JP3802898B2 - 耐震パネル - Google Patents

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本発明は、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の既設構築物の耐震補強に用いられる耐震パネルに関する。
建物等の既設構造物に対する耐震性向上の必要性から、今日では、特に、現行基準に対して不適格となる多くの既設の鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の各構築物に対して、耐震補強工事が行われるようになった(例えば、特許文献1参照)。一方、このような構築物の耐震補強のために、従来からRC造などの既設構築物のフレーム内に、新たにブレース(補強部材)を増設する工法が広く採用されている。このブレースを増設する工法では、既設構造物の耐震診断を行った上でブレースの形状、サイズ、強度について十分に検討し、補強工事に必要な設計図を作成し、必要とする鋼材や組立部品を用意して設計図にもとづく施工が行われる。
特開2001−090352号公報
しかしながら、従来の設計図等に基づく耐震補強工事では、施工に掛かるまでに耐震診断、耐震強度計算などの作業のほかに、耐震補強工事用の設計図の作成、工場での鉄骨加工などに多大な日時を費してしまう。例えば学校の夏休み期間中に校舎、体育館など、窓が多数ある既設構造物に耐震補強の工事をしようとする場合には、約20日間内に建込み完了しなければならないという時間的な制約があった。これまでの耐震補強方法では、施設の現状に対応する耐震補強工事に迅速に施行するこが困難であるだけでなく、すべての躯体フレームに十分な耐震補強の工事を施すことが難しいという問題があった。
本発明はこのような従来の問題を解決するものであり、鉄骨加工から建込みまでを含め耐震補強工事を十分な強度に仕上げ、しかも従来に比べて短期間で完了できるようにし、工事完了後も構築物内での一般業務や作業に影響しない採光率を確保できる耐震パネルを提供するものである。
請求項1の発明にかかる耐震パネルは、既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠と、該鉄骨枠内に架設された鉄骨ブレースとを備える耐震パネルであって、前記鉄骨枠の上下いずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケットとこれらのコーナ部に対抗する側の梁部材中央部に配設されるセンタブラケットの前記鉄骨ブレースとの接合面を円弧状に形成すると共に、前記鉄骨ブレースの両端側も前記コーナブラケットまたはセンタブラケットに相対向して円弧状に形成されてなり、前記鉄骨ブレースと前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットとを相対向する円弧状面で溶け込み溶接して前記コーナブラケットと前記センタブラケットの間に角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースを架設し、前記梁部材とともにK型ブレースを構成することを特徴とする。
請求項1によれば、前記鉄骨ブレースの両端面も、これに対向する前記コーナブラケットまたはセンタブラケットの接合面も、緩やかな円弧状に形成されていることにより、略密接状態で当接され、鉄骨ブレースのコーナブラケットまたはセンタブラケットに対する接合位置決めを的確に行うことができる。また、円弧状面同士が当接するので、接合に相互に大きな隙間を生じることなく、略密接状態での調節または設定することができる。従って、当接位置を微調整すると共に溶接が容易に行うことができる。
また、各鉄骨ブレースの張力を各ブラケットの円弧状の屈曲面で受止めることによつて、力を分散させめことができる。これによって、各鉄骨ブレースの端部をコーナブラケットとセンタブラケットの当接位置の耐震性を高めることができる。
さらに、角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースが架設一体化された鉄骨枠は、既設構築物の躯体フレーム内側や外側に据え付けられて、この躯体フレームを補強し、耐震性を高める。さらにまた、鉄骨ブレースが角筒型であるため、H型鋼等を使用した従来の鉄骨ブレースで必要となる座屈防止用の補強材を、その鉄骨ブレースと鉄骨枠コーナ部との間に架設する必要がなくなり、その補強材の溶接作業などの工数等を削減できる。また更に、K型ブレースは鉄骨枠全体の補強を図り、特に、梁部材の支持強度を高め、従って既設構造物の躯体フレームを安定保持し、これを補強することができる。
請求項2の発明にかかる耐震パネルは、既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠と、該鉄骨枠内に架設された鉄骨ブレースとを備える耐震パネルであって、前記鉄骨枠の上下いずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケットとこれらのコーナ部に対抗する側の梁部材中央部に配設されるセンタブラケットの前記鉄骨ブレースとの接合面を円弧状に形成すると共に、前記鉄骨ブレースの両端側も前記コーナブラケットまたはセンタブラケットに相対向して円弧状に形成されてなり、前記鉄骨ブレースと前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットとを相対向する円弧状面で溶け込み溶接すると共に該接合部に一対の連結鋼板を溶着して、前記コーナブラケットと前記センタブラケットとの間に角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースを架設し、前記梁部材とともにK型ブレースを構成することを特徴とする。
請求項2によれば、請求項1に加えて、前記各鉄骨ブレースの端部を、コーナブラケットとセンタブラケットの接合部に一対の連結鋼板を当てがって、溶接により鉄骨ブレースを簡単に固着するので、接合強度を一段と強くする。
また、前記一対の連結鋼板が鉄骨ブレースと、前記コーナブラケットまたはセンタブラケットに対し溶け込み溶接により固定されているので、長尺の角筒型鋼材を鉄骨ブレースとして使用しても、コーナブラケットやセンタブラケットを介して鉄骨枠を一段と補強できる。
請求項3の発明に係る耐震パネル は、既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠と、該鉄骨枠内に架設された鉄骨ブレースとを備える耐震パネル であって、前記鉄骨枠の上下いずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケットとこれらのコーナ部に対抗する側の梁部材中央部に配設されるセンタブラケットの前記鉄骨ブレースとの接合面を円弧状に形成すると共に、前記鉄骨ブレースの両端側も前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットに相対向して円弧状に形成されてなり、前記鉄骨ブレースと前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットとを相対向する円弧状面で当接すると共に該接合部に前記鉄骨ブレースの両端側にピン軸を備えたピン付連結鋼板を配置し、該連結鋼板のピン軸を前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットに設けられたピンに装着して前記コーナブラケットと前記センタブラケットの間に角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースを架設し、前記梁部材とともにK型ブレースを構成することを特徴とする。
請求項3によれば、前記鉄骨ブレースの両端側にピン軸を備えた一対のピン付連結鋼板を装着することから、これらの連結鋼板がセンタブラケットとコーナブラケットに設けられたピンに回動可能に軸支される。これにより、各鉄骨ブレースの端部をコーナブラケットとセンタブラケットの当接位置を微調整することができる。鉄骨ブレースをピン付連結鋼板を固定することによって、鉄骨ブレース長をコーナブラケットとセンタブラケットと野取り付け概観の見栄えがよくなる。
また、前記鉄骨ブレースの両端側が、前記コーナブラケットまたはセンタブラケットに対し円弧面で接合されるので、これにより、鉄骨ブレースのコーナブラケットまたはセンタブラケットに対する接合位置を、相互に大きな隙間を生じることなく、略密接条件で鉄骨ブレースの全体を各センタブラケットの円弧面に対し回動自在に支持させることができる。
請求項4の発明にかかる耐震パネル は、既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠と、該鉄骨枠内に架設された鉄骨ブレースとを備える耐震パネル であって、前記鉄骨枠の上下いずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケットとこれらのコーナ部に対抗する側の梁部材中央部に配設されるセンタブラケットの前記鉄骨ブレースとの接合面を円弧状に形成すると共に、前記鉄骨ブレースの両端側も前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットに相対向して円弧状に形成されてなり、前記鉄骨ブレースの両端側と前記コーナブラケットまたは前記センタブラケット円弧状面に十字型継ぎ手を取着すると共に、該十字型継手同士を突合せ、添え板を介してボルトで締め付けて前記コーナブラケットと前記センタブラケットの間に角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースを架設し、前記梁部材と共にK型ブレースを構成することを特徴とする。
請求項4によれば、請求項1に加えて、さらに、各鉄骨ブレースの両端部に十字継ぎ手が取着されているので、この端部をコーナブラケットとセンタブラケットに取着されている十字継ぎ手とを突き合わせることにより、所定位置で容易に連結することができ、各鉄骨ブレースの配設と接合を簡単に固着することができる。
更にまた、前記鉄骨ブレースが前記コーナブラケットまたはセンタブラケットに対しボルトで締め付けることによって、鉄骨ブレース長をコーナブラケットとセンタブラケットとに届く長さに任意に延長することができる。しかも、鉄骨ブレースが分解されているので、施工現場に持参して組み立てることができる。
前記センタブラケットの前記円弧状側に前記前記鉄骨ブレースとの連結を可能にする十字継手が配置されていのことにより、前記請求項1に加えて、十字型継手を介して鉄骨ブレースをコーナブラケットやセンタブラケットの連結に微調整が可能とすることができ、かつ必要とするブレース長を十分な耐座屈強度を得ながら確保できる。
本発明の耐震パネルは、既設構造物の躯体フレームに対し、この躯体フレームに適合する鉄骨枠とこれの内部に架設された角筒型ブレースとからなるパネルを取り付けることで、既設構築物の耐震補強の工事を、詳細な設計図を準備しなくても施行工事を行うことがきるという利点が得られる。
本発明の耐震パネルは、前記鉄骨枠の上下いずれかの2つのコーナ部に配設されるコーナブラケットと、これらのコーナブラケットに対抗する側の梁部材中央部に配設されるセンタブラケットとの接合面が緩やかな円弧状を形成されているので、略密接状態での接合を調節または設定することができる。これによって、各鉄骨ブレースの端部をコーナブラケットとセンタブラケットの当接位置を微調整し、接合が容易に行うことができる。
さらに、鉄骨ブレースの取り付けが容易であるだけでなく、取り付ける際の現場での微調整が可能となる。このため詳細な設計図をあらかじめ準備しなくても既設構築物の耐震補強の工事が可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を図について説明する。図1〜図6は第1の実施態様を説明する図である。図7〜図12は第2の実施態様を説明する図である。図13〜図18は第3の実施態様を説明する図である。図13〜図18は第4の実施態様を説明するも図ある。
(第1の実施例)
図1は本発明に係る第1の実施態様例を示す耐震パネルの正面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1のB−B線断面図、図4は図1のC−C線断面図、図5は図1に示す鉄骨ブレースの取付構造を示す要部の断面図、図6は図1のD−D線断面図である。
第1の実施態様に示す耐震パネルは、図1に示すように、矩形状の鉄骨枠1と、この鉄骨枠1に装着される鉄骨ブレース2,2と、この鉄骨ブレース2,2を支持するコーナブラケット8,9並びにセンタブラケット10から構成される。鉄骨枠1は、施工する躯体フレームに装着する左右の各柱部材4,5と上下の梁部材6,7をほぼ矩形枠に連結した構造のもので、左右両端が溶け込み溶接などの固着手段で連結されている。
この鉄骨枠1の上下方の梁部材のいずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケット8,9とこのブラケット8,9に対向する上下方の梁部材6,7の中央部にセンタブラケット10が配設される。この実施形態では、左右の各柱部材4,5と上下の梁部材6,7は、略h字状のH型鋼材に複数本のスタッド11をほぼ等間隔に取り付けられている。
上方の梁部材6は、図1,図2に示すように、左右に2分された部材6a、6bからなり、これらがセンタブラケット10を挟んで水平方向に連結されている。
センタブラケット10は、上記各部材6a、6bが外側面に溶接で連結され、対応する2つの緩やかな凸型円弧面P,Pを形成した大形の略U字形鋼材12で構成されている。略U字形鋼材12の上部は、上記各部材6a、6bと同様にh字状をなすH型鋼材で構成される。なお、このセンタブラケット10にも、前記H型鋼材に設けられたものと同様のスタッド11が植設されている。
また、各コーナブラケット8,9は、、図1,図3に示すように、下方の梁部材7の両端部と柱部材4,5の下端部にその外側面が溶着されている略L字型鋼材13,13で構成される。このL字型鋼材13,13はそれぞれ緩やかな凸型円弧面G,Gを形成した状態でそれぞれ溶着されている。ここでコーナブラケット8,9の凸型円弧面G,Gとセンタブラケット10の凸型円弧面P,Pとは、相対向して配置され、かつ対向して略同一の曲率面を形成している。また、鉄骨ブレース2,2の凹型円弧面R,R,R,Rもこれに対応する曲率を備えている。このため鉄骨ブレース2のコーナブラケット8,9またはセンタブラケット10に対する接合位置を、相互に大きな隙間を生じることなく、略密接状態で当接することができる。これによって鉄骨ブレース2,2の調節または設定を容易にすることができる。なお、コーナブラケット8,9にも、前記H型鋼材に設けられたものと同様のスタッド11が植設されている。
このような構成の鉄骨枠1は、補強を必要とする既設構築物の躯体フレームのサイズ、形状に合った柱部材4,5および梁部材6,7用の構成部材が選択されて、溶接などの固着手段によって連結され、全体として所定のサイズ、形状に組み付けられる。
次に、鉄骨ブレース2,2と各ブラケット8,9との接合は、図1及び図5に示すように、両端側に上記各ブラケット8,9,10の円弧状の各側面に対応する凹型曲面Rが形成されいる。両端側の対向する円弧状の各側面R,G同士を突き合せて溶け込み溶接14によって固定されている。溶接14は、同一曲面率を有しているので、略密接状態でセンタブラケット10とコーナブラケット8,9との間の角度に応じてスライドされ、微調整され、上記各ブラケット8,9,10の円弧状の曲面と各側面鉄骨ブレース2の曲面を突き合せて溶け込み溶接で接合される。このため、施工現場で容易に微調整できるので、詳細な設計図なしで施工工事がおこなえる。
従って、鉄骨ブレース2は梁部材6,7に対する結合角度を任意に調整できる。この結果、最適のブレース剛性が得られる結合角度にて鉄骨ブレース2,2をコーナブラケット8,9のL字型鋼材13,13に当接し溶け込み溶接で固定することができる。また、曲面同士の接合で構面の耐力を最大限に惹き出すことができる。特に、角筒型鋼材の下端面は、ブラケット8,9の緩やかな凸型円弧状面Gと接触できる凹型円弧面Rを略同一曲面率で形成し、L字状鋼材13,13の前記円弧面Gに対し略密接状態で位置調整され、適切な位置で溶接されている。
このように、本実施態様は、鉄骨ブレース2,2を耐座屈強度が極めて高い角筒型鋼材を中心として構成し、接合における長さ調整や傾き調整を、工場施工での溶接作業性が良い。
本発明の耐震パネルを、耐震補強に用いるには、まず、既設構造物の躯体フレームに適合する鉄骨枠1を準備する。この鉄骨枠1は、前記のように柱部材4,5や梁部材6にセンタブラケット10やコーナブラケット8,9が装着される。これらのセンタブラケット10やコーナブラケット8,9は、鉄骨枠1のサイズに対応して任意長の鉄骨ブレース2,2を最適の強度で取り付けるのに用いられる。
前記第1の実施の形態では、センタブラケット10の円弧状の凸型曲面P,Pに、鉄骨ブレース2の凹型曲面R,R,R,Rと共に傾きを調整できるようにしてあるため、梁部材6の角度に対応して、強度的に最適の長さ、傾きで鉄骨ブレース2,2の他端をコーナブラケット8,9に溶接することができる。
また、前記第1の実施形態の耐震パネルを用いた耐震補強では、既存設計図にて施工契約した後に、耐震パネルの鉄骨枠を先行製作することによって、長さ調整可能な鉄骨ブレースの取り付けのみで短期納入を実現できる。従来の鉄骨ブレースに関しては、H型鋼材を中心とする設計が殆どであり、この場合には鉄骨ブレースの座屈防止部材を別途必要になる。
第1の実施形態のように鉄骨ブレースとして鉄骨ブレースを採用することで、別に座屈防止部材を用意しなくても十分な耐座屈強度を確保できる。また、鉄骨ブレースをK型ブレースとした場合には、パネル面の一部のみ塞がるため、採光率が悪化することがなく、また外観を大きく損ねることはない。
このように、第1の実施態様によれば、既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠1と、該鉄骨枠1内に架設された角筒型鋼材からなる鉄骨ブケース2,2とを備えることによって、詳細な設計図を準備しなくても、また設計図通りの施工でなくても、耐震パネルを既設構築物に対し簡単かつ短納期にて施工することができる。また、施工された耐震パネルは開口部の一部のみが塞ぐのみであり、従って必要とする採光率を十分に確保できる。また、施工後の外観が劣化するのを最小限に抑えることができる等の利点が得られる。
なお、本実施の態様では、躯体フレームとの取り付け例について、在来工法、接着工法である枠付Kブレース工法のみならず、外付ブレース工法にも随時適用することができる。
(第2の実施例)
図7は本発明に係る第2の実施例を示す耐震パネルの正面図、図8は図7のE−E線断面図、図9は図7のF−F線断面図、図10は図7のG−G線断面図、図11は図7に示す鉄骨ブレースの取付構造を示す要部の断面図、図12は図7のH−H線断面図である。
第2の実施態様に係る耐震パネルは、上記鉄骨ブレース2,2を上記センタブラケット10と上記コーナブラケツト8,9に連結するのを、各連結部の溶け込み溶接と共に該連結部に一対の連結鋼板を配置して、上記鉄骨ブレース2,2をセンタブラケット10とコーナブラケツト8,9に連結したものである。この実施態様の詳細は図7〜図13に示す通りである。各図において、図1〜図6と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。この第2の実施態様は既設設備が大規模なため大型の鉄骨ブレースを使用する場合に有効である。
本発明の耐震パネル は、図7に示すように、矩形状の鉄骨枠1と、この鉄骨枠1に装着される鉄骨ブレース2,2と、この鉄骨ブレース2,2を支持するコーナブラケット8,9並びにセンタブラケット10と、連結鋼板17から構成される。鉄骨枠1は、施工する躯体フレームに装着する左右の各柱部材4,5と上下の梁部材6,7をほぼ矩形枠に連結した構造のもので、左右両端が溶接などの固着手段で連結されている。
この鉄骨枠1の上下方の梁部材のいずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケット8,9とこのブラケット8,9に対向する上下方の梁部材6,7の中央部にセンタブラケット10が配設される。この実施例では、左右の各柱部材4,5と上下の梁部材6,7は角筒型鋼材で構成され、外周に覆鋼板16が装着されている。
上方の梁部材6は、図7,図8に示すように、左右に2分された部材6a、6bからなり、これらがセンタブラケット10を挟んで水平方向に連結されている。
センタブラケット10は、上記各部材6a、6bが外側面が連結され、対応する2つの緩やかな凸型円弧面P,Pを形成した大形の略U字形鋼材12で構成されている。略U字形鋼材12の上部は、上記各部材6a、6bと同様に角筒型鋼材で構成され、外周に覆鋼材16が装着されている。
また、コーナブラケット8,9は、図1,図3に示すように、下方の梁部材7の両端部と柱部材4,5の下端部にその外側面が溶着されている略L字型鋼材13,13で構成される。このL字型鋼材13,13はそれぞれ緩やかな凸型円弧面G,Gを形成し状態でそれぞれ溶着されている。ここでコーナブラケット8,9の凸型円弧面G,Gとセンタブラケット10の凸型円弧面P,Pとは、相対向して配置され、かつ対向して略同一の曲率面を形成する。また、鉄骨ブレース2,2の凹型円弧面R,R,R,Rも対応する曲率を備えている。このため鉄骨ブレース2のコーナブラケット8,9またはセンタブラケット10に対する接合位置を、相互に大きな隙間を生じることなく、略密接状態で当接することができる。これによって鉄骨ブレース2,2の調節または設定を容易にすることができる。
このような構成の鉄骨枠1は、補強を必要とする既設構築物の躯体フレームのサイズ、形状に合った柱部材4,5および梁部材6,7用の構成部材が選択されて、溶接などの固着手段によって連結され、全体として所定のサイズ、形状に組み付けられる。
次に、鉄骨ブレース2,2は、図7及び図11に示すように、角筒型鋼材からなり、両端側に上記各ブラケット8,9,10の円弧状の各側面に対応する凹型曲面Rが形成されいる。両端側の対向する円弧状の各側面R,G同士を突き合せ溶け込み溶接をすると共に一対の連結鋼板1を当接し溶接によって両者を固定する。上記鉄骨ブレース2,2を上記センタブラケット10と上記コーナブラケット8,9に連結するのは、各連結部に溶け込み溶接と共に一対の連結鋼板17を配置して、上記鉄骨ブレース2,2をセンタブラケット10とコーナブラケット8,9に連結する。連結鋼板17の溶接は、センタブラケット10とコーナブラケット8,9との間の角度に応じて、微調整し、上記各ブラケット8,9,10の円弧状の曲面と各側面鉄骨ブレース2の曲面を突き合せて溶接される。このため、施工現場で微調整できるので、詳細な設計図なしで施工工事がおこなえる。この第2の実施形態は、第1の実施形態より大型の既設構造物の躯体フレームの耐震工事に施す場合、或いは鉄骨ブレースに強度がさらに必要な場合に効果がある。
従って、鉄骨ブレース2は、梁部材6,7に対する結合角度を任意に調整できる。この結果、最適のブレース剛性が得られる結合角度にて鉄骨ブレース2の下端をコーナブラケット8,9のL字型鋼材13,13に当接させ溶接固定することができる。曲面の場合で、構面の耐力を最大限に惹き出すことができる。特に、角筒型部材の下端面は、ブラケット8,9の緩やかな円弧状面Gと接触できる円弧面Rを略同一力率で形成し、L字状鋼材13,13の前記円弧面Gに対し略密接状態で位置調整され、適切な位置で溶接されている。
このように、第2の実施態様は、鉄骨ブレース2,2を耐座屈強度が極めて高い角筒型鋼材を中心として構成し、接合における長さ調整や傾き調整を、現場施工での簡単な溶接作業によって行う点に特徴を有する。
第2の実施態様に係る耐震パネルを、耐震補強に用いるには、まず、既設構造物の躯体フレームに適合する鉄骨枠1を準備する。この鉄骨枠1は、前記のように柱部材4,5や梁部材6にセンタブラケット10やコーナブラケット8,9が装着される。これらのセンタブラケット10やコーナブラケット8,9は、鉄骨枠1のサイズに対応して任意長の鉄骨ブレース2,2を最適の強度で取り付けるのに用いられる。
前記第2の実施の形態では、センタブラケット10の円弧状の凸曲面Pに、鉄骨ブレース2の凹曲面Rと共に傾きを調整できるようにしてあるため、梁部材6の角度に対応して、強度的に最適の長さ、傾きで鉄骨ブレース2,2の他端をコーナブラケット8,9に溶接することができる。
また、前記第2の実施形態の耐震パネルを用いた耐震補強では、既存設計図にて施工契約した後に、耐震パネルの鉄骨枠を先行製作することによって、長さ調整可能な鉄骨ブレースの取り付けのみで短期納入を実現できる。従来の鉄骨ブレースに関しては、H型鋼材を中心とする設計が殆どであり、この場合には鉄骨ブレースの座屈防止部材を別途必要になる。
本第2の実施の形態のように鉄骨ブレースとして角筒型ブレースを採用することで、別に座屈防止部材を用意しなくても十分な耐座屈強度を確保できる。また、鉄骨ブレースをK型ブレースとした場合には、パネル面の一部のみ塞がるため、採光率が悪化することがなく、また外観を大きく損ねることはない。
このように、本第2の実施態様では、既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠1と、該鉄骨枠1内に架設された角筒型鋼材からなる鉄骨ブレース2とを備えることによって、詳細な設計図を準備しなくても、また設計図通りの施工でなくても、耐震パネル を既設構築物に対し簡単かつ短納期にて施工することができる。また、施工された耐震パネル は開口部の一部のみが塞ぐのみであり、従って必要とする採光率を十分に確保できる。また、施工後の外観が劣化するのを最小限に抑えることができる等の利点が得られる。
なお、本実施の態様では、躯体フレームとの取り付け例について、在来工法、接着工法である枠付Kブレース工法のみならず、外付ブレース工法にも随時適用することができる。
(第3の実施例)
図13は本発明に係る第3の実施例を示す耐震パネル の正面図、図14は図13のI−I線断面図、図15は図13のJ−J線断面図、図16は図13のK−K線断面図、図17は図13に示す鉄骨ブレースの取付構造を示す要部の断面図、図18は図13のL−L線断面図である。
第3の実施態様に係る耐震パネル は、上記鉄骨ブレース2,2をセンタブラケット10とコーナブラケット8,9に連結するのを、各連結部に一対のピン付連結鋼板18を配置して、鉄骨ブレース2,2をセンタブラケット10とコーナブラケット8,9に連結する。この実施例の詳細は図13〜図18に示す通りである。各図に〜と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
第3の実施態様に係る耐震パネルは、図13に示すように、矩形状の鉄骨枠1と、この鉄骨枠1に装着される鉄骨ブレース2,2と、この鉄骨ブレース2,2を支持するコーナブラケット8,9並びにセンタブラケット10と、ピン付連結鋼板18から構成される。鉄骨枠1は、施工する躯体フレームに装着する左右の各柱部材4,5と上下の梁部材6,7をほぼ矩形枠に連結した構造のもので、左右両端が溶接などの固着手段で連結されている。
この鉄骨枠1の上下方の梁部材のいずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケット8,9とこのブラケット8,9に対向する上下方の梁部材6,7の中央部にセンタブラケット10が配設される。この実施例では、左右の各柱部材4,5と上下の梁部材6,7は、略h字状のH型鋼材に複数本のスタッド11をほぼ等間隔に取り付けられている。
上方の梁部材6は、図13,図14に示すように、左右に2分された部材6a、6bからなり、これらがセンタブラケット10を挟んで水平方向に連結されている。
センタブラケット10は、上記各部材6a、6bが外側面に連結され、対応する2つの緩やかな凸型円弧面P,Pを形成した大形の略U字形鋼材12で構成されている。略U字形鋼材12の上部は、上記各部材6a、6bと同様にh字状をなすH型鋼材で構成される。なお、このセンタブラケット10にも、前記H型鋼材に設けられたものと同様のスタッド11が植設されている。
コーナブラケット8,9は、、図1,図3に示すように、下方の梁部材7の両端部と柱部材4,5の下端部にその外側面が溶着されている略L字型鋼材13,13で構成される。このL字型鋼材13,13はそれぞれ緩やかな凸型円弧面G,Gを形成し状態でそれぞれ溶着されている。コーナブラケット8,9の凸型円弧面G,Gとセンタブラケット10の凸型円弧面P,Pとは、相意向対向して配置され、かつ対向して略同一の曲率面を形成している。また、鉄骨ブレース2,2の凹型円弧面R,R,R,Rもこれに対応する曲率を備えている。このため鉄骨ブレース2のコーナブラケット8,9またはセンタブラケット10に対する接合位置を、相互に大きな隙間を生じることなく、略密接状態で当接することができる。これによって鉄骨ブレース2,2の調節または設定を容易にすることができる。なお、コーナブラケット8,9にも、前記H型鋼材に設けられたものと同様のスタッド11が植設されている。
このような構成の鉄骨枠1は、補強を必要とする既設構築物の躯体フレームのサイズ、形状に合った柱部材4,5および梁部材6,7用の構成部材が選択されて、溶接などの固着手段によって連結され、全体として所定のサイズ、形状に組み付けられる。
次に、鉄骨ブレース2,2と各ブラケット8,9との接合は、図13及び図18に示すように、両端側に上記各ブラケット8,9の円弧状の各側面に対応する凹型曲面R,R,R,Rが形成されいる。この両者は、両端側の対向する円弧状の各側面R,G同士を突き合せて、ピン付連結鋼板18を当接しピン19を各ブラケット8,9に設けられたピン孔に挿通して両者を固定する。ピン付連結鋼板18はセンタブラケット10とコーナブラケット8,9との間の角度に応じて、微調整し、上記各ブラケット8,9,10の円弧状の凸型曲面と各側面鉄骨ブレース2の凹型曲面を突き合せてピン付連結鋼板で接合される。このため、施工現場で微調整できるので、詳細な設計図なしで施工工事がおこなえる。
従って、鉄骨ブレース2は梁部材6,7に対する結合角度を任意に調整できる。この結果、最適のブレース剛性が得られる結合角度にて鉄骨ブレース2,2の下端をコーナブラケット8,9のL字型鋼材13,13に接合した状態で固定することができる。また、曲面の接合なので構面の耐力を最大限に惹き出すことができる。特に、角筒型部材の下端面は、ブラケット8,9の緩やかな円弧状面Gと接触できる円弧面Rを略同一力率で形成し、L字状鋼材13,13の前記円弧面Gに対し略密接状態で位置調整され、適切な位置で溶接されている。
このように、第3の実施態様は、鉄骨ブレース2,2を耐座屈強度が極めて高い角筒型鋼材を中心として構成し、溶接におけるその長さ調整や傾き調整を、現場施工での簡単な溶接作業によって行う点に特徴を有する。
第3の実施態様に係る耐震パネルを、耐震補強に用いるには、まず、既設構造物の躯体フレームに適合する鉄骨枠1を準備する。この鉄骨枠1は、前記のように柱部材4,5や梁部材6にセンタブラケット10やコーナブラケット8,9が装着される。これらのセンタブラケット10やコーナブラケット8,9は、鉄骨枠1のサイズに対応して任意長の鉄骨ブレース2,2を最適の強度で取り付けるのに用いられる。
前記第3の実施形態では、センタブラケット10の円弧状の凸曲面Pに、鉄骨ブレース2の凹曲面Rと共に傾きを調整できるようにしてあるため、梁部材6の角度に対応して、強度的に最適の長さ、傾きで鉄骨ブレース2,2の他端をコーナブラケット8,9に接合することができる。
また、前記実施の形態の耐震パネルを用いた耐震補強では、既存設計図にて施工契約した後に、耐震パネルの鉄骨枠を先行製作することによって、長さ調整可能な鉄骨ブレースの取り付けのみで短期納入を実現できる。従来の鉄骨ブレースに関しては、H型鋼材を中心とする設計が殆どであり、この場合には鉄骨ブレースの座屈防止部材を別途必要になる。
第3の実施の形態のように鉄骨ブレースとして角筒型ブレースを採用することで、別に座屈防止部材を用意しなくても十分な耐座屈強度を確保できる。また、鉄骨ブレースをK型ブレースとした場合には、パネル面の一部のみ塞がるため、採光率が悪化することがなく、また外観を大きく損ねることはない。
このように、第3の実施態様によれば、既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠1と、該鉄骨枠1内に架設された角筒型鋼材からなる鉄骨ブレース2コンマ2とを備えることによって、詳細な設計図を準備しなくても、また設計図通りの施工でなくても、耐震パネルを既設構築物に対し簡単かつ短納期にて施工することができる。また、施工された耐震パネルは開口部の一部のみが塞ぐのみであり、従って必要とする採光率を十分に確保できる。また、施工後の外観が劣化するのを最小限に抑えることができる等の利点が得られる。
なお、本実施の態様では、躯体フレームとの取り付け例について、在来工法、接着工法である枠付Kブレース工法のみならず、外付ブレース工法にも随時適用することができる。
(第4の実施例)
図19は本発明に係る第4の実施例を示す耐震パネル の正面図、図20は図19のM−M線断面図、図21は図19のN−N線断面図、図22は図19のO−O線断面図、図23は図19に示す鉄骨ブレースの取付構造を示す要部の断面図、図24は図19のP−P線断面図、図25は図19のR−R線断面図である。
第4の実施態様に係る耐震パネル は、上記鉄骨ブレース2,2をセンタブラケット10とコーナブラケット8,9に連結するのを、センタブラケット10とコーナブラケット8,9に十字継ぎ手20,21を配置すると共にこれに対向して鉄骨ブレース2,2の両端部に同形の十字継ぎ手22を配置し、添え板23を介して、鉄骨ブレース2,2をセンタブラケット10とコーナブラケット8,9にボルト24で連結する。この実施例の詳細は図19〜図25に示す通りである。各図において、図1〜図6と同一部分は同一符号を付している。
この第4の実施例に示す耐震パネル は、施工現場に体トンパネルを持参して施工工事を行うのに便利である。
第4の実施態様に係る耐震パネルは、図19に示すように、矩形状の鉄骨枠1と、この鉄骨枠1に装着される鉄骨ブレース2,2と、この鉄骨ブレース2,2を支持するコーナブラケット8,9並びにセンタブラケット10と、鉄骨ブレース2,2とセンタブラケット8,9,10とを繋ぐ十字継ぎ手20,21と、十字継ぎ手20,21,22同士を連結する添え板23と、ボルト24で構成される。
この鉄骨枠1は、、施工する躯体に装着する左右の各柱部材4,5と上下の梁部材6,7をほぼ矩形枠に連結した構造のもので、左右両端が溶接などの固着手段で連結されている。鉄骨枠1の上下方の梁部材のいずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケット8,9とこのブラケット8,9に対向する上下方の梁部材6,7の中央部にセンタブラケット10が配設される。この実施例では、左右の各柱部材4,5と上下の梁部材6,7は、略h字状のH型鋼材に複数本のスタッド11をほぼ等間隔に取り付けられている。
上方の梁部材6は、図19,図20に示すように、左右に2分された部材6a、6bからなり、これらがセンタブラケット10を挟んで水平方向に連結されている。
センタブラケット10は、上記各部材6a、6bが外側面が連結され、対応する2つの緩やかな凸型円弧面P,Pを形成した大形の略U字形鋼材12で構成されている。略U字形鋼材12の上部は、上記各部材6a、6bと同様にh字状をなすH型鋼材で構成される。なお、このセンタブラケット10にも、前記H型鋼材に設けられたものと同様のスタッド11が植設されている。
コーナブラケット8,9は、、図1,図3に示すように、下方の梁部材7の両端部と柱部材4,5の下端部にその外側面が溶着されている略L字型鋼材13,13で構成される。このL字型鋼材13,13はそれぞれ緩やかな凸型円弧面G,Gを形成し状態でそれぞれ溶着されている。ここでコーナブラケット8,9の凸型円弧面G,Gとセンタブラケット10の凸型円弧面P,Pとは、相意向対向して配置され、かつ対向して略同一の曲率面を形成している。また、鉄骨ブレース2,2の凹型円弧面R,R,R,Rもこれに対応する曲率を備えている。このため鉄骨ブレース2,2のコーナブラケット8,9またはセンタブラケット10に対する接合位置を、相互に大きな隙間を生じることなく、略密接状態で当接することができる。これによって鉄骨ブレース2,2の調節または設定を容易にすることができる。なお、コーナブラケット8,9にも、前記H型鋼材に設けられたものと同様のスタッド11が植設されている。
この第4の実施態様の十字継ぎ手は、図19乃至図25に示すように、センタブラケット10側に溶接などによって取着されている十字継ぎ手20と、コーナブラケット8,9側に溶接などによって取着されている十字継ぎ手21とで構成される。この両者の間を同形の十字型継ぎ手22が鉄骨ブレース2,2の両端部に対向して配置されている。この十字継ぎ手22,22を継ぎ手21に継ぎ手20,21の点線付近で突合せ添え板23を夫々当てがいボルト24で締め付ける。
次に、鉄骨ブレース2,2は、図19及び図24に示すように、鉄骨ブレースの両端側に上記各ブラケット8,9,10の円弧状の各側面に対応する凹型曲面Rが形成され、いる。この両者は、両端側の対向する円弧状の各側面R,Gの十字継ぎ手20,21同士を突き合せ添え板23,23,23を上下から当接しボルト24,24…によって固定される。十字継ぎ手20,21はセンタブラケット10とコーナブラケット8,9との間の角度に応じて、微調整し、上記各ブラケット8,9,10の円弧状の曲面と各側面鉄骨ブレース2の曲面を突き合せて溶接される。このため工事現場に分解して持参し、現場で組立ると共に微調整できるので、詳細な設計図なしで施工工事がおこなえる。
従って、鉄骨ブレース2は梁部材6,7に対する結合角度、長さを任意に調整できる。この結果、最適のブレース剛性が得られる結合角度にて鉄骨ブレース2の下端をコーナブラケット8,9のL字型鋼材13,13に接合固定することができる。また、構面の耐力を最大限に惹き出すことができる。特に、角筒型部材の下端面は、ブラケット8,9の緩やかな円弧状面Gと接触できる円弧面Rを略同一力率で形成し、L字状鋼材13,13の前記円弧面Gに対し略密接状態で位置調整され、適切な位置で溶接されている。
鉄骨ブレース2,2の両端側には、十字継ぎ手22、22のが溶接され、他方の十字継手20,21端の円弧面がセンタブラケット10のU字型鋼材の円弧面Pの適当な位置に溶接されている。これらの十字継手20、21は施工現場で任意長のものを用いることが可能であり、それぞれを鉄骨ブレース2,2とセンタブラケット10とを繋ぐのに用いられる。この繋ぎ作業では、図19にも示すように、両十字継手20,21,22に跨るように複数枚の添え板板23,23,…を当て、複数箇所でボルト24,24…により相互を連結することで、十分な耐座屈強度が得られる。
このように、第4の実施態様は、鉄骨ブレース2,2を耐座屈強度が極めて高い角筒型鋼材を中心として構成し、接合におけるその長さ調整や傾き調整を、現場施工での簡単な溶接作業によって行う点に特徴を有する。
本発明の耐震パネルを、耐震補強に用いるには、まず、既設構造物の躯体フレームに適合する鉄骨枠1を用意する。この鉄骨枠1は、前記のように柱部材4,5や梁部材6に十字継ぎ手付のセンタブラケット10や十字継ぎ手付のコーナブラケット8,9が装着される。これらのセンタブラケット10やコーナブラケット8,9は、鉄骨枠1のサイズに対応して任意長の鉄骨ブレース2,2を最適の強度で取り付けるのに用いられる。
前記第4の実施の形態では、センタブラケット10の円弧状の凸曲面Pに、鉄骨ブレース2の凹曲面Rと共に傾きを調整できるようにしてあるため、これに対応する十字継ぎ手を取着し、梁部材6の角度に対応して、強度的に最適の長さ、傾きで鉄骨ブレース2,2の他端をコーナブラケット8,9に溶接することができる。
また、第4の実施形態の耐震パネルを用いた耐震補強では、既存設計図にて施工契約した後に、耐震パネルの鉄骨枠を先行製作することによって、長さ調整可能な鉄骨ブレースの取り付けのみで短期納入を実現できる。更に取付現場に持参することが可能である。従来の鉄骨ブレースに関しては、H型鋼材を中心とする設計が殆どであり、この場合には鉄骨ブレースの座屈防止部材を別途必要になる。
このように、第4の実施形態の耐震パネルは、鉄骨ブレース2、2を耐座屈強度が極めて高い角筒型鋼材を中心として構成し、建込みにおけるその長さ調整や傾き調整を、十字継手23、24による長さ調整によって行う点に特徴を有する。
また、鉄骨ブレース3の全長を、十字継手20、21によって任意に設定することができる。従って、ブレース3をセンタブラケット10およびコーナブラケット8,9間に、これらの距離に応じた設定長で確実に連結できる。
第4の実施の形態のように鉄骨ブレースとして角筒型ブレースを採用することで、別に座屈防止部材を用意しなくても十分な耐座屈強度を確保できる。また、鉄骨ブレースをK型ブレースとした場合には、パネル面の一部のみ塞がるため、採光率が悪化することがなく、また外観を大きく損ねることはない。
このように、第4の実施の態様では、既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠1と、該鉄骨枠1内に架設された角筒型鋼材からなる鉄骨ブレース2,2とを備えることによって、詳細な設計図を準備しなくても、また設計図通りの施工でなくても、耐震パネルを既設構築物に対し簡単かつ短納期にて施工することができる。特に工事現場への持参が可能である。また、施工された耐震パネルは開口部の一部のみが塞ぐのみであり、従って必要とする採光率を十分に確保できる。また、施工後の外観が劣化するのを最小限に抑えることができる等の利点が得られる。
なお、本実施の態様では、躯体フレームとの取り付け例について、在来工法、接着工法である枠付Kブレース工法のみならず、外付ブレース工法にも随時適用することができる。
本発明は、既設構造物の躯体フレームに対し鉄骨枠と角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースを組み付けて耐震強度を高め、この耐震補強のために施工作業を複数の部材の結合パターンの選択によって、簡単かつ短納期にて実施する用途に適用できる。
本発明に係る第1の実施態様例を示す耐震パネルの正面図 図1のA−A線断面図 図1のB−B線断面図 図1のC−C線断面図 図1に示す鉄骨ブレースの取付構造を示す要部の断面図 図1のD−D線断面図 本発明に係る第2の実施例を示す耐震パネルの正面図 図7のE−E線断面図 図7のF−F線断面図 図7のG−G線断面図 図7に示す鉄骨ブレースの取付構造を示す要部の断面図 図12は図7のH−H線断面図 図13は本発明に係る第3の実施例を示す耐震パネルの正面図 図13のI−I線断面図 図13のJ−J線断面図 図13のK−K線断面図 図13に示す鉄骨ブレースの取付構造を示す要部の断面図 図13のL−L線断面図 本発明に係る第4の実施例を示す耐震パネルの正面図 図19のM−M線断面図 図19のN−N線断面図 図19のO−O線断面図 図19に示す鉄骨ブレースの取付構造を示す要部の断面図 図19のP−P線断面図 図19のR−R線断面図
符号の説明
1…鉄骨枠、2…鉄骨ブレース、4,5…柱部材、6,7…梁部材、8,9…コーナブラケット、10…センタブラケット、17…連結鋼板、18…ピン付連結鋼板、19…ピン、20,21,22…十字継手、23…添え板、P,G…円弧面。

Claims (4)

  1. 既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠と、該鉄骨枠内に架設された鉄骨ブレースとを備える耐震パネル であって、
    前記鉄骨枠の上下いずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケットとこれらのコーナ部に対抗する側の梁部材中央部に配設されるセンタブラケットの前記鉄骨ブレースとの接合面を円弧状に形成すると共に、前記鉄骨ブレースの両端側も前記コーナブラケットまたはセンタブラケットに相対向して円弧状に形成されてなり、
    前記鉄骨ブレースと前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットとを相対向する円弧状面で溶け込み溶接して前記コーナブラケットと前記センタブラケットの間に角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースを架設し、前記梁部材とともにK型ブレースを構成することを特徴とする耐震パネル 。
  2. 既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠と、該鉄骨枠内に架設された鉄骨ブレースとを備える耐震パネル であって、
    前記鉄骨枠の上下いずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケットとこれらのコーナ部に対抗する側の梁部材中央部に配設されるセンタブラケットの前記鉄骨ブレースとの接合面を円弧状に形成すると共に、前記鉄骨ブレースの両端側も前記コーナブラケットまたはセンタブラケットに相対向して円弧状に形成されてなり、
    前記鉄骨ブレースと前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットとを相対向する円弧状面で溶け込み溶接すると共に該接合部に一対の連結鋼板を溶着して、前記コーナブラケットと前記センタブラケットとの間に角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースを架設し、前記梁部材とともにK型ブレースを構成することを特徴とする耐震パネル 。
  3. 既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠と、該鉄骨枠内に架設された鉄骨ブレースとを備える耐震パネル であって、
    前記鉄骨枠の上下いずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケットとこれらのコーナ部に対抗する側の梁部材中央部に配設されるセンタブラケットの前記鉄骨ブレースとの接合面を円弧状に形成すると共に、前記鉄骨ブレースの両端側も前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットに相対向して円弧状に形成されてなり、
    前記鉄骨ブレースと前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットとを相対向する円弧状面で当接すると共に該接合部に前記鉄骨ブレースの両端側にピン軸を備えたピン付連結鋼板を配置し、該連結鋼板のピン軸を前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットに設けられたピンに装着して前記コーナブラケットと前記センタブラケットの間に角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースを架設し、前記梁部材とともにK型ブレースを構成することを特徴とする耐震パネル 。
  4. 既設構造物の躯体フレームに沿うように据え付けられる鉄骨枠と、該鉄骨枠内に架設された鉄骨ブレースとを備える耐震パネル であって、
    前記鉄骨枠の上下いずれかのコーナ部に配設されるコーナブラケットとこれらのコーナ部に対抗する側の梁部材中央部に配設されるセンタブラケットの前記鉄骨ブレースとの接合面を円弧状に形成すると共に、前記鉄骨ブレースの両端側も前記コーナブラケットまたは前記センタブラケットに相対向して円弧状に形成されてなり、
    前記鉄骨ブレースの両端側と前記コーナブラケットまたは前記センタブラケット円弧状面に十字型継ぎ手を取着すると共に、該十字型継手同士を突合せ、添え板を介してボルトで締め付けて前記コーナブラケットと前記センタブラケットの間に角筒型鋼材からなる鉄骨ブレースを架設し、前記梁部材と共にK型ブレースを構成することを特徴とする耐震パネル 。
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