JP3816360B2 - 画像読取装置及び画像読取方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラテン上に載置された静止原稿の画像データを移動走査して読み取るようにした画像読取装置及び画像読取方法に関し、特に、白黒原稿のみならずカラー原稿を読み取ることが可能な画像読取装置及び画像読取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カラー描写が可能なパソコン、インターネット又は電子写真等の普及に伴って、白黒画像と比較して表現力が格段に優れるカラー画像をそのまま複写、印字又は伝送する需要が高まってきている。このため画像読取装置においても、従来にも増して、カラー原稿をより高速に且つ精緻に読み取ることが要求されてきている。
【0003】
然しながら、画像読取装置がカラー原稿を読み取る場合、通常、光の3原色であるR(赤),G(緑),B(青)毎に画像データを読み取る必要性から、白黒画像の読み取り時と同じ解像度をもってカラー原稿を読み取ろうとした場合、白黒原稿の読み取り時と比較して、その読み取り速度を遅くしなければならない。
【0004】
一方、画像読取装置が読み取る原稿には、カラー原稿と白黒原稿が混在している場合があり、このような場合、一律にカラー読取モードで読み取ることとなると、白黒原稿の読取時の読取速度が低下してしまう。
【0005】
このため、従来技術においては、原稿を読み取る際に、先ず、光学読取手段がこれから読み取ろうとする原稿が白黒かカラーかを判別するためのプレスキャンを行い、この判別に従って、白黒原稿であったならば、比較的高速走査の白黒読取モードで読み取り、カラー原稿であったならば、カラー読取モードで読み取るようにした、所謂、プレスキャン/本スキャン方式の読取方式が知られている。
【0006】
一方、このような2回の原稿パスを必要とするプレスキャン/本スキャン方式を改善したものとして、特開平9−261417号に記載された画像処理装置が知られている。この装置は、循環式原稿送り装置を読取装置に装着して、原稿を予め読取位置に走行させて装置内を循環させることによって読み取る原稿の全頁について白黒原稿かカラー原稿かを判別し、当該判別結果を原稿頁毎に記憶し、原稿に実際の読み取り時において、白黒原稿の場合は、光学読取手段を固定させて原稿を走行させながら読み取ることによって高速走査を行い、カラー原稿の場合は、原稿をプラテン上に固定配置し、光学読取手段を移動させつつ走査することによって精緻な画像読み取りを行おうとするものである。
【0007】
さらには、特開平2000−24850号は、予め、原稿をカラー読取モードで読み取るか白黒読取モードで読み取るかを設定し、原稿送り装置内のカラー判別手段によって白黒原稿かカラー原稿かを判別し、この判別結果と設定モードが一致した原稿を読み取ろうとする原稿読取装置を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−261417号の装置を含めて上記のプレスキャン/本スキャン方式による画像読取装置の場合、画像読み取りの本スキャンの前に、原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判別するためのプレスキャンを必要としているために、カラー原稿と白黒原稿が混在している原稿全体の画像読取時間は、結果としてさほど短縮されなかった。
【0009】
また、特開平2000−24850号の場合においても、カラー読取モードに設定されている場合、画像読み取り中に白黒原稿が混在していると、当該白黒原稿については読み取りが行われない。このため、白黒読取モードに設定し直して再び読取開始操作をしなければならない。このような操作に要する時間を考慮すると、原稿全体の読取時間は、結果として短縮されないこととなる。
【0010】
本発明は、カラー原稿と白黒原稿が混在している原稿読み取りにおいて、カラー原稿と白黒原稿の判別機能を有し、白黒原稿については高速走査による読み取りを行いカラー原稿については精緻な読み取りを行う際に、原稿全体の高速読み取りを可能にする原稿読取装置及び原稿読取方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであって、原稿を静止セットするプラテンと、このプラテンに沿って移動し、開始位置から順次ラインセンサで読み取る光学読取手段とを有し、前記光学読取手段を第1の移動速度による白黒読取モード又は第2の移動速度によるカラー読取モードで移動する制御手段と、前記光学読取手段が読み取った画像データが、白黒データであるかカラーデータであるかを識別するための識別手段とを有する。前記ラインセンサからの画像データを順次記憶するデータメモリとを備え、前記識別手段は、前記ラインセンサからのライン毎の出力値から白黒データであるかカラーデータであるかを識別し、前記光学読取手段で前記原稿を前記白黒読取モードで読み取る際に前記制御手段は、前記ラインセンサからの出力値が白黒データと識別されたときには当該白黒読取モードによる読み取りを続行し、カラーデータであると識別されたときには前記データメモリのカラーデータを削除し、前記制御手段は前記光学読取手段を停止して当該白黒読取モードによる読み取りを中止すると共に、前記光学読取手段を当該原稿の読取開始位置又はカラーデータを含まない原稿位置に復帰移動させ、次いでこの光学読取手段を前記カラー読取モードで移動するように制御する。
【0016】
また、本発明は、プラテン上に載置された静止原稿を移動走査してラインセンサで読み取るための原稿読取方法であって、原稿を白黒読取モードでライン毎に読み取るステップと、前記読み取られたライン毎の画像データの種別を識別するステップと、前記ライン毎の画像データの種別が白黒データと識別されたときには、前記白黒読取モードによる読み取りを続行し、カラーデータと識別されたときには当該白黒読取モードによる読み取りを中止するステップとを構成し、前記ステップで前記白黒読取モードによる読み取りが中止されたときには、前記光学読取手段を当該原稿における読取開始位置又はカラーデータを含まない原稿位置に復帰移動させるステップと、前記ステップで読取開始位置又はカラーデータを含まない原稿位置に復帰移動された光学読取手段を前記カラー読取モードで前記プラテンに沿って移動して前記ラインセンサで読み取るステップとを備える。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像読取装置及び画像読取方法の実施の形態の具体例を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るいわゆる2キャリッジ方式と呼ばれる画像読取装置の例を示すものである。
【0020】
図1に示すように、光学読取手段を構成する読取部が、光源52と第1のミラー53から成る第1のキャリッジ50と、当該第1のキャリッジ50からの反射光を、固定の集光レンズ56を介してCCD等の光電変換素子60に送るための第2のキャリッジ51によって構成されている。光学読取手段をこのように二つのキャリッジ構成にしたのは、プラテン上に載置された原稿を、光学読取手段がプラテン下を移動しつつ走査して読み取る際に、変化する原稿の読取位置と光電変換素子60間の光路を一定の距離に維持することにより、より精緻な画像データを得るためである。
【0021】
このような二つのキャリッジを動作させる駆動機構は、第1のキャリッジ50と第2のキャリッジ51を支持してその移動を案内するスライドレール57と、キャリッジ移動用モータ58と、読取キャリッジに連結してモータからの駆動力を伝えるワイヤ59とで構成されている。制御手段によってキャリッジ移動用モータ58が正回転又は逆回転すると、ワイヤ59は、当該モータの回転軸に結合されたプーリに巻かれているので往復移動する。そして当該ワイヤに59に結合された第1及び第2のキャリッジ50,51の移動が行おこなわれるのである。これにより第1及び第2のキャリッジ50,51は、スライドレール57に案内され摺動し走査方向に移動する。第1キャリッジ50は、所定の走査方向にもその逆の方向にも移動可能であって、その移動速度はキャリッジ移動用モータ58の回転速度によって変化させることが可能である。キャリッジ移動用モータ58は、通常パルスモータを用い、印加するパルス数によって回転速度を制御することとなる。
【0022】
このようにして、第1及び第2キャリッジ50,51は、カラー読取モードに対応した比較的低速な読取速度と、白黒読取モードに対応した比較的高速な読取速度による走査移動が可能なように構成されている。また、キャリッジ移動用モータ58を逆回転させることにより第1のキャリッジ50を読取開始位置方向に復帰させることも可能に構成されている。
【0023】
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るいわゆる1キャリッジ方式と呼ばれる画像読取装置の例を示すものである。
【0024】
図2に示すように、本実施形態においては一つのキャリッジに搭載された光学読取手段の駆動構成を示す図である。この場合、光学読取手段は、CCD等の光電変換装置を含めて一つのキャリッジ61内に収容されている。
【0025】
本実施の形態におけるキャリッジ移動機構は、キャリッジ61を支持し移動を案内するガイドレール79と、キャリッジ移動用モータ76と、キャリッジ61を繋止してモータからの駆動力を伝える移動ベルト75と、移動ベルト75に駆動力を伝える伝達ベルト77によって構成されている。キャリッジ61は、移動ベルト75に係止されている。従って、キャリッジ61の移動はキャリッジ移動モータ76の正回転、逆回転によって行われ、伝達ベルト75,77は当該モータ76の回転力を伝達ベルト77に伝える。これによって、キャリッジ61は、制御手段によるキャリッジ移動用モータ76の回転制御により、ガイドレール79に案内され摺動し走査方向に移動する。
【0026】
本1キャリッジ方式の場合も、上記の2キャリッジ方式の場合と同様に、キャリッジ61は、所定の走査方向にもその逆の方向にも移動可能であって、その移動速度はキャリッジ移動用モータ76の回転速度によって変化させることが可能である。キャリッジ移動用モータ76は、通常パルスモータを用い、印加するパルス数によって回転速度を制御することとなる。
【0027】
このようにして、キャリッジ61は、カラー読取モードに対応した比較的低速な読取速度と、白黒読取モードに対応した比較的高速な読取速度による走査移動が可能なように構成されている。また、キャリッジ移動用モータ76を逆回転させることによりキャリッジ61を読取開始位置方向に復帰させることも可能に構成されている。
【0028】
次に、本発明における画像読取方法の詳細について説明する。
【0029】
最初に、読取画像の白黒画像かカラー画像かの識別方法について説明する。
図3(a)は、各センサのカラー識別における相対感度と波長との関係を示す分光感度特性を示す図であり、図3(b)は白黒原稿の分光反射データを示す図である。図3(a)に示すように、赤ラインセンサ、緑ラインセンサ、青ラインセンサの読み取りレベルにおいて、各ラインセンサの分光感度のピークが生じる波長は、赤(R)、緑(G)、青(B)で異なるので、カラー原稿読取時には各ラインセンサの出力のピーク値の波長が相違することとなる。一方、図3(b)に示すように、白黒原稿の場合は、分光反射率は波長に依らず一定であり、各ラインセンサは白の画素に対して一様に高いセンサ出力を、黒の画素に対して一様に低いセンサ出力を示す。これによって、読み取った原稿がカラー原稿であるか白黒原稿であるかが識別又は判別される。このように、原稿を判別するには、単に、各色のラインセンサの出力のピーク値の波長が相違するか否かを診ればよいことから、白黒読取モードの高速読み取りによって読み取られた画像データに基づいても充分に識別可能であることに留意すべきである。
【0030】
このように、本発明において色判定部は、後述するシェーディング補正部からデジタル信号に変換された赤ラインセンサ、緑ラインセンサ、青ラインセンサからの出力を受け取り、その各出力パターンに差があればカラーと判定し、差がなければ白黒原稿と判定するように構成する。
【0031】
ところで、以下説明する本実施の形態においては、画像信号制御装置(以下、「制御装置」という)が、読取手段が読み取った画像データを逐次記憶するデータメモリ部107(図4及び図5)内に具備する例について説明している。しかし、画像読取装置の種類によっては、画像データを記憶するデータメモリを具備せずに、読取手段からの画像データを補正処理した後に画像形成装置側に出力するタイプのものもある。このような場合、本発明の適用においては、白黒データかカラーデータかの画像データの種別を識別する識別手段は、読取手段からの画像データの補正信号に基づいて行うこととなる。
【0032】
図4は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つのセンサの他に、白黒(B/W)センサを有する4本のラインセンサを用いた制御装置100の回路構成を示すものである。図4において、制御装置100は原稿を読み取る4本のラインセンサ102W,102R,102G,102Bと、ラインセンサが読み取ったアナログデータを、デジタルデータに変換するA/D変換部103と、変換されたデータをシェーディング補正(光電変換素子間における感度補正)するシェーディング補正部104と、シェーディング補正されたデータの諧調を判定する色判定部106と、色判定部により判定された結果を受けて画像読取装置の読取を制御する信号を出力する制御コントロール部108と、制御コントロール部108からのSEL信号により白黒データ又はカラーデータに切り替えて出力するセレクタ部105と、制御コントロール部108からのSEL信号によりデータを白黒の読み取り又はカラーでの読み取りに切り替えて記憶して画像形成装置に出力するデータメモリ部107で構成されている。
【0033】
図4に記載の制御回路の場合は、第1の読取モード(白黒読取モード)時における画像データは、白黒センサ102Wによって読み取られた画像データを使用するが、同時に、緑センサ102G、赤センサ102R及び青センサ102Bの出力に基づいてカラー原稿か白黒原稿かあるかを識別するのである。
【0034】
図5は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3本のラインイセンサを用いた画像信号制御部100bであり、画像信号制御部100bは、ライセンサ102R,102G,102Bと、このラインセンサが読取ったアナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換部103と、変換されたデータをシェーディング補正するシェーディング補正部104と、シェーディング補正されたデータに基づき黒の信号を生成するモノクロミックス変換部109と、シェーディング補正されたデータの諧調を判定する色判定部106と、色判定部により判定された結果を受けて画像読取装置に読取を制御する信号を出力する制御コントロール部108と、制御コントロール部108からのSEL信号により白黒データ又はカラーデータに切り替えて出力するセレクタ部105と、制御コントロール部108からのSEL信号により読み取りデータを白黒の読取又はカラーでの読取に切り替えて記憶して画像形成装置に出力するデータメモリ部107で構成されている。従って、図5に記載の制御回路の場合は、第1の読取モード(白黒読取モード)時における画像データは、緑センサ102G、赤センサ102R及び青センサ102Bの出力のAND値となる。そして、緑センサ102G、赤センサ102R及び青センサ102Bの出力パターンの相違があるかに基づいてカラー原稿か白黒原稿かあるかを識別するのである。
【0035】
次に、本実施形態例における原稿読取制御フローの例を説明する。
【0036】
本画像読取装置によって原稿を読み取る際に(S1)、操作者は、図6に基づいて読取モードの設定を行うこととなる(S2)。カラー読取モードに設定されたならば(S3)、低速のカラー画像モード(25CPM/108mm/sec)による画像読み取りが行われる。白黒読取モードに設定されたならば(S5)、高速の白黒読取モード(50CPM/216mm/sec)による画像読み取りが行われる。そして、自動カラーセレクト(ACS)モードに設定された場合(S4)には、次のような本発明に係る読取動作制御が実行されることとなるのである。
【0037】
図7は、本発明に係る画像読取動作の第1の制御方法に関するものであって、第1の読取モード(白黒読取モード)による原稿の読み取り完了後、読み取り画像データのモードを判別する制御方法のフローチャートを示す。
【0038】
図8は、本発明に係る画像読取動作の第2の制御方法に関するものであって、原稿読み取り中に逐一的に画像データのモードを判別する制御方法のフローチャートを示す。
【0039】
図7において、原稿がプラテン上の所定位置に載置された後、読み取り動作が開始される(S10)。ここでACSモードが設定された(S11)後に、画像読取装置内のスタートキーが押されると(S12)、原稿を第1の読取モードで読み取り動作が開始する(S13)。第1の読取モードで読み取られたデータは第1の種別のデータ(白黒データ)としてメモリに格納される(S14)。当該格納データは、図4又は図5のところで説明したように、ラインCCDセンサ102が読み取った当該原稿のアナログ信号が、A/D変換部103でA/D変換され、且つシェーディング補正部104でシェーディング補正されてセレクタ部105に出力された画像データである。
【0040】
当該原稿の最初の読み取りが終了する(S15)と、色判定部106が格納された画像データの種別を識別する(S17)。ここで、第1の種別(白黒データ)であると識別された場合は、データメモリ107内に格納されている画像データを画像形成装置側に出力し(S16)、当該原稿の画像読み取りはこれで終了することとなる。
【0041】
次に、データメモリ107内に格納されている画像データが第2の種別(カラー画像)であると識別された場合には、装置の読取モードを、前記第1の読取モードよりも低速で読み取るための第2の読取モード(カラー読取モード)に変更し(S18)、既に白黒データとして読み取って格納されているデータメモリ部107内の第1の読取モードによる画像データ(白黒データ)を削除する(S19)。
【0042】
そして、光学読取手段を当該原稿の読取開始位置に復帰させるか又はカラーデータを含まない原稿位置に復帰させて(S20)、今度は第2の読取モード(カラー読取モード)で画像読み取りを開始する(S21)。
【0043】
この第2の読取モード(カラー読取モード)は、第1の読取モード(白黒読取モード)よりも遅い速度で行われる。そして、当該原稿の読み取られた画像データ(カラー画像データ)は、データメモリ107に逐次格納される(S22)。原稿の読取が続く時は原稿読取動作(S21,S22)を行い、当該原稿の第2の読取モードによる読み取りが完了すると(S23)、メモリ107内のカラー画像データを画像形成装置側に出力する(S24)。そして、プラテン上に新たなシートの原稿が載置された場合は、上記の読み取り動作が行われることとなる(S25,S26)。
【0044】
図8は、本発明に係わる画像読取動作の第2の制御方法例を示す。ここでは、前記した第1の制御方法と異なり、原稿読み取り中に白黒データか、カラーデータかを判別するようにしている。
【0045】
図8において、原稿がプラテン上の所定位置に載置された後、読み取り動作が開始される(S30)。ここでACSモードが設定された(S31)後に、画像読取装置のスタートキーが押されると(S32)、原稿を第1の読取モード(白黒読取モード)で読み取る動作を開始する(S33)。
【0046】
第1の読取モードで読み取られたデータは、第1の種別のデータ(白黒データ)としてメモリに格納される(S34)。当該格納データは、図6又は図7のところで説明したように、ラインCCDセンサ102が読み取った当該原稿のアナログ信号が、A/D変換部103でA/D変換され、且つシェーディング補正部104でシェーディング補正されてセレクタ部105に出力された画像データである。
【0047】
次に、この第2の画像読取動作制御の例においては、上記した第1の画像読取動作制御の例とは異なり、当該原稿の画像読み取りの最中に逐次読み取った画像データが第1の種別(白黒データ)であるか第2の種別(カラーデータ)であるかを識別する(S35)。そして、第1の種別(白黒データ)であると識別された場合(S36)は、当該第1の読取モードによる読み取りを続行する。
【0048】
当該原稿の画像データの全てが第1の種別(白黒データ)であると識別された場合は、データメモリ107内に格納されている画像データを画像形成装置側に出力し(S38)、当該原稿の画像読み取りはこれで終了する。
【0049】
しかし、当該原稿の画像読み取りデータが第2の種別(カラー画像)であると識別された場合には、当該第1の読取モード(白黒読取モード)での読み取りを即中止し(S37)、本装置の読取モードを、前記第1の読取モードよりも低速で読み取るための第2の読取モード(カラー読取モード)に変更して(S39)、その時点まで第1の読取モードによって読み取られてデータメモリ107に格納されている画像データ(白黒データ)を削除する(S40)。
【0050】
そして、光学読取手段を当該原稿の読取開始位置に復帰させるか又はカラーデータを含まない原稿位置に復帰させて(S41)、今度は第2の読取モード(カラー読取モード)で画像読み取りを開始する(S42)。
【0051】
この第2の読取モード(カラー読取モード)は、第1の読取モード(白黒読取モード)よりも遅い速度で行われる。そして、当該原稿の読み取られた画像データ(カラー画像データ)は、データメモリ107に逐次格納される(S43)。原稿の読取が続く時は原稿読取動作(S42,S43)を行い、当該原稿の第2の読取モードによる読み取りが完了すると(S44)、メモリ107内のカラー画像データを画像形成装置側に出力する(S45)。そして、プラテン上に新たなシートの原稿が載置された場合は、上記の読み取り動作が行われることとなる(S25,S26)。
【0053】
以上詳しく説明したように、本発明に係る画像読取装置においてはプラテン上に載置された静止原稿の画像データを移動走査して読み取るようにした画像読取装置において、白黒原稿の読み取りにおいては、最初の読み取り動作において取得した画像データがそのまま利用できるので、本スキャンが必要なくなり、白黒原稿とカラー原稿が混在した原稿セットの高速読み取りを実現したのである。更に、プラテン上の原稿の全ての読み取りが完了していなくてもカラーデータが識別されたときは即時に白黒読取りモードによる読み取りを中止して、カラー読取りモードによる読取りに移行するので無駄な動作と時間を省くことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の画像読取装置の例(2キャリッジ)を示す。
【図2】 本発明に係る第2の画像読取装置の例(1キャリッジ)を示す。
【図3】 (a)部は、各センサのカラー識別における相対感度と波長との関係を示す分光感度特性図であり、(b)部は、白黒原稿の分光反射データを示す。
【図4】 白黒センサを有する4ライン・イメージセンサを用いた画像信号制御部の回路構成を示す。
【図5】 3ライン・イメージセンサを用いた画像信号制御部の回路構成を示す。
【図6】 画像読取装置における読取モードの設定を示す。
【図7】 本発明に係る第1の画像読取動作制御方法のフローチャートを示す。
【図8】 本発明に係る第2の画像読取動作制御方法のフローチャートを示す。
【符号の説明】
2 読取装置
8 プラテン
50 第1のキャリッジ(2キャリッジ読取装置)
51 第2のキャリッジ(2キャリッジ読取装置)
61 キャリッジ (1キャリッジ読取装置)
100 制御装置
102 ラインセンサ
103 A/D変換部
104 シェーディング補正部
105 セレクタ部
106 色判定部
107 データメモリ部
108 制御コントロール部
Claims (2)
- 原稿を静止セットするプラテンと、
このプラテンに沿って移動し、読取開始位置から順次ラインセンサで読み取る光学読取手段と、
前記光学読取手段を、第1の移動速度による白黒読取モード又は第2の移動速度によるカラー読取モードで移動する制御手段と、
前記光学読取手段で読み取った画像データが、白黒データであるかカラーデータであるかを識別するための識別手段と、
前記ラインセンサからの画像データを順次記憶するデータメモリとを備え、
前記識別手段は、前記ラインセンサからのライン毎の出力値から白黒データであるかカラーデータであるかを識別し、
前記光学読取手段で原稿を前記白黒読取モードで読み取る際に、前記ラインセンサからの出力値が白黒データと識別されたときには前記制御手段は、当該白黒読取モードによる読み取りを続行し、カラーデータであると識別されたときには前記データメモリの白黒データを削除し、前記制御手段は、前記光学読取手段を停止して当該白黒読取モードによる読み取りを中止すると共に前記光学読取手段を当該原稿の読取開始位置又はカラーデータを含まない原稿位置に復帰移動させ、次いでこの光学読取手段を前記カラー読取モードで移動するように制御することを特徴とする画像読取装置。 - プラテン上に載置された静止原稿を移動走査してラインセンサで読み取るための原稿読取方法であって、
原稿を白黒読取モードでライン毎に読み取るステップと、
前記読み取られたライン毎の画像データの種別を識別するステップと、
前記ライン毎の画像データの種別が白黒データと識別されたときには、前記白黒読取モードによる読み取りを続行し、カラーデータと識別されたときには当該白黒読取モードによる読み取りを中止するステップと、
前記ステップで前記白黒読取モードによる読み取りが中止されたときには、前記光学読取手段を当該原稿における読取開始位置又はカラーデータを含まない原稿位置に復帰移動させるステップと、
前記ステップで読取開始位置又はカラーデータを含まない原稿位置に復帰移動された光学読取手段を前記カラー読取モードで前記プラテンに沿って移動して前記ラインセンサで読み取るステップとを備えた画像読取方法。
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