JPH071303Y2 - 車両のサンシェード装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両のサンシェード装置に関し、特に可撓性の
波板と平板を接合して構成され、両側縁を車両窓開口縁
に設けた案内レールに移動自在に案内せしめたサンシェ
ードを有するサンシェード装置に関する。

［従来の技術］ 車両側部の湾曲した部分に設けられたサンルーフを有す
る車両において、比較的簡単な手動開閉のサンシェード
装置を設けることが多く、かかるサンシェード装置にお
いて、可撓性を有する樹脂平板に可撓性を有する樹脂波
板を接合してサンシェードを構成し、該サンシェードの
両側縁を車両窓開口の対向する開口縁に沿って配した案
内レールに案内せしめて開閉移動自在となしたものがあ
る。

［考案が解決しようとする課題］ 上記サンシェード装置において、サンシェードの側縁を
直接案内レール内に摺動せしめると、この部分で摩耗を
生じ易く、耐久性が低下するという問題があり、また、
サンシェード本体の復元弾性力により案内レール湾曲部
での摺動抵抗が増大して、スムーズな開閉作動が損なわ
れることがあった。

また、車両走行時のサンシェードのガタつきや不意の開
閉を防止するストッパ機能を簡単な構造で実現すること
が要請されていた。

本考案はかかる課題を解決するもので、サンシェード側
縁部の耐久性低下を防止できるとともに、スムーズな作
動が保証され、かつ確実なストッパ機能をも併せ有する
車両のサンシェード装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案のサンシェード装置の構成を第１図および第２図
で説明すると、サンシェード１は、可撓性の平板11に、
移動方向へ連続する平行波形面を形成した可撓性の波板
12を接合して構成され、車両窓開口の相対向する開口縁
に沿って配した案内レール２（一方のみ図示）に側縁を
案内せしめて開閉移動自在となしてある。

上記サンシェード１の側縁に結合された端末プロテクタ
３を設け、該端末プロテクタ３を、上記平板11と波板12
間に形成される間隙1a内に挿入固定される脚部32を有し
上記移動方向へ間隔を置いて設けられた一対の基体31
と、これら基体31を連結する可撓性の連結部33と、湾曲
成形した弾性材よりなり、その両端が上記基体31に固定
されるとともに、湾曲する頂部341が案内レール２面に
向けて突出してこれに弾接する少なくとも一つの弾接片
34とで構成してある。

［作用］ 上記構成のサンシェード装置においては、サンシェード
本体が案内レール面に直接接触することはなく、案内レ
ール面には端末プロテクタの基体に設けた弾接片が弾接
する。したがって、常に良好な摺動性が得られ、スムー
ズな開閉が可能であるとともに、サンシェード本体が摩
耗して耐久性が低下するという問題は生じない。

特に本考案では、上記弾接片を弾性材を湾曲成形して構
成して、その両端を上記基体に固定したから、弾接片の
肉厚を薄くしても十分大きなバネ力を得ることができ、
サンシェード本体を横振れすることなく良好に案内でき
る。

また、弾接片は両端が固定してあることにより、直射日
光等で加熱されても熱変形を生じない。

［第１実施例］ 第１図において、車両窓開口の相対向する開口縁に沿っ
て配したコ字断面の案内レール２（一方のみ図示）には
サンシェード１の側縁が嵌装案内せしめてあり、上記側
縁には移動方向たる長手方向の複数箇所に端末プロテク
タ３が設けてある。

上記サンシェード１は、第２図に示す如く、可撓性樹脂
の平板11に同じく可撓性樹脂の波板12を接合して構成さ
れ、上記波板12は長手方向に連続する平行波形面をなし
て上記平板11との間で周期的な山形間隙1aを形成してい
る。

一方、端末プロテクタ３は、第３図および第４図にも示
す如く、樹脂の一体成形品で、サンシェード１の長手方
向へ一定間隔離れた円板状の基体31を有し、これらの底
面間を薄肉の帯状連結部33で結ぶとともに頂面間を同じ
く帯状の弾接片34で結んである。

上記弾接片34は、基体31に連続し固定される両端部が下
方へ湾曲するとともに中央部を山形に大きく上方へ湾曲
せしめてその頂部を凸部341としてある。

上記各基体31には板面より突出せしめて先細の脚部32が
設けてあり、これら脚部32を上記サンシェード１の間隙
1a内に挿入して、端末プロテクタ３をサンシェード１側
縁に固定している。

しかして、サンシェード１の側縁を案内レール２内に位
置せしめた状態で、第５図および第６図に示す如く、端
末プロテクタ３はその弾接片34の凸部341が案内レール
２の上壁21に弾接するとともに、各基体31の下部周面が
上記案内レール２の下壁22に当接している。上記案内レ
ール２の上壁21は所定位置、例えばサンシェードの閉鎖
端位置を下方へ山形状に突出せしめて凸部211としてあ
る。

上記構造のサンシェード装置において、サンシェード１
はその一端中央に設けた取手13（第１図）により案内レ
ール２に沿って移動開閉せしめられる。この移動時に
は、上記サンシェード１に設けた端末プロテクタ３がそ
の弾接片34の凸部341と基体31周面で案内レール２の上
下壁21,22に当接して、抵抗の小さいスムーズな移動を
可能とする。

なお、上記弾接片34は両端が前後の基体31に連続し固定
されているから、比較的薄肉としても十分なバネ力を発
揮し、サンシェード１の横振れ等を効果的に防止する。

また、直射日光により加熱されても、両端が固定された
上記弾接片34は熱変形を生じない。

この場合、案内レール２の湾曲部においても、端末プロ
テクタ３は帯状としたその連結部33がレール湾曲に倣っ
て自由に変形し、滑らかな移動を保証する。

そして、この移動中、上記端末プロテクタ３により、サ
ンシェード１の側縁は直接案内レール２に当接すること
なく保護されて、その摩耗が防止される。

サンシェード１を閉鎖端近くまで移動せしめると、第５
図の鎖線の如く、端末プロテクタ３の凸部341は案内レ
ール２の凸部211に当たって押し下げ変形せしめられ、
通過後に再び原形に復する。この通過時に節度のあるサ
ンシェードの動きが得られ、閉鎖状態での車両走行中の
ガタつきや不意の開放作動が防止される。

［第２実施例］ 第７図ないし第９図において、端末プロテクタ３の基体
31はひょうたん形をなし、各基体31にそれぞれ一対の脚
部32A、32Bが突設してある。上記基体31を結んで設けた
弾接片34は各基体31の背面に連続して側外方へ湾曲突出
しており、上記弾接片34は中央部を内方へ屈曲せしめて
凹部342としてある。この場合、弾接片34は凹部342の両
側に頂部343を有する。

かくして、一対の上記脚部34A、32Bをサンシェード１の
隣れる間隙1a内に挿入固定し、端末プロテクタ３を案内
レール２内に位置せしめた状態で、第10図に示す如く、
上記弾接片34の頂部343が案内レール２の側壁23に弾接
する。また、基体は下部周面が案内レールの下壁に当接
する。

これにより、サンシェード１は両側縁に設けた上記端末
プロテクタ３によって幅方向へのガタが吸収されるとと
もに滑らかな移動が保証される。

上記案内レール２の側壁23には所定位置に凸部が設けら
れ（図略）、これに上記弾接片34の凹部342が嵌まり込
むことにより、サンシェード１の節度的作動が実現され
る。

本実施例によっても上記実施例１と同様の効果がある。

［第３実施例］ 上記第２実施例における基体の上面に、第11図に示す如
く、基体31外周に両端が連続し上方へ湾曲する弾接片36
を設けて、これを案内レール２の上壁21に弾接せしめれ
ば、サンシェード１の上方方向のガタも吸収することが
できる。

なお、サンシェードの節度作動を得るために、弾接片に
凸部を形成し、案内レールに凹部を形成する構成とする
ことも可能である。

［考案の効果］ 以上の如く、本考案のサンシェード装置によれば、サン
シェードのスムーズな作動が実現されるとともに、サン
シェード本体の摩耗による耐久性低下の問題も生じな
い。

また、簡単な構造で節度のあるサンシェードの作動が実
現されるから、サンシェードのガタつきや不意の開閉動
作が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案の第１実施例を示し、第１
図はサンシェード側縁部の斜視図、第２図はその要部分
解斜視図、第３図は端末プロテクタの正面図、第４図は
その平面図、第５図は端末プロテクタを案内レール内に
位置せしめた縦断面図、第６図は第５図のVI-VI線に沿
う横断面図、第７図ないし第10図は本考案の第２実施例
を示し、第７図は端末プロテクタの全体斜視図、第８図
はその正面図、第９図はその平面図、第10図は端末プロ
テクタを案内レール内に位置せしめた横断面図、第11図
は本考案の第３実施例を示す端末プロテクタの部分拡大
斜視図である。 １……サンシェード 11……平板 12……波板 ２……案内レール 211……凸部 ３……端末プロテクタ 31……基体 32、32A、32B……脚部 33……連結部 34、36……弾接片 341……凸部（頂部） 342……凹部 343……頂部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両窓開口の相対向する開口縁に沿って配
   した案内レールにサンシェードの両側縁を案内せしめて
   開閉移動自在となしたサンシェード装置において、上記
   サンシェードを、可撓性の平板に、移動方向へ連続する
   平行波形面を形成した可撓性の波板を接合して構成する
   とともに、上記サンシェードの側縁に結合された端末プ
   ロテクタを設け、該端末プロテクタを、上記平板と波板
   間に形成される間隙内に挿入固定される脚部を有し上記
   移動方向へ間隔をおいて設けられる一対の基体と、これ
   ら基体を連結する連結部と、湾曲成形した弾性材よりな
   り、その両端が上記基体に固定されるとともに、湾曲す
   る頂部が案内レール面に向けて突出してこれに弾接する
   少なくとも一つの弾接片とで構成したことを特徴とする
   車両のサンシェード装置。