JP3804891B2 - 顧客操作型自動機の画面作成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀行等の現金取扱い装置(ATM)や交通機関における券売機など、顧客の入力操作に従って画面を切り替え、現金取り引きあるいは発券などの処理を行う顧客操作型自動機の画面作成方法に係り、特に、表示画面の変更や修正を柔軟に行うことができるようにした画面作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、銀行等の現金取扱い装置(ATM)においては、装置前面に配置した画面に、預け入れ、引き出し、振込み等の取り引き種別を顧客に選択させるための初期画面を表示しておき、顧客がいずれかの取り引き種別をタッチパネル操作等によって選択したならば、その取り引き種別において必要とする入力情報を入力させるための画面に順次切り替えることにより、顧客との間で現金の入出金や振込み等の所定の取り引きを完了させるようにしている。
【0003】
従って、このような現金取扱い装置においては、顧客操作に従って表示するための複数の画面を予め準備しておく必要がある。このような顧客操作用に表示するそれぞれの画面(係員操作用に表示する画面表示も含む)は、文字、イラスト、アニメーション等の組み合わせで構成される画面データに基づいて表示される。
【0004】
従来において、それぞれの画面を表示するための画面データは、画面データに従って操作画面に対して描画処理および各画面におけるボタン押下等の顧客操作に対する処理を行う業務プログラムと画面毎に一体として構成されていた。
【0005】
例えば、1つの画面内にn個の操作ボタンを含む画面データを作成した場合、それらのボタン押下に対する処理を行うための処理ステップと共に業務プログラム中に同時に作成していた。
【0006】
また、顧客操作画面に表示するボタン等の位置を変える場合、ボタン位置を変えた画面データを作成するのと同時に、顧客操作画面上に表示されたボタン押下時の処理を行う業務プログラム中の処理ステップも変更する必要があった。
【0007】
要するに、従来においては、画面データと、それに対する処理を行う業務プログラムの処理ステップとが1対1の固定的な関係が保たれるように同期して作成することにより、顧客操作に対する処理を行う業務プログラムと顧客操作画面に表示する画面データを一体として構成するようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、多数の人が使用する銀行等の現金取扱い装置においては、支店、店舗等に対応して、各地域のイベント情報(例えば、お祭り、行事)や、季節の変わり目、各種キャンペーン期間中等で、画面データをタイムリーに変更可能にするための、文字、静止画、動画、テロップ、アニメーション等、マルチメディアを駆使した情報提供サービスが必要になることがある。
【0009】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、顧客操作に対する処理を行う業務プログラムと顧客操作画面に表示する画面データを一体として構成していたため、業務プログラム中の処理ステップの変更を伴わない単なるテロップ等の表示を追加する場合であっても、銀行等の現金取扱い装置のエンドユーザから業務プログラムの作成メーカあるいは作成部門に対し表示画面の変更を依頼しなければならず、表示画面の変更あるいは修正を柔軟に行えないという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、表示画面の変更あるいは修正を柔軟に行うことができる顧客操作型自動機の画面作成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、第1および第2の作成モードを設定し、上記第1のモードに応答して、上記顧客操作型自動機の画面遷移制御を行う業務プログラムの変更を必要とする上記操作案内画面の画面データの作成を可能とし、上記第2の作成モードに応答して、変更を必要としない画面データの作成を可能とし、かつ変更を必要とする上記操作案内画面の画面データの作成を抑止することを特徴とする。
【0012】
また、上記第2の作成モード時、作成された画面データを上記顧客操作型自動機へインストール可能に記録媒体に出力し、第1の作成モード時、作成された画面データを上記顧客操作型自動機へインストール可能に記録媒体への出力を抑止することを特徴とする。
【0013】
さらに、コンピュータの表示部の同一画面上に、作成対象の操作案内画面と、該操作案内画面に追加する表示部品を指定するための部品一覧とを表示し、上記部品一覧中の1つの部品の選択に応答して、該部品の表示のための入力項目をさらに同一画面上に表示し、表示された入力項目に従って設定入力を受け、該設定入力に応じた部品を上記作成対象の操作案内画面のエリアに表示し、作成された操作案内画面を画面データとして格納することを特徴とする。
【0014】
また、画面作成に先立って作成モードを設定し、上記部品一覧は、選択された上記作成モードに応じて指定可能な部品が異なることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の顧客操作型自動機の画面作成方法について図面に従い説明する。
図1は、本発明の画面作成方法を適用して現金取扱い装置1で使用する画面の作成および修正等を行なう画面データ作成装置2と、この画面データ作成装置2で作成した画面データを蓄積し、その蓄積した画面データを複数の現金取扱い装置1に配布する上位処理装置3とから成るシステムの一実施の形態を示す構成図である。
【0016】
現金取扱い装置1は、顧客操作に対する各種の処理を行う業務プログラムに従って装置全体を制御する処理部102と、顧客操作の誘導または案内を行う顧客用表示部103と、顧客用表示部103に表示された画面に応じた顧客による入力操作を受け付ける顧客用操作部104と、係員への誘導または案内を行う係員用表示部108と、係員が現金取扱い装置1に紙幣、硬貨の装填等、係員が行う現金取扱い装置1への操作を受け付ける係員用操作部109と、上位処理装置3との間で取引データの通信を行う回線制御部113と、顧客用表示部103及び係員用表示部104の表示に必要な画面データを解析し画面切替え制御等を行う後述の業務プログラムと画面表示に必要な画面データとを記憶する外部記憶部127と、この外部記憶部127からロードされた業務プログラムと画面データとを記憶する記憶部128とを備え、さらに、紙幣の出し入れを制御する紙幣制御部105、硬貨の出し入れを制御する硬貨制御部106、現金の取引の履歴を記憶するジャーナル制御部107、明細票の印字の管理をする明細票印字制御部110、磁気カード、通帳の制御を行う磁気カード制御部111及び通帳印字制御部112とを備えている。
【0017】
なお、外部記憶部127は具体的にはフロッピーディスク(FD)等の媒体を指し、例えば、本発明を適用した画面データ作成装置2によって作成されたデータをFDの中に格納し、このFDを現金取扱い装置1の外部記憶部127として記憶部128にダウンロードして記憶させるものである。この場合、記憶媒体としては、フロッピーディスク以外に、ICカード、CD−ROM、光−磁気ディスク等の各種の記録媒体を用いることができることは言うまでもない。
【0018】
記憶部128に貯えられた業務プログラムは、顧客用表示部103及び係員用表示部104の画面表示に必要な後述する図4の画面データ401を解析し、顧客用表示部103及び係員用表示部108の画面描画に必要なデータと画面切替えに必要なデータとを分離して管理する機能を持っている。
【0019】
ここで、顧客用表示部103は、表示画面の表面にタッチパネルを配置した構造になっており、画面上のボタンに対応する位置を顧客が押圧することにより、その押圧された位置のボタンが操作されたものと認識し、その認識結果に従って処理を進める。
【0020】
次に、上位処理装置3は、通信回線4を使用し、現金取扱い装置1の顧客用画面表示部103又は係員用画面表示部108で表示する表示画面に必要なデータを登録するための通信を制御する回線制御部(1)118と、画面データ作成装置2で作成された現金取扱い装置1用の表示データを記憶する記憶部116と、通信回線5を使用し、画面データ作成装置2で作成された画面データの受信を制御する回線制御部(2)119と、上位処理装置全体を制御する処理部115と、外部記憶部117とから構成される。この外部記憶部117は、現金取扱い装置1の外部記憶部127と同様にフロッピーディスク等の媒体で構成される。
【0021】
画面データ作成装置2は、後述の図4の画面データ401に基づき現金取扱い装置1の顧客用表示部103又は係員用表示部108の表示と同等の表示を行い、画面データ作成の誘導を行う表示装置122と、画面作成の操作を受け付ける操作部125と、上位処理装置3との通信を制御する回線制御部126と、画面データ作成用の画面作成プログラム127と本装置2で作成した表示画面のデータを記憶する記憶部123と、画面データ作成装置2全体を制御する処理部121と、外部記憶部124とから構成される。この外部記憶部124も、現金取扱い装置1の外部記憶部127と同様にフロッピーディスク等の媒体で構成される。
【0022】
画面データ作成装置2で作成された図4の画面データ401は、回線制御部126により上位処理装置3経由にて現金取扱い装置1の記憶部128へ登録され、顧客用表示部103又は係員用表示部108の画面表示に必要なデータとなる。
【0023】
なお、画面データ作成装置2で作成された画面データ401は、画面データ作成装置2に備え付けられた外部記憶部124によりFD等の外部記憶媒体に一旦記憶され、この外部記憶媒体を現金取扱い装置1に備え付けられた外部記憶部127または上位処理装置3に備え付けられた外部記憶部117により通信を介さず、現金取扱い装置1の記憶部128に登録することができる。
【0024】
図2は、図1の現金取扱い装置1で逐次表示される画面の動作を制御する画面制御ソフトウェアの構造例を示すものであり、記憶部128に格納されている。
【0025】
この画面制御ソフトウェアは、現金取扱い装置1における「お預入れ」「お引出し」等の取引き等の顧客操作に対する各種の処理を行う業務プログラム201と、この業務プログラム201からの指示により現金取扱い装置1の顧客用表示部103や係員用表示部108に画面描画を行う画面表示プログラム203と、この画面表示プログラム203により画面上に表示しているボタン等を使用して顧客が取引きを実施するために暗証番号、引出し金額等の入力を実現する画面操作プログラム204と、現金取扱い装置1の各表示部103、108や操作部104、109、紙幣制御部105等のハードウェア206に対して表示動作起動、表示動作の終了監視等を行なうオペレーティングシステム205とから構成されている。
【0026】
この画面制御ソフトウェアについて更に具体的に説明すると、図3の表示画面が現金自動取扱い装置1の顧客用表示部103に表示されている状態で、顧客が「お引出し」を選択すると画面操作プログラム204がその操作を検知して業務プログラム201に伝える。すると、業務プログラム201はこの情報から「お引出し」を選択した後の次に表示する表示画面、例えば「カードを入れて下さい」画面を表示するように制御して画面表示プログラム203に伝える。続いて画面表示プログラム203は、この「カードを入れて下さい」画面に対応する表示画面データを記憶部128から読み込み、顧客用表示部103に表示する。画面表示プログラム203は業務プログラム201からの指示で現金取扱い装置1の顧客用表示部103等に画面描画をする処理を実行する。
【0027】
以上は、プログラム間の動作の概要であるが、現金取扱い装置1における各部の動作の概要は次の通りである。現金取扱い装置1は、顧客待ちの状態では、処理部102は顧客用表示部103に図3に示すような「いらっしゃいませ」画面301を表示させている。
【0028】
この「いらっしゃいませ」画面301は、「いらっしゃいませ」という案内誘導用の文字部品302およびイメージ部品303と、「お預入れ」、「残高照会」、「お引出し」等の顧客操作用のボタン部品305、「ただいまボーナスキャンペーン期間中」といったキャンペーン等セールス文言などを表示するテロップ部品304とで構成されている。イメージ部品303には、動画、自然画、アニメーションなどの種類がある。
【0029】
この表示状態で、「いらっしゃいませ」画面301中の例えば「お引出し」ボタン306が顧客によって操作されると、処理部102は、取り引き種別が「現金の引き出し」であるものと認識し、次に、「カードを入れて下さい」画面(図示せず)に遷移させる。
【0030】
この「カードを入れて下さい」画面において、顧客固有の磁気カードをカード挿入口に挿入したならば、処理部102は、次に「暗証番号を入力して下さい」画面(図示せず)に遷移させる。この「暗証番号を入力して下さい」画面において、顧客が「数値」ボタン(図示せず)を押圧し、暗証番号を入力すると、処理部102は、その暗証番号が正しいか否かを調べ、正しければ、取り引き金額を入力させるための「金額を入力して下さい」画面(図示せず)に遷移させる。この時、暗証番号が正しくない場合は、再入力を促し、「訂正」ボタンの押圧の後に「数値」ボタンの押圧により正しい暗証番号を入力させ、所定回数繰り返しても正しい暗証番号が入力されなかった場合は、「カードをお取り下さい」画面(図示せず)に遷移させ、次に「やり直して下さい」画面に遷移させ、初期画面からの操作からやり直させる。また、「取消し」ボタンが押圧された場合は、初期画面すなわち図3の「いらっしゃい」画面に遷移させる。
【0031】
正しい暗証番号が入力された場合、「金額を入力して下さい」画面(図示せず)に遷移させ、顧客が希望する引き出し金額を入力させる。そして、金額の入力操作が正しく行なわれた場合は、ホストコンピュータ(図示せず)に残高を問い合わせる。ホストコンピュータから「支払可能」の応答があれば、紙幣制御部105や硬貨制御部106を制御し、顧客が要求した金額の払い出しを行なう。処理部102は、ホストコンピュータから支払可能の応答が返信されて来るまでの間、顧客用表示部103に「処理中、お待ち下さい」画面を表示し、払い出し制御が終了して払い出し口に紙幣または硬貨を排出したならば、「現金をお取り下さい」画面に遷移させる。この後、「カードをお取り下さい」画面に遷移させ、最後に「ありがとうございました」画面に遷移させ、顧客が要求した現金引き出しに関わる一連の制御を終了する。そして、今回の取り引きの履歴をジャーナル制御部107に記録させる。
【0032】
本発明は、このような現金取り扱い装置1等の顧客操作型自動機で表示する各種画面の画面データを作成する方法に関するものである。本発明で作成される画面データを適用可能な顧客操作型自動機としては、現金取り扱い装置のほかに、交通機関における券売機、市役所等の玄関ロビーに置かれ、管轄部門への案内メッセージを音声あるいは文字で出力する案内機などがある。
【0033】
次に、画面データ作成装置2における画面作成ソフトウェアについて簡単に説明する。この画面作成ソフトウェアは、画面データ作成装置2で動作するプログラムであり、その構成は図2の業務プログラム201の代わりの画面作成プログラム127と、画面操作プログラム204と、画面表示プログラム203とから成り、画面作成プログラム127により画面表示プログラム203を制御する。これらのプログラムを実行し、画面データを作成するのは処理部121である。なお、上記の各画面作成プログラム127、画面表示プログラム203および画面操作プログラム204は、1つのプログラムに集約して組み込むことも可能である。
【0034】
図4は、図3に示したような画面を表示するために必要な画面データ401の構成を示す図であり、必要な画面がn個必要である場合、n個の画面データ401−1〜401−nで構成される。なお、各画面データは、「GOO1」、「GOO2」、…「GOOn」といった画面識別子402で管理されるようになっている。例えば、「GOO1」は「いらっしゃいませ」画面を表わす。
【0035】
各画面データ401−1〜401−nは、文字データ部411、ボタンデータ部412、イメージデータ部413〜416等から構成されている。この場合、画面毎に表示内容が異なるため、各画面毎の画面データの構成も異なる。すなわち、イメージ部品を表示しない画面の画面データは、イメージデータ部が存在せず、表示に必要とする他の部品のデータ部の組み合わせで構成される。
【0036】
文字データ部411は、図3の文字部品302の画面上の表示位置、サイズおよび表示文字自体に関する情報、ボタンデータ部412は、ボタン部品305の画面上の表示位置およびサイズ、ボタン押下時の画面切替え等動作に関する情報、イメージデータ部413はイメージ部品303の画面上の表示位置およびサイズに関する情報等を、それぞれ持っている。
【0037】
図1の現金取扱い装置1の処理部102は、画面データ401のフォーマットに従い、画面データ401を文字データ部411、ボタンデータ部412、イメージデータ部413等に分離した後、各々のデータ部の構成を解析し、後述の図5で示す例のように顧客用表示部103又は係員用表示部108の画面上の表示位置の情報、サイズ情報、表示データ情報等を抽出し、図3の画面例に示す表示を行なう。
【0038】
なお、図3のボタン部品305は画面表示に必要な情報以外に、「お預入れ」「お引出し」等の取引選択を画面上押下により認識するための取引種別情報等が含まれている。
【0039】
図5は、図4の画面データ401のボタンデータ部412の詳細フォーマット例を示すものである。ボタンデータ部412は、顧客用表示部103又は係員用表示部108の画面上に表示するための位置を特定する表示位置情報502と、画面上に表示するボタン部品の大きさを示すサイズ情報503と、表示ボタンの表示色、形等を示す表示データ情報504と、画面上に表示されたボタン部品押下時に動作する図2の業務プログラム201(押下されたボタンにより次に表示する画面を決定する為に使用するプログラム)に対する動作指示情報505とから構成されている。
【0040】
ボタンデータ部412以外の文字データ部411、イメージデータ部413は、これらのデータ部が単なる表示画面の描画に必要であるのみで、顧客による選択操作に関わらないものであるため、表示位置情報502、サイズ情報503、表示データ情報504とから成る表示情報部分506のみで構成されている。
【0041】
これに対し、ボタンデータ部412は、ボタン部品が顧客による選択操作に関わるものであるため、図5に示しているように、単なる画面の表示に関する表示情報部分506の他に、顧客によるボタン選択操作に応答して画面切替え等の動作を指示する動作指示情報505を備えている。
【0042】
このような動作指示情報505を含んだ表示部品の追加、変更、削除が生じた場合、業務プログラム201の処理を変更する必要がある。例えば、「お預入れ」のボタン部品を顧客が押下した時には、現金取扱い装置1の顧客用表示部103に「通帳をお入れください」画面を表示し、「お引出し」のボタン部品を顧客が押下した時には「カードをお入れください」画面を表示する等、ボタン部品に割り当てられている取引種別等に応じて画面を切り替えるのであるが、このような顧客操作に応じて業務プログラム201が処理すべき内容が異なる部品については、その追加、変更、削除が生じた場合、業務プログラム201の処理を変更する必要がある。
【0043】
これに対し、表示情報部分の各情報502、503、504は、前述したように表示画面上のデザインに関する情報であるため、業務プログラム201のボタン押下時の画面切替え処理とは関連せず、位置情報502、サイズ情報503及び表示データ情報504を変更しても、業務プログラム201の処理には何等の影響を与えない。
【0044】
そこで、本発明の画面データ作成装置2では、動作指示情報505を業務プログラム変更要部分507として扱い、この業務プログラム変更要部分507を持つ表示部品(本実施形態では、ボタン部品)については特定のモード(後述の拡張モード)でのみ追加、変更、削除を許し、単なる表示に関する表示部品と異なる管理を行うようにしている。単なる表示に関する表示部品の追加、変更、削除は、後述するように、基本モードおよび拡張モードの両方で許すようにしている。そして、基本モードでは、業務プログラム変更要部分507を持つ表示部品(本実施形態では、ボタン部品)については変更を抑止している。
【0045】
図6は、画面データを作成する画面データ作成装置2の機能と、この画面データ作成装置2で作成または変更された画面データにより、業務プログラム201を作成または変更する過程を示す図である。画面データ作成装置2は、図6に示すように、基本モードと、拡張モードという2つのモードを備えている。
【0046】
基本モードとは、業務プログラム201の変更が不要な図5の位置情報502、サイズ情報503、表示データ情報504から成る表示情報部分506の作成または変更に限定した機能を提供するモードを指し、拡張モードとは、業務プログラム201の変更が必要な動作指示情報505を含む画面データの作成または変更を行うための機能を提供するモードのことである。基本モードから拡張モードへの遷移は許されるが、拡張モードから基本モードへの遷移は許されない。これは、前述のように、拡張モードで変更された画面データが業務プログラム201の変更を要するものであった場合に、業務プログラムを変更せずに拡張モードから基本モードへ戻すと、業務プログラム201の変更を要するものであることが認識できなくなり、業務プログラム201の変更が実施される保証がなくなり、結果的に、業務プログラム201と変更後の画面データ401との対応関係が崩れてしまうからである。
【0047】
そこで、本実施形態においては、画面データ401には、基本モードで作成したものであるのか、拡張モードで作成したものであるかを識別するためのモードフラグ(識別子)が付加されるようになっており、拡張モードに一旦遷移したならば、モードフラグ=拡張モードに更新される。そして、拡張モードで作成または変更した画面データについては、モードフラグ=拡張モードが付加され、業務プログラム作成用媒体出力として外部記憶部124から出力され、業務プログラム作成メーカまたは作成部門に渡され、業務プログラムへの変更が反映されるまでの間はATMインストール用媒体出力としての媒体出力は禁止される。
【0048】
一方、基本モードで作成された画面データ401は、画面データ作成装置2の記憶部123に一時記憶される。そして、ATMインストール用媒体出力として外部記憶部124から出力される。現金取扱い装置1では、このATMインストール用媒体出力を外部記憶部127から記憶部128にインストールすることにより、変更後の画面データ401を反映した画面を表示させることができる。この場合、外部記憶部124を介さずに、上位処理装置3を介して変更後の画面データ401を現金取扱い装置1に反映させることも可能である。
【0049】
拡張モードで作成された画面データ401を受け取った業務プログラム作成メーカあるいは作成部門では、受け取った画面データ401を解析し、業務プログラム201内の動作指示情報505に対応する処理ステップを作成または変更する。この変更の後、モードフラグ=基本モードに更新し、作成または変更された業務プログラム201を含むATMインストール用媒体出力として出力し、現金取扱い装置1にインストールする。
【0050】
図7(a)は、基本モードと拡張モードにおける機能を示した図であり、基本モードでは、イメージ部品、文字部品、アニメ部品、動画部品の追加または削除は許されるが、ボタン部品については、業務プログラム201の変更を必要とすることがあるため、このボタン部品の削除または追加は許されない。ボタン部品の削除または追加は拡張モードでのみ許される。また、基本モードでは、ATMインストール用媒体出力および業務プログラム作成用媒体出力の両方が許されるのに対し、拡張モードでは、業務プログラム作成用媒体出力のみが許され、ATMインストール用媒体出力は許されない。
【0051】
図7(b)は、モードフラグと画面データ401との関係の例を示す図であり、モードフラグ702は画面データ401−1〜401−nの先頭に付加される。モードフラグは、画面データのヘッダ部に付加する構成であってもよい。
【0052】
次に、画面データ作成装置2を用いて現金取扱い装置1の各表示画面に必要とする画面データを作成する処理の概要について説明する。
【0053】
画面データ作成装置2の操作者が記憶部123に記憶された画面作成プログラム127を起動した後、操作部125により基本モードを選択すると、処理部121がこの基本モードの選択を認識する。そして、記憶部123に記憶された情報のうち、表示情報部分506、即ち、業務プログラム201の変更を必要としない位置情報502、サイズ情報503、表示データ情報504を抜き出して表示部122に表示する。
【0054】
操作者が画面作成プログラム127を一旦終了すると、同じく処理部121が認識し、それまで作成した表示画面の画面データ401(図4)を、基本モードで作成したことを表すフラグ702とリンクさせて記憶する。これにより、再度、操作者が基本モードを選択して途中の画面データを表示するときも、処理部121が基本モードの画面データ401であることを判断すると共に、それまで作成していた画面データ401を読み込んで表示部122に表示できるので、操作者は続きの画面データの作成を行うことが可能となる。
【0055】
なお、拡張モードで作成した場合は、前述のように、拡張モードを表すフラグ702と共に、拡張モードで作成した画面データ401を記憶部123に記憶するので、処理部121がそれを判断し、間違った記憶・処理(前述の現金取扱い装置1への誤り登録)を防ぐことが可能となる。
【0056】
そして、この作成画面、即ち、図4の画面データ401は画面データ作成装置2の記憶部123から外部記憶部124に転送され、外部記憶部124からATMインストール用媒体出力として出力され、現金取扱い装置1の記憶部128にインストールされる。そして、現金取扱い装置1の処理部102の指示に応じて、顧客用表示部103又は係員用表示部108に画面デザインに関する位置、サイズ、表示部品名称等が出力され、画面表示される。
【0057】
一方、拡張モードにより作成された画面データ401は、図5の動作指示情報505が含まれた状態で現金取扱い装置1にインストールされ、ボタン押下時の画面切り替え等が行われる。
【0058】
図8(a)は、画面データ作成装置2の基本モードの立ち上げ時に表示される基本モード画面8100の例を示す図であり、ここでは記憶部123に記憶された複数画面の中の先頭の画面である「いらっしゃいませ」画面301が表示されている例を示している。同時に、基本モードで作成または変更可能な部品を示す部品一覧ウインドウ8101が表示される。
【0059】
基本モード画面8100の部品一覧ウインドウ8101では、業務プログラム201に影響のないイメージ部品8102、文字部品8103、アニメ部品8104、動画部品8105等のみが表示され、業務プログラム201に影響のあるボタン部品等の表示は抑止され、ボタン部品の追加や削除等の操作そのものを不能とすることにより、業務プログラム201への影響を抑止している。
【0060】
基本モードで作成した画面データ401は、現金取扱い装置1にそのままインストール可能であるため、業務プログラム201に影響のない画面データの作成が終了したならば、図8(b)に示すように、メニューバー8201内の「ツール」メニュー8202を選択し、プルダウンメニュー8203を表示させる。そして、プルダウンメニュー8203内のATMインストール媒体出力機能である「全マップインストールFD作成」メニュー8204を選択し、外部記憶部124からATMインストール媒体出力として出力させる。これにより、現金取扱い装置1にそのままインストール可能な媒体が出力される。
【0061】
一方、画面作成プログラム127を起動した後、拡張モードを選択すると、図9(a)に示すような拡張モード画面9100が表示部122に表示される。ここでは記憶部123に記憶された複数画面の中の先頭の画面である「いらっしゃいませ」画面301が表示され、同時に、拡張モードで作成または変更可能な部品を示す部品一覧ウインドウ9111が表示される。この部品一覧ウインドウ9111では、イメージ部品9112、アニメ部品9114、文字部品9116、動画部品9117の他に、基本モードで抑止されていた業務プログラム201の変更が必要となるボタン部品9113、入力部品9115等を含む部品一覧ウインドウが表示され、業務プログラム201の変更が必要となるボタン部品9113等の変更を可能にしている。
【0062】
ここで、入力部品9116とは、暗証番号等の顧客が入力したデータを表示する表示エリアを作成するためのものである。入力部品の追加や入力桁数の変更などは業務プログラム201の変更を必要とするため、拡張モードでのみ許され、基本モードでは表示色や表示位置など業務プログラム201の変更を要しない属性についてのみ変更が許される。
【0063】
拡張モードでの画面データ401の作成または変更が終了したならば、図9(b)に示すように、メニューバー9201内の「ツール」メニュー9202を選択し、プルダウンメニュー9203を表示させる。そして、プルダウンメニュー9203内の「業務プログラム作成用FD作成」メニュー9204を選択し、外部記憶部124から業務プログラム作成用媒体出力として出力させる。この場合、拡張モードで作成された画面データ401は、業務プログラム201に影響があるため、プルダウンメニュー9203における「全マップインストールFD作成」ツール(図8の8204)は表示させないようにしてあり、誤って業務プログラム202に整合性のとれていない画面データが現金取扱い装置1にインストールされることがないようにしている。
【0064】
図10は、画面データ作成装置2の基本モードにおける画面作成途中の画面表示例を示すものである。
【0065】
図示する画面1001は、変更対象の操作画面(例えば図3の「いらっしゃいませ」画面)301に変更用の表示を加えたもので、基本モードで作成または変更可能な部品一覧ウインド1003、各部品の画面上の表示位置、サイズ、表示するイメージデータの名称等の変更可能な項目を表示する属性一覧ウインドウ1004、テロップの表示/非表示、その表示をブリンクするか否か等を設定する表示条件ウィンドウ1005が表示されている。
【0066】
部品一覧ウインドウ1003と属性一覧ウインドウ1004とはリンクしており、部品一覧ウインドウ1003に表示された部品、例えば「文字部品」についてそのサイズを変更するとき、部品一覧ウインドウ1003内の「文字」をクリックすると、文字部品に関する属性一覧ウインドウ1004が表示され、この属性一覧ウインドウ1004内の「サイズ」1006を操作者がマウスクリック操作によって選択することにより、文字部品の属性の1つであるサイズの変更が可能となる。同様にして、イメージ部品やアニメ部品の属性であるポジション(位置)、サイズ、名称等についても変更することができる。また、文字部品の一種であるテロップを表示させたり、あるいは表示させていたテロップの表示時間を変更する場合には、属性一覧ウインドウ1004中の表示条件1007をマウスクリック操作によって選択し、表示条件ウインドウ1005を表示させ、この表示条件ウインドウ1005内で表示/非表示の選択、表示タイマの時間等の変更を行う。これにより、業務プログラム作成メーカまたは作成部門に画面データの作成または変更を依頼することなく、単なる画面表示のみの画面データ401を柔軟に作成または変更することが可能になる。
【0067】
なお、拡張モードの場合は、例えば、属性一覧ウインドウ1004中にボタンを何秒押下したら次の画面に移るか等の設定が可能な項目が表示する機能も備えている。
【0068】
図11は、画面データ作成装置2の立ち上げ時の処理を示すフローチャートである。
【0069】
前述したように、画面データ作成装置2は、立ち上げ時に基本モードで画面データ401を作成するのか、拡張モードで画面データ401を作成するのかを選択する必要がある。そこで、画面データ作成装置2の処理部121は、立ち上げ時に、モード選択画面を表示し(ステップ1100)、基本モードで使用するか、拡張モードで使用するかを操作者に選択させる。この場合、一度拡張モードにて変更された画面データ401については、すでに業務プログラム201の変更が必要となっているため、画面データ作成装置2を再立ち上げしても基本モードへの変更は抑止され、拡張モードでのみ画面データ401の変更が可能となる。
【0070】
画面データ作成装置2の処理部121は、ステップ1100で選択されたモードが基本モードであるのか、拡張モードであるのか、前回は拡張モードであったのかを判定し、前回が拡張モードであった時および今回が拡張モードであった時には、拡張モード用初期設定として拡張モードフラグをオンにする(ステップ1102)。しかし、前回も基本モードであり、今回も基本モードであった場合には、基本モード用初期設定として拡張モードフラグをオフにする(ステップ1103)。この場合、前回が拡張モードであった場合は、基本モードの選択は行えず、拡張モード用初期設定を行う。前回が拡張モードであったか否かは、外部記憶部124から読み込んだ画面データ401のモードフラグ702によって判定することができる。もし、前回が拡張モードであり、その拡張モードで変更した画面データ401に対する業務プログラム201の変更が業務プログラム作成メーカまたは作成部門で終了していなければ、外部記憶部124から読み込んだ画面データ401のモードフラグ702は、拡張モードのままになっているので、業務プログラム201の変更終了後でなければ、基本モードに移れない。
【0071】
そして、以降の処理で拡張モードまたは基本モードを判定する動作情報として所定記憶エリアに動作情報を格納する(ステップ1104)。画面作成装置2は、以降の処理で、拡張モードかを判断するときは、この所定エリアに格納された動作情報により判断する。
【0072】
図12は、図11の処理の立ち上げに続いて、部品一覧ウインドウを利用し、既に作成されている画面データ401を変更して新たな画面データ401を作成する場合の処理手順を示すフローチャートであり、まず、画面データ作成装置2の処理部121は外部記憶部124から既に作成済みの画面データ401を記憶部123にロードする(ステップ1201)。この後、処理部121は、ロードした画面データ401に基づいて図3に示したような画面を表示部122に描画して表示する(ステップ1202)。
【0073】
次に、図11で説明した画面データ作成装置2の立ち上げ時に選択されたモードが基本モードであるのか、拡張モードであるのかを判定し(ステップ1203)、拡張モードであれば図9(a)に示したような拡張モード画面9110を表示し、その中に拡張モード用の部品一覧ウインドウ9111を表示し(ステップ1204)、基本モードであれば図8(a)に示したような基本モード用の部品一覧ウインドウ8101を表示する(ステップ1205)。
【0074】
図13は、図12のフローに続く処理を示し、属性一覧ウインドウを利用し、既に作成済みの画面データ401を変更して所望の画面データ401を作成する場合の処理手順を示すフローチャートであり、処理部121は、図12の処理フローによってロードした画面データ401に基づいて図8(a)または図9(a)に示したような画面を表示部122に描画している。
【0075】
この表示状態で、操作者が変更対象の部分、すなわち、文字部品、ボタン部品、イメージ部品等をマウスのダブルクリックで選択すると(ステップ1301)、処理部121は拡張モードか否かを判定し(ステップ1302)、基本モードであれば、図10に示したような属性一覧ウインドウ1004を表示し、「ポジション」、「サイズ」「名称」等の変更可能な属性を表示する(ステップ1304)。しかし、拡張モードの場合は、図10に示したような属性一覧ウインドウ1004に加えて「何秒ボタンを表示するか」等の業務プログラム201に関わる項目も含む拡張モード用属性一覧ウインドウ1004を表示する(ステップ1303)。
【0076】
この属性一覧ウインドウ1004の中から「ポジション」、「サイズ」等の属性の1つが操作者によって選択されると(ステップ1305)、その選択された属性の内容に応じて属性データ(表示位置の座標データなど)の入力画面が表示される。操作者はこの属性データ入力画面により数値あるいは文字等の変更データを入力し(ステップ1306)、部品であるボタン等のサイズを変更し、既存の画面データから所望の画面データ401を作成する。
【0077】
そして、部品一覧ウインドウの中の表示部品の選択操作に応じて、その選択された部品の属性一覧ウインドウを図10に示したように表示させ、表示位置等の選択を操作者に行わせ、所望の画面構成の画面データを作成する。
【0078】
例えば、図10のの部品一覧ウインドウ1003のうち「文字部品」を操作者が選択すると、処理部121がその選択を判断し、文字が画面内に表示できるように設定する。そこで、操作者が所望の文字「いらっしゃいませ」を操作部125から入力すると、「いらっしゃいませ」という文字部品を持つ画面データ401が作成される。これによって、画面の所望の場所に文字部品やボタン部品等の新規登録が可能となる。
【0079】
ところで、画面データ作成装置2には、画面データを作成または変更する方法として、(1)部品一覧ウインドウを表示させ、その中の部品項目が選択されたならば、属性一覧ウインドウを表示し、表示位置等の属性を選択しながら所望の画面データ401を作成する方法と、(2)「いらっしゃいませ」画面等の既に作成された画面を表示させ、その中の「お引出し」等のボタン部品がマウスダブルクリック操作によって選択されたならば、その部品の属性一覧ウインドウを表示させ、表示位置等の属性を変更して所望の画面データ401を作成または変更する方法が用意されている。いずれも、部品一覧ウインドウと属性一覧ウインドウとがリンクしていることを利用するものである。前者の方法は、新規に画面データを作成する場合や部品を追加する場合に有効であり、後者の方法は、既に作成されている画面データ401の部品表示位置の変更や文字部品の文字、文言の変更等を行う場合に有効である。
【0080】
このようにして変更された画面データ401は、記憶部123に記憶され、その後、現金取扱い装置1に新規の表示画面又は変更後の表示画面の画面データ401としてインストールすることができる。
【0081】
業務プログラム201に影響しない画面データ401の作成または変更が終了したならば、その画面データ401を図8(b)で説明したような方法により、外部記憶部124のATMインストール用媒体に格納し、出力する。
【0082】
業務プログラム201に影響する画面データ401の作成または変更が終了したならば、その画面データ401を図9(b)で説明したような方法により、外部記憶部124の業務プログラム作成用媒体に格納し、出力する。この場合、拡張モードで作成されたことを識別するために、画面データ401に付加されるモードフラグは、「モードフラグ=拡張モード」に設定される。
【0083】
図14は、画面作成装置2の拡張モードで新規に画面を作成する場合の説明画面を示すものであり、新規作成の場合は、拡張モードを選択した後、図14に示すように、新規作成画面1405を表示させる。そして、例えば「いらっしゃいませ」文字部品1403を表示するように、部品一覧ウインドウ1401より文字部品1403を選択する。文字部品1403を表示する位置をマウスでクリックすると、ポジション、フィールド、背景色、拡大指定、デフォルト文言等を設定するダイアログが順番に表示され、デフォルト文言設定ダイアログで文字「いらっしゃいませ」をキーボードから入力する。文字「いらっしゃいませ」の入力が終了したならば、「いらっしゃいませ」文字部品1403が図14に示すように表示される。
【0084】
次に、ボタン部品1404を表示するために、部品一覧ウインドウ1401よりボタン部品1406を選択し、次にそのボタン部品1406を表示させる位置をマウスクリックで指定させる。ボタン部品1406の表示位置が確定したならば、ボタン部品の属性を設定するための入力項目ダイアログが順に表示される。そして、その確定位置に表示させるボタン部品1406のイメージデータを選択するため、ボタンのイメージを各種示すビットマップ選択ダイアログが表示される。そこで、操作者がビットマップ選択ダイアログ内から所望の表示ボタンイメージを選択すると、その表示イメージのボタン部品が新規作成画面1405中に表示される。次に、ボタン部品1404が例えば「支払い」ボタンであることを表示するために文字部品の追加として文字「支払い」を操作者に入力する。これにより、図14に示すように「支払い」ボタン1404が表示される。
【0085】
以上の繰り返しによって、文字部品、ボタン部品、動画部品、アニメ部品等の組み合わせから成る所望の画面データ401を作成する。
【0086】
図15〜図19は、以上説明した画面データ作成方法のさらに詳しい処理手順を示すフローチャートである。以下、これらのフローチャートと図21〜図34に示す画面例を参照して所望の画面データを作成する手順について詳細に説明する。
【0087】
図15は、画面作成プログラム127の立ち上げから画面編集を開始するまでの処理の流れを示したフローチャートである。
【0088】
まず、画面作成プログラム127を起動する(ステップ1501)。画面作成プログラム127が起動されると、画面データ作成装置2の処理部121は、この後、画面作成プログラム127が前回の起動時に拡張モードで起動されていたのか否かを判定し(ステップ1502)、前回の起動が基本モードであれば、モード選択ダイアログを表示し(ステップ1503)、操作者に拡張モードまたは基本モードを選択させる(ステップ1504)。図21にモード選択ダイアログ2100の表示例を示している。例えば、操作者が基本モードを選択しようとする場合には、図21(a)に示すように、マウスカーソル2101で「基本モード」の文字を選択した後、「OK」ボタンをクリック操作する。これによって、図21(b)に示すような画面作成プログラム(画面作成ユーティリティ)127の初期画面2102が表示され、基本モードでの画面データの編集(画面データの変更、削除、追加)が可能な状態になる。
【0089】
次に、モード選択ダイアログ2100によって基本モードが選択された場合には、拡張モードフラグをオフ、すなわちモードフラグ=「基本モード」に設定し、さらに新規画面の作成を不可能な状態にする(ステップ1505)。
【0090】
一方、前回起動時が拡張モードであった場合には、前回起動時に作成した画面データに対する業務プログラム201の変更が終了していないことになるため、基本モードへの遷移を抑止する必要がある。そこで、ステップ1503〜ステップ1505をスキップし、ステップ1506で拡張モードフラグをオン、すなわちモードフラグ=「拡張モード」に設定し、さらに新規画面の作成を可能な状態にする。
【0091】
以上のようにしてモード設定を実行した後、画面作成プログラム127の初期画面を表示する(ステップ1507)。基本モードでの初期画面は図21(b)に示した通りであるが、拡張モードでの初期画面も同様である。
【0092】
この初期画面の表示後、処理部12は、操作者による画面新規作成、画面変更又は媒体出力機能の選択待ち状態となる(ステップ1508)。そして、操作者によって、図22(a)のメニューバー2201の「ファイル」をマウスカーソルでクリックすると、プルダウンメニューで「新規作成」「開く」、「終了」が表示される。「新規作成」がクリックされ、画面の新規作成機能が選択された場合は、新規作成のシーケンスに移行し(ステップ1509,1510)、「開く」がクリックされ、画面変更機能(すなわち、作成済み画面データの読み込み)が選択された場合は画面更新シーケンスに移行する(ステップ1509、1511)。また、メニューバー2201の「ツール」をクリックし、図示しない媒体出力機能(すなわち、メニューバーの媒体出力ツール)が選択された場合には媒体出力シーケンスを実行する(ステップ1509、1512)。図8(b)、図9(b)がこれを示している。
【0093】
図16は、新規画面作成シーケンスと画面更新シーケンスの詳細を示したものである。ステップ1601から始まる画面更新シーケンスでは、まず、更新したい画面を呼出すための画面選択ダイアログを表示し(ステップ1602)、その画面選択ダイアログの中から更新したい画面を指定する(ステップ1603)。そして、指定された画面に対応した画面データ401を読み込み(ステップ1604)、変更したい画面を表示する(ステップ1605)。具体的には、図22(a)のメニューバー2201の中から「ファイルを開く」のメニュー2202を選択すると、図22(b)に示すような画面選択ダイアログである「マップの読み込み」ダイアログ2203を表示させる。ここで、マップとは、画面データのことである。このダイアログ2203の表示状態で、例えば、マップ名称「G000JSMP.MAP」2204を操作者が選択すると、図23に示すように、「G000JSMP.MAP」の画面2301が表示される。なお、この状態では、図23に示す部品一覧ウインドウ2302は未だ表示されず、後述のステップ1609またはステップ1610の処理によって表示される。「G001JSMP.MAP」は、例えば、図4に示す識別子「G001」の「いらっしゃいませ」画面の画面データである。
【0094】
一方、新規画面作成シーケンスの場合は、図24(a)に示すように、メニューバー2401の中から「新規作成」のメニュー2402を選択し、図24(b)に示すようなブランク画面を新規作成画面2403として表示する(ステップ1607)。
【0095】
このようにして更新画面または新規作成画面を表示した後は、新規画面作成シーケンスと画面更新シーケンスの処理は共通となる。
【0096】
画面表示後、処理部121は文字、イメージ等を更新画面または新規作成画面に追加するための部品一覧ウインドウを表示するため、まず、現在のモードをステップ1505またはステップ1506の実行により設定されたモードフラグにより判定する(ステップ1608)。この判定の結果、モードフラグがオフ、すなわち基本モードであれば、業務プログラム201に影響のない部品が登録された基本モード用部品一覧ウインドウを表示し(ステップ1610)、拡張モードであれば、業務プログラム201に影響のあるボタン部品等の部品を含んだ拡張モード用部品一覧ウインドウを表示する(ステップ1609)。図23および図24(b)では、拡張モード用部品一覧ウインドウ2302、2404が表示されていることを示している。
【0097】
この後、画面作成作業のための操作待ち状態となる(ステップ1612)。画面作成作業は、部品一覧ウインドウを使用し、イメージ部品や文字部品の追加等の部品追加操作(ステップ1615)、マウスダブルクリック操作による既に表示されているイメージ部品や文字部品等を変更する部品更新操作(ステップ1614)及び「ファイルを閉じる」のメニュー選択による画面作成作業を終了する操作(ステップ1616)により、各々の処理へ分岐する(ステップ1613)。
【0098】
図17は、図16の部品更新操作により起動されるシーケンスであり、図10に示した文字部品302、イメージ部品303やボタン部品305等を表示画面上でマウス操作によってダブルクリックすることにより、部品更新シーケンスを実行する(ステップ1701)。そして、ダブルクリックにより選択された部品がイメージ部品であれば、イメージ部品用属性一覧ウインドウを図10の属性一覧ウインドウ1004のように表示し(ステップ1702、1703)、文字部品であれば、文字部品用属性一覧ウインドウを表示し(ステップ1702、1704)アニメ部品であればアニメ部品用属性一覧ウインドウを表示し(ステップ1702、1705)、動画部品であれば動画部品用属性一覧ウインドウを表示し(ステップ1702、1706)、ボタン部品であれば動画部品用属性一覧ウインドウを表示する(ステップ1702、1707)。
【0099】
この後、画面作成プログラム107が拡張モードで起動されているかをモードフラグにより判定し(ステップ1708)、拡張モードフラグがオン、すなわちモードフラグ=「拡張モード」であれば、表示中の属性一覧ウインドウに拡張モードでのみ変更可能な項目を属性一覧ウインドウ中に追加表示し(ステップ1709)、基本モードであれば基本モードでのみ変更可能な項目を表示する。
【0100】
それぞれのモードに応じた属性変更の可能な項目の表示後、処理部121は操作者による選択待ち状態となり(ステップ1710)、属性一覧ウインドウに表示されている位置、サイズ等の項目をマウスクリックにより選択されるの待つ(ステップ1711)。そこで、位置、サイズ等の属性変更項目が操作者によって選択されると、属性変更項目の設定ダイアログが表示され、その設定ダイアログ中での属性変更項目の入力により、画面データが変更される(ステップ1712)。
【0101】
このステップ1710からステップ1712までを繰り返すことにより、表示部品の位置、サイズ、属性等を変更することが可能となる。そして、ステップ1601より開始された部品更新シーケンスは、属性一覧ウインドウ中の「設定終了」をマウスクリック操作で選択することにより、ステップ1712に移り、ここで、変更された項目を反映した画面データ401として記憶部123に格納され、部品更新シーケンスを終了する(ステップ1713)。部品更新シーケンスを終了した後は、図16の画面操作待ちシーケンスのステップ1611に戻る。
【0102】
図25は、イメージ部品の位置を変更する場合の画面例を示すものであり、図示のようなイメージ部品2501の位置を変更する場合には、イメージ部品2501の任意の位置にマウスカーソル2502を合わせ、ダブルクリックする。すると、図示のように、ポジション、イメージ名称、表示条件というイメージ部品変更のための変更可能な属性一覧ウインドウ2503が表示される。そこで、「ポジション」2504をマウス操作によって選択すると、図25(b)に示すように、表示位置の変更に関する詳細設定を行うための「ポジション設定」ダイアログ2505が追加表示される。この状態で、イメージ部品2501の移動後の水平ポジション、垂直ポジションを例えばピクセル単位で数値入力し、「OK」ボタンを選択し、さらに属性一覧ウインドウ2503中の「設定終了」を選択すると、図26に示すようにイメージ部品2501は指定した位置に移動して表示される。イメージの内容自身を変更したときは、属性一覧ウインドウ2503の「イメージ名称」をマウス操作によってクリックすると、イメージの各種候補を表示した「ビットマップ選択」ダイアログ(図示せず)が追加表示されるので、その中から1つをマウス操作でクリックして選択する。
【0103】
図27は、ボタン部品の位置を変更する場合の画面例を示すものであり、図示のようなボタン部品2701の位置を変更する場合には、ボタン部品2701の任意の位置にマウスカーソル2702を合わせ、ダブルクリックする。すると、図示のように、ポジション、表示名称、ダウン名称、アップ名称、ブリンク名称、表示条件、KEY定義という変更可能な属性一覧ウインドウ2703が表示される。そこで、「ポジション」2704をマウス操作によって選択すると、図27(b)に示すように、表示位置の変更に関する詳細設定を行うための「ポジション設定」欄2705が追加表示される。この状態で、ボタン部品2701の移動後の水平ポジション、垂直ポジションを例えばピクセル単位で数値入力し、「OK」ボタンを選択し、さらに属性一覧ウインドウ2703中の「設定終了」を選択すると、図28(a)に示すようにボタン部品2501は指定した位置に移動して表示される。
【0104】
ここで、ダウン名称、アップ名称およびブリンク名称とは、ボタン部品のビットマップ名称を変更する場合に使用するものである。また、KEY定義とは、現金取扱い装置の顧客操作画面に触れたときに、どのボタンに触れたかを決定する範囲を設定するものである。
【0105】
一方、図27(a)の表示状態において、属性一覧ウインドウ2703中の「表示条件」が選択された場合には、図28(b)に示すようにボタンの表示状態、ブリンク初期状態、ブリンクタイマという詳細設定を行うための「表示条件の設定」欄2801が表示される。そこで、「ブリンク有」2802を選択し、さらに「ブリンクタイマ」2803で表示名称タイマの時間を100ms単位で設定すると、表示名称で指定したボタン部品がその設定時間単位でブリンクして表示されるようになる。ボタンの模様、形状等を変更したい時は、属性一覧ウインドウから「表示名称」を選択し、ボタンの各種候補を保持した「ビットマップ選択ダイアログ」を表示し、その中から選択することにより変更する。
【0106】
図29は、アニメ部品の位置を変更する場合の画面例を示すものであり、図示のようなアニメ部品2901の位置を変更する場合には、アニメ部品2901の任意の位置にマウスカーソル2902を合わせ、ダブルクリックする。すると、図示のように、ポジション、パターン数、切替え時間、繰返回数、アニメ名称という変更可能な属性一覧ウインドウ2903が表示される。そこで、「ポジション」2904をマウス操作によって選択すると、図29(b)に示すように、表示位置の変更に関する詳細設定を行うための「ポジション設定」欄2905が追加表示される。この状態で、アニメ部品2901の移動後の水平ポジション、垂直ポジションを例えばピクセル単位で数値入力し、「OK」ボタンを選択し、さらに属性一覧ウインドウ2903中の「設定終了」を選択すると、図30(a)に示すようにアニメ部品2901は指定した位置に移動して表示される。
【0107】
ここで、パターン数とはアニメーション表示に使用するアニメ部品の数、切替え時間とは何秒表示したら次のアニメ部品へ切り替えるかを示す時間、繰返回数とは複数のアニメ部品によるアニメーション表示を何回繰り返すかを示す値のことである。
【0108】
図29(a)の表示状態で、「パターン数」を選択した場合には、図30(b)に示すように詳細設定を行うための「マップ切替パターンの設定」欄2906が追加表示される。この状態で、任意の切替えパターン数nを設定すると、n個のアニメ部品の繰り返しによるアニメーション表示がなされるようになる。
【0109】
次に、図16の部品一覧ウインドウ選択により起動される部品追加シーケンスについて図18を用いて説明する。
【0110】
まず、部品を追加する場合は、部品一覧ウインドウから追加したい部品を選択し(ステップ1801、1802)、追加部品を表示させたい位置をマウスクリックにより指定する。処理部121は選択された追加部品の表示に必要な属性入力項目が定義されている入力テーブルを記憶部123内に準備する。具体的には、操作者によって選択された追加部品がイメージ部品であれば、イメージ部品の表示に必要な入力項目が定義されているイメージ部品用入力テーブルを準備し(ステップ1803)、文字部品であれば文字部品用入力テーブルを準備する(ステップ1804)。同様にして、アニメ部品、動画部品、ボタン部品に関する入力テーブルを準備する(ステップ1805,1806,1807)。
【0111】
入力テーブルは、図20に示すようなフォーマットで構成されている。図20に示す入力テーブル2001は、表示部品毎に入力が必要なダイアログの名称が登録されており、図18のステップ1810からステップ1812までの入力項目処理で表示するダイアログの表示順に登録されている。例えば、イメージ部品については、位置、サイズ、名称、表示条件の順にこれらの入力項目を入力させるためのダイアログ名称が登録されている。
【0112】
各々の追加部品に必要な入力テーブルを準備した後、処理部121は、モードフラグ702によりモードを判定し(ステップ1808)、拡張モードフラグがオンであれば、すなわちモードフラグ=「拡張モード」であれば、準備した入力テーブルに、業務プログラム201の変更が必要になるような入力項目を追加する(ステップ1809)。
【0113】
この後、入力テーブルに従い、選択された追加部品の入力項目ダイアログを表示する(ステップ1810)。そして、入力テーブル中の属性入力項目ダイアログ順に、必要な属性を操作者に入力させる(ステップ1812)。例えば、イメージ部品が選択されている場合、入力テーブルに登録されている順に従い、「ポジション」、「名称」を設定するための入力項目ダイアログが順々に表示される。そして、入力テーブル中の全ての入力項目ダイアログにおける入力項目の入力が終了したならば(ステップ1811)、入力された値あるいはデータを画面データ401として格納し(ステップ1813)、図16の画面操作待ちシーケンス1611へ戻り、次の操作を待つ(ステップ1714)。
【0114】
図31は、ボタン部品を追加する例を示す図であり、図24(b)の表示状態で、部品一覧ウインドウ2404の「ボタン」をマウスクリックにより選択し、次にボタンを表示させたい位置をマウスクリックによって指定する。これにより、ボタン部品の追加に必要な入力項目ダイアログが順々に表示される。まず、図31に示すビットマップ画像の選択ダイアログ3101が表示される。この選択ダイアログ3101は、ボタン部品だけでなく、動画部品、アニメ部品、イメージ部品および共通の絵、図柄をビットマップで有している。ボタン部品タグ3102をマウスクリックで選択すると、ボタンの絵の候補が示され、この中から追加したい1つ例えばボタン3103をマウスクリックによって選択し、OKボタンをクリックする。続いて、表示条件の設定ダイアログが表示される。この表示条件の設定ダイアログは、図28(b)に示した表示条件の設定ダイアログ2801と同様であり、ブリンクの有無やブリンクタイマ等の表示条件を入力し、OKボタンをクリックする。
【0115】
続いて、ポジションの設定ダイアログが表示される。このポジションの設定ダイアログは、図27(b)に示したポジションの設定ダイアログ2705と同様であり、先にマウスクリックによって指定した位置の値が入っているので、確認してOKボタンをクリックする。
【0116】
次に、図32に示すキーマップテーブルの設定ダイアログ3201が表示される。このキーマップテーブルの設定ダイアログ3201は、現金取扱い装置1の案内操作画面を触れたとき、どのボタンに触れたかを決定するためのタッチパネルの有効範囲を設定するもので、通常は例えばボタンの表示サイズと同じに設定されているので、通常はOKボタンをクリックする。図32のキーマップテーブルの設定ダイアログ3201は、「タッチパネル有効範囲」3202と「その他の定義情報」3203が設定可能になっている。
【0117】
これにより、ボタンの入力項目が設定入力され、この設定入力に従ったボタンが表示される。ボタン部品上の「お預入れ」、「お引出し」等の文字は、部品一覧の「文字」を選択し、文字部品の追加として入力する。別の方法では、図31のボタンの絵の候補として、予め「お預入れ」、「お引出し」等の文字を記載したボタンのビットマップを用意しておくことにより、そのビットマップの選択により一度に選択することができる。
【0118】
なお、テロップを表示させる場合は、図33に示すように、部品一覧ウインドウの「文字」を選択した後、テロップを表示させたい位置をマウスカーソル3301で指定し、文字部品の追加の入力テーブルに従う入力項目ダイアログによって必要な入力項目を設定し、テロップ文字を入力する。例えば、図示のように、「貯蓄は○○銀行へ」という文字を入力する。図33(b)は、「表示属性の設定」ダイアログ3302であり、ここでテロップ文字の移動量、桁数、テロップ文字を移動させる際の開始位置などの属性を設定する。テロップ文字を例えば画面左側方向に移動するように設定した場合は、図34(a)、(b)に示すように、「貯蓄は○○銀行へ」という文字3303が移動しながら表示される。
【0119】
図19は、図15のステップ1509で媒体出力ツールを選択した場合の媒体出力シーケンスを示すフローチャートであり、この媒体出力シーケンスでは、まず、モードフラグ702によって拡張モードがオンであるか否かを判定し(ステップ1902)、拡張モードがオンであれば、図9(b)に示したように、ATMインストール用FD作成機能が抑止されているプルダウンメニュー9203を表示し(ステップ1903)、拡張モードフラグがオフであれば、図8(b)に示したように、ATMインストール用FD作成機能が抑止されていないプルダウンメニュー8203を表示する(ステップ1904)。
【0120】
媒体出力用のプルダウンメニューの表示の後、処理部121は媒体出力方法選択待ちとなる(ステップ1905)。そこで、操作者のマウス操作により媒体出力方法が選択されると(ステップ1906)、選択された媒体出力方法に従って外部記憶部124から出力媒体を出力する。すなわち、業務プログラム作成用の媒体出力が選択された場合は、業務プログラム201の作成を目的とした図4の画面データ401と異なる形式で(ステップ1907)、また、全マップインストール用FD出力が選択された場合は、現金取扱い装置1に直接インストール可能なすべての画面データが格納された図4の画面データ401の形式で出力媒体(例えば、FD)を出力する(ステップ1908)。また、個別ビットマップ用FD出力が選択された場合には、図4の画面データ401のうち変更された部分のみが格納された出力媒体(例えば、FD)を出力する(ステップ1909)。この後、図16の操作待ちステップ1611へ戻る(ステップ1910)。
【0121】
以上のように、本発明の実施形態においては、顧客操作型自動機の業務プログラムで使用する画面データを、画面データの変更あるいは修正によって業務プログラムの変更が必要になる画面データ部分と、業務プログラムの変更不要な画面データ部分に分けて作成または更新するようにしたため、業務プログラムの変更・修正が不必要な画面の変更をエンドユーザ(銀行・金融機関など)が自由にカスタマイズして使用することが可能になる。
【0122】
なお、上記実施形態においては、画面データのみの作成について説明したが、音声で他の入出力機能を付加することにより、画面データと共に音声などのデータを含むものについても編集し、作成することができる。
【0123】
また、画面データ作成装置2内で使用する画面作成プログラム、画面操作プログラム、画面表示プログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記憶させ、汎用のコンピュータにインストールすることにより、汎用のコンピュータで上記したような画面データの作成、編集が可能になる。このような記録媒体には、顧客操作型自動機の画面遷移制御を行う業務プログラムの変更を必要とする画面データと、変更を必要としない画面データとを異なるモードで作成または変更する処理プログラムと、作成された画面データに基づく画面を表示する処理プログラムとが記録される。
【0124】
あるいは、画面データの構成要素となる部品データ群と、この部品データ群を使用し、前記顧客操作型自動機の画面遷移制御を行う業務プログラムの変更を必要とする画面データと変更を必要としない画面データとを異なるモードで作成または変更する処理プログラムと、作成された画面データに基づく画面を表示する処理プログラムとが記録される。
【0125】
この場合、CD−ROM等の記録媒体に代えて、インタネットなどの通信網を介してインストールすることができることは言うまでもない。
【0126】
また、表示位置の変更は、新たな表示位置をピクセル単位で指定するようにしているが、マウスを用いたドラッグ操作によって行うこともできる。また、複数のボタン部品を作成する場合は、1つのボタン部品をコピーして作成することができる。
【0127】
さらに、業務プログラムの変更画必要な部品として、ボタン部品を代表して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、暗証番号の入力フィールドの桁数の変更があった場合にも業務プログラムを変更する必要があるため、このようなものについても業務プログラムの変更画必要な部品として扱うようにすることは言うまでもない。
【0128】
また、ボタン部品については、単なる表示位置の変更であっても拡張モードで作成または変更可能にしているが、図35に示すように、ボタンの追加および削除についてのみ拡張モードで処理し、表示位置の変更や名称の変更などについては業務プログラムの変更を必要としないため、基本モードで処理するようにすることができる。
【0129】
さらに、モード選択操作の後に、その選択されたモードで作成または変更可能な部品一覧ウインドウや属性一覧ウインドウを表示しているが、これとは逆に、部品選択あるいは属性選択が行われたならば、その選択された部品または属性を作成、変更可能なモードに移るようにしてもよい。
【0130】
図36は、部品の追加、変更などの作業内容を入力することにより、その作業内容に適したモードを自動設定する処理を示すフローチャートである。このモード自動設定処理は、画面データの作成途中でモードの変更を許さないようにするために、画面作成装置の起動時のみ実行される。
【0131】
まず、処理部121は、図37に示すようなモードの自動選択画面3700で「作業内容を入力してください」というメッセージ3701を表示し、作業内容の入力待ちの状態となっている。この状態で、画面データを作成または変更しようとする操作者は、部品の追加、変更などの作業内容を入力欄3702に文字入力する。例えば、「ボタンの追加」という具合に文字入力する。処理部121は、作業内容が入力されたことを認識し(ステップ3601)、その入力された作業内容の文字をキーワードにして基本/拡張モード判定テーブル3610を参照する(ステップ3602)。基本/拡張モード判定テーブル3610は、図7に示した機能をデータテーブルとして構成したものである。
【0132】
この結果、操作者が入力した作業内容に適した動作モードを表わす情報がテーブル3610から得られる。処理部121は、操作者が入力した作業内容に適した動作モードがいずれのモードであるかを認識し(ステップ3603)、そのモードに応じた確認画面を表示し(ステップ3604、3607)。例えば、「ボタンの追加」という作業内容が入力された場合には、図37に示すように拡張モードに自動設定する旨のメッセージを含む確認画面3703を表示する。これに対して、操作者がマウスクリック操作によって「OK」ボタンを選択したならば、その確認された動作モードに自動設定する(ステップ3606、3609)。
【0133】
しかし、操作者がマウスクリック操作によって「NO」ボタンを選択したならば、ステップ3601の作業内容の選択待ち状態に戻る(ステップ3605、3608)。また、「キャンセル」ボタン選択したならば、このモード自動設定シーケンスを終了する。
【0134】
このようにすることにより、画面データの作成または変更の作業を行おうとする者が、その作業は基本モードで実施すべきなのか、拡張モードで実施すべきものかを予め知っておく必要がなく、画面データの作成を容易に行うことが可能になる。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1および第2の作成モードを設け、第1のモードにおいて顧客操作型自動機の画面遷移制御を行う業務プログラムの変更を必要とする操作案内画面の画面データの作成を可能とし、第2の作成モードにおいて変更を必要としない画面データの作成を可能とし、かつ変更を必要とする操作案内画面の画面データの作成を抑止するようにしたため、表示画面の変更あるいは修正を柔軟に行うことができる。この結果、業務プログラムの修正無しにユーザインターフェースを含む画面データを顧客操作型自動機のエンドユーザ自身で柔軟に変更することが可能になり、各種のイベント等における情報をタイムリーに表示させるなどのサービスを提供することができる。また、業務プログラムの作成メーカまたは作成部門に画面変更を依頼する必要がなくなるため、画面変更費用の節約を図ることができる。一方、業務プログラムの作成メーカまたは作成部門にとっては、単なる表示の変更であれば、業務プログラムの変更が不要であることから、業務プログラムの品質を悪化させる要因を排除することができる。
【0136】
また、業務プログラムの変更を必要とするモードで作成されたものであれば、業務プログラムの変更を必要としないモードでの更新を抑止することにより、業務プログラムの変更を実施することを促し、業務プログラムの変更が実施されることを保証することができ、業務プログラムと画面データとの整合性が崩れるのを防止することができる。
【0137】
さらに、コンピュータの表示部の同一画面上に、作成対象の操作案内画面と、該操作案内画面に追加する表示部品を指定するための部品一覧ウインドウとを表示し、部品一覧ウインドウ中の1つの部品の選択に応答して、該部品の表示のための入力項目をさらに同一画面上に表示し、表示された入力項目に従って設定入力を受け、該設定入力に応じた部品を作成対象の操作案内画面のエリアに表示し、作成された操作案内画面を画面データとして格納するようにしたため、判り易い操作で所望の画面データを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した画面作成装置と、該画面作成装置で作成した画面データを使用する現金取り扱い装置および画面データを配付する上位処理装置とからなるシステムの一実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】現金取り扱い装置で使用される画面制御ソフトウェアの構成図である。
【図3】現金取り扱い装置の顧客表示部に表示される画面の例を示す図である。
【図4】現金取り扱い装置の顧客表示部に表示する画面を生成するための画面データの構成図である。
【図5】各画面における画面データのフォーマット構成図である。
【図6】画面データを作成する画面データ作成装置の機能と、この画面データ作成装置で作成または変更された画面データにより、業務プログラムを作成または変更する過程を示す図である。
【図7】基本モードと拡張モードの機能、モードフラグと画面データとの関係を示す図である。
【図8】画面作成装置の基本モードで表示される画面の例を示す図である。
【図9】画面作成装置の拡張モードで表示される画面の例を示す図である。
【図10】画面作成装置の基本モードにおける画面作成途中の画面表示例を示す図である。
【図11】画面データ作成装置の立ち上げ時の処理を示すフローチャートである。
【図12】部品一覧ウインドウを使用し、既に作成されている画面データを変更して新たな画面データを作成する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】属性一覧ウインドウを使用し、既に作成されている画面データを変更して新たな画面データを作成する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】画面作成装置の拡張モードで新規に画面を作成する場合の説明画面を示す図である。
【図15】画面作成プログラムの立ち上げから画面編集を開始するまでの処理の流れを示したフローチャートである。
【図16】新規画面作成シーケンスと画面更新シーケンスの詳細を示したフローチャートである。
【図17】図16の部品更新操作により起動されるシーケンスを示すフローチャートである。
【図18】図16の部品追加操作により起動されるシーケンスを示すフローチャートである。
【図19】図15のステップ1509で媒体出力ツールを選択した場合の媒体出力シーケンスを示すフローチャートである。
【図20】図18における部品入力テルのフォーマット構成図である。
【図21】モード選択ダイアログの例を示す図である。
【図22】作成済みの画面データを読み込んで新たな画面データを作成する場合の表示例を示す図である。
【図23】作成済みの画面データを読み込んで表示した例を示す図である。
【図24】画面データの新規作成用の初期画面を示す図である。
【図25】イメージ部品の位置を変更する場合の画面例を示す図である。
【図26】位置が変更されたイメージ部品の表示例を示す図である。
【図27】ボタン部品の位置を変更する場合の画面例を示す図である。
【図28】位置が変更されたボタン部品の表示例と表示条件の属性を設定する画面の例を示す図である。
【図29】アニメ部品の位置を変更する場合の画面例を示す図である。
【図30】位置が変更されたアニメ部品の表示例と属性を設定する画面の例を示す図である。
【図31】ボタン部品を追加する場合の画面例を示す図である。
【図32】ボタン部品を追加する場合の属性設定画面の例を示す図である。
【図33】テロップ部品を追加する場合の画面例を示す図である。
【図34】テロップ部品が追加された画面例を示す図である。
【図35】基本モードと拡張モードにおけるボタン部品の編集機能の他の例を示す図である。
【図36】作業内容を入力することにより動作モードを自動設定する処理を示すフローチャートである。
【図37】動作モードを自動設定する時の利用者に対する確認画面の例を示す図である。
【符号の説明】
1…現金取扱い装置、2…画面データ作成装置、3…上位処理装置、102…処理部、103…顧客用表示部、128…記憶部、104…顧客用操作部、121…処理部、122…表示部、123…記憶部、125…操作部、127…画面作成プログラム、201…業務プログラム、203…画面表示プログラム、204…画面操作プログラム、302…文字部品、303…イメージ部品、305…ボタン部品、304…テロップ部品、401…画面データ、412…ボタンデータ部、506…表示情報部分、507…業務プログラム変更要部分、702…モードフラグ、2100…モード選択ダイアログ、8100…基本モード画面、9100…拡張モード画面、8101…基本モードでの部品一覧ウインドウ、9111…拡張モードでの部品一覧ウインドウ、1004…属性一覧ウインドウ、1005…表示条件ウインドウ。

Claims (4)

  1. 顧客の操作入力を受けて複数の画面を遷移して取引を実行する顧客操作型自動機の前記画面を修正する画面データ作成装置であって、
    前記画面にボタン部品の追加又は削除する修正を抑止し且つ当該第1モードにおいて修正された画面のデータを前記顧客操作型自動機へインストールするための出力を許容する第1モードと、前記画面にボタン部品を追加又は削除する修正を許容し且つ当該第2モードにおいて修正された画面のデータを前記顧客操作型自動機ヘインストールするための出力を抑止し業務プログラム作成用の出力を許容する第2モードとを設定する処理部を有することを特徴とする画面データ作成装置。
  2. 顧客の操作入力を受けて複数の画面を遷移して取引を実行する顧客操作型自動機の前記画面を修正する画面データ作成装置であって、
    前記複数の画面に新たな画面を追加又は画面を削除する修正を抑止し且つ当該第1モードにおいて修正された画面のデータを前記顧客操作型自動機へインストールするための出力を許容する第1モードと、前記複数の画面に新たな画面を追加又は画面を削除する修正を許容し且つ当該第2モードにおいて修正された画面のデータを前記顧客操作型自動機へインストールするための出力を抑止し業務プログラム作成用の出力を許容する第2モードとを設定する処理部を有することを特徴とする画面データ作成装置。
  3. 顧客の操作入力を受けて複数の画面を遷移して取引を実行する顧客操作型自動機の前記画面を修正する画面データ作成装置であって、
    前記画面にボタン部品の追加又は削除する修正を抑止し且つ前記複数の画面に新たな画面を追加又は画面を削除する修正を抑止し且つ当該第1モードにおいて修正された画面のデータを前記顧客操作型自動機ヘインストールするための出力を許容する第1モードと、前記画面にボタン部品を追加又は削除する修正を許容し且つ前記複数の画面に新たな画面を追加又は画面を削除する修正を許容し且つ当該第2モードにおいて修正された画面のデータを前記顧客操作型自動機へインストールするための出力を抑止し業務プログラム作成用の出力を許容する第2モードとを設定する処理部を有することを特徴とする画面データ作成装置。
  4. 請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の画面データ作成装置であって、
    前記処理部は、
    前記画像データ作成装置の表示部の同一画面上に、作成対象の操作案内画面と、該操作案内画面に追加する表示部品を指定するための部品一覧とを表示し、
    前記部品一覧中の1つの部品の選択に応答して、該部品の表示のための入力項目をさらに同一画面上に表示し、表示された入力項目に従って設定入力を受け、
    該設定入力に応じた部品を上記作成対象の操作案内画面のエリアに表示し、
    作成された操作案内画面を画面データとして格納することを特徴とする画面データ作成装置
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