JP3683986B2 - 感光性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子等の製造における微細加工に用いられるレジスト材料として好適な感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIなどの半導体集積回路を初めとする各種の電子部品は、リソグラフィー技術を用いた超微細加工が施されており、その加工工程にはレジストが広く用いられている。特に最近では、電子部品の高密度化、大容量化を図るために、レジストパターンの微細化が要求されている。微細なレジストパターンを形成するための1つの施策として、露光光源の短波長化が行なわれている。例えば、従来のi線(波長365nm)からKrFエキシマレーザ光(波長248nm)、さらにはArFエキシマレーザ光(波長193nm)を用いることが試みられている。KrFエキシマレーザ露光が実用化のレベルに達した現在では、特にArFエキシマレーザ露光が次世代の露光技術として位置づけられ、ArFエキシマレーザ露光用の高感度、高解像力、かつドライエッチング耐性を有した感光性組成物、すなわちレジスト材料の開発が望まれている。
【0003】
従来のg線、i線およびKrFエキシマレーザ露光用のレジスト材料としては、高いドライエッチング耐性を得るために、芳香族化合物を含有するレジストが広く用いられており、例えば、ノボラック樹脂系レジスト、あるいはポリビニルフェノール型の化学増幅型レジストが知られている。しかしながら、ドライエッチング耐性を確保する目的で導入された芳香環は、ArFエキシマレーザー光の193nmの波長域で全く光を通さないために、レジスト膜の底部にまで露光することが困難であり、従来のレジストでは断面形状の良好なパターンを得ることができなかった。
【0004】
レジストの透明性の問題点の解決策の一つとして、芳香環を全く含まない脂肪族化合物、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いればよいことが古くから知られている。しかしながら、このような脂肪族化合物は、十分なドライエッチング耐性が望めないことから実用に供することは全く不可能であった。このように、ArFエキシマレーザー露光用のレジスト材料の開発に当たっては、透明性の向上と高いドライエッチング耐性とを両立させることが最大の課題とされている。
【0005】
そこで、芳香族化合物に代わり脂環式化合物を含有するレジストが、近年注目を集めている。例えば、特開平4−39665号には、ドライエッチング耐性、透明性が共に良好なレジストとして、アダマンタン骨格を有する共重合体をベースポリマーとしたレジストが提案されている。また、カルボン酸基を有するアクリル系化合物との共重合体とすることでアルカリ溶解性を付与し、アルカリ現像液により現像可能なレジストとしている。
【0006】
しかしながら、アダマンタン骨格のような脂環式構造とカルボン酸基とからなる共重合体は、アルカリ現像液に対する溶解性に問題があることが最近明らかとなってきた。すなわち、脂環式化合物は極めて疎水性が強く、構造的にも極めて嵩高いためにアルカリ溶解性は本来劣る。これに対して、カルボン酸基は酸性度が低く、アルカリ溶解性は極めて良好であり、脂環式化合物とカルボン酸基との間でのアルカリ溶解性の差が大きい。加えて、共重合体において脂環式構造を有する部位とカルボン酸基部位との相分離が起きやすく、均一なレジスト溶液を調製することが困難である。この相分離は、レジスト溶液をウェハー上に塗布する際に増長されて、アルカリ溶解性の劣る部位と優れる部位とが分離してしまうという問題もあった。このため、現像時にはアルカリ現像液が共重合体になじみ難くなって均一な現像が行なわれず、結果として、現像中にレジスト膜表面にクラックが生じたり、レジスト膜が基板から剥離するという問題があった。
【0007】
また、この点に鑑み、脂環式化合物の疎水性を緩和し、アルカリ溶解性の劣る部位と優れる部位との差を軽減して溶解性を向上させるために、脂環式化合物にCOOH基を導入する方法が報告された(95年秋期応用物理学会)。しかしながら、この場合COOHのカルボニル基に193nm波長域での吸収があるために、レジストの透明性が劣るという問題、および酸性度が高いために希釈した現像液を必要とし、制御性が悪く、また他レジスト現像液との互換性がないという問題点があった。
【0008】
このように、ArFエキシマレーザー光の193nmの深紫外線に対して高い透明性を有するとともに、高いドライエッチング耐性を備え、アルカリ現像液に対して均一に溶解する感光性組成物は未だ得られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題点を鑑みてなされたものであり、短波長、特にArFエキシマレーザー光の193nmの深紫外線に対して高い感度を有し、解像性に優れるとともに、十分なドライエッチング耐性を備え、かつクラックの発生や基板からの剥離が起こらないレジストパターンを形成し得るアルカリ現像用の感光性組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、以下に示すいずれかの繰り返し単位を含む高分子化合物と、光酸発生剤とを含有することを特徴とする感光性組成物を提供する。
【化3】
また本発明は、以下に示すいずれかの繰り返し単位を含む高分子化合物と、光酸発生剤とを含有することを特徴とする感光性組成物を提供する。
【化4】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の感光性組成物において、高分子化合物に含有される脂環式化合物としては、一般式CnH2n(nは3以上の整数)で表される環状シクロ化合物や環状ビシクロ化合物、およびそれらの縮合環などが挙げられる。より具体的には、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、およびシクロオクタン環などが挙げられる。また、これらの脂環式化合物に橋かけ炭化水素が導入された化合物も用いることができる。
【0012】
OH基を有する脂環式構造を側鎖に有する高分子化合物は、上述の脂環とこれらの置換基とを任意に組み合わせた共重合体とすることができる。これらの共重合体は、単独で重合させるか、さらに溶解特性や密着性を向上させるために、アクリル酸や無水マレイン酸、およびそのエステル置換体、ビニルフェノール、ビニルナフトールや、ナフトールオキシメタクリレート、SO2などの重合性化合物との共重合体を形成してもよい。
【0014】
このような高分子化合物の分子量は、5,000〜20,000程度であることが好ましい。5,000未満の場合には、基板への塗布性や安定性が低下するおそれがあり、一方20,000を越えると、十分な感度および解像性が得られないおそれがあるからである。
【0015】
また、OH基は、脂環式構造に直接あるいは、2価の有機基を介して結合していればよい。このようにしてOH基が導入された脂環式化合物、あるいはS原子が導入された複素環式化合物の重合体における含有量は、40〜80wt%程度であることが好ましい。40wt%未満の場合には、ドライエッチング耐性が低下するおそれがあり、一方80wt%を越えると、やはり不均一な溶解が生じ易いからである。
【0016】
本発明の感光性組成物は、例えば、前述のような共重合体に酸分解性基を導入し、化学放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、光酸発生剤と称する)を配合することによって、ポジ型の化学増幅型レジストとして使用することができる。
【0017】
酸分解性基としては、例えば、t−ブチルエステル、イソプロピルエステル、エチルエステル、ベンジルエステルなどのエステル類;テトラヒドロピラニルエーテルなどのエーテル類;t−ブトキシカーボネート、メトキシカーボネート、エトキシカーボネートなどのアルコキシカーボネート類;トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、トリフェニルシリルエーテルなどのシリルエーテル類を挙げることができる。より具体的には、tert−ブチルメタクリレートや、tert−ブトキシカルボニル化ビニルフェノール、tert−ブトキシカルボニルオキシ化ビニルフェノール、tert−ブトキシカルボニル化ビニルナフトール、tert−ブトキシシカルボニルオキシ化ビニルナフトールなどのtert−ブチルエステルや、トリメチルシリルエーテルやエステル基、テトラヒドロピラニルエーテルエステル基を含む重合体と共重合体を形成すればよい。
【0018】
なお、共重合体中における酸分解性基の割合は、10〜40wt%程度とすることが好ましい。10wt%未満では、溶解速度コントラストが低下するおそれがあり、一方40wt%を越えると、均一な溶解が困難になるからである。
【0019】
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩、オルトキノンジアジドスルフォン酸誘導体、有機ハロゲン化化合物、スルホン酸誘導体およびスルホニル化合物などを使用することができる。オニウム塩としては、例えば、CF3 SO3 - 、p−CH3 −phSO3 - 、p−NO2 phSO3 - などを対イオンとするジアゾニウム塩、スルフォニウム塩、ホスホニウム塩、およびヨードニウム塩等が挙げられる。特に、化学放射線の照射に対して感度が良好なトリアリールスルホニウム塩およびジアリルヨードニウム塩が好ましい。
【0020】
なお、オニウム塩の対イオンがテトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロアンチモン酸アニオン、ヘキサフルオロヒ素酸アニオンである場合には、発生する酸の強度が十分ではない。また、これらのオニウム塩は、いずれも半導体素子製造工程において混入を制限されている元素を含有しているため、使用する際には工程管理条件が厳しくなる。したがって、このような点を考慮すると、対イオンがメタンスルホン酸アニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、およびトルエンスルホン酸アニオンなどのルイス塩基であるオニウム塩を使用することが好ましい。具体的には、ジフェニルヨードニウム、4,4´−ジ−t−ブチルヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、t−ブチルトリフェニルスルホニウムなどのトリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンスルフォン酸塩、トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。また、これらのオニウム塩のフェニル基に置換基を有する化合物を使用してもよい。
【0021】
また、上述したような光酸発生剤についても、ナフタレン骨格やジベンゾチオフェン骨格を有するオニウム塩やスルフォネート、スルフォニル、スルファミド化合物などの共役多環芳香族化合物は、ArFエキシマレーザ光に対する透明性、耐熱性の点で有利である。より具体的には、NAT−105、NDS−105などのナフタレン環を有するスルフォニウム塩、NDI−106などのナフタレン含有塩素化トリアジン、ナフタリジルトリフレートなどのスルフォン酸イミド(以上みどり化学)、ジベンゾチオフェン誘導体のオニウム塩(ダイキン化学)ナフタレンバイスルフォンなどの化合物が挙げられる。
【0022】
光酸発生剤の配合量は、感光性組成物中、0.1wt%以上20wt%未満とすることが好ましい。これは、添加量が0.1wt%未満であると高い感度でレジストパターンを形成することが困難となり、一方20wt%以上であると、塗膜性能が著しく低下するおそれがあるためである。
【0023】
なお、上述のようなポジ型の化学増幅型レジストは、酸分解性の置換基を有する溶解抑止剤を配合することにより調製することもできる。溶解抑止剤としては、具体的には、フェノール性化合物を、t−ブトキシカルボニルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、3−ブロモテトラヒドロピラニルエーテル、1−メトキシシクロヘキシルエーテル、t−ブチルエーテル、トリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテルなどに変成した化合物が挙げられる。これらのなかでは、フェノール性化合物の水酸基をt−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、テトラヒドロピラニル基などで保護した化合物が好ましい。
【0024】
本発明の感光性組成物は、以上の成分を有機溶媒に溶解し、濾過することによって調製することができる。使用し得る有機溶媒としては、例えば、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、およびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、およびブチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、およびγ−イソブチロラクトン等のエステル系溶媒などが挙げられる。また、レジストの組成によっては、溶解性向上のため、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアルデヒド、またはN−メチルピロリジノンなどを用いてもよい。
【0025】
さらに、近年、低毒性溶媒への代替溶媒として着目されているメチルプロピオン酸メチルなどのプロピオン酸誘導体、乳酸エチルなどの乳酸エステル類、PGMEA(プロピレングリコールモノエチルアセテート)などの溶媒を使用することもできる
前述の溶媒は、単独で、または混合物の形で使用してもよい。また、これらの溶媒に、トルエン、キシレンまたはイソプロピルアルコールなどの脂肪族アルコールを適量含有させてもよい。
【0026】
なお、本発明の感光性組成物には、前述した成分に加えて、必要に応じて、塗膜改質剤としての界面活性剤;密着促進剤;塩基性物質;エポキシ樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、プロピレンオキシド−エチレンオキシド共重合体、およびポリスチレン等の他のポリマー;または反射防止剤としての染料を配合してもよい。
【0027】
次に、本発明の感光性組成物を用いたパターン形成方法について、説明する。まず、上述したような有機溶媒に溶解されたレジストのワニスを回転塗布法やディッピング法などで所定の基板上に塗布した後、150℃以下、好ましくは120℃以下でプリベークしてレジスト膜を成膜する。
【0028】
なお、ここでの基板としては、例えば、シリコンウェハ、表面に各種の絶縁膜や電極、配線などが形成されたシリコンウェハ、ブランクマスク、GaAs、AlGaAsなどのIII −V族化合物半導体ウェハ、クロムまたは酸化クロム蒸着マスク、アルミ蒸着基板、IBPSGコート基板、PSGコート基板、SOGコート基板、カーボン膜スパッタ基板などを使用することができる。
【0029】
次いで、所定のマスクパターンを介して化学線を照射するか、またはレジスト膜表面に化学線を直接走査させて、レジスト膜を露光する。ここでの化学線としては、紫外線、X線、低圧水銀ランプのi線、h線、g線、キセノンランプ光、KrFやArFエキシマレーザー光等のdeepUV光やシンクロトロンオービタルラジエーション(SOR)、電子線(EB)、γ線、イオンビームなどを使用することが可能であるが、特に、ArFエキシマレーザー光に対して、本発明の感光性組成物の効果が発揮される。
【0030】
続いて、熱板上やオーブン中での加熱あるいは赤外線照射などにより、レジスト膜に150℃以下程度のベーキング処理を適宜施す。この後、浸漬法、スプレー法などでレジスト膜を現像し、露光部のレジスト膜をアルカリ溶液に選択的に溶解・除去して、所望のパターンを形成する。このとき、アルカリ溶液の具体例としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液、コリン水溶液などの有機アルカリ水溶液や、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機アルカリ水溶液、これらにアルコールや界面活性剤などを添加した溶液が挙げられる。なおここでのアルカリ溶液の濃度は、露光部と未露光部とでの溶解速度の差を十分なものとする観点から、15wt%以下であることが好ましい。
【0031】
こうして、本発明の感光性組成物を用いて形成されたレジストパターンには、クラックは全く発生せず、基板からの剥離も生じない。しかも、極めて解像性が良好であり、例えば、このレジストパターンをエッチングマスクとしたドライエッチングで、露出した基板などにクォーターミクロン程度の超微細なパターンを忠実に転写することができる。なお、上述したような工程以外の他の工程が付加されても何等差し支えなく、例えば、レジスト膜の下地としての平坦化層形成工程、レジスト膜と下地との密着性向上のための前処理工程、レジスト膜の現像後に現像液を水などで除去するリンス工程、ドライエッチング前の紫外線の再照射工程を適宜施すことが可能である。
【0032】
以上のように、本発明の感光性組成物に含有される高分子化合物は、OH基またはNO2 基が導入された脂環式構造、あるいは2個のO原子が結合しているS原子が導入された複素環式構造を側鎖に有しているので、この脂環式構造あるいは複素環式構造の疎水性は大幅に緩和されて、脂環式構造に親水性を付与することができる。このため、アルカリ現像液がレジスト樹脂中に馴染みやすくなって現像が均一に進み、レジスト膜表面へのクラックの発生やレジストパターンの基板からの剥離等を抑えることが可能となる。また、共重合体において脂環式構造あるいは複素環式構造を有する部位とカルボン酸基部位との相分離も起き難くなり、均一なレジスト溶液を調製することが可能である。結果として、ドライエッチング耐性や透明性を損なうことなく、アルカリ現像液に対する溶解性を大幅に向上させることができ、解像度が向上する。なお、OH基が導入された脂環式構造を側鎖に有する場合は、COOH基を導入した場合と比較して透明性が良いことから、最も高い解像度を得ることが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例および比較例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。実施例で用いる共重合体、光酸発生剤および溶解抑止剤を以下に示す。
【0034】
【化5】
【0035】
【化6】
【0036】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
前述の共重合体、光酸発生剤、および溶解抑止剤を用いて、下記表1に示すような配合および組成にしたがって、本発明の感光性組成物を調製した。
【0041】
【表1】
【0042】
まず、上記各成分をエチルセロソルブアセテートに溶解し、これらの溶液を0.2μmのテフロンフィルターで濾過することによって感光性組成物を調製した。
【0043】
これらの感光性組成物を、Siウェハ基板上にスピンコートにより0.5μmの膜厚で塗布し、ホットプレート上で100℃2分間のプリベークを行ない、レジスト膜を形成した。その後、波長193nmのArFエキシマレーザー光を光源とした露光装置を用いて、露光量を変えてパターン露光を施した。露光後、速やかにホットプレート上で110℃2分間のベークを行ない、最後に、一般的な濃度である0.21Nのテトラメチルハイドロオキサイド水溶液により2分間現像してパターンを形成した。
【0044】
実施例の感光性組成物を用いて形成された各レジストパターンについて、所望のパターン寸法が得られる最適露光の値を感度と定義し、そのときのレジストパターンの断面を走査型電子顕微鏡により観察して、解像度を求めた。さらに、現像時のパターンのクラックおよび基板からの剥離の有無を光学顕微鏡で調べ、得られた評価結果を、感度、解像度とともに表2にまとめる。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
ここで用いた共重合体R1〜R6を下記に示す。
【0047】
【化10】
【0048】
【化11】
【0049】
さらに、比較例の感光性組成物を、実施例と同様の基板に塗布し、同様の条件でプリベーク、露光、ベーク、および現像してパターンを形成し、感度および解像度を調べた。さらに、実施例の場合と同様にして現像時のパターンのクラックおよび基板からの剥離の有無を光学顕微鏡で調べ、得られた評価結果を、感度、解像度とともに表2にまとめた。
【0050】
表2に示すように、本発明の感光性組成物は、いずれも高感度であり、また0.20μm以下のパターンを解像することができた。いずれの感光性組成物を用いて形成されたパターンにもクラックは発生せず、基板からの剥離も全く生じなかった。これは、本発明の感光性組成物に含有された共重合体が、脂環式化合物としてノルボニル環、シクロヘキシル環、ビシクロ環、アダマンチル環を含み、しかもこれらの脂環式化合物にOH基が導入されているためである。
【0051】
すなわち、本発明の感光性組成物に含有された高分子化合物においては、OH基が脂環式構造に導入されていることにより、脂環式化合物あるいは複素環式化合物が親水性となり、現像が均一に進んで解像性の良好なレジストパターンが形成された。
【0052】
特にOH基を導入した場合には、1μm当たりの吸収係数が実施例2では0.12、実施例6では0.11と透明性が高かった。これに対して、実施例2のOH基をCOOH基に代えた比較例1は、0.18、実施例6のOH基をCOOH基に代えた比較例4は、0.16と透明性が低かった。このようにOH基を導入した場合には、透明性が良いことから最も高い解像力が得られる。
【0053】
なお、本発明の感光性組成物は、脂環式化合物を含有しているために、十分に高いドライエッチング耐性を有していることが予測される。
これに対して、比較例の感光性組成物を用いて形成されたパターンには、ほとんどの場合、現像液に対する溶解が不均一であることに起因したクラックや剥離が生じている。特に比較例2および3の感光性組成物は、脂環式化合物の含有量が50wt%と多いことから現像が進まず、パターニングすることができなかった。また、比較例1および4の感光性組成物では、クラックや剥離が生じなかったものの、透明性に劣ることから高い解像力を得ることができなかった。また、制御性やレジスト形状をよくするには、4倍に希釈した現像液を用いる必要があり、操作性に問題があった。さらに、比較例5および6においては、脂環式化合物の含有量が50wt%から30wt%に減少したため、クラックおよび基板からの剥離は軽減されたが、やはり高い解像力を得ることはできなかった。
【0054】
このように、OH基が導入された脂環式構造、あるいは2個のO原子が結合しているS原子が導入された複素環式構造を側鎖に有する高分子化合物を含有しない場合には、感度、解像度、および溶解均一性の特性を全て満足する感光性組成物を得ることができないことがわかる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、優れた解像力、感度、ドライエッチング耐性を有するとともに、クラックの発生や基板からの剥離という問題を伴わないレジストパターンを形成し得るアルカリ現像用の感光性組成物が提供される。かかる感光性組成物は、高集積度の半導体装置を製造するための微細加工用として有効である。
Claims (4)
- 酸分解性の溶解抑止剤をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載の感光性組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の感光性組成物を含む膜を基板上に形成する工程と、
前記感光性組成物膜の所定の領域にパターン露光を施す工程と、
前記露光後の感光性組成物膜を熱処理する工程と、
前記熱処理後の感光性組成物膜をアルカリ水溶液で現像処理して、露光部を選択的に溶解除去する工程とを具備するパターン形成方法。
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