JP3804567B2 - 車両のエンジンフード構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のエンジンルームを開閉するエンジンフード構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
セミボンネットタイプのワゴン車等の車両のエンジンフードは一般の乗用車に比べ、その前後幅を短くしている。図13はセミボンネットタイプ車の従来の代表的なエンジンフードを示すもので、図13(A)にフードの裏面図、図13(B),(C)にそれぞれフードの各部位における断面図を示す。エンジンフード1Hは、外板たるフードアウタ2の裏面に、フードアウタ2の外周部に沿う外枠部3rと、外枠部3r間に架設された複数の中枠部3s,3tとを備えた枠状のフードインナ3Hを設けて、フードアウタ2に張り剛性を持たせている。
【0003】
フードインナ3Hの外枠部3rは、その外周縁32をフードアウタ2の外周縁21にヘミング加工するとともに、その内周縁33をマスチックシーラ8等によりフードアウタ2の裏面に接着してフードアウタ2とで閉断面を形成している。また、フードインナ3Hの中枠部3s,3tは、断面逆ハット形で、両側縁35をフードアウタ2の裏面にマスチックシーラ8等により接着してフードアウタ2とで閉断面を形成している。図中、9はエンジンルーム閉鎖時にエンジンフード1Hを車体へロックするストライカである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両が歩行者に衝突した場合、歩行者は下半身に受けた衝撃の反動で上半身がフードアウタ上に倒れ込み、フードアウタに肩や頭部が打ち付けられることが起こり得る。
【0005】
ところが、エンジンフード1Hは、フードアウタ2とこれを支持するフードインナ3Hとが閉断面を形成している上に、セミボンネット車のエンジンフード1Hはその前後幅が短いのでフードインナ3Hが突っ張って、フードアウタ2の衝突荷重に対する変形量が普通乗用車に比べて少なく、歩行者に対する衝突エネルギーの吸収性能が低い。そこで、フードインナ3Hの板厚を小さくしてフードインナ3Hの剛性を下げることも考えられるが、このようにするとエンジンフード1H全体の必要な剛性が確保されにくいという問題がある。
【0006】
そこで本発明はかかる事情に鑑み、エンジンフード全体の剛性を確保し、かつ車両が歩行者に衝突したときにフードアウタに作用する衝突エネルギーを吸収して歩行者への衝撃を緩和する衝撃吸収性能の高い車両のエンジンフード構造を提供することを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外板をなすフードアウタと、該フードアウタの外周部の裏面に沿う外枠部と該外枠部間に架設した中枠部とからなる枠状のフードインナとで構成された車両のエンジンフード構造において、上記フードインナは、上記外枠部の内周縁の高さおよび上記中枠部の高さを上記外枠部の外周縁の高さよりも低く設定し、かつ、上記外枠部の内周縁および上記中枠部の側縁に上方へ向かって舌片状に起立する複数のフランジを互いに間隔をおいて設け、上記フードインナの外枠部の内周縁および中枠部を上記フードアウタの裏面から離間せしめて上記外枠部の外周縁を上記フードアウタの外周縁に結合するとともに、上記各フランジの上端をフードアウタの裏面に接着する(請求項1)。フードアウタをフードインナから浮かせてフードアウタを上記フランジで支える構造としたから、フードアウタ上に歩行者が衝突したとき、上記フランジが変形し、フードアウタが下方へ撓むことで、歩行者への衝撃が緩和される。また、エンジンフード全体の面方向の剛性およびフードアウタの張り剛性も、フードアウタがその裏面からフードインナのフランジにより支えられることで、充分に確保される。
【0008】
上記フードインナの外枠部と中枠部との間または外枠部間に、両端部が上記外枠部の内周縁または中枠部の側縁から起立し、中間部が上記フードアウタの裏面に沿う架橋部材を設け、上記中間部をフードアウタの裏面に接着せしめるようにする(請求項2)。上記架橋部材を設けたことで、フードアウタの張り剛性は向上する。また、フードアウタの上に歩行者が衝突したとき、上記架橋部材はフードアウタを支えつつ変形し、優れた衝突エネルギー吸収効果が奏される。
【0009】
上記フードインナの外枠部の内周縁および中枠部をフードアウタの裏面から離間せしめた車両のエンジンフードにおいて、上記フードインナの外枠部の内周縁および中枠部の側縁には、上記外枠部の前枠、後枠、および中枠部と交差する方向に延びる一直線上位置に切欠き部または溝部を形成する(請求項3)。フードアウタの上に歩行者が衝突して大きな衝突荷重が作用し、フードアウタが撓み変形し、更にフードアウタがフードインナに衝き当たった際に、フードインナが上記切欠き部または溝部で折れ変形するので、歩行者への衝撃を効果的に緩和することができき、歩行者の受ける傷害が軽減される。
【0010】
外板をなすフードアウタと、該フードアウタの外周部の裏面に沿う外枠部と該外枠部間に架設した中枠部とからなる枠状のフードインナとで構成された車両のエンジンフード構造において、上記フードインナは、上記外枠部の内周縁の高さを外周縁の高さよりも低く設定し、上記中枠部を、両端部が上記外枠部の内周縁から上方へ向かって起立し、中間部がフードアウタの裏面に沿う形状に形成し、上記外枠部の内周縁を上記フードアウタの裏面から離間せしめて上記外枠部の外周縁をフードアウタの外周縁に結合するとともに、上記中枠部の中間部をフードアウタの裏面に接着せしめる(請求項4)。フードアウタの上に歩行者の衝突荷重が作用した際、両端に起立部を有し、フードアウタを支持するフードインナの中枠部自体が撓み変形することで、衝突エネルギーが吸収される。
【0011】
上記フードインナの外枠部の前枠および後枠の内周縁に、上記前枠および後枠と交差する方向に延びる一直線上位置に切欠き部または溝部を形成する(請求項5)。フードアウタの上に歩行者が衝突して大きな衝突荷重が作用した際、フードインナの中枠部が撓み変形し、更にフードインナの外枠部が上記切欠き部または溝部で折れ変形するので、歩行者への衝撃を効果的に緩和することができ、歩行者の受ける傷害が軽減される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。図1(A)は本発明を適用したセミボンネットタイプのワゴン車のエンジンフード1の裏面図を示し、図1(B)および図1(C)はそれぞれ図1(A)のIB−IB線、IC−IC線に沿う位置での断面図である。図に示すように、エンジンフード1は、車幅方向に長く若干弓なりに湾曲する長方形状で、外板を構成する平板状のフードアウタ2と、フードアウタ2の裏面に設けた枠状のフードインナ3とで構成してある。
【0013】
フードインナ3は、フードアウタ2の外周部の裏面に沿うように形成した矩形状の外枠部3rと、外枠部3r内に設けて外枠部3rの前枠と後枠との間を架けわたす複数の中枠部3s,3tとからなる。中枠部3sは、外枠部3rの幅方向ほぼ中央位置に一対設けてあり、外枠部3rの前枠と後枠とを前後に架けわたすものである。中枠部3tは、中枠部3sの左右位置で外枠部3rの前枠と後枠とを斜めに架けわたすように形成してある。
【0014】
フードインナ3の外枠部3rは、平坦な底壁30の外縁から外壁31が起立し、外壁31の上縁には外側へ屈折したフランジ状の外周縁32が形成してある。そして、外周縁32は、フードアウタ2の外周縁21の裏面に結合してある。外枠部3rの外周縁32とフードアウタ2の外周縁21とは、フードインナ3の外周縁32を包み込むようにフードアウタ2の外周縁21をヘミング加工してある。
【0015】
フードインナ3の外枠部3rの内周側は、底壁30の端縁を断面ほぼZ字形に屈曲し、底壁30よりも一段高くしたフランジ状の内周縁33が形成してある。内周縁33の高さは、外壁31よりも低くしてあり、内周縁33とフードアウタ2との間には間隙が形成されるようにしてある。
【0016】
フードインナ3の各中枠部3s,3tは、浅い断面逆ハット形で、中枠部3s,3tの底壁34は外枠部3rの底壁30とほぼ面一に形成してある。中枠部3s,3tの側縁35は外枠部3rの内周縁33とほぼ同じ高さに形成してある。そして、中枠部3s,3tの側縁35はフードアウタ2から離間し、フードアウタ2との間に間隙が形成されるようにしてある。
【0017】
フードインナ3には、外枠部3rの内周縁33および中枠部3s,3tの側縁35から上方へ向かって舌片状に起立するフランジ36が所定の間隔をおいて複数形成してある。各フランジ36はほぼZ字形で、フードアウタ2の裏面に沿うように屈折させた上端がマスチックシーラ8によりフードアウタ2の裏面に接着してある。
【0018】
エンジンフード1は、フードインナ3の外枠部3rの後枠の左右両端に設けた連結部11が、図略のヒンジ部材により車体へ組付けられ、エンジンルーム開口を開閉可能とする。そして、エンジンフード1は、エンジンルーム閉鎖時、フードインナ3の外枠部3rの前枠中央に設けたストライカ9を図略のエンジンルーム開口縁のロック機構のラッチに係合させてロックする。
【0019】
本実施形態のエンジンフード1は、フードインナ2の外枠部3rの内周縁33および中枠部3s,3tの側縁35をフードアウタ2の裏面から離間せしめ、上記内周縁33および上記側縁35から舌片状に起立する剛性の低いフランジ36でフードアウタ2を支持せしめている。従って、車両と衝突した歩行者の肩や頭部がフードアウタ2に上から衝突した際、上記フランジ36が座屈変形してフードアウタ2がフードインナ3に規制されることなく撓み変形し(図(B),(C)において鎖線で示す)、衝突エネルギーが吸収され、歩行者への衝撃が緩和される。
【0020】
一方、フードインナ3はその外枠部3r間に中枠部3s,3tが架設され、外枠部3rの外周縁32がフードアウタ2の外周縁21と結合されているから、エンジンフード1全体の面方向の剛性は充分に確保される。また、フードアウタ2は、その裏面に上端を接着した上記フランジ36で支持されているから、フードアウタ2の張り剛性は確保される。
【0021】
次に、図2(A),(B)および図3に基づいて本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態の基本構造は第1の実施形態のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。図2(A),(B)に示すように、エンジンフード1Aは、フードアウタ2と、フードアウタ2の外周部の裏面に沿う外枠部3r間に中枠部3s,3tを架設した枠状のフードインナ3Aとで構成してある。
【0022】
フードインナ3Aは、その外枠部3rの外周縁32がフードアウタ2の外周縁21の裏面に結合してある。一方、外枠部3rの外周縁32よりも低くした内周縁33および中枠部3s,3tは、フードアウタ2の裏面から離間し、フードアウタ2との間に間隙を設けている。そして、外枠部3rの内周縁33と中枠部3s,3tの側縁35に設けた複数のフランジ36の上端をフードアウタ2の裏面に接着してフードアウタ2の張り剛性を確保している。
【0023】
更に、フードインナ3Aには、外枠部3rの前枠と中枠部3tとの間に、これらを架けわたす架橋部材37が設けてある。架橋部材37は短冊状の板体でフードインナ3Aと一体構造をなし、両端部371がそれぞれ外枠部3rの内周縁33および中枠部3tの側縁35から起立し、両端部371をつなぐ中間部372がフードアウタ2の裏面に沿う形状としてあり、中間部372がマスチックシーラ8でフードアウタ2の裏面に接着してある。
【0024】
また、フードインナ3Aの外枠部3rの後枠と中枠部3tとの間にも、同様な架橋部材37が架設してある。
【0025】
車両と歩行者とが衝突してフードアウタ2の上に大きな衝突荷重が作用すると、フランジ36が座屈してフードアウタ2が撓み、架橋部材37が荷重を受けつつ変形し、最終的に架橋部材37全体が座屈する(図3)。従って、大きな衝突荷重が作用しても、架橋部材37が衝突エネルギー吸収部材として作用し、大きな衝撃を効果的に緩和して、歩行者の傷害を最小限にくい止める。
【0026】
エンジンフード1Aは外枠部3rの前枠と中枠部3tとの間および外枠部3rの後枠と中枠部3tとの間にフードインナ3と一体構造の架橋部材37を設けたが、これに限らず、図4(A)に示したエンジンフード1Bのように、フードインナ3Bの外枠部3rの前枠と後枠との間に、中枠部3tと交差するように別部材からなる架橋部材37Aを設けてもよい。架橋部材37Aは、フードアウタ2の裏面に沿う中間部372と、中間部372の両側からフードインナ3Bの内周縁33へ向けて屈折した端部371とを備えた板体で構成してある。架橋部材37Aは、一方の端部371の端縁をフードインナ3の外枠部3rの前枠の内周縁33に重ね合わせて溶接するとともに、他方の端部371の端縁をフードインナ3の外枠部3rの後枠の内周縁33に重ね合わせて溶接し、かつ中間部372をマスチックシーラ8でフードアウタ2の裏面に接着してある。
【0027】
フードアウタ2に大きな衝突荷重が作用すると、図4(B)に示すように、架橋部材37Aはフードアウタ2を受けつつ撓んで最終的には全体が座屈し、先の実施形態の架橋部材37と同様の作用効果を発揮する。
【0028】
図5(A),(B)および図6に基づいて本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態の基本構造は第1の実施形態のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。図5(A)に示すように、エンジンフード1Cは、フードアウタ2の裏面に、外枠部3rと中枠部3s,3tとを備えた枠状のフードインナ3Cが設けてある。
【0029】
フードインナ3Cは、その外枠部3rの外周縁32がフードアウタ2の外周縁21の裏面に結合してあり、外周縁32よりも低い外枠部3rの内周縁33および中枠部3s,3tをフードアウタ2の裏面から離間せしめ、かつ外枠部3rの内周縁33と中枠部3s,3tの側縁35に設けた複数のフランジ36の上端をフードアウタ2の裏面に接着してフードアウタ2の張り剛性を維持している。
【0030】
図5(A),(B)に示すように、フードインナ3Cには、外周枠部3rの前枠、後枠、および中枠部3t交差する方向に延びる左右一対の直線Z上の位置に、外枠部3rの前枠の内周縁33と、中枠部3tの両側端35、および外枠部3rの後枠の内周縁33にそれぞれ、ほぼコ字形の切欠き38が形成してある。各切欠き38は内周縁33および側縁35の高さの1/2程度の深さに形成してある。フードインナ3Cは各切欠き38により上記直線Zに沿って折れ変形しやすくしてある。
【0031】
事故発生時、フードアウタ2に歩行者が衝突して大きな衝突荷重が作用した場合、フードアウタ2が撓み変形し、更にフードアウタ2がフードインナ3Cに衝き当たると、フードインナ3Cは、各切欠き38形成位置で折れ曲がって、全体が直線Zに沿って折れ変形し(図6)、衝撃を緩和する。本実施形態は衝突荷重が特に大きい場合に効果が発揮される。
【0032】
尚、本実施形態において、フードインナ3Cの中枠部3s,3tは外枠部3rに比べて比較的強度が低く屈折しやすいので、切欠き38を外枠部3rの前枠および後枠にのみその内周縁33に設ける構造としてもよい。また、切欠き38に代えて、図7に示すように、V字形の溝部38Aを形成してもよい。
【0033】
図8は、上述の第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせた本発明の第4の実施形態を示す。エンジンフード1Dのフードインナ3Dには、外枠部3rの前枠と中枠部3tとの間、外枠部3rの後枠と中枠部3tとの間にそれぞれ、第2の実施形態と同様の架橋部材37が架設してある。かつ、フードインナ3Dには、第3の実施形態と同様交差方向に延びる直線Z上に沿って、外枠部3rの前枠および後枠の各内周縁33と、中枠部3tの両側端35に切欠き38が形成してある。他の構造は、第2および第3の実施形態と同じであって、同一部材は同一符号で示す。
【0034】
エンジンフード1Dは、フードアウタ2に歩行者が衝突して衝突荷重が作用すると、フードアウタ2が撓み変形し、これと同時に架橋部材37が座屈変形して衝突荷重を吸収する。衝突荷重が大きく、吸収しきれずにフードアウタ2がフードインナ3Dに衝き当たると、フードインナ3Dが各切欠き38により直線Zに沿って屈折する。このように、エンジンフード1Dは衝突エネルギーが段階的に吸収され、より大きな衝突荷重が作用しても衝撃を効果的に緩和して、歩行者の傷害を最小限にくい止める。
【0035】
次に、図9ないし図11に基づいて本発明の第5の実施形態を説明する。本実施形態の基本構造は第1の実施形態のそれとほぼ同じで、相違点を中心に説明する。図9(A),(B)に示すように、エンジンフード1Eは、フードアウタ2の裏面に、外枠部3rと中枠部3s,3tとを備えた枠状のフードインナ3Eが設けてある。
【0036】
フードインナ3Eは、その外枠部3rの外周縁32がフードアウタ2の外周縁21の裏面に結合してあり、外周縁32よりも低い外枠部3rの内周縁33をフードアウタ2の裏面から離間せしめてある。
【0037】
図9および図10に示すように、フードインナ3Eの中枠部3s,3tは長さ方向に台形形状で、両端に外枠部3rの内周縁33から起立する一対の脚部39と、フードアウタ2の裏面に沿う中間部391とを備え、外枠部3rと一体に成形してある。中間部391は浅い断面逆ハット形をなし、フードアウタ2の裏面にマスチックシーラ8により接着してある。
【0038】
本実施形態のエンジンフード1Eは、フードインナ3Eの外枠部3rの内周縁33をフードアウタ2の裏面から離間せしめ、フードアウタ2が撓み変形可能な空間を確保し、中枠部3s,3tの中間部391をフードアウタ2の裏面に接着してフードアウタ2に張り剛性を与えている。
【0039】
フードアウタ2に歩行者が衝突して衝突荷重が作用してフードアウタ2が撓み変形し始めると同時にフードアウタ2を介して衝突荷重が中枠部3s,3tに作用し、中枠部3s,3tの両脚部39が座屈変形して衝突荷重を吸収する(図11)。従って、大きな衝突荷重が作用しても、フードアウタ2の撓み変形と中枠部3s,3tの変形により、衝撃を効果的に緩和することができる。
【0040】
更に、図12に本発明の第6の実施形態を示す。エンジンフード1Fにおいて、フードアウタ2とフードインナ3Fの結合構造は、第5の実施形態のそれと実質的に同じである。そして、フードインナ3Fは第5の実施形態におけると同じ中枠部3s,3tを備え、また、外枠部3rには第3の実施形態におけると同じ切欠き38が形成してある。
【0041】
本実施形態のエンジンフード1Fは、第5の実施形態と同様な作用効果が得られるとともに、これに加えて撓み変形したフードアウタ2がフードインナ3Fに衝き当たった場合に、切欠き38によりフードインナ3Fが直線Zに沿って折れ変形するので、衝撃を段階的に緩和して、より大きな衝突荷重が作用してもより確実に衝撃緩和効果を発揮することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明のエンジンフード構造によれば、エンジンフード全体の剛性を確保し、かつ歩行者に対する衝突事故が発生した場合、歩行者の肩や頭部がフードアウタに衝突しても衝突エネルギーを効果的に吸収し傷害を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すもので、図1(A)はエンジンフードの裏面図、図1(B)は図1(A)のIB−IB線に沿う位置での断面図、図1(C)は図1(A)のIC−IC線に沿う位置での断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示すもので、図2(A)はエンジンフードの要部裏面図、図2(B)は図2(A)のIIB−IIB線に沿う位置での断面図である。
【図3】図2(B)に示すエンジンフードがその上から衝突荷重を受けて変形した状態を示す断面図である。
【図4】第2の実施形態の他の構造を示すもので、図4(A)はエンジンフードの要部裏面図、図4(B)は図4(A)のIVB−IVB線に沿う断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示すもので、図5(A)はエンジンフードの裏面図、図5(B)はエンジンフードの切欠き形成部を示す図である。
【図6】第3の実施形態のエンジンフードに衝突荷重が作用したときの変形位置を示す図である。
【図7】第3の実施形態の他の構造の要部の拡大図である。
【図8】本発明の第4の実施形態のエンジンフードの要部裏面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態を示すもので、図9(A)はエンジンフードの裏面図、図9(B)は図9(A)のIXB−IXB線に沿う位置での断面図である。
【図10】第5の実施形態の要部の拡大図である。
【図11】図9(B)に示すエンジンフードがその上から衝突荷重を受けて変形した状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第6の実施形態のエンジンフードの裏面図である。
【図13】図13(A)は従来のエンジンフードの裏面図、図13(B)は図13(A)のXIIIB−XIIIB線に沿う断面図、図13(C)は図13(A)のXIIIC−XIIIC線に沿う位置での断面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F エンジンフード
2 フードアウタ
21 外周縁
3,3A,3B,3C,3D,3E,3F フードインナ
3r 外枠部
32 外周縁
33 内周縁
3s,3t 中枠部
35 側縁
36 フランジ
37 架橋部材
371 架橋部材の端部
372 架橋部材の中間部
38 切欠き部
38A 溝部
39 中枠部の端部
391 中枠部の中間部

Claims (5)

  1. 外板をなすフードアウタと、該フードアウタの外周部の裏面に沿う外枠部と該外枠部間に架設した中枠部とからなる枠状のフードインナとで構成された車両のエンジンフード構造において、
    上記フードインナは、上記外枠部の内周縁の高さおよび上記中枠部の高さを上記外枠部の外周縁の高さよりも低く設定し、かつ、上記外枠部の内周縁および上記中枠部の側縁に上方へ向かって舌片状に起立する複数のフランジを互いに間隔をおいて設け、上記フードインナの外枠部の内周縁および中枠部を上記フードアウタの裏面から離間せしめて上記外枠部の外周縁を上記フードアウタの外周縁に結合するとともに、上記各フランジの上端をフードアウタの裏面に接着したことを特徴とする車両のエンジンフード構造。
  2. 請求項1に記載の車両のエンジンフード構造において、
    上記フードインナの外枠部と中枠部との間、または外枠部間に、両端部が上記外枠部の内周縁または中枠部の側縁から起立し、中間部が上記フードアウタの裏面に沿う架橋部材を設け、上記中間部をフードアウタの裏面に接着せしめた車両のエンジンフード構造。
  3. 請求項1に記載の車両のエンジンフード構造において、
    上記フードインナの外枠部の内周縁および中枠部の側縁には、上記外枠部の前枠、後枠、および中枠部と交差する方向に延びる一直線上位置に切欠き部または溝部を形成した車両のエンジンフード構造。
  4. 外板をなすフードアウタと、該フードアウタの外周部の裏面に沿う外枠部と該外枠部間に架設した中枠部とからなる枠状のフードインナとで構成された車両のエンジンフード構造において、
    上記フードインナは、上記外枠部の内周縁の高さを外周縁の高さよりも低く設定し、上記中枠部を、両端部が上記外枠部の内周縁から上方へ向かって起立し、中間部がフードアウタの裏面に沿う形状に形成し、上記外枠部の内周縁を上記フードアウタの裏面から離間せしめて上記外枠部の外周縁をフードアウタの外周縁に結合するとともに、上記中枠部の中間部をフードアウタの裏面に接着せしめたことを特徴とする車両のエンジンフード構造。
  5. 請求項4に記載の車両のエンジンフード構造において、
    上記フードインナの外枠部の前枠および後枠の内周縁に、上記前枠および後枠と交差する方向に延びる一直線上位置に切欠き部または溝部を形成した車両のエンジンフード構造。
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