JP3815700B2 - 自動車用フロアカーペット及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用フロアカーペットに関するものであり、特に、当該自動車用フロアカーペットの前端部に形成されるダッシュボードへの結合部の、その構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車用フロアカーペットは、不織布等を基礎にして形成されるものであって熱可塑性樹脂等の含浸された状態のものが、例えば図4に示す如く、フロアパン50及びダッシュパネル30の形状に合わせた状態に成形加工されることによって形成されるようになっているものである。このようにして形成されたフロアカーペット10の前端部130のところには、係合穴110等が設けられるようになっているとともに、一方、ダッシュパネル30のところには、上記係合穴110と係合するスタッド310等が設置されるようになっているものである。そして、これらスタッド310と係合穴110とを係合させることによってフロアカーペット10の固定が行なわれるようになっているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上記従来のものにおいては、上記ダッシュパネル30のところにスタッド310等の凸起物を溶接手段等により設けねばならず、ダッシュパネル30周りの製造工程が煩雑にならざるを得ないという問題点がある。また、このようなスタッド310のところに、上記フロアカーペット10の係合穴110を係合させ、更に、上記スタッド310のところに、上記フロアカーペット10の前端部130を固定するためのクリップ等を装着しなければならず、フロアカーペット10自体の車室内への敷設においても、その工程が煩雑になるという問題点がある。このような問題点を解決するために、フロアカーペットの前端部のダッシュパネル等への固定部を簡単な構造にて形成することのできるようにした自動車用フロアカーペットを提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、不織布の一方の面側に熱可塑性樹脂材のコーティングされたシート状生地を所定の温度にて予熱する工程と、30℃ないし40℃の温度に保持された金型のうちの下型内の所定の位置に面ファスナを設置するとともに、当該面ファスナの設置された場所以外の場所に不織布からなる防音材を設置する工程と、このように所定の位置に面ファスナ及び防音材の設置された状態の、その上側に、上記予熱されたシート状生地を設置する工程と、このように各素材が設置された状態の上方から、30℃ないし40℃の温度に保持された金型のうちの上型を降下させて所定の圧力にて上記各素材を成形加工する工程と、からなるようにした。
【0007】
上記工程を採ることにより、本発明においては、その前端部に、ダッシュボードへの係合部を成す面ファスナの取り付けられた自動車用フロアカーペットが、効率良く製造されることとなる。すなわち、従来のものにおいては、上記面ファスナを、クリップ等の締結手段を用いてフロアカーペット生地の裏面側に取り付けるようにしていたのに対して、本発明においては、フロアカーペット生地の成形加工時に、同時に、上記面ファスナを熱融着手段にて取り付けることができるようになり、生産性の向上を図ることができるようになる。なお、このときの上記上型及び下型からなる金型の温度は、約30℃ないし40℃の範囲に保たれる。この温度に保つことによって、上記予熱されたカーペット生地が上記各金型内に設置されたときに、夏の最も暑い時期においても、上記各金型内に結露の生ずるようなことがない。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図3を基に説明する。本発明の実施の形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、いずれか一方の面側に熱可塑性樹脂材のコーティングされた不織布等を基礎として形成されるカーペット生地11と、当該カーペット生地11の上記熱可塑性樹脂材のコーティングされた側に、当該カーペット生地11の成形加工時に、上記熱可塑性樹脂材を介して一体的に取り付けられるベルクロファスナ等の面ファスナ15及びフェルト状の防音材12と、からなることを基本とするものである。
【0009】
次に、このような構成からなる本自動車用フロアカーペット1の製造方法について、図3を基に説明する。まず、フェルト状シート材等からなるカーペット生地11の一方の面側に熱可塑性樹脂材のコーティング(バックコート)されたものを、約135℃の温度に予熱する。一方、図3に示す如く、金型のうちの下型92内であって床面に相当するところに、厚手のフェルト状素材からなる防音材12を設置する。更に、このような状態において、上記下型92の傾斜部925のところであって、図2のダッシュボード2に相当する傾斜角を有するように形成されたところに、面ファスナ15を仮設置(仮付け)する。なお、この面ファスナ15は、上記ダッシュボード2のところに設けられる面ファスナ25と相互に係合し合うようになっているものであり、上記ダッシュボード2側に取り付けられる面ファスナ25が、例えば雌型のものである場合には、本下型92に仮付けされるものは雄型のものとなる。また、本面ファスナ15の取り付けられる位置も、上記ダッシュボード2に取り付けられるものと相互に係合し合うような位置に設定される。
【0010】
このように、下型92内の所定の位置に、面ファスナ15及び防音材12が設置された状態において、次に、図3に示す如く、約135℃程度の所定の温度に予熱された不織布等からなるカーペット生地11が、上記下型92の上に設置される。このような状態において、上記カーペット生地11の上方から金型のうちの上型91を降下させ、所定の温度及び所定の圧力にて上記カーペット生地11を加圧成形する。なお、このときの上記上型91及び下型92からなる金型の温度は、約30℃ないし40℃の範囲に保たれる。この温度に保つことによって、上記予熱されたカーペット生地11が上記各金型91、92内に設置されたときに、夏の最も暑い時期においても、上記各金型91、92内に結露の生じないようにしているものである。
【0011】
このような加圧成形工程を経ることによって、上記熱可塑性樹脂材のバックコートされたカーペット生地11は、所定の形態に成形加工されることとなる。それと同時に、図1に示す如く、本成形加工されたカーペット生地11の前端部111のところには、上記熱可塑性樹脂材の熱融着現象によって、面ファスナ15が取り付けられることとなる。また、上記カーペット生地11の下側には防音材12が同じく上記熱可塑性樹脂材の熱融着現象によって一体的に取り付けられることとなる。その結果、図1に示すような所定の形態からなる自動車用フロアカーペット1が形成(製造)されることとなる。
【0012】
このような各工程を経ることによって形成される本実施の形態のものにおける、その作用等について説明する。すなわち、本自動車用フロアカーペット1は、その前端部111のところにベルクロファスナ等からなる面ファスナ15が設けられているとともに、当該面ファスナ15はダッシュボード2のところに設けられている他の面ファスナ25との間において、相互に係合し合うようになっているものであるところから、図2に示す如く、本自動車用フロアカーペット1を車体のフロア面(フロアパネル面33)に敷設した場合、上記面ファスナ15、25どうしが係合し合い、フロアカーペット1の前端部111が確実に固定されることとなる。従って、フロアカーペット1の前端部111が、ずれ落ちたりすることがなく、車室内の見栄えを確保することができるようになる。また、車室内の足周りの部分が整理・整頓されることとなるので、ペダル操作時に足がからんだりすることが無くなり、操作性に関連する安全性の向上が図られることとなる。
【0013】
また、上記構成からなる本自動車用フロアカーペット1は、自動車のフロアパネル33上に敷設されるに際して、その前端部111の面ファスナ15のところをダッシュボード2側に設けられている面ファスナ25のところに押し付けるだけで、上記面ファスナ15、25どうしが係合し合うようになり、簡単にフロアカーペット前端部111の固定が行なわれることとなる。すなわち、自動車用フロアカーペット1の敷設作業が効率良く行なわれることとなる。
【0014】
そして更に、このような機能を有する自動車用フロアカーペット1が、図3に示すような製造工程を経ることによって、効率良く製造されることとなる。すなわち、従来のものにおいては、上記面ファスナ15を有する部分に特別の係合穴を設ける等の特殊な加工が必要とされていたのに対して、本実施の形態のものにおいては、フロアカーペット生地11の成形加工時に、同時に、上記面ファスナ15を熱融着手段にて取り付けることができるようになり、製造効率の向上を図ることができるようになる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、不織布等を基礎にして、その一方の面側に熱可塑性樹脂材のコーティングされたカーペット生地と、当該カーペット生地の上記熱可塑性樹脂材のコーティングされた側に設けられるものであって、当該熱可塑性樹脂材を介して熱融着されるフェルト状の防音材と、からなる自動車用フロアカーペットに関して、上記熱可塑性樹脂材のコーティングされた側に、自動車のダッシュボード側に設けられた面ファスナと相互に係合し合う面ファスナを設けるとともに、当該面ファスナを、熱可塑性樹脂材のコーティングされた上記カーペット生地の成形加工時に、当該成形加工時における上記熱可塑性樹脂材の熱融着性を利用して、同時に取り付けるようにした構成を採ることとしたので、フロアカーペットの前端部のダッシュボードへの結合部が簡単な構造からなる面ファスナにて形成されるようになり、しかも、これら固定部を有する自動車用フロアカーペットが一連の製造工程にて効率良く生産されるようになった。すなわち、ダッシュボードへの結合部を有する自動車用フロアカーペットの生産性を向上させることができるようになった。
【0016】
また、このようにして製造された本自動車用フロアカーペットは、その前端部に、ダッシュボード側に設けられた面ファスナとの間において相互に係合し合う面ファスナを有する構成となっているので、本自動車用フロアカーペットのフロアパネル上への敷設作業が簡単に行なわれるようになった。
【0017】
また、このようにして敷設された本自動車用フロアカーペットの前端部は、上記面ファスナによって強固にダッシュボード上に固定されることとなるので、使用中において、上記前端部がずれ落ちて来たりすることが無くなり、足周り部の見栄えを向上させることができるようになるとともに、ペダル操作時等における誤操作の防止を図ることができるようになり、安全性の向上を図ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる自動車用フロアカーペットの全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかる自動車用フロアカーペットがフロアパネル上に敷設された状態を示す縦断面図である。
【図3】本発明にかかる自動車用フロアカーペットの製造工程の一部を成す金型(上型及び下型)内への各素材のセッティング状態を示す図である。
【図4】従来の自動車用フロアカーペットのダッシュボード周りへの結合状態を示す展開斜視図である。
【符号の説明】
1 自動車用フロアカーペット
11 カーペット生地
111 前端部
12 防音材
15 面ファスナ
2 ダッシュボード
25 面ファスナ
33 フロアパネル
91 金型(上型)
92 金型(下型)
925 傾斜部
Claims (1)
- 不織布の一方の面側に熱可塑性樹脂材のコーティングされたシート状生地を所定の温度にて予熱する工程と、30℃ないし40℃の温度に保持された金型のうちの下型内の所定の位置に面ファスナを設置するとともに、当該面ファスナの設置された場所以外の場所に不織布からなる防音材を設置する工程と、このように所定の位置に面ファスナ及び防音材の設置された状態の、その上側に、上記予熱されたシート状生地を設置する工程と、このように各素材が設置された状態の上方から、30℃ないし40℃の温度に保持された金型のうちの上型を降下させて所定の圧力にて上記各素材を成形加工する工程と、からなることを特徴とする自動車用フロアカーペットの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP27184796A JP3815700B2 (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 自動車用フロアカーペット及びその製造方法 |
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JP27184796A JP3815700B2 (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 自動車用フロアカーペット及びその製造方法 |
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JPH1095264A JPH1095264A (ja) | 1998-04-14 |
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1996
- 1996-09-19 JP JP27184796A patent/JP3815700B2/ja not_active Expired - Fee Related
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