JP3818605B2 - 穿刺アダプタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体腔内超音波プローブ装着して穿刺針を体腔内に導入する穿刺アダプタに関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体の体腔内から超音波診断を行うために体腔内超音波プローブが用いられている。体腔内超音波プローブは、先端部が丸く成形された棒状のシャフト部の内部に超音波振動子を備え、この超音波振動子を電気的または機械的に走査させて、被検体の断層像等を得るものである。この体腔内超音波プローブによる画像診断を行ってから、関心領域の組織標本を採取したり、組織内に滞留した液体の吸引や、薬液注入のために、穿刺術が行われることがある。
【0003】
この穿刺術に使用される穿刺針を体腔内超音波プローブに装着するためのアダプタが穿刺アダプタと呼ばれるものである。
【0004】
次に、図9を参照して従来の穿刺アダプタの構造例を説明する。図9に示すように、体腔内超音波プローブ101には、その挿入部であるシャフト部103の先端部側面から前方に傾斜する鍵穴105を設け、シャフト部103の後端部に続くグリップ部107の対向する両側面に円形の窪みであるディンプル109を設けていた。
【0005】
これに対して、穿刺アダプタ121には、内部に穿刺針が挿通される略円筒状の針ガイド123の先端部にシャフト部の鍵穴105に嵌合する鍵型の突起を設け、針ガイド123の後端部には、グリップ部に跨る鞍127を設けていた。この鞍127の一端部には一方のディンプル109に嵌合する固定した円形の突起部129を設け、他端部には、固定ネジ131により他方のディンプルに対して前後に可動な円形の突起部133を設けていた。
【0006】
そして、穿刺アダプタの体腔内超音波プローブへの取付に際しては、まず、先端部の鍵型をプローブシャフトの鍵穴105に引掛け、鞍127に固定した円形の突起部129をグリップ部107の一方のディンプル109に合わせ、鞍127に設けられた固定ネジ131をねじ込むことにより、対向する突起部がプローブグリップ部のディンプルに填り込んで固定されるというものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の穿刺アダプタは、プローブへの取付に際して、固定ネジをねじ込むという煩わしさと、操作者のねじ込み力のばらつきによって、穿刺アダプタの固定力にばらつきが生じ、固定力が小さすぎると使用中に穿刺アダプタが緩んだり、固定力が強すぎると使用後の取り外しが困難となったり、甚だしくはプローブを破損するという問題点があった。
【0008】
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、操作者の締め具合によらず、操作が簡単で、常に最適な固定力が得られる穿刺アダプタ提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次の構成を有する。
すなわち請求項1記載の発明は、先端部に超音波振動子を有するシャフト部とこのシャフト部に設けられるグリップ部とを備えた超音波プローブの前記シャフト部側面に取り付けられ、穿刺針を前記シャフトに沿って保持する穿刺アダプタにおいて、穿刺針に沿って針をガイドするための針ガイドと、この針ガイドに設けられた鍵型部と、前記針ガイドに沿って可動に設けられたつまみ部と、前記針ガイドの外周部に設けられ、前記針ガイドと前記つまみ部を接続し、前記つまみ部の移動を前記鍵型部の設けられる方向へ付勢するつる巻バネとを備え、前記針ガイドの後端部には前記つる巻バネの後端部を係止する大径部が形成され、前記つまみ部には、その前方へ突出する少なくとも1本のピンが設けられるとともに、前記つまみ部の前端部に開口部を有する小径の孔とこの孔に続き後端部に開口部を有する大径の孔が設けられ、この大径の孔には前記つる巻バネと前記針ガイドの大径部とが挿通され、前記つる巻バネの前端部がその伸張力により前記つまみ部を前方へ付勢することにより、超音波プローブに固定されることを要旨とする。
【0010】
また請求項2記載の発明は、先端部に超音波振動子を有するシャフト部とこのシャフト部に設けられるグリップ部とを備えた超音波プローブの前記シャフト部側面に取り付けられ、穿刺針を前記シャフトに沿って保持する穿刺アダプタにおいて、穿刺針に沿って針をガイドするための針ガイドと、この針ガイドに設けられた鍵型部と、前記針ガイドの端部に前記針ガイドに沿って可動に設けられかつテーパー形状の鞍型部と、前記針ガイドの外周部に設けられ、前記針ガイドと前記鞍型部を接続し、前記鞍型部の移動を前記鍵型部の設けられる方向へ付勢する弾性部材とを備え、前記針ガイドの後端部には前記弾性部材の後端部を係止する大径部が形成され、前記鞍型部には、その前端部に開口部を有する小径の孔とこの孔に続き後端部に開口部を有する大径の孔が設けられ、この大径の孔には前記バネと針ガイドの大径部とが挿通され、前記バネの前端部がその伸張力により前記鞍型部を前方へ付勢することにより、超音波プローブに固定されることを要旨とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る穿刺アダプタの第1の実施の形態を示す正面図(a)および断面図(b)であり、図2はこの穿刺アダプタを体腔内超音波プローブに取り付けた様子を示す側面図である。
【0018】
図1によれば、第1の実施の形態の穿刺アダプタ1aは、内部に図示されない穿刺針が挿通される略円筒状の針ガイド3aと、針ガイド3aの後端部に前後に可動に設けられたつまみ部21aと、針ガイド3aの外周部に設けられたつる巻ばね39aと、Eリング37aを備えて構成されている。
【0019】
針ガイド3aの先端部には、後方へ傾斜した突起である鍵型部5aが設けられている。針ガイド3aの後端部にはつる巻ばね39aの後端部を係止するための大径部7aが設けられ、大径部7aの後端部には、図示されない穿刺針の挿入口11aが漏斗状に開口している。
【0020】
つまみ部21aには、その前端部から前方に突出するピン23aが2本設けられ、またつまみ部21aの前端部に開口部を有する小径孔25aとこの小径孔25aに続き後端部に開口部を有する大径孔27aが設けられ、大径孔27aにはその自然長より圧縮されたつる巻ばね39aと針ガイド3aの大径部7aとが滑動可能なように挿通されている。
【0021】
この針ガイド3aには、その外周部を一周する溝部9aが設けられ、溝部9aには、Eリング37aが嵌め込まれていて、つる巻ばね39aの伸張力がつまみ部21aをEリング37aの位置より前方へ押し出されないように係止している。
【0022】
図2は、この穿刺アダプタ1aを例えば、体腔内超音波プローブ41aに取り付けた様子を示している。体腔内超音波プローブ41aは、先端部に図示されない超音波振動子が内蔵された棒状のシャフト部43aと、シャフト部43aの後端部に続くグリップ部45aと、グリップ部45aの後端部から引き出され、図示されない超音波診断装置に体腔内超音波プローブ41aを接続するためのコード61aとを備えて構成されている。
【0023】
体腔内超音波プローブ41aのシャフト部43aの先端部に近い側面(上面)には、上記穿刺アダプタ1aの鍵型部5aと嵌合する鍵穴47aが設けられている。また、体腔内超音波プローブ41aのシャフト部43aとグリップ部45aとの境界部付近には、段差部51aが設けられ、この段差部51aには、2つのピン穴49aが設けられている。
【0024】
次に、この穿刺アダプタ1aを体腔内超音波プローブ41aに装着する方法を説明する。まず、針ガイド3aの鍵型部5aを体腔内超音波プローブ41aの鍵穴47aに引っ掛け、次いで、つまみ部21aを右方向に引っ張ると、つる巻ばね39aが圧縮され、つまみ部21aが右方向(後方)へ滑動する。
【0025】
このため、鍵型部5aとピン23aとの距離が広がり、ピン23aを体腔内超音波プローブ41aのピン穴49aに挿入することができ、この状態でつまみ部21aを引っ張る力を徐々に弱め手を離すと、つる巻ばね39aの伸張力でつまみ部21aが段差部51aに押しつけられ、装着が完了する。
【0026】
この状態は、鍵型部5aと鍵穴47aとの嵌合およびそれぞれ2つのピン23aとピン穴49aとの嵌合により、3次元空間内の3点で支持されていることとなり十分安定しているとともに、固定力の源がつる巻ばね39aの伸張力であるので、常に一定した固定力が得られる。
【0027】
次に、この穿刺アダプタ1aを体腔内超音波プローブ41aから取り外す方法を説明する。つまみ部21aを右方向に引っ張ると、つる巻ばね39aが圧縮され、つまみ部21aが右方向(後方)へ滑動する。このため、鍵型部5aとピン23aとの距離が広がり、ピン23aを体腔内超音波プローブ41aのピン穴49aから外すことができ、次いで鍵型部5aを鍵穴47aから外すと、両者を分離することができる。
【0028】
図3は、本発明に係る穿刺アダプタの第2の実施の形態を示す正面図(a)および断面図(b)であり、図4はこの穿刺アダプタを体腔内超音波プローブに取り付けた様子を示す側面図である。
【0029】
図3によれば、第2の実施の形態の穿刺アダプタ1bは、内部に図示されない穿刺針が挿通される略円筒状の針ガイド3bと、針ガイド3bの後部寄りに前後に可動に設けられたつまみ部21bと、針ガイド3bの外周部に設けられたつる巻ばね39bと、Eリング37bを備えて構成されている。
【0030】
針ガイド3bの先端部には、前方へ傾斜した突起である鍵型部5bが設けられている。針ガイド3bの後端部からやや前方には、つる巻ばね39bの前端部を係止するための大径部7bが設けられ、針ガイド3bの後端部には、図示されない穿刺針の挿入口11bが漏斗状に開口している。
【0031】
つまみ部21bには、その後端部から後方に突出するピン23bが2本設けられ、また、つまみ部21bの後端部に開口部を有する小径孔25bとこの小径孔25bに続き前端部に開口部を有する大径孔27bが設けられ、大径孔27bにはその自然長より圧縮されたつる巻ばね39bと針ガイド3bの大径部7bとが滑動可能なように挿通されている。
【0032】
この針ガイド3bの後端部には、その外周部を一周する溝部9bが設けられ、溝部9bには、Eリング37bが嵌め込まれていて、つる巻ばね39bの伸張力がつまみ部21bをEリング37bの位置より後方へ押し出されないように係止している。
【0033】
図4は、この穿刺アダプタ1bを例えば、体腔内超音波プローブ41bに取り付けた様子を示している。体腔内超音波プローブ41bは、先端部に図示されない超音波振動子が内蔵された棒状のシャフト部43bと、シャフト部43bの後端部に続くグリップ部45bと、グリップ部45bの後端部から引き出され、図示されない超音波診断装置に体腔内超音波プローブ41bを接続するためのコード61bとを備えて構成されている。
【0034】
体腔内超音波プローブ41bのシャフト部43bの先端部に近い側面(上面)には、上記穿刺アダプタ1bの鍵型部5bと嵌合する鍵穴47bが設けられている。また、体腔内超音波プローブ41bのシャフト部43bとグリップ部45bとの境界部付近には、切り欠き部53bが設けられ、この切り欠き部53bには、2つのピン穴49bが設けられている。
【0035】
次に、この穿刺アダプタ1bを体腔内超音波プローブ41bに装着する方法を説明する。まず、針ガイド3bの鍵型部5bを体腔内超音波プローブ41bの鍵穴47bに引っ掛け、次いで、つまみ部21bを左方向に押し縮めると、つる巻ばね39bが圧縮され、つまみ部21bが左方向(前方)へ滑動する。
【0036】
このため、鍵型部5bとピン23bとの距離が狭まり、ピン23bを体腔内超音波プローブ41bのピン穴49bに挿入することができ、この状態でつまみ部21bを押し縮める力を徐々に弱め手を離すと、つる巻ばね39bの伸張力でつまみ部21bが切り欠き部53bの右側に押しつけられ、装着が完了する。
【0037】
この状態は、鍵型部5bと鍵穴47bとの嵌合およびそれぞれ2つのピン23bとピン穴49bとの嵌合により、3次元空間内の3点で支持されていることとなり十分安定しているとともに、固定力の源がつる巻ばね39bの伸張力であるので、常に一定した固定力が得られる。
【0038】
次に、この穿刺アダプタ1bを体腔内超音波プローブ41bから取り外す方法を説明する。つまみ部21bを左方向に押し縮めると、つる巻ばね39bが圧縮され、つまみ部21bが左方向(前方)へ滑動する。このため、鍵型部5bとピン23bとの距離が狭まり、ピン23bを体腔内超音波プローブ41bのピン穴49bから外すことができ、次いで鍵型部5bを鍵穴47bから外すと、両者を分離することができる。
【0039】
図5は、本発明に係る穿刺アダプタの第3の実施の形態を示す正面図(a)および断面図(b)であり、図6はこの穿刺アダプタを体腔内超音波プローブに取り付けた様子を示す側面図である。
【0040】
図5によれば、第3の実施の形態の穿刺アダプタ1cは、内部に図示されない穿刺針が挿通される略円筒状の針ガイド3cと、針ガイド3cの後端部に前後に可動に設けられたつまみ部21cと、針ガイド3cの外周部に設けられたつる巻ばね39cと、Eリング37cを備えて構成されている。
【0041】
針ガイド3cの先端部には、後方へ傾斜した突起である鍵型部5cが設けられている。針ガイド3cの後端部にはつる巻ばね39cの後端部を係止するための大径部7cが設けられ、大径部7cの後端部には、図示されない穿刺針の挿入口11cが漏斗状に開口している。
【0042】
つまみ部21cは、略円筒形のつまみ部本体と、このつまみ部本体の下部連設された鞍型部29cとからなる。また、つまみ部本体21cには、その前端部に開口部を有する小径孔25cとこの小径孔25cに続き後端部に開口部を有する大径孔27cが設けられ、大径孔27cにはその自然長より圧縮されたつる巻ばね39cと針ガイド3cの大径部7cとが滑動可能なように挿通されている。
【0043】
鞍型部29cは、一部が軸と平行に後述されるシャフト部の最も細い部分よりやや広く切り欠かれた切り欠き部31cを有する略円錐台の筒形をなし、その前部が後部より半径が大きくなるテーパー形状33cとなっている。
【0044】
この針ガイド3cには、その外周部を一周する溝部9cが設けられ、溝部9cには、Eリング37cが嵌め込まれていて、つる巻ばね39cの伸張力がつまみ部21cをEリング37cの位置より前方へ押し出されないように係止している。
【0045】
図6は、この穿刺アダプタ1cを例えば、体腔内超音波プローブ41cに取り付けた様子を示している。体腔内超音波プローブ41cは、先端部に図示されない超音波振動子が内蔵された棒状のシャフト部43cと、シャフト部43cの後端部に続くグリップ部45cと、グリップ部45cの後端部から引き出され、図示されない超音波診断装置に体腔内超音波プローブ41cを接続するためのコード61cとを備えて構成されている。
【0046】
体腔内超音波プローブ41cのシャフト部43cの先端部に近い側面(上面)には、上記穿刺アダプタ1cの鍵型部5cと嵌合する鍵穴47cが設けられている。また、体腔内超音波プローブ41cのシャフト部43cは、その中央部が最も細く、その両端部へ向かって徐々に太くなるテーパー形状となっていて、このテーパー形状は、穿刺アダプタ1cの鞍型部29cのテーパー形状33cと一致するように成形されている。
【0047】
次に、この穿刺アダプタ1cを体腔内超音波プローブ41cに装着する方法を説明する。まず、針ガイド3cの鍵型部5cを体腔内超音波プローブ41cの鍵穴47cに引っ掛け、次いで、つまみ部21cを右方向に引っ張ると、つる巻ばね39cが圧縮され、つまみ部21cが右方向(後方)へ滑動する。
【0048】
このため、鍵型部5cと鞍型部29cとの距離が広がり、鞍型部29cの切り欠き部31cを通してシャフト部43cの最も細い部分を鞍型部29cの内側へ入れることができ、この状態でつまみ部21cを引っ張る力を徐々に弱め手を離すと、つる巻ばね39cの伸張力で鞍型部29cがシャフト部43cの前方に押しつけられ、装着が完了する。
【0049】
この状態は、鍵型部5cと鍵穴47cとの嵌合および鞍型部29cのテーパー形状33cとシャフト部43cのテーパー形状とが一致していることにより、十分安定しているとともに、固定力の源がつる巻ばね39cの伸張力であるので、常に一定した固定力が得られる。
【0050】
次に、この穿刺アダプタ1cを体腔内超音波プローブ41cから取り外す方法を説明する。つまみ部21cを右方向に引っ張ると、つる巻ばね39cが圧縮され、つまみ部21cが右方向(後方)へ滑動する。このため、鍵型部5cと鞍型部29cとの距離が広がり、シャフト部43cの最も細い部分を鞍型部29cから外すことができ、次いで鍵型部5cを鍵穴47cから外すと、両者を分離することができる。
【0051】
本第3の実施の形態によれば、穿刺アダプタ1cをシャフト部43cの先端に設けられた鍵穴47cとシャフト部43cの中央部から先端部にかけて徐々に太くなるテーパー形状55cとにより保持しているので、穿刺アダプタの針ガイド3cが短くなり、従来と同じ長さの穿刺針を使用しても、穿刺アダプタの先端より穿刺針が突出する長さである有効長を長くすることができる。このため、被検体の従来より深い部位に対する穿刺術を行うことができる。
【0052】
図7は、本発明に係る穿刺アダプタの第4の実施の形態を示す正面図(a)および断面図(b)であり、図8はこの穿刺アダプタを体腔内超音波プローブに取り付けた様子を示す側面図である。
【0053】
図7によれば、第4の実施の形態の穿刺アダプタ1dは、内部に図示されない穿刺針が挿通される略円筒状の針ガイド3dと、針ガイド3dの後端部に前後に可動に設けられたつまみ部21dと、針ガイド3dの外周部に設けられたつる巻ばね39dと、Eリング37dを備えて構成されている。
【0054】
針ガイド3dの先端部には、前方へ傾斜した突起である鍵型部5dが設けられている。針ガイド3dの後端部からやや前方には、つる巻ばね39dの後端部を係止するための大径部7dが設けられ、大径部7dの後端部には、図示されない穿刺針の挿入口11dが漏斗状に開口している。
【0055】
つまみ部21dは、略円筒形のつまみ部本体と、このつまみ部本体の下部連設された鞍型部29dとからなる。また、つまみ部本体21dには、その後端部に開口部を有する小径孔25dとこの小径孔25dに続き前端部に開口部を有する大径孔27dが設けられ、大径孔27dにはその自然長より圧縮されたつる巻ばね39dと針ガイド3dの大径部7dとが滑動可能なように挿通されている。
【0056】
鞍型部29dは、一部が軸と平行に後述されるシャフト部の最も細い部分よりやや広い切り欠き部31dを有する略円錐台の筒形をなし、その後部が前部より半径が大きくなるテーパー形状33dとなっている。
【0057】
この針ガイド3dの後端部には、その外周部を一周する溝部9dが設けられ、溝部9dには、Eリング37dが嵌め込まれていて、つる巻ばね39dの伸張力がつまみ部21dをEリング37dの位置より後方へ押し出されないように係止している。
【0058】
図8は、この穿刺アダプタ1dを例えば、体腔内超音波プローブ41dに取り付けた様子を示している。体腔内超音波プローブ41dは、先端部に図示されない超音波振動子が内蔵された棒状のシャフト部43dと、シャフト部43dの後端部に続くグリップ部45dと、グリップ部45dの後端部から引き出され、図示されない超音波診断装置に体腔内超音波プローブ41dを接続するためのコード61dとを備えて構成されている。
【0059】
体腔内超音波プローブ41dのシャフト部43dの先端部に近い側面(上面)には、上記穿刺アダプタ1dの鍵型部5dと嵌合する鍵穴47dが設けられている。また、体腔内超音波プローブ41dのシャフト部43dは、その中央部が最も細く、その両端部へ向かって徐々に太くなるテーパー形状55dとなっていて、このテーパー形状55dは、穿刺アダプタ1dの鞍型部29dのテーパー形状33dと一致するように成形されている。
【0060】
次に、この穿刺アダプタ1dを体腔内超音波プローブ41dに装着する方法を説明する。まず、針ガイド3dの鍵型部5dを体腔内超音波プローブ41dの鍵穴47dに引っ掛け、次いで、つまみ部21dを左方向に押し縮めると、つる巻ばね39dが圧縮され、つまみ部21dが左方向(前方)へ滑動する。
【0061】
このため、鍵型部5dと鞍型部29dとの距離が狭くなり、鞍型部29dの切り欠き部31dを通してシャフト部43dの最も細い部分を鞍型部29dの内側へ入れることができ、この状態でつまみ部21dを押す力を徐々に弱め手を離すと、つる巻ばね39dの伸張力で鞍型部29dがシャフト部43dの後方に押しつけられ、装着が完了する。
【0062】
この状態は、鍵型部5dと鍵穴47dとの嵌合および鞍型部29dのテーパー形状33dとシャフト部43dのテーパー形状55dとが一致していることにより、十分安定しているとともに、固定力の源がつる巻ばね39dの伸張力であるので、常に一定した固定力が得られる。
【0063】
次に、この穿刺アダプタ1dを体腔内超音波プローブ41dから取り外す方法を説明する。つまみ部21dを左方向に押し縮めると、つる巻ばね39dが圧縮され、つまみ部21dが左方向(前方)へ滑動する。このため、鍵型部5dと鞍型部29dとの距離が狭くなり、シャフト部43dの最も細い部分を鞍型部29dから外すことができ、次いで鍵型部5dを鍵穴47dから外すと、両者を分離することができる。
【0064】
以上好ましい実施の形態を説明したが、これらは本発明を限定するものではない。例えば、実施の形態では、体腔内超音波プローブに穿刺アダプタを装着する構造を説明したが、他の超音波プローブにも本発明を適用できることは明らかである。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、超音波プローブへの取付に際して、固定ネジをねじ込むという煩わしさがなくなり、簡単な操作で穿刺アダプタを取り付けることができるという効果がある。
【0066】
また、本発明によれば、操作者のねじ込み力によって、穿刺アダプタの固定力にばらつきが生じることがなく、常にバネによる最適な固定力が得られる穿刺アダプタを提供することができるという効果がある。
【0067】
さらに本発明によれば、針ガイドを短くすることができるため、穿刺針有効長が長くなり、従来と同じ長さの穿刺針を用いてより深部の穿刺術を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る穿刺アダプタの第1の実施形態を示す正面図(a)および断面図(b)である。
【図2】第2の実施形態の穿刺アダプタを超音波プローブに取り付けた様子を示す側面図である。
【図3】本発明に係る穿刺アダプタの第2の実施形態を示す正面図(a)および断面図(b)である。
【図4】第2の実施形態の穿刺アダプタを超音波プローブに取り付けた様子を示す側面図である。
【図5】本発明に係る穿刺アダプタの第3の実施形態を示す正面図(a)および断面図(b)である。
【図6】第3の実施形態の穿刺アダプタを超音波プローブに取り付けた様子を示す側面図である。
【図7】本発明に係る穿刺アダプタの第4の実施形態を示す正面図(a)および断面図(b)である。
【図8】第4の実施形態の穿刺アダプタを超音波プローブに取り付けた様子を示す側面図である。
【図9】従来例の穿刺アダプタを示す側面図(a)及び要部断面図(b)である。
【符号の説明】
1…穿刺アダプタ、3…針ガイド、5…鍵型部、7…大径部、9…溝部、11…穿刺針挿入口、21…つまみ部、23…ピン、25…小径孔、27…大径孔、29…鞍型部、31…切り欠き部、33…テーパー形状、37…Eリング、39…つる巻バネ、41…体腔内超音波プローブ、43…シャフト部、45…グリップ部、47…鍵穴、49…ピン穴、51…段差部、53…切り欠き部、55…テーパー形状、61…接続コード。

Claims (2)

  1. 先端部に超音波振動子を有するシャフト部とこのシャフト部に設けられるグリップ部とを備えた超音波プローブの前記シャフト部側面に取り付けられ、穿刺針を前記シャフトに沿って保持する穿刺アダプタにおいて、
    穿刺針に沿って針をガイドするための針ガイドと、
    この針ガイドに設けられた鍵型部と、
    前記針ガイドに沿って可動に設けられたつまみ部と、
    前記針ガイドの外周部に設けられ、前記針ガイドと前記つまみ部を接続し、前記つまみ部の移動を前記鍵型部の設けられる方向へ付勢するつる巻バネとを備え、
    前記針ガイドの後端部には前記つる巻バネの後端部を係止する大径部が形成され、
    前記つまみ部には、その前方へ突出する少なくとも1本のピンが設けられるとともに、
    前記つまみ部の前端部に開口部を有する小径の孔とこの孔に続き後端部に開口部を有する大径の孔が設けられ、この大径の孔には前記つる巻バネと前記針ガイドの大径部とが挿通され、
    前記つる巻バネの前端部がその伸張力により前記つまみ部を前方へ付勢することにより、超音波プローブに固定されることを特徴とする穿刺アダプタ。
  2. 先端部に超音波振動子を有するシャフト部とこのシャフト部に設けられるグリップ部とを備えた超音波プローブの前記シャフト部側面に取り付けられ、穿刺針を前記シャフトに沿って保持する穿刺アダプタにおいて、
    穿刺針に沿って針をガイドするための針ガイドと、
    この針ガイドに設けられた鍵型部と、
    前記針ガイドの端部に前記針ガイドに沿って可動に設けられかつテーパー形状の鞍型部と、
    前記針ガイドの外周部に設けられ、前記針ガイドと前記鞍型部を接続し、前記鞍型部の移動を前記鍵型部の設けられる方向へ付勢する弾性部材とを備え、
    前記針ガイドの後端部には前記弾性部材の後端部を係止する大径部が形成され、
    前記鞍型部には、その前端部に開口部を有する小径の孔とこの孔に続き後端部に開口部を有する大径の孔が設けられ、この大径の孔には前記バネと針ガイドの大径部とが挿通され、
    前記バネの前端部がその伸張力により前記鞍型部を前方へ付勢することにより、超音波プローブに固定されることを特徴とする穿刺アダプタ。
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