JP3807531B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に適用される画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置として、帯電されたトナーを現像装置によって静電潜像担持体(感光体)上の静電潜像に静電的に供給して現像し、その現像されたトナー像を転写紙に転写した後、定着して画像を形成するものがある。このような画像形成装置においては、転写後の静電潜像担持体上に残ったトナーをクリーニング装置で回収し、再度、現像装置に搬送して再利用するもの(以下では、これをトナーリサイクル、再利用されるトナーをリサイクルトナーと言う)が提供されている。
【0003】
この種のトナーリサイクルを行う装置において、リサイクルトナーの供給率をコピーモードに応じて変化させたり、画像形成条件を制御したり、センサによって感光体ドラム上のカブリトナー量を検出し、それに基づきトナー供給量をコントロールして画像品質を損なわないようにする技術が提案されている(例えば、特公平4−54955号公報、米国特許第5,604,575号明細書参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなリサイクルトナーには、特性が劣化して十分に帯電されないために、被転写材(用紙など)に転写されずに静電潜像担持体上に残っていた帯電不良トナーや、用紙搬送時に用紙から発生する粉(以後、これを紙粉と呼ぶ)が含まれており、このような帯電不良トナーや紙粉が再度現像装置に供給されると、トナー帯電機能が十分に作用せず、地肌カブリや機内汚染を起こすことがある。また、上記問題は現像剤中のトナー濃度が高いほど生じ易くなる。かといって、トナー濃度を低くして使用すると、画像濃度低下を引き起こすので、帯電電位・現像バイアス等を高電位に設定する必要があるが、その場合は、キャリアの付着、画像品質の低下、リーク等の問題を生じる。
【0005】
本発明の目的は、画像担持体の表面状態を検知してリサイクルトナー供給率を制御することで、リサイクルトナーの有効利用を図りつつ、帯電不良トナーによる画像品質の低下が起きることを防止した画像形成装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、画像担持体と、前記画像担持体の表面を清掃する清掃手段と、前記画像担持体の表面状態を検知する検知手段と、前記画像担持体表面に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像装置と、前記現像装置にトナーを供給するトナー供給手段と、前記検知手段の検知結果に基いてリサイクルトナー供給率を設定する制御手段と、前記清掃手段により回収したトナーのうち前記リサイクルトナー供給率に応じた量のトナーを前記現像装置に搬送する搬送手段とからなり、前記制御手段は、所定の基準トナー濃度に基いて前記トナー供給手段を駆動して前記現像装置内の現像剤中のトナー濃度を制御するとともに、前記リサイクルトナー供給率が高くなるほど前記基準トナー濃度が低くなるように前記基準トナー濃度を設定するものである。
【0007】
上記構成においては、感光体や転写ドラム/ベルト等の画像担持体の表面状態を、カブリ検知を行うAIDC(オート・イメージ・デンシテイ・コントロール)センサ等の検知手段により検知し、その結果に基いて、制御手段は、所定の基準トナー濃度に基いてトナー供給手段を制御することで、現像装置にトナーを供給する。ここに、制御手段は、リサイクルトナー供給率が高くなるほど基準トナー濃度が低くなるように基準トナー濃度を設定する。
【0009】
また、請求項2の発明は、画像担持体と、前記画像担持体の表面を清掃する清掃手段と、前記画像担持体の表面状態を検知する検知手段と、前記画像担持体表面に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像装置と、前記現像装置にトナーを供給するトナー供給手段と、前記検知手段の検知結果に基いてリサイクルトナー供給率を設定する制御手段と、前記清掃手段により回収したトナーのうち前記リサイクルトナー供給率に応じた量のトナーを前記現像装置に搬送する搬送手段と、からなる画像形成装置における制御方法であって、所定の基準トナー濃度に基いて前記トナー供給手段を駆動して前記現像装置内の現像剤中のトナー濃度を制御するステップと、前記制御手段により設定される前記リサイクルトナー供給率が高くなるほど前記基準トナー濃度が低くなるように前記基準トナー濃度を設定するステップと、を含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照して説明する。ここでは、一般的な電子写真プロセスを用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置について説明する。図1乃至図3は、第1の実施形態による画像形成装置のプロセス部を示す。感光体ドラム1(画像担持体)は外周部に感光層を有し、駆動モータ13Aによってドラム軸1Sの回りに矢印a方向に回転駆動される。感光体ドラム1が回転すると、帯電チャージャ2が感光体ドラム1の表面を一様に帯電させ、図示しない露光装置からの光(lm)が感光体ドラム1表面の電荷を逃がし、電荷の残った静電潜像に現像装置3(現像手段)がトナーを静電吸着させる。転写・分離装置4の転写チャージャ4Aは図示しない給紙装置から給紙された用紙(被転写材)に感光体ドラム1上のトナーを転写し、トナー像が転写された用紙を分離装置4Bによって感光体ドラム1より用紙を分離し、図示しない定着装置によりトナー像が用紙に定着される。また、感光体ドラム1上に残った約10%のトナーはクリーニング装置5(清掃手段)で回収され、メインイレーサ6によって感光体ドラム1上の電荷は全て取り除かれ、次のコピー動作に備えるように構成されている。
【0011】
次に、このような画像形成装置におけるトナーリサイクルを選択的に行うようにしたリサイクル装置について説明する。リサイクル装置は、クリーニング装置5で回収されたトナーを廃棄トナー容器12(第1の部位)もしくは現像装置3のリサイクルトナー供給口3B(第2の部位、トナーホッパーや現像器を含む)に選択的に搬送するために、第1搬送手段8A、及び第2搬送手段8Bを備えている。感光体ドラム1及び現像装置3は駆動装置13の駆動モータ13Aにより駆動される。第1搬送手段8A、及び第2搬送手段8Bは、駆動モータ13Aとは別の駆動モータ13Bによって駆動され、駆動モータ13Bの正回転/逆回転によって、クリーニング装置5で回収されたトナーを、廃棄する(矢印c方向)か、リサイクルする(矢印b方向)かを行う。第1搬送手段8Aと第2搬送手段8Bとの駆動連結部分(図2)には、回収トナーを廃棄する時にトナー詰まりしないように、1ウェイクラッチ13Cが設けられ、駆動が伝わらない構成になっている。第1実施形態によるリサイクル装置での回収トナーの廃棄又はリサイクル搬送路は図25(a)に示すごとくになる。搬送手段には、例えば、回転駆動されるスバイラル状の部材を用いることができる。
【0012】
なお、上記第1搬送手段8A(トナー廃棄時)は、請求項でいう第1の搬送手段に相当し、第1搬送手段8A(トナーリサイクル時)及び第2搬送手段8Bは、請求項でいう第2の搬送手段に相当する。
【0013】
図4、図5は、第2の実施形態による画像形成装置のプロセス部を示す。プロセス部の構成は、上記と同等であり、トナーのリサイクル装置の構成が相違する。リサイクル装置は、第1搬送手段8A及び第2搬送手段8Bの他に、廃棄トナー容器12(第1の部位)へ回収トナーを搬送する第3搬送手段8C、及び現像装置3下部に設けられた磁気ブラシ3Cの回転によって発生する帯電不良トナー(上記の飛散した現像剤トナーからなる粉煙)をエアーの力でトナー回収するトナー吸収ダクト3F(図には側面のみが示されている)を備えている。第1搬送手段8A、及び第2搬送手段8Bは、感光体ドラム1と現像装置3を駆動する駆動モータ13Aによって、クリーニング装置5で回収されたトナー(回収物)を現像装置3へトナーリサイクルする方向(図5の矢印b方向)のみに回転駆動される。第2搬送手段8Bの搬送路の途中には切換え弁8D(図25(b))が設けられ、この切換え弁の切換えにより、リサイクルトナーを現像装置3のリサイクルトナー供給口3B(第2の部位)へ搬送するか、現像装置3下部に設けられた磁気ブラシ3Cの回転によって帯電不良トナーをエアーの力でトナー回収するトナー吸収ダクト3F内に設けられたトナー廃棄口(第3搬送手段8Cに連なる)へ搬送する。
【0014】
また、トナー吸引ダクト3F内には、風力センサ3Gや重量センサ3Hと、廃棄トナー容器12へトナー搬送するための第3搬送手段8Cが設けられている。風力センサ3G及び重量センサ3Hの各センサ出力とトナー吸引量は、図16、図17に示すような関係にある。そこで、第3搬送手段8Cは、センサ出力によりトナー吸引力の能力低下が検知される前や、ある一定量のトナーがトナー吸引ダクト3F内に溜まった時や、図示しない電子カウンタで計測されたコピー枚数が設定数に達した時に、エアーの力で回収したトナーとリサイクルトナーとを一緒に廃棄トナー容器12へ搬送するようにしている。上記のように構成された第2の実施形態によるリサイクル装置での回収トナーの廃棄又はリサイクル搬送路は図25(b)に示すごとくになる。
【0015】
このように、トナー吸収ダクト3F内に回収された現像剤トナーからなる粉煙量は、風量センサ3Gや重量センサ3H等により検知され、この検知結果に応じて、その粉煙トナーは適宜に廃棄トナー容器12へ搬送されるので、該吸引ダクト3F内が粉煙トナーで満杯になることがなく、従って、粉煙の回収が安定して行え、吸引ダクトの性能を維持できる。 なお、第2実施形態における搬送手段8A〜8Cは、クリーニング装置5により回収したトナーを廃棄トナー容器12に搬送する、請求項でいう第1の搬送手段に相当し、搬送手段8A,8Bは、クリーニング装置5により回収したトナーをリサイクルトナー供給口3Bにリサイクル搬送する、請求項でいう第2の搬送手段に相当する。
また、第1及び第2の搬送手段は、後述のAIDC(オート・イメージ・デンシテイ・コントロール)センサ等の検知手段により検知した結果と作像条件とに応じて、後述のマイクロコンピュータ21(図7)からなる制御手段により制御される。この制御により、回収トナーは最適なリサイクル率でもってリサイクルされる。
【0016】
次に、現像装置3について、ここでは、トナーとキャリアで構成される2成分現像剤を用いる現像装置3について説明する。現像装置3は、後述するリサイクルトナー供給率に応じたリサイクルトナーを搬入するリサイクルトナー供給口3Bと、現像剤中のトナーを帯電させるバケットローラ3Dと、感光体ドラム1上の静電潜像にトナーを供給する磁気ブラシ3Cと、磁気ブラシ3Cへの現像剤搬送量を規制する規制ブレード3Dと、現像装置3内の現像剤中のトナー濃度を検出するためのATDC(オート・トナー・デンシティ・コントロール)センサ3Aとが設けられ、現像装置3の上部には新トナーを補給するサブホッパー10と、サブホッパー10内のトナー残量を検出する図示しない残量検知センサと、現像装置3に新トナーを補給する補給ローラ10Bとが設けられている。ATDCセンサ3Aの検出値に応じて、サブホッパー10より新トナーが現像装置3へ補給され、また、図示しない残量検出センサの検出値に応じて図示しないトナーボトルよりサブホッパー10の新トナー供給口10Aに新トナーが供給される構成とされている。
【0017】
次に、転写補助装置11について説明する。第1及び第2実施形態として図1及び図4に示したように、転写補助装置11は、転写前チャージャ11Aと転写前イレーサ11Bと、光量検出センサ11Cと、ガイド部材11Dとから構成される。転写前チャージャ11Aは、コロトロン方式を用いてAC+DCバイアスの電圧を印加し、転写装置4Aの転写効率を高めるように、感光体ドラム1上のトナー像にトナーと同極性側の電荷を与え(図14)、転写前イレーサ11Bは、感光体ドラム1上の電荷を減衰させ、感光体ドラム1と感光体ドラム1上のトナー像との吸着力を低下させ、転写効率を高める(図15)と共に、分離装置4Bで用紙を分離しやすいように感光体ドラム1と用紙との吸着力を低下させ分離性能を高めている。また転写前イレーサ11Bには、光量検出センサ11Cが配置され、同センサの検出値に応じて電源電圧を調整し光量を一定に保つようにしている。
【0018】
図7は、画像形成装置の制御部のブロック構成を示す。同図において、マイクロコンピュータ21は、制御手段をなすCPU、ROM,RAMを備え、このマイクロコンピュータ21には、上記の感光体ドラム1や帯電チャージャ2の他に、露光装置22、定着装置24、トナー吸引ファン25、ソレノイド26、操作パネル27等の各種機能部品が接続されている。
【0019】
図8(a)は、マイクロコンピュータ21による全体処理のフローチャートである。マイクロコンピュータ21は初期設定(#1)、内部タイマスタート(#2)の後、入出力処理(#3)、複写処理(#4)、リサイクルトナー処理(#5)、その他の処理(#6)を実行し、内部タイマが終了(#7)になると、#2に戻り、再度上記と同じ処理を行う。こうして、所定期間経過毎に、リサイクルトナー処理が処理されるので、適切なリサイクル動作が行える。
【0020】
図8(b)はリサイクルトナー処理のフローチャートである。以下に、リサイクルトナー供給率の決定制御について説明する。マイクロコンピュータ21は、作像条件の変化に適切に追従し得るように、予め設定されているコピー枚数に達したコピー動作終了後に(#11)、クリーニング装置5下部に設置したAIDCセンサ7によって感光体ドラム1上のカブリトナーを検出する動作を行う(#12)。AIDCセンサ7出力と感光体ドラム上のカブリトナーレベルの関係は図13に示すごとくであり、カブリトナー検出は次のようにして行う。感光体ドラム1の裸面状態時(トナーを現像させないようにした状態)において、AIDCセンサ7に一定電流を流し、センサ出力がある一定電圧になるようにAIDCセンサ7の制御基板の抵抗値を選択し、選択された抵抗値と前回選択された抵抗値とを比較し(#13)、その差に応じて図18に示すような予め設定されているリサイクルトナー供給率設定値を選択する(#14)。例えば、リサイクル供給率の標準設定が100%であって前記抵抗値差が7デューティであった時には、リサイクルトナー供給率を75%に変更するようにする。その設定は、フラグセットにより行われる。
【0021】
さらに、マイクロコンピュータ21は、次のような各種の作像条件に応じて、最終的なリサイクルトナー供給率を決定する(#15)。すなわち、操作パネル27よりマイクロコンピュータ21に対して用紙の種類(酸性紙、中性紙、リサイクル紙等)を入力可能とされ、図20に示すような紙種に応じた設定が成された係数、もしくは、露光装置22内に設けられた図示しない原稿濃度検出センサで上記所定コピー枚数の間にコピーされた総合原稿濃度を検出し、図21に示すような総合原稿濃度に応じた設定が成された係数、もしくは新トナーが収納されたボトル1本あたりのコピー枚数を検出する検出装置によりトナー消費量を算出し、図22に示すような算出値に応じた設定が成された係数、のいずれか1つ以上の係数を、上記AIDCセンサ7によって選択されたリサイクルトナー供給率に掛け合わせて最終的なリサイクルトナー供給率を決定する。
【0022】
例えば、リサイクルトナー供給率が75%、用紙係数が0.5である時は、最終的リサイクルトナー供給率を37.5%(=75%×0.5)とし、また、リサイクルトナー供給率が50%、用紙係数が1.0、原稿濃度係数が0.8、トナー消費量係数が0.6である時は、最終的リサイクルトナー供給率を24%(=50%×1.0×0.8×0.6)とするようにする。最終的リサイクルトナー供給率(リサイクル率)は、上記のような所定の各種作像条件に応じて決められる。ここに、作像条件がリサイクルトナーの劣化を考慮したある基準レベルを越えると、リサイクル率が低くなるようにフラグはセットされる。
【0023】
また、コピー動作以外の時、操作パネル27より入力される強制トナー補給、ドラムドライ(感光体ドラム1のリフレッシュモード)時、コピー動作中に現像剤中のトナー濃度が著しく低下した時にコピー動作を中断して強制トナー補給する時、定着性能を確保するためコピー生産性を落とす制御(CPM)時のいずれかの時には、現像装置3が強制駆動される、又は駆動時間が長くなり、現像装置3のトナー帯電能力が向上するため、上述した最終的なリサイクルトナー供給率よりも多くする(例えば、50%から75%にする)かフルリサイクルするようにする。
【0024】
上記ATDCセンサ3Aは、図9に示すように、現像剤中のトナー濃度が低くなると、センサ出力が高くなるような特性を持つので、センサのある基準電圧(ゾーンで持っていてもよい)に対してセンサ出力電圧が高くなった時に、トナーを補給するように制御することができる。現像剤中のトナー濃度やリサイクルトナー供給率に対する地肌カブリレベルの関係は図10、図11に示すごとくであり、また、一定濃度の画像を得るための現像剤中のトナー濃度と感光体表面電位の関係は、図12に示すごとくである。ここに、リサイクルトナー供給率が少ない時もしくは現像剤中のトナー濃度が高い時には、現像能力が高く帯電電位を低く設定できるが、地肌カブリやトナー粉煙等の問題が起こり、逆に、リサイクルトナー供給率が多い時もしくは現像剤中のトナー濃度が低い時には、現像能力が低く帯電電位を高く設定する必要があり、リーク、画像品質低下等の問題が起こる。そこで、図19に示すように、リサイクルトナー供給率が多い時には現像剤中のトナー濃度を低く設定し、リサイクルトナー供給率が少ない時には現像剤中のトナー濃度を高く設定するように、リサイクルトナー供給率に応じてATDCセンサ3Aの基準制御電圧を変化させ(図8(b)の#16でYES、#17)、現像剤中の基準トナー濃度を制御する。これにより、現像装置3の最適なパラメータ設定を行うことが可能となる。また、現像剤中のトナー濃度を一気に変動させると画像品質が安定しないため、1回あたりの現像剤中のトナー濃度変更幅を制限するようにしている。
【0025】
さらに、転写補助装置11の動作を説明する。転写補助装置11は、上述したように、転写効率と分離性能を高めるように機能するが、感光体ドラム1上にカブリトナーが存在すると、カブリトナーにも電荷が与えられるため、カブリトナーも用紙に転写されて、地肌の汚いコピーとなってしまう。その対策として、転写補助装置11の制御設定値をリサイクルトナー供給率に応じて変更する(#18)。すなわち、図23に示すように、リサイクルトナー供給率が多い時には転写前チャージャ11Aの出力値を低く、もしくはオフするように設定し、転写前イレーサ11Bの光量を増加させる。逆に、リサイクルトナー供給率が少ない時には、転写前チャージャ11Aの出力値を高く設定し、転写前イレーサ11Bの光量を減少させる。このような制御設定値の選択的な切換えにより、カブリトナーの用紙への転写を防ぐことができる。
【0026】
また、図6は第3実施例による画像形成装置のプロセス部を示す。この実施形態において、第1実施形態とは転写補助装置11が相違するだけであって、第1実施形態での転写前チャージャ11A、光量検出センサ11Cを有しておらず、LEDアレイから成る転写前イレーサ11E(LED1),11F(LED2)のみが設けられ、転写前イレーサ11Fは転写前イレーサ11Eよりも輝度が高く設定されている。図24に示すように、リサイクルトナー供給率が多い時には、転写前イレーサ11E,11Fの両方を点灯させ光量を増加させるが、リサイクルトナー供給率が少ない時には、転写前イレーサ11Eのみ点灯させ光量を減少させる。このような選択的切換えにより、カブリトナーを転写させないようにすることが可能となる。
【0027】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、リサイクル率の切替えは、搬送手段による回収物(トナー等)の搬送にタイムラグが生じるので、そのタイムラグを考慮して制御してもよい。また、上記実施形態では、感光体ドラム1上の残留トナーを回収する場合を示したが、感光体ドラム1に限られず、感光体ベルトや中間転写ドラム/ベルトのトナーをクリーニングして回収する場合でもよい。また、クリーニング装置5において、トナー回収はブレードを用いて行うのみならず、ブラシやローラ、又はそれらの複合で行うものであっても構わない。また、現像装置3の構成も各種の形態を採用し得る。作像条件は、被転写材の種類、画像の黒白比、ドットカウント値、原稿濃度、現像トナー消費量、画像形成枚数、プリントモード、環境などが挙げられる。これらの値が所定の基準レベルを越えると、リサイクル率(第2の搬送を第1の搬送よりも少なくする)を低くする。この基準レベルは、テーブルで持っていてもよく、また、計算式で求めてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、画像担持体のカブリ検知結果に応じて、リサイクルトナー供給率を設定し、現像装置にリサイクルトナーを搬送するとともに、基準トナー濃度に基いてトナーを供給してトナー濃度を制御し、リサイクルトナー供給率が高くなるほど基準トナー濃度を低くするので、帯電不良トナーによる画像品質の低下が起きなくなり、装置の小型化、経済的なトナーリサイクルが行え、問題のない良質な画像を安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による画像形成装置のプロセス部の構成図。
【図2】 第1実施形態におけるリサイクル装置の第2搬送手段の上面図。
【図3】 第1実施形態におけるリサイクル装置のトナー廃棄部の上面図。
【図4】 本発明の第2実施形態による画像形成装置のプロセス部の構成図。
【図5】 第2実施形態におけるリサイクル装置のトナー廃棄部の上面図。
【図6】 本発明の第3実施形態による画像形成装置のプロセス部の構成図。
【図7】 本発明の実施形態における制御部のブロック図。
【図8】 (a)は本発明の実施形態における制御全体のフローチャート、(b)はリサイクルトナー処理のフローチャート。
【図9】 本発明の実施形態における現像剤中のトナー濃度とATDCセンサ出力との関係図。
【図10】 本発明の実施形態における現像剤中のトナー濃度と地肌カブリレベルとの関係図。
【図11】 本発明の実施形態におけるリイサイクルトナー供給率と地肌カブリレベルとの関係図。
【図12】 本発明の実施形態における現像剤中のトナー濃度と画像濃度を確保するための感光体ドラム表面電位との関係図。
【図13】
本発明の実施形態における感光体ドラム上のカブリトナーレベルとAIDCセンサ出力との関係図。
【図14】 本発明の実施形態における転写前チャージャ出力と転写効率との関係図。
【図15】 本発明の実施形態における転写前イレーサ光量と転写効率との関係図。
【図16】 本発明の実施形態におけるトナー吸引量と風力センサ出力との関係図。
【図17】 本発明の実施形態におけるトナー吸引量と重量センサ出力との関係図。
【図18】 本発明の実施形態におけるAIDCセンサ検出値とリサイクルトナー供給率との設定テーブルを示す図。
【図19】 本発明の実施例におけるリサイクルトナー供給率と現像剤中のトナー濃度との設定テーブルを示す図。
【図20】 本発明の実施形態における用紙種類係数の設定テーブルを示す図。
【図21】 本発明の実施形態における原稿濃度係数の設定テーブルを示す図。
【図22】 本発明の実施形態のおけるトナー消費量係数の設定テーブルを示す図。
【図23】 第1又は第2実施形態におけるリサイクルトナー供給率と転写補助出力との設定テーブルを示す図。
【図24】 第3実施形態におけるリサイクルトナー供給率と転写前イレーサ出力との設定テーブルを示す図。
【図25】 (a)は第1実施形態における搬送経路を示す図、(b)は第2実施形態における搬送経路を示す図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
3 現像装置
3B リサイクルトナー供給口(第2の部位)
5 クリーニング装置
7 AIDCセンサ(検出手段)
8A 第1搬送手段
8B 第2搬送手段
8C 第3搬送手段
10 サブホッパー
12 廃棄トナー容器(第1の部位)
13 駆動装置
13A 感光体ドラム・現像装置の駆動モータ
13B リサイクル装置の駆動モータ
21 マイクロコンピュータ
Claims (2)
- 画像担持体と、
前記画像担持体の表面を清掃する清掃手段と、
前記画像担持体の表面状態を検知する検知手段と、
前記画像担持体表面に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像装置と、
前記現像装置にトナーを供給するトナー供給手段と、
前記検知手段の検知結果に基いてリサイクルトナー供給率を設定する制御手段と、
前記清掃手段により回収したトナーのうち前記リサイクルトナー供給率に応じた量のトナーを前記現像装置に搬送する搬送手段とからなり、
前記制御手段は、所定の基準トナー濃度に基いて前記トナー供給手段を駆動して前記現像装置内の現像剤中のトナー濃度を制御するとともに、前記リサイクルトナー供給率が高くなるほど前記基準トナー濃度が低くなるように前記基準トナー濃度を設定することを特徴とする画像形成装置。 - 画像担持体と、
前記画像担持体の表面を清掃する清掃手段と、
前記画像担持体の表面状態を検知する検知手段と、
前記画像担持体表面に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像装置と、
前記現像装置にトナーを供給するトナー供給手段と、
前記検知手段の検知結果に基いてリサイクルトナー供給率を設定する制御手段と、
前記清掃手段により回収したトナーのうち前記リサイクルトナー供給率に応じた量のトナーを前記現像装置に搬送する搬送手段と、からなる画像形成装置における制御方法であって、
所定の基準トナー濃度に基いて前記トナー供給手段を駆動して前記現像装置内の現像剤中のトナー濃度を制御するステップと、
前記制御手段により設定される前記リサイクルトナー供給率が高くなるほど前記基準トナー濃度が低くなるように前記基準トナー濃度を設定するステップと、を含むことを特徴とする画像形成装置における制御方法。
Priority Applications (2)
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JP25822098A JP3807531B2 (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 画像形成装置 |
Publications (2)
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