JP3814004B2 - スライドレール - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機の原稿移動台等に使用されるスライドレールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記スライドレールにおいて、ボールリテーナーと内側レールの互いの摺動範囲を規制する為に設けられたストッパーと外側レール間での指づめを防止する為、内側レールの内面からボールリテーナーの端面に当接してその一方の移動を阻止するリテーナーストッパーを立ち上げ、該リテーナーストッパーのボールリテーナー当接側に位置して、リテーナーストッパーに近接する側で高位となりリテーナーストッパーから遠ざかる側で低位となる指づめ防止用の弾性傾斜板を配し、該傾斜板をその弾性変位にて浮沈動可能に内側レール内面に取付けたものが提案されている(実公昭61−33293号公報)。
【0003】
これによると内側レールとは別に指づめ防止用の弾性傾斜板を用意する必要があり高価となるだけでなく、内側レールに弾性傾斜板を取りつける作業が必要となり、生産性が悪く、又、弾性傾斜板を誤って指先で押し込んだ状態でいると指づめ防止の効果が期待出来ないと云う問題があった。
【0004】
一方、細長条板の一部を内側レールの内面から外側レールの内面に向けて一体に切起し、該切起し片にてボールリテーナー側に向って下り勾配となる指づめ防止用傾斜片を形成すると共に、該切起し片の一部で切起し片上に突出する舌片を形成してこれをリテーナーストッパーとしたものも提案されている(実開昭60−37624号公報)。しかしこの場合、安価で生産性に優れているが、舌片が切起し片上に突出しているので、これと外側レール間に指先をつめると云う問題を完全に解決するまでには至らなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決する事を課題とし、簡単な構造で生産性に優れ、安価に製作でき、しかも指づめを完全に防止できるスライドレールを提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
上記課題を解決する為、本発明が手段とする第1の特徴は、外側レールと、該外側レールとボールリテーナーを介して互いに摺動自在となした内側レールよりなり、外側レールと内側レールの一方向の摺動範囲を規制するリテーナー第1ストッパーが、内側レール側に突出してボールリテーナーの基板に形成され、リテーナー第1ストッパーに対応して内側レールに内側レール第1ストッパーが形成されたスライドレールにおいて、前記内側レール第1ストッパーは、指づめ防止用案内面と、指づめ防止用案内面に形成された切り欠き部を有し、ボールリテーナー側に突出して、内側レールの基板と一体に形成され、切り欠き部は、指先が進入しない程度の大きさで、前記リテーナー第1ストッパーが内部に位置してリテーナーの摺動を停止させるものである。
【0007】
次に本発明が手段とする第2の特徴は、外側レールと、該外側レールとボールリテーナーを介して互いに摺動自在となした内側レールよりなり、外側レールの摺動方向両端部に、ボールリテーナーの摺動方向の両端部が当接し、ボールリテーナーの摺動範囲を規制する外側レール第1、第2ストッパーが形成され、ボールリテーナーの基板に、内側レール側に突出し、外側レールと内側レールの一方向の摺動範囲を規制するリテーナー第1ストッパーと、リテーナー第1ストッパーと摺動方向に所定間隔を有して、外側レールと内側レールの他方向の摺動範囲を規制するリテーナー第2ストッパーが形成され、内側レールの基板に、前記リテーナー第1ストッパーに対応して内側レール第1ストッパーと、前記リテーナー第1ストッパーに影響されない位置でリテーナー第2ストッパーに当接する内側レール第2ストッパーが形成されたスライドレールにおいて、前記内側レール第1ストッパーは、指づめ防止用案内面と、指づめ防止用案内面に形成された切り欠き部を有し、ボールリテーナー側に突出して、内側レールの基板と一体に形成され、切り欠き部は、指先が進入しない程度の大きさで、前記リテーナー第1ストッパーが内部に位置してリテーナーの摺動を停止させるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
外側レールと、該外側レールとボールリテーナーを介して互いに摺動自在となした内側レールよりなり、外側レールの摺動方向両端部に、ボールリテーナーの摺動方向の両端部が当接し、ボールリテーナーの摺動範囲を規制する外側レール第1、第2ストッパーが形成され、ボールリテーナーの基板に、内側レール側に突出し、外側レールと内側レールの一方向の摺動範囲を規制するリテーナー第1ストッパーと、リテーナー第1ストッパーと摺動方向に所定間隔を有して、外側レールと内側レールの他方向の摺動範囲を規制するリテーナー第2ストッパーが形成され、内側レールの基板に、前記リテーナー第1ストッパーに対応して内側レール第1ストッパーと、前記リテーナー第1ストッパーに影響されない位置でリテーナー第2ストッパーに当接する内側レール第2ストッパーが形成されたスライドレールにおいて、前記内側レール第1ストッパーは、指づめ防止用案内面と、指づめ防止用案内面に形成された切り欠き部を有し、ボールリテーナー側に突出して、内側レールの基板と一体に形成され、切り欠き部は、指先が進入しない程度の大きさで、前記リテーナー第1ストッパーが内部に位置してリテーナーの摺動を停止させるものである。
【0009】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて実施例を説明する。
図1において、符号1は外側レールを示し、符号2は内側レールを示し、符号3はボールリテーナーを示している。
【0010】
外側レール1は、金属製の細長条板の短手両端部を内向き円弧状に折り曲げて形成された内面長手方向(摺動方向)にボール案内溝を有する折曲縁11、11と、基板12より断面略C字形に形成されている。
そして、摺動方向両端部に、ボールリテーナー3の摺動方向の両端部が当接し、ボールリテーナー3の摺動範囲を規制する外側レール第1ストッパー13、外側レール第2ストッパー14が内側レール2方向に突出して形成されている。
符号15・・・はOA機器の部材との連結孔を示している。
【0011】
内側レール2は外側レール1とほぼ同長で、外側レール1内でボールリテーナー3を介して摺動自在な大きさの、金属製の細長条板の短手両端部を外向き円弧状に折り曲げて形成された外面長手方向(摺動方向)にボール案内溝を有する折曲縁21、21と基板22より、断面略C字形に形成されている。
そして、基板22の短手方向の中央部に、指づめ防止用案内面41を有する略円弧状の内側レール第1ストッパー4がボールリテーナー3側に突出して基板22と一体に形成されて、該内側レール第1ストッパー4の指づめ防止用案内面41に切り欠き部42が形成されている。
【0012】
そして、内側レール2の基板22の折曲縁21、21側の端部に、内側レール第1ストッパー4と摺動方向に所定間隔を有して外側レール1方向に突出する内側レール第2ストッパー43が基板22と一体に形成されている。
符号23・・・は、OA機器の部材との取付孔を示している。
【0013】
ボールリテーナー3は、上記両レール1、2の半分程度の長さの金属製の細長条板の短手端部を、両レール1、2の折曲縁11、11、21、21間に突出せしめた折曲片31、31と、折曲片31、31間に略コ字形に形成された基板32より構成され、折曲片31、31の長手方向にボール33・・・を回転自在に保持している。
そして、基板32の一部を折曲片31、31側に一体に突出せしめてリテーナー第2ストッパー34、34が形成され、リテーナー第2ストッパー34、34と摺動方向に所定間隔を有して、前記内側レール第1ストッパー4の切り欠き部42内に位置して内側レール第1ストッパー4の頂部に当接するよう、基板32の短手方向中央部の一部を、内側レール2の基板22方向に一体に突出せしめてリテーナー第1ストッパー35が形成されている。
【0014】
尚、実施例では、内側レール第1ストッパー4を円弧状に形成しているが、指先が内側レール第1ストッパー4の上面に案内されて脱出可能な形状を有しておればよく、特に形状を限定するものではない。又、実施例では、切り欠き部42は、あらかじめボールリテーナー3側に突出させず基板22をそのままにしておく事により形成されているが、指先が進入しない大きさであれば良く、その形状を限定するものではない。
【0015】
本発明は上記の如く構成されており、仮に内側レール2を固定側とすれば、図1において外側レール1が外側レール第1ストッパー13の外側方向に摺動すると、ボールリテーナー3は外側レール1の摺動方向に外側レール1の摺動距離の半分の距離移動し、やがて、リテーナー第1ストッパー35が、内側レール第1ストッパー4の切り欠き部42内に位置して、内側レール第1ストッパー4の頂部に当接し、同時に外側レール第2ストッパー14がボールリテーナー3の摺動方向とは反対側の端部に当接する。この状態でボールリテーナー3の内側レール2に対する摺動は停止し、外側レール1はボールリテーナー3との摺動を停止して、外側レール1は内側レール2に対し摺動方向に大きく突出した状態となる。
【0016】
次に、上記の状態から外側レール1を外側レール第2ストッパー14の外側方向に摺動させると、上記同様ボールリテーナー3は外側レール1の摺動方向に外側レール1の摺動距離の半分の距離移動し、やがて、リテーナー第2ストッパー34、34が内側レール第2ストッパー43、43に当接し、同時に外側レール第1ストッパー13がボールリテーナー3の摺動方向とは反対側の端部に当接する。この状態でボールリテーナー3は内側レール2に対する摺動は停止し、外側レール1はボールリテーナー3との摺動を停止して、外側レール1は内側レール2に対し摺動方向に大きく突出した状態となる。
【0017】
この時、内側レール第1ストッパー4はOA機器等の外部に露出した状態となり、内側レール第2ストッパー43、43はOA機器内に隠蔽された状態となっている。そして外部に露出した内側レール第1ストッパー4に誤って指先が触れた状態で再び外側レール1が摺動してその端部が指先に衝突しても、切り欠き部42は指先が進入しない大きさに形成されているから、指先は内側レール第1ストッパー4の指づめ防止用案内面41に沿って、外側レール1の摺動軌道から脱出し指づめを起こす心配がない。
【0018】
【発明の効果】
(1)特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、ボールリテーナーの基板に、外側レールと内側レールの一方向の摺動範囲を規制するリテーナー第1ストッパーが内側レール側に突出して形成され、内側レールの基板に、指づめ防止用案内面と、指づめ防止用案内面に前記リテーナー第1ストッパーが摺動時に内部に位置し、指先が進入しない程度の大きさの切り欠き部を有する内側レール第1ストッパーが、ボールリテーナー側に突出して、内側レールの基板と一体に形成されているので、従来のように別部材を取付る作業が必要なく生産性に優れ、安価に製作できる。又、内側レール第1ストッパーに指づめ防止用案内面を形成し、これに指先が進入しない程度の大きさの切り欠き部を設け、該切り欠き部にリテーナー第1ストッパーが摺動時に内部に位置する構成としているので従来のように突出する個所がなく、外側レールの摺動にともなって指先は確実に外側レールの軌道から脱出し、完全に指づめを防止出来る。
【0019】
(2)請求項2に記載の発明によれば、前記(1)の効果に加え、リテーナー第1ストッパーと、リテーナー第1ストッパーと摺動方向に所定間隔を有して、外側レールと内側レールの他方向の摺動範囲を規制するリテーナー第2ストッパーが形成され、内側レールの基板と一体に内側レール第1ストッパーが、ボールリテーナー側に突出して形成されていると共に、摺動時前記リテーナー第1ストッパーに影響されない位置でリテーナー第2ストッパーに当接する内側レール第2ストッパーが内側レールの基板と一体に形成されているので、リテーナー第2ストッパーは内側レール第1ストッパーを通り越して移動可能で、リテーナー第1ストッパーは内側レール第2ストッパーを通り越して移動可能となり、内側レールに対する外側レールの摺動範囲を大きく構成する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分解斜視図
【図2】 本発明の断面図
【図3】 内側レール第1ストッパーとリテーナー第1ストッパーの関係を示す断面図
【図4】 内側レール第2ストッパーとリテーナー第2ストッパーの関係を示す断面図
【符号の説明】
1 外側レール
13 外側レール第1ストッパー
14 外側レール第2ストッパー
2 内側レール
22 基板
3 ボールリテーナー
32 基板
34 リテーナー第2ストッパー
35 リテーナー第1ストッパー
4 内側レール第1ストッパー
41 指づめ防止用案内面
42 切り欠き部
43 内側レール第2ストッパー
Claims (2)
- 外側レールと、該外側レールとボールリテーナーを介して互いに摺動自在となした内側レールよりなり、外側レールと内側レールの一方向の摺動範囲を規制するリテーナー第1ストッパーが、内側レール側に突出してボールリテーナーの基板に形成され、リテーナー第1ストッパーに対応して内側レールに内側レール第1ストッパーが形成されたスライドレールにおいて、前記内側レール第1ストッパーは、指づめ防止用案内面と、指づめ防止用案内面に形成された切り欠き部を有し、ボールリテーナー側に突出して、内側レールの基板と一体に形成され、切り欠き部は、指先が進入しない程度の大きさで、前記リテーナー第1ストッパーが内部に位置してリテーナーの摺動を停止させる事を特徴とするスライドレール。
- 外側レールと、該外側レールとボールリテーナーを介して互いに摺動自在となした内側レールよりなり、外側レールの摺動方向両端部に、ボールリテーナーの摺動方向の両端部が当接し、ボールリテーナーの摺動範囲を規制する外側レール第1、第2ストッパーが形成され、ボールリテーナーの基板に、内側レール側に突出し、外側レールと内側レールの一方向の摺動範囲を規制するリテーナー第1ストッパーと、リテーナー第1ストッパーと摺動方向に所定間隔を有して、外側レールと内側レールの他方向の摺動範囲を規制するリテーナー第2ストッパーが形成され、内側レールの基板に、前記リテーナー第1ストッパーに対応して内側レール第1ストッパーと、前記リテーナー第1ストッパーに影響されない位置でリテーナー第2ストッパーに当接する内側レール第2ストッパーが形成されたスライドレールにおいて、前記内側レール第1ストッパーは、指づめ防止用案内面と、指づめ防止用案内面に形成された切り欠き部を有し、ボールリテーナー側に突出して、内側レールの基板と一体に形成され、切り欠き部は、指先が進入しない程度の大きさで、前記リテーナー第1ストッパーが内部に位置してリテーナーの摺動を停止させる事を特徴とするスライドレール。
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JP02334096A JP3814004B2 (ja) | 1996-01-16 | 1996-01-16 | スライドレール |
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Family Applications (1)
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JP02334096A Expired - Lifetime JP3814004B2 (ja) | 1996-01-16 | 1996-01-16 | スライドレール |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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1996
- 1996-01-16 JP JP02334096A patent/JP3814004B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH09196061A (ja) | 1997-07-29 |
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