに指定されたお気に入りのオープニングファイルを再生、あるいはお気に入りのダイジェスト音楽又は静止画を流すことができ、また装置のパワースイッチ部分を目で視認しなくてもパワーオンの確認が容易に且つスマートにできる。また、特定のファイルを指定しておかなくても、音楽又は静止画のいずれかを再生することができるだけでなく、ユーザの好みに応じた種類をオープニングファイルとすることができる
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る音楽映像再生装置において、前記再生制御手段は、前記オープニングファイルの静止画ファイルとして複数の静止画ファイルが指定されている場合には、前記パワーオン時に、前記オープニングファイルに係る音楽ファイルを再生しながら、当該複数の静止画ファイルを切り替えて再生することを特徴とするものである。このように構成された音楽映像再生装置においては、スライドショー的にダイジェスト音楽と静止画の組み合わせ再生を行うことができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る音楽映像再生装置において、前記組合せ指定手段により、前記音楽ファイルと静止画ファイルの組み合わせとして複数の組み合わせが指定された場合に、前記再生制御手段は、前記パワーオン後には、前記複数の組み合わせの中から、指示された組み合わせを再生することを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に係る音楽映像再生装置において、前記内蔵メモリに記録されている音楽ファイルは曲の一部分であるダイジェスト音楽ファイルであることを特徴とするするものである。
【0010】
このように構成された音楽映像再生装置においては、内蔵メモリに、記録媒体に記録された音楽ファイルの一部のダイジェスト部分をダイジェスト音楽として記録し再生するように構成しているので、少ない記憶容量の内蔵メモリでも複数のダイジェスト音楽を記録することが可能となる。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に係る音楽映像再生装置において、前記内蔵メモリには更に動画ファイルが記憶され、前記組合せ指定手段は、前記音楽ファイルと静止画ファイルに、更に前記動画ファイルを組み合わせに含ませ、前記再生制御手段は、前記オープニングファイルが指定されていない場合のパワーオン時に、設定された優先順位に従って決まる先頭ファイルの種類として、前記音楽ファイル又は静止画ファイルに更に前記動画ファイルを加えることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る音楽映像再生装置の実施の形態の概略的な全体構成を示すブロック構成図である。図1において、1は交換可能に装着されるディスクあるいはカード状などの記録媒体(音楽映像メディア)、2は記録媒体1を装着し該記録媒体からデータを読み込むためのディスクドライブ、3はディスクドライブ2に装着された記録媒体1の有無を検出するためのセンサ、4はディスクドライブ2の動作を制御するためのドライブコントローラである。5はディスクドライブ2及びドライブコントローラ4を介して出力される記録媒体1の音楽映像データのダイジェスト部分データを記録・保存するための不揮発性フラッシュメモリなどのROMで、該ROM5は、またビデオ信号入力端子6から入力されるカメラで撮影された映像信号(静止画)を、I/F回路7を通して記録するようになっている。8は記録媒体1から読み出される音楽映像データ及びROM5から読み出されるダイジェスト部分データのJPEG伸長処理、MPEG伸長処理、MP3伸長処理や、更にはビデオ信号入力端子6から入力される映像信号のROM5への記録時のJPEG圧縮処理などの信号処理を行う信号処理回路、9は信号処理回路8で信号処理を行う際やROM5への登録動作の際などにおいてデータを一時的に保持するために用いるRAM、10は記録媒体1から読み出され伸長処理された音楽データ、又はROM5から読み出され伸長処理されたダイジェスト音楽データをD/A変換するためのD/A変換器、11は増幅器、12はスピーカである。13はビデオエンコーダで、記録媒体1あるいはROM5から読み出され、信号処理回路8でJPEG伸長処理あるいはMPEG伸長処理された映像信号(動画又は静止画)あるいはダイジェスト映像信号を、LCDドライバ15を介してLCD表示部16で出力するビデオ信号に変換するものである。14はビデオエンコーダ13から出力されるビデオ信号を出力するビデオ信号出力端子である。17はスライドショープログラムを内蔵し、各部の動作の制御を行うシステムコントローラ、18はモード設定等の各種設定操作を行うための操作部で、該操作部18で設定されたモードや動作状態等はLCD表示部16で表示されるようになっている。なお、図1において、19はパソコン等の周辺機器への入出力端子(USB端子)で、20はその入出力のためのI/F回路である。
【0013】
記録媒体1には、音楽映像実データと共にダイジェスト部分指定データ(以下、単にダイジェストデータという)がある場合と、ダイジェストデータがない場合があり、ダイジェストデータがない場合は、音楽映像再生装置内で音楽映像実データからダイジェストデータを作成することになるが、次にダイジェストデータが記録媒体内にある場合の記録媒体のデータ構造について説明する。ダイジェストデータには、番地情報としての始点と終点のアドレス、及び再生時間が含まれており、図2の(A)に示すように、各音楽・映像(各音楽映像実データ)毎に記録媒体内に配置されて構成されている場合と、図2の(B)に示すように全音楽・映像(全音楽映像実データ)に対して、まとめてダイジェストデータが配置されて構成されている場合がある。
【0014】
次に、ダイジェスト音楽・映像実データ及びダイジェストデータ等のROM5への記録・保存するための登録動作について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の各動作は、操作部18からのモード設定等の操作指示に基づいて全てシステムコントローラ17の制御により行われるものとする。まず、操作部18からダイジェストデータの記録モードの設定を行うこと(ダイジェストRECボタン操作)により、ディスクドライブ2に装着されている記録媒体1にダイジェストデータがあるか否かの判断が行われる(ステップS1)。記録媒体1に図2の(A)又は(B)に示すデータ構造のダイジェストデータがある場合には、次いで記録媒体内の所望の音楽・映像のダイジェストデータに対応するファイルを指定し(ステップS2)、記録媒体から指定音楽・映像のダイジェスト音楽・映像の実データの読み込みを行い(ステップS3)、その付帯情報(図4参照)と共にROM5への登録動作に入る。その際、ROM5の記憶容量に残量があるか否かの判断を行い(ステップS4)、残量がある場合は指定音楽・映像のダイジェスト音楽・映像実データの登録動作を続行し(ステップS5)、残量がない場合はLCD表示部16に「メモリ残量が足りません!」などの警告表示を行い(ステップS6)、終了する。そして、残量がある場合に登録動作を続行した後、その登録動作を終了するか否かの判定を行い、続いて登録すべき指定音楽・映像のダイジェスト音楽・映像実データがない場合は、ダイジェストRECモードを終了する(ステップS7)。
【0015】
上記記録媒体1にダイジェストデータがあるか否かを判定するステップS1において、記録媒体1にダイジェストデータがない場合には、ユーザがダイジェスト音楽・映像実データを作成して、その他の付帯情報(図4参照)と共にROM5に登録することになる。その場合は、まず図3に示すように、ダイジェストデータ作成モードが設定される(ステップS8)。そして、ダイジェストデータを作成すべき音楽、映像(動画)、静止画のいずれかのファイルを指定する(ステップS9)。次いで、指定されたファイルが静止画ファイルであるか、静止画ファイル以外の音楽又は映像ファイルであるかの判定が行われ(ステップS10)、指定されたファイルが静止画の場合は、その指定された静止画ファイルをダイジェスト静止画実データとして読み込む(ステップS11)。指定されたファイルが静止画ファイルではない音楽又は映像ファイルの場合は、LCD表示部16に「再生します。お好きなところでRECボタンを押して下さい。」などの表示が行われる。これにより、記録媒体1を再生しながらダイジェスト実データを読み込みダイジェストデータを作成する(ステップS12)。
【0016】
以上のようにして、静止画ファイルのダイジェスト実データ、あるいは音楽又は映像ファイルのダイジェスト実データが読み込まれると共に、ダイジェストデータが作成されるが、その際、ROM5の残量があるか否かの判定が行われる(ステップS13)。ROM5の残量がない場合には、記録媒体1にダイジェストデータがある場合の登録と同様に、警告表示を行い(ステップS6)、登録動作を終了する。残量がある場合は、読み込まれたダイジェスト実データとダイジェストデータ等の付帯情報のROM5への登録動作を続行し(ステップS14)、そして、続いて登録すべき指定ファイルのダイジェスト実データがない場合は、ダイジェストRECモードを終了する(ステップS15)。
【0017】
次に、上記ステップS12における指定音楽又は映像ファイルからダイジェスト音楽又は映像実データを読み込みダイジェストデータを作成する手順例について、更に詳細に説明する。記録媒体1の指定音楽又は映像ファイルを再生しながら、好みの部分で「ダイジェストRECボタン」を押すことにより、ダイジェスト部分の記録が開始され、t〔sec(byte)〕後、もしくはメモリ残量がなくなり次第、自動的に記録が終了し、所望のt〔sec(byte)〕部分のダイジェスト音楽又は映像実データが作成され、ダイジェストデータ等の付帯情報と共にROM5に登録される。
【0018】
また、指定音楽又は映像ファイルの好みの部分のダイジェスト音楽又は映像実データを作成・登録する場合は、次の手順で行うこともできる。すなわち、指定音楽又は映像ファイルを再生しながら、好みの部分で1回目の「ダイジェストRECボタン」の押し操作を行い、ダイジェスト部分の記録を開始し、次いでt〔sec(byte)〕内において2回目の「ダイジェストRECボタン」の押し動作を行って記録を終了させることにより、上記第1の手順によるものより短い所望部分のダイジェスト音楽又は映像実データを作成・登録することができる。
【0019】
なお、静止画ファイルからダイジェスト静止画実データを読み込み登録する態様に関して、上記図3に示したフローチャートでは、記録媒体中の静止画ファイルを指定し、指定された静止画ファイルをダイジェスト静止画実データとして読み込むようにしたものを示したが、ダイジェスト静止画実データは、前記各操作で登録されたダイジェスト映像(動画)実データをコマ表示し、その1コマを選択してダイジェスト静止画実データとして再登録することができる。この際、ダイジェスト映像実データに音楽データが含まれている場合は、その音楽データは無視するものとする。
【0020】
また、ダイジェスト静止画実データは、カメラで撮影しビデオ信号入力端子から入力される画像(静止画)信号、あるいは音楽の入っていない別個の画像媒体(画像CD、スマートカード、CF等)から入力させて登録することもできる。
【0021】
次に、ダイジェスト実データ及びその他の付帯情報のROM5への記録・登録態様を、図4の(A),(B)に示すROM5のデータ登録構造に基づいて説明する。ROM5は、管理部5Aとファイル部5Bとで構成され、ファイル部5Bには音楽、映像(動画)、静止画ファイル群を設け、各ファイル群には、1曲毎、1映像毎、あるいは1静止画毎にファイル番号が付されたファイルが設けられている。すなわち、例えば音楽ファイル群の各ファイルにはA♯1,A♯2,・・・、映像ファイル群の各ファイルにはV♯1,V♯2,・・・、静止画ファイル群の各ファイルにはP♯1,P♯2,・・・のような番号が付されている。そして、各ファイル毎に、オリジナル曲、オリジナル映像、オリジナル静止画のファイル名、例えば、音楽ファイルではA001,A002,・・・、映像ファイルではV001,V002,・・・、静止画ファイルではP001,P002,・・・と、登録(コピー)時〔01/01/15.30 (1月1日15時30分の趣旨)〕、ダイジェストデータ(ダイジェスト指定部分の情報として始点と終点のアドレス等)、及びダイジェストデータに対応するダイジェスト実データが記録されるようになっている。
【0022】
なお、ダイジェスト実データとしては、音楽、映像(動画)、静止画それぞれに適切な圧縮形式(MP3,MPEG4,JPEG等)で処理された実データが記録されるようになっている。また、この例では、ダイジェストデータとして、音楽ファイルではダイジェストデータの始点と終点のアドレスをフレーム番号〔(frame1,frame2)、・・・〕で、映像ファイルでもダイジェストデータの始点と終点のアドレスをフレーム番号〔(frame4,frame7)、・・・〕で示しているが、静止画ファイルでは始点と終点のアドレスの代わりに、フォルダ名とファイル名〔(folder1,P001)、・・・〕で示している。
【0023】
一方、管理部5Aでは、上記のように登録したダイジェストデータに対応する各ファイルの組み合わせ再生情報を登録している。音楽、映像、静止画の各ファイルの組み合わせとしては、以下の4つの組み合わせ態様を指定し登録するようになっている。
(1)音楽のみの組み合わせ
(2)静止画のみの組み合わせ
(3)映像(動画)のみの組み合わせ(音楽が含まれている映像の組み合わせ も含む)
(4)音楽と静止画の組み合わせ
【0024】
図4の(A)に示した図示例では、組み合わせ番号C♯01は音楽ファイル同志の組み合わせ(A001,A002)、組み合わせ番号C♯02は静止画ファイル同志の組み合わせ(P002,P004,P005)、組み合わせ番号C♯03は映像ファイル同志の組み合わせ(V001,V003)、組み合わせ番号C♯04は音楽ファイルと静止画ファイルの組み合わせ(A005,A006,P006,P009)、組み合わせ番号C♯05〜C♯07は、それぞれ1つのファイルを組み合わせの一態様として登録としている例を示している。
【0025】
また、管理部5Aには、この組み合わせ再生情報の他に、上記組み合わせのうち「静止画のみの組み合わせ」あるいは「音楽と静止画の組み合わせ」には、再生時にスライドショー的な演出効果をもたせることができるので、そのスライドショー演出効果をもたせる組み合わせに対して、スライドショー再生情報として後述のスライドショー演出効果番号(SN01,SN02,・・・)が登録されており、更にはまた各ファイルの組み合わせ、あるいはその組み合わせとスライドショー演出効果の特定の組み合わせを、オープニングファイルとして指定して登録するオープニング再生指定情報も記録されている。なお、上記スライドショー再生情報には、静止画の切り替えに関する情報、例えば上記スライドショー演出効果番号SN02に対しては、「画像切替時間として3秒」などの情報が含まれている。
【0026】
また、ROM(フラッシュメモリ)5に記録・登録したダイジェスト関連データは、ファイル毎にあるいは一括して消去することが可能であるが、ダイジェストデータのない記録媒体からダイジェスト実データを作成して、その付帯情報と共にROMに記録・登録している場合には、登録したダイジェスト実データのオリジナル音楽、映像、静止画のファイル名と、そのダイジェストデータアドレス(ダイジェスト指定部分情報)だけを残して、ダイジェスト実データとその他の付帯情報を消去するのが便利である。すなわち、オリジナル音楽、映像、静止画のファイル名とダイジェストデータアドレスのみでは数バイトの容量で済むので、ROMの記憶容量に対しての負担には殆どならないばかりでなく、再度同一の記録媒体を装着し、再びダイジェスト実データを作成しROMに登録する場合には、同じ操作をせずに、消去せずに残した情報を再利用して容易にダイジェスト実データを、ROMに再登録することが可能となる。
【0027】
次に、このような構成の音楽映像再生装置の再生動作について説明する。再生手順として一般には、ROM5に記録・登録されているダイジェスト実データの音楽、映像、静止画のファイル種別及びファイル番号を指定して再生するが、その他に、ROM5のダイジェスト実データの記録されている全てのファイル(音楽、映像、又は静止画)を順次連続して再生する手法、全てのファイルをランダムに再生する手法、全てのファイルをt[sec(byte)] より短いt′[sec(byte)] ずつ、例えば20秒のダイジェスト音楽部分の記録中の最初の5秒部分とかを、順次又はランダムに再生する手法(メドレー再生)などの再生態様で再生させることができる。
【0028】
また、特殊な再生態様として、パワーオン時に記録媒体1が装着されていない場合は、ROMに記録されているダイジェスト音楽、映像、静止画のオープニングファイルを再生するオープニング再生があり、次に、図5のフローチャートを参照しながら、このオープニング再生について詳細に説明する。まず、パワーオン(電源ON)時に、装着されている記録媒体1の有無が検出され(ステップS21)、記録媒体が装着されている場合は、記録媒体からのオリジナルファイル(音楽、映像、静止画)の再生を優先的に実行する準備のためスタンバイ状態とする(ステップS22)。記録媒体1が装着されていない場合は、ROM5に記録されているダイジェスト実データのオープニング再生を行わせるため、まずROM5にダイジェスト実データが記録されているか否かの判定が行われる(ステップS23)。ROM5にダイジェスト実データが何も記録されていなければ、再生不能であるので、スタンバイ状態となるが、何らかのダイジェスト実データ(音楽、映像、静止画)がある場合には、オープニングファイルの指定(ROM5の管理部のオープニング再生指定情報)の有無が判定され(ステップS24)、オープニングファイルの指定がなされている場合には、ROM5からダイジェスト実データの指定ファイルを検索し(ステップS25)、検索された指定ファイルをファイル形式に従ってオープニング再生する(ステップS26)。
【0029】
一方、オープニングファイルの指定の有無の判定ステップS24において、オープニングファイルの指定がなされていない場合は、ROM5のダイジェストファイルを検索して(ステップS27)、まずダイジェスト音楽ファイルの有無を判定する(ステップS28)。ここでダイジェスト音楽ファイルがある場合には、最初のダイジェスト音楽ファイルA♯1にアクセスし(ステップS29)、そのダイジェスト音楽ファイルA♯1をファイル形式に従ってオープニング再生する(ステップS26)。その際、LCD表示部16へは信号を与えず表示は行われない。
【0030】
上記ダイジェスト音楽ファイルの有無の判定ステップS28において、ダイジェスト音楽ファイルがない場合は、次にダイジェスト映像ファイルの有無を判定し(ステップS30)、ダイジェスト映像ファイルがある場合には、最初のダイジェスト映像ファイルV♯1にアクセスし(ステップS31)、そのダイジェスト映像ファイルV♯1をファイル形式に従ってオープニング再生する(ステップS26)。その際、LCD表示部16に自動的にファイルV♯1のダイジェスト映像を表示する。また、上記ダイジェスト映像ファイルの有無の判定ステップS30において、ダイジェスト映像ファイルがない場合は、残りは静止画のみであるので、最初のダイジェスト静止画ファイルP♯1にアクセスし(ステップS31)、そのダイジェスト静止画ファイルP♯1をファイル形式に従ってオープニング再生し、自動的にLCD表示部16に表示する。
【0031】
なお、上記図5のフローチャートで示した例では、オープニングファイルの指定がない場合のオープニング再生順位を音楽、映像、静止画の順としたものを示したが、この優先順位はどのように設定することも可能である。
【0032】
次に、他の特殊再生として、組み合わせ再生について説明する。先にダイジェストデータのROMへの登録において、管理部への組み合わせ再生情報の登録に関して説明したように、ダイジェスト音楽、映像、静止画の各ファイルの組み合わせ再生には、次の4つの組み合わせ再生形態がある。
【0033】
(1)音楽のみの組み合わせ再生
この音楽のみの組み合わせ再生は、ROM5の管理部の組み合わせ番号C♯01を指定することにより、オリジナル音楽ファイルA001→A002の順番で、このファイルに対応するダイジェスト音楽実データが自動的に切り替えて再生される。なお、この切り替え再生は、操作部の指示ボタン(例えば十字キー)の指示により行うこともできる。この音楽のみの組み合わせ再生については、スライドショー的演出効果付きの再生は行えないので、その再生を行わせるためのスライドショー演出効果番号の付与は行えない。
【0034】
(2)静止画のみの組み合わせ再生
この静止画のみの組み合わせ再生は、ROM5の管理部の組み合わせ番号C♯02を指定することにより、スライドショー演出効果番号が付与されていない場合は、オリジナル静止画ファイルP002→P004→P005の順番で、このファイルに対応するダイジェスト静止画実データが、操作部の指示ボタンの指示により切り替え再生表示される。スライドショー演出効果番号が付与されている場合は、オリジナル静止画ファイルP002→P004→P005の順番で、このファイルに対応するダイジェスト静止画実データが、設定されているスライドショー演出効果番号SN01に対応して切り替え再生表示される。
【0035】
スライドショー的演出効果は、操作部18に設けられているメニューボタンで表示されるメニュー項目中に「スライドショーバリエーション」の項目が設けられており、次に示すような内容のスライドショーを指定番号に対応させて行えるように構成されている。なお、指定番号SN02〜SN09に対応する左欄の記号は選択子である。
(a) 一定時間間隔のスライドショー ・・・・・・・・・・・SN01
(b) リズミカルなスライドショー(演出効果を含む)
(i) Rock&POP:ハイテンポでの表示やスポットライト的な表示
・・・・・・・SN02
(ii) Hard :反転画像の飛び込み表示、画像の2値化 ・・・・・SN03
(iii) HipHop :独特なテンポでの表示、明度を落とす ・・・・・SN04
(iv) Classic:モノトーン ・・・・・・・・・・・SN05
(v) Jazz :コントラスト強調、分割表示 ・・・・・・・・・・SN06
(vi) Easy :フェードイン・アウト ・・・・・・・・・・・SN07
(vii) Black&Soul :モザイク表示 ・・・・・・・・・・・SN08
(viii) 演歌・民謡:ゆっくりとしたテンポで表示 ・・・・・・・SN09
【0036】
このようなスライドショー的演出効果をもたせる表示を行うための画像処理は、信号処理回路8で行われ、画像表示のテンポ(タイミング)は、システムコントローラ17に内蔵されているスライドショープログラムに従って生成され、画像処理しながら再生表示するようになっている。
【0037】
(3)映像のみの組み合わせ再生
この映像のみの組み合わせ再生は、ROM5の管理部の組み合わせ番号C♯03を指定することにより、オリジナル映像ファイルV001→V003の順番で、このファイルに対応するダイジェスト映像実データが自動的に切り替えられて再生表示される。なお、この切り替え再生表示は、操作部の指示ボタンにより切り替えて行うこともできる。この映像のみの組み合わせ再生については、スライドショー的演出効果付きの再生表示は行えないので、そのためのスライドショー演出効果番号の付与は行わない。
【0038】
(4)音楽と静止画の組み合わせ再生
この音楽と静止画の組み合わせ再生は、ROM5の管理部の組み合わせ番号C♯04を指定することにより、スライドショー演出効果番号が付与されていない場合は、オリジナル音楽ファイルA005→A006の順番で、このファイルに対応するダイジェスト音楽実データが自動的に切り替えられて再生、あるいは操作部の指示ボタンの指示により切り替えて再生すると共に、オリジナル静止画ファイルP006→P009の順番で、このファイルに対応するダイジェスト静止画実データが、操作部の指示ボタンの指示により切り替えて再生表示される。この場合、音楽と静止画の再生は独立して行われ、同期して再生されない。したがって、切り替えも独立に行われる。
一方、スライドショー演出効果番号が付与されている場合は、オリジナル音楽ファイルA005→A006の順番で、このファイルに対応するダイジェスト音楽実データが、自動的に切り替えられて再生、あるいは操作部の指示ボタンの指示により切り替えて再生すると共に、オリジナル静止画ファイルP006→P009の順番で、このファイルに対応するダイジェスト静止画実データが、設定されているスライドショー番号SN02に対応して切り替え再生表示される。この際、音楽と静止画の再生は独立して行われ、同期して再生されない。したがって、切り替えも独立して行われる。なお、この組み合わせ再生の場合、ダイジェスト音楽の再生が終了するまで、静止画ファイルP006→P009→P006→P009の順番で、対応するダイジェスト静止画実データが繰り返し再生表示されるようになっている。
【0039】
以上のように、スライドショー演出効果番号の指定は、主として静止画ファイルの再生に対するものであり、音楽再生や映像再生には必ずしも利用しなくてもよい。但し、静止画のスライドショーの効果としては、音楽と共に行った方がより効果的である。このような理由で、上記のように音楽のジャンルに沿ったスライドショーのバリエーションの設定を行うようにしている。したがって、音楽と静止画の組み合わせ再生の場合は、ユーザは再生する音楽に対応したスライドショー演出効果番号を指定するのが望ましい。
【0040】
また、その他の特殊な再生態様として、記録媒体と内蔵メモリの双方を用いて再生するのが好都合な場合があり、このような場合においては次のような再生態様が利用される。すなわち、映像(動画)又は静止画記録媒体からフルデータの映像又は静止画を再生表示させ、その再生表示時に内蔵メモリに登録させておいたダイジェスト音楽を再生しBGMとして利用する態様である。また、これとは逆に、音楽記録媒体からフルデータの音楽を再生し、その再生時に内蔵メモリに登録しておいたダイジェスト映像又は静止画を再生表示し、BGI(Back Ground Image )又はBGM(Back Ground Movie )として利用するようにしてもよい。
【0041】
更に、他の特殊再生態様としては、次のような態様がある。すなわち、記録媒体再生時に、その記録媒体に関するダイジェストデータが事前に内蔵メモリに登録されている場合、その記録媒体はお気に入りの記録媒体であることが多いから、記録媒体と内蔵メモリのファイル名を参照して、お気に入り記録媒体を再生しようとしていることを、LCD表示部で表示してユーザに知らせるサービス的な表示を行う態様である。
【0042】
次に、この再生態様を図6に示すフローチャートで説明する。再生モードにして、まず再生したいファイルの存在場所を選択し(ステップS41)、選択したファイルの存在場所が装着されている記録媒体であるか否か、すなわち記録媒体からの再生であるか否かの判定が行われる(ステップS42)。記録媒体からの再生ではない場合は、次いでROM(内蔵メモリ)からの再生であるかの判定が行われ(ステップS43)、ROMからの再生である場合は、通常の再生と同様に、ROMのダイジェストデータのファイルを指定して、その再生を行う(ステップS44,S45)。
【0043】
一方、前記記録媒体からの再生であるか否かの判定ステップS42において、記録媒体からの再生である場合は、記録媒体とROMの内容、すなわち各ファイル名を比較し(ステップS46)、ROMに登録されているダイジェストデータが、装着されている記録媒体に対応するものであるか否かの判定を行う(ステップS47)。記録媒体のファイル内容がROMに登録されているダイジェストデータに対応するものである場合、「あなたのお気に入りの記録媒体を再生します。ごゆっくり御鑑賞下さい。」などの表示をして、ユーザにお気に入り記録媒体であることを知らせて(ステップS48)、次いで、同様にファイルを指定して再生を行う。上記記録媒体に記録されているファイルがROMに登録されているダイジェストデータに対応するものであるか否かの判定ステップS47において、対応しないものであると判定された場合は、表示ステップS48を飛ばして、ファイル指定を行い再生する手順をとる。
【0044】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、請求項1に係る発明によれば、パワーオン時にすぐに指定されたお気に入りのオープニングファイルを再生し、あるいはお気に入りのダイジェスト音楽又は静止画を楽しむことができると共に、パワーオンの確認を容易に且つスマートにでき、また、特定のファイルを指定しておかなくても、音楽又は静止画のいずれかを再生することができるだげでなく、ユーザの好みに応じた種類をオープニングファイルとすることができる。また請求項2に係る発明によれば、スライドショー的にダイジェスト音楽と静止画の組み合わせ再生を行うことができる。また請求項4に係る発明によれば、少ない記憶容量の内蔵メモリでも複数のダイジェスト音楽映像を記録して、お気に入りの複数の音楽ポイント部分を手軽に楽しむことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る音楽映像再生装置の実施の形態の全体の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 記録媒体のデータ構造例を示す図である。
【図3】 ダイジェスト関連データの登録時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】 ROMのデータ登録構造を示す図である。
【図5】 図1に示した実施の形態における再生動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図6】 図1に示した実施の形態における再生動作の他の例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 記録媒体
2 ディスクドライブ
3 センサ
4 ドライブコントローラ
5 ROM
6 ビデオ信号入力端子
7 I/F回路
8 信号処理回路
9 RAM
10 D/A変換器
11 増幅器
12 スピーカ
13 ビデオエンコーダ
14 ビデオ信号出力端子
15 LCDドライバ
16 LCD表示部
17 システムコントローラ
18 操作部
19 USB端子
20 I/F回路

Claims (5)

  1. 少なくとも音楽ファイルと静止画ファイルが記憶された内蔵メモリと、
    少なくとも前記音楽ファイルと静止画ファイルを単独又は組み合わせて再生する再生制御手段と、
    少なくとも前記音楽ファイルと静止画ファイルの組み合わせを指定する組合せ指定手段とを備え、
    前記組合せ指定手段は、指示に応じて、前記組み合わせをパワーオン時に再生されるオープニングファイルとして指定し、
    前記再生制御手段は、前記組合せ指定手段によって前記オープニングファイルが指定されている場合には、パワーオン時に指定されたオープニングファイルを再生し、前記オープニングファイルが指定されていない場合には、パワーオン時に、前記音楽ファイル又は静止画ファイルのいずれかの種類であって、設定された優先順位に従った種類の先頭ファイルを再生する
    ことを特徴とする音楽映像再生装置。
  2. 前記再生制御手段は、前記オープニングファイルの静止画ファイルとして複数の静止画ファイルが指定されている場合には、前記パワーオン時に、前記オープニングファイルに係る音楽ファイルを再生しながら、当該複数の静止画ファイルを切り替えて再生する
    ことを特徴とする請求項1に係る音楽映像再生装置。
  3. 前記組合せ指定手段により、前記音楽ファイルと静止画ファイルの組み合わせとして複数の組み合わせが指定された場合に、
    前記再生制御手段は、前記パワーオン後には、前記複数の組み合わせの中から、指示された組み合わせを再生する
    ことを特徴とする請求項1又は2に係る音楽映像再生装置。
  4. 前記内蔵メモリに記録されている音楽ファイルは曲の一部分であるダイジェスト音楽ファイルである
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に係る音楽映像再生装置。
  5. 前記内蔵メモリには更に動画ファイルが記憶され、
    前記組合せ指定手段は、前記音楽ファイルと静止画ファイルに、更に前記動画ファイルを組み合わせに含ませ
    前記再生制御手段は、前記オープニングファイルが指定されていない場合のパワーオン時に、設定された優先順位に従って決まる先頭ファイルの種類として、前記音楽ファイル又は静止画ファイルに更に前記動画ファイルを加え
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に係る音楽映像再生装置。
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