JP3813014B2 - 速硬化ポリウレタン組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂シート成形体の背面に噴霧することによって高い耐熱性と強靱性のポリウレタン樹脂の被覆を形成するのに用いられるポリウレタン組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液状ポリウレタン形成成分を噴霧することによりポリウレタン被覆を形成することはそれ自体公知であり、液状ポリウレタン形成成分は、高圧または低圧計量・混合装置により連続的に吐出される。また高い耐熱性と強靱性を得るために多官能で比較的分子量の小さいポリエーテルポリオールとポリフェニルメタンポリイソシアネートを反応させる方法がある。この方法では、たて状の表面を被覆するために多量の非常に活性の鉛、カリウム、錫などの有機酸塩が成分の流れを防止するために一般的に用いられる。
【0003】
不幸にも、これらの多量の有機酸塩(有機金属触媒)はポリウレタン硬化物の劣化を早める性質がある。ポリエーテルポリアミンおよび/または芳香族ジアミンを用いると、好ましいポリウレタン硬化物が得られるが、反応により生じる発熱で合成樹脂シートの軟化が生じて十分な接着力が得られないばかりか、合性樹脂シートが変形したり、ポリウレタン硬化物の成形収縮が大きいため、最終製品に内部歪みが残存する欠点があった。
【0004】
また、上記ポリウレタン被覆は、高い耐熱性と強靱性を得るために気泡の混入を出来るだけ妨げる方策がとられているのが一般的であり、被覆するポリウレタン樹脂の重量は、相当重い物であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリウレタン形成混合物が非常に急速にゲル化するとき、たて状の表面でさえ成分が流れることなく表面に付着し、反応により生じる発熱を低減するとともに、ポリウレタン硬化物の収縮が実質的に伴わずかつ、有機金属触媒を使用しない室温硬化可能で連続計量・混合装置による噴霧加工に適し、高い耐熱性と強靱性のポリウレタン硬化物を与えるポリウレタン組成物を得ることにある。
さらに、本発明の目的は、高い耐熱性と強靱性を失うことなく軽量化するために、連続多層噴霧法を用い、中間に低発泡層を有する3層構造のポリウレタン被覆を形成するのに適したポリウレタン組成物を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリオール/ポリアミン/無機充填材/第3級アミン触媒からなる成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とからなる液状ポリウレタン組成物であって、
成分(A)と成分(B)の[OH+NH2]/NCOのモル比は0.80〜1.20であり、
成分(A)が、以下の成分:
(A1)400〜1000の分子量を有するポリエーテルポリオール、
(A2)500未満の分子量を有する芳香族ポリアミン、
(A3)成分(A)に基づいて10〜40重量%の粉末状の無機充填材、
(A4)成分(A)に基づいて0.1〜5重量%の脂肪族第3級アミン触媒、
を含んでなる液状混合物であり、
成分(B)が、2.0以上のNCO官能性を有するポリイソシアネート成分であって、芳香族ポリイソシアネートとアルキレンオキシドポリオールを10:1〜100:1のNCO/OHモル比にて反応させて得られるポリイソシアネート成分であることを特徴とするポリウレタン組成物に関する。
【0007】
ポリオール成分(A)は、15000mPa・s/25℃未満、好ましくは5000〜10000mPa・s/25℃、さらに好ましくは約8000mPa・s/25℃の粘度を有する液状混合物であってよく、3.5〜5.0の平均官能性を有する液状混合物であることが好ましい。
【0008】
ポリエーテルポリオール(A1)は、官能基(ヒドロキシル基)数4〜6の多官能アルコールを出発物質としてアルキレンオキシドを付加重合した400〜1000(特に500〜800)の分子量を有するポリエーテルポリオール、および/または官能基(アミノ基)数3〜5の多官能脂肪族アミンを出発物質としてアルキレンオキシドを付加重合した400〜1000(特に400〜600)の分子量を有するポリエーテルポリオールであってよい。アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドであってよい。
官能基数4〜6の多官能性アルコールの例は、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトールである。
官能基数3〜5の多官能性脂肪族アミンの例は、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジエチレントリアミンである。
【0009】
好ましいポリエーテルポリオール(A1)は、ペンタエリスリトールおよび/またはエチレンジアミンもしくはジエチレントリアミンを出発物質としてプロピレンオキシドを付加重合したポリプロピレンオキシドポリオールである。官能基数4〜6の多官能性アルコールを出発物質とした400〜1000の分子量を有するポリプロピレンオキシドポリオールは、比較的低粘度で多量の無機充填材を添加することが可能となり反応による発熱を十分低く押さえることができる。エチレンジアミンまたはジエチレントリアミンを出発物質とし、ポリプロピレンオキシドを付加重合した400〜600の分子量を有するポリエーテルポリオールは、高い耐熱性と強靱性のポリウレタン被覆を形成する。
【0010】
特に、官能基数4の多官能性アルコールを出発物質としてプロピレンオキシドを付加重合した分子量500〜800を有するポリエーテルポリオールと、エチレンジアミンを出発物質としプロピレンオキシドを付加重合した400〜600の分子量を有するポリエーテルポリオールとを2:1〜5:1のモル比で混合したポリエーテルポリオール混合物が好ましい。このポリエーテルポリオール混合物は、噴霧反応中非常に早くゲル化し反応による発熱を合成樹脂シート成型体の軟化をもたらさないまでおさえ、かつ高い耐熱性と強靱性のポリウレタン被覆を形成する。
【0011】
500未満の分子量を有する芳香族ポリアミン(A2)は、液状であってよく、アミノ基を2つ有する芳香族ポリアミンであることが好ましい。芳香族ポリアミンは置換芳香族ジアミンであることが好ましい。置換芳香族ジアミンはアルキル基で置換された芳香族ジアミンであってよい。置換芳香族ジアミンは、例えば、2,6−ジアルキル−1,3−ジアミノ−4−メチルベンゼンおよび/または4,6−ジアルキル−1,3−ジアミノ−2−メチルベンゼンもしくはそれらの混合物からなる群から選択されてよい。
【0012】
芳香族ポリアミン(A2)として、2,6−ジエチル−1,3−ジアミノ−4−メチルベンゼンおよび/または4,6−ジエチル−1,3−ジアミノ−2−メチルベンゼンを用いることが特に好ましい。さらに好ましくは、2,6−ジエチル−1,3−ジアミノ−4−メチルベンゼン約60〜85重量%および4,6−ジエチル−1,3−ジアミノ−2−メチルベンゼン約40〜15重量%からなる異性体混合物を用いてよい。置換芳香族ジアミンの反応性は非置換芳香族ジアミンよりも劣り、かつ噴霧されたポリウレタン混合物の急速な増粘をもたらすことにより、たて状の表面でさえ流れることなく被覆を形成するのに十分な反応性を与えるのみならず、またそれらは揮発性も低い。
【0013】
芳香族ポリアミン(A2)は、ポリエーテルポリオール(A1)と、約5:1〜50:1、好ましくは10:1〜40:1のOH/NH2のモル比で混合されてよい。
【0014】
粉末状の無機充填材(A3)は、珪酸アルミニウムカリウム、シリカ、ゼオライトまたはそれらの混合物からなる群から選択されてよい。
粉末状の無機充填材(A3)は、これを添加することによって、ポリウレタン形成混合物の反応による発熱を低減し、ポリウレタン硬化物の収縮を実質的に無くし、ポリウレタン被覆の高い耐熱性と強靱性を与える無機充填材(A3)の添加量は、成分(A)に対し10〜40重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜30重量%である。無機充填材(A3)は、単独または混合して使用することができ、またその他の無機充填材、例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、クレー、二酸化チタンと混合して使用することができる。
【0015】
脂肪族第3級アミン触媒(A4)は、それ自体公知の触媒であってよく、例えば、N−メチルモルホリン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N'−ジメチルベンジルアミン、N,N'−ジメチルシクロヘキシルアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,4−ジアザ−(2,2,2)−ビシクロオクタンが挙げられる。
【0016】
脂肪族第3級アミン触媒(A4)として使用するのに適したイソシアネート反応性水素原子含有第3級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N'−ジメチルエタノールアミンが挙げられる。
脂肪族第3級アミン触媒(A4)として、1,4−ジアザ−(2,2,2)−ビシクロオクタンを用いることが特に好ましい。脂肪族第3級アミン触媒(A4)の添加量は、成分(A)に対し0.1〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜3.0重量%であってよい。
【0017】
本発明の成分(A)は、さらに(A5)水および(A6)シリコーン成分を含んでよい。水およびシリコーン成分を含む成分(A)は、15000mPa・s/25℃未満、好ましくは4000〜8000mPa・s/25℃、さらに好ましくは約6000mPa・s/25℃の粘度であってよく、3.5〜5.0の平均官能性を有する混合物であることが好ましい。
【0018】
本発明に用いる水(A5)は、好ましくは蒸留水が用いられるべきであるが、工業用水が用いられても何ら問題はない。水の添加量は、成分(A)に対し1.0重量%未満であることが好ましいが、さらに好ましくは0.2〜0.4重量%である。
【0019】
シリコーン成分(A6)としては、ポリオキシアルキレンジメチルシロキサンコポリマーが挙げられる。シリコーン成分(A6)は、ポリウレタン形成成分に表面活性効果を与え、イソシアネートと水との反応により生成する炭酸ガスによって気泡の形成が微細でしかも独立するよう安定化させるものが好ましく、比較的コポリマー分子量の小さいものから選択されるべきである。シリコーン成分(A6)の添加量は、成分(A)に対し3.0重量%未満であることが好ましいが、さらに好ましくは0.5〜1.0重量%である。
【0020】
成分(B)は、2.0以上のNCO官能性および6000mPa・s/25℃未満の粘度を有する液状ポリイソシアネート成分であってよく、芳香族ポリイソシアネートとアルキレンオキシドポリオールを反応して得られる反応生成物(NCOプレポリマー)であってよい。
【0021】
芳香族ポリイソシアネートは、アニリンおよび/またはC1〜C4モノ−またはジ−核アルキル化アニリンとホルムアルデヒドとの縮合生成物のホスゲン化生成物である液状芳香族ポリイソシアネートであってよく、4,4'−異性体に加えて、それらはまた少量の2,4'−異性体、2,2'−異性体および任意に多核ポリイソシアネートを含有してもよい。芳香族ポリイソシアネートの粘度は、1000mPa・s/25℃未満、好ましくは500mPa・s/25℃未満であってよい。
【0022】
アルキレンオキシドポリオールは、官能基数4〜6および400〜1000、好ましくは500〜800の分子量を有するプロピレンオキシドポリオールであってよい。アルキレンオキシドポリマーを製造するための好ましい開始剤は、ヒドロキシル基を4〜6個有する多価アルコールである。
【0023】
NCOプレポリマーを得るための芳香族ポリイソシアネートとアルキレンオキシドポリオールの反応は、10:1〜100:1、好ましくは40:1〜80:1のNCO/OHの比率で行ってよい。ポリイソシアネート成分(B)は、6000mPa・s/25℃未満、好ましくは3000mPa・s/25℃未満の粘度を有してよい。
【0024】
本発明によるポリウレタン組成物は、2成分(成分(A)および成分(B))を計量、供給および混合する装置によってそれぞれ混合ヘッドに導入され、攪拌機または静的混合機により混合され、その後圧縮空気の助けをかりて噴霧される。成分はギヤポンプにより計量・供給される。反応混合物は、それ自体流動性を有しないばかりか噴霧してから常温(0〜30℃)で10秒〜30秒で硬化するので、たて状の表面に噴霧される場合でも硬化段階での流れは生じず、滑らかな表面を形成する。
成分(A)における[OH+NH2]と成分(B)におけるNCOのモル比は0.80〜1.20、好ましくは0.90〜1.10である。
本発明のポリウレタン組成物は、常温硬化性で無溶媒である。
【0025】
本発明によるポリウレタン組成物は、合成樹脂成形体(特に、シート状成形体)の背面に被覆することにより、高い耐熱性と強靱性を与えることができる。本発明により被覆され得る合成樹脂成形体は、例えば、メチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABSポリマーである。
【0026】
適用例は、合成樹脂シート成形体の背面に被覆することであり、例えば、浴槽、洗面ボウル、化粧棚、ユニット浴室等の被覆がある。
本発明のポリウレタン組成物は、合成樹脂成形シートの背面に噴霧することにより、90℃を越える熱変形温度を有し、しかも経済的に容認できる被覆重量で好ましい強靱性を有した被覆を形成できる。
【0027】
成分(A)と成分(B)とを反応して得られる実質的に気泡を含まない樹脂からなる2つ層の間に、中間層として,水およびシリコーン成分を含有する成分(A)と成分(B)とを反応して得られる気泡を含有した樹脂からなる層を有する3層構造の被覆を形成すると特に利点がある。何故なら、上記3層構造のポリウレタン被覆は、高い耐熱性と強靱性を失うことなく軽量化することができ、さらに中間層が優れた断熱性を与えるからである。もちろん成分(A)と成分(B)とを反応して得られる単一層の被覆であっても本発明の目的を妨げるものではない。
【0028】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
粘度の測定
JIS K 1557に定める方法に従い、同期電動回転式粘度計を用いて、試料の温度25℃で測定した。
実施例1
成分(A)
以下の成分(A1)〜(A4)を混合して成分(A)を調製した:
(A1)ペンタエリスリトールにプロピレンオキシドを付加して得られたポリエーテル(分子量約550)と、エチレンジアミンにプロピレンオキシドを付加して得られたポリエーテル(分子量約480)をモル比で3:1に混合して得られたポリエーテルポリオール70重量部、
(A2)2,6−ジエチル−1,3−ジアミノ−4−メチルベンゼンと4,6−ジエチル−1,3−ジアミノ−2−メチルベンゼンとの重量比65:35の混合物1.5重量部、
(A3)珪酸アルミニウムカリウム27.5重量部、および
(A4)1,4−ジアザ−(2,2,2)−ビシクロオクタンとジプロピレングリコールとを1:2に混合した触媒1重量部。
成分(A)の粘度は、8000mPa・s/25℃であった。
【0029】
成分(B)
アニリンとホルムアルデヒドとの縮合生成物をホスゲン化することによって製造されたポリイソシアネート(31.5%のNCO含有量および200mPa・s/25℃の粘度を有する) 95重量部と、ペンタエリスリトールにプロピレンオキシドを付加して得られたポリエーテル(分子量約480) 5重量部とを反応させて、28重量%のイソシアネート含有量を有するNCOプレアダクトを形成した(粘度1300mPa・s/25℃)。
100重量部の成分(A)と88重量部の成分(B)(成分(A)と成分(B)の[OH+NH2]/NCOのモル比:1.00/1.10)を、2成分計量・供給および混合する装置によってそれぞれ混合ヘッドに導入し、攪拌機により混合し、その後圧縮空気の助けを借りて噴霧した。反応混合物は噴霧してから15秒後に硬化した。その物質を直立した合成樹脂シートの表面に噴霧した場合、流れは生じず滑らかな表面を形成した。反応熱による発熱は、5mm厚さの塗布で50℃、8mm厚さの塗布で65℃であった。
機械的性質を、表1に示す。
【0030】
実施例2
珪酸アルミニウムカリウム27.5重量部の代わりに、珪酸アルミニウムカリウム22重量部、ゼオライト粉末2重量部、シリカ2重量部および2酸化チタン1.5重量部を混合した無機充填材を用いた以外は実施例1の手順を繰り返した。成分(A)の粘度は、7700mPa・s/25℃であった。
機械的性質を、表1に示す。
【0031】
実施例3
実施例1に記載の成分(A)に、成分(A)中の水分含有量が0.3%となるに必要な重量部の蒸留水(A5)およびポリオキシアルキレンメチルシロキサンコポリマー(日本ユニカー社、L6900)(A6)1重量部を加えた。成分(A)の粘度は、6400mPa・s/25℃であった。
成分(B)として、実施例1記載の28重量%のイソシアネート含有量を有するポリイソシアネート成分を使用した。
【0032】
100重量部の成分(A)と94重量部の成分(B)(成分(A)と成分(B)の[OH+NH2]/NCOのモル比:1.00/1.10)を、2成分計量・供給および混合する装置によってそれぞれ混合ヘッドに導入し、攪拌機により混合され、その後圧縮空気の助けを借りて噴霧した。反応混合物は噴霧してから25秒後に硬化した。その物質をたて状の合成樹脂シートの表面に噴霧した場合、流れは生じず滑らかな表面を形成した。反応熱による発熱は、5mm厚さの塗布で50℃、8mm厚さの塗布で65℃であった。
機械的性質を、表1に示す。
【0033】
比較例1
成分(A’)
以下の成分(A1’)、(A3’)および(A4’)を混合して成分(A’)を調製した:
(A’1)トリメチロールプロパンにプロピレンオキシドを付加して得られたポリエーテル(分子量約460)とトリメチロールプロパンにプロピレンオキシド(87モル%)およびエチレンオキシド(13モル%)を付加して得られたポリエーテル(分子量約4800)をモル比で60:1に混合して得られたポリエーテルポリオール71.5重量部、
(A’3)炭酸カルシウム27.5重量部、および
(A’4)ジブチル錫ジラウレートと1,4−ジアザ−(2,2,2)−ビシクロオクタンとジプロピレングリコールを1:1:2の重量比で混合した触媒1重量部。
成分(A’)の粘度は、3500mPa・s/25℃であった。
【0034】
成分(B’)
アニリンとホルムアルデヒドとの縮合生成物をホスゲン化することによって製造されたポリイソシアネート(31.5%のNCO含有量および200mPa・s/25℃の粘度を有する)を使用した。
100重量部の成分(A’)と60重量部の成分(B’)(成分(A’)と成分(B’)の[OH+NH2]/NCOのモル比:1.00/1.10)は、2成分計量・供給および混合する装置によってそれぞれ混合ヘッドに導入され、攪拌機により混合され、その後圧縮空気の助けを借りて噴霧した。反応混合物は噴霧してから15秒後に硬化した。その物質をたて状の合成樹脂シートの表面に噴霧した場合、流れは生じず滑らかな表面を形成した。反応熱による発熱は、5mm厚さの塗布で50℃、8mm厚さの塗布で70℃であった。
機械的性質を、表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
密度 :JIS K 6911に従って測定した。
硬さ :JIS K 7312に従って測定した。
曲げ強さ :JIS K 6911に従って測定した。
曲げ弾性率:JIS K 6911に従って測定した。
熱変形温度:JIS K 6911に従って測定した。
線膨張係数:JIS K 6911に従って測定した。
【0037】
【発明の効果】
本発明の速硬化性の無溶媒液状ポリウレタン組成物は、連続計量混合装置で合成樹脂成形シートの背面に連続的に噴霧することにより、高い耐熱性と強靱性のポリウレタン被覆を形成するものであり、従来のポリウレタン形成成分の欠点である、ポリウレタン硬化物の経時劣化および反応による発熱により生じる合成樹脂シートの変形、接着力の不足、内部歪みの残存をなくした被覆を形成することができる。ポリウレタン形成混合物が非常に急速にゲル化するので、たて状の表面でさえ流れることなく付着し、しかも室温硬化が可能であるという画期的な効果をもたらす。
Claims (2)
- ポリオール/ポリアミン/無機充填材/第3級アミン触媒からなる成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とからなる液状ポリウレタン組成物であって、
成分(A)と成分(B)の[OH+NH2]/NCOのモル比は0.80〜1.20であり、
成分(A)が、以下の成分:
(A1)官能基数4〜6の多官能アルコールを出発物質としてアルキレンオキシドを付加重合した400〜1000の分子量を有するポリエーテルポリオールと、官能基数3〜5の多官能脂肪族アミンを出発物質としてアルキレンオキシドを付加重合した400〜1000の分子量を有するポリエーテルポリオールとの混合物である400〜1000の分子量を有するポリエーテルポリオール、
(A2)500未満の分子量を有する芳香族ポリアミン、
(A3)成分(A)に基づいて10〜40重量%の粉末状の無機充填材、および
(A4)成分(A)に基づいて0.1〜5重量%の脂肪族第3級アミン触媒、
を含んでなる液状混合物であり、
成分(B)が、2.0以上のNCO官能性を有するポリイソシアネート成分であって、芳香族ポリイソシアネートと官能基数4〜6のプロピレンオキシドポリオールを10:1〜100:1のNCO/OHモル比にて反応させて得られる粘度が6000 mPa ・ s /25℃未満のポリイソシアネート成分である
ことを特徴とするポリウレタン組成物。 - 成分(A)が、さらに
(A5)水を0.2〜0.4重量%および独立気泡を形成する(A6)シリコーンを0.5〜1.0重量%を含有し、気泡を含有した樹脂からなる層が得られる請求項1記載のポリウレタン組成物。
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JPH11217418A (ja) | 1999-08-10 |
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