JP3805813B2 - 粉末化粧料用網付レフィル容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末化粧料を収容するための網付レフィル容器に関し、特に、使用する都度、粉末化粧料を収容した内容器を変形させ、この変形によって内容器内で粉末化粧料を流動させることで、収容された粉末化粧料の固化を防止し得るように構成した粉末化粧料用網付レフィル容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ファンデーションや白粉等を中心として種々の粉末化粧料が使用されている。このような粉末化粧料は比較的浅く且つ上部開口部に網を取り付けた皿型の容器に収容されており、前記網によって粉末化粧料の飛散を防止すると共に、化粧具を網に押し当てることで容器に収容された粉末化粧料を化粧具に付着させて用いるように構成されるのが一般である。
【0003】
容器に収容された粉末化粧料は使用の都度、網,化粧具によって容器の底側に抑え付けられる。このため、粉末化粧料は徐々に固化し、この結果、使用時に化粧具に対する充分且つ均一な粉末化粧料の付着を実現し得なくなり、容器に粉末化粧料が残存するにも関わらず該化粧料及び容器を廃棄せざるを得ないという問題が生じている。
【0004】
実公平7-11694号公報には上記問題を解決した粉末化粧料用容器が提案されている。この技術は、弾性を有する合成樹脂材料によって碗型形状に成形され且つ上部開口面にメッシュを設けると共に粉末化粧料を充填したドラムを外容器の凹所に収納したものである。この粉末化粧料用容器では、常に適度にほぐれたパウダーを供給することができ、且つパウダーを無駄なく使用することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然し、上記粉末化粧料用容器では、ドラムが底部が小さく上部が大きな径を有する碗型の形状を有するため、内容積が小さくなり粉末化粧料の収容量が少なくなるという問題が生じる。この問題を解決するには、碗型のドラム形状を維持して深さを大きくしたり、或いは上部開口の面積を大きくする等の手段を採用することが必要となり、何れにしても容器全体の大きさを大きくせざるを得ないという問題を派生する。
【0006】
本発明の目的は、容積を大きくすると共に粉末化粧料を使用する都度内容器に収容された粉末化粧料を流動させることで、収容された粉末化粧料の固化を防止し得るように構成した粉末化粧料用網付レフィル容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る粉末化粧料用網付レフィル容器は、可撓性を有する合成樹脂材料によって成形され略平坦な底面と前記底面から起立し外側又は内側に向けて屈曲した屈曲部を有する側面と前記側面の上端に形成され前記底面及び側面よりも高い剛性を有する鍔からなり内部に粉末化粧料を収容する内容器と、前記内容器の鍔に嵌合して係止する係止環と該係止環に固着された網からなる網枠と、所定の深さを有する凹所と底板とからなり前記凹所に前記内容器を収容する外容器とを有し、粉末化粧料を収容し且つ前記網枠を係止した前記内容器を前記外容器に収容し、前記網を押圧する力によって前記内容器の前記底面を変形させる押上部材を前記内容器の前記底面と前記外容器の前記底板との間に設けたことを特徴とする。
【0008】
上記粉末化粧料用網付レフィル容器(以下単に『レフィル容器』という)では、内容器が略平坦な底面を持って形成され、この底面から起立し外側或いは内側に向けて屈曲した屈曲部を有する側面と、この側面の上端に形成された鍔を有している。このため、内容器の容量を従来技術に於ける碗型のドラムよりも大きくすることが可能となり、該内容器に収容し得る粉末化粧料の量を増加させることが出来る。
【0009】
また網にパフやスポンジ等の化粧具を抑え付けたときの力は網枠を介して内容器に伝達され、該内容器を押圧する。このとき内容器の底面と外容器の底板の間に押上部材が設けられているため、この押上部材が内容器に作用する押圧力に応じて変形し、この変形に伴って内容器の底面を変形させ、同時に内容器の側面が屈曲部を起点として変形する。底面及び側面の変形に伴って内容器の容積が小さくなり、収容された粉末化粧料は内容器内で強制的に流動して固化することがない。特に、使用回数が増加して内容器に収容された粉末化粧料の残量が少なくなったとき、化粧具を抑え付ける力が多少大きくなるため内容器の変形も大きくなり、粉末化粧料量を充分に流動させることが出来る。
【0010】
化粧具を網から離脱させると、内容器を変形させる力が除去されることとなり、底面及び側面は元の状態に復帰する。このとき、空気が網を通って内容器内に流入し、この過程で更に粉末化粧料が流動する。従って、内容器に収容された粉末化粧料が固化することがない。
【0011】
上記レフィル容器に於いて、網枠を構成する網の周囲に環状のリブを設けることが好ましい。このように、網の周囲に環状のリブを形成することによって、該リブを化粧具を網に抑え付ける際の或いは化粧具を網から離脱させる際のガイドとすると共に化粧具に付着した余分な粉末化粧料を払い落とすことが出来、且つ払い落とされた粉末化粧料或いは網の上部に出た粉末化粧料が網の周囲に拡散することを防止することが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るレフィル容器は、底面の寸法と上部に形成された開口部の寸法が略等しい有底筒状(好ましくは有底円筒状)の内容器を用いることによって、外容器を大きくすることなく粉末化粧料の収容量を増加させたものである。
【0013】
また内容器の側面に外向き或いは内向きの屈曲部を形成し、底面と外容器の底板の間に押上部材を設けることによって、内容器の鍔を介して伝達された網に作用する力で内容器の側面を屈曲変形させると共に底面を押上部材に沿って変形させ、この変形に伴って収容された粉末化粧料を強制的に流動させて固化することを防止し、化粧料の粉末状態を維持させるものである。
【0014】
内容器は可撓性を有する合成樹脂材料、例えばウレタン,ポリプロピレン等によって予め設定された容積をもって成形されており、特に、底面及び側面は鍔に力を作用させたとき、この力に応じて容易に変形し、且つ力を除去したとき容易に元の形状に弾性復帰し得るように形成される。
【0015】
内容器の鍔は、該鍔に係止された網枠を構成する網にパフ或いはスポンジ等の化粧具を抑え付けたとき、この押圧力を内容器の側面に伝達する機能を有するものであり、前記力によって鍔自体が変形することのない程度の剛性を持って形成される。即ち、内容器は底面及び側面の肉厚が略等しく、鍔が底面及び側面よりも厚く形成される。また鍔は側面の上端に直交する方向に一様な厚さを持って形成される。
【0016】
網枠は、内容器の鍔に係止される係止環と、この係止環に固着された網とによって構成されている。係止環は鍔の幅と略等しい幅を有するリング部と、このリング部の外周に形成された係止部とを有しており、係止部の内周側には内容器の鍔と係合する係合突起が形成され、また外周側には外容器の内周面に形成された係止リングと係合する係合突起が形成されている。この係止環は合成樹脂材料を射出成形することで成形されている。
【0017】
網はナイロン等の合成樹脂材料からなり、係止環の成形時にインサート成形されて固着されている。この網は化粧具の抑え付けに伴う力を係止環,内容器の鍔に伝達する機能を有することが必要であり、大きな伸縮性を保持する必要はない。
【0018】
上記の如き網枠を内容器の鍔に係止したとき、内容器の開口部には鍔と網枠の係止環が二重に配置されることとなり、より剛性が高くなる。従って、化粧具を網に抑え付けたときの力は、合理的に内容器の底面及び側面を変形させる力として利用される。このため、化粧具を網に抑え付ける際の抑え位置の変化に伴って内容器の側面に於ける周方向の変形部位が変化し、内容器に収容された粉末化粧料を万遍なく流動させることが可能となる。
【0019】
上記網枠に於いて、網の周囲に所定の高さを有する環状のリブを設けることが好ましい。この環状のリブは、係止環の上面側に形成され、リブの内周面と係止環の上面は曲面によって接続されている。従って、環状のリブは化粧具を網に抑える際のガイドとしての機能と、化粧具に付着した余分な化粧料を払い落とす機能と、網を通して該網の上面に出た粉末化粧料の拡散を防止する機能を有する。また環状のリブの径を化粧具の径と略等しく形成した場合には、非使用時に於ける化粧具の収容部として利用することも可能である。
【0020】
外容器は内容器を収容する機能を有するものであり、網枠の外径よりも大きい内径を有し、且つ内容器の底面から網枠の上面までの高さに押上部材の寸法を加えた寸法と略等しい深さを有する凹所と、底板とによって構成されている。外容器の凹所の上端開口部の近傍の内周面にはリング状の係止リングが突出して形成されている。
【0021】
外容器は、コンパクト容器を構成する身体の一部に形成した有底の凹所として構成することが可能であり、また凹所を規定する筒部と底板とからなる有底筒状に構成することも可能である。
【0022】
押上部材は、独立した部材として或いは外容器の底板の一部に構成される。この押上部材は網に作用する力によって内容器が底板側に押圧されたとき、この押圧力に応じて変形して底面を押し上げることで内容器を変形させて容積を変化させ、これにより、内容器に収容された粉末化粧料を強制的に流動させるものである。
【0023】
押上部材を構成する材料は特に限定するものではなく、作用する押圧力によって容易に変形し、且つ押圧力の除去に伴って容易に元の形状に復帰し得るような弾性を有するものであれば良い。このような材料としては、ウレタン等の合成樹脂,バネ鋼やリン青銅等の金属がある。然し、押上部材を外容器の底板に構成する場合には合成樹脂材料が用いられる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明に係るレフィル容器の実施例について図を用いて説明する。図1は第1実施例に係るレフィル容器Aの構成を示す断面図であり、図2はレフィル容器Aの展開図である。
【0025】
図に於いて、内容器1の底面1aは平坦な面として形成され、この底面1aから側面1bが起立して形成されており、側面1bの上端には外周方向に突出して鍔1cが形成されている。前記底面1a及び側面1cは略等しい肉厚を持って形成され、鍔1cは底面1a,側面1bよりも厚く形成されている。従って、鍔1cは底面1a,側面1bよりも高い剛性を有する。内容器1の側面1bには外側に向かって円弧状に屈曲した屈曲部1dが形成されており、この屈曲部1dによって側面1bは鼓状の形状を有する。
【0026】
内容器1の側面1bに形成される屈曲部の形状は、本実施例に示す外側に向かう円弧状の屈曲部1dにのみ限定するものではなく、外側に向けて「く」字状に形成された屈曲部、或いは内側に向けて「く」字状に形成された屈曲部であっても良い。
【0027】
網枠2は、内容器1の鍔1cと嵌合して該鍔1cを係止する係止環2aと、係止環2aに固着された網2bとを有している。係止環2aは鍔1cの幅と略等しいリング部2a1 と、該リング部2a1 の外周から下方に向けて垂下形成された係止部2a2 とを有している。
【0028】
上記係止部2a2 の内周面であって鍔1cの厚さと対応する位置に係止突起2cが形成されている。前記係止突起2cは必ずしも鍔1cの全周と係合する必要はなく、網枠2を内容器1に嵌合させたとき、網枠2の内容器1からの離脱を防止し得る程度の保持力を発揮し得れば良い。本実施例では係止部2a2 を等分して4箇所に係止突起2cを形成している。また係止部2a2 の外周面であって外容器3の内周面に形成された係止リング3dと対応する位置には、前記係止突起2cと同様な係止突起2dが形成されている。
【0029】
外容器3は、内部に網枠2を係止した内容器1を収容する凹所3aが形成され、該凹所3aは底板3bによって深さが規定されている。即ち、凹所3aの平面形状は網枠2の平面形状と略等しい形状を有しており、且つ底板3bは内容器1の底面1aから網枠2のリング部2a1 の表面までの距離に押上部材4の高さを加えた寸法と対応する位置に形成されている。本実施例に於いて、外容器3は底部が底板3bによって規定された有底筒状に形成され、凹所3aは所定の肉厚を持った筒部3cの内部に形成されている。
【0030】
筒部3cの上端側の内周面の所定位置に係止リング3dが形成されている。この係止リング3dは、網枠2の係止部2a2 に形成した係止突起2dと係合して凹所3aに収容された網枠2を係止した内容器1の離脱を防止する機能を有するものである。
【0031】
押上部材4は内容器1の底面1aと外容器3の底板3bの間に配置され、該部材4に内容器1を介して押圧力が作用したとき、図3に示すように、作用する押圧力に応じて変形して底面1aを変形させる機能を有するものである。
【0032】
押上部材4は、複数のレバー4aと、各レバー4aを放射状に接続すると共に内容器1の底面1aと面接触して該容器1に作用する押圧力を受ける押圧部4bとを有して構成されている。各レバー4aの長手方向略中央であって外容器3の底板3bと対向する面には、該底板3bと当接する突起4cが形成され、且つ各レバー4aと押圧部4bはヒンジ4dを介して接続されている。
【0033】
押上部材4を構成するレバー4aの長さ,押圧部4bと突起4cとの距離,突起4cの高さ等の仕様は、レフィル容器Aの使用時に内容器1に収容された粉末化粧料5の流動を確保し得るように内容器1の底面1aの面積及び深さに応じて予め設定されている。
【0034】
上記の如く、内容器1の底面1aと外容器3の底板3bとの間に複数のレバー4aを有する押上部材4を設けたレフィル容器Aでは、図3に示すように、使用時に図示しないパフやスポンジを網2bに抑え付けることによって内容器1が押圧されたとき、底面1aが押圧部4bを押圧して底板3b側に移動させる。押圧部4bの移動に伴って各レバー4aは突起4cを支点としてヒンジ4dを中心に回動し、底面1aを変形させる。
【0035】
特に、底面1aに於けるレバー4aと接触することのない面は、押圧力が作用したとき何ら支持されるものがないため、より外容器3の底板3bに接近する方向に移動する。従って、底面1aはレバー4aの配置位置に対応して凹凸状に変形し、内容器1に収容された粉末化粧料5に強制的な流動が生じる。このため、粉末化粧料5が固化することがなく、流動性を持った粉末状態を維持することあが可能となる。
【0036】
上記内容器1,網枠2,外容器3,押上部材4によってレフィル容器Aを構成する手順について説明する。
【0037】
内容器1に所定量の粉末化粧料5を収容し、その後、内容器1を図示しない装着治具のダイス側に配置して網枠2を載置し、この網枠2をポンチによって内容器1に圧入することで係止環2aに鍔1cを嵌合させ、係止突起2cによって鍔1cを係止する。これにより、内容器1に網枠2を一体化することが可能である。
【0038】
上記の如くして一体化された内容器1と網枠2は、図示しない一対のダイスとポンチからなる治具によって予め押上部材4を配置した外容器3の凹所3aに圧入され、図1に示すレフィル容器Aが構成される。外容器3に収容された内容器1は、該容器1に一体化された網枠2の係止突起2dが外容器3に形成された係止リング3dと係合し、外容器3から離脱する方向への移動が阻止され、外容器3の底板3b方向への移動が許容される。
【0039】
図4は本発明の第2実施例に係るレフィル容器Bの構成を示す断面図である。図に於いて、前述の第1実施例と同一の部分には同一の符号が付されている。同図(a)に示すレフィル容器Bは、内容器1の底面1aと外容器3の底板3bの間に同図(b)に示す板状の押上部材6を配置したものである。
【0040】
図に示すように、内容器1の底面1aの略中央には下方に向けて突起1eが形成されており、外容器3の底板3bには所定の径を持ったリング状の突起3eが形成されている。前記突起1eは内容器1に押圧力が作用したとき、この力を押上部材6に伝達する機能を有するものであり、突起3eは押上部材6のレバー6aと当接して支持すると共にレバー6aが変形する際の支点としての機能を有するものである。
【0041】
各突起1e,3eは、押上部材6の厚さに対応して予め設定された高さを有している。また外容器3の凹所3aの深さは、内容器1の底面1aから網枠2の上面までの距離,各突起1e,3eの高さ,押上部材6の厚さを加えた寸法と等しくなるように設定されている。
【0042】
押上部材6は、複数のレバー6aと、内容器1の底面1aに形成された突起1eと当接して該容器1に作用する押圧力を受ける押圧部6bとを有しており、各レバー6aはヒンジ6dを介して押圧部6bに接続されている。
【0043】
上記の如く構成されたレフィル容器Bでは、図5に示すように、使用時に図示しないパフやスポンジを網2bに抑え付けることによって内容器1が押圧されたとき、内容器1の底面1aに形成された突起1eが押上部材6の押圧部6bを押圧して底板3b側に移動させる。押圧部6bの移動に伴って各レバー6aは底板3bに形成された突起3eを支点としてヒンジ6dを中心に回動し、底面1aを変形させ、内容器1に収容された粉末化粧料5の流動性を確保することが可能である。
【0044】
図6は本発明の第3実施例に係るレフィル容器Cの構成を示す断面図である。図に於いて、前述の第1実施例と同一の部分には同一の符号が付されている。同図(a)に示すレフィル容器Cは、第1実施例に於ける内容器1と外容器3を用い、底面1aと底板3bとの間に同図(b)に示すように独立して構成された押上部材7を配置したものである。
【0045】
押上部材7は、「く」字状に形成された複数のレバー7aと、各レバー7aを放射状に接続すると共に内容器1の底面1aと面接触して該容器1に作用する押圧力を受ける押圧部7bとを有して構成されている。各レバー7aは「く」字の両端部が上向きに配置され、一方の端部が押圧部7aとヒンジ7dを介して接続され、他方の端部が凹所3a内に配置されている。従って、レバー7aに於ける屈折部7cが底板3bと当接されている。
【0046】
上記の如く底面1aと底板3bの間に押上部材7を配置したレフィル容器Cでは、図7に示すように、内容器1に押圧力を作用させたとき、底面1aが押圧部7bを押圧して底板3b側に移動させ、この移動に伴って底板3bと当接する屈折部7cが滑りつつレバー7aがヒンジ7dを中心に回動する。レバー7aの回動によって該レバー7aの自由端が上昇し、内容器1の底面1aを押し上げて変形させることで、内容器1に収容された粉末化粧料5を強制的に流動させ、該化粧料5の固化を防止して流動性を確保することが可能となる。
【0047】
図8は本発明の第4実施例に係るレフィル容器Dの構成を示す断面図である。図に於いて、前述の第1実施例と同一の部分には同一の符号が付されている。図に示すレフィル容器Dは、第1実施例に於ける内容器1を用い、同図(a)の断面図,(b)の底面図に示すように、外容器8の底板8bに押上部材9を該底板8bと一体的に形成したものである。尚、外容器8は凹所8a,筒部8c,係止リング8dを有している。
【0048】
押上部材9は、外容器8の底板8bに該底板8bを厚さ方向に貫通する切欠10を成形することによって形成された複数のレバー9aと、レバー9aの一方側の端部に形成され内容器1の底面1bと当接して押圧力を受ける押圧突起9bと、レバー9aの他方の端部に形成され底面1aを押し上げる押上突起9cと、レバー9aの長手方向の略中央に形成され該レバー9aと底板8bを接続すると共にレバー9aの回動支点となる軸9dとを有して構成されている。
【0049】
上記の如く底板8bに押上部材9を構成したレフィル容器Dでは、図9に示すように、内容器1に押圧力を作用させたとき、底面1aが押圧突起9bを押圧して底板3b側に移動させ、この移動に伴ってレバー9aは軸9dを中心として回動し押上突起9cは底面1a方向に移動する。そして押上突起9cが底面1aを押し上げて変形させることで、内容器1に収容された粉末化粧料5を強制的に流動させ、該化粧料5の固化を防止して流動性を確保することが可能となる。
【0050】
図10は網枠2を構成する網2bの周囲に環状のリブを形成したレフィル容器Eの半断面図である。尚、図に於いて第1実施例と同一の部分には同一の符号が付してある。
【0051】
図に於いて、網枠2を構成する網2bの周囲には環状のリブ11が形成されている。このリブ11は、網2bを通してレフィル容器Eの表面に出た粉末化粧料5が網枠2から拡散することを防止する機能と、図示しない化粧具を網2bに抑え付けて粉末化粧料5を付着させた後該化粧具に付着した余分な粉末化粧料5を払い落とす機能とを有するものである。
【0052】
リブ11は、網枠2を構成する係止環2aのリング部2a1 に予め設定された高さを持って且つ網2bを囲んで形成されている。リング部2a1 に於けるリブ11の形成位置は特に限定するものではない。然し、化粧具の径と略等しい径となる位置であることが好ましく、このようなリブ11を形成した場合、非使用時には化粧具を網枠2の上部であってリブ11で囲まれた部分に収容することが可能となる。
【0053】
次に、コンパクト容器の例について説明する。このコンパクト容器は前述した各実施例のレフィル容器A〜Eを選択的に適用することが可能である。然し、説明の煩雑さを回避するために第1実施例に係るレフィル容器Aを適用した場合について説明する。図11はレフィル容器Aと化粧具を並列して配置し得るように構成した所謂並列式コンパクト容器21の斜視図であり、図12はコンパクト容器21を閉鎖した状態の断面図である。
【0054】
図に於いて、コンパクト容器21は、身体22と蓋体23を蝶番ピン28によって回動可能に接続して構成され、非使用時には身体22に配置されたレフィル容器Aの上方を閉鎖し、使用時には開放し得るように構成されている。身体22にはレフィル容器Aの外容器3を収容する収容部22aが形成されており、該収容部22aの内周面の所定位置には係合突起22bが形成されている。収容部22aと並列して化粧具を収容する収容部22cが形成されている。
【0055】
蓋体23の内面であって収容部22aと対向する位置にはレフィル容器Aの網枠2を被蓋して内容器1に収容された粉末化粧料5の乾燥を防ぐパッキン24が取り付けられており、また収容部22cと対向する位置には鏡25が取り付けられている。
【0056】
身体22及び蓋体23の回動中心とは反対側であって互いに対向する位置には係合突起26及び係止フック27が設けられている。従って、身体22と蓋体23を回動させて係合突起26と係止フック27を係合させることでコンパクト容器21を閉鎖することが可能であり、且つ係合突起26と係止フック27の係合を解除することでコンパクト容器21を開放することが可能である。
【0057】
レフィル容器Aを構成する外容器3の外周面にはコンパクト容器21の収容部22aに形成された係止突起22bと対向する位置に係合溝3fが形成されている。そして前記レフィル容器Aを収容部22aに圧入して係止突起22bを係合溝3fに嵌合させることで、レフィル容器Aの収容部22aからの離脱を防止している。このように構成されたコンパクト容器21では、比較的面積が大きくなるものの厚さを小さくすることが可能である。
【0058】
前述の各実施例では、有底筒状に形成した外容器3を用いたレフィル容器A〜Eについて説明したが、外容器をコンパクト容器の身体とし、該身体に形成した凹所に網枠2を一体化した内容器1を収容しても良い。この場合、身体に形成された凹所は前述した各実施例に於ける凹所3aと同様の仕様を持って形成されることが必要である。従って、外容器の外形は筒状,板状等種々の形状に成形することが可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係るコンパクトでは、内容器の底面を略平坦な面に形成することによって粉末化粧料の収容量を増加させることが出来る。
【0060】
また内容器を可撓性を有する合成樹脂材料で成形すると共に側面に屈曲部を形成し、且つ底面と外容器の底板との間に押上部材を設けることで、使用の都度、蓋体に作用する力に応じて内容器を変形させることが可能となり、この変形に伴って収容された粉末化粧料を強制的に流動させることが出来る。このため、粉末化粧料が固化することを防止して粉末状態を維持させることが出来る等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るレフィル容器Aの構成を説明する断面図である。
【図2】レフィル容器Aの展開図である。
【図3】レフィル容器Aに於ける押上部材の作用及び内容器の変形状態を説明する図である。
【図4】第2実施例に係るレフィル容器Bの構成を説明する断面図である。
【図5】レフィル容器Bに於ける押上部材の作用及び内容器の変形状態を説明する図である。
【図6】第3実施例に係るレフィル容器Cの構成を説明する断面図である。
【図7】レフィル容器Cに於ける押上部材の作用及び内容器の変形状態を説明する図である。
【図8】第4実施例に係るレフィル容器Dの構成を説明する図である。
【図9】レフィル容器Dに於ける押上部材の作用及び内容器の変形状態を説明する図である。
【図10】網枠に環状のリブを形成したレフィル容器Eの構成を説明する図である。
【図11】並列式コンパクト容器の斜視図である。
【図12】並列式コンパクト容器を閉鎖した状態の断面図である。
【符号の説明】
A〜E レフィル容器 1 内容器
1a 底面 1b 側面
1c 鍔 1d 屈曲部
2 網枠 2a 係止環
2b 網 2c,2d 係止突起
3,8 外容器 3a,8a 凹所
3b,8b 底板 3c,8c 筒部
3d 係止リング 3e 突起
4,6,7,9 押上部材 4a,6a,7a,9a レバー
4b,6b,7b,9b 押圧部 4c 突起
4d,6d,7d ヒンジ 9d 軸
5 粉末化粧料 11 リブ
21 コンパクト容器 22 身体
22a 凹所 23 蓋体
Claims (2)
- 可撓性を有する合成樹脂材料によって成形され略平坦な底面と前記底面から起立し外側又は内側に向けて屈曲した屈曲部を有する側面と前記側面の上端に形成され前記底面及び側面よりも高い剛性を有する鍔からなり内部に粉末化粧料を収容する内容器と、
前記内容器の鍔に嵌合して係止する係止環と該係止環に固着された網からなる網枠と、
所定の深さを有する凹所と底板とからなり前記凹所に前記内容器を収容する外容器とを有し、
粉末化粧料を収容し且つ前記網枠を係止した前記内容器を前記外容器に収容し、
前記網を押圧する力によって前記内容器の前記底面を変形させる押上部材を前記内容器の前記底面と前記外容器の前記底板との間に設けたことを特徴とする粉末化粧料用網付レフィル容器。 - 前記網枠を構成する網の周囲に環状のリブを設けたことを特徴とする請求項1記載の粉末化粧料用網付レフィル容器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18000695A JP3805813B2 (ja) | 1995-07-17 | 1995-07-17 | 粉末化粧料用網付レフィル容器 |
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-
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