JPS6219554Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は酒瓶等の各種瓶における瓶口を瓶封す
るための瓶蓋の構造に関するものである。

〔従来の技術とその問題点〕

従来、瓶口部を覆う蓋体の紛失を防止するため
瓶口部外周に被嵌係止してこれを覆う蓋体とこれ
より下方の瓶口部外周に被嵌する筒部とを折曲自
在な蝶番部を介して連設するように一体形成した
軟質合成樹脂製瓶蓋があつた。この種瓶蓋におい
ては、その蓋体を瓶口部から取り外した状態で
は、蓋体が蝶番部箇所で自由に回動しうるから、
瓶内液を取り出すため瓶を傾けると、これにつれ
て蓋体が瓶口部を閉ざす方向に近づくので、そう
ならないように片手で蓋体を持つていなければな
らず、瓶からの液の小出し作業が困難であつた。
しかもこの種の瓶蓋は瓶口封緘作用が弱いから瓶
運搬等に際し、瓶体が外れないように別途王冠を
これに被せて密封する必要があつた。

これらの欠点を解消するため本出願人は、前
に、軟質合成樹脂製の蓋体の下面筒状体内壁面を
瓶口部外周に被嵌係止できるように構成する一
方、この蓋体の下端に連設する筒状の胴部を瓶口
部外周に嵌着させるスカート部に形成し、胴部を
その一側で蓋体とスカート部とを継ぐ蝶番部を残
して蓋体とスカート部とに切離し自在となるよう
に形成すると共に蝶番部に穿設した窓内又は蝶番
部左右両側の切開孔に蓋体から下向きに突出する
係止舌片を設けることにより、蓋体を瓶口から外
すよう上向き回動したとき係止舌片の下端を瓶口
部外周に接当させて、蓋体を瓶口部上端面に対し
鈍角状に保持できるようにすることを提案した
（実開昭58−29941）。

そして、この瓶蓋は、通常蓋体と筒状胴部とを
一体成形するため蝶番部が胴部の軸線と平行に形
成されるので、蓋体を瓶口上端面から鈍角状にな
る位置まで回動させるとき、当該蓋体とスカート
部との間で逆Ｕ字状に折曲変形させられた蝶番部
はそれ自体の弾力のため胴部の軸線と平行となる
方向に復元しようとし、そのため、前記係止舌片
の下端が瓶口部外周面から離れやすく、蓋体を開
いた状態に保持することが不確実であると言う点
に問題があつた。

本考案は、この問題を解消することを目的とす
るものである。

〔問題を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案は、軟質合成
樹脂製で、瓶口部の外周に被嵌するように形成し
た蓋体の下端に筒状の胴部を一体的に連設し、該
胴部の下端を瓶口部の外周に嵌着するスカート部
に形成し、蓋体とスカート部との間における胴部
の一側部には左右一対の切開孔を穿設し、この両
切開孔間の胴部を前記スカート部と蓋体とを一体
的に折曲自在に連設する蝶番部に形成し、前記胴
部には前記両切開孔に接続し、かつ前記蝶番部を
残して胴部円周方向に沿つて上下一対の略平行状
の切目線を囲繞形成して蓋体とスカート部とに切
り離し可能に構成して成る瓶蓋において、前記蓋
体とスカート部との両外側面には、前記蝶番部か
ら上下適宜隔てた位置に、蓋体をその下面が瓶口
部上端面と略平行となるように回動させたとき互
に係合する雄雌一対の係合片を設けた構成にした
ものである。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、図において、１はポリエチレン製等の軟質合
成樹脂製の瓶蓋で、その蓋体１における下面に瓶
口部３開口の内周面に密接する筒状等の中栓４を
一体的に突設する一方、前記蓋体２における下面
には、前記中栓４の外周側にこれと同心円状に筒
体５を一体的に突設し、この筒体５の内周壁面に
は、瓶口部３外周の環状突条６に係止する環状突
条７等の係合部又は密封部を一体的に造形する。

前記蓋体２の下端には、その筒体５の下端に筒
状の胴部８を一体的に形成し、この胴部８下端
を、前記瓶口部３下部外周面に嵌着するスカート
部９に構成する。

また、前記蓋体２における筒体５とスカート部
９との間における前記胴部８には、その一側部寄
りに左右一対の切開孔１０，１１を穿設し、この
両切開孔１０，１１間における胴部８の肉厚を薄
くする等して蓋体２とスカート部９とを一体的且
つ折曲自在に継ぐ蝶番部１２を構成する。

更に前記蓋体２の筒体５下端とスカート部９と
の間の胴部８内周面又は外周面には、上下一対の
略平行な切目線１３，１４を胴部８の円周方向に
沿つて囲繞して形成する。この両切目線１３，１
４は各々前記一方の切開孔１１の端部もしくはそ
の近傍から少なくとも始まり、他方の切開孔１０
の端部もしくはその近傍で少なくとも終るように
し、前記蝶番部１２には施さないように構成す
る。

そして前記上下対の切目線１３，１４の上下中
途部位置に、前記左右両切開孔１０，１１のうち
いずれか一方もしくは両方の端部近傍から蝶番部
１２に向つて摘持片１５を一体的に突設し、該摘
持片１５の先端部寄りの内面には、瓶口部３の外
周面に接当する突起１５ａを設けて摘持片１５を
摘み易いように構成する。

また、雄係合片１６と雌係合片１７とからなる
一対の係合手段は、蓋体２とその下面が上向きに
なるよう蝶番部１２箇所を中心に上向き回動させ
たとき、当該蓋体２をスカート部９に対して係脱
自在に係止させるもので、該一対の係合手段は、
蓋体２とスカート部９との各外側面における前記
蝶番部１２の巾方向略中央の上下位置に適宜間隔
を隔てて設ける。

なお、実施例では第６図及び第７図に示すよう
に、雄係合片１６を蓋体２に突設し、スカート部
９に、前記雄係合片１６に対する雌係合片１７を
突設した場合であつたが、別の実施例では、前記
雄係合片１６を球状に形成しても良く、また、蓋
体２に雌係合片１７を、スカート部９に雄係合片
１６をそれぞれ設けても良いのであり、また、図
中符号１８は、蓋体２の外側面であつて前記蝶番
部１２と反対側に設けた耳部である。

このように構成した瓶蓋１を、第６図に示すよ
うにスカート部９を瓶口部３に被嵌して下向きに
押圧すると、スカート部９が瓶口部３に嵌着する
一方、蓋体２下面の中栓４が瓶口部３の内周面に
嵌まり、また、筒体５内周壁の環状突条７が、瓶
口部３の外周における環状突条６に係合して高い
瓶封効果が得られる。

この瓶蓋１を開封するには、胴部８における摘
持片１５を持つて胴部８の円周方向に沿つて半径
外方向に引張れば、当該胴部８は切目線１３，１
４に沿つて引き裂かれ、スカート部９と蓋体２と
を蝶番部１２を残して切り離すことができる。次
いで耳部１８の下方から親指をあてて蓋体２を押
し上げると、筒体５の環状突条７と瓶口部３の外
周における環状突条６との係合が外れる一方、中
栓４も瓶口部３から抜けることにより、蓋体２
は、スカート部９に対し蝶番部１２で連結された
状態で第７図の実線で示すように蓋体２下面が上
向くように略180度回動できる。

そして、蓋体２における雄係合片１６を、スカ
ート部９における雌係合片１７に係合すれば、蝶
番部１２を逆Ｕ字状に折曲させた状態で蓋体２を
瓶口部３の上端面から大きく離した状態に保持で
きることになる。また、蓋体２にて瓶口部３を閉
じるには前記雄係合片１６を雌係合片１７から外
して後、蓋体２を瓶口部３に被嵌すれば良い。

〔考案の作用・効果〕

以上の通り本考案は、蓋体とスカート部との両
外側面には、前記蝶番部から上下適宜隔てた位置
に、蓋体をその下面が瓶口部上端面と略平行とな
るように回動させたとき互に係合する雄雌一対の
係合片を設けたことによつて、蝶番部箇所を中心
にして蓋体を180度回動して開蓋した状態で当該
蓋体を確実に保持できるから、瓶からの瓶内液小
出しする作業中において開いた蓋体が、振れ動く
ことがないと共に瓶口を塞ぐことがなくて、瓶内
液小出し作業が容易にできる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は瓶蓋の
一部切欠正面図、第２図は平面図、第３図は第１
図の−線断面図、第４図は第３図の−線
要部拡大断面図、第５図は第３図の−線要部
拡大断面図、第６図は瓶封状態の一部切欠正面
図、第７図は蓋体係合状態を示す図である。 １……瓶蓋、２……蓋体、３……瓶口部、４…
…中栓、８……胴部、９……スカート部、１２…
…蝶番部、１０，１１……切開孔、１３，１４…
…切目線、１５……摘持片、１６……雄係合片、
１７……雌係合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軟質合成樹脂製で、瓶口部の外周に被嵌するよ
   うに形成した蓋体の下端に筒状の胴部を一体的に
   連設し、該胴部の下端を瓶口部の外周に嵌着する
   スカート部に形成し、蓋体とスカート部との間に
   おける胴部の一側部には左右一対の切開孔を穿設
   し、この両切開孔間の胴部を前記スカート部と蓋
   体とを一体的に折曲自在に連設する蝶番部に形成
   し、前記胴部には前記両切開孔に接続し、かつ前
   記蝶番部を残して胴部円周方向に沿つて上下一対
   の略平行状の切目線を囲繞形成して蓋体とスカー
   ト部とに切り離し可能に構成して成る瓶蓋におい
   て、前記蓋体とスカート部との両外側面には、前
   記蝶番部から上下適宜隔てた位置に、蓋体をその
   下面が瓶口部上端面と略平行となるように回動さ
   せたとき互に係合する雄雌一対の係合片を設けた
   ことを特徴とする瓶蓋。