JP3816051B2 - 溶接構造物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば角パイプを溶接して構成される溶接構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種フレームは角パイプや丸パイプを溶接して構成されるものが多い。例えば、一方の角パイプの端面を他方の角パイプの側面に突き合わせ、突き合わせ周縁を溶接した構造が知られている。(特許文献1、特許文献2)
2本の角パイプの端部を斜めに切断し、この斜めの切断面を突き合わせ直交させて溶接した構造が知られている。(特許文献3)
2本の角パイプの接続部の内部に中子を挿入し角パイプの内側面に中子の圧接せしめる構造も知られている。(特許文献4)
一方の角パイプの内部にネジを通し、他方の角パイプに設けたナットに螺合することで2本の角パイプを接合する構造も知られている。(特許文献5)
更に、パイプではないが鉄骨同士を溶接する構造として、互いに接合される鉄骨の端部に継手部材を設け、一方の継手部材にはキー溝を形成し、他方の継手部材にはキーを形成し、これらを係合することで両者を接合した構造が知られている。(特許文献6)
【0003】
(特許文献1) 特開平6−339780号公報
(特許文献2) 特開平7−214305号公報
(特許文献3) 特開平9−323170号公報
(特許文献4) 特開平11−311221号公報
(特許文献5) 実開平5−57411号公報
(特許文献6) 特開平6−26107号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1〜3にあっては、精度よく溶接するには特別な治具を用いて互いの角パイプを固定しなければならず、段取りに時間がかかる。また、特許文献1〜3にあっては、突き当てて溶接しているため溶接される面積が少なく溶接強度が不足するため補強部材を設けなければならない場合もある。
【0005】
また、特許文献4及び5に開示される接合構造は、中子やネジを必要とし、溶接する場合には特に必要とされる構造ではない。
一方、特許文献6に開示される技術を角パイプに応用するとしても、別途継手部材が必要になり且つ継手部材を鉄骨に溶接する作業も必要となり、この溶接の際に継手部材と鉄骨との間で位置ズレが生じやすい。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明はパイプを溶接して構成される溶接構造物であることを前提とし、互いに溶接されるパイプの一方にはネック部を有する凸部が形成され、他方には当該凸部が嵌まり込むネック部を有する凹部が形成され、これら凸部と凹部の境界部に沿って溶接された構成とした。
一方のパイプの凸部を他方のパイプの凹部に嵌め込むことで、互いに溶接されるパイプが特別な治具なくして正確に位置決めされる。尚、パイプとしては角パイプに限らず丸パイプでもよい。
更に、凸部および凹部の厚み部分となる端面を、互いに溶接されるパイプの挿入方向と平行となるように板厚方向に対し傾斜せしめたことで、例えばコーナ部となるパイプの固定が簡単に行える。
【0007】
特に凸部の形状をネック部とこれにつながる膨出部とし,凹部の形状を前記ネック部と膨出部に対応した凹状ネック部と凹状膨出部とすると、一旦係合した角パイプは厚み方向にずらさない限り角パイプ同士が外れることがなく、溶接作業が楽に行える。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る溶接構造物としての台車の全体斜視図、図2(a)は図1のA部の拡大図、(b)はA部の分解図、図3はA部の平断面図、図4(a)は図1のB部の拡大図、(b)はB部の分解図、図5(a)は図1のC部の拡大図、(b)はC部の分解図、図6(a)及び(b)は図1のD部の嵌め込み手順を説明した図である。
【0010】
台車は下枠1に支柱群2を介して上枠3を支持ししている。下枠1は一対の長手方向角パイプ11,11、これら長手方向角パイプ11,11の両端間をつなぐ一対の幅方向パイプ12,12、長手方向角パイプ11,11の中間位置間をつなぐ補強パイプ13,13からなり、各コーナの下面にはキャスター14が設けられている。
【0011】
下枠1の各コーナ部には支柱となる角パイプ21が設けられ、長手方向の中間には同じく支柱となる角パイプ22が設けられ、これら角パイプ21,22の上に上枠3が設けられている。
【0012】
上枠3は一対の長手方向角パイプ31,31、これら長手方向角パイプ31,31の両端間をつなぐ一対の幅方向パイプ32,32から構成されている。
【0013】
以上の各パイプには互いに凸部とこの凸部が嵌まり込む凹部がレーザ加工によって形成され、これら凸部と凹部が係合した状態で、係合部に沿ってレーザ溶接されている。凹凸部はレーザ加工で形成されるため、精度が高く凹凸の嵌合は良好に行うことができる。詳細をA部,B部,C部,D部ごとに説明する。
【0014】
先ず、A部は図2(a)、(b)及び図3に示すように、下枠1を構成する長手方向角パイプ11の端部に凸部15が形成され、幅方向パイプ12には凸部15が嵌まり込む凹部16が形成されている。凸部15はネック部15aとこのネック部15aに一体的に設けられる膨出部15bからなり、また凹部16も凸部と略同一形状の凹状ネック部16aと凹状膨出部16bからなる。この凸部および凹部の形状は各パイプに共通した形状としている。
【0015】
また、支柱となる角パイプ21の下端には凸部23,24が形成され、長手方向角パイプ11及び幅方向パイプ12には前記凸部23,24が嵌まり込む凹部17,18が形成されている。
【0016】
これら凸部23,24及び凹部17,18は図2のE−E方向から見た図3に示すように、厚み部分となる端面が互いに溶接される角パイプ11,12,21の挿入方向と平行となるように板厚方向に対し傾斜している。本実施例の場合は板厚方向に対し45°傾斜している。斯かる形状とすることで、凸部と凹部との間の隙間を極めて小さくすることができ、この後の溶接に支障を来たすことがない。
また、角パイプ11,12の上面と角パイプ21の下端面とは図2(a)の点線で示す部分で溶接されている。
【0017】
B部は図4(a)、(b)に示すように、長手方向角パイプ31に凹部33が、幅方向パイプ32に凸部34が形成され、また長手方向角パイプ31にパイプ21の上端に形成した凸部25が係合する凹部35が形成され、幅方向パイプ32にパイプ21の上端に形成した凸部26が係合する凹部36が形成されている。凸部25,26及び凹部35,36は前記した凸部23,24及び凹部17,18と同様に厚み部分となる端面が角パイプ21の挿入方向と平行となるように板厚方向に対し傾斜している。
【0018】
C部は図5(a)、(b)に示すように、角パイプ22の上端部に凸部27が対向して形成され、これら凸部27が嵌まり込む凹部37が長手方向角パイプ31に形成されている。
【0019】
D部は図6(a)、(b)に示すように、角パイプ22の下端部に凸部28が対向して形成され、これら凸部28が嵌まり込む凹部40が長手方向角パイプ11に形成されている。そして、対向して形成された凹部40のうちの一方にはパイプ11の上面まで凹部40aが連続して形成され、この凹部40aの寸法は凸部28よりも若干大きく設定されている。
【0020】
上記角パイプ22を長手方向角パイプ11に係合するには、先ず図6(a)に示すように、角パイプ22の一方の凸部28を凹部40aの直上に位置させ、この状態から角パイプ22を下げて図6(b)に示すように一方の凸部28を凹部40aを通してパイプ11内に差し込み、この後矢印で示すように角パイプ22を横方向に移動せしめて、凸部28を凹部40に係合する。
尚、この係合構造は角パイプ22と長手方向角パイプ11との係合のみでなく、前記した角パイプ22と長手方向角パイプ31の場合および補強用の角パイプ13と長手方向角パイプ11の場合も同様である。
【0021】
以上の台車を溶接によって組立てる一例を説明すると、先ず一対の長手方向角パイプ11と幅方向パイプ12及び補強用の角パイプ13の凸部と凹部を係合し、係合部をレーザ溶接して下枠1を構成し、また同様にして長手方向角パイプ31と幅方向パイプ32の凸部と凹部を係合し、係合部をレーザ溶接して上枠3を構成する。
【0022】
次いで、補強用の角パイプ22の凸部を長手方向角パイプ11、31の凹部に嵌め込んでレーザ溶接し、更に、下枠1及び上枠3のコーナ部に外側から支柱となる角パイプ21を挿入して角パイプ21の凸部と角パイプ11、12、31,32の凹部を係合し、係合部を溶接する。
尚、パイプの溶接手順は上記に限らず任意である。
【0023】
また、実施例としては台車を示したが、本発明に係る溶接構造物はこれに限定されず、各種フレームなどに適用できる。また、凸部及び凹部の形成はレーザ加工によらず、打ち抜きなどでもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば台車や各種フレーム等として利用される溶接構造物を角パイプを溶接して製造するに当たり、夫々の角パイプの一方に凸部を他方に当該凸部が嵌まり込む凹部を設け、これら互いに嵌まり込む凸部と凹部の境界部に沿って溶接したため、溶接する際の位置決めが容易で、しかも溶接する全長が長くなるので溶接強度が向上する。
【0025】
また、凸部および凹部の厚み部分となる端面を、互いに溶接される角パイプの挿入方向と平行となるように板厚方向に対し傾斜させているので、コーナ部となるパイプの固定などが簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶接構造物としての台車の全体斜視図
【図2】(a)は図1のA部の拡大図、(b)はA部の分解図
【図3】図2のE−E方向から見たA部の平断面図
【図4】(a)は図1のB部の拡大図、(b)はB部の分解図
【図5】(a)は図1のC部の拡大図、(b)はC部の分解図
【図6】(a)及び(b)は図1のD部の嵌め込み手順を説明した図
【符号の説明】
1…下枠、2…支柱群、3…上枠、11、31…長手方向角パイプ、12、32…幅方向パイプ、13…補強用角パイプ、14…キャスター、15,23,24,25,27,28,34…凸部、15a…ネック部、15b…膨出部、16,17,18,33,36,37,40,40a…凹部、16a…凹状ネック部、16b…凹状膨出部、21…コーナ用角パイプ、22…補強用角パイプ。
Claims (2)
- パイプを溶接して構成される溶接構造物において、互いに溶接されるパイプの一方にはネック部を有する凸部が形成され、他方には当該凸部が嵌まり込むネック部を有する凹部が形成され、これら凸部と凹部の境界部に沿って溶接され、前記凸部および凹部の厚み部分となる端面は、互いに溶接されるパイプの挿入方向と平行となるように板厚方向に対し傾斜していることを特徴とする溶接構造物。
- 請求項1に記載の溶接構造物において、前記凸部はネック部とこのネック部につながる膨出部からなり、前記凹部は前記ネック部と膨出部に対応する凹状ネック部と凹状膨出部からなることを特徴とする溶接構造物。
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