JP3865492B2 - 柱梁の接合構造と接合金具、柱、およびユニット建物 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、柱と梁を接合する柱梁の接合金具、柱、およびユニット建物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物の柱と梁との接合は、通常、図12に示すように、接合金具1Sを柱2に突き合わせて取り付け、この接合金具1Sに梁を取り付けている。また、接合金具に柱を挿入する挿入孔を設けるものが知られている(特開平4−312639号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の柱と梁の接合において、3階建の建物や多雪地用の建物になると、柱に厚肉の角筒柱が使用されるため、この柱角部21が曲率半径の大きい曲面となる。このため、図12に示すように、上記従来の通常の接合金具1Sを使用すると、柱角部21と接合金具1Sの突き合わせ部11Sとの間に大きいギャップGができ、溶接できる突き合わせ部11Sの寸法が不足して溶接等による接合強度が十分確保できないという問題がある。
【0004】
また、上記公報記載の挿入孔付き接合金具を使用すると、柱角部と符合する接合金具の角部に隙間ができ、この場合も溶接等による接合強度が十分確保できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、接合強度と接合精度の高い柱梁の接合構造と接合金具とを提供することを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、上下方向に沿って延在しかつ上下方向と直交する断面で見て曲面状の柱角部を挟んで平坦な二側面を有する柱の一方の側面に、他方の側面と面一とされる外側面を有する断面コ字形状の梁あるいは該梁に適合する断面コ字形状を呈し前記梁を前記柱に接合する接合金具が溶接接合された柱梁の接合構造において、前記柱の前記一方の側面に突き合わされる前記梁あるいは前記接合金具の突き合わせ部のうち前記柱角部と符合する個所が該柱角部の形状に応じて上下方向に沿って延在しかつ上下方向と直交する断面で見て曲面状とされているものである。
【0007】
請求項2記載の本発明は、上下方向に沿って延在しかつ上下方向と直交する断面で見て曲面状の柱角部を挟んで平坦な二側面を有する柱の一方の側面に、他方の側面と面一とされる外側面を有する断面コ字形状の梁あるいは該梁に適合する断面コ字形状を呈し前記梁を前記柱に接合する接合金具が溶接接合された柱梁の接合構造において、前記梁あるいは前記接合金具は、前記外側面の前記柱側の端部分が前記梁あるいは前記接合金具の長手方向途中から前記柱の前記一方の側面側に変形されて前記突き合わせ部の上下方向に延在する個所が前記一方の側面に近接されているものである。
【0008】
請求項3記載の本発明は、請求項1または2のいずれか1項記載の接合構造において、
前記柱が、肉厚7〜11mmの四角筒で形成されているものである。
【0009】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の柱梁の接合構造において、前記突き合わせ部に、複数の突起部が形成されているものである。
【0010】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の柱梁の接合構造の突き合わせ部を備え、前記梁の延在方向に沿って該梁が挿入されることにより前記柱に前記梁を接合することができ、該梁の外周面と重ねて接合される重合部分に開口孔が穿設されている柱梁の接合金具である。
【0011】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の柱梁の接合構造の突き合わせ部を備え、前記一方の側面と前記他方の側面とに当接して突き合わされる当接片と、該当接片に取り付けられ前記梁と接合される接合片とからなる柱梁の接合金具である。
【0014】
上記請求項1〜4記載の柱梁の接合構造において、柱に梁が直接接合されている場合、あるいは柱と梁との間に接合金具を介在させて接合されている場合、のいずれであってもよい。
柱に梁が直接接合されている場合、梁側の突き合わせ部とは梁の先端部である。また、柱と梁との間に接合金具を介在させて接合されている場合、梁側の突き合わせ部とは、柱と突き合わされる接合金具の突き合わせ部である。
【0015】
(作用)
請求項1記載の接合構造は、柱に突き合わされる梁側の突き合わせ部すなわち柱の一方の側面に突き合わされる梁あるいは接合金具の突き合わせ部が曲面状柱角部を含む柱の形状と合致する形状になされてすなわち柱角部の形状に応じて上下方向に沿って延在しかつ上下方向と直交する断面で見て曲面状とされて柱に接合されているので、突き合わせ部を溶接等で接合すると溶接長さが長くなり、高い接合強度を確保できる。また、柱梁の位置決め精度がよくなり、接合精度を高めることができる。
【0016】
請求項2記載の接合構造は、柱に突き合わされる梁側の突き合わせ部の曲面状柱角部に向き合う部分が、梁の長手方向途中から柱の梁に対向する平面部側に変形されて柱角部に近接せしめられている、すなわち前記梁あるいは前記接合金具は、前記外側面の前記柱側の端部分が前記梁あるいは前記接合金具の長手方向途中から前記柱の前記一方の側面側に変形されて前記突き合わせ部の上下方向に延在する個所が前記一方の側面に近接されているので、柱角部と突き合わせ部の隙間が小さくなり、溶接等で接合すると溶接長さが長くなり、高い接合強度を確保できる。
【0017】
請求項3記載の接合構造は、更に、柱が、肉厚7〜11mmの四角筒で形成されているので、肉厚が4.5〜6mmの従来の柱に比べて高い強度を有している。従って、この高い強度を有する厚肉の柱に梁を接合すると、柱梁の接合構造は高い接合強度を有しているので、柱強度に見合ったものとすることができる。
【0018】
請求項4記載の接合構造は、更に、柱と突き合わされる梁側の突き合わせ部に、複数の突起部が形成されているので、柱と梁側の突き合わせ部との間に、簡単且つ高精度に所定の間隔が保持され、確実な突き合わせ溶接が可能となる。
【0019】
請求項5記載の接合金具は、更に、梁の外周面と重ねて接合される接合金具の重合部分に開口孔が穿設されているので、この開口孔の周囲に沿って溶接すると、接合金具と梁との溶接が容易となると同時に、梁と接合金具の溶接強度が向上し、溶接作業性と溶接品質が向上する。
【0020】
請求項6記載の接合金具は、更に、柱が柱角部を挟む平坦な二側面を有し、この二側面に当接して突き合わされる当接片と、この当接片に取り付けられ梁と接合される接合片とからなるものであるから、当接片を柱の二側面にスポット溶接で接合でき、溶接作業が容易となる。また、この接合金具は、板材の折り曲げ加工のみで作ることができるので、製作が容易である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施例(第1実施例)であって、(イ)図は接合金具の斜視図、(ロ)図は柱梁と共に示す接合金具の使用状態を示す斜視図である。
図2は本発明の別の実施例(第2実施例)であって、接合金具の斜視図、図3は図2の接合金具の折り曲げ加工前の板材展開図、図4は建物ユニットの骨組み構造体の斜視図である。
【0024】
また、図5、図6は、本発明の他の実施例(第3実施例)であって、図5(イ)図は接合金具の斜視図、(ロ)図は(イ)図の変形例を示す接合金具の斜視図、図6は図5(イ)図の接合金具の使用状態を示す斜視図である。
【0025】
図7〜図9は、本発明の他の実施例(第4実施例)であって、図7(イ)図は柱の正面図、(ロ)図は(イ)図のX−X線における断面図、図8(イ)図は仕上げ前の柱角部を拡大して示す断面図、(ロ)図は仕上げ後の柱角部を拡大して示す断面図、図9は図7の柱の使用状態を接合金具と共に示す説明図である。
【0026】
図10、図11は、本発明の他の実施例(第5実施例)であって、図10は柱と接合金具の接合状態を示す説明図、図11は接合金具の斜視図である。
【0027】
(第1実施例)
まず、図1と図4を参照して本発明の一実施例を説明する。
1は柱梁の接合金具であって、この接合金具1は柱2と梁3、4を接合するものである。
上記柱2と梁3、4は、図4に示す建物ユニットの骨組構造体Uを構成するものであって、この骨組構造体Uは、4本の柱2、2・・と、この柱2の下端部間に架け渡された4本の床梁3、3・・と、柱2の上端部に架け渡された4本の天井梁4、4・・とにより箱型に組み立てられている。
【0028】
上記柱2は、肉厚9mmの鋼板をロールフォーミング等により加工された角筒体であり、柱角部21は曲面状になされている。上記床梁3、天井梁4は、いずれも断面コ字形状の型鋼である。
【0029】
上記接合金具1は、上記柱2と床梁3、柱2と天井梁4を接合するのに使用され、断面コ字形状の型鋼で形成され、柱2と突き合わされる接合金具1の突き合わせ部11が柱角部21を含む柱2の形状と合致する形状になされている。
【0030】
上記接合金具1の使用方法は、柱2の所定の高さ位置(上端部または下端部)に接合金具1の突き合わせ部11を突き合わせ、溶接で接合し、梁3、4を接合金具1の中に挿入して溶接、接合する。
【0031】
上記本実施例の接合金具1は、柱2と突き合わされる接合金具1の突き合わせ部11が柱角部21を含む柱1の形状と合致する形状になされているので、突き合わせ部11を溶接で接合すると溶接長さが長くなり、高い接合強度を確保できる。また、接合金具1の位置決め精度がよくなり、接合精度を高めることができる。
【0032】
また、本実施例において、柱2が、肉厚9mmの四角筒で形成されているので、肉厚が4.5〜6mmの従来の柱に比べて高い強度を有している。従って、この高い強度を有する柱2に取り付けて使用すると、接合金具1も高い接合強度を有しているので、柱強度に見合ったものとすることができる。
【0033】
(第2実施例)
つぎに、本発明の別の実施例を図2、図3を参照して説明する。
10は接合金具であって、前記実施例と同様、建物ユニットの骨組み構造体Uの柱2と梁3、4を接合するのに使用するものである。
上記接合金具10は、柱2の角部を含む2辺に当接して突き合わされる断面く字形状の当接片15と、この当接片15に取り付けられ梁3、4と接合される接合片16、16とからなっている。上記接合片16は、断面コ字形状になされ、当接片15の両側に設けられている。
【0034】
上記接合金具10は、図3に示すように、薄板鋼板を折り曲げて形成されたものであって、符合a、b、cは折り曲げ線である。まず、略H形状に打ち抜かれた鋼板を折り曲げ線aに沿って直角に折り曲げ、当接片15を形成する。つぎに、折り曲げ線bに沿って直角に折り曲げると共に、折り曲げ線cに沿って直角に折り曲げて断面コ字状となし、接合片16を形成する。
【0035】
上記接合金具10の使用方法は、接合金具10の当接片15を柱2の角部を含む2辺に突き合わせ、突き合わされた当接片15と柱2とをスポット溶接により接合する。そして、接合片16、16の中に梁3または4を挿入して溶接等により接合する。
【0036】
本実施例の接合金具10は、柱2と突き合わされる接合金具10の当接片15が柱角部を含む柱2の形状と合致する形状になされているので、突き合わせ部が広い面積となり、高い接合強度を確保できる。また、接合金具10の位置決め精度がよくなり、接合精度を高めることができる。
【0037】
また、接合金具10は、当接片15を柱2の2辺にスポット溶接で接合でき、溶接作業が容易となる。また、この接合金具10は、鋼板の折り曲げ加工のみで作ることができるので、製作が容易である。
【0038】
(第3実施例)
本発明の他の実施例を図5、図6を参照して説明する。
1Aは接合金具であって、この接合金具1Aは、前記第1実施例に示した接合金具1の変形例であって、建物ユニットの骨組み構造体Uの柱2と梁3、4を接合するのに使用するものである。従って、前記第1実施例と同じものは同符号を付けて説明を省略し、異なるものだけ別符号を付けて説明する。
【0039】
上記接合金具1Aの第1実施例と異なる所は、図5(イ)図に示すように、柱2と突き合わされる接合金具1Aの突き合わせ部11Aに、複数の突起部12Aが形成されている所と、梁3(または4)の外周面と重ねて接合される接合金具1Aの重合部分に、長孔形状の開口孔13Aが穿設されている所である。
なお、上記開口孔13Aの代わりに、図5(ロ)図に示すように、U字形状の開口孔13Bになされていてもよい。
【0040】
上記接合金具1Aの使用方法は、柱2の所定の高さ位置(上端部または下端部)に接合金具1Aの突き合わせ部11Aを突き合わせ、突起部12Aを当接して接合金具1Aを柱2に溶接で接合する。
ついで、梁3(または4)を接合金具1Aの中に挿入し、開口孔13Aの周囲を溶接し、梁3(または4)を接合金具13Aに接合する。
【0041】
本実施例の接合金具1Aによると、柱2と突き合わされる接合金具1Aの突き合わせ部11Aに、複数の突起部12Aが形成されているので、柱2と接合金具1Aの突き合わせ部11Aとの間に、簡単且つ高精度に所定の間隔が保持され、確実な突き合わせ溶接が可能となる。
【0042】
また、本実施例の接合金具1Aによると、梁3(または4)の外周面と重ねて接合される接合金具1Aの重合部分に、開口孔13Aが穿設されているので、この開口孔13Aの周囲に沿って溶接すると、接合金具1Aと梁3(または4)との溶接が容易となると同時に、梁3(または4)と接合金具1Aの溶接強度が向上し、溶接作業性と溶接品質が向上する。
【0043】
(第4実施例)
本発明の他の実施例を図7〜図9を参照して説明する。
本実施例の柱2は、前記実施例と同様、曲面状柱角部21を有し、後述する接合金具1Sで梁3(4)と接合されるものである。
上記柱2は、図7に示すように、曲面状柱角部21と、接合金具1Sの突き合わせ部11Sとの間に形成される隙間を埋める溶接肉盛り部22が、曲面状柱角部21に設けられている。
【0044】
上記溶接肉盛り部22は、図8(イ)図に示すように、仕上げ前の溶接肉盛り部22A(凸凹した不定形状)を、図8(ロ)図に示すように、接合金具1Sの突き合わせ部11Sとの接合に適した形状(曲率半径の大なる柱角部21を溶接肉盛りにより曲率半径の小なる形状)に仕上げられている。
【0045】
なお、本実施例の接合金具1Sは、前記第1実施例の接合金具1と異なり、図9に示すように、通常仕様のものであって、柱2との突き合わせ部11Sが平坦な切り口になされているものである。
【0046】
本実施例柱2に上記通常仕様の接合金具1Sを突き合わせて溶接接合すると、曲面状柱角部21と、接合金具1Sの突き合わせ部11Sとの間に形成される隙間を埋める溶接肉盛り部22が、曲面状柱角部21に設けられているので、この柱2と接合金具1Sの突き合わせ部11Sとの溶接長さが長くなり、高い接合強度を確保できる。従って、本実施例では、従来の薄肉の柱に対する接合金具1Sを厚肉の柱2にそのまま適用することができる。
【0047】
また、突き合わせ部11が柱角部21を含む柱2の形状と合致する形状になされている前記第1実施例の接合金具1を使用した場合、接合金具1の挿入方向を誤って取り付けると、図13(参考図)に示すように、この接合金具1の突き合わせ部11の一側が柱角部21からづれ、突き合わせ部11と柱2との間に大きなギャップGが生じ、適正な溶接ができなくなることがある。
これに対し、本実施例の柱2によると、接合金具1Sの突き合わせ部11Sが平坦面になされているので、大きなギャップGが生じることはない。
【0048】
(第5実施例)
本発明の他の実施例を図10〜図11を参照して説明する。
図に示すように、本実施例の柱梁の接合金具1Cは、柱2に突き合わされる接合金具1Cの突き合わせ部11Cの曲面状柱角部21に向き合う部分12Cが、柱角部21の内側方向に絞り加工されて柱角部21に近接せしめられているものである。
【0049】
上記本実施例の接合金具1Cによると、柱2に突き合わされる接合金具1Cの突き合わせ部11Cの曲面状柱角部21に向き合う部分12Cが、接合金具1Cの長手方向途中から柱2の平面部側に絞り加工されて柱角部21に近接せしめられているので、柱角部21と突き合わせ部11Cの隙間Gが小さくなり、溶接等で接合すると溶接長さが長くなり、高い接合強度を確保できる。
【0050】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
例えば、第1〜第5実施例では、いずれも柱梁の接合に接合金具を使用してきたが、梁の先端部を接合金具の先端部と同じ形状になし、この梁を直接柱に接合するものであってもよい。
【0051】
上記に示した厚肉の柱2を有する建物ユニットにより、3階建や、更に高い中高層のユニット建物が構築される。また、多雪地用ユニット建物が構築される。また、大空間形成用の建物ユニットを用いてユニット建物が構築される。なお、柱梁の接合部が建物ユニットの隅部に限定されないことは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
請求項1記載の接合構造は、柱に突き合わされる梁側の突き合わせ部すなわち柱の一方の側面に突き合わされる梁あるいは接合金具の突き合わせ部が曲面状柱角部を含む柱の形状と合致する形状になされてすなわち柱角部の形状に応じて上下方向に沿って延在しかつ上下方向と直交する断面で見て曲面状とされて柱に接合されているので、突き合わせ部を溶接等で接合すると溶接長さが長くなり、高い接合強度を確保できる。また、柱梁の位置決め精度がよくなり、接合精度を高めることができる。
【0053】
請求項2記載の接合構造は、柱に突き合わされる梁側の突き合わせ部の曲面状柱角部に向き合う部分が、梁の長手方向途中から柱の梁に対向する平面部側に変形されて柱角部に近接せしめられている、すなわち前記梁あるいは前記接合金具は、前記外側面の前記柱側の端部分が前記梁あるいは前記接合金具の長手方向途中から前記柱の前記一方の側面側に変形されて前記突き合わせ部の上下方向に延在する個所が前記一方の側面に近接されているので、柱角部と突き合わせ部の隙間が小さくなり、溶接等で接合すると溶接長さが長くなり、高い接合強度を確保できる。
【0054】
請求項3記載の接合構造において、柱が、肉厚7〜11mmの四角筒で形成されているので、肉厚が4.5〜6mmの従来の柱に比べて高い強度を有している。従って、この高い強度を有する厚肉の柱に梁を接合すると、柱梁の接合構造は高い接合強度を有しているので、柱強度に見合ったものとすることができる。
【0055】
請求項4記載の接合構造は、柱と突き合わされる梁側の突き合わせ部に、複数の突起部が形成されているので、柱と梁側の突き合わせ部との間に、簡単且つ高精度に所定の間隔が保持され、確実な突き合わせ溶接が可能となる。
【0056】
請求項5記載の接合金具は、梁の外周面と重ねて接合される接合金具の重合部分に、開口孔が穿設されているので、この開口孔の周囲に沿って溶接すると、接合金具と梁との溶接が容易となると同時に、梁と接合金具の溶接強度が向上し、溶接作業性と溶接品質が向上する。
【0057】
請求項6記載の接合金具は、柱が柱角部を挟む平坦な二側面を有し、この二側面に当接して突き合わされる当接片と、この当接片に取り付けられ梁と接合される接合片とからなるものであるであるから、当接片を柱の二側面にスポット溶接で接合でき、溶接作業が容易となる。また、この接合金具は、板材の折り曲げ加工のみで作ることができるので、製作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であって、(イ)図は接合金具の斜視図、(ロ)図は柱梁と共に示す接合金具の使用状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の別の実施例であって、接合金具の斜視図である。
【図3】図2の接合金具の折り曲げ加工前の板材展開図である。
【図4】建物ユニットの骨組み構造体の斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例であって、(イ)図は接合金具の斜視図、(ロ)図は(イ)図の変形例を示す接合金具の斜視図である。
【図6】図5(イ)図の接合金具の使用状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例であって、(イ)図は柱の正面図、(ロ)図は(イ)図のX−X線における断面図である。
【図8】(イ)図は仕上げ前の柱角部を拡大して示す断面図、(ロ)図は仕上げ後の柱角部を拡大して示す断面図である。
【図9】図7の柱の使用状態を接合金具と共に示す説明図である。
【図10】本発明の他の実施例であって、柱と接合金具の接合状態を示す説明図である。
【図11】接合金具の斜視図である。
【図12】従来の柱と接合金具の接合状態を示す説明図である。
【図13】図1(イ)図の接合金具が柱角部からづれて取り付けられた状態を示す参考図である。
【符号の説明】
1、10、1A、1B、1C、1S 接合金具
2 柱
3、4 梁
11、11A、11B、11C 突き合わせ部
12A、12B 突起部
13A、13B 開口孔
15 当接片
16 接合片
21 柱角部
U 建物ユニットの骨組み構造体
Claims (6)
- 上下方向に沿って延在しかつ上下方向と直交する断面で見て曲面状の柱角部を挟んで平坦な二側面を有する柱の一方の側面に、他方の側面と面一とされる外側面を有する断面コ字形状の梁あるいは該梁に適合する断面コ字形状を呈し前記梁を前記柱に接合する接合金具が溶接接合された柱梁の接合構造において、
前記柱の前記一方の側面に突き合わされる前記梁あるいは前記接合金具の突き合わせ部のうち前記柱角部と符合する個所が該柱角部の形状に応じて上下方向に沿って延在しかつ上下方向と直交する断面で見て曲面状とされていることを特徴とする柱梁の接合構造。 - 上下方向に沿って延在しかつ上下方向と直交する断面で見て曲面状の柱角部を挟んで平坦な二側面を有する柱の一方の側面に、他方の側面と面一とされる外側面を有する断面コ字形状の梁あるいは該梁に適合する断面コ字形状を呈し前記梁を前記柱に接合する接合金具が溶接接合された柱梁の接合構造において、
前記梁あるいは前記接合金具は、前記外側面の前記柱側の端部分が前記梁あるいは前記接合金具の長手方向途中から前記柱の前記一方の側面側に変形されて前記突き合わせ部の上下方向に延在する個所が前記一方の側面に近接されていることを特徴とする柱梁の接合構造。 - 前記柱が、肉厚7〜11mmの四角筒で形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の柱梁の接合構造。
- 前記突き合わせ部に、複数の突起部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の柱梁の接合構造。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の柱梁の接合構造の突き合わせ部を備え、前記梁の延在方向に沿って該梁が挿入されることにより前記柱に前記梁を接合することができ、該梁の外周面と重ねて接合される重合部分に開口孔が穿設されていることを特徴とする接合金具。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の柱梁の接合構造の突き合わせ部を備え、前記一方の側面と前記他方の側面とに当接して突き合わされる当接片と、該当接片に取り付けられ前記梁と接合される接合片とからなることを特徴とする接合金具。
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