JP3811771B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品収容室内に複数のコラムを有し、それら各コラム内に収容された商品を冷却または加温して販売する自動販売機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
缶或いは瓶入り飲料などの商品を販売する自動販売機においては、一般に、本体内に、複数の商品収容室が設けられていると共に、それら各商品収容室内に複数のコラムが設けられていて、それら各コラム内に商品が収容されている。そして、各商品収容室内に冷気を供給して商品を冷却するための冷却手段及び熱気を供給して商品を加温するための加温手段が設けられており、もって、商品を飲みごろの温度に冷却あるいは加温して販売するようになっている。
【0003】
そして、この種の自動販売機においては、商品を飲みごろの温度に冷却あるいは加温するために、商品収容室の温度を温度センサにより検出し、その温度センサにより検出した検出温度に基づき、制御手段により商品収容室の温度が予め設定された設定温度となるように、上記冷却手段及び加温手段の動作を制御するようになっている。この場合、商品収容室の温度は、常に一定の設定温度(例えば、冷却の場合には約3℃、加温の場合には約59℃)となるように制御されるようになっている。
【0004】
ところで、この種の自動販売機においては、商品収容室の温度を検出する温度センサは、一つの商品収容室に対して通常1個設けられていて、その1個の温度センサの検出温度に基づいて商品収容室の温度が制御されるようになっている。また、一つの商品収容室内の各コラムの商品の温度をみると、冷却している場合には、下部に存する商品は設定温度まで冷却されていても、上部に存する商品は設定温度よりも高くなっており、また、加温している場合には、下部に存する商品は設定温度まで加温されていても、上部に存する商品は設定温度よりも低くなっているのが実情である。そして、商品は、各コラムの最下部のものから順に販売され、これに伴い上部に存していた商品が徐々に下がってくることになる。
【0005】
従来の自動販売機においては、上述したように、商品収容室の温度は、常に一定の設定温度となるように制御されるようになっていたため、次のような不具合があった。
【0006】
例えば、冷却仕様の一つの商品収容室において、温度センサ近くのコラムの商品はよく売れるが、それ以外のコラムの商品はほとんど売れないような場合、商品がよく売れる温度センサ近くのコラムでは、上部に存していた比較的温度の高い商品が次々に下がってくるため、その商品に近い温度センサの検出温度はなかなか設定温度(冷却運転を停止する停止温度)まで下がらず、冷却運転が継続して行われることになる。ところが、商品がほとんど売れないコラムでは、商品は十分に冷えているにもかかわらず、引き続いて冷却されることになるため、過冷却となって凍結してしまうおそれがある。
【0007】
一方、上述とは逆に、温度センサ近くのコラムの商品はほとんど売れず、それ以外のコラムの商品がよく売れるような場合、商品がほとんど売れない温度センサ近くのコラムでは商品の移動がほとんどないため、その商品に近い温度センサの検出温度が一旦、設定温度まで達して冷却運転が停止されると、温度センサの検出温度が冷却運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、冷却運転がなかなか再開されないことになる。ところが、このとき、商品がよく売れているコラムでは、商品が十分に冷えていないにもかかわらず、販売されてしまうことになる。
【0008】
また、加温仕様の商品収容室でも、上記冷却仕様の場合と同様な不具合が発生することがある。すなわち、加温仕様の一つの商品収容室において、温度センサ近くのコラムの商品はよく売れるが、それ以外のコラムの商品はほとんど売れないような場合、商品がよく売れるコラムでは、上部に存していた比較的温度の低い商品が次々に下がってくるため、その商品に近い温度センサの検出温度はなかなか設定温度(加温運転を停止する停止温度)まで上がらず、加温運転が継続して行われることになる。ところが、商品がほとんど売れないコラムでは、商品は十分に加温されているにもかかわらず、引き続いて加温されることになるため、加熱し過ぎてしまうおそれがある。
【0009】
一方、上述とは逆に、温度センサ近くのコラムの商品はほとんど売れず、それ以外のコラムの商品がよく売れるような場合、商品がほとんど売れない温度センサ近くのコラムでは商品の移動がほとんどないため、その商品に近い温度センサの検出温度が一旦、設定温度まで達して加温運転が停止されると、温度センサの検出温度が加温運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、加温運転がなかなか再開されないことになる。ところが、このとき、商品がよく売れているコラムでは、商品が十分に加温されていないにもかかわらず、販売されてしまうことになる。
【0010】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、商品を冷却または加温して販売するものにおいて、販売時の商品温度を極力安定化することができる自動販売機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記した目的を達成するために、商品収容室内に複数のコラムを有し、それら各コラム内に収容された商品を冷却手段により冷却して、または加温手段により加温して販売する自動販売機において、
商品の販売データを記憶する記憶手段と、
前記商品収容室の温度を検出する温度センサと、
この温度センサの検出温度に基づき前記商品収容室の温度を設定された設定温度となるように前記冷却手段または前記加温手段の動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記商品収容室の冷却サイクルまたは加温サイクルと、前記複数のコラムのうち前記温度センサに近いコラムとそれ以外のコラムの販売状況とに基づいて、前記冷却手段または加温手段の動作温度を変更して制御することを特徴とするものである。
【0012】
例えば、冷却仕様の一つの商品収容室において、温度センサ近くのコラムの商品はよく売れるが、それ以外のコラムの商品はほとんど売れないような場合には、商品がよく売れるコラムに近い温度センサの検出温度はなかなか設定温度(冷却運転を停止する停止温度)まで下がらず、冷却運転が継続して行われることになる。このような場合には、冷却運転を停止する停止温度を通常よりも高くなるように変更することにより、温度センサの検出温度が通常の停止温度より高い温度で冷却運転が停止されるようになり、温度センサ近くのコラム以外のコラムの商品が過冷却になることを極力防止できるようになる。
【0013】
また、上述とは逆に、温度センサ近くのコラムの商品はほとんど売れず、それ以外のコラムの商品がよく売れるような場合、商品がほとんど売れない温度センサ近くのコラムでは商品の移動がほとんどないため、その商品に近い温度センサの検出温度が一旦、冷却運転を停止する停止温度まで達して冷却運転を停止すると、温度センサの検出温度が冷却運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、商品がよく売れているコラムでは商品が十分に冷えていないにもかかわらず、冷却運転がなかなか再開されないことがある。このような場合には、冷却運転を開始する開始温度を通常よりも低くなるように変更することにより、温度センサの検出温度が通常の開始温度より低い温度で冷却運転が再開されるようになり、商品がよく売れているコラムの商品も極力冷却することができて、飲みごろの温度にすることができるようになる。
【0014】
一方、加温仕様の一つの商品収容室において、温度センサ近くのコラムの商品はよく売れるが、それ以外のコラムの商品はほとんど売れないような場合には、商品がよく売れるコラムに近い温度センサの検出温度はなかなか加温運転を停止する停止温度まで上がらず、加温運転が継続して行われることになる。このような場合には、加温運転を停止する停止温度を通常よりも低くなるように変更することにより、温度センサの検出温度が通常の停止温度より低い温度で加温運転が停止されるようになり、温度センサ近くのコラム以外のコラムの商品が過加温されることを防止することができる。
【0015】
また、上述とは逆に、温度センサ近くのコラムの商品はほとんど売れず、それ以外のコラムの商品がよく売れるような場合、商品がほとんど売れない温度センサ近くのコラムでは商品の移動がほとんどないため、その商品に近い温度センサの検出温度が一旦、加温運転を停止する停止温度まで達して加温運転を停止すると、温度センサの検出温度が加温運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、商品がよく売れているコラムでは商品が十分に加温されていないにもかかわらず、加温運転がなかなか再開されないことがある。このような場合には、加温運転を開始する開始温度を通常よりも高くなるように変更することにより、温度センサの検出温度が通常の開始温度より高い温度で加温運転が再開されるようになり、商品がよく売れているコラムの商品も極力加温することができて、飲みごろの温度にすることができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例について図1ないし図8を参照して説明する。まず、図5及び図6において、自動販売機の本体1内には、図5に示すように、それぞれ商品収容室を構成する3つの室、この場合、左室2、中室3、及び右室4が設けられており、本体1の前面にはメイン扉5が設けられている。
【0017】
本体1内の各室2〜4には、それぞれ図6に示すように、上下方向に蛇行状をなすように延びるコラム6が複数列設けられており、各コラム6に缶入り飲料などの商品7が収容されている。商品7は、各コラム6に対して前面上部の商品投入口8から投入されるようになっている。この場合、3つの室2〜4のうち左室2と右室4にはそれぞれ10列のコラム6が設けられ、中室3には5列のコラム6が設けられている。各コラム6の下部には、最下部の商品7から1個ずつ排出するための商品排出装置9が設けられていて、この商品排出装置9により排出された商品7は、シュート10を通り、メイン扉5の下部に設けられた商品取出し口(図示せず)へ排出されるようになっている。
【0018】
上記した3つの各室2〜4は、後述するように、それぞれ冷却と加温との切り替えができる構成となっている。各室2〜4の下部の前部には、それぞれ温度センサである品温センサ12,13,14が設けられていて、これら品温センサ12,13,14により、各室2〜4の最前列のコラム6の最下部部分の温度が検出されるようになっている。本体1の最下部は機械室15とされていて、この機械室15内に、冷凍サイクルのコンプレッサ16、このコンプレッサ16を冷却するためのファン装置17、コンデンサ18や制御ボックス19などが設けられている。
【0019】
3つの各室2〜4の下部には、各室2〜4に対応して冷却器21〜23、電磁弁24〜26(図7参照)、ヒータ27〜29及びファン装置30〜32が設けられている。この場合、各室2〜4を冷却する場合には、各室2〜4に対応する冷却器21〜24により冷却された冷気を、各室2〜4に対応するファン装置30〜32により送り込むことにより対応する室2〜4が冷却され、また、各室2〜4を加温する場合には、各室2〜4に対応するヒータ27〜29により加熱された熱気を、各室2〜4に対応するファン装置30〜32により送り込むことにより対応する室2〜4が加温されるようになっている。
【0020】
従ってこの場合、冷凍サイクルのコンプレッサ16、コンデンサ18、冷却器21〜23(電磁弁24〜26)、ファン装置30〜32により、対応する室2〜4を冷却する冷却手段を構成し、また、ヒータ27〜29とファン装置30〜32により、対応する室2〜4を加熱する加熱手段を構成している。
【0021】
なお、前記メイン扉5の前面には、図示はしないが、販売する商品の見本が多数個展示されていると共に、各見本に対応して選択スイッチ35(図7参照)などが設けられている。
【0022】
一方、前記制御ボックス19内には、自動販売機の運転全般を制御する制御手段を構成するマイクロコンピュータ36が配設されている。このマイクロコンピュータ36には、現在時刻を認識するためのRTC(リアルタイムクロック)37、商品の販売データを記憶するための記憶手段を構成するメモリ38などが接続されていると共に、各室2〜4の品温センサ12〜14、外気温を検出する外気温センサ39、各室2〜4を加温と冷却とに切り替えるためのH/C切替スイッチ40〜42、各選択スイッチ35、売切れ検知スイッチ43などからの信号が入力されるように構成されている。
【0023】
そして、マイクロコンピュータ36は、それらの入力信号及び予め記憶されたプログラムにより、コンプレッサ16、コンプレッサ用ファン装置17のファンモータ17a、各室2〜4に対応するファン装置30〜32のファンモータ30a,31a,32a、各室2〜4に対応する電磁弁24〜26、各室2〜4に対応するヒータ27〜29、各商品排出装置9を駆動回路44を介して制御する機能を有している。
【0024】
次に、上記構成の作用について図1及び図2も参照して説明する。
まず、商品収容室である3つの各室2〜4は、H/C切替スイッチ40〜42により冷却仕様と加温仕様とに切り替えることができる。冷却仕様の場合には、マイクロコンピュータ36により、通常は、各室2〜4の設定温度は3℃とされ、その設定温度となるように、冷却手段のコンプレッサ16、対応する電磁弁24〜26及びファン装置30〜32のファンモータ30a〜32aが通断電制御される。また、加温仕様の場合には、同様にマイクロコンピュータ36により、通常は、各室2〜4の設定温度は59℃とされ、その設定温度となるように、加温手段の対応するヒータ27〜29及びファン装置30〜32のファンモータ30a〜32aが通断電制御される。
【0025】
この場合、3つの室2〜4がすべて冷却仕様に設定されているとする。
そして、購買者が金銭投入口に所定の金銭を投入した状態で、希望する選択スイッチ35が操作されると、マイクロコンピュータ36は、操作された選択スイッチ35に対応した商品排出装置9を作動させる。すると、コラム6の最下部の商品7がシュート10へ排出され、その商品7はシュート10を通って商品取出し口へ案内される。このとき、販売された商品7に関するデータ、例えば販売時刻や、室、コラム番号などのデータがメモリ38に記憶される。このようにして、商品7が販売されるごとに、その販売された商品7に関するデータがメモリ38に記憶されていく。
【0026】
ここで、マイクロコンピュータ36は、商品7が1個販売されるごとに、図1の設定温度の変更処理ルーチンを実行する。このルーチンは、メインルーチンに対して割り込みで実行される。商品が販売されると、まず、販売された商品の部屋を判定すると共に、判定コラム数nを決定する(ステップA1)。ここで、左室2及び右室4の場合には、コラム6の総数は共に10であり、判定コラム数nとしては例えば「5」を設定し、中室3の場合には、コラム6の総数は5であり、判定コラム数nとしては例えば「2」を設定する。
【0027】
次に、今回の販売が、前回の販売から3分以内か否かを判別し(ステップA2)、3分以内である場合には、今回販売された商品が、品温センサの位置のコラムの商品か否かを判別する(ステップA3)。今回販売された商品が品温センサの位置のコラムの商品である場合には、ステップA4において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品は、前1サイクル間にnコラム以上販売されたか否かを判別する。
【0028】
ここで、前1サイクルとは、図8の冷却の場合において、今回商品が販売された時点の前における、冷却開始から次に冷却が開始されるまでの間、もしくは冷却が停止されてから次に停止されるまでの間のことである。例えば、今回商品が販売された時点がP1であるとすると、前1サイクルとはS1のことであり、今回商品が販売された時点がP2であるとすると、前1サイクルとはS2のことである。また、nコラム以上の「n」は、ステップA1において決定した「n」のことであり、左室2及び右室4の場合には、nは5であり、中室3の場合には、nは2である。
【0029】
上記ステップA4において、品温センサの位置以外のコラムの商品は、前1サイクル間にnコラム以上販売されていない場合には、ステップA5において、設定温度の変更が上限が否かを判別する。冷却仕様の場合、通常の設定温度は例えば「+3℃」であり、上限は例えば2deg 高い「+5℃」である。ステップA5において、設定温度の変更が上限でない場合には、設定温度を0.5deg アップする(ステップA6)。この場合、設定温度は冷却運転の停止温度(+3℃)と同じであり、また、この場合の冷却運転の開始温度は、設定温度よりも例えば2deg 高い+5℃である。設定温度を例えば0.5deg 変更すると、冷却運転の開始温度も同様に0.5deg 変更されることになる。本発明では、冷却運転の停止温度と開始温度をまとめて動作温度としている。したがって、ステップA6において、設定温度を0.5deg アップすると、冷却運転の動作温度(開始温度及び停止温度)も0.5deg アップすることになる。ステップA6において設定温度を0.5deg アップしたら、メインルーチンへ戻る。
【0030】
なお、ステップA2において、今回の販売が前回の販売から3分以内でないと判別された場合、あるいは、ステップA4において、品温センサの位置以外のコラムの商品が、前1サイクル間にnより多く販売されていると判別された場合、あるいは、ステップA5において、設定温度の変更が上限であると判別された場合には、設定温度は変更せずに、メインルーチンへ戻る。
【0031】
ステップA3において、今回販売された商品が品温センサの位置のコラムの商品でない場合には、ステップA7において、品温センサの位置のコラムの商品は前1サイクル間に販売されたか否かを判別する。品温センサの位置のコラムの商品の販売がない場合には、ステップA8において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品は前1サイクル間にnコラム以上販売されたか否かを判別する。ステップA8において、nコラム以上販売されていると判別された場合には、ステップA9において、設定温度の変更が下限か否かを判別する。冷却仕様の場合、設定温度の下限は例えば1deg 低い「+2℃」である。
【0032】
ステップA9において、設定温度の変更が下限でない場合には、設定温度を0.5deg ダウンし(ステップA10)、この後、メインルーチンへ戻る。設定温度を0.5deg ダウンすると、冷却運転の動作温度(開始温度及び停止温度)も0.5deg ダウンすることになる。
【0033】
なお、ステップA7において、品温センサの位置のコラムの商品が前1サイクル間に販売されていると判別された場合、あるいは、ステップA8において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品が前1サイクル間にnより少ないと判別された場合、あるいは、ステップA9において、設定温度の変更が下限であると判別された場合には、設定温度は変更せずに、メインルーチンへ戻ることになる。また、ステップA2〜A10は、各室2〜4ごとに行われる。
【0034】
一方、品温センサ12〜14のうちの一つの検出温度が設定温度(冷却運転停止温度)に達し、対応する室2〜4の冷却運転が停止されると、マイクロコンピュータ36は、図2の処理ルーチンを実行する。この場合、冷却運転を停止した部屋の設定温度が変更されているか否かを判別し(ステップB1)、変更されている場合には、設定温度を0.5deg 戻し(ステップB2)、この後、メインルーチンへ戻る。設定温度が変更されていない場合には、設定温度を変更せず、メインルーチンへ戻る。
【0035】
冷却仕様において、このような制御を行った場合には、次のような作用効果を得ることができる。
例えば、左室2において、温度センサ12近くのコラム6の商品7はよく売れるが、それ以外のコラム6の商品7はほとんど売れないような場合には、商品7がよく売れるコラム6に近い温度センサ12の検出温度はなかなか設定温度(冷却運転を停止する停止温度)まで下がらず、冷却運転が継続して行われることになる。このような場合には、設定温度を上げて、冷却運転を停止する停止温度を通常よりも高くなるように変更することにより(ステップA6参照)、温度センサ12の検出温度が通常の停止温度より高い温度で冷却運転が停止されるようになるので、温度センサ12近くのコラム6以外のコラム6の商品7が過冷却になることを極力防止することができる。
【0036】
また、上述とは逆に、温度センサ12近くのコラム6の商品7はほとんど売れず、それ以外のコラム6の商品7がよく売れるような場合、商品7がほとんど売れない温度センサ12近くのコラム6では商品7の移動がほとんどないため、その商品7に近い温度センサ12の検出温度が一旦、冷却運転を停止する設定温度まで達して冷却運転を停止すると、温度センサ12の検出温度が冷却運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、商品7がよく売れているコラム6では商品7が十分に冷えていないにもかかわらず、冷却運転がなかなか再開されないことがある。このような場合には、設定温度を下げて、冷却運転を開始する開始温度を通常よりも低くなるように変更することにより(ステップA10参照)、温度センサ12の検出温度が通常の開始温度より低い温度で冷却運転が再開されるようになり、商品7がよく売れているコラム6の商品7も極力冷却することができて、飲みごろの温度にすることができるようになる。
【0037】
一方、3つの各室2〜4がすべて加温仕様に設定されていた場合の制御について、図3及び図4を参照して説明する。
マイクロコンピュータ36は、商品7が1個販売されるごとに、図3の設定温度の変更処理ルーチンを実行する。商品が販売されると、冷却仕様の場合(図1の場合)と同様に、まず、販売された商品の部屋を判定すると共に、判定コラム数nを決定する(ステップC1)。ここで、左室2及び右室4の場合には、コラム6の総数は共に10であり、判定コラム数nとしては例えば「5」を設定し、中室3の場合には、コラム6の総数は5であり、判定コラム数nとしては例えば「2」を設定する。
【0038】
次に、今回の販売が、前回の販売から3分以内か否かを判別し(ステップC2)、3分以内である場合には、今回販売された商品が、品温センサの位置のコラムの商品か否かを判別する(ステップC3)。今回販売された商品が品温センサの位置のコラムの商品である場合には、ステップC4において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品は、前1サイクル間にnコラム以上販売されたか否かを判別する。
【0039】
ここで、前1サイクルとは、図8の加温の場合において、今回商品が販売された時点の前における、加温運転開始から次に加温運転が開始されるまでの間、もしくは加温運転が停止されてから次に加温運転が停止されるまでの間のことである。例えば、今回商品が販売された時点がP3であるとすると、前1サイクルとはS3のことであり、今回商品が販売された時点がP4であるとすると、前1サイクルとはS4のことである。また、nコラム以上の「n」は、ステップC1において決定した「n」のことであり、左室2及び右室4の場合には、nは5であり、中室3の場合には、nは2である。
【0040】
上記ステップC4において、品温センサの位置以外のコラムの商品は、前1サイクル間にnコラム以上販売されていない場合には、ステップC5において、設定温度の変更が下限か否かを判別する。加温仕様の場合、通常の設定温度は例えば「+59℃」であり、下限は例えば2deg 低い「+57℃」である。ステップC5において、設定温度の変更が下限でない場合には、設定温度を0.5deg ダウンする(ステップC6)。この場合、設定温度は加温運転の停止温度(+59℃)と同じであり、また、この場合の加温運転の開始温度は、設定温度よりも例えば2deg 低い+57℃である。設定温度を例えば0.5deg 変更すると、加温運転の開始温度も同様に0.5deg 変更されることになる。本発明では、加温運転の停止温度と開始温度をまとめて動作温度としている。したがって、ステップC6において、設定温度を0.5deg ダウンすると、加温運転の動作温度(開始温度及び停止温度)も0.5deg ダウンすることになる。ステップC6において設定温度を0.5deg ダウンしたら、メインルーチンへ戻る。
【0041】
なお、ステップC2において、今回の販売が前回の販売から3分以内でないと判別された場合、あるいは、ステップC4において、品温センサの位置以外のコラムの商品が、前1サイクル間にnより多く販売されていると判別された場合、あるいは、ステップC5において、設定温度の変更が下限であると判別された場合には、設定温度は変更せずに、メインルーチンへ戻る。
【0042】
ステップC3において、今回販売された商品が品温センサの位置のコラムの商品でない場合には、ステップC7において、品温センサの位置のコラムの商品は前1サイクル間に販売されたか否かを判別する。品温センサの位置のコラムの商品の販売がない場合には、ステップC8において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品は前1サイクル間にnコラム以上販売されたか否かを判別する。ステップC8において、nコラム以上販売されていると判別された場合には、ステップC9において、設定温度の変更が上限か否かを判別する。加温仕様の場合、設定温度の上限は例えば1deg 高い「+60℃」である。
【0043】
ステップC9において、設定温度の変更が上限でない場合には、設定温度を0.5deg アップし(ステップC10)、この後、メインルーチンへ戻る。設定温度を0.5deg アップすると、加温運転の動作温度(開始温度及び停止温度)も0.5deg アップすることになる。
【0044】
なお、ステップC7において、品温センサの位置のコラムの商品が前1サイクル間に販売されていると判別された場合、あるいは、ステップC8において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品が前1サイクル間にnより少ないと判別された場合、あるいは、ステップC9において、設定温度の変更が上限であると判別された場合には、設定温度は変更せずに、メインルーチンへ戻ることになる。また、ステップC2〜C10は、各室2〜4ごとに行われる。
【0045】
一方、品温センサ12〜14のうちの一つの検出温度が設定温度(加温運転停止温度)に達し、対応する室2〜4の加温運転が停止されると、マイクロコンピュータ36は、図4の処理ルーチンを実行する。この場合、加温運転を停止した部屋の設定温度が変更されているか否かを判別し(ステップD1)、変更されている場合には、設定温度を0.5deg 戻し(ステップD2)、この後、メインルーチンへ戻る。設定温度が変更されていない場合には、設定温度を変更せず、メインルーチンへ戻る。
【0046】
加温仕様において、このような制御を行った場合には、次のような作用効果を得ることができる。
例えば、左室2において、温度センサ12近くのコラム6の商品7はよく売れるが、それ以外のコラム6の商品7はほとんど売れないような場合には、商品7がよく売れるコラム6に近い温度センサ12の検出温度はなかなか設定温度(加温運転を停止する停止温度)まで上がらず、加温運転が継続して行われることになる。このような場合には、設定温度を下げて、加温運転を停止する停止温度を通常よりも低くなるように変更することにより(ステップC6参照)、温度センサ12の検出温度が通常の停止温度より低い温度で加温運転が停止されるようになるので、温度センサ12近くのコラム6以外のコラム6の商品7が過加温されることを極力防止することができる。
【0047】
また、上述とは逆に、温度センサ12近くのコラム6の商品7はほとんど売れず、それ以外のコラム6の商品7がよく売れるような場合、商品7がほとんど売れない温度センサ12近くのコラム6では商品7の移動がほとんどないため、その商品7に近い温度センサ12の検出温度が一旦、加温運転を停止する設定温度まで達して加温運転を停止すると、温度センサ12の検出温度が加温運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、商品7がよく売れているコラム6では商品7が十分に加温されていないにもかかわらず、加温運転がなかなか再開されないことがある。このような場合には、設定温度を上げて、加温運転を開始する開始温度を通常よりも高くなるように変更することにより(ステップC10参照)、温度センサ12の検出温度が通常の開始温度より高い温度で加温運転が再開されるようになり、商品7がよく売れているコラム6の商品7も極力加温することができて、飲みごろの温度にすることができるようになる。
【0048】
図9及び図10は本発明の第2実施例を示したものであり、この第2実施例は上記した第1実施例とは次の点が異なっている。
まず、図9は冷却仕様の場合において、図1とは次の点が異なっている。すなわち、図1の場合においては、ステップA4、A7及びA8において、商品の販売期間の単位として、1冷却サイクルを単位としていたが、図9の場合には、ステップE4、E7及びE8に示すように、販売期間の単位として、1時間を単位としている。
【0049】
また、図10は加温仕様の場合において、図2とは次の点が異なっている。すなわち、図2の場合においては、ステップC4、C7及びC8において、商品の販売期間の単位として、1加温サイクルを単位としていたが、図10の場合には、ステップF4、F7及びF8に示すように、販売期間の単位として、1時間を単位としている。
【0050】
このような第2実施例においても、第1実施例と同様な作用効果を得ることができる。
【0051】
本発明は、上記した各実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
3つの室2〜4のうち、1室または2室を冷却仕様、残りの室を加温仕様に設定した場合にも適用できる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次のような作用効果を得ることができる。
商品を冷却して販売するものにおいて、温度センサ近くのコラムの商品とそれ以外のコラムの商品の販売状況に基づいて、冷却手段の動作温度を変更して制御するようにしたことにより、温度センサ近くのコラムの商品もそれ以外のコラムの商品も極力飲みごろの温度にすることができ、よって販売時の商品温度を極力安定化することができるようになる。
【0053】
また、商品を加温して販売するものにおいて、温度センサ近くのコラムの商品とそれ以外のコラムの商品の販売状況に基づいて、加温手段の動作温度を変更して制御するようにしたことにより、温度センサ近くのコラムの商品もそれ以外のコラムの商品も極力飲みごろの温度にすることができ、よって販売時の商品温度を極力安定化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、冷却仕様時の設定温度の変更処理ルーチンを示すフローチャート
【図2】冷却運転が停止した後の処理ルーチンを示すフローチャート
【図3】加温仕様時の設定温度の変更処理ルーチンを示すフローチャート
【図4】加温運転が停止した後の処理ルーチンを示すフローチャート
【図5】メイン扉を除いた状態での自動販売機の正面図
【図6】縦断側面図
【図7】電気的構成を示すブロック図
【図8】冷却サイクル及び加温サイクルを示す図
【図9】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図10】図3相当図
【符号の説明】
1は本体、2は左室(商品収容室)、3は中室(商品収容室)、4は右室(商品収容室)、6はコラム、7は商品、12,13,14は品温センサ(温度センサ)、16はコンプレッサ(冷却手段)、18はコンデンサ(冷却手段)、21,22,23は冷却器(冷却手段)、24,25,26は電磁弁(冷却手段)、27,28,29はヒータ(加温手段)、30,31,32はファン装置(冷却手段、加温手段)、36はマイクロコンピュータ(制御手段)、38はメモリ(記憶手段)を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品収容室内に複数のコラムを有し、それら各コラム内に収容された商品を冷却または加温して販売する自動販売機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
缶或いは瓶入り飲料などの商品を販売する自動販売機においては、一般に、本体内に、複数の商品収容室が設けられていると共に、それら各商品収容室内に複数のコラムが設けられていて、それら各コラム内に商品が収容されている。そして、各商品収容室内に冷気を供給して商品を冷却するための冷却手段及び熱気を供給して商品を加温するための加温手段が設けられており、もって、商品を飲みごろの温度に冷却あるいは加温して販売するようになっている。
【0003】
そして、この種の自動販売機においては、商品を飲みごろの温度に冷却あるいは加温するために、商品収容室の温度を温度センサにより検出し、その温度センサにより検出した検出温度に基づき、制御手段により商品収容室の温度が予め設定された設定温度となるように、上記冷却手段及び加温手段の動作を制御するようになっている。この場合、商品収容室の温度は、常に一定の設定温度(例えば、冷却の場合には約3℃、加温の場合には約59℃)となるように制御されるようになっている。
【0004】
ところで、この種の自動販売機においては、商品収容室の温度を検出する温度センサは、一つの商品収容室に対して通常1個設けられていて、その1個の温度センサの検出温度に基づいて商品収容室の温度が制御されるようになっている。また、一つの商品収容室内の各コラムの商品の温度をみると、冷却している場合には、下部に存する商品は設定温度まで冷却されていても、上部に存する商品は設定温度よりも高くなっており、また、加温している場合には、下部に存する商品は設定温度まで加温されていても、上部に存する商品は設定温度よりも低くなっているのが実情である。そして、商品は、各コラムの最下部のものから順に販売され、これに伴い上部に存していた商品が徐々に下がってくることになる。
【0005】
従来の自動販売機においては、上述したように、商品収容室の温度は、常に一定の設定温度となるように制御されるようになっていたため、次のような不具合があった。
【0006】
例えば、冷却仕様の一つの商品収容室において、温度センサ近くのコラムの商品はよく売れるが、それ以外のコラムの商品はほとんど売れないような場合、商品がよく売れる温度センサ近くのコラムでは、上部に存していた比較的温度の高い商品が次々に下がってくるため、その商品に近い温度センサの検出温度はなかなか設定温度(冷却運転を停止する停止温度)まで下がらず、冷却運転が継続して行われることになる。ところが、商品がほとんど売れないコラムでは、商品は十分に冷えているにもかかわらず、引き続いて冷却されることになるため、過冷却となって凍結してしまうおそれがある。
【0007】
一方、上述とは逆に、温度センサ近くのコラムの商品はほとんど売れず、それ以外のコラムの商品がよく売れるような場合、商品がほとんど売れない温度センサ近くのコラムでは商品の移動がほとんどないため、その商品に近い温度センサの検出温度が一旦、設定温度まで達して冷却運転が停止されると、温度センサの検出温度が冷却運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、冷却運転がなかなか再開されないことになる。ところが、このとき、商品がよく売れているコラムでは、商品が十分に冷えていないにもかかわらず、販売されてしまうことになる。
【0008】
また、加温仕様の商品収容室でも、上記冷却仕様の場合と同様な不具合が発生することがある。すなわち、加温仕様の一つの商品収容室において、温度センサ近くのコラムの商品はよく売れるが、それ以外のコラムの商品はほとんど売れないような場合、商品がよく売れるコラムでは、上部に存していた比較的温度の低い商品が次々に下がってくるため、その商品に近い温度センサの検出温度はなかなか設定温度(加温運転を停止する停止温度)まで上がらず、加温運転が継続して行われることになる。ところが、商品がほとんど売れないコラムでは、商品は十分に加温されているにもかかわらず、引き続いて加温されることになるため、加熱し過ぎてしまうおそれがある。
【0009】
一方、上述とは逆に、温度センサ近くのコラムの商品はほとんど売れず、それ以外のコラムの商品がよく売れるような場合、商品がほとんど売れない温度センサ近くのコラムでは商品の移動がほとんどないため、その商品に近い温度センサの検出温度が一旦、設定温度まで達して加温運転が停止されると、温度センサの検出温度が加温運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、加温運転がなかなか再開されないことになる。ところが、このとき、商品がよく売れているコラムでは、商品が十分に加温されていないにもかかわらず、販売されてしまうことになる。
【0010】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、商品を冷却または加温して販売するものにおいて、販売時の商品温度を極力安定化することができる自動販売機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記した目的を達成するために、商品収容室内に複数のコラムを有し、それら各コラム内に収容された商品を冷却手段により冷却して、または加温手段により加温して販売する自動販売機において、
商品の販売データを記憶する記憶手段と、
前記商品収容室の温度を検出する温度センサと、
この温度センサの検出温度に基づき前記商品収容室の温度を設定された設定温度となるように前記冷却手段または前記加温手段の動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記商品収容室の冷却サイクルまたは加温サイクルと、前記複数のコラムのうち前記温度センサに近いコラムとそれ以外のコラムの販売状況とに基づいて、前記冷却手段または加温手段の動作温度を変更して制御することを特徴とするものである。
【0012】
例えば、冷却仕様の一つの商品収容室において、温度センサ近くのコラムの商品はよく売れるが、それ以外のコラムの商品はほとんど売れないような場合には、商品がよく売れるコラムに近い温度センサの検出温度はなかなか設定温度(冷却運転を停止する停止温度)まで下がらず、冷却運転が継続して行われることになる。このような場合には、冷却運転を停止する停止温度を通常よりも高くなるように変更することにより、温度センサの検出温度が通常の停止温度より高い温度で冷却運転が停止されるようになり、温度センサ近くのコラム以外のコラムの商品が過冷却になることを極力防止できるようになる。
【0013】
また、上述とは逆に、温度センサ近くのコラムの商品はほとんど売れず、それ以外のコラムの商品がよく売れるような場合、商品がほとんど売れない温度センサ近くのコラムでは商品の移動がほとんどないため、その商品に近い温度センサの検出温度が一旦、冷却運転を停止する停止温度まで達して冷却運転を停止すると、温度センサの検出温度が冷却運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、商品がよく売れているコラムでは商品が十分に冷えていないにもかかわらず、冷却運転がなかなか再開されないことがある。このような場合には、冷却運転を開始する開始温度を通常よりも低くなるように変更することにより、温度センサの検出温度が通常の開始温度より低い温度で冷却運転が再開されるようになり、商品がよく売れているコラムの商品も極力冷却することができて、飲みごろの温度にすることができるようになる。
【0014】
一方、加温仕様の一つの商品収容室において、温度センサ近くのコラムの商品はよく売れるが、それ以外のコラムの商品はほとんど売れないような場合には、商品がよく売れるコラムに近い温度センサの検出温度はなかなか加温運転を停止する停止温度まで上がらず、加温運転が継続して行われることになる。このような場合には、加温運転を停止する停止温度を通常よりも低くなるように変更することにより、温度センサの検出温度が通常の停止温度より低い温度で加温運転が停止されるようになり、温度センサ近くのコラム以外のコラムの商品が過加温されることを防止することができる。
【0015】
また、上述とは逆に、温度センサ近くのコラムの商品はほとんど売れず、それ以外のコラムの商品がよく売れるような場合、商品がほとんど売れない温度センサ近くのコラムでは商品の移動がほとんどないため、その商品に近い温度センサの検出温度が一旦、加温運転を停止する停止温度まで達して加温運転を停止すると、温度センサの検出温度が加温運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、商品がよく売れているコラムでは商品が十分に加温されていないにもかかわらず、加温運転がなかなか再開されないことがある。このような場合には、加温運転を開始する開始温度を通常よりも高くなるように変更することにより、温度センサの検出温度が通常の開始温度より高い温度で加温運転が再開されるようになり、商品がよく売れているコラムの商品も極力加温することができて、飲みごろの温度にすることができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例について図1ないし図8を参照して説明する。まず、図5及び図6において、自動販売機の本体1内には、図5に示すように、それぞれ商品収容室を構成する3つの室、この場合、左室2、中室3、及び右室4が設けられており、本体1の前面にはメイン扉5が設けられている。
【0017】
本体1内の各室2〜4には、それぞれ図6に示すように、上下方向に蛇行状をなすように延びるコラム6が複数列設けられており、各コラム6に缶入り飲料などの商品7が収容されている。商品7は、各コラム6に対して前面上部の商品投入口8から投入されるようになっている。この場合、3つの室2〜4のうち左室2と右室4にはそれぞれ10列のコラム6が設けられ、中室3には5列のコラム6が設けられている。各コラム6の下部には、最下部の商品7から1個ずつ排出するための商品排出装置9が設けられていて、この商品排出装置9により排出された商品7は、シュート10を通り、メイン扉5の下部に設けられた商品取出し口(図示せず)へ排出されるようになっている。
【0018】
上記した3つの各室2〜4は、後述するように、それぞれ冷却と加温との切り替えができる構成となっている。各室2〜4の下部の前部には、それぞれ温度センサである品温センサ12,13,14が設けられていて、これら品温センサ12,13,14により、各室2〜4の最前列のコラム6の最下部部分の温度が検出されるようになっている。本体1の最下部は機械室15とされていて、この機械室15内に、冷凍サイクルのコンプレッサ16、このコンプレッサ16を冷却するためのファン装置17、コンデンサ18や制御ボックス19などが設けられている。
【0019】
3つの各室2〜4の下部には、各室2〜4に対応して冷却器21〜23、電磁弁24〜26(図7参照)、ヒータ27〜29及びファン装置30〜32が設けられている。この場合、各室2〜4を冷却する場合には、各室2〜4に対応する冷却器21〜24により冷却された冷気を、各室2〜4に対応するファン装置30〜32により送り込むことにより対応する室2〜4が冷却され、また、各室2〜4を加温する場合には、各室2〜4に対応するヒータ27〜29により加熱された熱気を、各室2〜4に対応するファン装置30〜32により送り込むことにより対応する室2〜4が加温されるようになっている。
【0020】
従ってこの場合、冷凍サイクルのコンプレッサ16、コンデンサ18、冷却器21〜23(電磁弁24〜26)、ファン装置30〜32により、対応する室2〜4を冷却する冷却手段を構成し、また、ヒータ27〜29とファン装置30〜32により、対応する室2〜4を加熱する加熱手段を構成している。
【0021】
なお、前記メイン扉5の前面には、図示はしないが、販売する商品の見本が多数個展示されていると共に、各見本に対応して選択スイッチ35(図7参照)などが設けられている。
【0022】
一方、前記制御ボックス19内には、自動販売機の運転全般を制御する制御手段を構成するマイクロコンピュータ36が配設されている。このマイクロコンピュータ36には、現在時刻を認識するためのRTC(リアルタイムクロック)37、商品の販売データを記憶するための記憶手段を構成するメモリ38などが接続されていると共に、各室2〜4の品温センサ12〜14、外気温を検出する外気温センサ39、各室2〜4を加温と冷却とに切り替えるためのH/C切替スイッチ40〜42、各選択スイッチ35、売切れ検知スイッチ43などからの信号が入力されるように構成されている。
【0023】
そして、マイクロコンピュータ36は、それらの入力信号及び予め記憶されたプログラムにより、コンプレッサ16、コンプレッサ用ファン装置17のファンモータ17a、各室2〜4に対応するファン装置30〜32のファンモータ30a,31a,32a、各室2〜4に対応する電磁弁24〜26、各室2〜4に対応するヒータ27〜29、各商品排出装置9を駆動回路44を介して制御する機能を有している。
【0024】
次に、上記構成の作用について図1及び図2も参照して説明する。
まず、商品収容室である3つの各室2〜4は、H/C切替スイッチ40〜42により冷却仕様と加温仕様とに切り替えることができる。冷却仕様の場合には、マイクロコンピュータ36により、通常は、各室2〜4の設定温度は3℃とされ、その設定温度となるように、冷却手段のコンプレッサ16、対応する電磁弁24〜26及びファン装置30〜32のファンモータ30a〜32aが通断電制御される。また、加温仕様の場合には、同様にマイクロコンピュータ36により、通常は、各室2〜4の設定温度は59℃とされ、その設定温度となるように、加温手段の対応するヒータ27〜29及びファン装置30〜32のファンモータ30a〜32aが通断電制御される。
【0025】
この場合、3つの室2〜4がすべて冷却仕様に設定されているとする。
そして、購買者が金銭投入口に所定の金銭を投入した状態で、希望する選択スイッチ35が操作されると、マイクロコンピュータ36は、操作された選択スイッチ35に対応した商品排出装置9を作動させる。すると、コラム6の最下部の商品7がシュート10へ排出され、その商品7はシュート10を通って商品取出し口へ案内される。このとき、販売された商品7に関するデータ、例えば販売時刻や、室、コラム番号などのデータがメモリ38に記憶される。このようにして、商品7が販売されるごとに、その販売された商品7に関するデータがメモリ38に記憶されていく。
【0026】
ここで、マイクロコンピュータ36は、商品7が1個販売されるごとに、図1の設定温度の変更処理ルーチンを実行する。このルーチンは、メインルーチンに対して割り込みで実行される。商品が販売されると、まず、販売された商品の部屋を判定すると共に、判定コラム数nを決定する(ステップA1)。ここで、左室2及び右室4の場合には、コラム6の総数は共に10であり、判定コラム数nとしては例えば「5」を設定し、中室3の場合には、コラム6の総数は5であり、判定コラム数nとしては例えば「2」を設定する。
【0027】
次に、今回の販売が、前回の販売から3分以内か否かを判別し(ステップA2)、3分以内である場合には、今回販売された商品が、品温センサの位置のコラムの商品か否かを判別する(ステップA3)。今回販売された商品が品温センサの位置のコラムの商品である場合には、ステップA4において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品は、前1サイクル間にnコラム以上販売されたか否かを判別する。
【0028】
ここで、前1サイクルとは、図8の冷却の場合において、今回商品が販売された時点の前における、冷却開始から次に冷却が開始されるまでの間、もしくは冷却が停止されてから次に停止されるまでの間のことである。例えば、今回商品が販売された時点がP1であるとすると、前1サイクルとはS1のことであり、今回商品が販売された時点がP2であるとすると、前1サイクルとはS2のことである。また、nコラム以上の「n」は、ステップA1において決定した「n」のことであり、左室2及び右室4の場合には、nは5であり、中室3の場合には、nは2である。
【0029】
上記ステップA4において、品温センサの位置以外のコラムの商品は、前1サイクル間にnコラム以上販売されていない場合には、ステップA5において、設定温度の変更が上限が否かを判別する。冷却仕様の場合、通常の設定温度は例えば「+3℃」であり、上限は例えば2deg 高い「+5℃」である。ステップA5において、設定温度の変更が上限でない場合には、設定温度を0.5deg アップする(ステップA6)。この場合、設定温度は冷却運転の停止温度(+3℃)と同じであり、また、この場合の冷却運転の開始温度は、設定温度よりも例えば2deg 高い+5℃である。設定温度を例えば0.5deg 変更すると、冷却運転の開始温度も同様に0.5deg 変更されることになる。本発明では、冷却運転の停止温度と開始温度をまとめて動作温度としている。したがって、ステップA6において、設定温度を0.5deg アップすると、冷却運転の動作温度(開始温度及び停止温度)も0.5deg アップすることになる。ステップA6において設定温度を0.5deg アップしたら、メインルーチンへ戻る。
【0030】
なお、ステップA2において、今回の販売が前回の販売から3分以内でないと判別された場合、あるいは、ステップA4において、品温センサの位置以外のコラムの商品が、前1サイクル間にnより多く販売されていると判別された場合、あるいは、ステップA5において、設定温度の変更が上限であると判別された場合には、設定温度は変更せずに、メインルーチンへ戻る。
【0031】
ステップA3において、今回販売された商品が品温センサの位置のコラムの商品でない場合には、ステップA7において、品温センサの位置のコラムの商品は前1サイクル間に販売されたか否かを判別する。品温センサの位置のコラムの商品の販売がない場合には、ステップA8において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品は前1サイクル間にnコラム以上販売されたか否かを判別する。ステップA8において、nコラム以上販売されていると判別された場合には、ステップA9において、設定温度の変更が下限か否かを判別する。冷却仕様の場合、設定温度の下限は例えば1deg 低い「+2℃」である。
【0032】
ステップA9において、設定温度の変更が下限でない場合には、設定温度を0.5deg ダウンし(ステップA10)、この後、メインルーチンへ戻る。設定温度を0.5deg ダウンすると、冷却運転の動作温度(開始温度及び停止温度)も0.5deg ダウンすることになる。
【0033】
なお、ステップA7において、品温センサの位置のコラムの商品が前1サイクル間に販売されていると判別された場合、あるいは、ステップA8において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品が前1サイクル間にnより少ないと判別された場合、あるいは、ステップA9において、設定温度の変更が下限であると判別された場合には、設定温度は変更せずに、メインルーチンへ戻ることになる。また、ステップA2〜A10は、各室2〜4ごとに行われる。
【0034】
一方、品温センサ12〜14のうちの一つの検出温度が設定温度(冷却運転停止温度)に達し、対応する室2〜4の冷却運転が停止されると、マイクロコンピュータ36は、図2の処理ルーチンを実行する。この場合、冷却運転を停止した部屋の設定温度が変更されているか否かを判別し(ステップB1)、変更されている場合には、設定温度を0.5deg 戻し(ステップB2)、この後、メインルーチンへ戻る。設定温度が変更されていない場合には、設定温度を変更せず、メインルーチンへ戻る。
【0035】
冷却仕様において、このような制御を行った場合には、次のような作用効果を得ることができる。
例えば、左室2において、温度センサ12近くのコラム6の商品7はよく売れるが、それ以外のコラム6の商品7はほとんど売れないような場合には、商品7がよく売れるコラム6に近い温度センサ12の検出温度はなかなか設定温度(冷却運転を停止する停止温度)まで下がらず、冷却運転が継続して行われることになる。このような場合には、設定温度を上げて、冷却運転を停止する停止温度を通常よりも高くなるように変更することにより(ステップA6参照)、温度センサ12の検出温度が通常の停止温度より高い温度で冷却運転が停止されるようになるので、温度センサ12近くのコラム6以外のコラム6の商品7が過冷却になることを極力防止することができる。
【0036】
また、上述とは逆に、温度センサ12近くのコラム6の商品7はほとんど売れず、それ以外のコラム6の商品7がよく売れるような場合、商品7がほとんど売れない温度センサ12近くのコラム6では商品7の移動がほとんどないため、その商品7に近い温度センサ12の検出温度が一旦、冷却運転を停止する設定温度まで達して冷却運転を停止すると、温度センサ12の検出温度が冷却運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、商品7がよく売れているコラム6では商品7が十分に冷えていないにもかかわらず、冷却運転がなかなか再開されないことがある。このような場合には、設定温度を下げて、冷却運転を開始する開始温度を通常よりも低くなるように変更することにより(ステップA10参照)、温度センサ12の検出温度が通常の開始温度より低い温度で冷却運転が再開されるようになり、商品7がよく売れているコラム6の商品7も極力冷却することができて、飲みごろの温度にすることができるようになる。
【0037】
一方、3つの各室2〜4がすべて加温仕様に設定されていた場合の制御について、図3及び図4を参照して説明する。
マイクロコンピュータ36は、商品7が1個販売されるごとに、図3の設定温度の変更処理ルーチンを実行する。商品が販売されると、冷却仕様の場合(図1の場合)と同様に、まず、販売された商品の部屋を判定すると共に、判定コラム数nを決定する(ステップC1)。ここで、左室2及び右室4の場合には、コラム6の総数は共に10であり、判定コラム数nとしては例えば「5」を設定し、中室3の場合には、コラム6の総数は5であり、判定コラム数nとしては例えば「2」を設定する。
【0038】
次に、今回の販売が、前回の販売から3分以内か否かを判別し(ステップC2)、3分以内である場合には、今回販売された商品が、品温センサの位置のコラムの商品か否かを判別する(ステップC3)。今回販売された商品が品温センサの位置のコラムの商品である場合には、ステップC4において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品は、前1サイクル間にnコラム以上販売されたか否かを判別する。
【0039】
ここで、前1サイクルとは、図8の加温の場合において、今回商品が販売された時点の前における、加温運転開始から次に加温運転が開始されるまでの間、もしくは加温運転が停止されてから次に加温運転が停止されるまでの間のことである。例えば、今回商品が販売された時点がP3であるとすると、前1サイクルとはS3のことであり、今回商品が販売された時点がP4であるとすると、前1サイクルとはS4のことである。また、nコラム以上の「n」は、ステップC1において決定した「n」のことであり、左室2及び右室4の場合には、nは5であり、中室3の場合には、nは2である。
【0040】
上記ステップC4において、品温センサの位置以外のコラムの商品は、前1サイクル間にnコラム以上販売されていない場合には、ステップC5において、設定温度の変更が下限か否かを判別する。加温仕様の場合、通常の設定温度は例えば「+59℃」であり、下限は例えば2deg 低い「+57℃」である。ステップC5において、設定温度の変更が下限でない場合には、設定温度を0.5deg ダウンする(ステップC6)。この場合、設定温度は加温運転の停止温度(+59℃)と同じであり、また、この場合の加温運転の開始温度は、設定温度よりも例えば2deg 低い+57℃である。設定温度を例えば0.5deg 変更すると、加温運転の開始温度も同様に0.5deg 変更されることになる。本発明では、加温運転の停止温度と開始温度をまとめて動作温度としている。したがって、ステップC6において、設定温度を0.5deg ダウンすると、加温運転の動作温度(開始温度及び停止温度)も0.5deg ダウンすることになる。ステップC6において設定温度を0.5deg ダウンしたら、メインルーチンへ戻る。
【0041】
なお、ステップC2において、今回の販売が前回の販売から3分以内でないと判別された場合、あるいは、ステップC4において、品温センサの位置以外のコラムの商品が、前1サイクル間にnより多く販売されていると判別された場合、あるいは、ステップC5において、設定温度の変更が下限であると判別された場合には、設定温度は変更せずに、メインルーチンへ戻る。
【0042】
ステップC3において、今回販売された商品が品温センサの位置のコラムの商品でない場合には、ステップC7において、品温センサの位置のコラムの商品は前1サイクル間に販売されたか否かを判別する。品温センサの位置のコラムの商品の販売がない場合には、ステップC8において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品は前1サイクル間にnコラム以上販売されたか否かを判別する。ステップC8において、nコラム以上販売されていると判別された場合には、ステップC9において、設定温度の変更が上限か否かを判別する。加温仕様の場合、設定温度の上限は例えば1deg 高い「+60℃」である。
【0043】
ステップC9において、設定温度の変更が上限でない場合には、設定温度を0.5deg アップし(ステップC10)、この後、メインルーチンへ戻る。設定温度を0.5deg アップすると、加温運転の動作温度(開始温度及び停止温度)も0.5deg アップすることになる。
【0044】
なお、ステップC7において、品温センサの位置のコラムの商品が前1サイクル間に販売されていると判別された場合、あるいは、ステップC8において、品温センサの位置以外のコラム(他のコラム)の商品が前1サイクル間にnより少ないと判別された場合、あるいは、ステップC9において、設定温度の変更が上限であると判別された場合には、設定温度は変更せずに、メインルーチンへ戻ることになる。また、ステップC2〜C10は、各室2〜4ごとに行われる。
【0045】
一方、品温センサ12〜14のうちの一つの検出温度が設定温度(加温運転停止温度)に達し、対応する室2〜4の加温運転が停止されると、マイクロコンピュータ36は、図4の処理ルーチンを実行する。この場合、加温運転を停止した部屋の設定温度が変更されているか否かを判別し(ステップD1)、変更されている場合には、設定温度を0.5deg 戻し(ステップD2)、この後、メインルーチンへ戻る。設定温度が変更されていない場合には、設定温度を変更せず、メインルーチンへ戻る。
【0046】
加温仕様において、このような制御を行った場合には、次のような作用効果を得ることができる。
例えば、左室2において、温度センサ12近くのコラム6の商品7はよく売れるが、それ以外のコラム6の商品7はほとんど売れないような場合には、商品7がよく売れるコラム6に近い温度センサ12の検出温度はなかなか設定温度(加温運転を停止する停止温度)まで上がらず、加温運転が継続して行われることになる。このような場合には、設定温度を下げて、加温運転を停止する停止温度を通常よりも低くなるように変更することにより(ステップC6参照)、温度センサ12の検出温度が通常の停止温度より低い温度で加温運転が停止されるようになるので、温度センサ12近くのコラム6以外のコラム6の商品7が過加温されることを極力防止することができる。
【0047】
また、上述とは逆に、温度センサ12近くのコラム6の商品7はほとんど売れず、それ以外のコラム6の商品7がよく売れるような場合、商品7がほとんど売れない温度センサ12近くのコラム6では商品7の移動がほとんどないため、その商品7に近い温度センサ12の検出温度が一旦、加温運転を停止する設定温度まで達して加温運転を停止すると、温度センサ12の検出温度が加温運転を再開する開始温度にまでなかなか達せず、商品7がよく売れているコラム6では商品7が十分に加温されていないにもかかわらず、加温運転がなかなか再開されないことがある。このような場合には、設定温度を上げて、加温運転を開始する開始温度を通常よりも高くなるように変更することにより(ステップC10参照)、温度センサ12の検出温度が通常の開始温度より高い温度で加温運転が再開されるようになり、商品7がよく売れているコラム6の商品7も極力加温することができて、飲みごろの温度にすることができるようになる。
【0048】
図9及び図10は本発明の第2実施例を示したものであり、この第2実施例は上記した第1実施例とは次の点が異なっている。
まず、図9は冷却仕様の場合において、図1とは次の点が異なっている。すなわち、図1の場合においては、ステップA4、A7及びA8において、商品の販売期間の単位として、1冷却サイクルを単位としていたが、図9の場合には、ステップE4、E7及びE8に示すように、販売期間の単位として、1時間を単位としている。
【0049】
また、図10は加温仕様の場合において、図2とは次の点が異なっている。すなわち、図2の場合においては、ステップC4、C7及びC8において、商品の販売期間の単位として、1加温サイクルを単位としていたが、図10の場合には、ステップF4、F7及びF8に示すように、販売期間の単位として、1時間を単位としている。
【0050】
このような第2実施例においても、第1実施例と同様な作用効果を得ることができる。
【0051】
本発明は、上記した各実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
3つの室2〜4のうち、1室または2室を冷却仕様、残りの室を加温仕様に設定した場合にも適用できる。
【0052】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次のような作用効果を得ることができる。
商品を冷却して販売するものにおいて、温度センサ近くのコラムの商品とそれ以外のコラムの商品の販売状況に基づいて、冷却手段の動作温度を変更して制御するようにしたことにより、温度センサ近くのコラムの商品もそれ以外のコラムの商品も極力飲みごろの温度にすることができ、よって販売時の商品温度を極力安定化することができるようになる。
【0053】
また、商品を加温して販売するものにおいて、温度センサ近くのコラムの商品とそれ以外のコラムの商品の販売状況に基づいて、加温手段の動作温度を変更して制御するようにしたことにより、温度センサ近くのコラムの商品もそれ以外のコラムの商品も極力飲みごろの温度にすることができ、よって販売時の商品温度を極力安定化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、冷却仕様時の設定温度の変更処理ルーチンを示すフローチャート
【図2】冷却運転が停止した後の処理ルーチンを示すフローチャート
【図3】加温仕様時の設定温度の変更処理ルーチンを示すフローチャート
【図4】加温運転が停止した後の処理ルーチンを示すフローチャート
【図5】メイン扉を除いた状態での自動販売機の正面図
【図6】縦断側面図
【図7】電気的構成を示すブロック図
【図8】冷却サイクル及び加温サイクルを示す図
【図9】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図10】図3相当図
【符号の説明】
1は本体、2は左室(商品収容室)、3は中室(商品収容室)、4は右室(商品収容室)、6はコラム、7は商品、12,13,14は品温センサ(温度センサ)、16はコンプレッサ(冷却手段)、18はコンデンサ(冷却手段)、21,22,23は冷却器(冷却手段)、24,25,26は電磁弁(冷却手段)、27,28,29はヒータ(加温手段)、30,31,32はファン装置(冷却手段、加温手段)、36はマイクロコンピュータ(制御手段)、38はメモリ(記憶手段)を示す。
Claims (2)
- 商品収容室内に複数のコラムを有し、それら各コラム内に収容された商品を冷却手段により冷却して、または加温手段により加温して販売する自動販売機において、
商品の販売データを記憶する記憶手段と、
前記商品収容室の温度を検出する温度センサと、
この温度センサの検出温度に基づき前記商品収容室の温度を設定された設定温度となるように前記冷却手段または前記加温手段の動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記商品収容室の冷却サイクルまたは加温サイクルと、前記複数のコラムのうち前記温度センサに近いコラムとそれ以外のコラムの販売状況とに基づいて、前記冷却手段または加温手段の動作温度を変更して制御することを特徴とする自動販売機。 - 商品収容室内に複数のコラムを有し、それら各コラム内に収容された商品を冷却手段により冷却して、または加温手段により加温して販売する自動販売機において、
商品の販売データを記憶する記憶手段と、
前記商品収容室の温度を検出する温度センサと、
この温度センサの検出温度に基づき前記商品収容室の温度を設定された設定温度となるように前記冷却手段または前記加温手段の動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記複数のコラムのうち前記温度センサに近いコラムとそれ以外のコラムの一定時間内での販売状況に基づいて、前記冷却手段または加温手段の動作温度を変更して制御することを特徴とする自動販売機。
Priority Applications (1)
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JP32285297A JP3811771B2 (ja) | 1997-11-25 | 1997-11-25 | 自動販売機 |
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JPH11154265A JPH11154265A (ja) | 1999-06-08 |
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Family Applications (1)
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JP32285297A Expired - Fee Related JP3811771B2 (ja) | 1997-11-25 | 1997-11-25 | 自動販売機 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3811771B2 (ja) |
-
1997
- 1997-11-25 JP JP32285297A patent/JP3811771B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11154265A (ja) | 1999-06-08 |
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