JP4494159B2 - 高分子化合物、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

高分子化合物、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、高分子化合物、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイスにおける微細構造の製造には、リソグラフィー法が多用されており、現在、露光に用いる光源としては、300nm以下の波長の光源、たとえばKrFエキシマレーザー(248nm)やArFエキシマレーザー(193nm)等が用いられるようになっている。
リソグラフィー法においては、今後のデバイス構造のさらなる微細化のために、レジストパターンのさらなる微細化が要求されている。レジストパターンの微細化を達成するための微細化手段としては、露光に用いる光源波長の短波長化や、露光装置のレンズの開口数(NA)の大口径化(高NA化)等が一般的である。しかし、光源波長の短波長化は、高額な新たな露光装置が必要となる。また、高NA化は、NAと焦点深度幅とがトレードオフの関係にあるため限界があり、焦点深度幅を低下させることなく解像性を達成することは困難である。さらに、高NA化は、露光の際に、レジスト層中を通る光線の傾きが大きくなるため、レジストパターンの光学コントラストの低下も懸念される。
一方、イマージョンリソグラフィーという方法が報告されている(例えば、非特許文献1〜3参照)。この方法は、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト層との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光(浸漬露光)を行う方法である。
このようなイマージョンリソグラフィーによれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、イマージョンリソグラフィーは、既存の露光装置を用いて行うことができる。そのため、イマージョンリソグラフィーは、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。
現在、イマージョンリソグラフィー用の液浸媒体としては、水が検討されている。水の屈折率は、たとえば193nmの波長の光に対しては1.44程度であることが示されている(非特許文献4参照。)。
ジャーナルオブバキュームサイエンステクノロジー(Journal of Vacuum Science & Technology B)(米国)、1999年、第17巻、6号、3306−3309頁. ジャーナルオブバキュームサイエンステクノロジー(Journal of Vacuum Science & Technology B)(米国)、2001年、第19巻、6号、2353−2356頁. プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE)(米国)2002年、第4691巻、459−465頁. プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE)(米国)2003年、第5040巻、1742頁.
上記イマージョンリソグラフィーの原理から、レジスト層の露光光源に対する屈折率を高めることにより、上記イマージョンリソグラフィーと同様、焦点深度幅に悪影響を与えることなく高解像性を達成できることが考えられる。
しかし、現行のレジストとして、300nm以下の波長の光源、特に193nm以下の波長の光源の屈折率が高く、かつ解像性にも優れたものは知られていないのが現状である。たとえば、レジストの屈折率を高める方法としては、樹脂中にベンゼン環を導入すると屈折率が高くなることは知られているが、その場合、たとえば193nm以下の波長の光に対する透過性が低下し、結果、解像性が低下してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、屈折率、特に300nm以下の波長の光源に対する屈折率が高く、かつ解像性にも優れたポジ型レジスト組成物、該ポジ型レジスト組成物用として好適な高分子化合物、および該ポジ型レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定構造の構成単位と、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位とを有する高分子化合物によって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の態様は、下記一般式(a0−1)
Figure 0004494159
[式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、Zは1〜4価の環式基を表し、Xはカルボニル基を表し、s,t,u,はそれぞれ独立して0または1〜3の整数であり、vは0または1であり、wは1〜3の整数である。ただし、sが1〜3の整数であり、かつ酸素原子に結合している炭素原子に結合しているRおよびRが同時に炭素原子数1〜5のアルキル基である場合を除く。]
で表される構成単位(a0)と、酸解離性溶解抑制基を有する(炭素原子数1〜5のα−アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、ラクトン含有単環または多環式基を含む(炭素原子数1〜5のα−アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)と、を有する高分子化合物であって、前記構成単位(a0)の割合が、当該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、25〜50モル%であり、前記構成単位(a1)の割合が、当該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、25〜50モル%であり、前記構成単位(a2)の割合が、当該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、20〜50モル%であり、質量平均分子量が5000〜20000であることを特徴とする高分子化合物である。尚、構成単位(a0)は酸非解離性基である。
また、本発明の第二の態様は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含むポジ型レジスト組成物であって、
前記樹脂成分(A)が、前記高分子化合物(A1)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
さらに、本発明の第三の態様は、第二の態様のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、前記レジスト膜を現像しレジストパターンを形成する工程とを含むレジストパターン形成方法である。
なお、本発明において、「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を意味する。
また、「(α−低級アルキル)アクリル酸エステル」とは、メタクリル酸エステル等のα−低級アルキルアクリル酸エステルと、アクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。ここで、「α−低級アルキルアクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステルのα炭素原子に結合した水素原子が低級アルキル基で置換されたものを意味する。「(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、(α−低級アルキル)アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
また、「露光」は放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明により、屈折率、特に300nm以下の波長の光源に対する屈折率が高く、かつ解像性にも優れたポジ型レジスト組成物、該ポジ型レジスト組成物用として好適な高分子化合物、および該ポジ型レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法が提供できる。
≪高分子化合物≫
本発明の高分子化合物(以下、高分子化合物(A1)ということがある)は、上記一般式(a0−1)で表される構成単位(a0)と、酸解離性溶解抑制基を有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)とを有することを特徴とする。
・構成単位(a0)
式(a0−1)中、Rは水素原子または低級アルキル基を表す。Rの低級アルキル基は、炭素原子数1〜5のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。Rは、工業上入手しやすい点で、水素原子またはメチル基であることが好ましい。尚、Rの水素原子又は低級アルキル基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
〜Rはそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表す。R〜Rのアルキル基としては、直鎖であっても分岐であっても環状であってもよく、炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましい。
直鎖または分岐のアルキル基としては、炭素原子数が1〜12であることが好ましく、炭素原子数が1〜5であることがより好ましい。炭素原子数が1〜5の直鎖または分岐のアルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
環状のアルキル基としては、炭素原子数が4〜12であることが好ましく、炭素原子数が5〜10であることがより好ましい。かかるアルキル基としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基等が挙げられる。
これらの中で、R〜Rは、水素原子であることが、合成が容易であるため好ましい。また、Rは、メチル基であることが、合成が容易であるため好ましい。
Zは1〜4価の環式基を表す。環式基は、2または3価であることが好ましく、2価であることがより好ましい。
Zは、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、=O等が挙げられる。
環式基としては、脂肪族環式基が挙げられる。ここで、本明細書および特許請求の範囲における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを意味する。脂肪族環式基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基における置換基を除いた基本の環(基本環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であってもよく、また、炭化水素環を構成する炭素原子の一部が硫黄原子等のヘテロ原子で置換された複素環であってもよい。本発明の効果のためには、Zにおける基本環が、炭化水素環または硫黄原子を含有する複素環であることが好ましい。
炭化水素環の具体例としては、たとえば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
Xはカルボニル基を表す。また、vは0または1であり、0であることが好ましい。
s,t,u,はそれぞれ独立して0または1〜3の整数である。sは0または1であることが好ましく、0であることが最も好ましい。tは0または1であることが好ましく、0であることが最も好ましい。uは0または1であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
ただし、sが1〜3の整数であり、かつ酸素原子に結合している炭素原子に結合しているRおよびRが同時にアルキル基である場合、すなわち酸で解離する場合は本発明には含まれない。
wは0または1〜3の整数である。1または2であること好ましく、1であることが最も好ましい。
ただし、wが0である場合、Zは、環を構成する炭素原子の一部が硫黄原子で置換されている1価の環式基である必要がある。すなわち、wが0である場合、Zは、Zの環式基の基本環を構成する炭素原子の一部が硫黄原子で置換された環から1個の水素原子を除いた基である必要がある。構成単位(a0)がその構造内に−S−を有することにより、屈折率が向上する。
構成単位(a0)として、より具体的には、たとえば、下記一般式(a0−2)で表される構成単位、下記一般式(a0−3)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 0004494159
一般式(a0−2)中、Zは上記と同様の意味を表す。特に、アダマンタンから2または3個の水素原子を除いた基であることが、解像性やエッチング耐性に優れるため好ましく、特に、アダマンタンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。このとき、アダマンタンから除かれる水素原子の位置は、アダマンタンの1位と3位とが好ましい。
また、下記一般式(a0−3)中のZ’と同様、硫黄原子を含有する複素環を基本環とする環式基であってもよい。
Figure 0004494159
一般式(a0−3)中、Z’は、硫黄原子を含有する複素環を基本環とする環式基を表す。Z’としては、特に、アダマンタン、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の、分子内に架橋構造を有する多環式環において、その環を構成する炭素原子の一部が硫黄原子で置換された環から1または2個の水素原子を除いた基が、本願発明の効果に優れ、好ましい。
構成単位(a0)として、より具体的には、下記一般式(a0−21)〜(a0−27)、(a0−31)〜(a0−33)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
これらの中でも、(a0−21)および(a0−22)は、本願発明の効果に優れるため好ましい。
高分子化合物(A1)中、構成単位(a0)の割合は、高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、本発明の効果が充分なものとなり、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(a0)を誘導するモノマーは、たとえばwが1〜3の整数である場合、CH−S−CH−Clのような市販試薬を用いることにより、水酸基もしくはカルボン酸を有する脂環式骨格に硫黄原子を有する側鎖を導入することにより調製できる。また、Zが硫黄原子を含むヘテロ環である場合、特開2000−302785に示されているようにチオフェンを出発原料にディールス−アルダー反応により硫黄原子含有脂環式骨格を合成し、これに(メタ)アクリル酸またはビニル基等のラジカル重合性基を公知の手法で導入することにより調製できる。
・構成単位(a1)
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
(α−低級アルキル)アクリル酸エステルのα−位の置換基としての低級アルキル基としては、上記構成単位(a0)におけるRの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は高分子化合物(A1)全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後はこの高分子化合物(A1)全体をアルカリ可溶性へ変化させるものであれば、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基と、環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基、または環状または鎖状のアルコキシアルキルエステルを形成する基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステルと、メタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
ここで、第3級アルキルエステルとは、カルボキシル基の水素原子が、アルキル基またはシクロアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記アルキル基またはシクロアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記アルキル基またはシクロアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシル基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
また、環状または鎖状のアルコキシアルキルエステルとは、カルボキシル基の水素原子がアルコキシアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O―)の末端の酸素原子に前記アルコキシアルキル基が結合している構造を示す。このアルコキシアルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子とアルコキシアルキル基との間で結合が切断される。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位と、下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いる事が好ましい。
Figure 0004494159
(式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示す。)
Figure 0004494159
(式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示し;Yは脂肪族環式基を示す。)
一般式(a1−0−1)において、Rについては上記と同様である。
は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定することはなく、例えばアルコキシアルキル基、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えばシクロアルキル基等の、構成単位(a0)においてZとして例示した脂肪族環式基のうち1価のものと同様の脂肪族環式基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−アダマンチル基や、2−エチルアダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式で示す構成単位の様に、アダマンチル基の様な脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
Figure 0004494159
[式中、Rは上記と同じであり、R15、R16はアルキル基(直鎖、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜5である)を示す。]
また、前記アルコキシアルキル基としては、下記一般式で示される基が好ましい。
Figure 0004494159
(式中、R21、R22はそれぞれ独立してアルキル基または水素原子であり、R23はアルキル基又はシクロアルキル基である。または、R21とR23の末端が結合して環を形成していてもよい。)
21、R22において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特にR21、R22の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
23はアルキル基又はシクロアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。R23が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
23が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R21及びR23がそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、R23の末端とR21の末端とが結合していてもよい。この場合、R21とR23と、R23が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR21が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
一般式(a1−0−2)において、Rについては上記と同様である。
については、式(a1−0−1)中のXと同様である。
は2価の脂肪族環式基であり、構成単位(a0)においてZとして例示した脂肪族環式基のうち2価のものと同様の脂肪族環式基を用いることができる。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0004494159
[上記式中、X’は、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、Yは炭素数1〜5の低級アルキル基、または脂肪族環式基を表し;nは0または1〜3の整数を表し;mは0または1を表し;Rは前記と同じであり、R’、R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。]
前記R’、R’は好ましくは少なくとも1つが水素原子であり、より好ましくは共に水素原子である。nは好ましくは0または1である。
X’は前記Xにおいて例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものである。
Yの脂肪族環式基については、上述の「脂肪族環式基」の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)または(a1−1−35)〜(a1−1−41)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−36)、(a1−1−38)、(a1−1−39)及び(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
Figure 0004494159
(式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示し、R11は低級アルキル基を示す。)
Figure 0004494159
(式中、Rは水素原子または低級アルキル基を示し、R12は低級アルキル基を示す。hは1〜3の整数を表す)
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
高分子化合物(A1)中、構成単位(a1)の割合は、高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a2)
高分子化合物(A1)は、前記構成単位(a0)および構成単位(a1)の他に、ラクトン含有単環または多環式基を有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
構成単位(a2)のラクトン含有単環または多環式基は、高分子化合物(A1)をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、現像液との親水性を高めたりするうえで有効なものである。
ここで、ラクトン含有単環または多環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)としては、このようなラクトンの構造(−O−C(O)−)と環基とを共に持てば、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。特に、以下のような構造式を有するラクトン含有トリシクロアルカンから水素原子を1つを除いた基が、工業上入手し易いなどの点で有利である。
Figure 0004494159
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0004494159
[式中、Rは水素原子または低級アルキル基であり、R’は水素原子、低級アルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基であり、mは0または1の整数である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRおよびR’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
Figure 0004494159
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
これらの中でも、一般式(a2−1)〜(a2−5)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。具体的には、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)及び(a2−3−10)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
高分子化合物(A1)において、構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子化合物(A1)中の構成単位(a2)の割合は、高分子化合物(A1)を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
本発明において、高分子化合物(A1)は、これらの構成単位(a0)〜(a2)を全て有する共重合体であることが、本発明の効果に優れることから好ましく、特に構成単位(a0)〜(a2)からなる共重合体であることが好ましい。
・構成単位(a3)
高分子化合物(A1)は、前記構成単位(a0)および(a1)に加えて、または前記構成単位(a0)、(a1)および(a2)に加えて、さらに極性基含有脂肪族炭化水素基を含有する(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有していてもよい。構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含み、かつ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。この様な多環式基は、ArFエキシマレーザー用レジスト組成物用のポリマー(樹脂成分)において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基のときは、(α−低級アルキル)アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、(a3−2)で表される構成単位、(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 0004494159
(式中、Rは前記に同じであり、jは1〜3の整数であり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。)
式(a3−1)中、jは1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらは(α−低級アルキル)アクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子化合物(A1)が構成単位(a3)を有する場合、高分子化合物(A1)中、構成単位(a3)の割合は、当該高分子化合物(A1)を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、15〜45モル%がより好ましく、15〜35モル%が最も好ましい。
・構成単位(a4)
高分子化合物(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a0)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a0)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFポジエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含み、かつ(α−低級アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFポジエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基で置換されていてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 0004494159
(式中、Rは前記と同じである。)
かかる構成単位(a4)は、高分子化合物(A1)の必須成分ではないが、これを高分子化合物(A1)に含有させる際には、高分子化合物(A1)を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a4)を1〜30モル%、好ましくは10〜20モル%含有させると好ましい。
高分子化合物(A1)は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、高分子化合物(A1)には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
高分子化合物(A1)の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミネーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きい、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
≪ポジ型レジスト組成物≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という)とを含むポジ型レジスト組成物である。
かかるポジ型レジスト組成物においては、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸が(A)成分の酸解離性溶解抑制基を解離させ、アルカリ可溶性を増大させる。そのため、レジストパターンの形成において、基板上に塗布されたレジスト組成物に対して選択的に露光すると、露光部のアルカリ可溶性が増大し、アルカリ現像することができる。
<(A)成分>
(A)成分は、上記本発明の高分子化合物(A1)を含有する必要がある。
高分子化合物(A1)は、1種単独であってもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中、高分子化合物(A1)の割合は、本発明の効果のためには、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80〜100質量%であり、最も好ましくは100質量%である。
本発明においては、(A)成分として、高分子化合物(A1)に加えて、一般に化学増幅型ポジ型レジスト用樹脂として用いられている樹脂を含有してもよい。そのような樹脂としては、例えば、高分子化合物(A1)における構成単位(a0)を有さず、構成単位(a1)を有し、任意に上記構成単位(a2)〜(a4)から選択される少なくとも1種を有する高分子化合物(以下、高分子化合物(A2)という)が挙げられる。
かかる高分子化合物(A2)としては、従来、化学増幅型ポジ型レジスト用の樹脂成分として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
高分子化合物(A2)として、より具体的には、前記構成単位(a1)、(a2)及び/又は(a3)を有する高分子化合物(以下、高分子化合物(A2−1)という)が挙げられる。
高分子化合物(A2−1)中、構成単位(a1)の割合は、高分子化合物(A2−1)の全構成単位の合計に対して、5〜80モル%が好ましく、10〜70モル%がより好ましい。また、構成単位(a2)の割合は、高分子化合物(A2−1)の全構成単位の合計に対して、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましい。また、構成単位(a3)の割合は、高分子化合物(A2−1)の全構成単位の合計に対して、5〜80モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。
高分子化合物(A2−1)は、さらに前記構成単位(a4)を有していてもよい。
高分子化合物(A2−1)の質量平均分子量は5000〜30000が好ましく、6000〜20000がより好ましい。また分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましい。
ポジ型レジスト組成物中の高分子化合物(A2)の割合は、特に限定されないが、高分子化合物(A2)を配合することによる効果を得るためには、高分子化合物(A1):高分子化合物(A2)=9:1〜1:9の比率(質量比)で混合して用いることが好ましく、8:2〜2:8が更に好ましく、5:5〜2〜8であることが最も好ましい。
ポジ型レジスト組成物中の(A)成分の割合は、目的とするレジスト膜厚によって適宜調製することができる。
<(B)成分>
(B)成分としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型ポジ型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロンメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α‐(p‐トルエンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐(p‐クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐(4‐ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐(4‐ニトロ‐2‐トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐クロロベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐2,4‐ジクロロベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐2,6‐ジクロロベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシベンジルシアニド、α‐(2‐クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシベンジルシアニド、α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐チエン‐2‐イルアセトニトリル、α‐(4‐ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐ベンジルシアニド、α‐[(p‐トルエンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニル]アセトニトリル、α‐[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニル]アセトニトリル、α‐(トシルオキシイミノ)‐4‐チエニルシアニド、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘプテニルアセトニトリル、α‐(メチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロオクテニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)‐シクロヘキシルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐エチルアセトニトリル、α‐(プロピルスルホニルオキシイミノ)‐プロピルアセトニトリル、α‐(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)‐シクロペンチルアセトニトリル、α‐(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)‐シクロヘキシルアセトニトリル、α‐(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(n‐ブチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロペンテニルアセトニトリル、α‐(エチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α‐(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α‐(n‐ブチルスルホニルオキシイミノ)‐1‐シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。これらの中で、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリルが好ましい。
また、下記化学式で表されるオキシムスルホネート系酸発生剤も用いることができる。
Figure 0004494159
Figure 0004494159
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、以下に示す構造をもつ1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(化合物A、分解点135℃)、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン(化合物B、分解点147℃)、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(化合物C、融点132℃、分解点145℃)、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(化合物D、分解点147℃)、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン(化合物E、分解点149℃)、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン(化合物F、分解点153℃)、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン(化合物G、融点109℃、分解点122℃)、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン(化合物H、分解点116℃)などを挙げることができる。
Figure 0004494159
本発明においては、中でも(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
(B)成分としては、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が十分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記(A)成分および(B)成分、および後述する各種任意成分を、有機溶剤(以下、(C)成分ということがある)に溶解させて製造することができる。
(C)成分としては、有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類や、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類およびその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2であると好ましい。
また、有機溶剤として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(C)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
ポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げらる。これらの中でも、第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましく、特にトリエタノールアミンまたはトリイソプロパノールアミンのような第3級アルカノールアミンが最も好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物には、前記(D)成分の配合による感度劣化の防止、またレジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、さらに任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E)(以下、(E)成分という)を含有させることができる。なお、(D)成分と(E)成分は併用することもできるし、いずれか1種を用いることもできる。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるホトレジスト組成物は、特にArFエキシマレーザーに対して有効である。
上述した本発明により、屈折率、特に300nm以下の波長の光源に対する屈折率が高く、かつ解像性にも優れたポジ型レジスト組成物、該ポジ型レジスト組成物用として好適な高分子化合物、および該ポジ型レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供できる。かかる効果が得られる理由としては、定かではないが、−S−を有する構成単位を有することによると考えられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
下記樹脂合成例1および比較樹脂合成例1で用いたモノマー成分(下記式(1)〜(4)で表される化合物(1)〜(4))の構造を以下に示す。
Figure 0004494159
[樹脂合成例1]
2.5gの(1)、4.0gの(2)、および2.9gの(3)を100mLのテトラヒドロフランに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.35gを加えた。6時間還流した後、反応溶液を1Lのn−ヘプタンに滴下した。析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い白色な粉体樹脂を得た。この樹脂を樹脂1とし、その構造式を下記に示す。樹脂1の分子量(Mw)は10600、分散度(Mw/Mn)は2.14であった。また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定した結果、組成比はm:n:l=30:21.5:48.5であった。
Figure 0004494159
[比較樹脂合成例1]
18.7gの(2)、13.6gの(3)、及び9.5gの(4)を200mlのテトラヒドロフランに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル1.64gを加えた。6時間還流した後、反応溶液を1Lのn−ヘプタンに滴下した。析出した樹脂を濾別、減圧乾燥を行い白色な粉体樹脂を得た。この樹脂を樹脂4とし、その構造式を下記に示す。比較樹脂1の質量平均分子量(Mw)は13300、分散度(Mw/Mn)は2.5であった。であった。また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定した結果、下記構造式に示す各構成単位の組成比(モル比)はm:n:l=33.6:43.8:22.6であった。
Figure 0004494159
[実施例1]
100質量部の樹脂1と、3質量部のトリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート(TPS−PFBS)と、0.35質量部のトリエタノールアミンとを、1230質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解してポジ型レジスト組成物を得た。
次いで、下記の評価を行った。
<解像性>
8インチのシリコンウェーハ上に有機反射防止膜用材料(ブリューワーサイエンス社製、商品名ARC−29)を塗布し、225℃で60秒間焼成して膜厚77nmの反射防止膜を形成して基板とした。
該基板上に、上記で得られたポジ型レジスト組成物をスピンナーを用いて均一に塗布し、ホットプレート上で100℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚
250nmのレジスト層を形成した。ついで、ArF露光装置(波長193nm)NSR−S302(Nikon社製、NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)を用い、6%ハーフトーンマスクを介して選択的に露光した。
そして、120℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で60秒間パドル現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、130nmのラインアンドスペース(1:1)のレジストパターン(以下、L/Sパターンという)形成された。
<屈折率>
100質量部の樹脂1又は比較樹脂1を1200質量部のPGMEAに溶解して樹脂溶液とした後、8インチのシリコンウェーハ上にスピンナーを用いて均一に塗布し、ホットプレート上で100℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚200nmのレジスト層を形成した。次に、分光エリプソメータVUV−VASE UV−302(J.A.WOOLAM社製)を用いて、得られた光反射による偏向状態を測定し、付属の解析ソフトWVASE32(J.A.WOOLAM社製)を用いて、157nm、193nmでの屈折率を求めた。その結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1における樹脂1を比較樹脂1に変えた以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト組成物を調製し、同様の評価を行った。
その結果を表1に示す。
Figure 0004494159
上記結果から明らかなように、本発明の高分子化合物(A1)に相当する樹脂1を用いた実施例1のポジ型レジスト組成物においては、屈折率が比較例1よりも高かった。また、解像性についても、比較例1と同等であった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(a0−1)
    Figure 0004494159
    [式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基を表し、Zは1〜4価の環式基を表し、Xはカルボニル基を表し、s,t,u,はそれぞれ独立して0または1〜3の整数であり、vは0または1であり、wは1〜3の整数である。ただし、sが1〜3の整数であり、かつ酸素原子に結合している炭素原子に結合しているRおよびRが同時に炭素原子数1〜5のアルキル基である場合を除く。]
    で表される構成単位(a0)と、酸解離性溶解抑制基を有する(炭素原子数1〜5のα−アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、ラクトン含有単環または多環式基を含む(炭素原子数1〜5のα−アルキル)アクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)と、を有する高分子化合物であって、前記構成単位(a0)の割合が、当該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、25〜50モル%であり、前記構成単位(a1)の割合が、当該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、25〜50モル%であり、前記構成単位(a2)の割合が、当該高分子化合物を構成する全構成単位に対し、20〜50モル%であり、質量平均分子量が5000〜20000であることを特徴とする高分子化合物。
  2. 前記一般式(a0−1)中のsが0である請求項1記載の高分子化合物。
  3. 前記一般式(a0−1)中のvが0である請求項1または2記載の高分子化合物。
  4. 前記一般式(a0−1)中のtが0である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子化合物。
  5. 酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含むポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高分子化合物(A1)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
  6. 含窒素有機化合物(D)を含有する請求項に記載のポジ型レジスト組成物。
  7. 請求項またはに記載のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、前記レジスト膜を現像しレジストパターンを形成する工程とを含むレジストパターン形成方法。
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