JP3813239B2 - 工作機械用クーラントの工作屑除去装置 - Google Patents
工作機械用クーラントの工作屑除去装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3813239B2 JP3813239B2 JP12960996A JP12960996A JP3813239B2 JP 3813239 B2 JP3813239 B2 JP 3813239B2 JP 12960996 A JP12960996 A JP 12960996A JP 12960996 A JP12960996 A JP 12960996A JP 3813239 B2 JP3813239 B2 JP 3813239B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coolant
- tank
- machine
- machine tool
- waste
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)
- Filtration Of Liquid (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、研削用クーラントを循環使用するための工作機械用クーラントの工作屑除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、研削盤を用いた作業では、冷却、潤滑の目的から研削用クーラントを研削部分に供給することは一般に知られている。
【0003】
クーラントは、例えばタンクに貯留されており、ポンプ駆動により研削盤に供給され、使用後は、回収パイプを介して磁気セパレータに送り込まれる。そして、この磁気セパレータにおいてクーラント中に含まれた研削屑が吸着、除去されて上記タンクに戻される。これによりクーラントが精製されながら循環使用されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記磁気セパレータで切削屑を完全に除去することは困難であり、タンク内には、このように除去されなかった研削屑が数多く混入している。
【0005】
そのため、研削盤へのクーラントの供給に際しては、除去できない極微小な研削屑が含まれたままクーラントが研削盤に供給され、その結果、工作物の仕上がり精度に影響を与えるといった事態が発生している。また、研削屑捕集用フィルタを設けた場合、クーラントに含まれる研削屑がフィルタにおいて多量に捕集されるため、フィルタの寿命が著しく低下し、メンテナンスサイクルが短くなるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、工作機械に対してクーラントを循環使用するものにおいて、クーラントに含まれる工作屑を適切に除去しながら工作機械に供給することができる工作機械用クーラントの工作屑除去装置。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、タンク内に貯留したクーラントを工作機械に対して循環させながら使用するクーラント循環システムに適用される工作屑除去装置であって、上記タンクから工作機械にクーラントを供給する供給通路に介設されてクーラントに含まれる異物を濾過して捕集する濾過式除去手段と、上記工作機械からタンクにクーラントを回収する回収通路に介設されてクーラント中に含まれる異物のうち工作屑を吸着して捕集する磁気的除去手段と、タンクに貯留されたクーラントの液面を浮遊する取込部材を具備したリターン通路を有し、上記タンク内のクーラントのうちその表面部分のクーラントを上記取込部材から取込み上記リターン通路を介して上記磁気的除去手段に給送する逆給送手段とを有しているものである。
【0008】
この構成によれば、クーラントは、濾過式除去手段を介して工作機械に給送された後、磁気的除去手段において工作屑が除去されてタンクに回収される。そして、このような工作機械に対するクーラントの循環とは別に、タンク内のクーラントが逆給送手段により磁気的除去手段に給送されてタンク内に戻される。そのため、工作機械からタンクに戻される過程で完全に除去されないままタンク内に給送された工作屑が効果的に除去される。特に、工作屑は油等に混じって貯留クーラントの表面を浮遊する場合が多いが、上記のように逆給送手段が構成されている結果、タンクに貯留されたクーラントのうち主にその表面部分のクーラントが吸い上げられて磁気的除去手段に給送されることとなり、効率良く貯留クーラント中の工作屑を除去することができる。
【0009】
また、上記のように、クーラント中の工作屑は油等に混じって貯留クーラントの表面を浮遊している場合が多いので、上記タンクを、主タンクとこの主タンクからオーバーフローするクーラントを貯留する副タンクとから構成し、クーラントが上記供給通路を介して主タンクから工作機械に供給される一方、上記回収通路を介して工作機械から副タンクにクーラントが回収されるように構成し、上記副タンク内のクーラントのうちその表面部分のクーラントを上記磁気的除去手段に給送するように上記逆給送手段を構成し、さらに、上記磁気的除去手段通過後のクーラントを主タンクに送る給送手段を設け、この給送手段にクーラントから工作屑を分離させる分離手段を設けるようにすれば、クーラントに含まれる工作屑が効率良く副タンクに収集されて磁気的除去手段に給送されるため、主タンク内のクーラント中に含まれる工作屑が効果的に低減され、これにより工作機械に給送されるクーラントの純度が高められる。特に、磁気的除去手段通過後のクーラントを主タンクに送る給送手段を設け、さらにこの給送手段にクーラントから工作屑を分離する分離手段を設けている結果、主タンクにおけるクーラント中の工作屑の含有量をより効果的に低減させることが可能となる。この場合、分離手段としてサイクロン型分離装置を用い、分離した工作屑を磁気的除去手段に給送するようにすれば、構造的に簡単で、しかも除去した工作屑を磁気的除去手段により一体に捕集することができるため工作屑の廃棄等の面で有利となる。
【0010】
さらに、上記副タンクに、貯留クーラント内で連通する区画容器を設け、この区画容器内に磁気的除去手段通過後のクーラントを回収するとともに、この区画容器内からクーラントを吸い上げるように上記給送手段を構成するようにすれば、区画容器内に効率良く工作屑を収集して除去することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの第1実施形態を概略的に示している。同図に示すように、クーラント循環システム1(以下、循環システム1と略す)にはクーラントCoを貯留するタンク3が設けられており、ポンプ6の駆動によりこのタンク3内のクーラントCoがクーラント供給通路4(以下、供給通路4と略す)を介して工作機械である研削盤2に供給され、さらに使用後のクーラントCoがクーラント回収通路5(以下、回収通路5と略す)を介して上記タンク3に戻されるように循環システム1が構成されている。
【0013】
上記供給通路4には、濾過器7が設けられ、これによりクーラントCoに含まれる異物が除去されて研削盤2に供給されるようになっている。濾過器7は例えば、その内部に合成樹脂製の不織布等からなる袋体を有しており、クーラントCoの透過により異物を濾過、捕集するように構成されている。
【0014】
また、上記回収通路5には、回収されるクーラントCoに含まれる研削屑を除去するための磁気セパレータ8が設けられている。磁気セパレータ8は、例えば、図2に示すように容器8aの内部にモータ駆動により回転するマグネットローラ8bが備えられており、回収されるクーラントをこの容器8aに一旦貯留してタンク3に給送することで、研削屑をマグネットローラ表面に磁気吸着して除去した後、スロープ8c上に掻き落として回収容器8dに捕集するように構成されている。なお、本実施形態においては、一般的なフェライトマグネットに比べて強力な保持力を有する希土マグネットを用いて上記マグネットローラが構成されており、これによって研削屑の除去機能が高められている。
【0015】
この磁気セパレータ8には、図1に示すように後端が上記タンク3に接続されたリターン通路9の先端が接続されており、ポンプ10の駆動によりタンク3に貯留されたクーラントCoがこのリターン通路9を介して磁気セパレータ8の上流側に給送されるようになっている。
【0016】
リターン通路9の先端には、クーラントCoの取り込み口を構成するQポット11と称する部材が取付けられている。Qポット11は、図3に示すように、リターン通路9の後端に挿通された発泡樹脂製の円筒状の取込部材13を有し、この取込部材13をその外周に装着された蛇腹状の伸縮部材14を介してリターン通路末端の取付部12に取付けた構造となっている。Qポット11の内部には適量のクーラントCoが貯留されており、上記ポンプ10が駆動されるとQポット11のクーラントCoをリターン通路9に形成された導入孔9aを介して吸い上げるとともに、その吸引力により取込部材13を下降させ(同図の破線に示す)、その周縁部に形成された切欠き13aを介してその内部にクーラントCoを導入するようになっている。これによってタンク3に貯留されたクーラントCoのうち、主にその表面部分のクーラントCoをリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送するようになっている。一方、ポンプ10の停止時には、取込部材13の浮力により取込部材13を上昇させ、切欠き13aをクーラントの液面より上方に配置することでQポット11内へのクーラントCoの導入を阻止するようになっている。つまり、これらのQポット11及びリターン通路9によって逆給送手段が構成されている。
【0017】
以上のように構成された上記循環システム1においては、ポンプ6の駆動によりタンク3からクーラントCoが吸い上げられ、濾過器7で異物が除去された後研削盤2に供給される。そして、使用後のクーラントCoが、回収通路5を介して磁気セパレータ8に給送され、ここで研削盤2において混入した研削屑が吸着、除去されてタンク3に戻される。こうすることによってクーラントCoが精製されながら研削盤2に対して循環供給される。
【0018】
そして、このようにクーラントCoが循環して供給されている間には、上記ポンプ10が駆動されてタンク3のクーラントCoがリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送され、これによって研削盤2からタンク3に戻される過程で完全に除去されないままタンク3に給送された研削屑が磁気セパレータ8において除去、捕集されることになる。
【0019】
このように上記循環システム1によれば、タンク3に貯留されたクーラントCoがリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送され、これによって貯留クーラントCoに含まれる研削屑が除去されるようになっているため、貯留クーラントCoにおける研削屑の含有率を効果的に低減させることができる。従って、研削盤2に供給されるクーラントCoの純度を効果的に高めることが可能であり、従来のこの種の装置のように工作屑の含有量が多いために工作物の仕上がり精度に影響がでるといった実態の発生を効果的に抑えることができる。特に、貯留クーラント中の研削屑は油等に混じって貯留クーラントの表面を浮遊している場合が多いが、上記循環システム1の構成によれば、タンク内の貯留クーラントCoのうち、主にその表面部分のクーラントCoがリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送されるようになっているので、貯留クーラント中の研削屑が極めて効率よく磁気セパレータ8に給送されて除去、捕集される。
【0020】
また、上記循環システム1によれば、上述のように貯留クーラントCoにおける研削屑の含有率が低減されることで、濾過器7で濾過される研削屑の量が少なくなる。従って、従来のこの種の装置に比べると、供給通路に設けられた濾過器のメンテナンスサイクルを長期化させることができるという利点もある。
【0021】
次に、本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの第2実施形態について図4を用いて説明する。なお、上記第1実施形態の循環システム1と共通する部材については同一の符号を付してその説明を省略し、以下に相違点についてのみ詳しく説明することにする。
【0022】
同図に示すように、第2実施形態の循環システム20では、タンク3内が隔壁により主タンク3aと副タンク3bとに区画されており、上記供給通路4の後端が主タンク3aに、回収通路5の先端が副タンク3bにそれぞれ接続されるとともに、リターン通路9が副タンク3b内のクーラントCoを磁気セパレータ8に給送するように構成されている。
【0023】
また、副タンク3bには上部開口を有し、その底部において上記副タンク3b内と連通する、詳しくは、副タンク3b内において、クーラントCoの液面よりある程度下位の部位(比較的研削屑が少ない深さ)で連通する区画容器26が設けられている。そして、この区画容器26内に、ポンプ25の駆動によりクーラントCoを吸い上げるサブリターン通路21の後端が介入しているとともに、このサブリターン通路21の先端がサイクロン式分離装置22の入力側に接続されている。そして、サイクロン式分離装置22の出力側が連絡通路24を介して上記主タンク3aに接続される一方、サイクロン式分離装置22の捕集側が上記磁気セパレータ8に接続されている。サイクロン式分離装置22は、図5に示すように、入力側22aに流体を供給することにより内部で回転流を生成させ、遠心力により、流体を出力側22bから排出しつつ含有不純物、つまり研削屑等を捕集側22cに分離、排出するように構成されている。
【0024】
以上のように構成された第2実施形態の循環システム20においても、基本的には、上記供給通路4及び回収通路5を介してタンク3と研削盤2との間でクーラントCoを循環させるのであるが、この循環システム20では、研削盤2から回収されるクーラントCoがまず区画容器26内に給送され、サブリターン通路21を介してサイクロン式分離装置22に給送される。ここで研削屑が分離され、分離後のクーラントCoが連絡通路24を介して主タンク3aに、分離された研削屑が磁気セパレータ8にそれぞれ排出される。
【0025】
タンク3内では、上述のように連絡通路24を介して主タンク3aに給送されたクーラントCoが副タンク3bにオーバーフローし、副タンク3bでは、上記循環システム1同様に、副タンク3b内の貯留クーラントCoのうち、主にその表面部分のクーラントCoがリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送される。
【0026】
つまり、この循環システム20によれば、回収されたクーラントに含まれる研削屑が、まずサイクロン式分離装置22において除去される。そして、ここで除去されずに主タンク3aに給送された研削屑が、主タンク3aからのオーバーフローに伴い副タンク3bに移動させられて上記リターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送されるようになっている。
【0027】
このような循環システム20によれば、主タンク3aにおける貯留クーラントCoの研削屑の含有率をより低減させることができる。従って、上記第1実施形態の循環システム1にも増して、研削盤2に供給されるクーラントCoの純度を効果的に高めることができる。従って、研削屑が多量に発生する場合等に有利となる。
【0028】
なお、上記循環システム1及び循環システム20は、本発明の工作屑除去装置が適用される循環システムの代表的な例であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0029】
例えば、上記第2実施形態の循環システム20では、区画容器26内から吸い上げたクーラントCo中の研削屑を分離する分離手段としてサイクロン式分離装置22を用い、分離した研削屑を磁気セパレータ8に給送するようにしているが、勿論、これ以外の分離手段を構成するようにしてもよい。但し、サイクロン式分離装置22を用いる場合には、例えば、濾過器を用いる場合のように不織布を交換するといったメンテナンス作業が不要となるのでこの点において有利である。
【0030】
また、上記第2実施形態の循環システム20において、サイクロン式分離装置22、連絡通路24及び区画容器26を省略し、副タンク3b内のクーラントCoをサブリターン通路21を介して直接主タンク3aに給送するように構成するようにしてもよい。この場合、上述のように含有研削屑の多くはクーラントCoの表面部分を浮遊しているため、上記第2実施形態の構成では、副タンク3b内のクーラントCoのうち比較的研削屑が少ない深さからクーラントCoを吸い上げるのが望ましい。また、回収するクーラントCoを磁気セパレータ8から直接主タンク3aへ排出するようにしてもよい。いずれの場合も、主タンク3aからのクーラントCoのオーバーフローにより研削屑を副タンク3bに収集しながらリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送することができるので、精度的には上記循環システム20に比べ多少劣るものの、簡素な構成で貯留クーラントCo中の研削屑を除去することができる。
【0031】
さらに、濾過器7に代え、例えば、図6に示すような濾過装置30を適用することもできる。なお、この図は、そのような濾過装置30が上記第2実施形態の循環システム20に適用された例を示している。
【0032】
すなわち、タンク3から研削盤2に供給するクーラントCoを、まず目の粗い第1濾過器31に通して第1中間タンク33に貯留しつつこの中間タンク33から上記タンク3の主タンク3aにオーバーフローさせる。そして、上記第1中間タンク33からポンプ35の駆動によりクーラントCoを吸い上げて、上記第1濾過器31よりも目の細かい第2濾過器32にクーラントCoを通した後、第2中間タンク34に貯留しつつこの第2中間タンク34からポンプ36の駆動によりCoを吸い上げて上記研削盤2に供給するようにしてもよい。このような構成によれば、上記第2実施形態の循環システム20にも増して純度の高いクーラントCoを研削盤2に供給することができ、高圧でクーラントCoを供給する場合等、高い精度が要求される場合に有効となる。なお、この構成の場合、ポンプ38の駆動により供給通路39を介して直接主タンク3a内のクーラントCoを研削盤2へ供給するようにしておき(例えば、同図の破線内に示す)、要求される研削対象物の仕上がり精度に応じ、クーラントCoを濾過装置30を通して供給する場合と、通さずに供給する場合とに選択できるようにしてもよい。
【0033】
なお、図4の例や図6の例では、サブリターン通路21が区画容器26から吸い上げたクーラントCoをサイクロン式分離装置22に送っているが、区画容器26を省略してクーラントCoを直接副タンク3b内から吸い上げてサイクロン式分離装置22に送ってもよい。あるいは、図1のシステムにおいて、サイクロン式分離装置22を設けるとともに、タンク3から吸い上げたクーラントCoをサイクロン式分離装置22に送るようにサブリターン通路及びポンプを配設してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、タンク内に貯留したクーラントを工作機械に対して循環させながら使用するものにおいて、クーラントを、濾過式除去手段を介して工作機械に給送した後、磁気的除去手段により工作屑を除去してタンクに回収するとともに、このような工作機械に対するクーラントの循環とは別に、タンク内のクーラントを磁気的除去手段に給送してタンク内に戻すようにしたので、工作機械からタンクに戻される過程で除去されないままタンク内に給送される工作屑を効果的に除去することができる。従って、工作機械に供給するクーラントの純度を効果的に高めることができ、従来のこの種の装置のように工作屑の含有量が多いために工作物の仕上がり精度に影響を与えるといった実態の発生を効果的に抑えることができる。特に、工作屑は油等に混じって貯留クーラントの表面を浮遊する場合が多いことに鑑み、タンクに貯留されたクーラントのうち主にその表面部分のクーラントを取込んで磁気的除去手段に給送するように逆給送手段を構成しているので、効率良く貯留クーラント中の工作屑を除去することができる。
【0035】
この装置において、上記タンクを、主タンクとこの主タンクからオーバーフローするクーラントを貯留する副タンクとから構成し、クーラントが上記供給通路を介して主タンクから工作機械に供給される一方、上記回収通路を介して工作機械から副タンクにクーラントが回収されるようにし、副タンク内のクーラントのうちその表面部分のクーラントを上記磁気的除去手段に給送するように上記逆給送手段を構成し、さらに上記磁気的除去手段通過後のクーラントを主タンクに送る給送手段を設け、この給送手段に、クーラントから工作屑を分離させる分離手段を設けるようにすれば、クーラントに含まれる工作屑が効率良く副タンクに収集されて磁気的除去手段に給送され、これにより主タンク内のクーラントに含まれる工作屑が低減させられる。そのため、工作機械に給送されるクーラントの純度をより効果的に高めることができる。特に、磁気的除去手段通過後のクーラントを主タンクに送る給送手段を設け、この給送手段にクーラントから工作屑を分離する分離手段を設けていることによって、主タンクにおけるクーラント中の工作屑の含有量をより効果的に低減させることが可能となる。この場合、分離手段としてサイクロン型分離装置を用い、分離した工作屑を磁気的除去手段に給送するようにすれば、構造的に簡単で、しかも除去した工作屑を磁気的除去手段により一体に捕集することができるため工作屑の廃棄等の面で有利となる。さらに、上記副タンクに、貯留クーラント内で連通する区画容器を設け、この区画容器内に磁気的除去手段通過後のクーラントを回収するとともに、この区画容器内からクーラントを吸い上げるように給送手段を構成するようにすれば、区画容器内に効率良く工作屑を収集して除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの第1実施形態を示す概略図である。
【図2】 磁気セパレータの構成を示す概略図である。
【図3】 Qポットの構成を示す概略断面図である。
【図4】 本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの第2実施形態を示す概略図である。
【図5】 サイクロン式分離装置の構成を示す概略断面図である。
【図6】 本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの変形例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 クーラント循環システム
2 研削盤
3 タンク
4 クーラント供給通路
5 クーラント回収通路
6,10 ポンプ
7 濾過装置
8 磁気セパレータ
9 リターン通路
11 Qポット
Co クーラント
【発明の属する技術分野】
本発明は、研削用クーラントを循環使用するための工作機械用クーラントの工作屑除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、研削盤を用いた作業では、冷却、潤滑の目的から研削用クーラントを研削部分に供給することは一般に知られている。
【0003】
クーラントは、例えばタンクに貯留されており、ポンプ駆動により研削盤に供給され、使用後は、回収パイプを介して磁気セパレータに送り込まれる。そして、この磁気セパレータにおいてクーラント中に含まれた研削屑が吸着、除去されて上記タンクに戻される。これによりクーラントが精製されながら循環使用されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記磁気セパレータで切削屑を完全に除去することは困難であり、タンク内には、このように除去されなかった研削屑が数多く混入している。
【0005】
そのため、研削盤へのクーラントの供給に際しては、除去できない極微小な研削屑が含まれたままクーラントが研削盤に供給され、その結果、工作物の仕上がり精度に影響を与えるといった事態が発生している。また、研削屑捕集用フィルタを設けた場合、クーラントに含まれる研削屑がフィルタにおいて多量に捕集されるため、フィルタの寿命が著しく低下し、メンテナンスサイクルが短くなるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、工作機械に対してクーラントを循環使用するものにおいて、クーラントに含まれる工作屑を適切に除去しながら工作機械に供給することができる工作機械用クーラントの工作屑除去装置。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、タンク内に貯留したクーラントを工作機械に対して循環させながら使用するクーラント循環システムに適用される工作屑除去装置であって、上記タンクから工作機械にクーラントを供給する供給通路に介設されてクーラントに含まれる異物を濾過して捕集する濾過式除去手段と、上記工作機械からタンクにクーラントを回収する回収通路に介設されてクーラント中に含まれる異物のうち工作屑を吸着して捕集する磁気的除去手段と、タンクに貯留されたクーラントの液面を浮遊する取込部材を具備したリターン通路を有し、上記タンク内のクーラントのうちその表面部分のクーラントを上記取込部材から取込み上記リターン通路を介して上記磁気的除去手段に給送する逆給送手段とを有しているものである。
【0008】
この構成によれば、クーラントは、濾過式除去手段を介して工作機械に給送された後、磁気的除去手段において工作屑が除去されてタンクに回収される。そして、このような工作機械に対するクーラントの循環とは別に、タンク内のクーラントが逆給送手段により磁気的除去手段に給送されてタンク内に戻される。そのため、工作機械からタンクに戻される過程で完全に除去されないままタンク内に給送された工作屑が効果的に除去される。特に、工作屑は油等に混じって貯留クーラントの表面を浮遊する場合が多いが、上記のように逆給送手段が構成されている結果、タンクに貯留されたクーラントのうち主にその表面部分のクーラントが吸い上げられて磁気的除去手段に給送されることとなり、効率良く貯留クーラント中の工作屑を除去することができる。
【0009】
また、上記のように、クーラント中の工作屑は油等に混じって貯留クーラントの表面を浮遊している場合が多いので、上記タンクを、主タンクとこの主タンクからオーバーフローするクーラントを貯留する副タンクとから構成し、クーラントが上記供給通路を介して主タンクから工作機械に供給される一方、上記回収通路を介して工作機械から副タンクにクーラントが回収されるように構成し、上記副タンク内のクーラントのうちその表面部分のクーラントを上記磁気的除去手段に給送するように上記逆給送手段を構成し、さらに、上記磁気的除去手段通過後のクーラントを主タンクに送る給送手段を設け、この給送手段にクーラントから工作屑を分離させる分離手段を設けるようにすれば、クーラントに含まれる工作屑が効率良く副タンクに収集されて磁気的除去手段に給送されるため、主タンク内のクーラント中に含まれる工作屑が効果的に低減され、これにより工作機械に給送されるクーラントの純度が高められる。特に、磁気的除去手段通過後のクーラントを主タンクに送る給送手段を設け、さらにこの給送手段にクーラントから工作屑を分離する分離手段を設けている結果、主タンクにおけるクーラント中の工作屑の含有量をより効果的に低減させることが可能となる。この場合、分離手段としてサイクロン型分離装置を用い、分離した工作屑を磁気的除去手段に給送するようにすれば、構造的に簡単で、しかも除去した工作屑を磁気的除去手段により一体に捕集することができるため工作屑の廃棄等の面で有利となる。
【0010】
さらに、上記副タンクに、貯留クーラント内で連通する区画容器を設け、この区画容器内に磁気的除去手段通過後のクーラントを回収するとともに、この区画容器内からクーラントを吸い上げるように上記給送手段を構成するようにすれば、区画容器内に効率良く工作屑を収集して除去することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの第1実施形態を概略的に示している。同図に示すように、クーラント循環システム1(以下、循環システム1と略す)にはクーラントCoを貯留するタンク3が設けられており、ポンプ6の駆動によりこのタンク3内のクーラントCoがクーラント供給通路4(以下、供給通路4と略す)を介して工作機械である研削盤2に供給され、さらに使用後のクーラントCoがクーラント回収通路5(以下、回収通路5と略す)を介して上記タンク3に戻されるように循環システム1が構成されている。
【0013】
上記供給通路4には、濾過器7が設けられ、これによりクーラントCoに含まれる異物が除去されて研削盤2に供給されるようになっている。濾過器7は例えば、その内部に合成樹脂製の不織布等からなる袋体を有しており、クーラントCoの透過により異物を濾過、捕集するように構成されている。
【0014】
また、上記回収通路5には、回収されるクーラントCoに含まれる研削屑を除去するための磁気セパレータ8が設けられている。磁気セパレータ8は、例えば、図2に示すように容器8aの内部にモータ駆動により回転するマグネットローラ8bが備えられており、回収されるクーラントをこの容器8aに一旦貯留してタンク3に給送することで、研削屑をマグネットローラ表面に磁気吸着して除去した後、スロープ8c上に掻き落として回収容器8dに捕集するように構成されている。なお、本実施形態においては、一般的なフェライトマグネットに比べて強力な保持力を有する希土マグネットを用いて上記マグネットローラが構成されており、これによって研削屑の除去機能が高められている。
【0015】
この磁気セパレータ8には、図1に示すように後端が上記タンク3に接続されたリターン通路9の先端が接続されており、ポンプ10の駆動によりタンク3に貯留されたクーラントCoがこのリターン通路9を介して磁気セパレータ8の上流側に給送されるようになっている。
【0016】
リターン通路9の先端には、クーラントCoの取り込み口を構成するQポット11と称する部材が取付けられている。Qポット11は、図3に示すように、リターン通路9の後端に挿通された発泡樹脂製の円筒状の取込部材13を有し、この取込部材13をその外周に装着された蛇腹状の伸縮部材14を介してリターン通路末端の取付部12に取付けた構造となっている。Qポット11の内部には適量のクーラントCoが貯留されており、上記ポンプ10が駆動されるとQポット11のクーラントCoをリターン通路9に形成された導入孔9aを介して吸い上げるとともに、その吸引力により取込部材13を下降させ(同図の破線に示す)、その周縁部に形成された切欠き13aを介してその内部にクーラントCoを導入するようになっている。これによってタンク3に貯留されたクーラントCoのうち、主にその表面部分のクーラントCoをリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送するようになっている。一方、ポンプ10の停止時には、取込部材13の浮力により取込部材13を上昇させ、切欠き13aをクーラントの液面より上方に配置することでQポット11内へのクーラントCoの導入を阻止するようになっている。つまり、これらのQポット11及びリターン通路9によって逆給送手段が構成されている。
【0017】
以上のように構成された上記循環システム1においては、ポンプ6の駆動によりタンク3からクーラントCoが吸い上げられ、濾過器7で異物が除去された後研削盤2に供給される。そして、使用後のクーラントCoが、回収通路5を介して磁気セパレータ8に給送され、ここで研削盤2において混入した研削屑が吸着、除去されてタンク3に戻される。こうすることによってクーラントCoが精製されながら研削盤2に対して循環供給される。
【0018】
そして、このようにクーラントCoが循環して供給されている間には、上記ポンプ10が駆動されてタンク3のクーラントCoがリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送され、これによって研削盤2からタンク3に戻される過程で完全に除去されないままタンク3に給送された研削屑が磁気セパレータ8において除去、捕集されることになる。
【0019】
このように上記循環システム1によれば、タンク3に貯留されたクーラントCoがリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送され、これによって貯留クーラントCoに含まれる研削屑が除去されるようになっているため、貯留クーラントCoにおける研削屑の含有率を効果的に低減させることができる。従って、研削盤2に供給されるクーラントCoの純度を効果的に高めることが可能であり、従来のこの種の装置のように工作屑の含有量が多いために工作物の仕上がり精度に影響がでるといった実態の発生を効果的に抑えることができる。特に、貯留クーラント中の研削屑は油等に混じって貯留クーラントの表面を浮遊している場合が多いが、上記循環システム1の構成によれば、タンク内の貯留クーラントCoのうち、主にその表面部分のクーラントCoがリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送されるようになっているので、貯留クーラント中の研削屑が極めて効率よく磁気セパレータ8に給送されて除去、捕集される。
【0020】
また、上記循環システム1によれば、上述のように貯留クーラントCoにおける研削屑の含有率が低減されることで、濾過器7で濾過される研削屑の量が少なくなる。従って、従来のこの種の装置に比べると、供給通路に設けられた濾過器のメンテナンスサイクルを長期化させることができるという利点もある。
【0021】
次に、本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの第2実施形態について図4を用いて説明する。なお、上記第1実施形態の循環システム1と共通する部材については同一の符号を付してその説明を省略し、以下に相違点についてのみ詳しく説明することにする。
【0022】
同図に示すように、第2実施形態の循環システム20では、タンク3内が隔壁により主タンク3aと副タンク3bとに区画されており、上記供給通路4の後端が主タンク3aに、回収通路5の先端が副タンク3bにそれぞれ接続されるとともに、リターン通路9が副タンク3b内のクーラントCoを磁気セパレータ8に給送するように構成されている。
【0023】
また、副タンク3bには上部開口を有し、その底部において上記副タンク3b内と連通する、詳しくは、副タンク3b内において、クーラントCoの液面よりある程度下位の部位(比較的研削屑が少ない深さ)で連通する区画容器26が設けられている。そして、この区画容器26内に、ポンプ25の駆動によりクーラントCoを吸い上げるサブリターン通路21の後端が介入しているとともに、このサブリターン通路21の先端がサイクロン式分離装置22の入力側に接続されている。そして、サイクロン式分離装置22の出力側が連絡通路24を介して上記主タンク3aに接続される一方、サイクロン式分離装置22の捕集側が上記磁気セパレータ8に接続されている。サイクロン式分離装置22は、図5に示すように、入力側22aに流体を供給することにより内部で回転流を生成させ、遠心力により、流体を出力側22bから排出しつつ含有不純物、つまり研削屑等を捕集側22cに分離、排出するように構成されている。
【0024】
以上のように構成された第2実施形態の循環システム20においても、基本的には、上記供給通路4及び回収通路5を介してタンク3と研削盤2との間でクーラントCoを循環させるのであるが、この循環システム20では、研削盤2から回収されるクーラントCoがまず区画容器26内に給送され、サブリターン通路21を介してサイクロン式分離装置22に給送される。ここで研削屑が分離され、分離後のクーラントCoが連絡通路24を介して主タンク3aに、分離された研削屑が磁気セパレータ8にそれぞれ排出される。
【0025】
タンク3内では、上述のように連絡通路24を介して主タンク3aに給送されたクーラントCoが副タンク3bにオーバーフローし、副タンク3bでは、上記循環システム1同様に、副タンク3b内の貯留クーラントCoのうち、主にその表面部分のクーラントCoがリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送される。
【0026】
つまり、この循環システム20によれば、回収されたクーラントに含まれる研削屑が、まずサイクロン式分離装置22において除去される。そして、ここで除去されずに主タンク3aに給送された研削屑が、主タンク3aからのオーバーフローに伴い副タンク3bに移動させられて上記リターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送されるようになっている。
【0027】
このような循環システム20によれば、主タンク3aにおける貯留クーラントCoの研削屑の含有率をより低減させることができる。従って、上記第1実施形態の循環システム1にも増して、研削盤2に供給されるクーラントCoの純度を効果的に高めることができる。従って、研削屑が多量に発生する場合等に有利となる。
【0028】
なお、上記循環システム1及び循環システム20は、本発明の工作屑除去装置が適用される循環システムの代表的な例であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0029】
例えば、上記第2実施形態の循環システム20では、区画容器26内から吸い上げたクーラントCo中の研削屑を分離する分離手段としてサイクロン式分離装置22を用い、分離した研削屑を磁気セパレータ8に給送するようにしているが、勿論、これ以外の分離手段を構成するようにしてもよい。但し、サイクロン式分離装置22を用いる場合には、例えば、濾過器を用いる場合のように不織布を交換するといったメンテナンス作業が不要となるのでこの点において有利である。
【0030】
また、上記第2実施形態の循環システム20において、サイクロン式分離装置22、連絡通路24及び区画容器26を省略し、副タンク3b内のクーラントCoをサブリターン通路21を介して直接主タンク3aに給送するように構成するようにしてもよい。この場合、上述のように含有研削屑の多くはクーラントCoの表面部分を浮遊しているため、上記第2実施形態の構成では、副タンク3b内のクーラントCoのうち比較的研削屑が少ない深さからクーラントCoを吸い上げるのが望ましい。また、回収するクーラントCoを磁気セパレータ8から直接主タンク3aへ排出するようにしてもよい。いずれの場合も、主タンク3aからのクーラントCoのオーバーフローにより研削屑を副タンク3bに収集しながらリターン通路9を介して磁気セパレータ8に給送することができるので、精度的には上記循環システム20に比べ多少劣るものの、簡素な構成で貯留クーラントCo中の研削屑を除去することができる。
【0031】
さらに、濾過器7に代え、例えば、図6に示すような濾過装置30を適用することもできる。なお、この図は、そのような濾過装置30が上記第2実施形態の循環システム20に適用された例を示している。
【0032】
すなわち、タンク3から研削盤2に供給するクーラントCoを、まず目の粗い第1濾過器31に通して第1中間タンク33に貯留しつつこの中間タンク33から上記タンク3の主タンク3aにオーバーフローさせる。そして、上記第1中間タンク33からポンプ35の駆動によりクーラントCoを吸い上げて、上記第1濾過器31よりも目の細かい第2濾過器32にクーラントCoを通した後、第2中間タンク34に貯留しつつこの第2中間タンク34からポンプ36の駆動によりCoを吸い上げて上記研削盤2に供給するようにしてもよい。このような構成によれば、上記第2実施形態の循環システム20にも増して純度の高いクーラントCoを研削盤2に供給することができ、高圧でクーラントCoを供給する場合等、高い精度が要求される場合に有効となる。なお、この構成の場合、ポンプ38の駆動により供給通路39を介して直接主タンク3a内のクーラントCoを研削盤2へ供給するようにしておき(例えば、同図の破線内に示す)、要求される研削対象物の仕上がり精度に応じ、クーラントCoを濾過装置30を通して供給する場合と、通さずに供給する場合とに選択できるようにしてもよい。
【0033】
なお、図4の例や図6の例では、サブリターン通路21が区画容器26から吸い上げたクーラントCoをサイクロン式分離装置22に送っているが、区画容器26を省略してクーラントCoを直接副タンク3b内から吸い上げてサイクロン式分離装置22に送ってもよい。あるいは、図1のシステムにおいて、サイクロン式分離装置22を設けるとともに、タンク3から吸い上げたクーラントCoをサイクロン式分離装置22に送るようにサブリターン通路及びポンプを配設してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、タンク内に貯留したクーラントを工作機械に対して循環させながら使用するものにおいて、クーラントを、濾過式除去手段を介して工作機械に給送した後、磁気的除去手段により工作屑を除去してタンクに回収するとともに、このような工作機械に対するクーラントの循環とは別に、タンク内のクーラントを磁気的除去手段に給送してタンク内に戻すようにしたので、工作機械からタンクに戻される過程で除去されないままタンク内に給送される工作屑を効果的に除去することができる。従って、工作機械に供給するクーラントの純度を効果的に高めることができ、従来のこの種の装置のように工作屑の含有量が多いために工作物の仕上がり精度に影響を与えるといった実態の発生を効果的に抑えることができる。特に、工作屑は油等に混じって貯留クーラントの表面を浮遊する場合が多いことに鑑み、タンクに貯留されたクーラントのうち主にその表面部分のクーラントを取込んで磁気的除去手段に給送するように逆給送手段を構成しているので、効率良く貯留クーラント中の工作屑を除去することができる。
【0035】
この装置において、上記タンクを、主タンクとこの主タンクからオーバーフローするクーラントを貯留する副タンクとから構成し、クーラントが上記供給通路を介して主タンクから工作機械に供給される一方、上記回収通路を介して工作機械から副タンクにクーラントが回収されるようにし、副タンク内のクーラントのうちその表面部分のクーラントを上記磁気的除去手段に給送するように上記逆給送手段を構成し、さらに上記磁気的除去手段通過後のクーラントを主タンクに送る給送手段を設け、この給送手段に、クーラントから工作屑を分離させる分離手段を設けるようにすれば、クーラントに含まれる工作屑が効率良く副タンクに収集されて磁気的除去手段に給送され、これにより主タンク内のクーラントに含まれる工作屑が低減させられる。そのため、工作機械に給送されるクーラントの純度をより効果的に高めることができる。特に、磁気的除去手段通過後のクーラントを主タンクに送る給送手段を設け、この給送手段にクーラントから工作屑を分離する分離手段を設けていることによって、主タンクにおけるクーラント中の工作屑の含有量をより効果的に低減させることが可能となる。この場合、分離手段としてサイクロン型分離装置を用い、分離した工作屑を磁気的除去手段に給送するようにすれば、構造的に簡単で、しかも除去した工作屑を磁気的除去手段により一体に捕集することができるため工作屑の廃棄等の面で有利となる。さらに、上記副タンクに、貯留クーラント内で連通する区画容器を設け、この区画容器内に磁気的除去手段通過後のクーラントを回収するとともに、この区画容器内からクーラントを吸い上げるように給送手段を構成するようにすれば、区画容器内に効率良く工作屑を収集して除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの第1実施形態を示す概略図である。
【図2】 磁気セパレータの構成を示す概略図である。
【図3】 Qポットの構成を示す概略断面図である。
【図4】 本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの第2実施形態を示す概略図である。
【図5】 サイクロン式分離装置の構成を示す概略断面図である。
【図6】 本発明に係る工作屑除去装置が適用される工作機械のクーラント循環システムの変形例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 クーラント循環システム
2 研削盤
3 タンク
4 クーラント供給通路
5 クーラント回収通路
6,10 ポンプ
7 濾過装置
8 磁気セパレータ
9 リターン通路
11 Qポット
Co クーラント
Claims (4)
- タンク内に貯留したクーラントを工作機械に対して循環させながら使用するクーラント循環システムに適用される工作屑除去装置であって、
上記タンクから工作機械にクーラントを供給する供給通路に介設されてクーラントに含まれる異物を濾過して捕集する濾過式除去手段と、上記工作機械からタンクにクーラントを回収する回収通路に介設されてクーラント中に含まれる異物のうち工作屑を吸着して捕集する磁気的除去手段と、タンクに貯留されたクーラントの液面を浮遊する取込部材を具備したリターン通路を有し、上記タンク内のクーラントのうちその表面部分のクーラントを上記取込部材から取込み上記リターン通路を介して上記磁気的除去手段に給送する逆給送手段とを有していることを特徴とする工作機械用クーラントの工作屑除去装置。 - 上記タンクは、主タンクとこの主タンクからオーバーフローするクーラントを貯留する副タンクとからなり、クーラントが上記供給通路を介して主タンクから工作機械に供給される一方、上記回収通路を介して工作機械から副タンクにクーラントが回収されるように構成され、
上記逆給送手段は、上記副タンク内のクーラントのうちその表面部分のクーラントを上記磁気的除去手段に給送するように構成され、
さらに、上記磁気的除去手段通過後のクーラントを主タンクに送る給送手段が設けられ、この給送手段は、クーラントから工作屑を分離させる分離手段を備えている
ことを特徴とする請求項1記載の工作機械用クーラントの工作屑除去装置。 - 上記分離手段はサイクロン型分離装置からなり、分離した工作屑を上記磁気的除去手段に給送するように構成されてなることを特徴とする請求項2記載の工作機械用クーラントの工作屑除去装置。
- 上記副タンクには、貯留クーラント内で連通する区画容器が設けられ、この区画容器内に磁気的除去手段通過後のクーラントが回収されるとともに、上記給送手段がこの区画容器内からクーラントを吸い上げるように構成されてなることを特徴とする請求項2又は3記載の工作機械用クーラントの工作屑除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12960996A JP3813239B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 工作機械用クーラントの工作屑除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12960996A JP3813239B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 工作機械用クーラントの工作屑除去装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09309043A JPH09309043A (ja) | 1997-12-02 |
JP3813239B2 true JP3813239B2 (ja) | 2006-08-23 |
Family
ID=15013700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12960996A Expired - Fee Related JP3813239B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 工作機械用クーラントの工作屑除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3813239B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2065127B1 (en) * | 2006-09-21 | 2011-10-26 | Sumitomo Heavy Industries Finetech, Ltd. | Coolant cleaning device for machine tool |
US8211304B1 (en) | 2007-01-13 | 2012-07-03 | Jk Industries, Llc | Coolant filtration system and method for metal working machines |
JP2011000508A (ja) * | 2009-06-16 | 2011-01-06 | Okano Kiko Kk | 被処理流体浄化システム |
JP5470658B2 (ja) * | 2010-05-20 | 2014-04-16 | 日本スピンドル製造株式会社 | 処理液浄化装置 |
JP5930938B2 (ja) * | 2012-10-30 | 2016-06-08 | 株式会社ジェイテクト | クーラントシステム |
CN104625877A (zh) * | 2015-02-28 | 2015-05-20 | 蚌埠市金林数控机床制造有限公司 | 一种用于数控机床超声检测的切削液循环系统 |
JP6996105B2 (ja) * | 2017-04-05 | 2022-01-17 | ブラザー工業株式会社 | 洗浄装置及び洗浄方法 |
CN107378632A (zh) * | 2017-08-31 | 2017-11-24 | 苏州群志机械设备有限公司 | 一种快速回收冷却油的加工中心 |
JP7485276B2 (ja) * | 2019-10-16 | 2024-05-16 | WATASE castings 株式会社 | 切削水浄化システム |
CN110963628B (zh) * | 2019-11-07 | 2022-11-01 | 艾斯迪(天津)汽车零部件有限公司 | 一种加工中心切削液净化装置 |
CN114873827A (zh) * | 2022-05-17 | 2022-08-09 | 东风本田发动机有限公司 | 珩磨液过滤系统及方法 |
CN115847907B (zh) * | 2023-03-03 | 2023-05-12 | 浙江易锻精密机械有限公司 | 一种冲压设备的润滑系统 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4020229A1 (de) * | 1990-06-26 | 1992-01-02 | Mann & Hummel Filter | Verfahren und vorrichtung zur aufbereitung von rueckstaenden aus der spanabhebenden bearbeitung ferromagnetischer werkstoffe |
DE4141676C1 (ja) * | 1991-12-18 | 1993-04-15 | Mann & Hummel Filter | |
JP2756097B2 (ja) * | 1995-07-14 | 1998-05-25 | 株式会社ブンリ | 濾過装置 |
-
1996
- 1996-05-24 JP JP12960996A patent/JP3813239B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09309043A (ja) | 1997-12-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3813239B2 (ja) | 工作機械用クーラントの工作屑除去装置 | |
EP2065127B1 (en) | Coolant cleaning device for machine tool | |
JP4240566B2 (ja) | クーラント浄化システム | |
KR100897345B1 (ko) | 공작기계용 고압 쿨란트 공급장치 | |
KR200489987Y1 (ko) | 진공을 이용한 공작기계 절삭유 정화 회수 장치 | |
US6881132B2 (en) | Grinding water tank unit for use in processing eyeglass lens, device for separating processing debris, and eyeglass lens processing apparatus having the tank unit or device | |
JP2583763Y2 (ja) | クーラント供給装置 | |
JP2678699B2 (ja) | 研削廃液浄化方法 | |
JP2954800B2 (ja) | 固形体回収装置 | |
JPH11320408A (ja) | 玉摺機の研削泡除去方法及びその装置 | |
JP3055421U (ja) | クーラント内の微細スラッジ除去装置 | |
JP3029831U (ja) | 切りくずを含むクーラントの処理装置 | |
JPH11320407A (ja) | 玉摺機の濾過装置及び研削屑除去装置 | |
JP6481379B2 (ja) | クーラントゴミ回収装置 | |
JP4402375B2 (ja) | 処理液に含まれる油等の混入物除去方法および装置 | |
JP2003019637A (ja) | 工作機械用クーラントの清浄装置 | |
KR101788816B1 (ko) | 미세칩 건조 및 절삭유 회수장치 | |
JPH10217119A (ja) | クーラント浄化装置 | |
JPH07299749A (ja) | 研削液の回収循環機構 | |
JPH06285741A (ja) | 吸引式循環液体清浄装置 | |
JP3037122U (ja) | 可搬式クーラント清浄装置 | |
KR20050043839A (ko) | 액체저장 탱크의 이동식 다기능 청소기 | |
CN213327170U (zh) | 一种磨床新型粉末过滤系统 | |
CN217287274U (zh) | 一种干湿分离的冷却油排渣装置 | |
JP2003019666A (ja) | 眼鏡レンズ加工用の研削水タンクユニット及びこれを備える眼鏡レンズ加工装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040217 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040518 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060531 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |