JP3811734B2 - 車両の燃料用ガスボンベ搭載構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CNGボンベ等の燃料用ガスボンベを搭載した車両の燃料用ガスボンベ搭載構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型の路線バス等においてCNG(圧縮天然ガス)を燃料として使用可能なエンジンを搭載した車両(CNG車)が普及しつつある。このようなCNG車では、従来、乗客室の床下の空間を利用してCNGボンベを搭載していた。
ところが、近年、高齢者や障害者に対するバリアフリーの観点から歩道と床面との段差のない低床の路線バス(ノーステップ車)が実用化されている。このようなノーステップ車でもCNG化が要望されるが、低床のために床下にはCNGボンベを搭載するだけのスペースはない。したがって、ノーステップ車では、必然的にCNGボンベは車両の屋根上に搭載されることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
CNGボンベを屋根上へ搭載する際、CNGボンベの開閉弁にガス管(燃料パイプ)を繋ぐ必要があるが、CNGボンベの搭載位置がずれて開閉弁の位置や向きが狂っていると、うまく開閉弁とガス管とを繋ぐことができなかったり、運転中に繋ぎ目からガスが漏れ出す虞がある。したがって、CNGボンベの搭載時には搭載位置、すなわち前後方向位置や回転角度を所定の正確な位置に合わせる必要がある。
【0004】
ところが、CNGボンベはアルミライナーと炭素繊維との複合容器であるため、CNGボンベ自体に固定用のブラケットを予め取り付けておくことはできない。このため、CNGボンベの屋根上への固定はバンド等を用いて行なうことになるが、位置決めするための何等かの基準がなければCNGボンベの搭載位置の正確な位置合わせは容易ではない。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、燃料用ガスボンベの搭載位置の位置合わせを容易にした、車両の燃料用ガスボンベ搭載構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の車両の燃料用ガスボンベ搭載構造では、燃料用ガスボンベが載置されるキャリアに、燃料用ガスボンベの開閉弁の前後方向位置及び回転角度を割り出すための基準具をそなえている。
詳しくは、開閉弁に燃料用ガスボンベの中心から径方向に向けて突設された凸部をそなえるとともに、基準具に凸部を収容可能な凹部を形成し、燃料用ガスボンベのキャリアへの載置時に、燃料用ガスボンベを回転させることで凸部が回転して、凹部が凸部の回転軌跡上に位置するように基準具を配設して、凸部が凹部に収容されたときの凸部と凹部とのクリアランスにより開閉弁の前後方向位置及び回転角度を割り出すようにする。
さらに、凸部は円形断面の開閉弁の胴部であるとともに、凹部は半円状且つ凸部よりも大径に形成されていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施形態】
図面により本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図7は本発明の一実施形態としての車両の燃料用ガスボンベ搭載構造について示すものである。ここでは、図1に示すように、ノーステップ車(車両)1の屋根3の上にキャリア10を取り付け、このキャリア10にCNGボンベ(燃料用ガスボンベ)4を搭載する場合の搭載構造について説明する。
【0008】
まず、キャリア10の構成について説明する。キャリア10は、図2に示すように載置台(ボンベサポート)11と開閉自在なカバー12,13とから構成されている。ボンベサポート11は車両1の前後方向に長く、図3に示すように枠を形成する前部枠部材11a,右側枠部材11b,左側枠部材11c及び後部枠部材11dと、中央部にそなえらえ前部枠部材11aと後部枠部材11dとを連結する中央枠部材11fとから主に構成されている。そして、前部枠部材11a,後部枠部材11dにはそれぞれカバー12,13の端部がヒンジにより回転自在に連結されている。右側枠部材11b,左側枠部材11cの外側には、複数(ここでは3つ)のブラケット16が設けられており、図3に示すように、このブラケット16をルーフパネル5に取り付けられたブラケットサポート30に連結することで、ボンベサポート11が屋根3上に固定されるようになっている。
【0009】
ブラケット16とブラケットサポート30とは、図4に示すようにボルト31とナット(図示略)により締結されるようになっている。ブラケットサポート30には左右一対のフランジ部33,33が設けられており、その下面にはそれぞれスペーサ35が溶接されている。また、フランジ部33にはスペーサ35の下面にまで通じるボルト用孔34がそれぞれ2個所穿設されている。
【0010】
一方、ルーフパネル5には、ブラケットサポート30のフランジ部33,33の位置に対応して切り欠き孔5a,5aが設けられている。そして、切り欠き孔5a,5aが設けられたルーフパネル5の内側には、支持ブラケット25の支持面26が接している。支持ブラケット25はL型の部材であり、両側をサイドルーフボー24,24に、支持面26の端部をルーフレール20に溶接されている。また、支持面26にはブラケットサポート30のボルト用孔34の位置に対応して、ボルト用孔28が4個所に穿設されている。なお、サイドルーフボー24はルーフレール20とウィンドウアッパーレール23とを連結する補強部材である。
【0011】
ブラケットサポート30のルーフパネル5への取り付けは、ブラケットサポート30に設けられた左右のスペーサ35,35をそれぞれ対応する切り欠き孔5a,5a内に挿入して支持ブラケット25の支持面26に接触させ、ボルト用孔28,34に挿入されたボルト37とナット(図示略)とによりブラケットサポート30と支持ブラケット25とを締結することで行なわれる。
【0012】
その際、ブラケットサポート30のフランジ部33の下面とルーフパネル5との間に、切り欠き孔5aを囲む環状のパッキン36を挟装し、フランジ部33とルーフパネル5との隙間をシールするようにする。また、ブラケットサポート30と支持ブラケット25との締結後は、パッキン36の外周部やボルト37の頭部にシール剤を塗布してシール性を高めるようにする。
【0013】
CNGボンベ4A〜4Cは、上記のようにして屋根3に固定されたボンベサポート11上に、図3に示すようにその長手方向を車両1の前後方向に向けて3本並列に載置されるようになっている。そして、各CNGボンベ4A〜4Cは、容器元弁(開閉バルブ)40A〜40Cを同一方向(車両前方方向)に向けて、それぞれ所定の位置に位置決めされた状態で固定されている。
【0014】
左端のCNGボンベ4Aと右端のCNGボンベ4Cとは車両1の中心線に対して左右対称位置に配設され、左端のCNGボンベ4Aは左側枠部材11cに固設された受台17とバンド15とで複数個所(ここでは3個所)狭持することによって固定されている。一方、右端のCNGボンベ4Cは右側枠部材11bに固定されに固設された受台17とバンド15とで狭持することで固定されている。そして、中央のCNGボンベ4Bは中央枠部材11fに固設された受台17とバンド15とで狭持することで固定され、車両中心線に対しエンジン6の搭載側と反対側(ここでは左側)にオフセットされている。なお、バンド15は半円状の金属プレートであり内側にゴム等の弾性部材が貼設されている。また、受け台17はバンド15と同径の半円状に形成された凹部を有し、その内側にゴム等の弾性部材が貼設されている。
【0015】
上記の容器元弁40A〜40Cは、手動操作によりCNGボンベ4A〜4Cの内部から外部へのガスの流路を開閉する弁であるが、ここでは、過流防止機構付き安全弁としての機能も有している。すなわち、ガスが急激にCNGボンベ4A〜4Cから流れ出したときにガスの流出を止め、容器元弁40A〜40C自体の温度が所定の温度(例えば105℃)以上まで上昇したときに内部のガスを放出するようになっている。また、各CNGボンベ4A〜4Cの後端部、すなわち容器元弁40A〜40Cの反対側には、安全弁43A〜43Cがそなえられている。安全弁43A〜43Cは温度が所定の温度(例えば105℃)まで上昇したときに作動して、CNGボンベ4A〜4C内のガスを外部に放出するようになっている。
【0016】
図5は、キャリア10の前方部をカバー12を外して上方から見た部分平面図であり、CNGボンベ4A〜4Cの容器元弁40A〜40Cに接続されるガス配管の配管構成と各容器元弁40A〜40Cの操作手段の構成について示している。なお、図2,図3ではこれらガス配管等については省略して示している。
まず、ガス配管の配管構成について説明すると、ガス配管は、図5に示すように、車両1の側部に設けられた図示しない充填孔に接続され、図示しない充填設備から送られるガス(CNG)を各CNGボンベ4A〜4Cに充填する充填用配管45と、車両1の後部にそなえられたエンジン6(図1参照)に接続され、各CNGボンベ4A〜4Cからエンジン6にガスを供給する供給用配管46とが設けられている。これら充填用配管45,供給用配管46は金属製のガス配管である。
【0017】
充填用配管45は、ボンベサポート11の右側前方に設けられたルーフパネル5の貫通孔5bから車外に延びており、ボンベサポート11の前部枠部材11aに沿って延設され、左端のCNGボンベ4Aの容器元弁40Aに接続されている。充填用配管45の貫通孔5bから容器元弁40Aまでの経路の途中には、枝配管45a,45bが延びており、それぞれ右端のCNGボンベ4Cの容器元弁40C,中央のCNGボンベ4Bの容器元弁40Bに接続されている。また、貫通孔5bから枝配管45aまでの経路の途中には逆止弁42が介装されており、CNGボンベ4から充填孔へのガスの逆流が防止されている。
【0018】
一方、供給用配管46は、左端のCNGボンベ4Aの容器元弁40Aを起点として、ボンベサポート11の前部枠部材11aから右側枠部材11bに沿って車両1の後方に向けて延設されている。供給用配管46の経路の途中には、枝配管46a,46bが延びており、それぞれ右端のCNGボンベ4Cの容器元弁40C,中央のCNGボンベ4Bの容器元弁40Bに接続されている。また、容器元弁40Aから枝配管46bまでの経路の途中には主止弁41Aが介装されている。さらに、各枝配管46a,46bにもそれぞれ主止弁41B,41Cが設けられている。これらの主止弁41A〜41CはCNGボンベ4A〜4Cからエンジン6へのガスの供給の開始/停止を制御する弁であり、車両1のメインスイッチのオン/オフに連動して作動するようになっている。
【0019】
次に、容器元弁40A〜40Cの操作手段の構成について、図5及び図6を参照しながら説明する。
上述したように容器元弁40A〜40Cは、CNGボンベ4A〜4Cの内部から外部へのガスの流路を開閉する弁であるが、エンジン6へのガスの供給の開始/停止は主止弁41A〜41Cによって制御することができるので、通常は容器元弁40A〜40Cは常時開状態にしておくことができる。しかしながら、長期間車両1を動かさないときや整備点検時には、容器元弁40A〜40Cを閉じておくことが好ましい。
【0020】
ところが、上述のようにCNGボンベ4A〜4Cは車両1の前後方向に向けて並置されているので、車両1の側面から容器元弁40A〜40Cまでは遠く、このままでは屋根3の上に上らない限りは容器元弁40A〜40Cを手動で開閉操作できない。
そこで、本実施形態では、図5,図6に示すように各容器元弁40A〜40Cに操作用の操作用シャフト(操作力伝達部材)50A〜50Cを取り付けている。具体的には、各容器元弁40A〜40Cの開閉コック47A〜47CにU形の連結部材48A〜48Cを取り付け、このU形連結部材48A〜48Cに操作用シャフト50A〜50Cの一端を回転自在に連結させている。そして、他端にハンドル(ハンドル部)51A〜51Cを取り付け、これらハンドル51A〜51Cをキャリア10の片側(ここでは車体左側面側)に集中配置させている。
【0021】
全てのハンドル51A〜51Cを車体左側面側に配置することにより、右端のCNGボンベ4Cの容器元弁40Cに結合された操作用シャフト50Cが最も長く、左端のCNGボンベ4Aの容器元弁40Aに結合された操作用シャフト50Aが最も短くなる。ここでは、操作用シャフト50Aはハンドル51Aをやや上方に向けて配置し、操作用シャフト50Bは容器元弁40Aの下を通してハンドル51Bをやや下方に向けて配置し、操作用シャフト50Cは容器元弁40B,40Aの下を通して操作用シャフト50Bと同様の傾きで配置している。このように配置することで各操作用シャフト50A〜50Cは干渉することがなく、ハンドル51A〜51Cは縦方向にほぼ一列に配置されるようになる。また、カバー12を開くことなくこれらハンドル51A〜51Cを操作できるように、カバー12には開口部12aが形成されている。この開口部12aには、ヒンジ12bを中心に回転して上方に開く蓋12cが取り付けられている。
【0022】
なお、各操作用シャフト50A〜50Cは、それぞれ2個所ずつ樹脂クリップ52A〜52Fによって回転自在に支持されている。具体的には、操作用シャフト50Aは、それぞれボンベサポート11の左側枠部材11cに取り付けられた樹脂クリップ52A,52Bにより軸支されている。操作用シャフト50Bは、左側枠部材11cの樹脂クリップ52A,52Bの下方に取り付けられた樹脂クリップ52Cと、前部枠部材11aの内側で左側枠部材11cと右側枠部材11bとを連結する支持部材11eに取り付けられた樹脂クリップ52Dとにより軸支されている。そして、操作用シャフト50Cは、左側枠部材11cの樹脂クリップ52Cの下方に取り付けられた樹脂クリップ52Eと、中央枠部材11fに取り付けられた樹脂クリップ52Fとにより軸支されている。
【0023】
ところで、CNGボンベ4A〜4Cは炭素繊維複合容器とアルミライナーとを組み合わせたものであるため、直接固定ブラケット等を取り付けることはできず、前述したようにバンド15によりボンベサポート11に固定している。このためCNGボンベ4A〜4Cの前後方向位置や回転角度は一意には決まらず、容器元弁40A〜40Cの位置及び向きが適正な位置及び向きになるように調整しなければならない。
【0024】
そこで、本実施形態では、各容器元弁40A〜40Cに対してガイドプレート(基準具)60A〜60Cを設けることによって、容器元弁40A〜40Cの位置及び向きの割り出しの容易化を図っている。ガイドプレート60A〜60Cは、支持部材11eに取り付けられ、容器元弁40A〜40Cの操作用シャフト50A〜50Cが連結された側に近接して配設されている。
【0025】
ガイドプレート60(60A〜60C)には、図7に示すように半円上の凹部60aが形成されており、CNGボンベ4A〜4Cの設置時には、容器元弁40A〜40Cの胴部(凸部)40aがこの凹部60a内に収容されるようになっている。具体的には、各容器元弁40A〜40Cの胴部40aはCNGボンベ4A〜4Cの中心から径方向に向けて突設されており、各ガイドプレート60A〜60Cの凹部60aは、胴部40aの回転軌跡上に位置している。容器元弁40A〜40Cの胴部40aは円形断面であり、凹部60aは胴部40aよりも大径に形成されている。胴部40aに対するガイドプレート60A〜60Cの凹部60aの位置は、容器元弁40A〜40Cが適正な位置及び向きになるようにCNGボンベ4A〜4Cが配置されたとき、胴部40aと凹部60aとが同心になるような位置に設定されている。
【0026】
本発明の一実施形態としての車両の燃料用ガスボンベ搭載構造は上述のように構成されているので、容器元弁40A〜40Cの位置及び向きは次のようにして割り出すことができる。
まず、CNGボンベ4A〜4Cをそれぞれ所定の位置に載置し、容器元弁40A〜40Cの胴部40aをガイドプレート60A〜60Cの凹部60a内に収容する。上述したように胴部40aに対する凹部60aの位置は、容器元弁40A〜40Cが適正な位置及び向きになるようにCNGボンベ4A〜4Cが配置されたとき、胴部40aと凹部60aとが同心になるように設定されているので、もし、CNGボンベ4A〜4Cの前後方向位置及び回転角度が適正でない場合には、胴部40aの中心と凹部60aの中心とがずれることになる。
【0027】
この胴部40aと凹部60aとの中心位置のずれは、胴部40aと凹部60aとの間のクリアランスに影響する。すなわち、容器元弁40A〜40Cの前後方向位置が適正でない場合には水平方向のクリアランスXが適正値から外れ、容器元弁40A〜40Cの向き(回転角度)が適正でない場合には鉛直方向のクリアランスYが適正置から外れることになる。つまり、クリアランスX,Yの適正値からのずれにより、容器元弁40A〜40Cの位置及び向きを割り出すことができるのである。なお、胴部40aの中心と凹部60aの中心とがずれているか否かは作業者の目視によって十分判断できるので、厳密にクリアランスX,Yを計測する必要はない。
【0028】
このように、本燃料用ガスボンベ搭載構造によれば、容器元弁40A〜40Cの胴部40aとガイドプレート60A〜60Cの凹部60aとのクリアランスに基づき容器元弁40A〜40Cの位置及び向きを容易に割り出すことができるので、CNGボンベ4A〜4Cの前後方向位置及び回転角度を適正な位置及び角度に簡単に調整することができるという利点がある。
【0029】
したがって、ガス配管45,46と容器元弁40A〜40Cとを正確に接続することができるようになり、運転中にガス配管45,46と容器元弁40A〜40Cとの繋ぎ目からガスが漏れ出したりする虞はない。
また、容器元弁40A〜40Cを操作する操作用シャフト50A〜50Cは樹脂クリップ52A〜52Fにより軸支されているので、容器元弁40A〜40Cの位置や向きが狂うととうまく回らなかったり破損したりする虞があるが、本燃料用ガスボンベ搭載構造によれば、容器元弁40A〜40Cを適正な位置及び向きに容易に調整することができるので、そのような心配もない。
【0030】
以上、本発明の実施の形態の一つについて説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上述の実施形態では、CNGボンベ4A〜4Cの容器元弁40A〜40Cの位置及び向きを割り出すための基準具として凹部60aを有するガイドプレート60A〜60Cをそなえているが、基準具の構成はこれに限定されるものではない。つまり、容器元弁40A〜40Cとの相対的な位置関係により、容器元弁40A〜40Cの位置及び向きを割り出すことができるものであればよい。また、容器元弁40A〜40Cの位置及び向きの何れか一方が固定されている場合には、変動しうる他方のみを割り出すようにしてもよい。
【0031】
さらに、本発明の車両の燃料用ガスボンベ搭載構造の適用対象はノーステップ型のバスに限定されるものではなく、CNGボンベ等の燃料用ガスボンベを屋根上に搭載するバス一般、さらには、燃料用ガスボンベを屋根上に搭載する自動車,トラック及び鉄道を含めた車両一般が適用対象である。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両の燃料用ガスボンベ搭載構造によれば、燃料用ガスボンベの開閉弁の前後方向位置及び回転角度を割り出すための基準具をそなえることによって、燃料用ガスボンベの搭載位置の位置合わせを容易に行なうことができるという利点がある(請求項1)。
【0033】
特に、開閉弁に燃料用ガスボンベの中心から径方向に向けて突設された凸部をそなえるとともに、基準具に開閉弁の凸部を収容可能な凹部を形成し、燃料用ガスボンベのキャリアへの載置時に凹部が凸部の回転軌跡上に位置するように基準具を配設し、凸部が凹部に収容されたときの凸部と凹部とのクリアランスにより開閉弁の前後方向位置及び回転角度を割り出すようにするので、作業者の目視でも容易に開閉弁の前後方向位置及び回転角度を割り出すことができ、燃料用ガスボンベの位置合わせがさらに容易になるという利点がある(請求項1)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両の燃料用ガスボンベ搭載構造が適用されるCNGノーステップ車の側面図である。
【図2】本発明の一実施形態としての車両の燃料用ガスボンベ搭載構造にかかるキャリアの斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態としての車両の燃料用ガスボンベ搭載構造にかかるキャリアの取付構造を示す斜視図である。
【図4】図3のA部における構造を拡大して示す模式的分解図である。
【図5】本発明の一実施形態としての車両の燃料用ガスボンベ搭載構造を示す要部平面図である。
【図6】図5のB−B方向矢視断面図である。
【図7】本発明の一実施形態としての車両の燃料用ガスボンベ搭載構造にかかるガイドプレートの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ノーステップ車(車両)
3 屋根
4,4A〜4C CNGボンベ
5 ルーフパネル
6 エンジン
10 キャリア
11 ボンベサポート
12,13 カバー
12a 開口
12c 蓋
40A〜40C 容器元弁(開閉弁)
40a 胴部(凸部)
41A〜41C 主止弁
42 逆止弁
43A〜43C 主止弁
45 充填用配管
46 供給用配管
47A〜47C コック
48A〜48C 連結部材
50A〜50C 操作用シャフト
51A〜51C ハンドル
52A〜52F 樹脂クリップ
60,60A〜60C ガイドプレート(基準具)
60a 凹部
Claims (2)
- 屋根部に燃料用ガスボンベを搭載した車両の燃料用ガスボンベ搭載構造であって、
該燃料用ガスボンベの開閉弁に該燃料用ガスボンベの中心から径方向に向けて突設された凸部をそなえるとともに、
該燃料用ガスボンベが載置されるキャリアに、該凸部を収容可能な凹部が形成された、該開閉弁の前後方向位置及び回転角度を割り出すための基準具をそなえ、
該燃料用ガスボンベの該キャリアへの載置時に、該燃料用ガスボンベを回転させることで該凸部が回転して、該凹部が該凸部の回転軌跡上に位置するように該基準具を配設し、該凸部が該凹部に収容されたときの該凸部と該凹部とのクリアランスにより該開閉弁の前後方向位置及び回転角度を割り出すようにした
ことを特徴とする、車両の燃料用ガスボンベ搭載構造。 - 該凸部は、円形断面の該開閉弁の胴部であるとともに、
該凹部は半円状、且つ、該凸部よりも大径に形成されている
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の燃料用ガスボンベ搭載構造。
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