JP3029831U - 切りくずを含むクーラントの処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】主としてアルミ等の加工の工作機械に使用する
クーラントのリサイクル処理に利用するもので，クーラ
ント中の切りくず，及びスラッジを吸い上げ，多段式フ
イルタ濾過装置で大小形状に関係なく効率良く処理す
る。 【解決手段】吸引濾過タンク１を主体とし，上部に吸引
ポンプ３を搭載し，内部に複数の多段式フイルタ室４を
備え，下部は濾過クーラント用小タンク７となり，その
他排出ポンプ９，電気制御箱１５等の関係器具をキャリ
ヤ２上にまとめた処理ユニットになっており，吸引ホー
ス１４先端の吸引管１３を被清掃クーラントタンク１２
内に操作して清浄化処理を行う。尚多段式フイルタ５の
メッシュは，上から順に粗から細へと下がり，各フイル
タが容易に挿入出できる引出し式になっており，フイル
タ５上に堆積した切りくずの状態を濾過タンク１側面の
覗き窓１９で確認することが出来る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，主として切削加工の工作機械に使用するクーラントのリサイクル処 理に利用するもので，これの処理機にはアルミ切りくず等の非磁性体の場合，磁 気分離器が使用出来ず，又該アルミの比重が約２．７と軽くて沈澱による自然分 離が困難なため，タンク底からスクレーパで掻き上げるチップコンベア装置の使 用も不合理である。これに対し本考案の処理装置は，吸引管でタンク底付近一帯 の切りくず，及びスラッジを吸い上げ，これを廃棄が容易な引き出し式多段フイ ルタで濾過，水切りを，該切りくずの大小形状に関係なく効率良く行うので，特 に清浄処理が困難なアルミの切りくずを含むクーラントのリサイクルを，安心し て継続することができる。

【０００２】

【従来の技術】

従来の該アルミの切りくずを含むクーラントの処理，及びタンク内に溜まった スラッジの清掃装置としては，図２にその一例を示すように，エヤー作動吸引ポ ンプ５１と，スラッジバッグ５２を収めたエヤー強制濾過筒５３とから構成され ，該吸引ポンプ５１でクーラントタンク５４内のスラッジ５５をクーラント５６ と共に吸引し強制濾過筒５３へ送り込み，スラッジバッグ５２に捕集スラッジが 満杯になれば吸引ポンプ５１の運転を止め，強制濾過筒５３にエヤーを圧送して 捕集スラッジの脱水を行い，スラッジバッグ５２を取り出して内部のスラッジを 廃棄し，このスラッジバッグ５２を強制濾過筒５３内に戻して前記操作を繰り返 すバッチ式処理装置があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記のように，強制濾過筒５３を更新しながらの該クーラントのリサイクル操 作は，強制濾過筒５３のスラッジバッグ５２に捕集スラッジが満杯になる毎に， 先ず吸引ポンプ５１の運転を止めて強制濾過筒５３にエヤーを圧送し，捕集スラ ッジの強制脱水を行って内部のエヤー圧を抜き，該スラッジバッグ５２を取り出 してスラッジを廃棄し，元に収めて運転を再開するのであるが，これ以外に処理 プログラムに合わせたバルブ開閉操作，強制濾過筒５３内部の残留エヤー圧の確 認等，面倒な操作，及び配慮が必要であり，これを怠れば処理不良となるだけで なく危険を伴う作業ともなり，操作が簡単でしかも安全な装置の開発が期待され ていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は，上述した問題を解決するために成されたもので，アルミ等の軽い切 りくずを含むクーラントのリサイクル用処理装置に於いて，吸引濾過タンクを主 体とし，上部に吸引ポンプを搭載し，内部に複数の多段式フイルタ室と，これに 連なる吸引ポンプ用エヤー通路を該フイルタ室の片側に設け，該フイルタ室を下 部以下まで隔離して，吸引ポンプに該濾過クーラント，及び切りくずの吸引付着 を防止し，又該多段式フイルタを挿入出の容易な引き出し式とし，更にこのフイ ルタに捕集切りくずの堆積状態を覗き見が出来る構成としたことを特徴とした， アルミ等の切りくずを含むクーラントの処理装置である。

【０００５】

【作 用】

本考案のアルミ等の切りくずを含むクーラントの処理装置は，吸引濾過タンク （以下濾過タンクと言う）を主体とし，上部に吸引ポンプを搭載し，内部に複数 の多段式フイルタ室を備え，下部は濾過クーラント用小タンクとなって外部の排 出ポンプに配管されている。該多段式フイルタ室の片側には隔離された該吸引ポ ンプ用エヤー通路があり，これが該フイルタ室の隔壁下端と，下部小タンク内の クーラントの液面間に残されるエヤー通路で連通される。尚多段式フイルタのメ ッシュは上から順番に粗から細へと下がり，各フイルタは容易に挿入出できる引 出し式になっている。そこで該吸引ポンプを運転して該濾過タンク内を負圧とし ，このタンクから出ている延長ホースの先端に取り付けた吸引パイプで，クーラ ントタンク底一帯の浮遊，又は沈澱，堆積の切りくず，及びスラッジ（以下切り くずと言う）をクーラントと共に吸い上げ，該濾過タンク内に吸い込ませると， 濾過分離されたクーラントが落下して下部の小タンクに溜まり，エヤーは該排出 ポンプで外部に排出される。又該濾過タンク内を負圧にしている該吸引ポンプは ，該フイルタ室を通過したエアーが，下部小タンクの濾過クーラントの管理され た液面上の空間から，フイルタ室の片側に隔離された該吸引ポンプ用エヤー通路 を上るので，該濾過クーラント，及び切りくずを含まないエヤーのみが該吸引ポ ンプに吸い込まれ，該吸引ポンプが汚損されない。

【０００６】

【実施例】

本考案のアルミ等の切りくずを含むクーラントの処理装置の実施例を図１に基 づいて説明する。 吸引濾過タンク１は，横断面が矩形の角形ではあるが底面が一方向の傾斜面と なり，手押しアームが付いたキャリヤ２上に設置されている。この濾過タンク１ には，上部に吸引ポンプ３がこれの上蓋が操作出来る状態に搭載され，中程に複 数の多段式フイルタ室４が備えられ，この多段式フイルタ５のメッシュは上から 順番に粗から細へと下がり，各フイルタは内部の気密が保たれる開閉カバー６を 介して容易に挿入出できる引出し式となり，下部は底面が一方向の傾斜面となっ た濾過クーラント用小タンク７で，この傾斜底にクーラント排出用ソケット８が 付き，これからキャリヤ２上に別設置の排出ポンプ９に配管され，該クーラント の排出を行う。又多段式フイルタ室４の天井，及び片側には隔離された吸引ポン プ３用のエヤー通路１０が形成され，この隔壁の下端は小タンク７内に溜まる濾 過クーラントの上面間にエヤー通路１１が残されるまで延びている。その他被清 掃クーラントタンク１２から該切りくずを吸い上げる吸引管１３，この吸引管１ ３から濾過タンク１間の吸引ホース１４，又これ等の収納箱（図示なし），及び 電気制御箱１５がキャリヤ２上に設置されている。

【０００７】 このような構造のアルミ等の切りくずを含むクーラントの処理装置において， 吸引ポンプ３を運転して，吸引ホース１４を延ばし先端の吸引管１３を被清掃ク ーラントタンク１２内に操作して該切りくずをクーラントと共に吸い上げ，多段 式フイルタ室４に吸い込ませる。この多段式フイルタ５は上から順番に粗から細 へと構成されているので切りくずもその順序に補集され，総体的に各フイルタの 目詰まり時間が延長され，更に該切りくずの水切りも良好になっている。そして この多段フイルタ５上に補集切りくずが満杯になれば，適宜取り出して廃棄し， 該フイルタを清掃して元に収める。下部の小タンク７内に溜まる濾過クーラント は上面のレベルがレベルスイッチ１７で管理され，これの検知によりバルブ１８ を自動操作し，排出ポンプ９を運転して該クーラントを排出する。尚このクーラ ントのレベルは，多段式フイルタ５を通過した吸引エヤーが吸引ポンプ用エヤー 通路１０へ流走の際，該クーラントを吸い上げない間隔のエヤー連絡通路１１を 保持している。従って吸引ポンプ３に該クーラント，及び切りくずが吸い込まれ ることがなく通常の吸引ポンプに使用している様な保護フイルタが不要であり， これの抵抗による吸引ロスを無くし吸引効率を向上させている。又多段式フイル タ５上に補集切りくずの堆積状態は，濾過タンク１の側面に設けた透明板の覗き 窓１９で容易に確認できる。尚本装置は，吸引ポンプ３に電動機を使用している が，これはエヤー圧によるタービン式，或いはエジェクタによる負圧作成方式と し，又キャリヤ２を自走式にしても良くこれ等は個々の状況に合わせて適宜相応 に決めるもので本実施例に限定するものでない。

【０００８】

【考案の効果】

本考案によれば，磁気分離器が使用出来ない非磁性体のアルミ状切りくずの処 理として，吸引ポンプ３を搭載した吸引濾過タンク１，その他排出ポンプ９，電 気制御箱１５等の関係器具をキャリヤ２上にまとめた処理ユニットにしてあるの で，これを被清掃クーラントタンク１２に搬接し，該タンクのクーラントのメン テナンスが容易で簡単な操作で出来，多いに利用効果の高い装置である。又濾過 タンク１内の多段式フイルター室４と，これに連なる吸引ポンプ用エヤー通路１ ０を該フイルタ室の下部以下まで隔離し，この隔壁下端と下部の小タンク７内の 濾過クーラントの液面間にエヤー連絡通路１１が作ってあるので，該フイルタを 通過した吸引エヤーが該濾過クーラントを吸引ポンプ３に吸い込ませることなく ，従って吸引ポンプ３の寿命を延長し能力の低下を防止している。更に多段式フ イルタ５が引き出し式になっているので，これの挿入出操作が容易であり，捕集 切りくずの水切りも良く，又該補集切りくずの該フイルタ５上の堆積状態を，濾 過タンク１の側面の覗き窓１９から容易に確認できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のアルミ等の切りくずを含むクーラント
の処理装置の実施例の一部説明及び断面を含む正面図

【図２】従来のアルミ等の切りくずを含むクーラントの
処理装置の一例を示す説明図

【符号の説明】 １・・・吸引濾過タンク １３・・・吸引管 （濾過タンク） ２・・・キャリヤ １５・・・
電気制御箱 ３・・・吸引ポンプ １７・・・
レベルスイッチ ４・・・多段式フイルタ室 １９・・・
覗き窓 ５・・・多段式フイルタ ５１・・・
吸引ポンプ ６・・・開閉カバー ５２・・・
スラッジバッグ ７・・・小タンク ５３・・・
強制濾過筒 ９・・・排出ポンプ ５４・・・
クーラントタンク １０・・・吸引ポンプ用エヤー通路 ５５・・
・スラッジ １１・・・エヤー連絡通路 ５６・・
・クーラント １２・・・被清掃クーラントタンク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】切りくずを含むクーラントのリサイクル用
   処理装置に於いて，吸引濾過タンクを主体とし，上部に
   吸引ポンプを搭載し，内部に複数の多段式フイルタ室
   と，これに連なる吸引ポンプ用エヤー通路を該フイルタ
   室の片側に設け，該フイルタ室を下部以下まで隔離し
   て，吸引ポンプに該濾過クーラント，及び切りくずの吸
   引付着を防止し，又該多段式フイルタを挿入出の容易な
   引き出し式とし，更にこのフイルタに捕集切りくずの堆
   積状態を覗き見が出来る構成とした，切りくずを含むク
   ーラントの処理装置。