JP3817847B2 - 苗箱の積替装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、発芽した種子が入って積み重なった苗箱を、上下に間隔を開けて緑化枠に載せ替える苗箱の積替装置に用いるものである。
【0002】
【従来の技術】
内寸がほぼ30cm×60cm×3cmの苗箱に培地(床土)を入れ、種子(たね籾)を蒔き、覆土し、潅水してその複数を積み重ねて加温すると種子から均一に発芽する。その苗箱を上から順にチャックで持ち上げて横のコンベアに移し、コンベアの終端で緑化枠の棚に押し込んで上下に間隔を開け、緑化枠を温室に移して芽を苗に育てる。そして、緑化枠が苗箱で満杯になると、チャックやコンベアなどの作動が同時に停止し、または、満杯と同時にコンベアなどの作動が停止したのちにチャックが横移動の終端に来た所で停止し、緑化枠を交替するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者によると、チャックが横移動の途中で停止することがあって、その停止やつぎの起動の衝撃で床土が片寄るおそれがある。後者は、そのおそれは解消されるが、チャックよりも先にコンベアが停止するので、停止の直前にコンベアに乗った苗箱と、つぎの起動後にコンベアに乗った苗箱の間隔が、連続運転中の苗箱の間隔よりも狭くなることがあり、緑化枠の棚への押し込みに支障をまねくおそれがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、苗箱(17)を保持し左右に移動させてコンベア(37)に移すチャック(38)と、前記コンベア(37)で送られてきた苗箱(17)を緑化枠(32)に押し込む押込板(45a,47a)とを設け、前記押込板(47a)が苗箱(17)を緑化枠(32)の最上段の棚(32a)に押し込んで苗箱(17)が緑化枠(32)に満杯になるとチャック(38)が横移動の終端まで来て停止するとともにその停止と同時に、又は、その停止から遅れてコンベア(37)が停止するように設けられている苗箱の積替装置とした。
【0005】
【実施例】
つぎに、その実施例を説明する。
育苗施設の一部が図1のように配置されている。たね籾が入った袋1(図2)がクレーン2で運ばれて水槽3で水に浸される。たね籾に水が充分に吸収されると、袋1が脱水機4に掛けられて表面の水が除去される。
【0006】
脱水機4が発芽室B内で図2、図3のように構成されている。すなわち、円筒形のバスケット5の筒面が網5aで作られ、底5bの中心から下に伸びた縦軸6が円筒形のピット7の底7aで回転自在に支持されている。調車8が縦軸6の下端に固定されている。モータ9の出力軸9aに調車10が固定され、調車8,10に調帯11が巻き掛けられて、モータ9の出力でバスケット5が縦軸6の回りに回転するように出来ている。ドレンパイプ12が底7aに設けられ、ピット7内の水がこれに接続するホース13で排出されるように出来ている。
【0007】
従って、水槽3から取り出した袋1をバスケット5に入れ、モータ9を始動すると、袋1が縦軸6の回りに回転し、たね籾に付着している水が遠心力で振り飛ばされる。その水は、網5aを通ってピット7に溜まり、ドレンパイプ12とホース13を通って外に排出される。
複数のスイッチ14がピット7の内面の上部に等間隔に設けられ、バスケット5が傾いて回転すると、これに当ってモータ9に流れる電流が「OFF」するように出来ている。すなわち、バスケット5に入れた複数の袋1が偏っていると、モータ9を起動したとき、バスケット5の上端が振れながら回転し、その振れで、バスケット5がスイッチ14の1つに当たる。すると、モータ9の回転が停止する。スイッチ14は、タイマーによる時限復帰又は手動による復帰が出来るように構成され、モータ9は、停止したのち、自動又は手動操作で回転が再開されるようになっている。従って、回転と停止が何度か繰り返されると、偏っていた複数の袋1が均衡し、そののち、バスケット5が連続して回転し、たね籾に付着している水が振り落される。なお、モータ9は、回転を再開するときは、逆転するように構成することが出来る。
【0008】
作業室Aの播種機15がつぎのように構成されている。供給装置16が繰り出した苗箱17(図4、図5)をコンベア18が右に運ぶように出来ている。土入れ装置19が運ばれている苗箱17に床土を入れ、播種装置20がその上にたね籾を蒔き、その上に覆土と潅水が行なわれたのち、右端の段積装置21で積み重ねられる。なお、上記のたね籾は、脱水機4で脱水されたのち、発芽室B内で鳩胸状に脹れたものが散播される。
【0009】
段積装置21が図4のように構成されている。エレベータ22がコンベア18の右に配置され、コンベア18で運ばれて来た苗箱17を、モータ23で間欠的に旋回している前後の受片24が保持して上に送るようになっている。エアシリンダ25で左右に往復駆動される押具26がエレベータ22の上部に配置され、上昇した苗箱17を右のコンベア27の上に押し出すようになっている。段積機28がコンベア27の右に設けられ、送られて来た苗箱17の所定の枚数を積み重ねたのち、発芽台車31(図6)に移すように出来ている。
【0010】
その段積機28は、つぎのように構成されている。ホーク29が上下と前後に移動するように設けられている。前後一対のベルト30がホーク29の上部に設けられ、コンベア27で送り出された苗箱17を挟んでホーク29の上まで運んだのち、開いてその苗箱17をホーク29の上に置き、ホーク29が一段下ってつぎの苗箱17を前の苗箱17の上に置き、その繰り返しで複数の苗箱17をホーク29の上に積み重ねて載せるようになっている。2組のホーク29が左右に並べて設けられ、一方のホーク29の苗箱17が所定の枚数(ブロック)に達すると、他方のホーク29の上で苗箱17が積み重ねられる。その間に、一方のホーク29は、手前に移動して少し下降し、その上の苗箱17のブロックを発芽台車31の支持部31a上に移し、元に戻って待機する。この繰り返しで、図11のように、発芽台車31に4ブロックの苗箱17が載る。
【0011】
そのホーク29が図7、図8のように構成されている。すなわち、従来は、一対のホーク29Aの先端が篦状に広く形成され、その上に苗箱17が載るように出来ていた(図5、図6)。そのため、一対のホーク29Aの上面が同一の平面にならないものがあって、載った苗箱17の安定を欠ぐおそれがあった。これに対し、それぞれのホーク29の外側に前後一対のアーム29aを設け、それぞれのアーム29aの先端に、ねじ29bで上下に移動する受座29cを設け、4個の受座29cで苗箱17の底を支持する構成とした。
【0012】
この構成によると、それぞれの受座29cをねじ29bで上下させることにより、4個の受座29cの上面を同一平面上に設定することが出来て、苗箱17のブロックが安定良く支持される。
苗箱17のブロックが載った発芽台車31は、発芽室Bに入れられ、所定の日数が経過すると、たね籾が発芽する。
【0013】
積み重なった苗箱17を緑化枠32(図10)に移して上下の苗箱17の間隔を開ける積替装置33がつぎのように構成されて積替室Cに配置されている。
前後の2個の苗箱17のブロックがホーク34で発芽台車31から持ち上げられたのち、機枠35内に引き込まれるようになっている(図9、図11)。一対のブロックは、それぞれの下面が左右の受片36で保持されて、機枠35内を間欠的に上昇する。コンベア37が機枠35の上部の右に設けられている。その上に設けたチャック38がエアシリンダ39から突出したピストンロッド40の突端に設けられて、機枠35内の上部とコンベア37の左上を往復するように出来ている。
【0014】
チャック38は、板38aが昇降シリンダ38bで上下するように設けられ(図12)、板38aの両横に一対の爪38cが開閉シリンダ38dで作動するように設けられている。その一対が、ピストンロッド40の突端の基板41に前後に設けられ、つぎの順序で作動する。エアシリンダ39の右室にエアが供給されると、ピストンロッド40が突出して一対のチャック38がそれぞれの苗箱17のブロックの上に到達する(図12)。昇降シリンダ38bが作動して板38aが下降し、上の苗箱17の上面に接触する。開閉シリンダ38dの作動で、爪38cが回動してその耳17aの左右を保持する。昇降シリンダ38bが作動して苗箱17を保持した板38aを引き上げる。エアシリンダ39の左室にエアが供給されてピストンロッド40が引き込まれ、チャック38がコンベア37上に到達する。昇降シリンダ38bが作動して板38aが下降する。開閉シリンダ38dが作動して爪38cが開き、苗箱17をコンベア37に移す(図12の鎖線)。昇降シリンダ38bが作動して板38aが上昇する。以下、前に戻ってこの動作を繰り返す。なお、チャック38は、右移動の終端の手前で移動速度が低下したのちに停止するように設けることができる。受片36は、上の苗箱17がチャック38で取り除かれると、つぎの苗箱17を上記の苗箱17の位置に上昇させるように設ける。苗箱17が取られているブロックが小さくなると、ホーク34がつぎのブロックを取り込んで上昇させ、前のブロックの苗箱17が無くなると、受片36が、上記の取り込んだブロックの下に回り込んでこれを上昇させる。
【0015】
エレベータ42がコンベア37の右端の後に設けられ、床42aに載った緑化枠32を昇降させるように出来ている。緑化枠32は、上下に棚32aを備え、苗箱17が上下に間隔を開けて押し込まれるようになっている。なお、同じ面に4枚の苗箱17が押し込まれる。図10の緑化枠32は、緑化台車43の上に取付けられている。
【0016】
第1ストッパ44(図9)がコンベア37の右端の上に設けられ、送られて来た前後2枚の苗箱17が当ると、第1シリンダ45の作動で第1押込板45aが後に移動したのち、元に戻るようになっている。すなわち、始動時には、最上段の棚32aがコンベア37の上面に一致し、コンベア37で第1ストッパ44まで送られた2枚の苗箱17を第1押込板45aがその棚32aに押し込む。すると、エレベータ42で緑化枠32が1段上昇し、つぎの苗箱17がその下の棚32aに押し込まれる。この繰り返して最下段の棚32aがコンベア37の上面に一致すると、上限のスイッチ48(図10)が作動し、その棚32aに苗箱17が押し込まれたところで第2ストッパ46が下降する。そして、送られて来た苗箱17の2枚がこれに当たり、第2シリンダ47で作動する第2押込板47aでその苗箱17が、前記の苗箱17の左で最下段の棚32aに押し込まれる。つづいて、緑化枠32が1段下降し、その上の棚32aにつぎの苗箱17が押し込まれる。
【0017】
すなわち、緑化枠32には、これが上昇しながら右側に上から順に苗箱17が押し込まれ、その最下段の押し込みが終了すると、その左に苗箱17が押し込まれ、そののち、緑化枠32が下降しながら下から順に苗箱17が押し込まれる。
下限のスイッチ49がエレベータ42に設けられ、下降して来た緑化枠32の最上段の棚32aがコンベア37の上面に一致したことを検出するようになっている。そして、第2シリンダ47の作動で第2押込板47aが苗箱17を最上段の棚に押し込むと(緑化枠32に苗箱17が満杯になると)、ピストンロッド40(チャック38)が右端又は左端に来た所で、このピストンロッド40が停止し、同時に、又は少し遅れてコンベア37が停止するように出来ている。これらが停止すると、苗箱17が満杯になった緑化枠32を、苗箱17が空の緑化枠32に交換して起動スイッチを「ON」する。すると、ピストンロッド40とコンベア37が同時に、又は、後者に続いて前者が作動を再開する。
【0018】
苗箱17が満杯になった緑化枠32は、温室に運ばれて芽が苗に育てられる。ノズル50がコンベア37の中間の上に設けられ、送られている苗箱17に水を散布するようになっている。
【0019】
【効果】
以上のように、この発明によると、緑化枠32に苗箱17が満杯になったとき、チャック38が横端に来て横移動が停止し、これと同時に、又は遅れてコンベア37が停止するので、停止とつぎの起動の際に苗箱17に与えられる衝撃が小さいとともに、停止の直前にコンベア37に載っている苗箱17と、つぎの起動後にコンベア37に載った苗箱17の間隔が、連続運転中の苗箱17の間隔よりも狭くなるおそれが解消され、その後の押し込みが円滑に行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を施した苗育施設の一部の平面図
【図2】その脱水機の切断正面図
【図3】その平面図
【図4】その段積装置の正面図
【図5】その従来型のホークの一部の平面図
【図6】そのホークと発芽台車の正面図
【図7】改良されたホークの一部の平面図
【図8】その正面図
【図9】その積替装置の正面図
【図10】その右側面図
【図11】その平面図
【図12】その一部の拡大した正面図
【符号の説明】
17 苗箱
32 緑化枠
32a 棚
37 コンベア
38 チャック
45a 第1押込板
47a 第2押込板
Claims (1)
- 苗箱(17)を保持し左右に移動させてコンベア(37)に移すチャック(38)と、前記コンベア(37)で送られてきた苗箱(17)を緑化枠(32)に押し込む押込板(45a,47a)とを設け、前記押込板(47a)が苗箱(17)を緑化枠(32)の最上段の棚(32a)に押し込んで苗箱(17)が緑化枠(32)に満杯になるとチャック(38)が横移動の終端まで来て停止するとともにその停止と同時に、又は、その停止から遅れてコンベア(37)が停止するように設けられている苗箱の積替装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19125297A JP3817847B2 (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | 苗箱の積替装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19125297A JP3817847B2 (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | 苗箱の積替装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1132582A JPH1132582A (ja) | 1999-02-09 |
JP3817847B2 true JP3817847B2 (ja) | 2006-09-06 |
Family
ID=16271449
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19125297A Expired - Lifetime JP3817847B2 (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | 苗箱の積替装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3817847B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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JP4670140B2 (ja) * | 2000-11-24 | 2011-04-13 | 井関農機株式会社 | 育苗施設の苗箱棚積み装置 |
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JPS63262340A (ja) * | 1987-04-17 | 1988-10-28 | Iseki & Co Ltd | 苗箱の分離移送装置 |
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-
1997
- 1997-07-16 JP JP19125297A patent/JP3817847B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH1132582A (ja) | 1999-02-09 |
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