JP3801705B2 - フォーカルプレンシャッタ - Google Patents

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JP3801705B2 JP31492796A JP31492796A JP3801705B2 JP 3801705 B2 JP3801705 B2 JP 3801705B2 JP 31492796 A JP31492796 A JP 31492796A JP 31492796 A JP31492796 A JP 31492796A JP 3801705 B2 JP3801705 B2 JP 3801705B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影に際し、先羽根群と後羽根群とを同一方向へ順次走行させ、それらによって形成されるスリットによってフィルムを露光するようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、この種のフォーカルプレンシャッタには、露光作動時に、夫々の駆動ばねによって回転され、先羽根群と後羽根群を作動させる先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材が備えられている。そのうち、各駆動ばねはコイルばねであって、一端を各駆動部材に掛け、他端を固定のばね掛けに掛けているが、製造時には、その固定のばね掛け位置を変えることによって、駆動力を調整できるようになっている。そして、その固定のばね掛け位置を変えることができるようにした構成のうち最も一般的であって精度良く調整できる構成としては、ラチェット爪によって回転位置を固定され得るラチェット部材を、上記の駆動部材と同心的且つ回転可能にに配置し、そのラチェット部材の一部に駆動ばねの他端を掛けるようにした構成が知られている。
【0003】
他方、各駆動部材は、シャッタ地板と、シャッタ地板に略平行に取り付けられた上地板との間に、回転可能に取り付けられるが、その取り付け方には大別して二つのタイプがある。その一つは、シャッタ地板に立設された軸に、駆動部材の筒状部を回転可能に嵌合させる構成であり、もう一つは、駆動部材自身の回転軸の上下端を、夫々シャッタ地板と上地板に回転可能に支承させる構成である。そして、前者のタイプの場合には、上記したラチェット部材は、シャッタ地板と上地板の間において、シャッタ地板に立設された軸の先端側に回転可能に嵌合され、後者のタイプの場合には、上記したラチェット部材は、通常、上地板に設けられた軸受け部材に回転可能に嵌合される。本発明は、このような後者のタイプの構成の改良に関するものである。
【0004】
そこで、上記した後者のタイプの構成に属し、且つ実際に実施されているものの構成を、図5を用いて説明する。尚、図5に示したのは要部の断面図であって、シャッタ機構の他の構成との関係については、実施例の説明によって充分に理解できるので、ここではその説明を省略する。また、図5に示した部材のうち、実施例とは形状が異なっている部材であっても、実施例の部材,部位に対応するものには実施例と同じ符号を用いてある。図5において、シャッタ地板1には、カバー板2と上地板10が略平行になるようにして取り付けられている。上地板10には軸受け部材22が、かしめ加工によって取り付けられている。
【0005】
先羽根用駆動部材3の軸部3aは、表面側に大径部と小径部を有し、背面側に座部と大径部と小径部を有している。そして、この駆動部材3は、表面側の小径部を軸受け部材22の軸受け部22aに嵌合させ、背面側の大径部をシャッタ地板1に形成された軸受け部1hに嵌合させることによって、回転可能に支承されている。また、軸受け部材22の外周面22bには、外周部に歯部14bを形成したラチェット部材14が回転可能に取り付けられており、その歯部14bには、上地板10を折り曲げて形成した爪部10fが係合するようになっている。更に、軸部3aの表面側の大径部には先羽根用駆動ばね16が嵌装されていて、上端は折り曲げて、ラチェット部材14に形成されたスリット14gに嵌め込まれ、下端はやはり折り曲げて、鉄片部材5の取付部3cに掛けられている。
【0006】
この駆動ばね16には、露光作動時に、駆動部材3を、図の上方から見て時計方向へ急速に回転させるために、強力な付勢力が付与されている。そこで、爪部10fには弾性が付与されていて、駆動部材3が往復回転するに際して、駆動ばね16の上端位置が動かないようにするために、即ちラチェット部材14が回転しないようにするために、ラチェット部材14に対して、図5の右方向へ押すような力を作用させ、しっかりと歯部14bと係合させるようにしている。そして、製作時に、駆動部材3の駆動力を調整するに際しては、爪部10fを撓ませて歯部14bから外し、ラチェット部材14を所定の方向へ回転させることによって、異なる歯に再度係合させるようにする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記のような構成は、機能的には何ら問題がないが、製作上に問題がある。即ち、軸受け部材22が上地板10にかしめられているために、かしめ加工後、例えばラチェット部材14の歯部14bが破損したり、上地板10における他の部材との組み付け部に異常が生じたりした場合、ラチェット部材14だけを交換したり、上地板10のみを交換することができず、両者とも交換しなければならなくなる。そのため、出来ればかしめ加工をしなくて済むようにする方法が望まれる。そうすれば、単に、上記のような交換時の無駄が省けるばかりでなく、かしめ加工を無くすことによって工数の削減ができ、コストダウンの効果が大きくなる。
【0008】
そこで、先ず図6に示したような解決策が考えられる。この図6に示した構成は、図5に示したラチェット部材14に軸部14aと軸受け部14eを形成し、軸部14aを上地板10の孔10dに回転可能に嵌合させ、軸受け部14eに駆動部材3の軸3aを嵌合させるようにしたものである。このような構成にすることによって、上記した交換時には、上地板10とラチェット部材14を個々に交換することが可能になるし、軸受け部材22が不要となり且つかしめ加工も不要になるので、コスト面では極端に有利となる。
【0009】
しかしながら、反面、機能的な問題が生じてしまう。即ち上記したように、ラチェット部材14には、爪部10fの弾性によって、図6において右方向への力が掛かっている。他方、軸部14aと孔10dの間には公差があって、且つ上地板10は比較的薄い部材である。そのため、余程精度よく製作しないと、組立後、図6の矢印Aのところを支点にして、どうしても傾きが生じてしまう。そのために、駆動部材3の回転に不具合が生じ、所期の安定した回転が行われず、ひいては露光時間の制御にも影響を与えてしまうことになる。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、各駆動部材自身に設けた回転軸を、その上下端でシャッタ地板と上地板に回転可能に支承させるようにした構成を、性能を損なうことなくコストダウンできるようにしたカメラ用のフォーカルプレンシャッタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のフォーカルプレンシャッタは、軸受け孔を有していてシャッタ地板に所定の間隔を空けて略平行になるようにして取り付けられた上地板と、同軸上の位置には相反する側に軸部と軸受け部とを有し径方向位置にはばね掛け部となる第1係合部と前記シャッタ地板側に前記上地板と略平行な係接面を形成した第2係合部を有し外周面には歯部が形成されていて該軸部を前記上地板の軸受け孔に回転可能に嵌合させているラチェット部材と、軸部を有していてその一端を前記シャッタ地板に他端を前記ラチェット部材の前記軸受け部に回転可能に支承されている駆動部材と、前記駆動部材の前記軸部に嵌装されていてその一端を前記駆動部材に他端を前記ラチェット部材の第1係合部に掛けている駆動ばねと、前記ラチェット部材の外周面に形成されている前記歯部に圧接し且つ係合している爪部材と、前記ラチェット部材の第2係合部に形成された前記係接面に係合して該ラチェット部材を前記上地板と挟持し前記爪部材の圧接によって該ラチェット部材が傾かないように支えている支持部材とを備えているようにする。
【0012】
また、本発明におけるフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記爪部材が前記上地板に一体的に形成されているようにする。
更に、本発明におけるフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記支持部材が前記上地板に一体的に形成されているようにする。
また、本発明におけるフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記爪部材と前記支持部材が同一部材によって形成されているようにする。
更にまた、本発明におけるフォーカルプレンシャッタにおいては、好ましくは、前記ラチェット部材の外周面には、前記歯部とは別に、前記歯部の歯に対して半ピッチ歯の位相をずらせたもう一つの歯部が形成されており、前記支持部材は該もう一つの歯部にも係合しているようにする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図4に示した実施例によって説明する。尚、図1は実施例の分解斜視図であり、図2は実施例の要部の断面図である。また、図3は実施例において上地板に対するラチェット部材の取り付け状態を示した平面図であり、図4はその一部斜視図である。
【0014】
図1に示されたシャッタ地板1は合成樹脂製であって、周知のように略中央部には開口部1aが形成されている。その開口部1aの左方には三つの円弧状の孔1b,1c,1dと、円形の孔1eが形成されているが、この円形の孔1eはカメラへ取り付けるために必要な複数の孔のうちの一つである。また、これらの孔1b,1c,1d,1eの近傍位置には、二つの軸1f,1gと二つの軸受け部1h,1iが一体成形にて設けられている。このうち、二つの軸1f,1gには、シャッタ地板1側から間座部,大径部,小径部が形成されていて、各小径部の端面から軸方向へ向けてネジ穴が設けられている。また、二つの軸受け部1h,1iの中央部には、シャッタ地板1を貫通する孔が形成されている。
【0015】
シャッタ地板1の背面側には、周知のように、夫々所定の間隔を空けて、中間板とカバー板が順に取り付けられているが、そのうちのカバー板2の一部だけが図2に示されている。実際には、中間板とカバー板2にも上記開口部1aと類似の形状をした開口部が形成されており、通常は、それらの三つの開口部の合成によって、シャッタユニットとしての露光開口が形成されるが、本実施例においては、実質上、開口部1aがその露光開口を規制している。また、本実施例の場合には、シャッタ地板1と中間板の間に形成された空間領域が先羽根群の羽根室となり、中間板とカバー板2の間に形成された空間領域が後羽根群の羽根室となっている。そして、このようなシャッタユニットをカメラに組み付けた場合には、シャッタ地板1がレンズ側になり、カバー板2がフィルム側となる。
【0016】
本実施例における先羽根用駆動部材3は合成樹脂製であって、軸部3a,作動ピン3b,取付部3c,被押動部3dを形成している。そのうち、軸部3aは、図2から分かるように、表面側に順に大径部と小径部が形成され、背面側には順に座部,大径部,小径部が形成されている。そして、背面側の大径部をシャッタ地板1の軸受け部1hに回転可能に嵌合させている。また、周知のように、先羽根群のアーム4と一体的に設けられた間座の孔には、背面側の小径部を回転可能に嵌合させている。
【0017】
上記した作動ピン3bは、シャッタ地板1に形成された円弧状の孔1bを貫通し、周知のようにシャッタ地板1の背面側で、アーム4に形成された孔に嵌合している。それにより、先羽根用駆動部材3が露光作動時に時計方向へ回転した場合には、開口部1aを覆っていた先羽根群を重畳させつつ開口部1aの下方へ作動させ、開口部1aを開くようになっている。更に、上記した取付部3cには、後述する先羽根用電磁石の鉄芯部材に吸着される鉄片部材5が取り付けられている。また、被押動部3dは、その端面がカム面として形成されている。
【0018】
後羽根用駆動部材6も合成樹脂製であって、実質的には先羽根用駆動部材3と同じ構成になっており、軸部6a,作動ピン6b,取付部6c,被押動部6dを形成している。そのうち、軸部6aは、表面側に順に大径部と小径部が形成され、図示していないが背面側には軸部3aと同様に順に座部,大径部,小径部が形成されている。そして、背面側の大径部をシャッタ地板1の軸受け部1iに回転可能に嵌合させ、背面側の小径部を後羽根群のアームに回転可能に嵌合させている。
【0019】
また、作動ピン6bは、シャッタ地板1に形成された円弧状の孔1cを貫通し、周知のようにシャッタ地板1の背面側で、後羽根群のアームに形成された孔に嵌合しており、露光作動時において後羽根用駆動部材6が時計方向へ回転した場合には、開口部1aの上方位置に重畳していた後羽根群を展開させ、開口部1aを閉じるようになっている。更に、上記した取付部6cには、後述する後羽根用電磁石の鉄芯部材に吸着される鉄片部材7が取り付けられている。また、被押動部6dは、その端面がカム面として形成されている。
【0020】
セット部材8は、その筒部8aを、シャッタ地板1の軸1fに回転可能に嵌合させている。このセット部材8は、それらの端面をカム面として形成した二つの押動部8b,8cを有しており、夫々の端面を、上記した被押動部3d,6dの端面に接触させ得るようにしている。また、セット部材8は、ばね掛け8dと被押動部8eを有している。このうち、ばね掛け8dには、筒部8aに嵌装されたばね9の一端が掛けられている。また、被押動部8eは、セット時に、カメラ本体側の部材によって押される部位であり、その押動によってセット部材8が、初期位置から、ばね9の付勢力に抗して時計方向へ回転されるようになっている。
【0021】
シャッタ地板1の軸1f,1gの小径部には、上地板10とプリント配線板11が順に取り付けられている。その取り付け方は、先ず上地板10の孔10a,10bを嵌合させ、次にプリント配線板11の孔11a,11bを嵌合させた後、該小径部に形成されたネジ穴にビス12,13を螺合させる。また、上地板10には、ばね掛け10cが形成されているが、これは上記したばね9の他端を掛けるためのものである。
【0022】
上地板10には、更に二つの孔10d,10eが形成されており、そこにはラチェット部材14,15の軸部14a,15aが回転可能に嵌合している。この軸部14a,15aは、更にプリント配線板11の孔11c,11dにも嵌合しているが、これらの孔11c,11dは単なる逃げ孔であって径が大きく、軸部14a,15aの位置を規制しているものではない。各ラチェット部材14,15は同一形状をしており、その外周部に歯部14b,15b、鍔部14c,15c、周面部14d,15dが形成されている。また、内部は空洞になっていて、図2に示したラチェット部材14の断面図からも分かるように、軸受け部14e(15e〔図示省略。以下同じ〕)とリング状の凹部14f(15f)が形成されている。そして、周知のようにして外周部と内部を径方向に連絡するようにして、下方を開いたスリット14g(15g)が形成されている。
【0023】
ラチェット部材14,15の軸受け部14e(15e)には、図2から理解できるように、各駆動部材3,6の表面側に形成された小径部が回転可能に嵌合している。また、各駆動部材3,6の表面側の大径部には、先羽根用駆動ばね16と後羽根用駆動ばね17が嵌装されている。これらの駆動ばね16,17は、露光作動時に各駆動部材3,6を時計方向へ回転させるものであって、夫々の上端及び下端は折り曲げられ、上端は上記したスリット14g(15g)に嵌め込まれており、下端は鉄片部材5,7に関係しないようにして取付部3c,6cに掛けられている。
【0024】
また、上記の上地板10には、ラチェット部材14,15の外周部に係合する二つの折曲部が設けられている。そして、各折曲部は途中で二つに分かれており、夫々、歯部14b,15bに係合する爪部10f,10gと、鍔部14c,15cに係合する支持部10h,10iを形成している。これらのうち爪部10f,10gは、強力な駆動ばね16,17の力によって、ラチェット部材14,15が反時計方向へ回転しないように係止する役目をするものであるため、図3に示すように、矢印方向へ付勢力が働くようにして組み付けられている。また、支持部10h,10iは鍔部14c,15cの下面に接触してラチェット部材14,15を支える役目をするものであるため、それらの先端は、周面部14d,15dに接している必要はない。
【0025】
更に、上記の上地板10には、二つの二股の折曲部10j,10kと、それらに対向するようにして折り曲げられた折曲部10m,10nとが形成されている。これらの折曲部10j,10k,10m,10nは、いずれも折曲方向に弾性を有していて、二股の折曲部10j,10kは、更にその二股を開く方向へも若干撓むようになっている。そして、図面からは確認できないが、折曲部10m,10nには折曲面に孔が形成されている。これらの形状は、いずれも後述する電磁石を取り付けるためのものであって、実際にはこれ以上に詳細なその他の形状も説明しなければ具体的な取り付け方が理解されないと考えるが、その詳細な構成については、本出願人によって既に特許出願されており(特願平7−291305号)、且つ直接本発明とは関係ないので、この程度の説明に留めておく。
【0026】
本実施例における先羽根用電磁石と後羽根用電磁石とは、夫々、二つの磁極部を有する鉄芯部材18,19と、コイルを巻回したコイルボビン20,21とで構成されており、コイルボビン20,21は鉄芯部材18,19の一方の磁極部に嵌装されている。そして、先羽根用電磁石はビスを用いることなく折曲部10j,10m等によって上地板10に取り付けられ、後羽根用電磁石は折曲部10k,10n等によって同じく上地板10に取り付けられている。また、このとき、コイルボビン20,21の各々二つの端子ピン20a,21aは、プリント配線板11の一対の孔11e,11fを貫通し、プリント配線板11の表面側で半田付けされている。
【0027】
上記の構成説明から分かるように、本実施例においてはラチェット部材14,15を取り付けるに際して、かしめ加工を必要としないし、図5に示した従来例のような軸受け部材22を必要としない。また、製作時において、部品交換が必要となった場合、上地板10とラチェット部材14,15を個々に交換することが可能となって無駄がなくなる。従って、コスト低減上極めて有利である。また、性能面には全く影響が生じない。即ち、ラチェット部材14,15は、その鍔部14c,15cを上地板10の支持部10h,10iに乗せ、支えられているので、爪部10f,10gによって傾かされるような力が働いても、所定の姿勢を保つことが可能となり、各駆動部材3,6の回転に何の影響も与えない。
【0028】
次に、本実施例の作動を簡単に説明しておく。撮影終了後、フィルムが巻き上げられると、それに連動しているカメラ本体側の部材によって、セット部材8が、ばね9に抗して時計方向へ回転される。それによって、先羽根用駆動部材3と後羽根用駆動部材6とは、夫々の被押動部3d,6dを、セット部材8の押動部8b,8cによって押され、夫々の駆動ばね16,17に抗して反時計方向へ回転される。但し、そのとき、先羽根用駆動部材3が僅かに早く作動を開始され、作動ピン3bによって先羽根群を重畳位置から展開させ、そのスリット形成羽根の一部が、展開状態にある後羽根群のスリット形成羽根に重なった段階で、後羽根用駆動部材6が作動を開始し、作動ピン6bによって後羽根群を重畳させていくようになっている。このようにしてセット作動が行われ、各駆動部材3,6に取り付けられた鉄片部材5,7が、各電磁石の鉄芯部材18,19の磁極端面に接触した段階でセット作動が終了し、カメラ本体側の部材によって、セット部材8、ひいては各駆動部材3,6はその状態に保持される。
【0029】
撮影に際して、レリーズボタンが押されると、その初期段階において先ず二つの電磁石に通電される。そして、鉄片部材5,7、即ち各駆動部材3,6が各駆動ばね16,17に抗して磁気的に保持された後、カメラ本体側の部材が退き、セット部材8は、ばね9によって初期位置に復帰する。その後、先羽根用電磁石に対する通電が断たれると、先羽根用駆動部材3は先羽根用駆動ばね16の力によって急速に時計方向へ回転し、作動ピン3bによって先羽根群を重畳しつつ開口部1aを開いていく。所定時間後に後羽根用電磁石に対する通電が断たれると、後羽根用駆動部材6も後羽根用駆動ばね17の力によって急速に時計方向へ回転し、作動ピン6bによって後羽根群を展開し、開口部1aを閉じていく。そして、両羽根群のスリット形成羽根間のスリットでフィルムを露光し、撮影を終了するようになっている。
【0030】
尚、上記の実施例においては、ラチェット部材14,15に形成され、支持部10h,10iに係合し且つ支持される部位の形状を、鍔部14c,15cとしてディスク状に形成したが、本発明においては、このような形状に限定されるものではなく、支持部10h,10iによってラチェット部材14,15の姿勢が所定の姿勢に保たれ得るのであれば、どのような形状でもよく、例えば実施例において周面部14d,15dの下側にある面を係合部として、それを下方から長めに形成した支持部10h,10iによって支えるようにしても差し支えない。また、ラチェット部材14,15の軸受け部14e(15e)は実施例のように孔として形成したものに限定されず、それらを軸部として形成し、各駆動部材3,6の軸部3a,6aの先端面に形成された孔に嵌合させるようにしても差し支えない。
【0031】
また、上記の実施例においては、爪部10fと支持部10h、並びに爪部10gと支持部10iを、夫々共通の折曲部に形成しているが、それらを個々の折曲部に形成するようにしてもよく、且つこれらの爪部10f,10g、支持部10h,10iを選択的に別部材で構成し、上地板10に取り付けるようにしても差し支えないし、更には上地板10以外の部材に取り付けるようにしても差し支えない。
【0032】
更に、上記の実施例においては、ラチェット部材14,15に周面部14d,15dが形成されているが、この部位は実施例の機能上からは特に必要としないものである。しかし、公知のシャッタにおいては、鍔部14c,15cが形成されておらず、周面部14d,15dの部位に、歯部14b,15bとは半ピッチ位相をずらせて、もう一つの歯部を形成したものがある。そして、その場合、実施例における支持部10h,10iが爪部として構成されており、それを、そのもう一つの歯部に係合させている。このような構成のものは、各駆動ばね16,17の力量を細かく調整できるので、通常、高分解能タイプの調整機構と称しているが、本発明を上記の実施例のように構成する場合には、そのようなタイプのものに用いられている上地板を共通部品として使用することが可能であり、また、本発明をそのようなタイプのものに適用したい場合には、実施例において周面部14d,15dが形成されている部位に、歯部14b,15bとは半ピッチ位相をずらせたもう一つの歯部を形成するだけで可能となる。
【0033】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、各駆動部材自身に設けた回転軸を、その上下端でシャッタ地板と上地板に回転可能に支承させるようにしたタイプのフォーカルプレンシャッタにおいて、性能を損なうことなく従来よりもコスト低減が行え、極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の分解斜視図である。
【図2】実施例の要部の断面図である。
【図3】実施例において上地板に対するラチェット部材の取り付け状態を示した平面図である。
【図4】図3の一部斜視図である。
【図5】従来例の要部の断面図である。
【図6】従来例の改善策の一例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c,1d,1e,10a,10b,10d,10e,11a,11b,11c,11d,11e,11f 孔
1f,1g 軸
1h,1i,14e,22a 軸受け部
2 カバー板
3 先羽根用駆動部材
3a,6a,14a,15a 軸部
3b,6b 作動ピン
3c,6c 取付部
3d,6d,8e 被押動部
4 アーム
5,7 鉄片部材
6 後羽根用鼓動部材
8 セット部材
8a 筒部
8b,8c 押動部
8d,10c ばね掛け
9 ばね
10 上地板
10f,10g 爪部
10h,10i 支持部
10j,10k,10m,10n 折曲部
11 プリント配線板
12,13 ビス
14,15 ラチェット部材
14b,15b 歯部
14c,15c 鍔部
14d,15d 周面部
14f 凹部
14g スリット
16 先羽根用駆動ばね
17 後羽根用駆動ばね
18,19 鉄芯部材
20,21 コイルボビン
20a,21a 端子ピン
22 軸受け部材
22b 外周面

Claims (5)

  1. 軸受け孔を有していてシャッタ地板に所定の間隔を空けて略平行になるようにして取り付けられた上地板と、同軸上の位置には相反する側に軸部と軸受け部とを有し径方向位置にはばね掛け部となる第1係合部と前記シャッタ地板側に前記上地板と略平行な係接面を形成した第2係合部を有し外周面には歯部が形成されていて該軸部を前記上地板の軸受け孔に回転可能に嵌合させているラチェット部材と、軸部を有していてその一端を前記シャッタ地板に他端を前記ラチェット部材の前記軸受け部に回転可能に支承されている駆動部材と、前記駆動部材の前記軸部に嵌装されていてその一端を前記駆動部材に他端を前記ラチェット部材の第1係合部に掛けている駆動ばねと、前記ラチェット部材の外周面に形成されている前記歯部に圧接し且つ係合している爪部材と、前記ラチェット部材の第2係合部に形成された前記係接面に係合して該ラチェット部材を前記上地板と挟持し前記爪部材の圧接によって該ラチェット部材が傾かないように支えている支持部材とを備えていることを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。
  2. 前記爪部材が前記上地板に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォーカルプレンシャッタ。
  3. 前記支持部材が前記上地板に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォーカルプレンシャッタ。
  4. 前記爪部材と前記支持部材が同一部材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフォーカルプレンシャッタ。
  5. 前記ラチェット部材の外周面には、前記歯部とは別に、前記歯部の歯に対して半ピッチ歯の位相をずらせたもう一つの歯部が形成されており、前記支持部材は該もう一つの歯部にも係合していることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のフォーカルプレンシャッタ。
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