JP6276989B2 - 燃料タンクのカバー構造及びバス車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される燃料タンクのカバー構造に関する。
従来より、ホイールベースの間に車両の前後方向に対して横向きとなるようにシートを設置し、この横向きシートの下方の床下に燃料タンクが搭載されたノンステップバスが知られている。
昨今、公共交通機関のバリアフリー化が推進される中、路線バスでも車室内の段差を無くすべく、燃料タンクを車外から車室内側へと移動させる動きがある。
特許文献1の低床バスでは、客室床面をフロントタイヤハウスより後方へ設置し、燃料タンクをフロントタイヤハウスより前方に設置することによって、段差の少ない客室床面及び幅の広い通路を形成し、座席スペースを広げたことが記載されている。
特開2004−322819号公報
バス車両の車室内は、乗客の定員確保及び居住性が求められ、限られた空間を有効に使う必要がある。
このために、車室内の空間を広く確保する必要があるが、燃料タンクを車室内側に移動させる場合には、燃料タンクのカバーもコンパクトに設計する必要がある。また、燃料タンクの組み付け時及び点検整備時の作業性を確保することも必要である。また、車室内に荷物を置く場所が必要であり、燃料タンクを車室内側に移動させる場合には、荷物置きを考慮する必要がある。
本願発明はこのような課題に鑑みて創案されたものであり、組み付け時又は点検整備時の作業性を向上させた、燃料タンクのカバー構造を提供することを目的としている。
(1)上記の目的を達成するために、ここで開示する流体を貯蔵する流体タンクのカバー構造は、車両に搭載される流体タンクのカバー構造であって、前記車両の床面を支持するボデーフレームに取り付けられるフェンダーと、前記フェンダーの後方側面に搭載される流体タンクとを備える、また、前記流体タンクのカバー構造は、前記流体タンクの下部の側面部及び後面部を覆う下部カバーと、前記流体タンクの上部の側面部及び後面部を覆う中間カバーと、前記流体タンクの上面部を覆う上部カバーとを備え、前記中間カバーは前記下部カバーと取り外し可能に接合されているとともに、前記中間カバーが前記下部カバーに接合する中間接合部に、前記中間接合部をシールするシール部材が設けられており、前記上部カバーは前記中間カバーと取り外し可能に接合されているとともに、前記上部カバーが前記中間カバーに接合する上部接合部に、前記上部接合部をシールするシール部材が設けられている
)前記流体タンクには、その上面部から後面部にかけて溝状に連続する凹部が施されてもよい。また、前記フェンダーに設けられた締結部に帯状の緊締部材が連結され、前記緊締部材が前記凹部と係合して前記流体タンクを前記フェンダーに固定してもよい。また、前記中間カバーは前記下部カバーと、ボルト及びナットにより締結されてもよい。また、上記のボルト及びナットによる締結位置が、上記の後面部に形成される凹部と面していてもよい。
)前記上部カバーが、繊維強化複合材料からなってもよい。
)前記フェンダーは、前記車両の前輪タイヤの上部を覆う上面部を有し、前記流体タンクは、前記フェンダーに面するタンク前面部が前記フェンダーの後部側の形状に沿った形状で、前記フェンダーの上面部の高さまで形成されてもよい。
)ここで開示するバス車両は、流体タンクのカバー構造を備えるバス車両であって、前記車両のシャシフレームに取り付けられる前記ボデーフレームを備え、前記流体タンクは前記車両の車室内側に搭載される。
本発明の燃料タンクのカバー構造は、燃料タンクがフェンダーの後方側面に搭載され、燃料タンクの下部の側面部及び後面部を覆う下部カバーと、燃料タンクの上部の側面部及び後面部を覆う中間カバーと、燃料タンクの上面部を覆う上部カバーとにより燃料タンクが覆われていることにより、燃料タンクを覆うカバーが一体で構成されている場合と比べて、作業性を向上させることができる。
一実施形態に係る燃料タンクのカバー構造の一例を模式的に示す斜視図であり、中間カバー及び上部カバーを取り付けた状態を示している。 一実施形態に係る燃料タンクのカバー構造の一例を模式的に示す図であり、(a)は燃料タンクを取り付け、中間カバー及び上部カバーを取り外した状態を示す斜視図であり、(b)は燃料タンクと下部カバー及び中間カバーとの断面図である。 一実施形態に係る燃料タンクのカバー構造の一例を模式的に示す斜視図であり、中間カバー、上部カバー、及び燃料タンクを取り外した状態を示している。 一実施形態に係る燃料タンクのカバー構造の一例を模式的に示す斜視図であり、中間カバーを取り付け、上部カバー及び燃料タンクを取り外した状態を示している。 一実施形態に係る燃料タンクのカバー構造の一例を模式的に示す斜視図であり、中間カバーを取り付け、上部カバー及び燃料タンクを取り外した状態を別の視点から示している。 一実施形態に係る中間カバーを模式的に示す斜視図であり、(a)は中間カバーを燃料タンクと反対側から見た場合を示す図、(b)は中間カバーを燃料タンクと同じ側から見た場合を示す図である。 一実施形態に係る上部カバーを模式的に示す斜視図であり、(a)は上部カバーを燃料タンクと反対側から見た場合を示す図、(b)は上部カバーを燃料タンクと同じ側から見た場合を示す図である。 一実施形態に係る燃料タンクのカバー構造及びフレームの構造の一例を模式的に示す図である。 一実施形態に係る燃料タンクのカバー構造の燃料タンクの脱着作業の一例を説明するための模式図である。
以下、図面を参照して、実施形態としての流体を貯蔵する流体タンクのカバー構造について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.構成]
本実施形態の燃料タンクのカバー構造1は、バス車両に搭載される流体としての燃料を貯蔵する燃料タンク51のカバー構造であって、図1、図2に示すように、フェンダー31と、燃料タンク51と、下部カバー38と、中間カバー81と、上部カバー91とを備える。なお、以下の説明において、単に前、後、左、右という場合、バス車両の進行方向に対しての前後方向又は左右方向を基準として指し示すものとする。
[1−1.バス車両]
まず、燃料タンクのカバー構造1が備えられるバス車両の構成について説明する。
図8は、本実施形態に係る燃料タンクのカバー構造1を備えるバス車両のフレームの構造について、バス車両の中心付近から左側の部分を模式的に示す図である。
図8に示すように、燃料タンクのカバー構造1を備えるバス車両は、シャシフレーム11と、シャシフレーム11に取り付けられるボデーフレーム21と、ボデーフレーム21に取り付けられるフェンダー31とを備えている。
シャシフレーム11は、バス車両の前後方向に延びる左右一対のサイドレール12a,12bと、サイドレール12a,12bの間をバス車両の横方向に連結する複数のクロスメンバ13a〜13cと、サイドレール12a,12bからそれぞれバス車両の側方へ延出される複数のアウトリガ14a〜14cとからなる。
シャシフレーム11には、アウトリガ14a〜14cの端部に、それぞれ図示しないサイドボデー取り付け用の複数のブラケット15aが設けられる。また、サイドレール12a,12bそれぞれからバス車両の内側に、ボデーフレーム21取り付け用の複数のブラケット15bが設けられる。
ボデーフレーム21は、ブラケット15bを介してシャシフレーム11に取付られている。ボデーフレーム21は、サイドボデーに沿って前後方向に延びるシル22aと、サイドレール12a,12bの上方でそれぞれ車両前後方向に延在するシル22b,22cと、シル22aとシル22bとの間又はシル22bと22cとの間に設けられるシル23と、シル22aに取り付けられてバス車両の側面部をなす図示しない壁部材であるサイドボデーと、シル22a,22b,23に支持されてバス車両の床面をなす図示しない床部材とにより構成されている。また、フェンダー31及び下部カバー38もボデーフレーム21を構成する
シャシフレーム11及びボデーフレーム21はこのようにして構成されており、燃料タンク11はシル23に取り付けられるフェンダー31の後方側面に搭載されることで、バス車両の車室内側に搭載される。バス車両に燃料タンクのカバー構造1が備えられた際には、燃料タンク51の給油口は、フェンダー31の上に設けられ、バス車両の図示しない窓より低い位置に設けられている。
[1−2.フェンダー及び下部カバー]
次に、本実施形態に係るバス車両のフェンダー31及び下部カバー38の構成について説明する。
図3、図4は、本実施形態に係る燃料タンクのカバー構造1について、フェンダー31の上側後方から外方向をみた斜視図である。なお、図3では、前輪タイヤ24とフェンダー31との位置関係を模式的に示している。
図3に示すように、フェンダー31は、バス車両の前輪タイヤ24の前方を覆う前面部32(フェンダー前面部)と、前面部32に接合して前輪タイヤ24の上部前方及び上部を覆う上面部33(フェンダー上面部)と、上面部33から延在されて前輪タイヤ24の上部後方を覆う斜面部34(フェンダー斜面部)と、斜面部34に接合してバス車両の下方にシル23まで延在されて前輪タイヤ24の後方を覆う縦面部35と、縦面部35からバス車両の後方に向けて床面に対して水平方向に延在されるサポート部36とを有している。また、フェンダー31は、前輪タイヤ24の室内側側方を覆う側面部37(フェンダー側面部)を有する。
フェンダー上面部33と斜面部34とは、一枚の鋼板からなり、フェンダー上面部33が床面に対して水平となり、斜面部34が床面に対して斜めとなる形状となるよう折り曲げられることで、フェンダー上面部33と斜面部34とが形成される。
縦面部35とサポート部36とは、一枚の鋼板からなり、L字状に折り曲げられることで縦面部35とサポート部36とが形成されている。縦面部35は、バス車両の床面に対して垂直となり、サポート部36はバス車両の床面に対して水平となるように設けられている。縦面部35は、その車両外側の側端部に、バス車両のサイドボデーと水平となるようにして延在されるフランジ部が形成され、このフランジ部分においてサイドボデーに固定されている。また、サポート部36はその下に架設されるシル23に固定される。
フェンダー側面部37は、一枚の鋼板からなり、フェンダーの前面部32と、上面部33と、斜面部34と、縦面部35と、それぞれの車室内側の端部において溶接により溶着されている。また、フェンダー側面部37は、その下端がシル23と水平となるように車室内側に延在されるフランジ部が形成され、このフランジ部分においてシル23に溶接により溶着される。
図3に示すように、フェンダー31の後方には、フェンダー側面部37に接合して燃料タンク51の側面部60と後面部59とに面して延在された、鋼板からなる下部カバー38が設けられている。下部カバー38は、燃料タンク51の側面部を覆う側面カバー39と、燃料タンク51の後面部を覆う後面カバー40とからなり、燃料タンク51の下部の側面部及び後面部を覆うものである。
本実施形態に係る下部カバー38は、側面カバー39と後面カバー40とが、互いに接する側面カバー39の後方端部と後面カバー40の右側端部とにおいて溶接により溶着されている。さらに、側面カバー39とフェンダー側面部37とが、互いに接する側面カバー39の前側端部とフェンダー側面部37の後方端部とにおいて溶接により溶着されている。
側面カバー39は、その下端がシル23と水平となるように車室内側に延在されるフランジ部が形成され、このフランジ部分においてシル23に溶接により溶着される。
側面カバー39は、その下部39aが床面に対して垂直となるよう形成されている。下部39aから上の中間部39bは、燃料タンク51が搭載される側へ向けて傾斜するように形成されている。中間部39bから上の上部39cは、再び床面に対して垂直となるよう形成されている。側面カバーの上部39cの車両前側におけるフェンダー側面部37の近傍には、中間カバー取り付け用の取付穴46aが設けられている。
後面カバー40は、バス車両の床面に対して垂直となるように設けられている。後面カバー40は、バス車両の外側のサイドボデーに近い部分において、サイドボデーに設けられた後面カバー固定用ブラケット106に固定されている。
後面カバー40の上端部付近には、中間カバー取り付け用の3つの取付穴46b,46c,46dが設けられている。取付穴46b,46cは、燃料タンク51がフェンダー31の後方側面に搭載された場合に、後面部59に形成される凹部65bと面する位置に形成されている。取付穴46dは、バス車両の外側のサイドボデーに近い位置に形成されている。
このようにフェンダー31と下部カバー38とは溶接により組みつけられた溶組部品からなり、フェンダー31と下部カバー38との接合部に空隙が生じないようにシールされた構造となっている。
サポート部36には、サポート部36を貫通する連通穴43が設けられている。また、図9に示すように、サポート部36の下面には、連通穴43の前方及び左右を覆う底部カバー44が設けられている。
図4に示すように、フェンダー上面部33の後方側の端部には、締結部材取付ブラケット41が固設されている。締結部材取付ブラケット41は断面コ字形状に形成された部材であって、コ字形状の断面開口部をバス車両の前方に向けるとともに、その下端部においてフェンダー上面部33に固設されている。
図3に示すように、斜面部34の右方端部からフェンダー上面部33の右方端部にかけて、すなわち斜面部34とフェンダー上面部33がフェンダー側面部37と溶着している箇所の上部において、中間カバー取付ブラケット101が溶着されて設けられている。中間カバー取付ブラケット101は板状の部材であって、その車両後方に位置する下端部が側面カバー39の前方上端部と接合している。中間カバー取付ブラケット101の上端部は、フェンダー上面部33において端部から車両左側に向けて折り曲げられて設けられている。中間カバー取付ブラケット101には、斜面部34と接合している箇所の中間部付近に取付穴102cが設けられ、フェンダー上面部33と接合している箇所に2箇所の取付穴102a,102bが設けられている。
図4、図5に示すように、フェンダー上面部33の後方側の端部付近であって、締結部材取付ブラケット41よりも車両前側の位置に、車両の左右方向にかけて上部カバー取付ブラケット103が固設されている。上部カバー取付ブラケット103は、締結部材取付ブラケット41よりも上端部が高くなるよう形成されている。上部カバー取付ブラケット103には上部に、図示しない上部カバー取付用のナットが溶接により、取付けられている2箇所の被螺合部104a,104bが設けられている。
フェンダー上面部33の後方側の端部付近であって、上部カバー取付ブラケット103よりも車両前側の位置に、車両の左右方向にかけて上部カバーサポート部材105が固設されている。上部カバーサポート部材105は、車両室内側部分の平行部105aと、車両サイドボデー側部分の立上り部105bとからなる。上部カバーサポート部材105は、断面コ字状の部材であり、コ字形状の断面開口部をバス車両の前方に向けるとともに、その下端部においてフェンダー上面部33に固設されている。
平行部105aは、フェンダー上面部33に対して上端部が平行となり、上部カバー取付ブラケット103よりも上端部が低くなるよう形成されている。
立上り部105bは、フェンダー上面部33に対して車両外側方向に向かうにつれて、平行部105aから上端部が立上り、側面視が直角三角形状となるように形成されている。
上部カバーサポート部材105は、車両右側の平行部105aがフェンダー上面部33の端部付近まで延設され、車両左側の立上り部105bが車両のサイドボデーと当接して設けられている。上部カバーサポート部材105は、その断面がコ字状に形成されているため、平行部105a及び立上り部105bはともに、その上面が平らな面を形設している。
後面カバー固定用ブラケット106は、断面L字状に形成された部材であり、図2、図3に示すように、L字の一片がサイドボデーに溶接されている。後面カバー固定用ブラケット106には、上端部付近に中間カバー取り付け用の取付穴107aが設けられている。また、後面カバー固定用ブラケット106に下部カバー38が取り付けられている際に、下部カバー38の上端よりも後面カバー固定用ブラケット106が上部に突出した部分の中間付近の位置に、中間カバー取り付け用の取付穴107bが設けられている。
[1−3.中間カバー]
次に、本実施形態に係る中間カバー81の構成について説明する。
中間カバー81は、図1、図4に示すように、燃料タンク51の上部の側面部及び後面部を覆うものであり、下部カバー38及びフェンダー31と取り外し可能に接合されている。中間カバー81は、図6(a)、図6(b)に示すように、中間カバー81が取り付けられた際に、燃料タンク51の上部の側面部及び後面部を覆うように、また側面カバー39と後面カバー40との形状にあわせて、全体がL字状に形成されている。
中間カバー81は、L字状に成形されたパネル82と、パネル82の上端部に設けられた上枠部83と、パネル82の下端部に設けられた下枠部84と、パネル82の一方の横方向の端部に設けられた右枠部85、パネル82の他方の横方向の端部に設けられた左枠部86とからなる。さらに、上枠部83に上部カバー取付ブラケット111,112が溶着されて設けられている。また、下枠部84、右枠部85、左枠部86のパネル82に対して内周側に沿ってシール部材87が設けられている。
パネル82は、鉄製の板金にレザー巻きつけが施されている。パネル82は、側面カバー39と後面カバー40との形状にあわせて、コーナー部分を有するL字状に成形されており、下端部が側面カバー39と後面カバー40とに当接するようになっている。
図6(a)の図中右側に示す、下部カバー38に取り付けられた際に車両の前方となる端部は、フェンダー側面部37の後方端部であって斜面部34と接合している部分に沿うように、下端部から斜めに形成されている。
さらに、車両前方となる端部の上端部が、フェンダー側面部37の上端部であってフェンダー上面部33と接合している部分に沿うように、車両前方に向けて延在されている。この延在された部分は、中間カバー取付ブラケット101のフェンダー上面部33上に存在する部分と重なるよう形成されている。
図6(a)の図中左側に示す、下部カバー38に取り付けられた際に車両の左右側方となる端部は、車両のサイドボデーと当接するよう下端部から垂直に形成されている。
上枠部83、下枠部84、右枠部85、及び左枠部86は、パネル82の端部に固定された金属製の部材であり、パネル82を補強する働きをしている。上枠部83は、断面L字状に形成されており、L字のコーナー部を燃料タンク51とは反対側の上側に向けて延在することで、上面が平らな面を形設しており、その上面部により中間カバー81の上部に取り付けられる上部カバー91をサポートする。下枠部84、右枠部85、及び左枠部86は、パネル82のL字構造の内側に配置されている。
右枠部86の中間部付近には、取付穴88aが設けられている。下枠部84には、下部カバー38に取り付けられた際に側面カバー39と面する側の車両前側の端部に、取付穴88bが設けられている。下枠部84には、下部カバー38に取り付けられた際に後面部59と面する側に、3箇所の取付穴88c,88d,88eが設けられている。左枠部86には、下部カバー38に取り付けられた際に後面カバー固定用ブラケット106と面する中間部付近に、取付穴88fが設けられている。
上枠部83には、下部カバー38に取り付けられた際に側面カバー39と面する側であって車両前側となる部分に、中間カバー取り付け用の取付ボルト89a,89bが、軸を上枠部83に貫通させてねじ先を中間カバー81のL字構造の内側に向けて溶接されている。
また、上枠部83には、下部カバー38に取り付けられた際に後面部59と面する側であってサイドボデーに近接する側の端部に、中間カバー取り付け用の取付ボルト89cが、軸を上枠部83に貫通させてねじ先を中間カバー81のL字構造の内側に向けて溶接されている。
これらの取付穴88a〜88e及び取付ボルト89a,89b,89cは、中間カバー81が下部カバー38に取り付けられた際に、下部カバー38側の取付穴の位置と対応する位置になるよう配置されている。すなわち、取付穴88aは取付穴102c、取付穴88bは取付穴46a、取付穴88c〜88eは取付穴46b〜46d、取付穴88fは取付穴107b、取付ボルト89a,89bは取付穴102a,102b、取付ボルト89cは取付穴107aにそれぞれ対応する位置となるよう互いに配置されている。
中でも、取付穴88c,88dは、中間カバー81が下部カバー38に取り付けられて、燃料タンク51がフェンダー31の後方側面に搭載された場合に、後面部59に形成される凹部65bと面する位置に形成されている。
取付穴102a,102b,107aに取付ボルト89a,89b,89cをそれぞれ挿入するとともに、取付穴102c,46a,46b〜46d,107bと取付穴88a,88b,88c〜88e,88fとがそれぞれ重なった状態となるよう中間カバー81を下部カバー38に当接させる。この状態で、取付ボルト89a,89b,89cをナットと締結し、取付穴88a,88b,88c〜88e,88f及び取付穴102c,46a,46b〜46d,107bに図示しないボルトを挿入して、このボルトをナットと締結することで、中間カバー81を下部カバー38及びフェンダー31に接合させて、取り付けることができる。
中間カバー81を下部カバー38及びフェンダー31に取り付ける際には、中間カバー81の左枠部86が設けられた端部が、車両のサイドボデーと当接されるようにして配置する。また、中間カバー81と下部カバー38とが重なる部分では、中間カバー81が燃料タンク51からみて外側となるように配置する。
上部カバー取付ブラケット111には、図示しない上部カバー取付用のナットが溶接により、取付けられている被螺合部113が設けられている。上部カバー取付ブラケット112には、図示しない上部カバー取付用のナットが溶接により、取付けられている2箇所の被螺合部114a,114bが設けられている。
シール部材87は、エプトシーラー(登録商標)より形成されている。シール部材87は、中間カバー81が取り付けられた際に、気密をとることができる素材であれば特に限定されないが、例えばゴム、合成樹脂等からなる、独立気泡構造又は半独立気泡構造を有するスポンジ状の多孔性材料を用いることができる。中でも、液体の透過を防ぐことができる素材が好ましく、また、車両の燃料の臭気の透過を防ぐことができる素材が好適に用いられる。
中間カバー81を下部カバー38及びフェンダー31に取り付けた際には、中間カバー81がシール部材87を介して、下部カバー38、フェンダー31の中間カバー取付ブラケット101、及びサイドボデーに固定された後面カバー固定用ブラケット106と接合する。すなわち、図1に示すように、中間カバー81には、中間カバー81が、下部カバー38と、フェンダー31と、サイドボデーの後面カバー固定用ブラケット106とに接合する、中間接合部131にあたる位置に、中間接合部131をシールするシール部材87が設けられている。
[1−4.上部カバー]
次に、本実施形態に係る上部カバー91の構成について説明する。
図7(a)は、上部カバー91の構造について、上面から見た斜視図である。図7(b)は、上部カバー91の構造について、下面から見た斜視図である。
図7(a)、図7(b)に示すように、上部カバー91は、上面にアウター9を備え、アウター9の下側となる下面にインナー93を備えており、さらにインナー93の下側の辺縁部にはシール部材94が設けられている。
上述したとおり、図4、図5に示すように、フェンダー31に下部カバー38が取り付けられ、さらに中間カバー81が取り付けられることによって、フェンダー31、下部カバー38、及び中間カバー81が燃料タンク51の周辺を囲み、これらによって囲まれた上面部が上側に向けて開放されるようになっている。
このとき、中間カバー81の上枠部83の、左枠部86が設けられた側の端部と当接させて、サイドボデーに上部カバーサポート部材108が固定される。上部カバーサポート部材108は断面L字状の部材であって、L字構造の一辺をサイドボデーに固定するとともに、他の一辺をサイドボデーから車室内側に垂直方向に延設している。上部カバーサポート部材108は、燃料タンク51のフィラーネック63をサイドボデーから外部側に露出させるために設けられた取出口110の上端部の位置にあわせて、車両前側が上方を向いた形で床面に対して斜めに取り付けられている。
さらに、上部カバーサポート部材108の車両前側の端部と当接させて、サイドボデーに上部カバーサポート部材109が固定される。上部カバーサポート部材109は断面L字状の部材であって、L字構造の一辺をサイドボデーに固定するとともに、他の一辺をサイドボデーから車室内側に垂直方向に延設して床面に対して水平となるように取り付けられている。上部カバーサポート部材109は、取出口110の上端部の位置と同じかそれよりも高い位置に取り付けられている。上部カバーサポート部材109の車両前側の端部は、上部カバーサポート部材105の立上り部105bと、立上り部105bが車両のサイドボデーと当接している上端部において当接する。
このようにして、燃料タンク51の上部の周囲は、上部カバーサポート部材105、中間カバー81の上枠部83、上部カバーサポート部材108、及び上部カバーサポート部材109が連接するようにして囲んでおり、これらの上面によって一回りの連接構造が形成されている。上部カバー91のインナー93は、その下側の辺縁部が、上記の連接構造の形状に沿って形成されている。当然に、インナー93の下側の辺縁部に設けられるシール部材94も、上記の連接構造の形状に沿って形成されている。
図7(a)、図7(b)に示すように、インナー93は、上記の連接構造の形状よりも高い位置に上端が形成されている、上部カバー91を取り付けるための上部カバー取付ブラケット103,111,112の上端部の高さにあわせて、辺縁部よりも内側の部分を上方に拡張させて形成されている。また、燃料タンク51には上面部58にエアベントパイプ66、ブリーザホース67等の各種パイプが設けられており、上面部58の車両の側面部側にフィラーネック63が設けられているため、インナー93はこれらと干渉しないように、辺縁部よりも内側の部分を上方に拡張させている。中でも、インナー93は、上部カバー91を取り付けた際に、車両の側面部近傍にあたる部位の高さがさらに高くなるように形成されている。
すなわち、本実施形態に係るインナー93は、辺縁部の下面が、図7(a)、図7(b)に示すように、上部カバー91を取り付けた際に車両後方側のサイドボデーに近接する箇所では、上部カバーサポート部材108の形状に沿って、車両前側に向かうにつれて上方を向いた形となるよう斜めに形成される。インナー93の辺縁部がサイドボデーに当接する箇所ではその辺縁部の下面が、上部カバーサポート部材109の形状に沿って水平に形成される。インナー93の辺縁部がサイドボデーから車室内側に向けて延出される箇所ではその辺縁部の下面が、上部カバーサポート部材105の立上り部105bに沿って、車室内側に向かうにつれて下方を向いた形となるよう斜めに形成される。インナー93の辺縁部がサイドボデーから離れて車室内側に向けて延出された後、車両後方側に向けて延出され、さらにサイドボデー側に向けて延出されることで、コの字を描くようにして形成される箇所では、それぞれ上部カバーサポート部材105の平行部105a、L字状に形成されている中間カバー81の上枠部83のL字構造の車両前後方向に当たる部分、L字状に形成されている中間カバー81の上枠部83のL字構造の車両左右方向に当たる部分に沿って水平に形成される。
インナー93は、FRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)により形成されている。インナー93に用いられる素材は特に限定されないが、強度と密閉性(シール性)とを兼ね備えたものが好ましく、プラスチック素材からなる母材に強化用の繊維素材を含有させた繊維強化複合材料が好適に用いられる。中でも、強化材としてガラス繊維を用いたガラス繊維強化プラスチック(Glass Fiber Reinforced Plastics)、又は強化材として炭素繊維を用いた炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics)が好ましい。
インナー93は、従来よりも、数ミリ板厚を増していることで強度を高めている。
シール部材94は、エプトシーラー(登録商標)により形成されている。シール部材94は、上述したシール部材87に用いられる素材を同様に用いる事ができる。
アウター92は、インナー93の形状にあわせてインナー93の上部に設けられている。
アウター92は、AES樹脂(acrylonitrile ethylene-propylene-diene styrene)により形成されている。アウター92に用いられる素材は特に限定されないが、耐侯性に優れる樹脂が好ましく、美感を兼ね備えたものがより好ましい。
アウター92及びインナー93は上述したように形成されており、さらに上部カバー取り付け用の取付穴95a,95b,95c,95d,95eが、アウター92及びインナー93を貫通させて設けられている。取付穴95a,95b,95c,95d,95eは、上部カバー91が取り付けられた際に、上部カバー取付ブラケット103,111,112に設けられた被螺合部の位置と対応する位置になるよう配置されている。具体的には、取付穴95a,95bは被螺合部104a,104b、取付穴95cは被螺合部113、取付穴95d,95eは被螺合部114a,114bにそれぞれ対応する位置となるよう互いに配置されている。
シール部材94を上記の連接構造の形状に密接させるとともに、取付穴95a,95b,95c,95d,95eと被螺合部104a,104b,113,114a,114bとがそれぞれ重なった状態となるよう上部カバー91を中間カバー81及びフェンダー31に当接させる。この状態で、取付穴95a,95b,95c,95d,95eに図示しないボルトを挿入して、このボルトを被螺合部104a,104b,113,114a,114bと締結することで、上部カバー91を中間カバー81及びフェンダー31に接合させて、取り付けることができる。
上部カバー91を中間カバー81及びフェンダー31に取り付けた際には、シール部材94を介して、中間カバー81の上枠部83、上部カバーサポート部材105、並びにサイドボデーに固定された上部カバーサポート部材108、及び上部カバーサポート部材109と接合する。すなわち、上部カバー91には、図1に示すように、上部カバー91が、中間カバー81の上枠部83と、フェンダー31の上部カバーサポート部材105と、サイドボデーの上部カバーサポート部材108,109とに接合する、上部接合部132にあたる位置に、上部接合部132をシールするシール部材94が設けられている。
[1−5.燃料タンク]
さらに、本実施形態に係る燃料タンク51の構成について説明する。
燃料タンク51は、フェンダー31の後方側面に搭載される樹脂製のタンクであって、図2(a)に示すように、フェンダー31に面する燃料タンク51の前方の前面部56(タンク前面部)が、フェンダー31の後部側の斜面部34と縦面部35との形状に沿った形状に形成される。燃料タンク51は、略直方体形状に形成されるタンク下部53と、前記タンク下部53から上方に斜面部34に沿って拡開されるタンク上部52とが一体となって形成される。
タンク下部53は、燃料タンク51の下部の面ともなるタンク下部53の下面部57の形状、及びタンク下部53の水平方向の断面の形状がサポート部36と同じか若干小さい略長方形状に形成される。タンク下部53において縦面部35に面する下部前面部55は、燃料タンク51がフェンダー31の後方側面に搭載された場合に、下面部57の前端部からフェンダー31の縦面部35に沿ってバス車両の床面に対して垂直となるよう上方に延出される。
タンク上部52は、その水平方向の断面の面積が上方に向かうにつれて大きくなるよう断面が略長方形状に形成される。タンク上部52において斜面部34に面する上部前面部54は、燃料タンク51がフェンダー31の後方側面に搭載された場合に、下部前面部55の上端部からフェンダー31の斜面部34に沿って上端がフェンダー上面部33の高さと略同一となるまで拡開される。これにより、燃料タンク51の上部の面である上面部58(タンク上面部)は、フェンダー上面部33の高さと同程度の高さに形成される。
このようにして、燃料タンク51は、上部前面部54と下部前面部55からなるタンク前面部56が、フェンダー31の縦面部35の下端部から斜面部34の上端部までに沿った形状となるように上面部58の高さまで形成される。燃料タンク51は、下部前面部55が縦面部35に近接し、上部前面部54が斜面部34に近接するとともに、サポート部36上に配置されて下面部57がサポート部36により下方から保持されて車両に搭載される。
燃料タンク51の後方の後面部59は、下面部57に対して垂直となるよう形成され、後面部59が後面カバー40に近接して配置される。また、燃料タンク51は、横幅がフェンダー31の横方向の幅よりも少し小さくなるよう形成されており、燃料タンク51がフェンダー31の後方側面に搭載された場合に、燃料タンク51の側面部60が車幅方向に対してフェンダーの側面部37よりも張り出したものとならないよう搭載される。
燃料タンク51の下面部57は、中央付近が下方に延出されて底部61を形成している。燃料タンク51がフェンダー31の後方側面に搭載された場合に、底部61は連通穴43を通じてサポート部36よりも下面に露出するよう形成されている。底部61の後方側面には、後方に向けて図示しない燃料パイプが取り付けられる。
燃料タンク51のフィラーネック63は、燃料タンク51の上部におけるバス車両の外側の端部に設けられる。すなわち、フィラーネック63は、燃料タンク51の上面部の端部、又は燃料タンク51の側面部の上端部付近に設けられる。燃料タンク51のタンク上面部58は、フェンダー上面部33の高さと同程度の高さに形成されることから、燃料タンク51の給油口は、燃料タンク51がフェンダー31の後方側面に搭載された場合に、フェンダー31の斜面部34から上面部33付近の高さとなるように配置される。
燃料タンク51の上面部58には、燃料タンク51の内圧を抜くためのエアベントパイプ66、及び燃料タンク51の内部と外気とを連通するブリーザホース67とが設けられている。
図2に示すように、燃料タンク51の外側表面には、上面部58から後面部59にかけて溝状に連続する2つの凹部65が施される。凹部65は、上面部58の溝部65aでは前後方向に、後面部59の溝部65bでは床面に対して垂直となるように形成されている。2つの緊締部材71が凹部65とそれぞれ係合して、燃料タンク51を巻回することにより、燃料タンク51をフェンダー31に固定する。
[1−6.緊締部材]
以下に、緊締部材71及びその関連部材について説明する。
図2に示すように、フェンダー上面部33の後方側の端部に固設される締結部材取付ブラケット41のコ字形状のバス車両後方側を向く面には、取付穴42が2つ設けられ、この取付穴42には、上部締結部材74がそれぞれ設けられる。サポート部36の後方側の端部には、下部締結部材77が取り付けられる。
フェンダー31の上面部33とサポート部36にそれぞれ設けられた上部締結部74と下部締結部75とに、帯状の緊締部材71の両端が連結される。緊締部材71は鉄製の帯状部材とゴム製の帯状部材とが張り合わされて一本の帯状部材となるよう形成されている。緊締部材71は、燃料タンク51に当接する面にゴム製の帯状部材を向けるようにして、上部締結部74及び下部締結部77に連結される。
上部締結部74は、緊締部材71の端部を軸支する軸受部75と、締結部材取付ブラケット41に軸受部75を締着する締着部76とからなる。軸受部75には緊締部材71の鉄製の帯状部材の端部が巻き付けられた上で、この帯状部材の端部が軸受部75の回りでループを形成するようにして券架される。これにより、緊締部材71の端部は軸受部75に軸支され、上部締結部74に連結される。締着部76は、軸受部75と結合しており締結部材取付ブラケット41に設けられた取付穴42に燃料タンク51側から挿入されるボルトと、締結部材取付ブラケット41の取付穴に挿入されたボルトを燃料タンク51の反対側から締着するナットからなる。緊締部材71が上部締結部74及び下部締結部77に連結された状態で、締着部76のナットを締め付けることにより、緊締部材71にテンションをかけて燃料タンク51をフェンダー31に固定する。
下部締結部77は、サポート部36に固定されており、緊締部材71bの一端がバス車両及び燃料タンク51の左右方向の軸を中心に回転可能に連結されている。
[2.作用]
[2−1.カバーの分割構造と作業性について]
燃料タンクのカバー構造1は、図1に示すように、燃料タンク51を、フェンダー31、下部カバー38、中間カバー81、上部カバー91によって覆っている。言い換えれば、燃料タンク51を覆う下部カバー38と、中間カバー81と、上部カバー91とを分割して形成している。
より詳細には、燃料タンク51がフェンダー31の後方側面に搭載されることで、フェンダー31は燃料タンク51の前方部を覆っている。下部カバー38が、燃料タンク51の下部53の側面部及び後面部を覆っている。中間カバー81が、燃料タンク51の上部52の側面部及び後面部を覆っている。さらに、上部カバー91が、燃料タンク51の上面部58を覆っている。
また、中間カバー81は下部カバー38及びフェンダー31と、中間カバー取付ブラケット101を介して、ボルト及びナットにより締結されて取り外し可能に接合されている。上部カバー91は中間カバー81及びフェンダー31と、上部カバー取付ブラケット103,111,112を介して、ボルト及びナットにより締結されて取り外し可能に接合されている。
ここで、カバーの分割構造と作業性について、図9を参照して説明する。図9は、燃料タンク51の組み付け時又は点検整備時における、燃料タンク51及び下部カバー38との脱着の際の位置関係を示すものである。図9では、燃料タンク51を脱着する際に持ち上げた場合の燃料タンク51の位置を実線で示している。また、下部カバー38の形状を実線で示している。一方、燃料タンク51がフェンダー31の後方側面に搭載された場合の位置を二点鎖線で示している。また、下部カバー38に取り付けられる中間カバー81の上端部の高さをB−B’の二点鎖線で示している。
燃料タンク51を脱着する際には、燃料タンク51が他の部材と接触しないことが求められる。図9に示すように、下部カバー38が取り付けられており、中間カバー81が取り付けられていない場合には、燃料タンク51の下面部57に形成されている底部61が、下部カバー38の上端部よりも高くなるよう持ち上げることで、燃料タンク51の脱着を行うことができる。一方で、下部カバー38と中間カバー81とが取り付けられている場合には、中間カバーの上端部の高さがB−B’となる。底部61を中間カバーの上端部よりも高く持ち上げようとした場合には、燃料タンク51の上方に配置されている方向表示幕201と、フィラーネック63等の燃料タンク51の上面部58に設けられている部品と接触する。
すなわち、本実施形態に係る燃料タンクのカバー構造1は、下部カバー38と中間カバー81とが分割して形成されていることにより、下部カバー38が取り付けられており中間カバー81を取り外した際に、燃料タンク51の脱着の際の高さを抑えることができる。これにより、燃料タンク51と他の部材との干渉を防ぎ、組み付け時の作業性を向上させることができる。また、中間カバー81と上部カバー91とが分割して形成されているとともに、取り外し可能に接合されていることにより、燃料タンク51の整備の際には、中間カバー81又は上部カバー91を取り外して燃料タンク51の上部にアクセスできるため、整備の際の作業性も向上させることができる。
[2−2.カバーの分割構造とシール性について]
燃料タンクのカバー構造1では、フェンダー31と下部カバー38とが溶着されることで、フェンダー31と下部カバー38とはシールされる。中間カバー81は、フェンダー31と下部カバー38とサイドボデーとに対して、シール部材87を介して接触するため、中間カバー81と、フェンダー31及び下部カバー38との接合部はシールされる。また、上部カバー91は、フェンダー31と中間カバー81とサイドボデーに対して、シール部材94を介して接触するため、上部カバー91と、フェンダー31及び中間カバー81との接合部はシールされる。
このため、本実施形態に係る燃料タンクのカバー構造1によれば、燃料タンク51をフェンダー31、下部カバー38、中間カバー81、上部カバー91によって覆うとともに、シール性を確保して接合することにより、室内側に燃料タンク51に起因する臭気が漏れ出すことを防ぐことができる。
なお、燃料タンク51は車両側面側はサイドボデーに覆われており、サイドボデーにはフィラーネック63の取出口110が設けられているが、取出口110は車両の外部に開口するものであるために、室内側への臭気の漏れ出しの点からは問題ではない。また、燃料タンク51は、サポート部36上に配置されており、サポート部36には連通穴43が設けられているが、連通穴43も車両の外部に開口するものであるために、室内側への臭気の漏れ出しの点からは問題ではない。
燃料タンクのカバー構造として、シール性を確保するためには、下部カバー38、中間カバー81、及び上部カバー91を分割して形成している構造に変えて、これらを一体に成形すればよいとも考えられる。しかしながら、例えば、下部カバー38、中間カバー81、及び上部カバー91を、一体に成形した樹脂カバーで作成した場合には、取付面が複雑であることからシールが困難となると考えられる。他には、下部カバー38と中間カバー81とを溶接組み立てした金属部品で作成し、上部を樹脂カバーで形成することも考えられる。この場合には、下部は溶組部品によりシール可能であるとも思われるものの、図9を参照して説明したように、燃料タンクの脱着の際の持ち上げる高さが高くなり、作業性に劣る。
すなわち、本実施形態に係る燃料タンクのカバー構造1によれば、燃料タンク51を覆う下部カバー38と中間カバー81と上部カバー91とを分割して形成していることにより、作業性とシール性を両立するものである。
[2−3.カバーの取付けボルトの位置について]
燃料タンクのカバー構造1は、図2(b)に図2(a)のA−A’矢視断面図を示すように、下部カバー38をなす後面カバー40と中間カバー81とが、取付穴46b,46cと取付穴88c,88dとにおいて、それぞれボルト122a,122bと、ナット123a,123bとにより締結されている。このとき、各々の締結位置121a,121bは、燃料タンク51の後面部59に形成される凹部65b及び緊締部材71bと面している。言い換えれば、後面部59の表面から見た場合に締結位置121a,121bは、凹部65b及び緊締部材71bの直上に設けられている。
ボルト122a,122bと、ナット123a,123bとを用いて締結することで、後面カバー40及び中間カバー81の燃料タンク51の側には、ナット123a,123bが配置されるとともに、ボルト122a,122bの軸が突出することになる。本実施形態に係る燃料タンクのカバー構造1では、締結位置121a,121bが凹部65bに面していることにより、締結位置121a,121bのためにボルトとナットによる締結専用のクリアランスを設けず、凹部65bにより形成される溝状の段差を利用することで、省スペース化を図ることができる。
また、本実施形態に係る燃料タンクのカバー構造1では、締結位置121a,121bが、凹部65b及び緊締部材71bに面することにより、締結位置121a,121bのボルト122a,122b、及びナット123a,123bは、緊締部材71bを挟んで燃料タンク51と面することになる。これにより、ボルト122a,122b、及びナット123a,123bによる燃料タンク51への接触を防いで、燃料タンク51を保護することが可能となる。
[3.効果]
(1)上記の燃料タンクのカバー構造1によれば、下部カバー38と、中間カバー81と、上部カバー91とを備えることにより、燃料タンク51の脱着または整備の際の作業性を向上させることができる。
(2)上記の燃料タンクのカバー構造1によれば、中間接合部131にシール部材87が設けられており、上部接合部132にシール部材94が設けられていることにより、中間カバー81と上部カバー91は取り外し可能に接合されているとともに、接合部のシール性を確保することが可能である。接合部のシール性により、燃料タンクの臭気が車室内に漏れ出ることを防止することができる。
(3)上記の燃料タンクのカバー構造1によれば、フェンダー31に設けられた緊締部材71が燃料タンク51に形成された凹部65と係合しているため、燃料タンク51をフェンダー31に確実に固定することができる。このとき、凹部65が燃料タンク51の上面部58から後面部59にかけて連続して形成されているために、凹部65と係合する緊締部材71により、バス車両が加速又は減速した際に燃料タンク51に前後方向に力が働く場合であっても、燃料タンク51をフェンダー31に固定することができる。また、凹部65が溝状に形成されているため、バス車両が旋回した際に燃料タンク51に左右方向に力が働いた場合であっても、燃料タンク51をフェンダー31に固定することができる。
また、締結位置121a,121bが、燃料タンク51の後面部59に形成される凹部65bと面していることにより、省スペースで中間カバー81と下部カバー38とを締結することができ、また緊締部材71bにより燃料タンク51を保護することが可能となる。また、燃料タンクのカバーをコンパクトにすることができるため、車室内の空間を広く確保することができる。
(4)上記の燃料タンクのカバー構造1によれば、上部カバー91が繊維強化複合材料からなることにより、燃料タンク51のカバーが強度を持つことになり、上部カバー91の上に物を載置したり、箱などの重量物を設置することができる。これにより、燃料タンク51のカバーの上部を荷物置きとして利用することが可能となる。
(5)上記の燃料タンクのカバー構造1によれば、タンク前面部56が前記フェンダーの後部側の形状に沿った形状で、前記フェンダーの上面部の高さまで形成されていることにより、フェンダー31の斜めに形成されている後方のスペースを有効に活用して燃料タンク51を搭載するとともに、燃料タンク51の容量を確保することができる。
(6)上記の燃料タンクのカバー構造1によれば、燃料タンク51はバス車両の車室内側に搭載されることで、燃料タンク51が脱落することなく安全に搭載することができる。また、燃料タンク51が床下に配置されていた従来のバス車両と比較して、車室内の段差を減らして居住性を向上させることができる。
[3.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では下部カバー38は、側面カバー39と後面カバー40とが溶着されており、側面カバー39とフェンダー側面部37とが溶着されている例を挙げて説明したが、側面カバー39と後面カバー40とは、一枚の鋼板を折り曲げて形成されていてもよく、さらにこの側面カバー39とフェンダー側面部37とが溶着されているものであってもよい。また、フェンダー側面部37と側面カバー39と後面カバー40とが、一枚の鋼板を折り曲げて形成されているものであってもよい。
図1に示すように、燃料タンク51の上部を囲むようにして手摺122を設置してもよい。この手摺122は、バス車両の乗員が手で掴んで補助とすることはもちろん、上部カバー91の上に荷物を置いた際の落下防止用の柵としても機能させることができる。
上述の実施形態では、バス車両に搭載される燃料タンクを例に挙げて説明したが、フェンダー及び流体を貯蔵するタンクを備えるものであれば、流体タンクのカバー構造1を適用する対象は限定されない。例えば、車両としては乗用車やトラックに適用してもよい。また、タンクとしては尿素タンクに適用してもよい。
1 燃料タンクのカバー構造
11 シャシフレーム
ボデーフレーム
24 前輪タイヤ
31 フェンダー
33 フェンダー上面部(上面部)
34 斜面部
35 縦面部
36 サポート部
38 下部カバー
51 燃料タンク(流体タンク)
52 タンク上部
53 タンク下部
56 タンク前面部
58 タンク上面部(上面部)
59 タンク後面部(後面部
65 凹部
71 緊締部材
81 中間カバー
91 上部カバー
121 締結位置
122 ボルト
123 ナット
131 中間接合部
132 上部接合部

Claims (5)

  1. 車両に搭載される流体タンクのカバー構造であって、
    前記車両の床面を支持するボデーフレームに取り付けられるフェンダーと、
    前記フェンダーの後方側面に搭載される流体タンクと、
    前記流体タンクの下部の側面部及び後面部を覆う下部カバーと、
    前記流体タンクの上部の側面部及び後面部を覆う中間カバーと、
    前記流体タンクの上面部を覆う上部カバーとを備え
    前記中間カバーは前記下部カバーと取り外し可能に接合されているとともに、前記中間カバーが前記下部カバーに接合する中間接合部に、前記中間接合部をシールするシール部材が設けられており、
    前記上部カバーは前記中間カバーと取り外し可能に接合されているとともに、前記上部カバーが前記中間カバーに接合する上部接合部に、前記上部接合部をシールするシール部材が設けられている
    ことを特徴とする、流体タンクのカバー構造。
  2. 前記流体タンクには、その上面部から後面部にかけて溝状に連続する凹部が施され、
    前記フェンダーに設けられた締結部に帯状の緊締部材が連結され、
    前記緊締部材が前記凹部と係合して前記流体タンクを前記フェンダーに固定しており、
    前記中間カバーは前記下部カバーと、ボルト及びナットにより締結されており、
    上記のボルト及びナットによる締結位置が、上記の後面部に形成される凹部と面している
    ことを特徴とする、請求項1に記載の流体タンクのカバー構造。
  3. 前記上部カバーが、繊維強化複合材料からなる
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体タンクのカバー構造。
  4. 前記フェンダーは、前記車両の前輪タイヤの上部を覆う上面部を有し、
    前記流体タンクは、前記フェンダーに面するタンク前面部が前記フェンダーの後部側の形状に沿った形状で、前記フェンダーの上面部の高さまで形成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の流体タンクのカバー構造。
  5. 請求項1〜の何れか1項に記載の流体タンクのカバー構造を備えるバス車両であって、
    前記車両のシャシフレームに取り付けられる前記ボデーフレームを備え、
    前記流体タンクは前記車両の車室内側に搭載される
    ことを特徴とするバス車両。
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