JP3097325B2 - 育苗用播種機 - Google Patents

育苗用播種機

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JP3097325B2
JP3097325B2 JP04174299A JP17429992A JP3097325B2 JP 3097325 B2 JP3097325 B2 JP 3097325B2 JP 04174299 A JP04174299 A JP 04174299A JP 17429992 A JP17429992 A JP 17429992A JP 3097325 B2 JP3097325 B2 JP 3097325B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、前後左右に所定のピ
ッチで多数のポットが配列し連結した育苗ポットに対
し、その育苗ポットの各ポットに野菜や花きなどの種子
を所定の粒数づつ播種する点播型播種装置が設けられた
育苗用播種機用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の育苗用播種装置では、コンベアの
駆動軸には育苗ポットのポット一列分づつ或は数列分づ
つ間歇的に移送する間歇駆動機構が設けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来播種装置のコ
ンベアが常時間歇駆動されるものであると、この播種装
置の下手側に連設される覆土装置や灌水装置のコンベア
も間歇駆動されるものとなり、覆土ムラや灌水ムラが生
じるものとなってしまっていた。そこで、間歇移送の必
要な播種装置部のコンベアに連続駆動機構と間歇駆動機
構を設けて、播種を行なうときのみ播種装置部のコンベ
アを間歇駆動させて、播種装置の下手側に連設される覆
土装置や灌水装置のコンベアは常時連続駆動するように
構成した播種機が考え出されているが、連続駆動機構が
連設されていることにより慣性重量が大きくなってい
て、正確且つ迅速な間歇移送を実現することができなか
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、前後左右に所定のピッチで多数のポ
ットが配列し連結した育苗ポットを移送するコンベアが
設けられ、該コンベアで移送される育苗ポットの各ポッ
トに所定の粒数づつ播種する点播型播種装置が設けられ
た育苗用播種機において、前記コンベアの駆動軸には、
前記育苗ポットを連続移送する連続駆動機構が設けられ
るとともに前記育苗ポットのポット一列分づつ或は数列
分づつ間歇的に移送する間歇駆動機構が設けられ、且
つ、前記連続駆動機構と前記駆動軸の間には連続駆動機
構側から駆動するときに駆動軸へ伝動する連続駆動側一
方向クラッチが介装されるとともに前記間歇駆動機構と
前記駆動軸の間には間歇駆動機構側から駆動するときに
駆動軸へ伝動する間歇駆動側一方向クラッチが介装され
たことを特徴とする育苗用播種機とした。
【0005】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の一実施例につい
て説明する。まず、播種機の全体的な構成を述べる。こ
の播種機は、連続移送用の第1コンベア1と、連続移送
と間歇移送とを切替可能な播種コンベア2と、連続移送
用の第2コンベア3とが移送上手側から順に連ねて設置
されており、その各コンベア1、2、3上を順に引き継
がれて苗箱4が移送されていくようになっている。そし
て、第1コンベア1上に床土供給装置5、鎮圧・均平装
置6が順に設置され、播種コンベア2上に点播型播種装
置7が設置され、第2コンベア3上に覆土供給装置8、
霧状灌水装置9が設置されている。これにより、移送上
手側の第1コンベア1の始端部に載せられた苗箱4…
は、初めに床土が詰められて鎮圧・均平され、次に播種
コンベア2に引き継がれてここで播種され、そして第2
コンベア3に引き継がれてそこで覆土され灌水されて播
種作業が完了する。
【0006】次に、上記播種機の各装置について詳述す
る。1は第1コンベヤーで、フレ−ム1a、1aで支持
されたプ−リ−軸1b、1cにプ−リ1d、1d、1
e、1eがそれぞれ取り付けられ、そのプ−リ−間1d
−1e、1d−1eに移送ベルト1f、1fが巻き掛け
られ、一方のプ−リ−軸1bが移送モ−タM1と連動連
結してる。これにより、フレ−ム1a、1a間の移送ベ
ルト1f、1f上に載せられた苗箱は、移送モ−タ−M
1が回転するときはベルト移動方向に連続移送、停止す
るときは移送停止される。
【0007】2は播種コンベアで、フレ−ム2a、2a
で支持されたロ−ラ−軸2b、2cにロ−ラ−2d、2
eがそれぞれ取り付けられ、そのロ−ラ−間2d−2e
に移送ベルト2fが巻き掛けられている。そして、一方
のロ−ラ−軸2b、即ち播種コンベア2の駆動軸には、
連続移送用の駆動モ−タM2による連続駆動機構と、間
歇移送用のエア−シリンダ−C1による間歇駆動機構と
が連動連結している。具体的には、まず、ロ−ラ−軸2
bには、連続移送用のスプロケット10が連続駆動側一
方向クラッチ10aを介して取り付けられ、そのスプロ
ケット10と駆動モ−タ−M2の駆動軸12に一体回転
するように取り付けた連続駆動スプロケット12aとの
間にチェン13が掛けられて、連続駆動機構が構成され
ている。これにより、連続駆動側一方向クラッチ10a
を境界に連続駆動側(駆動モ−タ−M2側)とロ−ラ−
軸2b側とにおいて、連続駆動側が駆動側となるときに
は連続駆動側からロ−ラ−軸2bへ伝動し、ロ−ラ−軸
2b側が駆動側となるときにはロ−ラ−軸2bから連続
駆動側へは伝動しない。即ち、駆動モ−タ−M2が駆動
回転するとき、その駆動モ−タ−M2の連続回転がロ−
ラ−軸2bへ伝動して播種コンベア2が連続移送状態に
なる。駆動モ−タ−M2が駆動しないときには、間歇駆
動機構によりロ−ラ−軸2b側が間歇駆動されても、駆
動モ−タ−M2は強制的に回転されることはない。
【0008】また、ロ−ラ−軸2bには、間歇移送用の
スプロケット11が取り付けられ、そのスプロケット1
1と間歇駆動軸14に一体回転するように取り付けた間
歇駆動スプロケット15とにチェン16が掛けられ、更
に、間歇駆動軸14に、遊端側が間歇駆動用のエア−シ
リンダ−C1のピストンC1aが連結するア−ム18a
の基部が固着するア−ム筒18が間歇駆動側一方向クラ
ッチ17を介して取り付けられて、間歇駆動機構が構成
されている。間歇駆動側一方向クラッチ17により、エ
ア−シリンダC1のピストンC1aが突出してア−ム筒
18が回転するときは間歇駆動軸14が一体回転するよ
う伝動され、エア−シリンダC1のピストンC1aが引
っ込んでア−ム筒18が逆回転するときは間歇駆動軸1
4には無駆動となり伝動しない。これにより、エア−シ
リンダC1のピストンC1aが所定のタイミングで一定
ストロ−ク、突出、引っ込み作動すると、間歇駆動軸1
4が一定角度づつ間歇に回転してロ−ラ−軸2bが間歇
駆動回転し、播種コンベア2が間歇移送状態となる。ま
た、間歇駆動側一方向クラッチ17を境界に間歇駆動側
(エア−シリンダC1側)とロ−ラ−軸2b側との間
で、間歇駆動側が駆動側となるときには間歇駆動側から
ロ−ラ−軸2bへ伝動して前述の通り間歇回転がロ−ラ
−軸2bへ伝動し、エア−シリンダC1が作動せず、連
続駆動機構によりロ−ラ−軸2b側が連続駆動されて
も、間歇駆動側一方向クラッチ17からエア−シリンダ
C1側へはその連続回転が伝動することはない。
【0009】ところで、播種コンベア2の間歇移送は、
育苗ポットPのポットp…一列分づつ或は数列分づつ正
確に且つ迅速に間歇移送しなければならないので、ロ−
ラ−軸2bが所定量回転したら、直ちに停止し、播種動
作が終了すれば、再び直ちに回転し始めなければならな
い。そこで、上記播種コンベア2の駆動機構において、
連続移送用のスプロケット10がロ−ラ−軸2bに一体
回転するように取り付けられず連続駆動側一方向クラッ
チ10aが介装されて取り付けられていることにより、
以下の点の効果が生じている。即ち、エア−シリンダC
1が作動して間歇駆動機構側からロ−ラ−軸2bが間歇
回転駆動されたときに、その回転は連続駆動側一方向ク
ラッチ10aから駆動モ−タ−M2側には伝動されず、
モ−タ−M2が強制的に回転されることはない。これに
より、間歇駆動時におけるロ−ラ−軸2bの慣性重量を
小さく留めることができる。よって、エア−シリンダC
1のピストンC1aが所定のストロ−ク突出した後のロ
−ラ−軸2b側の惰性回転を抑えることができ、また、
エア−シリンダC1のピストンC1aの突出時の負荷を
小さくできて、所定の移送量づつ正確且つ迅速な間歇移
送ができるようになる。これにより、各ポットp…の中
央により正確に播種されるようになって播種精度が向上
し、また、播種作業スピ−ドも高められて播種能率も向
上する。尚、BLはブレ−キ装置で、間歇移送用のスプ
ロケット11に一体の回転ディスク11aを挾み込んで
ロ−ラ−軸2bにブレ−キ作用を施すもので、前述の間
歇駆動時におけるロ−ラ−軸2bの惰性回転を更に抑え
るためのものである。
【0010】以上のように、播種コンベア2の駆動機構
が構成されたので、移送ベルト2f上に載せられた苗箱
4は、モ−タ−M2とエア−シリンダC1の作動切替に
より、ベルト移動方向に連続移送或は間歇移送される。
3は第2コンベヤーで、第1コンベア1と同様に、フレ
−ム3a、3aで支持されたプ−リ−軸3b、3cにプ
−リ3d、3d、3e、3eがそれぞれ取り付けられ、
そのプ−リ−間3d−3e、3d−3eに移送ベルト3
f、3fが巻き掛けられ、一方のプ−リ−軸3bが移送
モ−タM3と連動連結してる。これにより、フレ−ム3
a、3a間の移送ベルト3f、3f上に載せられた苗箱
4は、移送モ−タ−M3が回転するときはベルト移動方
向に連続移送、停止するときは移送停止される。
【0011】苗箱4は、一般的に用いられている縦横3
0cm×60cmの大きさのもので、この箱内に合成樹
脂性の育苗ポットP(図11)が嵌め込まれる。この育
苗ポットPは、小さなポットp…の口縁部側が縦横に連
結し、底部(孔が一つ開けられている)側が独立した形
態で、縦横10個×20個のポットp…が縦横に整然と
配列し連結したものである。この育苗ポットPの小さな
ポットp…の一つ一つの中に床土が詰められ、播種さ
れ、そして、覆土される。
【0012】床土供給装置5は、床土ホッパ−5aとベ
ルト式の床土繰出部5bからなる。床土繰出部5bは、
モ−タ−M4により回転駆動されるロ−ラ−5cと従動
ロ−ラ−5dとにベルト5eが掛けられ、そのベルト5
eの回転により上部の床土ホッパ−5a内の床土を定量
づつ繰出し、この装置5の下をくぐるように移送される
苗箱4内にその床土が供給されていく。
【0013】鎮圧・均平装置6は、播種切り換えスイッ
チSWが野菜・花き播種用に切り換えられると、鎮圧ロ
−ラ−6a、6aが鎮圧作用状態に、切り換えスイッチ
SWが水稲播種用に切り換えられると、鎮圧ロ−ラ−6
a、6aが鎮圧非作用状態に切り替わるようになってい
る。鎮圧ロ−ラ−6aは、左右の鎮圧支持フレ−ム6
c、6cに枢支された左右のロ−ラ−ア−ム6d、6d
の間に回動自在に軸支され、ロ−ラ−ア−ム6d、6d
と鎮圧支持フレ−ム6c、6cの間に掛けられた鎮圧ス
プリングSP、SPにより移送されてくる苗箱4内の床
土Bを上から押圧作用して鎮圧作用状態となる。鎮圧非
作用状態に切り替わるときは、ソレノイドSOLのピン
が突出し、それに連結するロ−ラ−ア−ム6d、6dを
回動させて鎮圧ロ−ラ−6aを上動させて、鎮圧ロ−ラ
−6a、6aの下方を通過する苗箱4内の床土Bに接触
しない位置に移動させるようになっている。鎮圧ロ−ラ
−6a、6aの下手側には均平ブラシ6bが前記モ−タ
−M4から伝動されて駆動回転するように設けられてい
る。(図9参照) 播種装置7は、図4、図5に示されるような構成になっ
ている。即ち、種子S…を一粒づつ吸着する吸着ノズル
19…が、エア−タンク20に前記育苗ポットPの左右
方向のポットp…の数(10個)だけ取り付けられてい
る。エア−タンク20はバキュウム装置Vと連結してお
り、吸着ノズル19…が種子S…を収容する種子受け樋
21上に移動したときにバキュウム装置Vが吸引作動
し、受け樋21に収容された種子S…をノズル19…の
先端口にそれぞれ一粒づつ吸着する(図6(a))。そ
して、吸着ノズル19…の先端口に種子S…が吸着され
た状態で、エア−タンク20の左右に設けられた移動リ
ンク22に連結するエア−シリンダ−C2のピストンC
2aが突出作動して、各ノヅル19…がそれに対応する
漏斗23…上に位置するようにエア−タンク20が移動
する。そして、前記バキュウム装置Vに作動が停止して
逆にエア−がノズル19…の先端口から吐出し、更に、
ノズル19…の内側のニ−ドル19a…が各ノズル19
…の先端口から突出する。これにより、ノズル19…の
先端口に吸着していた種子S…が放出されて、それぞれ
対応する漏斗23…内に落下する。漏斗23…の出口は
それぞれ播種ホ−ス24…が連結され、そのホ−ス24
…の下端口に播種ノズル25…が取り付けられている。
よって、漏斗23…内に落下した種子S…は播種ホ−ス
24…内を通って播種ノズル25…の下端口から放出さ
れる。以上のように、この播種装置7は、吸着ノズル1
9…が一粒づつ吸着して播種位置に放出するように構成
されている。吸着ノズル19…の先端口の口径は小さく
設けられるので、粒径の小さい裸種子でも確実に一粒づ
つ播種できる。
【0014】更に、上記播種装置7の播種ノズル25…
は、その下方に移送される苗箱4内の育苗ポットPの左
右方向のポットp…の配列ピッチに合わせてノズル25
の下端口が各ポットp…の口部中央に位置するようにノ
ズル固定部材26で固定されている。ノズル固定部材2
6は、その両端部で播種ノズル上下用シリンダC3、C
4のピストンC3a、C4aと連結し、また、固定部材
26の上下移動をガイドするガイド棒27、27に摺動
自在に係合している。更に、固定部材26の苗箱移送方
向上手側に棒状の播種穴形成体28…が播種ノズル25
…の左右方向の配列位置に合わせて取り付けられてい
る。上下用エア−シリンダC3、C4のピストンC3
a、C4aが突出作動して固定部材26が上から下に移
動すると、播種穴形成体28…がその下方に移送されて
きている苗箱4内の左右横一列分のポットp…に対しそ
れぞれのポットp…内の床土B…上面側に播種穴H…を
形成する。それと共に、播種ノズル25…も前工程で形
成されたポットp…内の各播種穴H…上に下動し、その
播種穴H…内に一粒ずつ播種する。この間、播種コンベ
ア2は移送停止状態にあり、横一列のポットp…への播
種が完了すると、上下用エア−シリンダC3、C4のピ
ストンC3a、C4aが引っ込み作動して固定部材26
が下から上に移動する。その後、播種コンベア2が間歇
移送作動して、苗箱4が育苗ポットPのポット左右横方
向一列分p…だけ移送し再び停止する。そして、再び、
上下用エア−シリンダC3、C4のピストンC3a、C
4aが突出作動して、播種穴形成体28…の直下の左右
一列のポットp…に対して播種穴H…を形成し、播種ノ
ズル25…の下端口直下の左右一列のポットp…に対し
て播種する。
【0015】上記播種装置7で苗箱4内の育苗ポットP
の各ポットp…内に播種される間は、播種コンベア2は
間歇移送状態となるが、その前後は連続移送状態に切り
替わる。即ち、連続移送状態で、苗箱4の先端部が位置
X1(苗箱4内の育苗ポットp…の移送方向最前列のポ
ットp…が播種穴形成体28…の真下となる状態の苗箱
4の先端位置)に移送されると、それを第1苗箱位置検
出器S1(ここでは、接触式のリミットスイッチ)が検
出し、播種コンベア2を連続移送状態から間歇移送状態
に切り替える。そして、間歇移送状態にて、各ポットp
…内に一粒づつ播種され、移送方向最後列のポットp…
が播種ノズル25から播種された後で、苗箱4の先端部
が位置X2(苗箱4内の育苗ポットp…の移送方向最後
列のポットp…が播種ノズル25…の真下となる位置か
らポット一列分移送方向下手側に送られた状態での苗箱
4の先端位置)に移送苗箱に穴形成体28…の真下とな
る位置に移送されると、それを第2苗箱位置検出器S2
(ここでは、接触式のリミットスイッチ)が検出し、播
種コンベア2を間歇移送状態から連続移送状態に切り替
える。よって、位置X1から位置X2の区間の距離は、
苗箱4の移送方向の長さL+α(育苗ポットPの移送方
向のポット列分+1列)の距離となる。そして、次の苗
箱4が移送上手側から前記位置X1まで移送されてくる
と、再び間歇移送状態に切り替わる。ところで、第1コ
ンベア1は、播種コンベア2が連続移送状態のときは連
続移送状態となり、播種コンベア2が間歇移送状態のと
きは移送停止状態となる。また、第2コンベア3は、播
種コンベア2が連続移送状態、間歇移送状態にかかわら
ず連続移送状態となっている。
【0016】尚、前記鎮圧・均平装置6の後端位置から
前記位置X1までのコンベア上方が開放された区間の距
離は、苗箱4の移送方向の長さLの2倍以上のとなって
いる。これにより、播種装置7の作動中において、床土
供給装置5、及び鎮圧・均平装置6の作業が完了した状
態の苗箱4が、最低1箱はその区間に停止し、次の苗箱
への播種が開始されるまでその区間で待機した状態とな
る。よって、その区間で待機する苗箱最低1箱分につい
て、床土の供給状態のチェックができ、また不具合があ
ればそれを修復する作業を施すことができる。
【0017】覆土供給装置8は、覆土ホッパ−8aとベ
ルト式の覆土繰出部8bからなる。覆土繰出部8bは、
モ−タ−M5により回転駆動されるロ−ラ−8cと従動
ロ−ラ−8dとにベルト8eが掛けられ、そのベルト8
cの回転により上部の覆土ホッパ−8a内の覆土を定量
づつ繰出し、この装置8の下をくぐるように移送される
苗箱4内にその覆土が供給されていく。
【0018】棒状・霧状灌水装置9は、ポンプP1で霧
状灌水パイプ9aに水が送られてそのパイプ下側に開け
られた複数の散水孔9b…から下方へ霧状に散水する霧
状灌水部W1と、ポンプP2で棒状灌水パイプ9c、9
cに水が送られてそのパイプ下側に開けられた軸方向に
苗箱左右幅程度の長さの長孔9d、9dから下方へ薄膜
状に散水する棒状灌水部W2が設けられて、霧状灌水パ
イプ9a、棒状灌水パイプ9c、9cの下方を横切るよ
うに苗箱4が移送されていって均一に灌水されていく。
野菜・花き播種時には、ポンプP1が作動して霧状灌水
部W1から霧状に散水して覆土の飛散や種子の移動を防
止して灌水し、水稲播種時には、ポンプP2が作動して
棒状灌水部W2から薄膜状に散水して効能率に灌水す
る。(図8参照)以上により、野菜・花き播種作業で
は、移送上手側の第1コンベア1の始端部に載せられた
苗箱4…が、初めに床土供給装置5、鎮圧・均平装置6
で床土が詰められて鎮圧・均平され、次に播種コンベア
2に引き継がれて点播型播種装置7で播種され、そして
第2コンベア3に引き継がれて覆土供給装置8、棒状・
霧状灌水装置9で覆土され霧状灌水されて播種作業が完
了する。
【0019】ところで、点播型播種装置7が設置された
播種コンベア2に換えて、散播型播種装置30が設置さ
れた第2播種コンベア2’に組み替えて、水稲播種作業
をする育苗用播種機に切り換えることができる。これに
よれば、移送上手側の第1コンベア1の始端部に載せら
れた苗箱4…が連続移送されて、初めに床土供給装置
5、鎮圧・均平装置6で床土が詰められて均平され(鎮
圧部では鎮圧作用は受けないで通過する)、次に第2播
種コンベア2’に引き継がれて連続移送されて散播型播
種装置30で播種され、そして、第2コンベア3に引き
継がれて連続移送されて覆土供給装置8、棒状・霧状灌
水装置9で播種され、覆土され、棒状灌水されて播種作
業が完了する。
【0020】尚、第2コンベア2’は連続移送作動する
構成になっているので、水稲播種作業時においては、第
1コンベア1、第2コンベア2’、第2コンベア3はと
もに常時連続移送状態で作動する。また、散播型播種装
置30は、種子ホッパ−30aと種子繰出部30bから
なる。種子繰出部30bは、ホッパ−30a内の種子を
定量ずつ繰り出す繰出ロ−ラ−30cがモ−タ−M6に
より回転駆動されるように設けられている。この播種装
置30により、この下をくぐるように移送される苗箱4
の床土上面に一様に種子が播種されていく。ところで、
この散播型播種装置30が設置される第2播種コンベア
2’は、コンベア長が播種コンベア2と同一に設定して
あるので、大型で大重量となる育苗用播種機全体を動か
さずに、播種コンベア2と第2播種コンベア2’とだけ
を組み替えることができるので、切り換え作業が簡単で
ある。組み換え後の第1コンベア1と第2コンベア3と
の接続は、コンベア上を移送される苗箱の左右位置を規
制する苗箱ガイド部材70、70を、接続される互いの
コンベアのフレ−ムに固定具71、71…で固定して連
結して、継手を兼用する。
【0021】また、図7のタイムチャ−トに示されるよ
うに、野菜・花き播種作業時と水稲播種作業時の切り換
えは、播種装置部を組み合えた後、切り換えスイッチS
Wをを切り換えるだけで、作動できるようになってい
る。野菜・花き播種作業時(点播型播種装置7が設置さ
れた播種コンベア2を組み込んだ場合)には、まず、切
り換えスイッチSWを野菜・花き播種作業位置に切り換
える。すると、点播型播種装置7の播種位置前(播種穴
形成位置)まで、第1コンベア1、播種コンベア2が苗
箱4…を連続移送し、次に、点播型播種装置7が作動す
るとともに間歇移送状態に切り替わり、播種が完了する
と再び連続移送状態になる。播種コンベア2が間歇移送
状態のときは、第1コンベア1が移送停止し、播種コン
ベア2が連続移送状態のときは、第1コンベア1が連続
移送状態となる。第2コンベア3は常時連続移送状態と
なる。また、棒状・霧状灌水装置9はポンプP2が作動
停止したままでポンプP1が作動して霧状灌水状態とな
る。
【0022】次に、水稲播種作業時(散播型播種装置3
0が設置され第2播種コンベア2’を組み込んだ場合)
は、切り換えスイッチSWを水稲播種作業位置に切り換
える。このとき、第1コンベア1、第2播種コンベア
2’、第2コンベア3は全て連続移送状態になる。ま
た、鎮圧・均平装置6では鎮圧ロ−ラ−6a、6aが鎮
圧非作用状態に切り替わり、棒状・霧状灌水装置9では
ポンプP1が作動停止して反対にポンプP2が作動し棒
状灌水状態となる。
【0023】尚、野菜・花き播種作業時は、苗箱4内に
育苗ポットPを嵌め込んで、各ポットp…内に播種して
いくが、水稲播種作業時は育苗ポットPは用いず直接苗
箱4内に床土を詰めて播種される。ここで、上記のよう
な野菜・花き播種作業と水稲播種作業とに組み替えて使
用可能な播種機を用いた育苗プラントについて、図面、
図12〜図15に基づき、説明する。
【0024】この育苗プラントは播種室R1と出芽室R
2と緑化室R3とからなる。まず、播種室R1には、図
12に示されるように、1階のフロアに前記播種機Bが
設置される。中2階のフロアには段積みされた状態の育
苗箱4…と、野菜・花き用の育苗ポットPが保管され
る。水稲苗の育苗作業をするときは、まず、段積みされ
た育苗箱4…を中2階に設置されたコンベア40に載せ
る。コンベア40上の育苗箱4…は苗箱供給装置41に
搬入されて、それにより育苗箱4…は2階から1階に降
ろされる。そして、直接、播種機Bの移送上手側の第1
コンベア1に一箱づつ供給される。播種機Bでは、点播
型播種装置7の作動が停止し散播型播種装置30が作動
して水稲播種作業がなされる。野菜・花き苗の育苗作業
するときは、中2階のコンベア40に載せるとき、育苗
ポットPを育苗箱4…内に各一入れ込んだうえで載せ
て、播種機Bに供給する。この場合、播種機Bでは散播
型播種装置30が停止し点播型播種装置7が作動して野
菜・花き播種作業がなされる。播種機Bの移送下手側の
第2コンベア3’には段積み装置42が連結していて、
播種が完了した育苗箱4…は再び所定の段数分づつ段積
みされ、その状態で出芽室内に運ばれ並べられる。
【0025】尚、水稲播種作業において、散播型播種装
置30の種子ホッパ−30aに供給される種子は、催芽
タンク43から催芽された種籾がコンベア44にて搬送
されて供給される。また、床土供給装置5、覆土供給装
置8に供給される培土は、まず、1階床面下にえぐられ
た所に設置された培土タンク45に運び込まれ、そのタ
ンク45下部のベルト式の培土排出装置45aから培土
搬送用のエレベ−タ−46の培土供給ホッパ−46aに
供給され、そのエレベ−タ−46によって大容量の床土
タンク5a’と大容量の覆土タンク8a’の上方に設け
られたベルト式の培土搬送コンベア47上に搬送され
る。培土搬送コンベア47上に運ばれた培土は、コンベ
ア47が適宜正逆転作動して床土タンク5a’或は覆土
タンク8a’に供給される。床土供給装置5の床土繰出
部5bの下側には、育苗箱4からこぼれ落ちた培土を受
ける土受け部48が設けられていて、そこで受けた培土
は前記エレベ−タ−46の培土供給ホッパ−46aに戻
されるようになっている。また、培土タンク45の培土
排出装置45a、エレベ−タ−46、培土搬送コンベア
47の作動は、床土タンク5a’に設けられた床土量検
出スイッチSW1(上)、SW1(下)(SW1(上)
はSW1(下)より上位に設けられている)或は覆土タ
ンク8a’に設けられた覆土量検出スイッチSW2
(上)、SW2(下)(SW2(上)はSW2(下)よ
り上位に設けられている)により、タンク内の培土量が
所定量より少なくなったことを検出して作動し、その作
動によってタンク内の培土量が所定量より多くなったこ
とを検出して停止するようになっている。但し、水稲播
種作業においては、育苗箱1枚当りの床土及び覆土供給
量が多くなるので、床土減少検出スイッチSW1
(上)、覆土減少検出スイッチSW2(上)での検出で
作動するようになり、野菜・花き播種作業においては、
床土及び覆土供給量が少ないので、床土減少検出スイッ
チSW1(下)、覆土減少検出スイッチSW2(下)で
の検出で作動する。これにより、ピ−トモス等が混入し
て比重の小さい野菜・花き用の培土(比重0.6〜0.
7程度)のタンク内の詰まり(ブリッチ)が防止でき、
また、比重の大きい水稲用の培土(比重1.0程度)を
大量にタンク内にストックでき、高速播種作業に対応で
きる。
【0026】次に、出芽室R2は、図13に示されるよ
うに、暖房機49とク−ラ−50が備えられていて、所
定の温度に管理されるようになっている。ここで、出芽
処理されると、育苗箱4…は出芽室R2から運び出され
て緑化室R3に移動される。緑化室R3は、ガラス温室
になっている。ガラス温室R3は、天窓51の開閉装置
や遮光カ−テン52の開閉装置、自走式灌水装置53が
備えられ、また前記暖房機49の温風ダクトも導入され
て適切な環境制御がなされる。また、緑化室R3で緑化
された後の苗管理室R4として、ビニ−ルハウスが設け
られている。このビニ−ルハウスR4は、側部及び屋根
部のビニ−ルの開け閉めができて谷換気及び側換気が可
能であり、また、風雨温度センサ−54を備えた灌水コ
ントロ−ラ−55により制御される自走式灌水装置56
が備えられて適切な環境制御がなされる。
【0027】ここでの緑化処理では、水稲育苗の場合
は、出芽室R2で段積みされた育苗箱4…を所定の間隔
に苗箱棚が設けられた緑化台車57…に積替え装置58
で積み替えられて、ガラス温室R3内に運び込まれ並べ
られる。野菜・花き育苗の場合は、積替え装置58を用
いず、育苗箱4…はガラス温室R3内で上下に重ねない
で栽培ベット59…上に並べて置かれる。そして、所定
の緑化処理がなされたら、前記ビニ−ルハウスR4内に
移動して苗管理する。このビニ−ルハウスR4内では、
水稲苗の場合は、地面にじかに並べて置き、野菜・花き
苗の場合は、栽培ベット59…上に並べて置かれる。
【0028】
【発明の作用及び効果】この発明の育苗用播種機は、播
種コンベア2の駆動軸2bに、育苗ポットPを連続移送
する連続駆動機構が設けられるとともに、育苗ポットP
のポットp…一列分づつ或は数列分づつ間歇的に移送す
る間歇駆動機構が設けられているので、まず、点播型播
種装置7まで、第1コンベア1、播種コンベア2が苗箱
4…を連続移送し、次に、点播型播種装置7が作動を開
始するとともに播種コンベア2が間歇移送状態に切り替
わり、播種が完了すると再び連続移送状態になるように
作動する。そして、播種コンベア2が間歇移送状態のと
きは、第1コンベア1は移送停止し、播種コンベア2が
連続移送状態のときは、第1コンベア1は連続移送状態
となる。また、第2コンベア3は常時連続移送状態とな
る。このように、コンベア全体1、2、3が間歇移送作
動するのではなく、間歇移送の必要な播種コンベア2の
み播種作用時のみ作動させて、播種装置7の下手側に連
設される覆土装置8や灌水装置9のコンベア3が常時連
続移送作動するように構成したため、覆土ムラや灌水ム
ラが生じることはない。
【0029】更に、この播種機では、上記播種コンベア
2の駆動機構において、連続駆動機構と駆動軸2bの間
には連続駆動機構側から駆動するときに駆動軸2bへ伝
動する連続駆動側一方向クラッチ10aが介装されると
ともに、間歇駆動機構と駆動軸2bの間には間歇駆動機
構側から駆動するときに駆動軸2bへ伝動する間歇駆動
側一方向クラッチ17が介装されているので、間歇駆動
機構側から駆動軸2bが間歇回転駆動されたときに、そ
の回転は連続駆動側一方向クラッチ10aから連続駆動
機構側には伝動されない。これにより、間歇駆動時にお
ける慣性重量を小さく留めることができて、所定の移送
量づつ正確且つ迅速な間歇移送ができるようになる。こ
れにより、各ポットp…の中央により正確に播種される
ようになって播種精度が向上し、また、播種作業スピ−
ドも高められて播種能率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】播種機の側面図。
【図2】播種機の伝動構成を示す平面図。
【図3】播種コンベアの伝動構成を示す側面図。
【図4】点播型播種装置の要部構成を示す断面側面図。
【図5】点播型播種装置の要部構成を示す断面正面図。
【図6】点播型播種装置の吸着ノズルの断面図。(a)
は種子吸着状態、(b)種子放出状態を示す。
【図7】野菜・花き播種作業時と水稲播種作業時におけ
る播種機各作動部の作動状態を示すタイムチャ−ト。
【図8】棒状・霧状灌水装置の要部を示す説明図。
【図9】鎮圧装置の要部を示す断面側面図。
【図10】播種コンベア或は第2播種コンベアの第1、
第2コンベアへの接続部の構成を示す平面図。
【図11】育苗ポットを示す斜視図。
【図12】育苗プラントの一部を示す簡略側面図。
【図13】育苗プラントの一部を示す簡略側面図。
【符号の説明】
P:育ポット p:ポット 1:第1コンベア 2:播種コンベア 2b:ロ−ラ−軸(駆動軸) 2’:第2播種コンベア 3:第2コンベア 4:苗箱 5:床土供給装置 6:鎮圧・均平装置 7:点播型播種装置 8:覆土供給装置 9:棒状・霧状灌水装置 10a:連続駆動側一方向クラッチ 17:間歇駆動側一方向クラッチ 30:散播型播種装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後左右に所定のピッチで多数のポット
    が配列し連結した育苗ポットを移送するコンベアが設け
    られ、該コンベアで移送される育苗ポットの各ポットに
    所定の粒数づつ播種する点播型播種装置が設けられた育
    苗用播種機において、前記コンベアの駆動軸には、前記
    育苗ポットを連続移送する連続駆動機構が設けられると
    ともに前記育苗ポットのポット一列分づつ或は数列分づ
    つ間歇的に移送する間歇駆動機構が設けられ、且つ、前
    記連続駆動機構と前記駆動軸の間には連続駆動機構側か
    ら駆動するときに駆動軸へ伝動する連続駆動側一方向ク
    ラッチが介装されるとともに前記間歇駆動機構と前記駆
    動軸の間には間歇駆動機構側から駆動するときに駆動軸
    へ伝動する間歇駆動側一方向クラッチが介装されたこと
    を特徴とする育苗用播種機。
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