JP6073280B2 - 車体上部構造 - Google Patents
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Description
特許文献1には、ルーフサイドレールの後端を連結するリヤヘッダと、ルーフサイドレールに接続され、センタピラーとの間を連結するセンターヘッダとを備え、これらリヤヘッダとセンターヘッダとを、車幅外側端部において板により連結した車体上部構造が記載されている。特許文献1に記載の車体上部構造は、リヤヘッダ、センターヘッダ、および板が一体成形されているため、リヤヘッダ、センターヘッダを別々にルーフサイドレールへ取り付けることが不要となり、組付け作業性が向上する。
近年、車両が横転した際に室内空間を守るため、あるいは振動抑制・防音のために、車体上部の剛性・強度の更なる向上が求められている。
図1は、本発明の実施形態に係る車体上部構造を適用した車両を示す要部概略斜視図である。
なお、本発明の実施形態では、「前」は車両Cの前進側、「後」は車両Cの後退側、「上」は鉛直上方側、「下」は鉛直下方側とする。
まず、本発明の実施形態に係る車体上部構造を説明する前に、本発明に係る車体上部構造が採用される車両Cについて説明する。
図1に示すように、車両Cは、ルーフパネル2と、ルーフパネル2の下方に車幅方向に向けて延設されるルーフレール3と、このルーフレール3の左右の端部に設置されるルーフサイドレール部4と、を有する自動車であり、特に、車両Cの種類や形状等は限定されない。
ルーフサイドレール部4は、ルーフパネル2の左右両側のそれぞれで車両Cの前後方向に延びるように配設されている。
図1に示すように、車体1は、車両Cの全体を形成するための骨格部材であり、例えば、後記するルーフレール3等の種々の金属製車体フレームと、ルーフパネル2等の金属製車体パネル等を備えている。車体1の両側の車体側部1aには、前席のドア開口部1bと、後席のドア開口部1cとが形成されている。
なお、車体1は、車体側部1aが略左右対称に形成されているので、運転席側(右側)については説明を省略する。
図1に示すように、車体上部1dは、車体1全体の上部部位であって、車体1の屋根の部位を構成する部材と、その左右側部付近の骨格を構成するルーフサイドレール部4と、ルーフサイドレール部4から下方に向かって延設されたピラー5と、が主に配置されている。
第1ルーフアーチ41および第2ルーフアーチ42は、ルーフパネル2を含む車体上部1dを補強する。
なお、「ルーフアーチ」は、「ルーフレール」と呼称されることもある。
図1に示すように、ルーフパネル2は、車体1の屋根を形成する板部材であり、平面視して略矩形に形成された圧延鋼板等の金属板からなる。ルーフパネル2は、車両Cの前後方向に亘って同じ曲率で湾曲するとともに、車両Cの幅方向に亘って同じ曲率で湾曲することによって上側(車室外側)に凸となる。ルーフパネル2は、上面視して車幅中央側で車体前方向に凸となるように湾曲するルーフ前端部21を有する。本実施形態では、ルーフ前端部21は、フロントピラー部52の上端よりも車体前方向に突出している。さらに、ルーフパネル2には、車体前後方向に並行して2つのビード2aが形成されている(図2参照)。図3に示すように、ビード2aは、ルーフパネル2の一般面における車幅中央側の部位を下方に凹ませることで形成される。ルーフパネル2のビード2aの下方には、第1ルーフアーチ31が配置される。
図2に示すように、フロントルーフレール11は、ルーフパネル2のルーフ前端部21の下方に配置されるとともに、少なくとも前方側が直線形状のレール前端部111を有する。このレール前端部111の車幅方向外側端部111aにおいて、前方側で下方に向かってほぼ垂直に折り曲げられてルーフ前端部21と接合される接合部112と、レール前端部111の各部においてサンバイザや後方確認ミラー等を取付ける支持部113と、作業用孔114と、が形成されている。
図1および図4に示すように、第1ルーフアーチ41は、車幅方向に延びる一対の前横梁411および後横梁412と、前横梁411および後横梁412の間で車幅方向に延びる中横梁413と、前横梁411と後横梁412と中横梁413の間で前後に延びて、車幅方向に所定間隔を空けて複数(ここでは4本)設けられた縦梁414と、を備える。図4および図5に示すように、車幅中央側の2つの縦梁414は、ルーフパネル2のビード2aと上下方向にラップする位置に設けられる。
図5に示すように、第1ルーフアーチ41は、上側(車室外側)に凸のルーフパネル2の形状に合わせて、車幅方向断面視で上側に緩やかに湾曲している。
図4および図5に示すように、シール塗付部411b〜413bは、縦梁414の湾曲部414cを車幅方向に挟んだ位置に配置されている。すなわち、シール塗布部411b〜413bは、湾曲部414cによって両端から挟まれた位置に配置される。シール塗付部411b〜413bには、シール材(図示省略)が塗付されてルーフパネル2の背面に接合される。
なお、第1ルーフアーチ41および第2ルーフアーチ42とルーフサイドレール部4との連結部分に、その連結部分に跨って掛け渡すガセットを設ける構成に適用してもよい。
次に、本発明の実施形態に係る車体上部構造の作用を説明する。
図1に示すように、車体上部1dの両端部のルーフサイドレール部4の中央部、前端部および後端部に設置されたセンタピラー部51、フロントピラー部52、クォータピラー部53およびリヤピラー部54の連結部分に、それぞれ車幅方向に延びるセンタルーフレール12、レールアーチ31およびリヤルーフレール13を溶接等により固定する。
続いて、ルーフ前端部21にフロントルーフレール11が接合されたルーフパネル2を、両端部のルーフサイドレール部4、レールアーチ31、センタルーフレール12、リヤルーフレール13、第1ルーフアーチ41および第2ルーフアーチ42に上方から取り付ける。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
なお、前記実施形態では、第2ルーフアーチ42は、3本のルーフアーチ421,422,423を例に説明したが、ルーフアーチの本数および形状はどのようなものでもよい。
1a 車体側部
1b 前席のドア開口部
1c 後席のドア開口部
1d 車体上部
2 ルーフパネル
2a ビード
3 ルーフレール
4 ルーフサイドレール部
5 ピラー
11 フロントルーフレール
12 センタルーフレール
13 リヤルーフレール
21 ルーフ前端部
211 固定部
31 レールアーチ
41 第1ルーフアーチ(請求項1に記載の「ルーフアーチ」)
411 前横梁
411a〜413a フレーム部
411b〜413b シール塗付部
412 後横梁
413 中横梁
414 縦梁
414a 第1平板部
414b 第2平板部
414c 湾曲部
411b〜413b シール塗付部
42 第2ルーフアーチ
421,422,423 ルーフアーチ
C 車両
Claims (3)
- 車体上部に設けられ、前後方向に延びるビードを有するルーフパネルと、
前記ルーフパネルの下方で車幅方向に延びるルーフアーチと、を備える車体上部構造であって、
前記ルーフアーチは、
車幅方向に延びる一対の前横梁および後横梁と、
前記前横梁と前記後横梁との間で前後に延びて、車幅方向に所定間隔を空けて複数設けられた縦梁と、を備え、
前記縦梁は、
前記ビードの形状に合わせて湾曲する湾曲部を備え、
少なくとも前記湾曲部が、前記ビードと上下方向に重なる位置に設けられることを特徴とする車体上部構造。 - 前記ビードは、前記ルーフパネルの一般面における車幅中央側の部位を下方に凹ませることで形成され、
前記縦梁は、前記ルーフパネルの凹み形状に合わせて湾曲する湾曲部を備えることを特徴とする請求項1に記載の車体上部構造。 - 前記ルーフアーチは、前記湾曲部を車幅方向に挟んだ位置で、前記ルーフパネルとの間に介在されるシールを塗布するためのシール塗布部を備えることを特徴とする請求項2に記載の車体上部構造。
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