JP3816191B2 - 合成樹脂製容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器本体後部に、該容器本体上面を閉塞する蓋体の後部を枢着させた合成樹脂製容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
【発明が解決しようとする課題】
この種容器では、蓋体の下面に貼着させた板状のパッキングを容器本体の周壁上端面へ圧接させて蓋体を密閉するよう形成することが周知であり、かつこの場合、容器本体の周壁前部と蓋体とにそれぞれ付設した係合突条を相互に係合させることで、パッキングを容器本体の周壁上端面へ圧接させた状態を保持するよう形成している。
しかしながら、従来容器では、作製時に容器本体或いは蓋体に成形誤差があると、パッキングが容器本体の周壁上端面に圧接する前に上記係合突条が相互に係合して、パッキングを容器本体の周壁上端面へ気密に圧接できなくなることがあった。
【0003】
本発明は、筒状のパッキングを容器本体に装着させ、かつ蓋体にその筒状のパッキングを気密に嵌合させる筒壁を形成することで、成形誤差を許容して蓋体を確実に密閉できるよう設けると共に、蓋体が不用意に開閉され、又開蓋時に蓋体が妄動することを防止できるよう設けた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、有底の第1周壁2後部上方に切欠き3を穿設した容器本体1と、上記第1周壁2上面へ、頂壁12周縁から垂下する第2周壁13下面を載置させて容器本体1上面を閉塞する蓋体11とを有し、上記第2周壁13後部から垂設した連結板部14を上記切欠き3内へ嵌合させて、連結板部14と切欠き3の左右両壁部とをピン15で枢着させて、該ピンを中心とする蓋体の回動で蓋体の開閉が自在に形成すると共に、第1周壁2の前面上部に設けた凹部4内へ、第2周壁13前部から垂設したフック16を着脱自在に嵌合させた容器において、上記容器本体1の第1周壁2の上部内面から内向きフランジ状壁5を介して嵌合壁6を起立し、該嵌合壁外面へ筒状パッキング7を嵌合固着させると共に、蓋体11の頂壁12から垂下した閉塞筒部17の下部内面を、上記筒状パッキング7外面へ気密にかつ着脱自在に嵌合させ、又上記筒状パッキング7の後部外面から突設した伸縮自在な弾性帯板8の先端部を、上記連結板部14上方の第2周壁部分と閉塞筒部17の後部間に固着させ、又上記弾性帯板8後方の連結板部14および第2周壁13部分に前後および下面開口の割溝18を設けて、ピン15を中心として蓋体11を後方へ回動させるとき、弾性帯板8の一部が上記割溝18間へ入って蓋体11と共に回動すると共に、該回動の途中までは弾性に抗して引き伸ばされかつこの途中位置から回転終了位置までは弾性復元するように、上記ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めた。
【0005】
第2の手段として、有底の第1周壁2後部上方に切欠き3を穿設した容器本体1と、上記第1周壁2上面へ、頂壁12周縁から垂下する第2周壁13下面を載置させて容器本体1上面を閉塞する蓋体11とを有し、上記第2周壁13後部から垂設した連結板部14を上記切欠き3内へ嵌合させて、連結板部14と切欠き3の左右両壁部とをピン15で枢着させて、該ピンを中心とする蓋体の回動で蓋体の開閉が自在に形成すると共に、第1周壁2の前面上部に設けた凹部4内へ、第2周壁13前部から垂設したフック16を着脱自在に嵌合させた容器において、上記容器本体1の第1周壁2の上部内面に筒状パッキング7を嵌合固着させると共に、蓋体11の頂壁12から垂下した閉塞筒部17の下部外面を、上記筒状パッキング7内面へ気密にかつ着脱自在に嵌合させ、又上記筒状パッキング7の後部外面から突設した伸縮自在な弾性帯板8の先端部を、上記連結板部14上方の第2周壁部分と閉塞筒部17の後部間に固着させ、又上記弾性帯板8後方の連結板部14および第2周壁13部分に前後および下面開口の割溝18を設けて、ピン15を中心として蓋体11を後方へ回動させるとき、弾性帯板8の一部が上記割溝18間へ入って蓋体11と共に回動すると共に、該回動の途中までは弾性に抗して引き伸ばされかつこの途中位置から回転終了位置までは弾性復元するように、上記ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めた。
【0006】
第3の手段として、上記第1の手段又は第2の手段を有するとともに、開蓋終了時点で、弾性帯板8の弾性復元力で蓋体11を開蓋方向へ付勢されている状態となるように、ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めた。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1から図4が示す第1実施形態を説明すると、本実施形態の容器は、容器本体1と、該容器本体の上面を閉塞する蓋体11とで形成され、容器本体1は、底壁周縁から起立した第1周壁2を有し、該第1周壁は、上半部を肉薄の小外径部2aとした第1周壁形成筒2bと、その小外径部2aの外面に下半部を嵌着させた第2周壁形成筒2cとで形成され、第2周壁形成筒の後部上方に蓋体枢着用の切欠き3を穿設し、又第2周壁形成筒2cの前部上方を切欠いて、該切欠き部後方の前向き壁面に凹部4を設けている。更に、上記小外径部2aの上部内面からは、内向きフランジ状壁5を介して嵌合壁6を起立し、かつ該嵌合壁の外周面に、上半部を肉薄とした筒状パッキング7の内周面を嵌合させると共に、該筒状パッキングを、上記嵌合壁6の外周面に複数周設した小突条によって抜け止めし、かつその筒状パッキング7の後部外面から厚肉基板部を介して伸縮自在な弾性帯板8を一体に突設して、該弾性帯板の上端部に固定板部9を付設している。弾性帯板8については、蓋体11との関係で後述する。
【0008】
蓋体11は、容器本体1の第1周壁2上面へ、頂壁12周縁から垂下する第2周壁13下面を載置させ、かつ該第2周壁の後部から垂設した連結板部14を上記切欠き3内の後部へ嵌合させると共に、その連結板部14と切欠き3左右両壁部の後部とをピン15で枢着させて、該ピンを中心とする蓋体の回動で蓋体の開閉が自在に形成し、又第2周壁13前部から垂設したフック16を上記凹部4内へ着脱自在に嵌合させ、かつ頂壁12下面から垂下した閉塞筒部17の下部内面を上記筒状パッキング7の外面へ気密にかつ着脱自在に嵌合させている。更に、上記弾性帯板8後方の連結板部14および第2周壁13部分には、図2が示すように前後および下面開口の割溝18を設け、上記ピン15を中心に蓋体11を後方へ回動させるとき、弾性帯板8の一部がその割溝18間に入って蓋体11と共に回動すると共に、該回動の途中までは図3が示すように弾性に抗して引き伸ばされ、かつこの途中位置から回転終了位置までは図4が示すように弾性復元するように、上記ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めており、図示例では、図3が示すように、弾性帯板8の中間部が左右のピン15間を通過する際に、弾性帯板8が最も長く伸ばされ、かつ該状態から更に蓋体11を後方へ回動させると、弾性帯板8が徐々に弾性復元し、図4が示すように、開蓋が終了した時点で弾性帯板8が原形に戻るよう形成している。又更に、図4が示す開蓋終了時に、弾性帯板8が完全に弾性復元している必要はなく、弾性帯板8が完全に弾性復元する前に、蓋体11の第2周壁13後部外面が容器本体1の第2周壁形成筒2cの後部外面へ当接して開蓋が完了するよう形成してもよく、この場合は、弾性帯板8が自身の弾性復元力により蓋体11を開蓋方向へ付勢するため、蓋体が妄動することが防止される。
【0009】
図5が示す第2実施形態については、第1実施形態と相違する構造を中心として簡単に説明すると、該実施形態では、第1実施形態の容器本体1から内向きフランジ状壁5と嵌合壁6を省略し、かつ容器本体1の第2周壁形成筒2cの上部を大内径として、該大内径部の内面に筒状パッキング7の外面を嵌合させると共に、該筒状パッキングを、その大内径部内面に周設した複数の小突条で抜け止めし、又蓋体11の頂壁12下面から垂下した閉塞筒部17の下部外面を筒状パッキング7の上部内面に気密にかつ着脱自在に嵌合させ、又ピン15を中心として蓋体11を後方へ回動させるとき、弾性帯板8の一部が割溝18間へ入って蓋体11と共に回動すると共に、該回動の途中までは弾性に抗して引き伸ばされかつこの途中位置から回転終了位置までは弾性復元するように、ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めている。尚、筒状パッキング7と弾性帯部8は、エラストマー等の弾性材で一体成形し、他の部品は適宜合成樹脂材で成形する。
【0010】
【発明の効果】
本発明は上記構成とするもので、請求項1記載の発明の場合は、容器本体1の第1周壁2の上部内面から内向きフランジ状壁5を介して嵌合壁6を起立し、該嵌合壁の外面に筒状パッキング7を嵌合固着させ、かつ蓋体11の頂壁12下面から垂下した閉塞筒部17の下部内面を筒状パッキング7の外面に気密に嵌合させたから、つまり、パッキングおよび該パッキングを密着させる相手方をそれぞれ筒状として筒壁同志を嵌合させたから、それ等筒壁同志の嵌合面の筒方向長さを必要充分な長さに設定することができ、よって、筒状パッキング7, 閉塞筒部17等が、成形誤差により当初の設定より多少短く形成されても、筒状パッキング7と閉塞筒部17を何ら不都合なく気密に嵌合させることができ、よって、成形誤差を許容して蓋体11を確実かつ容易に密閉することができる。又筒状パッキング7の後部外面から突設した伸縮自在な弾性帯板8の先端部を、連結板部14上方の第2周壁部分と閉塞筒部17の後部間に固着させ、又弾性帯板8後方の連結板部14および第2周壁13部分に前後および下面開口の割溝18を設けて、ピン15を中心として蓋体11を後方へ回動させるとき、弾性帯板8の一部が割溝18間へ入って蓋体11と共に回動すると共に、該回動の途中までは弾性に抗して引き伸ばされかつこの途中位置から回転終了位置までは弾性復元するように、上記ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めたから、閉蓋状態から蓋体11を開蓋させるには、図3が示す状態まで弾性帯板8を弾性に抗して引き伸ばさねばならず、よって、携帯時に蓋体11が不用意に開蓋することを弾性帯板8によって防止することができ、又図4が示す開蓋状態から蓋体11を閉蓋させる場合にも、弾性帯板8を弾性に抗して引き伸ばさねばならないので、使用中に蓋体11が不用意に閉蓋することを弾性帯板8によって阻止できる。
【0011】
請求項2記載の発明の場合は、容器本体1の第1周壁2の上部内面に筒状パッキング7を嵌合固着させ、かつ蓋体11の頂壁12から垂下した閉塞筒部17の下部内面を筒状パッキング7外面へ気密にかつ着脱自在に嵌合させたから、つまり、パッキングおよび該パッキングを密着させる相手方をそれぞれ筒状として筒壁同志を嵌合させたから、又筒状パッキング7の後部外面から突設した伸縮自在な弾性帯板8の先端部を、連結板部14上方の第2周壁部分と閉塞筒部17の後部間に固着させ、又弾性帯板8後方の連結板部14および第2周壁13部分に前後および下面開口の割溝18を設けて、ピン15を中心として蓋体11を後方へ回動させるとき、弾性帯板8の一部が割溝18間へ入って蓋体11と共に回動すると共に、該回動の途中までは弾性に抗して引き伸ばされかつこの途中位置から回転終了位置までは弾性復元するように、上記ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めたから、請求項1の発明と同様の効果を有する。
【0012】
請求項3記載の発明の場合は、請求項1又は請求項2の効果の他、開蓋終了時点で、弾性帯板8の弾性復元力で蓋体11を開蓋方向へ付勢させることが可能に、ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めたから、蓋体11が弾性帯板8の弾性復元力により開蓋方向へ付勢されたまま、該開蓋状態を保つこととなり、よって、蓋体11が妄動することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明容器の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】 同実施形態の容器本体の平面図である。
【図3】 蓋体の半ば開蓋させた状態で示す、同実施形態の縦断面図である。
【図4】 同実施形態の開蓋状態で示す縦断面図である。
【図5】 本発明容器の第2実施形態を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1…容器本体 7…筒状パッキング 8…弾性帯板
11…蓋体
Claims (3)
- 有底の第1周壁2後部上方に切欠き3を穿設した容器本体1と、上記第1周壁2上面へ、頂壁12周縁から垂下する第2周壁13下面を載置させて容器本体1上面を閉塞する蓋体11とを有し、上記第2周壁13後部から垂設した連結板部14を上記切欠き3内へ嵌合させて、連結板部14と切欠き3の左右両壁部とをピン15で枢着させて、該ピンを中心とする蓋体の回動で蓋体の開閉が自在に形成すると共に、第1周壁2の前面上部に設けた凹部4内へ、第2周壁13前部から垂設したフック16を着脱自在に嵌合させた容器において、上記容器本体1の第1周壁2の上部内面から内向きフランジ状壁5を介して嵌合壁6を起立し、該嵌合壁外面へ筒状パッキング7を嵌合固着させると共に、蓋体11の頂壁12から垂下した閉塞筒部17の下部内面を、上記筒状パッキング7外面へ気密にかつ着脱自在に嵌合させ、又上記筒状パッキング7の後部外面から突設した伸縮自在な弾性帯板8の先端部を、上記連結板部14上方の第2周壁部分と閉塞筒部17の後部間に固着させ、又上記弾性帯板8後方の連結板部14および第2周壁13部分に前後および下面開口の割溝18を設けて、ピン15を中心として蓋体11を後方へ回動させるとき、弾性帯板8の一部が上記割溝18間へ入って蓋体11と共に回動すると共に、該回動の途中までは弾性に抗して引き伸ばされかつこの途中位置から回転終了位置までは弾性復元するように、上記ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めたことを特徴とする合成樹脂製容器。
- 有底の第1周壁2後部上方に切欠き3を穿設した容器本体1と、上記第1周壁2上面へ、頂壁12周縁から垂下する第2周壁13下面を載置させて容器本体1上面を閉塞する蓋体11とを有し、上記第2周壁13後部から垂設した連結板部14を上記切欠き3内へ嵌合させて、連結板部14と切欠き3の左右両壁部とをピン15で枢着させて、該ピンを中心とする蓋体の回動で蓋体の開閉が自在に形成すると共に、第1周壁2の前面上部に設けた凹部4内へ、第2周壁13前部から垂設したフック16を着脱自在に嵌合させた容器において、上記容器本体1の第1周壁2の上部内面に筒状パッキング7を嵌合固着させると共に、蓋体11の頂壁12から垂下した閉塞筒部17の下部外面を、上記筒状パッキング7内面へ気密にかつ着脱自在に嵌合させ、又上記筒状パッキング7の後部外面から突設した伸縮自在な弾性帯板8の先端部を、上記連結板部14上方の第2周壁部分と閉塞筒部17の後部間に固着させ、又上記弾性帯板8後方の連結板部14および第2周壁13部分に前後および下面開口の割溝18を設けて、ピン15を中心として蓋体11を後方へ回動させるとき、弾性帯板8の一部が上記割溝18間へ入って蓋体11と共に回動すると共に、該回動の途中までは弾性に抗して引き伸ばされかつこの途中位置から回転終了位置までは弾性復元するように、上記ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めたことを特徴とする合成樹脂製容器。
- 開蓋終了時点で、弾性帯板8の弾性復元力で蓋体11を開蓋方向へ付勢されている状態となるように、ピン15と弾性帯板8との位置関係および弾性帯板8の長さを定めた請求項1又は請求項2記載の合成樹脂製容器。
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