JP3810957B2 - レジスト用樹脂、レジスト組成物およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
レジスト用樹脂、レジスト組成物及びパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIを始めとする電子部品の製造プロセスでは、フォトリソグラフィーを利用した微細加工技術が採用されている。すなわち、まずレジスト液を基板などの上に塗布してレジスト膜を成膜し、次いで得られたレジスト膜に対してパターン光の露光を行なった後、アルカリ現像等の処理を施してレジストパターンを形成する。続いて、このレジストパターンを耐エッチングマスクとして露出した基板などの表面をドライエッチングすることで、微細な幅の線や開孔部を形設し、最後にレジストをアッシング除去するというものである。
【0003】
したがって、ここで用いられるレジストには、一般に高いドライエッチング耐性が求められる。こういった観点から、これまでは芳香族化合物を含有するレジストが広く用いられてきており、具体的にはアルカリ可溶性であるノボラック樹脂などをベース樹脂としたものが数多く開発されている。
【0004】
一方LSIなどの高密度集積化に伴い、上述したような微細加工技術は近年サブハーフミクロンオーダーにまで及んでおり、今後こうした微細化はさらに顕著になることが予想されている。このため、フォトリソグラフィーにおける光源の短波長化が進行しており、現在波長193nmのArFエキシマレーザ光や波長218nmのYAGレーザの5倍高調波光による微細なレジストパターンの形成が試みられている。
【0005】
しかしこれまでに一般的であった芳香族化合物を含有する樹脂をベース樹脂としたレジストでは、上述した通りの短波長光に対してベンゼン核での光吸収が大きい傾向がある。したがってレジストパターンを形成しようとすると、露光時にレジスト膜の基板側にまで光を充分に到達させることが難しく、結果的にパターン形状の良好なパターンを高感度、高精度で形成することは困難であった。
【0006】
このような背景を受け、ArFエキシマレーザ光やYAGレーザの5倍高調波光を用いたフォトリソグラフィーにも適した透明性の高いレジスト樹脂の開発が強く望まれている。
【0007】
最近はこのような点から芳香族化合物にかわり脂環式化合物を含有するレジストが注目されており、例えば特開平4−39665号公報には、ドライエッチング耐性、短波長光に対する透明性とも良好なレジストとして、有橋脂環化合物であるアダマンタンを有する化合物を他のアクリル系化合物と共重合させることで重合体にアルカリ溶解性を付与し、アルカリ現像でレジストパターンを形成した例が示されている。
【0008】
また、有橋脂環化合物のうち5員環を示す脂環化合物として特開平7−199467号公報に示されたようなトリシクロデカニル構造を有するレジスト材料が知られている。
【0009】
しかしながら、これら脂環式化合物を含有するレジストについてアルカリ現像でレジストパターンを形成する場合、アダマンタン骨格のような脂環式構造は疎水性が大変大きいため、アルカリ溶解性を付与する基との間でアルカリ溶解性が大きく相違し、様々な問題が発生する。
【0010】
例えば、現像時にレジスト膜の所定の領域の溶解・除去が不均一なものとなり解像性の低下を招く一方、レジストパターンの現像後の膨潤からくる解像性低下や、レジスト膜が残存するはずの領域でも部分的な溶解が生じてクラックや表面あれが生じる。また、レジスト膜と基板との界面にアルカリ溶液が浸透して、レジストパターンが剥離することもしばしばある。さらに、重合体において脂環式構造を有する部分とアルカリ溶解性を付与する基、例えばカルボン酸基部分との相分離が進みやすく、均一なレジスト液が調製され難いうえその塗布性も充分ではない。
【0011】
これらの脂環化合物の疎水性を減少するために、脂環化合物に、COOH基やOH基などの極性基を導入することが知られており、(特開平10−83076号公報、特開平7−252324号公報、特開平9−221519号公報)、これらの何れの化合物においても、溶解性がかなり改善されることが知られてきている。
【0012】
しかしながら、これらの脂環化合物は、COOH基ないしOH基は、脂環の2級以下の炭素位に結合した構造を有しておりレジスト内の他の置換基との副次反応が多く、あるいはガラス転移温度が低く、解像性低下や現像後のパターン膨潤を生じやすいという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、このような問題を解決して、短波長光に対する透明性が優れるとともに高いドライエッチング耐性を備え、かつアルカリ現像で密着性、解像性の良好なレジストパターンを形成することのできるレジスト組成物を構成するレジスト用樹脂、レジスト組成物、パターン形成方法を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有橋脂環を有しかつ少なくとも2個の含酸素極性基が前記有橋脂環の3級炭素位に結合した構造を含むレジスト用樹脂である。
【0015】
また本発明は、有橋脂環を有しかつ少なくとも2個の含酸素極性基が前記有橋脂環の3級炭素位に結合した構造を含むモノマーの重合体又は縮合体よりなるレジスト用樹脂である。
【0016】
また、本発明は、前記レジスト用樹脂と、光酸発生剤とを少なくとも含むことを特徴とするレジスト組成物である。
【0017】
また、本発明は、基板上に前記レジスト組成物を塗布する工程、塗布されたレジスト組成物をパターン露光する工程、及び露光されたレジスト組成物を現像する工程を少なくとも具備することを特徴とするパターン形成方法である。
【0018】
以下に、本発明の作用効果を説明する。
【0019】
すなわち、本発明においては、レジスト組成物のベース樹脂として、有橋脂環を有し前記有橋脂環の3級炭素位に含酸素極性基を有する構造を含む樹脂を使用するものである。
【0020】
前記含酸素極性基は、従来例の如く2級炭素位や1級炭素位に付加された場合に比べ、炭素の周りの動きが制限される。例えば、3級炭素位にヒドロキシル基が導入された有橋脂環を有する樹脂を考えると、前記ヒドロキシル基が結合した炭素に対して、前記ヒドロキシル基は回転方向しか自由度がなく分子運動が小さい。これに対し、2級以下の炭素にヒドロキシル基が導入された場合、回転だけでなく平行方向にも自由度があり分子運動が大きい。
【0021】
したがって有橋脂環を有し前記有橋脂環の3級炭素位に含酸素極性基が導入された構造を有する樹脂をレジスト組成物のベース樹脂として用いると、自由体積が減少するため、ガラス転移温度(Tg)が高くなり、結果として解像性が高くなる。
【0022】
実際、有橋脂環の2級の炭素位にOH基が導入された構造を有する樹脂と有橋脂環の3級の炭素位にOH基の導入された構造を有する樹脂を比較するとTgが少なくとも10〜20℃以上も高くなることがわかる。さらに、これまで公知の化合物に良く見られるヒドロキシメチルトリシクロデカニルアクリレート系のような、脂環骨格にメチレンを介してOH基が導入されている場合、さらにTgが10〜20℃程度減少するためその差はより明確になる。
【0023】
さらに、前述の如く分子運動が小さいことに起因して、未露光部に現像液が浸透しづらいため、パターンの膨潤を引き起こしにくい。
【0024】
また、本発明に係る樹脂は、有橋脂環の3級炭素位に導入された含酸素極性基を2個以上有していなければならない。これらの基は基板との密着性の向上とアルカリ可溶性の向上というレジストにとって重要な役目をになっている。これらの基は3級炭素位に結合しているため、自由度が回転方向しかなく横を向くことができない。このため、主鎖に対して外側を向く確率が高い。そのため、この樹脂に接するアルカリ溶媒には親和性が高くなり、基板に対しては密着性が高くなるのである。
【0025】
また、2級以下の炭素位に結合した含酸素極性基特にOH基とCOOH基は、反応性が高いため、加熱などに伴う副次的な架橋反応などを生じやすいという欠点もあり、特にポジ型化学増幅レジストの場合、加熱プロセス時にパターン形成できなくなりやすいという決定的問題があった。この傾向は樹脂構造内に酸無水物構造を有する場合、さらに顕著になりうる。
【0026】
しかしながら、本発明の如く3級炭素位に結合した含酸素極性基は反応性が低く加熱などに伴う副次的な架橋反応が生じにくいので上記の如くの問題は生じない。
【0027】
よって、本発明によれば、短波長光に対する透明性が優れるとともに高いドライエッチング耐性を備え、かつアルカリ現像で密着性、解像性の良好なレジストパターンを形成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明に係るレジスト組成物は少なくともレジスト用樹脂と、光酸発生剤を主成分とするものである。以下に各成分毎に詳細に説明する。
<レジスト用樹脂>
以下、本発明に係るレジスト用樹脂について説明する。
【0029】
本発明に係る樹脂は、少なくとも有橋脂環を有しかつ少なくとも2個の含酸素極性基が前記有橋脂環の3級炭素位に結合した構造を主鎖又は側鎖中に含む。
【0030】
本発明に係る樹脂は、有橋脂環を有する。前記有橋脂環としては、一般式CnH2n(nは3以上の整数)で表される環状シクロ化合物や環状ビシクロ化合物の橋かけ化合物や、縮合環化合物などが挙げられる。具体的には、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環に橋かけ炭化水素が導入されたもの、スピロヘプタン、スピロオクタンなどのスピロ環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ボルネン環、ボルナン、フェンカン、トリシクレン、コレステリック環などのステロイド骨格、胆汁酸類、ジギタロイド類、ショウノン環、イソショウノウ環、セスキテルペン環、サントン環、ジテルペン環、トリテルペン環、ステロイドサポゲニン類などが例示される。
【0031】
特に好ましい有橋脂環としてはアダマンタン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、ノルボルナン環が耐ドライエッチング性が高くなるため望ましい。
【0032】
本発明に係る樹脂においては、少なくとも2個の含酸素極性基が前記有橋脂環の3級炭素位に結合している。前記有橋脂環の3級炭素位に結合している含酸素極性基が3個以上であるとそれらの基が基板との密着性の向上やアルカリ溶解性の向上に対して寄与する貢献度を高めることが可能となるという利点がありより好ましい。
【0033】
1つの有橋脂環に結合する含酸素極性基は同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0034】
本発明において、含酸素極性基とは、大きな電気陰性度変化を有する炭素−酸素結合を有する置換基であり、例えば置換または非置換のカルボキシル基、置換または非置換の環状ラクトン基、置換または非置換のヒドロキシル基、アルデヒド基、パーオキシドを含む基、置換及び非置換のウレタン基、アシル基、カーボネート基などが挙げられる。
【0035】
尚、有橋脂環の3級炭素位から−(CH2)n−(nは自然数)を介して含酸素極性基と結合している場合にはその極性基の自由度が高く、前述のような有橋脂環の3級炭素位に結合しているものと同等の効果が得られないため、本発明においての「3級炭素位に結合している含酸素極性基」から除外する。
【0036】
なかでもレジスト組成物の性能上、極性の観点から、含酸素極性基が置換または非置換のカルボキシル基、置換または非置換のヒドロキシル基、環状ラクトンを含む置換基のうちから選択された少なくとも1種の有機基であることが望ましい。これらを用いることにより密着性及び溶解性の向上の効果が得られる。
【0037】
さらに、含酸素極性基は、カルボキシル基に導入された置換基が、環状ラクトンであるか、又はカルボキシル基が他のカルボン酸を有する有橋脂環化合物との間で酸無水物を形成した化合物の何れかであると溶解性が特に高くなるため好ましい。
【0038】
さらに前記有橋脂環には2個以上の3級位含酸素極性基のほかに、2級位以下に、非反応性の極性基、例えばケトン、ラクトン構造などが導入されていてもこれを許容する。
【0039】
本発明に係る樹脂は、有橋脂環部分が樹脂に占める割合は、少なくとも重量で20%〜90%であるとすることが望ましい。この範囲を逸脱すると、ドライエッチング耐性または、アルカリ溶解性が低下する。
【0040】
本発明に係る樹脂は、分子中に溶解抑止基(酸によって分解しえる溶解性基)が導入されると解像性が向上するため好適である。溶解抑止基は、樹脂を合成する際に、溶解抑止基を持つモノマー化合物を用いることにより樹脂中に溶解抑止基を導入することができる。
【0041】
前記溶解抑止基としては、ラクトンを有する環状3級エステル基や、カルボン酸を有する有橋脂環化合物との酸無水物構造を有する置換基が導入されると酸によって分解しえる溶解性基となり、特に好適に用いることができる。
【0042】
溶解抑止基としては例えば、t−ブチルエステル、イソプロピルエステル、エチルエステル、メチルエステル、ベンジルエステルなどのエステル類;テトラヒドロピラニルエーテルなどのエーテル類;t−ブトキシカルボネート、メトキシカルボネート、エトキシカルボネートなどのアルコシキカルボネート類;トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、トリフェニルシリルエーテルなどのシリルエーテル類など、イソプロピルエステル、テトラヒドロピラニルエステル、テトラヒドロフラニルエステル、メトキシエトキシメチルエステル、2−トリメチルシリルエトキシメチルエステル、3−オキソシクロヘキシルエステル、イソボルニルエステル、トリメチルシリルエステル、トリエチルシリルエステル、イソプロピルジメチルシリルエステル、ジ−t−ブチルメチルシリルエステル、オキサゾール、2−アルキル−1,3−オキサゾリン、4−アルキル−5−オキソ−1,3−オキサゾリン、5−アルキル−4−オキソ−1,3−ジオキソランなどのエステル類、t−ブトキシカルボニルエーテル、t−ブトキシメチルエーテル、4−ペンテニロキシメチルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、テトラヒドロチオピラニルエーテル、3−ブロモテトラヒドロピラニルエーテル、1−メトキシシクロヘキシルエーテル、4−メトキシテトラヒドロピラニルエーテル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルエーテル、1,4−ジオキサン−2−イルエーテル、テトラヒドロフラニルエーテル、テトラヒドロチオフラニルエーテル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イルエーテル、t−ブチルエーテル、トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテル、ジメチルイソプロピルシリルエーテル、ジエチルイソプロピルシリルエーテル、ジメチルセキシルシリルエーテル、t−ブチルジメチルシリルエーテルなどのエーテル類、メチレンアセタール、エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタールなどのアセタール類、1−t−ブチルエチリデンケタール、イソプロピリデンケタール(アセトナイド)、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタールなどのケタール類、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルソエステル、1−メトキシエチリデンオルソエステル、1−エトキシエチリデンオルソエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルソエステル、1−N,N−ジメチルアミノエチリデンオルソエステル、2−オキサシクロペンチリデンオルソエステル、などのサイクリックオルソエステル類、トリメチルシリルシリルケテンアセタール、トリエチルシリルケテンアセタール、t−ブチルジメチルシリルケテンアセタールなどのシリルケテンアセタール類、ジ−t−ブチルシリルエーテル、1,3−1',1',3',3'−テトライソプロピルジシロキサニリデンエーテル、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデンエーテルなどのシリルエーテル類、ジメチルアセタール、ジメチルケタール、ビス−2,2,2−トリクロロエチルアセタール、ビス−2,2,2−トリクロロエチルケタール、ダイアセチルアセタール、ダイアセチルケタールなどの非環状アセタール類やケタール類、1,3−ジオキサン、5−メチレン−1,3−ジオキサン、5,5−ジブロモ−1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−ブロモメチル−1,3−ジオキソラン、4−3'−ブテニル−1,3−ダイオキソラン、4,5−ジメトキシメチル−1,3−ダイオキソランなどのサイクリックアセタール類やケタール類、O−トリメチルシリルシアノヒドリン、O−1−エトキシエチルシアノヒドリン、O−テトラヒドロピラニルシアノヒドリンなどのシアノヒドリン類、さらにアルキル基を有する3級脂環エステルのような脱離性の脂環骨格などを挙げることができる。
【0043】
樹脂中における溶解抑止基の割合は、より好ましくは、35〜65mol%程度とすることが好ましい。なお、この値は、一般に考えられるアクリルポリマーの溶解抑止基導入率よりかなり大きい。このため一般のアクリル系レジストに比べ溶解性のコントラストが高く、また2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液などの標準現像液で解像性良く現像できる。
【0044】
本発明に係る樹脂はまた、分子中に溶解抑止基とアルカリ可溶基を同時に含有してもよく、1成分でアルカリ可溶性と溶解抑止性との2つの機能を与え得ることができる。
【0045】
アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、フェノール性水酸基等が挙げられる。
【0046】
この場合、樹脂中における溶解抑止基の割合は、10〜80mol%程度とすることが好ましい。10mol%未満であると、溶解抑止機能が発現せず、未露光部も溶解してしまいパターンの解像ができない。一方、80mol%を超えると密着性が極端に悪化し、パターンの形成が困難になり、また、レジスト組成物の疎水性が強くなりすぎ、現像液がはじいてしまいパターン形成ができない。
【0047】
また、この場合、樹脂中におけるアルカリ可溶性基の割合は露光・PEB(Post Exposure Bake)後、現像により除去される部位において20mol%以上とすることが好ましい。同部位におけるアルカリ溶解性基が20mol%未満であると、アルカリ現像性が悪化するためである。
【0048】
但し、一つの脂環ユニットに対して、溶解抑止基と密着性を向上させうるようなヒドロキシル基などの極性基を共に有する場合は上述のような密着性の問題は現れないので、溶解抑止基は80mol%以上導入することが可能である。
【0049】
本発明に係る樹脂においては、前記含酸素極性基の少なくとも1つが、COOH基を溶解抑止基(酸によって分解しえる溶解性基)で保護した基であることが望ましい。このような基を有するとレジスト層においては酸によって脱保護反応を起こした後はアルカリ可溶性を呈する。また、保護により未露光部の溶解速度を落とす事ができ、高い溶解コントラストを実現する事ができる。また、親水性があるためアルカリ溶解性も適度に保たれる。
【0050】
特に、このような保護を行った樹脂としては例えば3級炭素位にヒドロキシル基を有するヒドロキシアダマンチルアクリレートとテトラヒドロピラニルアクリレートを共重合させた樹脂が挙げられる。樹脂は未露光部にはアルカリ可溶性基は全くないが、ポリマー鎖の外側にヒドロキシル基が飛び出し親水性を増す構造となっているため、レジスト膜の未露光部が不均一な溶解などを起こさない。また基板との密着の効果が高くなる。
【0051】
また、本発明における樹脂は、その構造中つまり主鎖あるいは側鎖中に酸無水物構造を含むものであり、かつ前記含酸素極性基の少なくとも1つがヒドロキシル基であるものが望ましい。すなわちこのように樹脂構造内に結合にあずからないOH基と、酸無水物構造を同時に持つ場合においては、副次的自己架橋反応が抑えられるため、3級位の効果がさらに顕著に出てポジ型レジストとしてコントラストが高くなり望ましいるものとなる。
【0052】
本発明に係る樹脂は、原料モノマーを以下のイ〜ニの組み合わせで、ラジカル重合やリビング重合など各種の方法で重合、あるいは縮合することにより得ることができる。
イ.有橋脂環を有しかつ少なくとも2個の含酸素極性基が前記有橋脂環の3級炭素位に結合した構造(構造A)を有する一種以上のモノマー同士の組み合わせ
ロ.構造Aを有する一種以上のモノマーと、有橋脂環を有しかつ少なくとも2個の含酸素極性基が前記有橋脂環の2級炭素位あるいは1級炭素位に結合した構造(構造B)を有する一種以上のモノマーの組み合わせ
ハ.構造Aを有する一種以上のモノマーと、構造Aでもなく構造Bでもない構造(構造C)を有する一種以上のモノマーの組み合わせ
ニ.構造Aを有する一種以上のモノマーと、構造Bを有する一種以上のモノマーと、構造Cを有する一種以上のモノマーとの組み合わせ
なお、構造A及び構造Bにおける有橋脂環、含酸素極性基はそれぞれ前記した有橋脂環、含酸素極性基を挙げることができる。
【0053】
本発明に係る樹脂が、上記イ.又は上記ロ.である場合、樹脂中の有橋脂環に結合する含酸素極性基は、できるだけ多く3級炭素位に結合していることが望ましく、有橋脂環に結合する含酸素極性基の少なくとも70%、より好ましくは90%以上が有橋脂環の3級炭素位に結合していれば良い。構造Aを有するモノマーの合成時の副次的反応から、2級炭素位への導入体が混じり、上記ロ.の構造にならざるを得なくなる場合があるがそれを許容する。
【0054】
本発明に係る樹脂が、ハ.又はニ.である場合、構造Aを有するモノマーとそれ以外のモノマーの共重合比率に応じて異なるが、3級位置への導入体の効果が観測されるのは、少なくとも樹脂を構成するモノマー総モル量に対して構造Aのモノマーが15%を越えたあたりからである。より好ましくは20%以上である。
【0055】
本発明におけるモノマー原料となる有橋脂環を有しかつ少なくとも2個の含酸素極性基が前記有橋脂環の3級炭素位に結合した構造(構造A)を有するモノマーは、脂環化合物を酸化反応せしめ、目的とする成分を抽出することによって得られる。あるいは、一部を臭素化して加水分解せしめたり、また、触媒を用いた空気酸化手法(特開平11−35522号公報)によって好適に得ることができる。さらにこれらの化合物を触媒による付加反応、あるいは酸クロリド法によるエステル化などによって、アクリル化あるいはメタクリル化したものを用いてもよい。
【0056】
本発明の樹脂を重合によって得る場合、構造Aのモノマー及び、それ以外の構造のモノマーとして、アクリル系化合物又はビニル系化合物を用いることが望ましい。特に本発明の樹脂は、モノマーとしてアクリル系化合物を用いたアクリル樹脂あるいはメタクリル樹脂であると、重合が容易のため好ましいものとなる。アクリル樹脂あるいはメタクリル樹脂は、構造Aを有するモノマーとして、有橋脂環に結合された含酸素極性基のうち、少なくともひとつがアクリロイルオキシ基あるいはメタクリロイルオキシ基であるものを用いて重合することにより得ることができる。
【0057】
特に本発明の樹脂は、構造Aを有するモノマーとして、下記一般式(1)あるいは(2)で示される化合物を用いて重合したものであると耐ドライエッチング性、溶解性、密着性が高く、またガラス転移温度が高くなり望ましい。
【化3】
(ただし、R1はアクリロイル基又はメタクリロイル基を示し、R2は水素原子または含酸素極性基を示し、R3は水素原子、又は酸分解性基、ラクトンを有する環状置換基、又はカルボン酸を有する有橋脂環化合物との酸無水物構造を有する置換基のいずれかを示す。)
R3の酸分解性基としてはtert−ブチル基、テトラヒドロピラニル基、アセタール基などが挙げられる。また、露光部と未露光部のコントラストを得るため、R3は溶解抑止基としても働くものであることが望ましい。
【化4】
(ただし、R1はアクリロイル基又はメタクリロイル基を示し、R2は水素原子または含酸素極性基を示し、R4は水酸基、ラクトンを有する環状置換基、又はカルボン酸を有する有橋脂環化合物との酸無水物構造を有する置換基のいずれかを示す。)
本発明の樹脂を縮合によって得る場合、樹脂は、構造Aを有するモノマーとして、カルボキシル基とヒドロキシル基のうち少なくとも1種の有機基を2個以上3級炭素位に有する有橋脂環を持つモノマー、もしくはさらに3級炭素位にラクトン骨格を有するモノマーを用い、脱水縮合することにより得られる主鎖脂環型のポリマーもしくはオリゴマーであることが望ましい。
【0058】
前記ポリマーまたはオリゴマーにおいては、前記モノマーは、酸により分解可能な結合を介してポリマー主鎖に結合する。この結合としては例えば、エステル結合、酸無水物結合が挙げられ、その際樹脂は主鎖脂環型となり、ポリエステル又はポリ酸無水物構造を有することになる。
【0059】
樹脂が主鎖脂環型のポリエステル又はポリ酸無水物構造を有すると、レジスト組成物が露光前後に、樹脂主鎖も含める分子骨格の大幅な分解を生じ、解像度が高くなる。さらにこの樹脂中にフリーの2級の含酸素極性基が少ないため、脱水縮合副反応が生じにくく、さらにはTgが高くなるため望ましいものとなる。また、有橋脂環骨格を有するため、レジスト塗布性や密着性を向上させたまま、レジスト露光部の溶解性を著しく向上させ、ひいては、露光部未露光部の溶解コントラストの向上を図ることができる。さらには、レジスト主鎖に脂環構造を有するため、ドライエッチング耐性も十分なものとなりうる。
【0060】
なかでも本発明に係る樹脂はカルボキシル基とヒドロキシル基および/またはカルボキシル基どうしの脱水縮合より生成するポリエステル又はポリ酸無水物結合を有する場合、酸分解性に優れるのみならず、安定性も高く、透明性も高くかつ合成が容易なため望ましいものとなる。
【0061】
上記エステル結合は多価カルボン酸に脂環多価アルコール化合物などを触媒などにより脱水縮合させる方法で得るか、多価カルボン酸クロリドに多価アルコール化合物を脱塩させる方法で得る。あるいは、複数のカルボンとアルコール基を有する化合物1種以上を脱水縮合させて得る。
【0062】
上記酸無水物結合は、多価カルボン酸化合物1種以上を脱水縮合させて得る。
【0063】
上記結合は、同種類の反応、特に脱水縮合反応などによって結合が生成するような場合、複数種(例えば、エステル結合と酸無水物結合など)が、樹脂中に同時に混在したものであってもかまわない。
【0064】
一般に、酸無水物結合を有するポリマー又はオリゴマーはアルカリ溶解性に優れるという大きな利点がある。通常これらの酸無水物化合物は、加水分解されやすく、安定性が悪いと考えられているが、本発明のようなかさ高い脂環化合物にはさまれた酸無水物結合は、格段に安定でありかつパターン形成に適度なアルカリ溶解性を与える。他方、エステル結合を有するポリマー又はオリゴマーは溶媒を選ばず安定であり、さらに、酸触媒分解にともない大きな溶解速度変化を呈するため、解像性を高めるという利点がある。これらの結合は混合して用いることによって、さらにレジストとして好ましい溶解性と、解像性を両立することができる。この場合の、酸無水物結合とエステル結合の比率は、1:20〜5:1の範囲内で良く、さらに好ましくは、酸無水物結合が10%以上50%未満であることが望ましい。
【0065】
また、本発明における樹脂において、その構造中つまり主鎖あるいは側鎖中に酸無水物構造を含むものであり、かつ前記含酸素極性基の少なくとも1つがヒドロキシル基であるものは、前述の如く望ましい。
【0066】
このような樹脂は、モノマーとして含酸素極性基の少なくとも1つがヒドロキシル基である構造Aのモノマーを用い、上述の如くの、重合をおこなって得たものであってもよいし縮合を行って得たものであってもよい。例えばポリ(エステル−酸無水物)系化合物だけでなく、3級位のOH基を有する脂環構造と、マレイン酸無水物とを少なくとも含有する共重合体などの場合が挙げられる。
【0067】
一方、構造Cの化合物としては、例えば、tert−ブチルアクリレート、 tert−ブチルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、α−クロロアクリル酸およびそのエステル体、トリフルオロメチルアクリレート、α−メチルスチレン、トリメチルシリルメタクリレート、トリメチルシリルα−クロロアクリレート、トリメチルシリルメチルα−クロロアクリレート、無水マレイン酸、テトラヒドロピラニルメタクリレート、テトラヒドロピラニルα−クロロアクリレート、メチルメタクリレート、t−ブチルα−クロロアクリレート、ブタジエン、グリシジルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メンチルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、シクロオレフィン系化合物、ラクトン骨格をアクリル側鎖に有するアクリレート、エポキシ骨格を有するアクリレート等が挙げられる。なかでも、特にテトラヒドロピラニルメタクリレートや無水マレイン酸は、通常生じやすい副次的反応が抑えられるため、解像性を向上せしめるために好ましく、また樹脂のドライエッチング耐性を向上するために、シクロオレフィン系化合物が、また現像性を向上せしめるためにはラクトン骨格を側鎖に有するアクリル系化合物が共重合相手として好適に用いられる。
【0068】
本発明に係る樹脂がアクリル樹脂あるいはメタクリル樹脂である場合は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)はレジスト組成物の所望の特性に応じて変わるが、好ましくは2,000〜100,000、さらに好ましくは、5,000〜60,000である。Mwが2,000未満では製膜性が悪化する傾向があり、Mwが100,000を超えると現像性、解像度などが悪化する傾向がある。また分子量の分散度Mw/Mnは好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜2である。
【0069】
また、本発明に係る樹脂が主鎖脂環型のポリエステル又はポリ酸無水物系縮合体の場合、ポリスチレン換算平均分子量は、100〜30,000の範囲内に設定されることが好ましい。なぜならば、平均分子量が100未満だと、機械的強度、耐熱性、塗布性の充分なレジスト膜を成膜するうえで不利となり、逆に高分子化合物の平均分子量が30,000を越えると、アルカリ溶解性が劣化し、解像性の良好なレジストパターンを形成することが困難となるからである。これらの化合物は、通常、さまざまな分子量成分からなる混合体である。
【0070】
本発明の樹脂は、2量体程度の比較的低い分子量においても効力を発揮し、例えば100〜1,000の平均分子量に多く局在した場合も効果がある。さらにこの場合、共重合体には単量体が10%未満残存しても溶解特性やドライエッチング耐性を劣化させることは少ない。
<光酸発生剤>
本発明のレジスト組成物に配合される光酸発生剤としては、例えば、アリールオニウム塩、ナフトキノンジアジド化合物、ジアゾニウム塩、スルフォネート化合物、スルフォニウム化合物、スルファミド化合物、ヨードニウム化合物、スルフォニルジアゾメタン化合物などを用いることができる。これらの化合物の具体例としては、トリフェニルスルフォニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、2,3,4,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン−4−ナフトキノンジアジドスルフォネート、4−N−フェニルアミノ−2−メトキシフェニルジアゾニウムスルフェート、4−N−フェニルアミノ−2−メトキシフェニルジアゾニウムp−エチルフェニルスルフェート、4−N−フェニルアミノ−2−メトキシフェニルジアゾニウム2−ナフチルスルフェート、4−N−フェニルアミノ−2−メトキシフェニルジアゾニウムフェニルスルフェート、2,5−ジエトキシ−4−N−4'−メトキシフェニルカルボニルフェニルジアゾニウム3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニルスルフェート、2−メトキシ−4−N−フェニルフェニルジアゾニウム3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニルスルフェート、ジフェニルスルフォニルメタン、ジフェニルスルフォニルジアゾメタン、ジフェニルジスルホン、α−メチルベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、ベンゾイントシレート、みどり化学製MPI−103(CAS.NO.[87709−41−9])、みどり化学製BDS−105(CAS.NO.[145612−66−4])、みどり化学製NDS−103(CAS.NO.[110098−97−0])、みどり化学製MDS−203(CAS.NO.[127855−15−5])、みどり化学製Pyrogallol tritosylate(CAS.NO.[20032−64−8])、みどり化学製DTS−102(CAS.NO.[75482−18−7])、みどり化学製DTS−103(CAS.NO.[71449−78−0])、みどり化学製MDS−103(CAS.NO.[127279−74−7])、みどり化学製MDS−105(CAS.NO.[116808−67−4])、みどり化学製MDS−205(CAS.NO.[81416−37−7])、みどり化学製BMS−105(CAS.NO.[149934−68−9])、みどり化学製TMS−105(CAS.NO.[127820−38−6])、みどり化学製NB−101(CAS.NO.[20444−09−1])、みどり化学製NB−201(CAS.NO.[4450−68−4])、みどり化学製DNB−101(CAS.NO.[114719−51−6])、みどり化学製DNB−102(CAS.NO.[131509−55−2])、みどり化学製DNB−103(CAS.NO.[132898−35−2])、みどり化学製DNB−104(CAS.NO.[132898−36−3])、みどり化学製DNB−105(CAS.NO.[132898−37−4])、みどり化学製DAM−101(CAS.NO.[1886−74−4])、みどり化学製DAM−102(CAS.NO.[28343−24−0])、みどり化学製DAM−103(CAS.NO.[14159−45−6])、みどり化学製DAM−104(CAS.NO.[130290−80−1]、CAS.NO.[130290−82−3])、みどり化学製DAM−201(CAS.NO.[28322−50−1])、みどり化学製CMS−105、みどり化学製DAM−301(CAS.No.[138529−81−4])、みどり化学製SI−105(CAS.No.[34694−40−7])、みどり化学製NDI−105(CAS.No.[133710−62−0])、みどり化学製EPI−105(CAS.No.[135133−12−9])などが挙げられる。さらに、以下に示す化合物を用いることもできる。
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
(式中、C1、及びC2は単結合または二重結合を形成し、R10は水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基またはアリール基、R11、R12は、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ1価の有機基を示し、R11とR12はこれらが結合して環構造を形成していてもよい。)
【化19】
(式中、Zはアルキル基を示す。)
【化20】
また上述したような光酸発生剤についても、ナフタレン骨格やジベンゾチオフェン骨格を有するアリールオニウム塩、スルフォネート化合物、スルフォニル化合物、スルファミド化合物など共役多環芳香族系化合物は、短波長光に対する透明性、耐熱性の点で有利である。具体的には、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、ビフェニレン環、as−インダセン環、s−インダセン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環、アントラセン環、フルオランテン環、アセフェナントリレン環、アセアントリレン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、プレイアデン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、テトラフェニレン環、ヘキサフェン環、ヘキサセン環、ルビセン環、コロネン環、トリナフチレン環、ヘプタフェン環、ヘプタセン環、ピラントレン環、オバレン環、ジベンゾフェナントレン環、ベンズ[a]アントラセン環、ジベンゾ[a,j]アントラセン環、インデノ[1,2−a]インデン環、アントラ[2,1−a]ナフタセン環、1H−ベンゾ[a]シクロペント[j]アントラセン環を有するスルフォニルまたはスルフォネート化合物;ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、ビフェニレン環、as−インダセン環、s−インダセン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環、アントラセン環、フルオランテン環、アセフェナントリレン環、アセアントリレン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、プレイアデン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、テトラフェニレン環、ヘキサフェン環、ヘキサセン環、ルビセン環、コロネン環、トリナフチレン環、ヘプタフェン環、ヘプタセン環、ピラントレン環、オバレン環、ジベンゾフェナントレン環、ベンズ[a]アントラセン環、ジベンゾ[a,j]アントラセン環、インデノ[1,2−a]インデン環、アントラ[2,1−a]ナフタセン環、1H−ベンゾ[a]シクロペント[j]アントラセン環を有する4−キノンジアジド化合物;ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、ビフェニレン環、as−インダセン環、s−インダセン環、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、フェナントレン環、アントラセン環、フルオランテン環、アセフェナントリレン環、アセアントリレン環、トリフェニレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、プレイアデン環、ピセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ペンタセン環、テトラフェニレン環、ヘキサフェン環、ヘキサセン環、ルビセン環、コロネン環、トリナフチレン環、ヘプタフェン環、ヘプタセン環、ピラントレン環、オバレン環、ジベンゾフェナントレン環、ベンズ[a]アントラセン環、ジベンゾ[a,j]アントラセン環、インデノ[1,2−a]インデン環、アントラ[2,1−a]ナフタセン環、1H−ベンゾ[a]シクロペント[j]アントラセンなどを側鎖を有するスルフォニウムまたはヨードニウムのトリフレートなどとの塩などが挙げられる。特に、ナフタレン環またはアントラセン環を有するスルフォニルまたはスルフォネート化合物;水酸基が導入されたナフタレン環またはアントラセン環を有する4−キノンジアジド化合物;ナフタレン環またはアントラセン環を側鎖を有するスルフォニウムまたはヨードニウムのトリフレートなどとの塩が好ましい。
【0071】
このような光酸発生剤のうち、本発明ではトリフェニルスルフォニウムトリフレートやジフェニルイオドニウムトリフレート、トリナフチルスルフォニウムトリフレート、ジナフチルヨードニウムトリフレート、ジナフチルスルフォニルメタン、みどり化学製NAT−105(CAS.No.[137867−61−9])、みどり化学製NAT−103(CAS.No.[131582−00−8])、みどり化学製NAI−105(CAS.No.[85342−62−7])、みどり化学製TAZ−106(CAS.No.[69432−40−2])、みどり化学製NDS−105、、みどり化学製PI−105(CAS.No.[41580−58−9])や、s−アルキル化ジベンゾチオフェントリフレート、s−フルオロアルキル化ジベンゾチオフェントリフレート(ダイキン製)などが好ましく用いられる。これらの中でも、トリフェニルスルフォニウムトリフレート、トリナフチルスルフォニウムトリフレート、ジナフチルヨードニウムトリフレート、ジナフチルスルフォニルメタン、みどり化学製NAT−105(CAS.No.[137867−61−9])、みどり化学製NDI−105(CAS.No.[133710−62−0])、みどり化学製NAI−105(CAS.No.[85342−62−7])などは特に好ましい。
【0072】
本発明のレジスト組成物において、光酸発生剤の好ましい配合量は、他の固形分全体に対して0.001〜50重量%、さらに好ましくは0.01〜40重量%、特に好ましくは0.1〜20重量%の範囲内である。すなわち、0.001重量%未満では高い感度でレジストパターンを形成することが困難であり、50重量%を越えるとレジスト膜を形成したときにその機械的強度などが損なわれるおそれがある。
<その他の成分>
本発明のレジスト組成物においては、溶解抑止剤、アルカリ可溶性の樹脂、放射線の照射によりアルカリ溶液に対する溶解度が増大する樹脂性化合物を含有しても良い。
【0073】
以下、溶解抑止剤について説明する。
【0074】
本発明に係る樹脂は配合された光酸発生剤に光を照射することにより発生した酸触媒によってアルカリ不溶の樹脂が分解しアルカリ可溶となる。そのため樹脂に溶解抑止基を導入すること、もしくはレジスト組成物に溶解抑止剤の添加することは必須ではない。しかし、露光部と未露光部の溶解速度の差を大きくするために、溶解抑止基を樹脂に導入するかもしくは溶解抑止剤の添加することが好ましい。
【0075】
溶解抑止剤として使用する溶解抑止基化合物としては例えば米国特許第4491628号および4603101号、特開昭63−27829号公報等に記された化合物のうち、芳香環が、該縮合多環式芳香環のものならば使用できる。あるいは縮合多環芳香環骨格にカルボン酸やフェノール性水酸基を有する化合物のヒドロキシ末端の一部または全部を酸で分解可能な保護基で置換したもので有れば使用できる。
【0076】
例えばその保護基はtert−ブチルエステルやtert−ブチルカーボネート、テトラヒドロピラニル基、アセタール基等があげられる。
【0077】
かかる化合物をより具体的にに例示するば、ナアフタレンやアントラセンの、ポリヒドロキシ化合物のtert−ブチルカーボネート、ナフトールフタレインのtert−ブチルカーボネート、キナザリンやキニザリン、ナフトールノボラック樹脂のtert−ブチルカーボネート、などが例示される。
【0078】
これらの化合物のレジスト組成物への添加量は、重合体に対して少なくとも3重量%以上40重量%未満が望ましい。この理由は前記レジスト組成物への添加量が3重量%未満であると効能が得られないかもしくは解像性低下をひきおこし、逆に40重量%以上であると塗膜性能あるいは溶解速度が著しく低下するためである。通常10〜30重量%の間がより望ましい。
【0079】
溶解抑止剤を具備する場合には、樹脂に溶解抑止基を必ずしも有する必要はなく、共重合組成としてアルカリ溶解性を与えるメタクリル酸などのアルカリ可溶基を有するビニル系化合物が共重合されてもよい。溶解抑止剤としては、アルカリ溶液に対する充分な溶解抑止能を有するとともに、酸による分解後の生成物がアルカリ溶液中で−(C=O)O−、−OS(=O)2−、または−O−を生じ得る酸分解性化合物が例示される。具体的には、フェノール性化合物をt−ブトキシカルボニルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、3−ブロモテトラヒドロピラニルエーテル、1−メトキシシクロヘキシルエーテル、4−メトキシテトラヒドロピラニルエーテル、1,4−ジオキサン−2−イルエーテル、テトラヒドロフラニルエーテル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イルエーテル、t−ブチルエーテル、トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテル、ジメチルイソプロピルシリルエーテル、ジエチルイソプロピルシリルエーテル、ジメチルセキシルシリルエーテル、t−ブチルジメチルシリルエーテルなどに変性した化合物、メルドラム酸誘導体などが挙げられる。これらのうちでは、フェノール性化合物の水酸基をt−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、あるいはテトラヒドロピラニル基などで保護した化合物や、ナフタルデヒドにメルドラム酸の付加した化合物、脂環構造を有するアルデヒドにメルドラム酸の付加した化合物などが好ましい。
【0080】
さらに溶解抑止剤は、多価カルボン酸のイソプロピルエステル、テトラヒドロピラニルエステル、テトラヒドロフラニルエステル、メトキシエトキシメチルエステル、2−トリメチルシリルエトキシメチルエステル、t−ブチルエステル、トリメチルシリルエステル、トリエチルシリルエステル、t−ブチルジメチルシリルエステル、イソプロピルジメチルシリルエステル、ジ−t−ブチルメチルシリルエステル、オキサゾール、2−アルキル−1,3−オキサゾリン、4−アルキル−5−オキソ−1,3−オキサゾリン、5−アルキル−4−オキソ−1,3−ジオキソランなどであってもよい。また、以下に示す化合物を例示できる。
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
本発明においてはこれらの溶解抑止剤のうち、共役多環芳香族系化合物が短波長光に対する透明性が優れる点で好ましい。すなわちこうした化合物は、π電子の共役安定化に起因して光吸収帯が低波長域にシフトしており、本発明では特に共役多環芳香族系化合物を溶解抑止剤として用いることで、短波長光に対し優れた透明性を有するとともに、耐熱性も充分なレジストを得ることができる。
【0081】
本レジスト組成物におけるその他の成分のうち、アルカリ可溶性の樹脂としては、基本的にアルカリ可溶の樹脂なら添加が可能であるが、好ましくは既知のArFレジスト用に用いられる樹脂類があげられ得、それらは化学増幅型レジストとしての機能を有してもかまわない。
【0082】
さらに本発明のレジスト組成物は樹脂成分として特に酸無水物構造を含む樹脂を用い高温でプロセスした場合、または樹脂成分としてヒドロキシル基が酸触媒のはたらきにより脱水反応が生じやすい特定の3級部位に付いている場合、ネガ型の像を形成し得る場合があるので、これを積極的に利用して、ネガ型の像を形成できる場合がある。
【0083】
本発明のレジスト組成物は、樹脂成分や光酸発生剤、溶解抑止剤、架橋剤、アルカリ可溶性樹脂などを有機溶媒に溶解させ瀘過することで、通常ワニスとして調製される。ただし本発明のアルカリ現像用レジストにおいては、これらの成分以外にエポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、プロピレンオキシド−エチレンオキシド共重合体、ポリスチレンなどのその他のポリマーや、耐環境性向上のためのアミン化合物、ピリジン誘導体などの塩基性化合物、塗膜改質用の界面活性剤、反射防止剤としての染料などが適宜配合されても構わない。
【0084】
ここでの有機溶媒には、例えばシクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、メチルセロルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、γ−ブチロラクトンなどのエステル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコール系溶媒、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒や、溶解性向上のためこれらにジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアルデヒド、N−メチルピロリジノン等を添加した混合溶媒を用いることができる。また、メチルプロピオン酸メチル等のプロピオン酸誘導体、乳酸エチル等の乳酸エステル類やPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等も、低毒性であり好ましく用いられ得る。なかでも、PGMEAと乳酸エチルは本発明の樹脂に対する溶解性が高く特に好ましい。
【0085】
なお本発明において、このような溶媒は単独または2種以上を混合して用いることができ、さらにイソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの脂肪族アルコールや、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒が含有されていても構わない。ただし、本発明のレジスト組成物が、酸無水物構造を有する場合は、溶媒に水酸基がある場合、反応しやすく安定性がそこなわれるため、この場合はOH基を有さない溶媒であることが望ましい。
【0086】
次に、本発明のレジスト組成物を用いたパターン形成方法について、ポジ型の化学増幅型レジストの場合を例に挙げ説明する。まず、上述したような有機溶媒に溶解されたレジストのワニスを回転塗布法やディッピング法などで所定の基板上に塗布した後、150℃以下好ましくは70〜120℃で乾燥してレジスト膜を成膜する。なおここでの基板としては、例えばシリコンウェハ、表面に各種の絶縁膜や電極、配線などが形成されたシリコンウェハ、ブランクマスク、GaAs、AlGaAsなどのIII−V族化合物半導体ウェハ、クロムまたは酸化クロム蒸着マスク、アルミ蒸着基板、BPSGコート基板、PSGコート基板、BSGコート基板、SOGコート基板、カーボン膜スパッタ基板などを使用することができる。
【0087】
次いで、所定のマスクパターンを介して化学線を照射するか、またはレジスト膜表面に化学線を直接走査させて、レジスト膜を露光する。上述した通り本発明のアルカリ現像用レジストは、短波長光をはじめ広範囲の波長域の光に対して優れた透明性を有しているので、ここでの化学線としては紫外線、X線、低圧水源ランプ光のi線、h線、g線、キセノンランプ光、KrFやArFやF2などのエキシマレーザ光等のdeepUV光やシンクロトロンオービタルラジエーション(SOR)、電子線(EB)、γ線、イオンビームなどを使用することが可能である。
【0088】
続いて特に化学増幅型レジストの場合、熱板上やオーブン中での加熱あるいは赤外線照射などにより、レジスト膜に170℃以下程度のベーキング処理を適宜施す。この後浸漬法、スプレー法などでレジスト膜を現像し、露光部または未露光部のレジスト膜をアルカリ溶液に選択的に溶解・除去して、所望のパターンを形成する。このときアルカリ溶液の具体例としては、テトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液、コリン水溶液などの有機アルカリ水溶液や、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機アルカリ水溶液、これらにアルコールや界面活性剤などを添加した溶液が挙げられる。なおここでのアルカリ溶液の濃度は、露光部と未露光部とで溶解速度の差を充分なものとする観点から、15重量%以下であることが好ましい。
【0089】
こうして、本発明のレジスト組成物を用いて形成されたレジストパターンは極めて解像性が良好であり、例えばこのレジストパターンをエッチングマスクとしたドライエッチングで、露出した基板などにクォーターミクロン程度の超微細なパターンを忠実に転写することができる。ここで得られたレジストパターンでは、ベース樹脂である高分子化合物中の脂環式構造において一方の炭素−炭素結合が切れても他方の結合が残るため、高いドライエッチング耐性を有している。
【0090】
なお、上述したような工程以外の他の工程が付加されても何ら差支えなく、例えばレジスト膜の下地としての平坦化層形成工程、レジスト膜と下地との密着性向上のための前処理工程、レジスト膜の現像後に現像液を水などで除去するリンス工程、ドライエッチング前の紫外線の再照射工程を適宜施すことが可能である。
【0091】
【実施例】
(実施例1)
モノマーとして、1−アクリロイル−3−ヒドロキシアダマンタン及びテトラヒドロピラニルメタクリレートを用い、両者合計0.05molを表1に示す混合比で混合し、混合物をテトラヒドロフラン(THF)20gに溶解し、アゾビスブチロニトリル(AIBN)0.0125molを重合開始剤として加えた。アルゴン雰囲気下、液体窒素温度で3回凍結脱気を行った。これをアルゴン雰囲気下において、60℃で30時間反応させた。反応液にメタノールを2ml加え反応を停止した。ヘキサン250gを攪拌しながら、反応液を1滴づつ落とし再沈をおこなった。ガラスフィルターで炉過し、固形分を60℃で3日間真空乾燥させ、6種類の樹脂を得た。
【0092】
分子量は、いずれもポリスチレン換算で3500〜8000までであった。Mw/Mnは1.7〜1.9であった。得られた樹脂の混合比をNMRで測定したところ、仕込み比の±2%の範囲内であった。
【0093】
得られた樹脂1.0gに、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフレートを0.05g加え、乳酸エチル4.2gに溶解させ、6種類のレジスト1〜6を得た。
【0094】
得られた6種のレジスト溶液を、スピンコート法により3000回転/分、30秒間でシリコンウエハー上に回転塗布した。その後、ホットプレート上、120℃で90秒間露光前べ一クを行った。レジストの厚みは、0.5μmであった。これに、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)で露光を行い、ライン&スペースをパターンニングした。露光波置はニコン社製ArF露光装置(NA=0.55、σ=0.7)を用いた。
【0095】
これを100℃で180秒間露光後べ一クを行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中、25℃で60秒間現像した。これにより、レジスト膜の露光部分が選択的に溶解・除去されてポジ型のパターンが形成された。表1に各レジストの感度および解像度を併記する。
【表1】
(実施例2)
モノマーとして1−アクリロイル−3−ヒドロキシアダマンタン0.02molを実施例1と同様の方法でホモ重合した。分子量は、ポリスチレン換算で3,500で、Mw/Mnは1.9であった。
【0096】
これに酸発生剤をナフチルイミドカンファースルホネイトに代えレジスト7を調製し、実施例1と同様の方法でパターニングをおこなった。ただし、露光後べークは160℃で行った。この結果、露光量42mJ/cm2で0.45μmL/Sと大きいながらも、パターンができることがわかった。
【表2】
(実施例3)
実施例1の1−アクリロイル−3−ヒドロキシアダマンタンを1−アクリロイル−3−カルボキシアダマンタンに代え、表3に示す混合比で混合したものを用いた以外はすべて同じ方法で重合し、該重合体を用いて実施例1と同様にレジスト調製を行いレジスト11〜15を調製した。レジスト11〜15を用い、実施例1と同様にパターニングを行った。その結果を表3に示す。
【表3】
最適混合比が実施例1と違うのは酸性度の違いと考えられるが、同様にパターニングできることがわかる。
(実施例4)
モノマーとして1−アクリロイル−3−tert-ブチルオキシカルボニルアダマンタンと1−アクリロイル−3−ヒドロキシアダマンタンと無水マレイン酸を用い、3者を1:1:2のmo1混合比で混合したものを用いた以外は実施例1と同様の方法で重合し、該重合体を用いて実施例1と同様にレジスト調製を行いレジスト16を調製した。レジスト16を用い実施例1と同様にパターニングをおこなった。この結果、露光量12mJ/cm2で0.17μmL/Sのパターンを解像できることがわかった。結果を表4に示す。
【0097】
一方、モノマーとして2−アクリロイル−7−tert-ブチルオキシカルボニルトリシクロデカンと2−アクリロイル−7−ヒドロキシメチルトリシクロデカンと無水マレイン酸を用い、3者を1:1:2のmo1混合比で混合したものを樹脂として用いた以外は上記と同様の方法で重合し、該重合体を用いて同様にレジスト評価を行ったが、架橋反応のせいで、全くパターン形成ができなかった。以上のように、本発明に係る構造を有する樹脂は、同時に酸無水物と組み合わせた場合、著しい効果を示すことがわかった。
【表4】
(混合比は1−アクリロイル−3−tert-ブチルオキシカルボニルアダマンタンと1−アクリロイル−3−ヒドロキシアダマンタンと無水マレイン酸のmol仕込み比)
(実施例5)
実施例1の1−アクリロイル−3−ヒドロキシアダマンタンを1−アクリロイル−3−テトラヒドロピラニルカルボキシアダマンタンと1−アクリロイル−3−ヒドロキシアダマンタンに代え、表5に示す混合比で混合したものを用いた以外はすべて実施例1と同様の方法で重合し、該重合体を用いて実施例1と同様にレジスト調製を行いレジスト21〜25を調製した。レジスト21〜25を用い実施例1と同様にパターニングを行なった。その結果を表5に示す。
【表5】
(混合比は1−アクリロイル−3−テトラヒドロピラニルカルボキシアダマンタンと1−アクリロイル−3−ヒドロキシアダマンタンのmol仕込み比)
(実施例6)
化28;0.06molと化29;0.04molの混合物をAIBN0.01molを重合開始剤としてラジカル重合行い、化30に示す分子量約11,000の樹脂を得た。得られた樹脂1.0gに、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフレートを0.01g加え、PGMEA10gに溶解させ、得られたレジスト溶液を、スピンコート法により3000回転/分、30秒間でシリコンウエハー上に回転塗布した。その後、ホットプレート上、120℃で90秒間露光前べ一クを行った。レジストの厚みは、0.2μmであった。これに、ArFエキシマレーザー光で露光を行い、ライン&スペースをパターンニングした。これを130℃で90秒間露光後べ一クを行った後、2.38%TMAH水溶液中、25℃で60秒間現像し、0.15μmL/Sのポジ型のパターンを得た。感度は7.0mJ/cm2であった。
【化28】
【化29】
【化30】
(実施例7)
化28;0.04molと化31;0.06molの混合物をAIBN0.01molを重合開始剤としてラジカル重合行い、化32に示す分子量約1万の樹脂を得た。得られた樹脂1.0gに、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフレートを0.01g加え、PGMEA10gに溶解させ、得られたレジスト溶液を、スピンコート法により3000回転/分、30秒間でシリコンウエハー上に回転塗布した。その後、ホットプレート上、120℃で90秒間露光前べ一クを行った。レジストの厚みは、0.2μmであった。これに、ArFエキシマレーザー光で露光を行い、ライン&スペースをパターンニングした。これを110℃で90秒間露光後べ一クを行った後、2.38%TMAH水溶液中、25℃で60秒間現像し、0.15μmL/Sのポジ型のパターンを得た。感度は30mJ/cm2であった。
【化31】
【化32】
(実施例8)
化33(1)〜化38(1)に示すモノマーを化29に示すモノマーあるいは1−アクリロイルオキシ−3−カルボキシルアダマンタンとラジカル重合させることによって、それぞれ化33(2)〜38(2)に示すポリマーを得た。上記ポリマー化合物;化33(2)〜化38(2)までを酸発生剤TPS−105(1wt%)と混ぜ、PGMEA溶液に溶解し、これらのワニスをSiウェハーに回転塗布した。波長193nmのArFエキシマレーザーステッパーを用いて露光し、110℃で5分間ベークを行った。0.36NのTMAHアルカリ現像液を用いて現像したところ露光部が残り、未露光部が溶けるというネガ型パターンが形成された。
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【表6】
以上のようにいずれのレジストにおいても膨潤なく良好にネガ型パターンが形成されることがわかった。さらにCF4プラズマによるエッチングを行ったところ、エッチング速度もポリヒドロキシスチレン樹脂の1.2〜1.0倍であった。
(実施例9〜11および比較例1〜5)
化39〜41に示すポリマー1〜8のホモポリマーをモノマー1〜8のラジカル重合で得た。ポリマーの分子量はいずれも1万程度であった。
【化39】
【化40】
【化41】
これらのポリマーのガラス転移温度(Tg)を示差走査熱量測定法(DSC)で測定した。結果を表7に記載する。
【表7】
表7のように2ヵ所の3級炭素位にヒドロキシル基もしくはそれがエステル化した基が結合したポリマー1(実施例9)は、1ヵ所しかないポリマー2(比較例1)、ポリマー3(比較例2)に比べTgが10℃ほど高く、1つもないポリマー4(比較例3)に比べ20℃も高いことがわかる。
【0098】
また、脂環の種類が異なるポリマー5(実施例10)、またはポリマー7(実施例11)においても、2ヵ所の3級炭素位にヒドロキシル基もしくはそれがエステル化したポリマーは、Tgが高いことがわかる。
【0099】
また、これらのポリマーのTgについて計算をおこなった結果も表7に併記する。計算はCAcheシステム上でBicerano法でおこなった。実験結果とほぼ同じ結果を示している。化学増幅型レジストにおいて必須である露光後べークの工程では、100℃〜150℃のべークが必須である。この時Tgが低いとパターンの劣化がおこってしまう。したがってTgが高い本発明にかかる重合体を用いた本発明のレジスト組成物は解像度の高いレジストパターンを形成できる。
(試験例1)
モノマー1とテトラヒドロピラニルを重合しコポリマーを得た。このコポリマーは実施例1で用いたレジスト4と全く同じのものである。これを用い実施例1と同様な方法でレジストを調製した。また、実施例1と同様の方法で、モノマー2とテトラヒドロピラニルのコポリマーを重合し、比較レジストを調整した。これらのレジストを用い実施例1と同様の方法で露光とプロセスを行い、レジストパターンを得た。
【0100】
この結果、モノマー1とのコポリマーを用いたレジストでは0.15μmL/Sが解像していたが、モノマー2とのコポリマーではパターンが流れていて0.3μmL/S程度しか解像していなかった。これは、モノマー1とのコポリマーに比ベモノマー2とのコポリマーではTgが低いため露光後ぺ一クの最中にゴム状態になり、パターンが流動化したためである。
(試験例2)
モノマー5とテトラヒドロピラニルを50:50mol%で重合し、コポリマーを得た。重合方法は実施例1と同様である。これを用い実施例1と同様な方法でレジストを調製した。また、実施例1と同様の方法で、モノマー6とテトラヒドロピラニルのコポリマーを50:50mol%で重合し、比較レジストを調製した。これらのレジストを用い実施例1と同様の方法で露光とプロセスを行い、レジストパターンを得た。
【0101】
この結果、モノマー5とのコポリマーを用いたレジストでは0.16μmL/Sを5.2mJ/cm2で解像していた。モノマーとのコポリマーを用いたレジストではパターンが流れていて0.4μmL/S程度しか解像していなかった。
【0102】
これは、モノマー5とのコポリマーに比ベモノマー6とのコポリマーではTgが低いため露光後ベークの最中にゴム状態になり、パターンが流動化したためである。
(試験例3)
モノマー7とテトラヒドロピラニルを50:50mol%で重合し、コポリマーを得た。重合方法は実施例1と同様である。これを用い実施例1と同様な方法でレジストを調製した。また、実施例1と同様の方法で、モノマー8とテトラヒドロピラニルのコポリマーを50:50mol%で重合し、比較レジストを調製した。これらのレジストを用い実施例1と同様の方法で露光とプロセスを行い、レジストパターンを得た。
【0103】
この結果、モノマー7とのコポリマーを用いたレジストでは0.16μmL/Sを5.2mJ/cm2で解像していた。モノマー8とのコポリマーを用いたレジストではパターンが流れていて0.4μmL/S程度しか解像していなかった。
【0104】
これは、モノマー7とのコポリマーに比ベ、モノマー8とのコポリマーではTgが低いため露光後ベークの最中にゴム状態になり、パターンが流動化したためである。
(実施例12〜実施例13、比較例6)
[原料の合成]
1,3−ジヒドロキシアダマンタン1molを,酸化剤としてCrO3、酢酸−無水酢酸溶液中で加熱攪拌し、8時間反応後、反応液を中和し、ヒドロキシアダマンタンのポリヒドロキシル化化合物混合体を得た。この混合体を高速液体クロマトグラフィーで分取したところ、1,3,5―トリヒドロキシアダマンタンを得た。
【0105】
1,3,5−トリヒドロキシアダマンタンをメチレンクロリドに溶解し、トリメチルアミンを少量加え、トリメチルシリルクロリドを当モル量加え、室温で反応させた。反応物を高速液体クロマトグラフィーで分取したところ、1,3−ジヒドロキシ−5−トリメチルシロキシアダマンタンを得た。
【0106】
1,3−ジカルボキシアダマンタンを、同様にして酸化、分取し、1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタンを得た。
【0107】
化合物1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタンをTHFに溶解し、過剰量のチオニルクロライドと共に4時間環流反応させ、余剰チオニルクロライトと溶媒を留去して1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタンの酸クロリド化合物、1,3−ジクロロホルミル−5−ヒドロキシアダマンタンを得た。
【0108】
1,3−ジクロロホルミル−5−ヒドロキシアダマンタンをメチレンクロリドに溶解し、トリメチルアミンを少量加え、トリメチルシリルクロリドを当モル量加え、室温で反応させた。1,3−ジクロロホルミル−5−トリメチルシロキシアダマンタンを得た。
[高分子の合成]
1,3−ジヒドロキシ−5−トリメチルシロキシアダマンタンを0.05molをTHFに溶解し、化合物1,3−ジクロロホルミル−5−トリメチルシロキシアダマンタンを0.040molをこれに加え、さらに化合物1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタンを0.010mol加えた。温度を室温に保ち、攪拌し0.1molのトリエチルアミンのTHF溶液を徐々に滴下した。2時間攪拌し、その後、室温でさらに2時間攪拌した後、反応液をろ別した。水中に徐々に反応液を滴下し、再沈した。これを再びTHFに溶解しテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加えて、トリメチルシリルを脱離し、水中に徐々、に反応液を滴下し、再沈した。それによりエステルオリゴマー(ポリ酸無水物を合む)1を得た。分子量は4000であった。エステルオリゴマー1の化学式は下記の通りである。
【化42】
1,3−ジクロロホルミル−5−トリメチルシロキシアダマンタンを0.05molをTHFに溶解し、メンタンジオールを0.040molをこれに加え、さらに化合物1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタンを0.010mol加えた。温度を室温に保ち、攪拌し、0.1molのトリエチルアミンのTHF溶液を徐々に滴下した。2時間攪拌し、その後、室温でさらに2時間攪拌した後、反応液をろ別した。水中に徐々に反応液を滴下し、再沈した。これを再びTHFに溶解しTBAFを加えて、トリメチルシリルを脱離し、水中に徐々に反応液を滴下し、再沈した。エステルオリゴマー(ポリ酸無水物合む)2を得た。分子量は3500であった。エステルオリゴマー2の化学式を下記に示す。
【化43】
1,3−ジクロロホルミル−5−トリメチルシロキシアダマンタン0.05molをTHFに溶解し、メンタンジオールを0.050molをこれに加えた。温度を室温に保ち、攪拌し、0.1molのトリエチルアミンのTHF溶液を徐々に滴下した。2時間攪拌し、その後、室温でさらに4時間攪拌した後、反応液をろ別した。水中に徐々に反応液を滴下し、再沈した。これを再びTHFに溶解しTBAFを加えて、トリメチルシリルを脱離し、水中に徐々に反応液を滴下し,再沈した、エステルオリゴマー3を得た。分子量は3000であった。エステルオリゴマー3の化学式を下記に示す。
【化44】
[比較ポリマーの合成]
[比較エステルオリゴマーの合成]
1,3−ジアセチルクロリドアダマンタン0.05molをTHFに溶解し,メンタンジオール0.05molをこれに加えた。温度を室温に保ち攪拌し、0.1molのトリエチルアミンのTHF溶液を徐々に滴下した。2時間攪拌し、その後、室温でさらに2時間攪拌した後、反応液をろ別した。水中に徐々に反応液を滴下し、析出した沈殿をさらに水−アセトン系溶媒で、再沈し、比較エステルオリゴマーAを得た。比較エステルオリゴマーAの化学式を下記に示す。
【化45】
[溶解抑止剤の合成]
0.1モル当量のβ−ナフトールノボラックをTHFに溶解し、水素化ナトリウム0.1molの存在下充分な量のジ−t−ブチル2炭酸エステルと室温で6時間攪拌した後、反応液を水と混合して酢酸エチルで抽出することで、分子量3,000のt−ブトキシカルボニル化ナフトールノボラック(tBocNN)を合成した。なお、ここでtBocNNにおけるトフトキジカルボニルの導入率は、全水酸基の100mol%であった。
【0109】
マロン酸tert−ブチルに等モル量の水素化ナトリウムをTHF中で加え、ブロモメチルアダマンチルケトンを加え、3時間攪拌した。生成した塩をろ別し、溶液を濃縮して、ジ−tert−ブチル2−((1−アダマンチル)カルボニルメチル)マロネート(ADTB)を得た。
【0110】
1−ナフトールをシュウ酸触媒下で、グリオキシル酸と縮合し、ノボラック化合物を得た。これをジヒドロピランに溶解し、触媒量の塩酸を加え、ピラニル化ノボラック化合物(NV4THP)を得た。
[レジストの調製及びレジストパターンの形成]
上述した通り合成した高分子化合物、溶解抑止剤及び光酸発生剤としてみどり化学製TPS−105、またははNAI−105を、表8に示す処方にしたがってシクロヘキサノンに溶解させ、実施例12〜16のレジストのワニスを調製した。一方、比較レジストとして光酸発生剤としてTPS−105を配合したレジストのワニスを併せて表8のように比較例6のワニス調製した。
【表8】
次いで、これらのレジストのワニスをそれぞれシリコンウエハ上に回転塗布して厚さ0.3μmのレジスト膜を成膜し、波長193nmのArFエキシマレーザー光を光源としたNA=0.55のステッパを使用してレジスト膜表面に所定のパターン光を露光した。続いて110℃で2分のべ一キング処理を施した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液(TMAH)とイソプロピルアルコールの混合溶液で露光部を選択的に溶解・除去して、ポジ型のレジストパターンを形成した、このときの感度及び解像度を表9に示す。
【表9】
表9に示される通り、実施例12〜16のレジストにおいては、いずれも高い感度で解像性の良好なレジストパターンが形成されており、波長193nmの光に対する透明性、アルカリ現像性とも優れていることがわかる。一方比較例6のレジストでは、解像性の良好なレジストバターンが形成されていないこともわかり、さらに剥がれやすい等の問題があることがわかった。
【0111】
さらにこれらのレジストについて、CF4プラズマによるエッチング速度を測定してそのドライエッチング耐性を評価した。この結果、ポリヒドロキシスチレン樹脂をべース樹脂とするレジストのエッチング速度を1.0としたとき、比較例6のエッチング速度は1.0、実施例12〜16のレジストのエッチング速度は0.9〜1.2であり、いずれも高いドライエッチング耐性を有していることが確認された。
(実施例17〜19)
下記式 化46および化47に示されるモノマーを2:8でTHF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、感光し実施例17の樹脂を得た。分子量は12000であった。
【化46】
【化47】
下記式 化48、化49および化50に示されるモノマーとを7:2:1でTHF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、感光し実施例18の樹脂を得た。分子量は分布の広い4万7千と、ポリマーが一部三次元架橋化していることが推定される。
【化48】
【化49】
【化50】
下記式 化51、化52に示されるモノマーとを6:4THF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、感光し実施例19の樹脂を得た。分子量は1万7千であった。
【化51】
【化52】
上述した通り合成した実施例17〜19の重合体に、光酸発生剤としてみどり化学製TPS−105を1重量部加え、シクロヘキサノンに溶解させ、ろ過して実施例17〜19のレジストのワニスを調製した。
【0112】
次いで、これらのレジストのワニスをそれぞれシリコンウェハ上に回転塗布して厚さ0.3μmのレジスト膜を成膜し、波長193nmのArFエキシマレーザー光を光源としたNA0.54のステッパを使用してレジスト膜表面に所定のパターン光を露光した。続いて110℃で2分のベーキング処理を施した後、テトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液(TMAH)で露光部を選択的に溶解・除去して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このときの感度、解像度を表10に示す。
【表10】
表10に示される通り、実施例17〜19のレジストにおいては、いずれも高い感度で解像性の良好なレジストパターンが形成されており、波長193nmの光に対する透明性、アルカリ現像性とも優れていることが判る。
【0113】
さらにこれらのレジストについて、CF4プラズマによるエッチング速度を測定してそのドライエッチング耐性を評価した。この結果、ノボラック樹脂をベース樹脂とするレジストのエッチング速度を1.0としたとき、比較例6のレジストのエッチング速度が1.2であるのに対し、実施例17〜19のレジストのエッチング速度は0.9〜1.0であり、いずれも高いドライエッチング耐性を有していることが確認された。
(実施例20,21)
下記式 化53および化47に示されるモノマーを4:6でTHF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、感光し実施例20の樹脂を得た。分子量は10000であった。
【化53】
化48および、下記式 化54に示されるモノマーとを6:4でTHF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、感光し実施例21の樹脂を得た。分子量は1万2千であった。
【化54】
(実施例22,23)
下記式 化55および化47に示されるモノマーを4:6でTHF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、感光し実施例22の重合体を得た。分子量は6000であった。
【化55】
下記式 化56、化48に示されるモノマーとを2:8でTHF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、感光し実施例23の樹脂を得た。分子量は7千500であった。
【化56】
上述した通り合成した実施例20〜23の高分子化合物に、光酸発生剤としてみどり化学製TPS−105を1重量部加え、シクロヘキサノンに溶解させ、ろ過して実施例20〜23のレジストのワニスを調製した。
【0114】
次いで、これらのレジストのワニスをそれぞれシリコンウェハ上に回転塗布して厚さ0.3μmのレジスト膜を成膜し、波長193nmのArFエキシマレーザー光を光源としたNA0.55のステッパを使用してレジスト膜表面に所定のパターン光を露光した。続いて110℃で2分のベーキング処理を施した後、テトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液(TMAH)で露光部を選択的に溶解・除去して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このときの感度、解像度を表11に示す。
【表11】
表11に示される通り、実施例20〜23のレジストにおいてCF4プラズマによるエッチング速度を測定してそのドライエッチング耐性を評価した場合にもエッチング耐性はノボラック樹脂の0.8〜1.0倍であることが確認された。
(実施例24,25、比較例7)
下記式 化57および化58に示されるモノマーを4:6でTHF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、乾燥し実施例24の樹脂を得た。分子量は6000であった。
【化57】
【化58】
化59および、化60に示されるモノマーと、無水マレイン酸を3.5:3:3.5でTHF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、乾燥し実施例21の樹脂を得た。分子量は5500であった。
【化59】
【化60】
また、比較例7として、化59に示されるモノマーと2−アクロイルオキシ−7−ヒドロキシメチルトリシクロデカンと無水マレイン酸を3.5:3:3.5でTHF中で混合し、10mol%のAIBNを加え60℃で40時間、共重合した。この反応液をヘキサン中に滴下し、ろ別、感光し比較例の樹脂7を得た。分子量は9000であった。
【0115】
上述した通り合成した実施例24〜25、比較例7の高分子化合物に、光酸発生剤としてみどり化学製TPS−105を1重量部加え、シクロヘキサノンに溶解させ、ろ過して実施例24〜25のレジストのワニスを調製した。
【0116】
次いで、これらのレジストのワニスをそれぞれシリコンウェハ上に回転塗布して厚さ0.3μmのレジスト膜を成膜し、波長193nmのArFエキシマレーザー光を光源としたNA0.55のステッパを使用してレジスト膜表面に所定のパターン光を露光した。続いて110℃で2分のベーキング処理を施した後、テトラメチルアンモニウムハイドロキシド水溶液(TMAH)で露光部を選択的に溶解・除去して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このときの感度、解像度を表12に示す。
【表12】
表12に示される通り、やはりここでも無水マレイン酸と、本発明の樹脂構造の組み合わせが、格段に良い効果を与えることがわかる。実施例24〜25のレジストにおいてCF4プラズマによるエッチング速度を測定してそのドライエッチング耐性を評価した場合にもエッチング耐性はノボラック樹脂の0.8〜1.0倍であことが確認された。
【0117】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明のレジスト用樹脂、レジスト組成物及びパターン形成方法によれば、短波長光に対する透明性が優れるとともに高いドライエッチング耐性を備え、かつアルカリ現像で解像性の良好なレジストパターンを形成することができる。
Claims (16)
- 主鎖または側鎖に有橋脂環を含むポジ型レジスト用樹脂であって、かつ前記脂環が2個以上の含酸素極性基が3級炭素位に結合した脂環構造を有するものであり、かつラクトン骨格をアクリル側鎖に有するアクリル系化合物をモノマーとしてさらに含む重合体であることを特徴とするポジ型レジスト用樹脂。
- 全有橋脂環の樹脂に締める重量比が20%〜90%であり、かつ脂環に2個以上の酸素含有極性基が結合した構造を有する有橋脂環を含むポジ型レジスト樹脂であって、2個以上の含酸素極性基が3級炭素位に結合した構造を有する有橋脂環が、前記の脂環に2個以上の酸素含有極性基が結合した構造を有する有橋脂環のうちの70%以上である、請求項1に記載のポジ型レジスト用樹脂。
- 請求項1または2に記載のポジ型レジスト用樹脂と光酸発生剤を含んでなることを特徴とする、ポジ型レジスト組成物。
- 前記有橋脂環が、アダマンタン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、ノルボルナン環からなる群より選択された少なくとも1種である、請求項3に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記含酸素極性基のうち少なくとも1つが、置換または非置換のヒドロキシル基または環状ラクトンを含む置換基である、請求項3または4に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記含酸素極性基のうち少なくとも1つが、酸によって分解しえる溶解性基で保護されたカルボキシル基である、請求項3〜5のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂が−(C=O)−O−(C=O)−結合を含むものであり、かつ前記含酸素極性基のうちの少なくとも1つがヒドロキシル基である、請求項3〜6のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂が、有橋脂環を有しかつ3個の含酸素極性基が前記有橋脂環の3級炭素位に結合した構造を含むモノマーを含む重合体であって、前記モノマーの前記有橋脂環に結合された前記含酸素極性基のうち、少なくとも1つがアクリロイルオキシ基あるいはメタクリロイルオキシ基である、請求項3〜7のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂が、カルボキシル基とヒドロキシル基のうち少なくとも1種の有機基を3個3級炭素位に有する有橋脂環を有するモノマーを脱水縮合することにより得られる主鎖脂環型樹脂である、請求項3〜8のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 基板上に請求項3〜11のいずれか1項に記載のレジスト組成物を含む被膜を形成させる工程、その被膜をパターン露光する工程、および露光された被膜を現像する工程を少なくとも具備することを特徴とするパターン形成方法。
- 側鎖に有橋脂環を含むポジ型レジスト用樹脂であって、前記樹脂が下記一般式(1):
- 請求項13に記載のポジ型レジスト用樹脂と光酸発生剤を含んでなることを特徴とする、ポジ型レジスト組成物。
- R2が、置換または非置換のヒドロキシル基または環状ラクトンを含む置換基である、請求項14に記載のポジ型レジスト組成物。
- 基板上に請求項14に記載のポジ型レジスト組成物を含む被膜を形成させる工程、その被膜をパターン露光する工程、および露光された被膜を現像する工程を少なくとも具備することを特徴とするパターン形成方法。
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