JP3806635B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡装置に係り、特には、構成部材の被覆に接着剤層を使用した内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡装置は、体腔内に挿入する装置であるため、その挿入部の径を可能な限り細くすることが望まれている。しかしながら、その反面で、内視鏡装置の機能の多様化に伴い、その挿入部には種々の内容物を挿通する必要が生じている。そのため、内視鏡装置の構成部材同士の接合(固定)には、その多くの部分で、ネジやビスなどのような嵩張る接合部材は使用されず、接着剤,特にはエポキシ接着剤,が使用されている。
【0003】
例えば、内視鏡装置内には、より大きな処置具(それは、内視鏡装置による経内視鏡処置の向上を可能とする)を通すための鉗子チューブ、患者の負担を軽減するために体腔内に送気するためのチューブ、並びに、挿入部の先端硬質部に組み込まれたレンズの表面を洗浄するため及び体腔内の汚物を洗い流すためのチューブが挿通されている。これらチューブの材料としては、通常、ポリテトラフルオロエチレン、オレフィン樹脂、或いはシリコーン樹脂などが使用され、これらチューブの口元部分の先端部や操作部への固定には接着剤が使用されている。
【0004】
また、挿入部の先端硬質部には、体腔内を観察するための光学系としてのレンズ群及びカバーレンズ、並びに、ライトガイドからの照明用の光学系としてのレンズ群及びカバーレンズが配置されている。これらレンズ群などのレンズ枠や先端硬質部への固定にも接着剤が使用されている。
【0005】
さらに、挿入部には、先端部に光を伝送するライトガイドや、映像を接眼部に伝送するイメージガイドが挿通されている。これらライトガイド及びイメージガイドとしては、多数のファイバ素線を結束させてなるファイババンドルが用いられており、それらのレンズ枠や先端硬質部への固定にも接着剤が使用されている。
【0006】
また、電子内視鏡装置の場合、挿入部には、上記チューブやファイババンドルに加え、先端硬質部に組み込まれたCCDなどからの電気信号をコネクタ部に伝送するケーブル等が挿通されている。この場合、CCDを保護・固定するために接着剤が使用されている。
【0007】
なお、内視鏡装置において、接着剤は構成部材同士を接合する目的のみに使用されている訳ではなく、他の目的でも使用されている。例えば、内視鏡装置の挿入部の可撓性外皮チューブの端部を外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定した後、その糸に接着剤を塗布することがある。このような接着剤塗布を行った場合、外面仕上による挿入性のを確保と糸のほつれ防止とを同時に実現可能である。
【0008】
ところで、医療用内視鏡装置は、水洗によって汚物を除去した後、消毒剤を含有した薬液内に浸漬させるか、或いは、消毒剤を含有した薬液を含ませたガーゼで内視鏡装置の表面を拭くことにより消毒している。医療用内視鏡装置は患者の体腔内に挿入されるため、完全に消毒・滅菌する必要があり、そのような消毒・滅菌には、従来から、グルタラールアルデヒドなどのアルデヒド系の消毒剤をはじめ、過酢酸、強酸性水アルコール、塩化ベンザルコニウム(アンモニウム系)、グルコン酸クロルヘキシジン(ビグアナト系)、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン(両性界面活性剤系)、フェノール系、ヨウ素系、次亜塩素酸ナトリウム系(塩素系)、水酸化ナトリウム系の消毒剤が使用されている。
【0009】
また、近年、内視鏡装置を介しての患者間の感染を確実に防止するために、滅菌レベルの向上が要求されている。そのため、上記の消毒剤に比べて消毒効果が高いホルマリンガス、エチレンオキサイドガス、過酸化水素のプラズマガスによる消毒や、煮沸消毒や、135℃・2.3気圧の飽和水蒸気によるオートクレーブ滅菌なども採用され始めている。これらの中でも、過酸化水素のプラズマガスによる消毒や煮沸消毒やオートクレーブ滅菌は、消毒後に有害な残留物を生ずることがなく、しかも、ホルマリンガスやエチレンオキサイドガスによる消毒とは異なり換気設備を必要としないため、広く採用されつつある。
【0010】
しかしながら、内視鏡装置の構成部材同士の接合などに供されている従来のエポキシ接着剤層は、過酢酸中の活性酸素、強酸性水中の酸性物質、過酸化水素のプラズマガス、熱水、熱水蒸気などに晒されると、脆性破壊や接着強度の低下を生ずることがある。そのため、一部の滅菌・消毒方法を利用した場合には、内視鏡装置としての性能を長期間にわたって維持することが困難となることがある。
【0011】
この原因としては、接着剤層の酸化劣化、熱軟化及び硬化老化、並びに加水分解が考えられる。そのため、耐薬品性については現状レベルを維持しつつ、耐酸化劣化性、耐熱老化性、及び耐加水分解性を向上させた接着剤が望まれている。
【0012】
ところで、オートクレーブ滅菌を行う場合、その熱水蒸気の温度が135℃付近であることから、内視鏡装置の構成部材及びそれら同士を接合する接着剤層は、熱水蒸気への暴露に耐え得る耐熱性を有している必要がある。また、上述のように、被着材は軟質なものから硬質なものまで多様であるため、接着剤を硬化してなる接着剤層は、それらに対して十分な接着力,すなわち、剪断接着強度及び剥離接着強度,を有している必要がある。さらに、上記の通り、接着剤層は、十分な耐薬品性などが望まれている。
【0013】
高い耐薬品性及び耐熱性を得るためには、一般に、硬化密度を高めるか或いはガラス転移点を100℃以上として接着剤層を硬質化する必要があると言われている。エポキシ接着剤では、一般に、その硬化温度を高めることにより、得られる接着剤層を硬く且つそのガラス転移点を高くすることができるが、接着剤層を硬質化した場合、特に軟質な被着材の剥離が生じ易い。しかも、接着剤層と被着材とは熱膨張係数が互いに異なっているため、接着剤を高温下で硬化させた場合、それらが高温下での膨張状態から使用温度域下での収縮状態へと変化するのに伴って、接着部には残留応力が生ずることとなる。
【0014】
そのため、従来のエポキシ接着剤で接着力に優れた接着剤層を形成するには、例えば、60〜80℃程度の低温で及び短時間で接着剤を硬化させねばならず、この場合、十分な耐薬品性及び耐熱性を得ることは困難であった。すなわち、従来技術では、接着剤層の接着力と耐薬品性及び耐熱性とは二律背反の関係にあった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであり、構成部材を被覆する接着剤層の耐酸化劣化性、耐熱老化性、及び耐加水分解性に優れた内視鏡装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、構成部材を被覆する接着剤層の接着力、耐薬品性、及び耐熱性に優れた内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、挿入部に設けられた可撓性外皮チューブの端部を外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定した後、前記糸を接着剤層で被覆してなる内視鏡装置であって、前記接着剤層は、エポキシ樹脂にゴム及び/またはプラスチックを5〜15重量%の濃度で添加した主剤にアミン系硬化剤を10:1〜10:7の重量比で混合すると共にエポキシシランを前記主剤100重量部に対して0.1〜3重量部の割合で添加してなる二液反応型接着剤から得られたことを特徴とする内視鏡装置を提供する。
【0018】
上記の通り、本発明では、二液反応型接着剤の主剤として、エポキシ樹脂とゴム及び/またはプラスチックとの混合物を使用している。このような二液反応型接着剤によると、金属のように硬質な部材からゴムのように柔軟な部材まで様々な被着材について高い接着力を実現することができる。
【0019】
また、本発明では、主剤に対するゴム及び/またはプラスチックの濃度を5〜15重量%としている。ゴム及び/またはプラスチックの濃度を上記範囲内とした場合、耐水性及び耐強酸化性薬品性に優れた接着剤層を得ることができる。
【0020】
さらに、本発明では、硬化剤としてアミン系硬化剤を使用するとともに、主剤とアミン系硬化剤との重量比を10:1〜10:7としている。エポキシ樹脂ではその1官能当りの分子量をエポキシ当量と称し、アミン系硬化剤のアミン当量は活性水素当量とも呼称される。上記の配合比は、エポキシ当量とアミン当量とから算出される理論配合比と接着強度などの諸特性とに基づいて設定したものである。
【0021】
すなわち、主剤に対するアミン系硬化剤の重量比が0.1未満である場合、十分な接着強度が得られず、しかも、過酢酸中の活性酸素、強酸性水中の酸性物質、過酸化水素のプラズマガス、煮沸消毒における熱水、オートクレーブ滅菌における熱水蒸気に晒された際に、接着剤層の酸化劣化、熱による軟化劣化及び硬化老化、加水分解、脆性破壊、及び接着強度低下などを生ずることがある。加えて、この場合、未反応のエポキシ樹脂が過剰になり、所望の特性を得ることができない。また、主剤に対するアミン系硬化剤の重量比が0.7を超える場合には、未反応のアミンが過剰となるためフリーアミンが残留し、耐水性を低下させるとともに、過酢酸中の活性酸素、強酸性水中の酸性物質、過酸化水素のプラズマガス、煮沸消毒における熱水、オートクレーブ滅菌における熱水蒸気に晒された際に、接着剤層の酸化劣化、熱による軟化劣化及び硬化老化、加水分解、脆性破壊、及び接着強度低下などを生ずることがある。
【0022】
本発明において、主剤に用いられるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂環式型エポキシ樹脂、及び多官能型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。また、本発明において、主剤を構成するエポキシ樹脂には、グリシジル系反応性希釈剤を単独で或いは上記に例示したエポキシ樹脂との混合物として用いることができる。
【0023】
本発明において、主剤に用いられるゴム及び/またはプラスチックとしては、例えば、アクリルゴム、ニトリルゴム、塩素化ポリエチレン、ポリオレフィン系エラストマ、ポリスチレン系エラストマ、及びフッ素ゴムなどのようなゴム;アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、及びフッ素樹脂などのようなプラスチック;及びそれらの混合物などを挙げることができる。このようなゴム及び/またはプラスチックをエポキシ樹脂に添加することにより、剪断接着強度及び特には剥離接着強度を向上させることができる。但し、ゴム及び/またはプラスチックの添加量が不適正な場合、硬化後の接着剤層の耐水性、耐オートクレーブ性、及び耐薬品性が低下することがある。このような問題は、主剤に対するゴム及び/またはプラスチックの濃度を5〜15重量%とすることにより回避可能である。
【0024】
本発明において、ゴム及び/またはプラスチックは微粉末の形態でエポキシ樹脂中に分散させ、その後、主剤と硬化剤などと混合することが好ましい。エポキシ樹脂とゴム及び/またはプラスチックとの混合物を主剤とした二液反応型接着剤は、硬化反応のために加熱することによりエポキシ樹脂中にゴム及び/またはプラスチックが島状に分布した海島構造を形成し、この海島構造に基づいて種々の特性を発現する。ところが、この海島構造は、ゴム及び/またはプラスチックが液状で添加された場合、混合・硬化条件などに強く依存し、極めて限られた条件下でしか所望の接着剤特性を得ることができない。これに対し、ゴム及び/またはプラスチックを微粉末の形態でエポキシ樹脂中に予め分散させた場合、海島構造は混合・硬化条件に殆ど依存せず、容易に制御可能である。したがって、接着作業や硬化条件などの自由度を高めることができる。
【0025】
本発明において、アミンとしては、例えば、脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、及びポリアミドアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0026】
本発明において、上記二液反応型接着剤は、上述した主剤及び硬化剤に加え、触媒、接着付与剤、溶剤、可塑剤、充填材、抗酸化剤、重合抑制剤、界面活性剤、防カビ剤、及び着色剤などのような添加剤をさらに含有することができる。これら添加剤は、主剤に添加してもよく、主剤と硬化剤との混合物に添加してもよい。例えば、上記二液反応型接着剤は、接着性付与材などとして、主剤100重量部に対して0.1〜3重量部のエポキシシランをさらに含有していてもよい。また、上記二液反応型接着剤は、充填材などとして、主剤100重量部に対して40〜50重量部の溶融シリカ球状粉末と10〜20重量部の超微粉球状シリカとをさらに含有していてもよい。
【0027】
以上説明した二液反応型接着剤を用いた内視鏡装置の構成部材同士の接合は、例えば、以下の方法により行われる。すなわち、まず、主剤を含むA液と硬化剤を含むB液とを混合して二液反応型接着剤を調製する。次に、この接着剤を、接合すべき構成部材の少なくとも1つの表面に、刷毛などを用いて塗布する。次いで、それら構成部材を貼り合わせた状態で固定し、所定の温度,例えば60〜135℃,に加熱する。これにより、接着剤は硬化され、上記の構成部材同士は強固に接合される。
【0028】
本発明において、上記の二液反応型接着剤を用いて接合されるべき部材は、内視鏡装置の構成部材であれば特に制限はない。例えば、上記の二液反応型接着剤を用いて、内視鏡装置の挿入部内に挿通される各種チューブの口元部分を挿入部の先端や操作部に固定すること、挿入部の先端硬質部に配置されたレンズ群などをレンズ枠や先端硬質部へ固定すること、挿入部に挿通されたファイババンドルをレンズ枠や先端硬質部に固定すること、及び、先端硬質部に組み込まれたCCDなどを保護・固定することなどができる。
【0029】
また、内視鏡装置の挿入部の可撓性外皮チューブの端部を外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定した後、その糸に上記の二液反応型接着剤を塗布してもよい。このような接着剤塗布を行った場合、外面仕上による挿入性のを確保と糸のほつれ防止とを同時に実現可能である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0031】
(実施例1)
主剤として平均粒径が0.3μmのアクリルゴム微粒子を20重量%の濃度で含有した30重量部のビスフェノールAタイプエポキシ樹脂BPA328(日本触媒社製)と40重量部のビスフェノールAタイプエポキシ樹脂と30重量部のビスフェノールFタイプエポキシ樹脂とを含み、硬化剤として40重量部の脂肪芳香族アミン系硬化剤を含み、副資材として3重量部のエポキシシランを含んだ接着剤を調製した。次いで、この接着剤を内視鏡装置の構成部材に塗布した。さらに、それら構成部材同士を貼り合わせた状態で、80℃で2時間の加熱を行って硬化反応を生じさせた。なお、挿入部の可撓性外皮チューブの端部は外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定し、その糸に上記接着剤を塗布することにより外面仕上を施した。以上のようにして、内視鏡装置を組み立てた。
【0032】
(比較例1)
主剤として平均粒径が0.3μmのアクリルゴム微粒子を20重量%の濃度で含有した100重量部のビスフェノールAタイプエポキシ樹脂BPA328(日本触媒社製)を含み、硬化剤として40重量部の脂肪芳香族アミン系硬化剤を含んだ接着剤を調製した。次いで、この接着剤を内視鏡装置の構成部材に塗布した。さらに、それら構成部材同士を貼り合わせた状態で、80℃で2時間の加熱を行って硬化反応を生じさせた。なお、挿入部の可撓性外皮チューブの端部は外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定し、その糸に上記接着剤を塗布することにより外面仕上を施した。以上のようにして、内視鏡装置を組み立てた。
【0033】
(比較例2)
主剤として平均粒径が0.3μmのアクリルゴム微粒子を20重量%の濃度で含有した100重量部のビスフェノールFタイプエポキシ樹脂BPF307(日本触媒社製)を含み、硬化剤として30重量部のポリアミドアミン系硬化剤を含んだ接着剤を調製した。次いで、この接着剤を内視鏡装置の構成部材に塗布した。さらに、それら構成部材同士を貼り合わせた状態で、80℃で2時間の加熱を行って硬化反応を生じさせた。なお、挿入部の可撓性外皮チューブの端部は外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定し、その糸に上記接着剤を塗布することにより外面仕上を施した。以上のようにして、内視鏡装置を組み立てた。
【0034】
(実施例2)
主剤として平均粒径が0.3μmのアクリルゴム微粒子を20重量%の濃度で含有した60重量部のビスフェノールAタイプエポキシ樹脂BPA328(日本触媒社製)と30重量部のフェノールノボラックタイプエポキシ樹脂と10重量部の鎖状・脂環式エポキシ樹脂とを含み、硬化剤として40重量部の脂肪芳香族アミン系硬化剤を含み、接着性付与剤として0.1重量部のエポキシシランを含んだ接着剤を調製した。次いで、この接着剤を内視鏡装置の構成部材に塗布した。さらに、それら構成部材同士を貼り合わせた状態で、80℃で2時間の加熱を行って硬化反応を生じさせた。なお、挿入部の可撓性外皮チューブの端部は外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定し、その糸に上記接着剤を塗布することにより外面仕上を施した。以上のようにして、内視鏡装置を組み立てた。
【0035】
(実施例3)
主剤として平均粒径が0.3μmのアクリルゴム微粒子を20重量%の濃度で含有した25重量部のビスフェノールAタイプエポキシ樹脂BPA328(日本触媒社製)と75重量部のビスフェノールAタイプエポキシ樹脂とを含み、硬化剤として40重量部の脂肪芳香族アミン系硬化剤を含み、接着性付与剤として3重量部のエポキシシランを含んだ接着剤を調製した。次いで、この接着剤を内視鏡装置の構成部材に塗布した。さらに、それら構成部材同士を貼り合わせた状態で、80℃で2時間の加熱を行って硬化反応を生じさせた。なお、挿入部の可撓性外皮チューブの端部は外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定し、その糸に上記接着剤を塗布することにより外面仕上を施した。以上のようにして、内視鏡装置を組み立てた。
【0036】
(実施例4)
主剤として平均粒径が0.3μmのアクリルゴム微粒子を20重量%の濃度で含有した75重量部のビスフェノールAタイプエポキシ樹脂BPA328(日本触媒社製)と25重量部のビスフェノールAタイプエポキシ樹脂とを含み、硬化剤として40重量部の脂肪芳香族アミン系硬化剤を含み、接着性付与剤として3重量部のエポキシシランを含み、充填材として50重量部の溶融シリカと20重量部の超微粉球状タイプ溶融シリカとを含んだ接着剤を調製した。次いで、この接着剤を内視鏡装置の構成部材に塗布した。さらに、それら構成部材同士を貼り合わせた状態で、80℃で2時間の加熱を行って硬化反応を生じさせた。なお、挿入部の可撓性外皮チューブの端部は外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定し、その糸に上記接着剤を塗布することにより外面仕上を施した。以上のようにして、内視鏡装置を組み立てた。
【0037】
以上のようにして得られた各内視鏡装置について、ステンレス部材同士の接着部(SUS+SUS)及びステンレス部材とポリサルホン部材との接着部(SUS+PSF)の初期接着強度、耐水試験後の接着強度、酸化系薬液試験(過酢酸浸漬後の接着強度、オートクレーブ試験後の接着強度を調べた。なお、酸化系薬液試験及びオートクレーブ試験は、構成部材同士を接着して80℃で2時間の加熱により硬化させた後に行った。また、可撓性外皮チューブの糸で緊縛して外面仕上を施した端部については、初期外観、耐水試験後の外観、過酢酸試験後の外観、及びオートクレーブ試験後の外観を観察した。それら結果を、各接着剤の成分処方とともに以下の表に纏める。
【0038】
【表1】
Figure 0003806635
【0039】
なお、各接着強度の測定は、上記内視鏡装置の構成部材と同じ材料からなる試験片を用い、JIS K 6850[接着剤の引張せん断接着強さ試験方法]に準拠して行った。過酢酸試験はJIS K 6858[接着剤の耐薬品性試験方法]に従い、過酢酸浸漬)後の接着強度は、接着した一対の試験片を53℃の6%過酢酸溶液中に24時間浸漬後に大気中に取り出し、さらに、常温で24時間乾燥した後に測定した。また、オートクレーブ試験後の接着強度は、接着した一対の試験片を600組準備し、135℃の蒸気を使用して滅菌を行う蒸気滅菌装置でそれらを滅菌処理した後、大気中に取り出し、常温で24時間乾燥した後に測定した。
【0040】
これらの試験結果から明らかなように、実施例1〜4では、比較例1及び2に比べて、過酢酸試験後の接着強度及びオートクレーブ試験後の接着強度の双方において大幅な改善が認められる。また、実施例1〜4では、比較例1及び2に比べて、耐水試験後の外観において大幅な改善が認められる。すなわち、実施例1〜4によると、比較例1及び2に比べて、接着剤層の耐酸化劣化性、耐熱老化性、及び耐加水分解性を著しく改善することができた。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、可撓性外皮チューブの端部を緊縛した糸を被覆する接着剤層を、エポキシ樹脂にゴム及び/またはプラスチックを所定の濃度で添加した主剤にアミン系硬化剤を所定の重量比で混合してなる二液反応型接着剤を用いて形成する。このような二液反応型接着剤を用いて得られる接着剤層は、耐酸化劣化性、耐熱老化性、及び耐加水分解性に優れている。
すなわち、本発明によると、構成部材を被覆する接着剤層の耐酸化劣化性、耐熱老化性、及び耐加水分解性に優れた内視鏡装置が提供される。また、本発明によると、構成部材を被覆する接着剤層の接着力、耐薬品性、及び耐熱性に優れた内視鏡装置が提供される。

Claims (1)

  1. 挿入部に設けられた可撓性外皮チューブの端部を外側から糸で緊縛してその内側の部材に固定した後、前記糸を接着剤層で被覆してなる内視鏡装置であって、前記接着剤層は、エポキシ樹脂にゴム及び/またはプラスチックを5〜15重量%の濃度で添加した主剤にアミン系硬化剤を10:1〜10:7の重量比で混合すると共にエポキシシランを前記主剤100重量部に対して0.1〜3重量部の割合で添加してなる二液反応型接着剤から得られたことを特徴とする内視鏡装置。
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