JP3801156B2 - リアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ鏡筒の先端側に配置された組合せレンズからなるズーミング用レンズによってズーミングを行い、それより後方側に配置された組合せレンズからなるフォーカシング用レンズによってフォーカシングを行うリアフォーカスタイプのズームレンズと、そのリアフォーカスタイプのズームレンズを備えたビデオカメラの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、ビデオカメラ等に使用されているズームレンズには、レンズ鏡筒の先端側に配置された組合せレンズからなるフォーカシング用レンズによってフォーカシングを行い、それより後方側に配置された組合せレンズからなるズーミング用レンズによってズーミングを行うフロントフォーカスタイプのズームレンズと、レンズ鏡筒の先端側に配置された組合せレンズからなるズーミング用レンズによってズーミングを行い、それより後方側に配置された組合せレンズからなるフォーカシング用レンズによってフォーカシングを行うリアフォーカスタイプのズームレンズとの2通りがある。
【0003】
業務用ビデオカメラで最も多く使用されているフロントフォーカスタイプのズームレンズは、ズーミングを行うための回転操作部分であるズームリングの回転範囲が絶対位置(ある一定の角度範囲内に設定されていること)であり、ズーミングのワイド端(広角端)とテレ端(望遠端)の動作端が明確(ストッパーにより位置規制されること)であり、画角調整等の操作に優れている。
【0004】
ここで、近年では、業務用ビデオカメラでも、ダウンサイジングの進展と合わせて、イージオペレーションへの要求やオートフォーカスへの要求等が望まれている。
しかし、従来の業務用ビデオカメラのフロントフォーカスタイプのズームレンズでは、レンズ鏡筒の先端側に配置されている大口径で、重量が重いフォーカシング用レンズによってフォーカシングを行う関係で、このフォーカシング用レンズを電動で制御するオートフォーカス機能を搭載するためには、アクチュエータの大型化や消費電力の増大等の問題が発生し、必ずしも適切ではない。
【0005】
そこで、これらを安価に実現するためには、レンズ鏡筒の後端側に配置されていることにより、小口径で、質量が軽い後端側のフォーカシング用レンズによってフォーカシングを行うリアフォーカスタイプのズームレンズが好ましい。
しかし、このリアフォーカスタイプのズームレンズは、オートフォーカス方式を採用する場合、電子カムを用いてズーミング用レンズやフォーカシング用レンズを光軸方向に移動制御して、これらのレンズの相対位置関係によってズーミングやフォーカシングを自動的に行う関係で、回転操作部分であるズームリングとフォーカスリングの各回転範囲は絶対位置ではなく、相互の位置によって補正されてしまう相対位置となってしまう。
【0006】
つまり、ズームリングやフォーカスリングは共に絶対的な角度座標を有しておらず、これらはそれぞれ現状位置に対して何れの方向へ何度回転させたかと言う相対座標によってズーミングやフォーカシングが行われるものである。従って、これらズームリング及びフォーカスリングはエンドレスで回転してしまうものとなっていて、これらズームリングやフォーカスリングには回転位置を表示する目盛りは付されておらず、これらズームリングやフォーカスリングの動作端は判別することができないものとなっている。
そして、この欠点を有するリアフォーカスタイプのズームレンズで同範囲でのズーミングの繰り返し等の複雑な映像表現を必要とする業務用ビデオカメラでは、ズーミングの位置がフォーカシングを行う毎に変化してしまう相対位置では、致命的な欠点となり、従来は業務用ビデオカメラにはリアフォーカスタイプのズームレンズが受け入れられない大きな理由(欠点)にもなっていた。
【0007】
そこで、これを解決するために、リアフォーカスタイプのズームレンズに、マニアルとオートとを切り換える機械的なクラッチ機構を設けて、動作端が判るようにしたもの(例えば、特許文献1)があり、このクラッチ機構については数多くの特許出願がなされている。なお、ズームリングが機械式のズームレンズにおいて、ズームリングがフォーカスやズームの何れかの光学端に達した時に、ストッパー部材をモータで回転駆動して、ズームリングの歯車の1つの歯に係合させて、操作リングを回転停止させることにより、ズームリングがフォーカスやズームのいずれかの光学端に達したことを操作者に感触的に確認させるようにしたもの(例えば、特許文献2)等もある。
【特許文献1】
特開2003−5015号公報
【特許文献2】
特開平8−313793号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の機械的なクラッチ機構に関しては、ズーム機能を一度マニアル側に操作してしまうと、オートフォーカス機能やレンズ鏡筒全体の熱膨張/収縮によって、ズームによる画角補正やフランジバック調整が必要になった場合に、電気的に補正することができなくなる不都合がある。また、リアフォーカスタイプのズームレンズでは、ズームリングの回転制御を電気的に行うので、ズームリングが機械式のフロントフォーカスタイプのズームレンズより動作が軽くなるため、フォーカシングを行おうとして、ズームリングに触ってしまったり、車載時の微細な振動等でズームリングが動いてしまうと言う問題もある。更に、コマ撮りやアニメーション撮影等のように、意図的に画角を固定したまま、フォーカシングを行う場合に、誤ってズームリングに触れてしまい、画角が無意識に変化しては映像として使い物にならなくなると言う問題があり、従来のズームレンズでは、位置を記憶させることはできても、これを保護する機構は存在していなかった。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、リアフォーカスタイプのズームレンズにおいて、機械的なクラッチ機構を用いることなく、業務用ビデオカメラで多く用いられてきたフロントフォーカスタイプのズームレンズと同等の操作性を確保することができるリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明のリアフォーカスタイプのズームレンズは、ズーミング用レンズと、該ズーミング用レンズの位置を検出して検出結果を出力する第1検出手段と、ズームリングと、該ズームリングのレンズ鏡筒に対する回転位置を検出して検出結果を出力する第2検出手段と、操作部と、前記第1検出手段の出力と前記第2検出手段の出力と前記操作部により入力された情報に応じて第1制御信号、第2制御信号を発生する制御手段と、前記ズームリングの前記レンズ鏡筒に対する第1の回転方向に対して任意の位置で前記第1制御信号に応じて規制又は規制解除する第1の回転規制手段と、前記ズームリングの前記レンズ鏡筒に対する第1の回転方向とは異なる第2の回転方向に対して任意の位置で前記第2制御信号に応じて規制又は規制解除する第2の回転規制手段とを備え、
前記操作部により所定の情報が入力された時、前記第1の回転規制手段及び前記第2の回転規制手段が、共に前記ズームリングの回転を規制するものである。
また、本発明のリアフォーカスタイプのズームレンズを備えたビデオカメラは、ズーミング用レンズと、該ズーミング用レンズの位置を検出して検出結果を出力する第1検出手段と、ズームリングと、該ズームリングのレンズ鏡筒に対する回転位置を検出して検出結果を出力する第2検出手段と、操作部と、前記第1検出手段の出力と前記第2検出手段の出力と前記操作部により入力された情報に応じて第1制御信号、第2制御信号を発生する制御手段と、前記ズームリングの前記レンズ鏡筒に対する第1の回転方向に対して任意の位置で前記第1制御信号に応じて規制又は規制解除する第1の回転規制手段と、前記ズームリングの前記レンズ鏡筒に対する第1の回転方向とは異なる第2の回転方向に対して任意の位置で前記第2制御信号に応じて規制又は規制解除する第2の回転規制手段とを備え、前記操作部により所定の情報が入力された時、前記第1の回転規制手段及び前記第2の回転規制手段が、共に前記ズームリングの回転を規制するリアフォーカスタイプのズームレンズとを備えたものである。
【0011】
上記のように構成された本発明のリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラは、ズームリングがレンズ鏡筒に対して第1の回転方向とその反対方向である第2の回転方向との2方向に回転される際、そのズームリングの2方向における任意の回転位置にて、2つの回転規制手段によってズームリングの第1及び第2の回転方向への回転をそれぞれ独立して規制及び規制を解除することができるようにしたので、リアフォーカスタイプのズームレンズでありながら、フロントフォーカスタイプのズームレンズと同様にズーム動作端を認識することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラの実施の形態を図を参照して次の順序で説明する。
(1)・・・ 第1の実施の形態の説明(図1〜図8)
(2)・・・ 第2の実施の形態の説明(図9〜図11)
(3)・・・ 第3の実施の形態の説明(図12〜図17)
【0013】
(1)・・・ 第1の実施の形態
初めに、図1〜図8によって、本発明のオートフォーカス機能が搭載されているリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラの第1の実施の形態を説明する。
図8は、リアフォーカスタイプのズームレンズ(以下、単に「ズームレンズ」と記載する)1と、そのズームレンズ1が脱着可能に搭載されたビデオカメラ2の先端部分2aを示したものである。
そして、図6及び図8に示すように、このズームレンズ1は、レンズ鏡筒3内の光軸3a上の先端に大口径の先端レンズ4が固着されている。そして、レンズ鏡筒3内の先端レンズ4より後方側で、光軸3a上にはそれぞれ組合せレンズからなるズーミング用レンズ5及びフォーカシング用レンズ6が前後に間隔を隔てて配置され、これらズーミング用レンズ5とフォーカシング用レンズ6との間で、光軸3a上にはアイリス7が組み込まれている。なお、これらズーミング用レンズ5、フォーカシング用レンズ6及びアイリス7はレンズ鏡筒3内にあって光軸3aに沿ってレンズ鏡筒3の前後方向に移動調整可能に構成されている。
【0014】
そして、これらズーミング用レンズ5、フォーカシング用レンズ6、及びアイリス7を光軸3aに沿って前後方向へ移動調整するためのズームリング11、フォーカスリング12及びアイリスリング13がズーミング用レンズ5、フォーカシング用レンズ6及びアイリス7の各外周位置で、レンズ鏡筒3の外周に組み込まれて、光軸3aの周りで回転自在に構成されている。これらズームリング11、フォーカスリング12及びアイリスリング13の外周面11a、12a、13aには手動操作用の凹凸面やローレット等が形成されている。
【0015】
そして、図1〜図5に示すように、このズームレンズ1には、ズームリング11の第1の回転方向としてのワイド(広角)方向Aと、その反対方向である第2の回転方向としてのテレ(望遠)方向Bとの2方向の回転方向における任意の回転位置にて、このズームリング11の第1、第2の回転方向であるワイド方向A及びテレ方向Bへの回転をそれぞれ規制及び規制解除する第1、第2の2つの回転規制手段であるワイド方向回転規制手段21とテレ方向回転規制手段22が組み込まれている。
なお、これらワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22は、ズームリング11に直接付設されるか、或いは、ズームリング11に連動して回転される回転リング110(図9〜図11参照)に付設される。
【0016】
そして、これらワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22は、例えば、ズームリング11の軸方向の両端部における内周全域に円環状に形成された一対のラチェット爪23、24と、レンズ鏡筒3に一対の支点ピン25、26によって揺動自在に枢支されてズームリング11の両側部に配置され、ラチェット爪23、24に内側から矢印a、b方向に係合、離脱される一対のラチェット爪27a、28aが先端に形成されている一対のチェット爪アーム27、28とからなる一対のラチェット機構29、30と、レンズ鏡筒3に取り付けられて、一対のラチェット爪アーム27、28を矢印c、d方向から揺動駆動するプランジャーソレノイド31、プランジャー32及び戻しばね33とからなる一対のアクチュエータ34、35とによって構成されている。
【0017】
そして、これらワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22の一対のラチェット機構29、30における一対のラチェット爪23、24及び一対のラチェット爪アーム27、28の先端のラチェット爪27a、28aは互いに逆方向に傾斜されている。
これにより、ワイド方向回転規制手段21はズームリング11のワイド方向Aの回転を規制しながら、ズームリング11のテレ方向Bへの回転は許容にする一方向回転規制手段に構成されていて、テレ方向回転規制手段22はズームリング11のテレ方向Bの回転を規制しながら、ズームリング11のワイド方向Aへの回転は許容する一方向回転規制手段に構成されている。
【0018】
ここで、図4及び図5によって、ワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22によるズームリング11のワイド方向Aとテレ方向Bの回転規制動作について説明する。
初めに、図4の(A)及び図5の(A)に示すように、ワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22の各アクチュエータ34、35のプランジャーソレノイド31が非励磁状態(OFF)である時には、それぞれプランジャー32が戻しばね33によって矢印d方向に戻され、それぞれラチェット機構29、30のラチェット爪アーム27、28が支点ピン25、26を中心に矢印b方向へ回転されて、先端のラチェット爪27a、28aがズームリング11のラチェット爪23、24から離脱されている。
従って、プランジャーソレノイド31が非励磁状態にあるアクチュエータ34、35のOFF時には、ワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22によるズームリング11の回転規制がOFF状態となっていて、撮影者はズームリング11をワイド方向A及びテレ方向Bへ手動で自由に回転調整によるズーミング操作を行うことができる。
【0019】
次に、図4の(A)に示すように、ズームリング11のワイド方向Aへの手動による回転調整中に、図6の光学系制御装置40によって第1制御信号である後述するワイド端位置信号CPWによってワイド方向回転規制手段21のアクチュエータ34のプランジャーソレノイド31が励磁(ON)されると、図4の(B)に実線で示すように、プランジャー32が戻しばね33に抗して矢印c方向へ吸引される。すると、ラチェット機構29のラチェット爪アーム27が戻しばね33のばね力によって支点ピン25を中心に矢印a方向へ回転駆動されて、ラチェット爪アーム27の先端のラチェット爪27aがラチェット爪23の1つの爪23aに係合され、その瞬間に、ラチェット爪アーム27によってズームリング11のワイド方向Aへの回転が規制(回転不能となる)される。
この際、ラチェット爪23に係合されたラチェット爪アーム27はズームリング11のワイド方向Aへの回転を規制するものの、テレ方向Bへの回転は許容している。
【0020】
つまり、図4の(B)に実線で示すようなラチェット爪23へのラチェット爪アーム27の係合状態で、ズームリング11をテレ方向Bへ手動で回転すると、これらラチェット爪23とラチェット爪27aの相互の傾斜面によるカム作用によって、図4の(B)に1点鎖線で示すように、ラチェット爪アーム27が支点ピン25を中心に矢印b方向へ戻しバネ33に抗して回転して、ラチェット爪27aがラチェット爪23から離脱される。従って、ラチェット機構29のラチェット爪アーム27をラチェット爪23のテレ方向Bへ相対的に順次乗り越えさせながら、ズームリング11をテレ方向Bへ手動で回転調整(ズーミング操作)することが可能になる。
【0021】
また、図5の(A)に示すように、ズームリング11のテレ方向Bへの手動による回転調整中に、図6の光学系制御装置40によって第2制御信号である後述するテレ端位置信号CPTによってテレ方向回転規制手段22のアクチュエータ35のプランジャーソレノイド31が励磁(ON)されると、図5の(B)に実線で示すように、プランジャー32が戻しばね33に抗して矢印c方向へ吸引される。すると、ラチェット機構30のラチェット爪アーム28が支点ピン26を中心に矢印a方向へ回転駆動されて、ラチェット爪アーム28の先端のラチェット爪28aがラチェット爪24の1つの爪24aに係合され、その瞬間に、ラチェット爪アーム28によってズームリング11のテレ方向Bへの回転が規制(回転不能となる)される。
この際、ラチェット爪24に係合されたラチェット爪アーム28はズームリング11のテレ方向Bへの回転を規制するものの、ワイド方向Aへの回転は許容している。
【0022】
つまり、図5の(B)に実線で示すようなラチェット爪24へのラチェット爪アーム28の係合状態で、ズームリング11をワイド方向Aへ手動で回転すると、これらラチェット爪24とラチェット爪28aの相互の傾斜面によるカム作用によって、図5の(B)に1点鎖線で示すように、ラチェット爪アーム28が支点ピン26を中心に矢印b方向へ戻しばね33に抗して回転してラチェット爪24から離脱される。従って、ラチェット機構30のラチェット爪アーム28をラチェット爪24のワイド方向Aへ相対的に順次乗り越えさせながら、ズームリング11をワイド方向Aへ手動で回転調整(ズーミング操作)することが可能になる。
【0023】
次に、図6に示した光学系制御装置40によって、ズームレンズ1の制御動作を説明する。
マイクロコンピュータによって構成されたレンズ制御信号生成部41はズームレンズ1に内蔵或いはビデオカメラ2に内蔵されていて、このレンズ制御信号生成部41からズームレンズ1のマイクロコンピュータによって動作制御部42へズーミング調整用制御信号、フォーカス調整用制御信号、アイリス調整用制御信号等の外部制御信号CCDが供給されるように構成されている。
【0024】
そこで、撮影者によってズームリング11がワイド方向A又はテレ方向Bへ手動で回転操作されると、ロータリーエンコーダ等からなる回転検出部43から回転検出出力信号DRZが動作制御部42に供給され、その回転検出信号DRZが動作制御部42からレンズ制御信号生成部41へ外部送出信号COTとして供給される。
すると、レンズ制御信号生成部41から動作制御部42へ外部制御信号CCOとしてのズーミング調整用制御信号が供給され、動作制御部42は第1制御信号であるズーミング制御信号CZをモータ作動信号形成部44に供給し、モータ作動信号形成部45からパルスモータ等のズーミング用モータ45に供給されたモータ作動信号SNZに応じて、そのズーミング用モータ45がワイド方向又はテレ方向に所定角度まで回転制御され、ズーミング用レンズ5によるワイド方向又はテレ方向のズーミングが自動的に行われることになる。
そして、ズーミング用レンズ位置検出部46によってズーミング用レンズ5の位置検出が行われて、その検出出力信号DZが動作制御部42に供給され、動作制御部42がこの検出出力信号DZを外部送出信号COTとしてレンズ制御信号生成部41へフィードバックすることになる。
【0025】
一方、このワイド方向又はテレ方向のズーミングに同期して、レンズ制御信号生成部41から動作制御部42へ外部制御信号CCOとしてのフォーカス制御信号CFが供給され、動作制御部42は第2制御信号であるフォーカス制御信号CFをモータ作動信号形成部47に供給し、モータ作動信号形成部47からパルスモータ等のフォーカスシング用モータ48に供給されたモータ作動信号SMFに応じて、そのフォーカスシング用モータ48が所定角度まで回転制御され、フォーカシング用レンズ6によるオートフォーカスが行われることになる。
そして、フォーカシング用レンズ位置検出部49によってフォーカシング用レンズ6の位置検出が行われて、その検出出力信号DFが動作制御部42に供給され、動作制御部42がこの検出出力信号DFを外部送出信号COTとしてレンズ制御信号生成部41へフィードバックすることになる。
【0026】
ここで、ズームリング11のワイド方向Aとテレ方向Bへの手動による回転調整(ズーミング動作)中における動作端であるワイド端(広角端)Wとテレ端(望遠端)Tでのワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22によるズームリング11の回転規制及び規制解除の動作を図7のフローチャート図を参照しながら、図6の光学系制御装置40によって説明する。
ズームリング11のワイド方向A又はテレ方向Bの何れかの方向へ手動により回転調整中に、ズーミング用レンズ5及び/又はフォーカシング用レンズ6によるメカニカルな停止位置にてズームリング11の回転が停止されると、レンズ制御信号生成部41は、動作制御部42を通して供給されているズーミング用レンズ位置検出部46及びフォーカシング用レンズ位置検出部49からの検出出力信号DZ及びCFを演算(S001)して、この時のズームリング11の停止位置がワイド端Wであるか否かを判別(S002)する。
【0027】
そして、この時のズームリング11の停止位置がワイド端Wであると判別されれば、レンズ制御信号生成部41から動作制御部42を通してワイド端作動形成部50ヘワイド端規制指令信号が供給される。
すると、ワイド端作動信号形成部50によってワイド方向回転規制手段21のアクチュエータ34のプランジャーソレノイド31が励磁されて、図4の(B)に実線で示したように、ラチェット機構29のラチェット爪アーム27がズームリング11のラチェット爪23の1つの爪23aに係合されて、ズームリング11のワイド方向Aの回転規制が実行(S003)される。
【0028】
そして、この時のズームリング11の停止位置がワイド端Wではないと判別された時には、レンズ制御信号生成部41から動作制御部42を通してワイド端作動信号形成部50へワイド端規制解除信号が供給され、そのワイド端作動信号形成部50によってワイド方向回転規制手段21のアクチュエータ34のプランジャーソレノイド31への励磁が切断されて、図4の(A)に示すように、ラチェット機構29のラチェット爪アーム27をズームリング11のラチェット爪23から離脱して、ズームリング11のワイド方向Aの回転規制の解除を実行(S004)する。
【0029】
次に、レンズ制御信号生成部41は、この時のズームリング11の停止位置がテレ端Tであるか否かを判別する。
そして、この時のズームリング11の停止位置がテレ端Tであると判別(S005)されれば、レンズ制御信号生成部41から動作制御部42を通してテレ端動作信号形成部51へテレ端規制指令信号が供給される。
すると、テレ端作動信号形成部51によってテレ方向回転規制手段22のアクチュエータ35のプランジャーソレノイド31が励磁されて、図5の(B)に実線で示したように、ラチェット機構30のラチェット爪アーム28がズームリング11のラチェット爪24の1つの爪24aに係合されて、ズームリング11のテレ方向Bの回転規制が実行(S006)される。
【0030】
そして、この時のズームリング11の停止位置がテレ端Tではないと判別された時には、レンズ制御信号生成部41から動作制御部42を通してテレ端作動信号形成部51へテレ端規制解除信号が供給され、そのテレ端作動信号形成部51によってテレ方向回転規制手段22のアクチュエータ35のプランジャーソレノイド31への励磁が切断されて、図5の(A)に示すように、ラチェット機構30のラチェット爪アーム28をズームリング11のラチェット24から離脱して、ズームリング11のテレ方向Bの回転規制の解除を実行(S007)する。
以上により、一連のフローが終了し、このフローを周期的に行うことにより、ズームリング11のワイド端Wとテレ端Tでの回転規制及び規制解除を交互に行うことができる。
【0031】
ところで、オートフォーカス機能が搭載されたリアフォーカスタイプのズームレンズ1によれば、フォーカシングによるズーム位置の補正が必要になったり、レンズ鏡筒3全体の熱膨張/収縮等によってズーミング用レンズ5の位置を微調整する必要が生じる場合、撮影者には意識させずに補正を行う事ができればよりレンズの操作性は簡単になる。
【0032】
本発明のズームレンズ1によれば、前述したように、単に、ズーム操作部材であるズームリング11のワイド端Wやテレ端Tでの回転をワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22によって規制しているだけであり、ワイド端Wやテレ端Tにてズーミング用レンズ5やフォーカシング用レンズ6は何等固定していないので、このズームリング11のワイド端Wやテレ端Tでの回転規制は、画角補正の動作には何等の影響も与えるものではない。
また、ワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22は、ワイド端Wやテレ端Tにてズームリング11の回転を完全固定するものではなく、これらワイド方向及びテレ方向回転規制手段は、図5の(B)や図6の(B)に1点鎖線で示したように、ワイド方向Aの回転が規制されたズームリング11をワイド端Wからテレ方向Bへ自由に回転調整することや、テレ方向Bの回転が規制されたズームリング11をワイド方向Aへ自由に回転調整することができ、画角補正をスムーズに行うことができる。
【0033】
なお、図6に示した光学系制御装置40によれば、ズームリング11のワイド端Wやテレ端Tでの回転規制後に、撮影者が、ズームリング11をワイド端Wからテレ方向Bやテレ端Tからワイド方向Aへ回転操作したことにより、元のワイド端Wやテレ端Tがワイド方向Aの動作端やテレ方向Bの動作端でなくなった場合には、回転検出部43から検出出力信号DRZが動作制御部42を通してレンズ制御信号生成部41へ供給されて、動作端の識別信号が解除される。
そして、これと共に、レンズ制御信号生成部41から動作制御部42を通して、ワイド端作動形成部50又はテレ端作動信号形成部51に回転規制の解除信号が供給されて、ワイド方向回転規制手段21又はテレ方向回転規制手段22のアクチュエータ34又はプランジャーソレノイド31の励磁が解除される。これにより、図5の(A)や図6の(A)に示すように、ラチェット機構29又は30のラチェット爪アーム27又は28がズームリング11のラチェット爪23又は24から解除される。
【0034】
以上のことから、本発明のズームレンズ1によれば、従来のビデオカメラで用いられてきたフロントフォーカスタイプのズームレンズと同等の操作性を実現することができる。また、ズームリング11のワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22はズーミング用レンズ5や、フォーカシングを行うフォーカスシング用レンズ12等から独立しているので、リアフォーカスタイプのズームレンズ1特有の電子カムを使ったズーミング用レンズ5等にも影響が出ない上に、ズーミング用レンズ5等を駆動するモータへの負荷も軽くなり、小型化、省電力化、低騒音化等を実現することができる。
【0035】
また、図6に示した光学系制御装置40によれば、撮影者による操作部であるズームロックスイッチ52を備えている。このズームロックスイッチ52は、撮影者が意図的に、ズーム位置を固定させた場合に使用するものである。
つまり、例えば、粘度人形等を用いたコマ撮りやアニメーション撮影、その他、撮影者が意図的に画角(ズーム位置)を固定したまま、画面内の粘度人形等の撮影対象のフォーカシングのみを行う場合には、ズーム位置を設定した後に、撮影者がズームロックスイッチ52をONする。
【0036】
すると、ズームロック信号が動作制御部42を通してレンズ制御信号生成部41へ供給され、レンズ制御信号生成部41から動作制御部42を通してワイド端及びテレ端作動信号形成部50、51へズームロック指令信号が供給される。そして、ワイド端及びテレ端作動信号形成部50、51によってワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22のアクチュエータ34、35のプランジャーソレノイド31が共に励磁され、図5の(B)及びこ図6の(B)に示すように、ラチェット機構29、30の両ラチェット爪アーム27、28がズームリング11の両ラチェット爪23、24に共に係合されて、ズームリング11が設定されたズーム位置で完全固定され、ズームレンズ1の画角を完全に固定することができる。
従って、このズームロック後には、ズームリング11に不用意に触れても、画角が変化することがない。一方、この場合でも、フォーカスリング12によるフォーカシングや画角補正、レンズ鏡筒3全体の熱膨張/収縮でのズーム位置の移動はズームリング11と独立しているズーミング用レンズ5やフォーカシング用レンズ6で行えるので、レンズ側の内部処理として行うことが可能である。
【0037】
(2)・・・ 第2の実施の形態の説明
次に、図9〜図11によって、本発明のズームレンズ1の第2の実施の形態について説明すると、この場合は、前述したワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22を前述したズームリング11に連動して回転される回転リング110に付設したものである。
即ち、回転リング110の軸方向の両側における外周全域に円環状に形成された一対のラチェット爪23、24と、前述したレンズ鏡筒3に一対の支点ピン25、26によって揺動自在に枢支されてズームリング110の外周位置に配置され、ラチェット爪23、24に外側から矢印a、b方向に係合、離脱される一対のラチェット爪アーム27、28とからなる一対のラチェット機構29、30と、レンズ鏡筒3に取り付けられて、一対のラチェット爪アーム27、28を矢印c、d方向から揺動駆動するプランジャーソレノイド31、プランジャー32及び戻しばね33とからなる一対のアクチュエータ34、35とによって構成されている。
【0038】
そして、これらワイド方向及びテレ方向回転規制手段21、22の一対のラチェット爪23、24及びラチェット爪アーム27、28は互いに逆方向に傾斜されている。
これにより、ワイド方向回転規制手段21はズームリング11に連動して回転される回転リング11のワイド方向Aの回転を規制しながら、ズームリング11に連動して回転される回転リング110のテレ方向Bへの回転は許容する一方向回転規制手段に構成されていて、テレ方向回転規制手段22はズームリング11に連動して回転される回転リング110のテレ方向Bの回転を規制しながら、ズームリング11に連動して回転される回転リング110のワイド方向Aへの回転は許容する一方向回転規制手段に構成されている。
【0039】
そして、前述した第1の実施の形態と同様に、一対のアクチュエータ34、35のプランジャーソレノイド31が非励磁状態の時には、図10に実線で示すように、一対のラチェット爪アーム27、28が一対のラチェット爪23、24から矢印b方向へ離脱されていて、一対のラチェット34のプランジャーソレノイド31がそれぞれ励磁されると、図10に1点鎖線で示すように、一対のプランジャー32が戻しばね33に抗して矢印c方向へ吸引されて、一対のラチェット爪アーム27、28が一対のラチェット爪23、24に矢印a方向から係合されるように構成されている。
従って、この第2の実施の形態は、前述した第1の実施の形態と同様に、ズームリング11のワイド方向Aへの回転操作時におけるワイド端Wでの回転規制やズームリング11のテレ方向Bへの回転操作時におけるテレ端Tでの回転規制及びズームロック等を実行することができる。
【0040】
(3)・・・ 第3の実施の形態の説明
次に、図12〜図17によって、本発明のズームレンズ1の第3の実施の形態について説明すると、この場合は、ズームリング11のワイド方向回転規制手段21及びテレ方向回転規制手段22を、ズームリング11の円周上の無断階の位置で回転規制することができる無断階回転規制手段210とテレ方向無断階回転規制手段220に構成したものである。
【0041】
これらワイド方向及びテレ方向無断階回転規制手段210、220は、例えば、ズームリング11の軸方向の両端部の内周面に形成された平滑面である一対のローラ圧着面61、62と、第1、第2の2つの一方向回転クラッチである後述する一方向回転クラッチ63d、64dによって互いに反対方向である一方向へのみ回転可能な一対の一方向回転圧着ローラ63、64と、レンズ鏡筒3に一対の支点ピン65、66によって揺動自在に枢支されてズームリング11の両側に配置され、先端に取り付けられた一対の一方向回転圧着ローラ63、64をズームリング11の一対のローラ圧着面61、62に矢印a、b方向から圧着、離間する一対の圧着アーム67、68と、レンズ鏡筒3に取り付けられて、一対の圧着アーム67、68を矢印c、d方向から揺動駆動するプランジャーソレノイド69、プランジャー70及び戻しばね71からなる一対のアクチュエータ72、73とによって構成されている。
【0042】
なお、一対の一方向回転圧着ローラ63、64は、それぞれ一対の圧着アーム67、68の先端に角軸等の一対の固定軸63a、64aを介して固定された一対の固定輪63b、64bと、これら一対の固定輪63b、64bの外周に回転自在に取り付けられた第1、第2回転輪である一対の一方向回転輪63c、64cと、これら一対の固定輪63b、64bと一方向回転輪63c、64cとの間にそれぞれに組み込まれた1個又は複数個の一方向回転クラッチ63d、64dとによって構成されている。そして、これらの一方向回転クラッチ63d、64dは、例えば、一対の固定輪63b、64bと一対の一方向回転輪63c、64cとの内外周間に円弧状で、互いに逆向きに形成されたクサビ形状溝63e、64eと、これら一対のクサビ形状溝63e、64e内で一方向回転輪63c、64cの円周方向である矢印e、f方向及び/又は矢印g、h方向に移動可能に構成されたボール(又はローラ)63f、64fによって構成されている。
この際、ズームリング11の一対のローラ圧着面61、62及び/又は一対の一方向回転輪63c、64cの外周面をゴム等の高摩擦部材で構成するのが好ましい。
【0043】
このワイド方向無断階回転規制手段210及びテレ方向無断階回転規制手段220によれば、図15の(A)及び図16の(A)に示すように、一対のアクチュエータ72、73の各プランジャーソレノイド69がそれぞれ非励磁状態(OFF)にある時には、一対の一方向回転圧着ローラ63、64が各戻しばね71によってそれぞれ一対の圧着アーム67、68を介してズームリング11の一対のローラ圧着面61、62から矢印b方向へ離間されている。従って、ズームリング11をワイド方向A及びテレ方向Bへ自由に回転することができる。
【0044】
一方、図15の(B)及び図16の(B)に示すように、前述したズームリング11のワイド方向A又はテレ方向Bへの回転調整中のワイド端Wやテレ端Tにて各アクチュエータ72、73のプランジャーソレノイド69が励磁(ON)されて、プランジャー70が戻しばね71に抗して矢印c方向へ吸引され、各圧着アーム67、68が戻しばね71のばね力によって支点ピン65、66を中心に矢印a方向へ回転されると、各一方向回転圧着ローラ63、64が外周の一方向回転輪63c、64cによって戻しばね71のばね力によってズームリング11の各ローラ圧着面61、62に矢印a方向から圧着される。すると、その圧着点(この圧着点はズームリング11の円周方向の無断階の位置である)にてズームリング11が瞬時に回停止される。
【0045】
つまり、図17の(A)及び(B)に実線で示すように、各一方向回転圧着ローラ63、64の一方向回転輪63c、64cが各ローラ圧着面61、62に矢印a方向から圧着されて、これら一対の一方向回転輪63c、64cがズームリング1の回転方向と同方向である矢印e方向又は矢印g方向へ従動回転される瞬間に、各一方向クラッチ63d、64dの各ボール63f、64fが各クサビ形状溝63e、64eの内部空間の狭い側へ矢印e、h方向に食い込んで、各一方向回転クラッチ63d、64dがONとなる。その瞬間に、各一方向回転輪63c、64cの回転が停止して、ズームリング11のワイド方向A又はテレ方向Bの回転が瞬時に停止する。
【0046】
一方、図17の(A)及び(B)に1点鎖線で示すように、このズームリング11のワイド方向A又はテレ方向Bのワイド端Wやテレ端Tでの回転規制後に、ズームリング11がそのワイド方向Aやテレ方向Bの反対方向へ回転調整された時には、各一方向回転クラッチ63d、64dの各ボール63f、64fが各クサビ形状溝63e、64eの内部空間の広い側へ矢印f、h方向にそれぞれ逃げて、各一方向回転クラッチ63d、64dがOFFとなる。従って、この時には、一方向回転クラッチ63d、64dによるズームリング11の回転規制は何等行われず、ズームリング11をワイド方向Aやテレ方向Bの反対方向へ自由に回転調整することができる。
【0047】
このように、ワイド方向及びテレ方向回転規制手段として、ワイド方向及びテレ方向無断階回転規制手段210、220を採用することにより、ズームリング11のワイド端W及びテレ端Tの回転規制(位置決め)を非常に細かく(回転規制を360°内で無断階に行えること)行うことができ、高精度にワイド端W及びテレ端Tを設定することができる。
なお、このワイド方向及びテレ方向無断階規制手段210、220は、ズームリング11の軸方向の両側面に形成した一対のローラ圧着面63、64に一対の一方向回転圧着ローラ63、64をその両側面に左右両側方から圧着、離間させるように構成することも可能である。また、前述した第2の実施の形態と同じように、ズームリング11に連動されて回転される回転リング110にこのワイド方向及びテレ方向無断階回転規制手段210、220を上記のように付設することも可能である。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の有効な変更が可能である。
例えば、上記した実施の形態では、ワイド方向及びテレ方向回転規制手段としてラチェット機構を用い、これらのアクチュエータとしてプランジャーソレノイドを採用したが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上記した実施の形態では、ワイド方向及びテレ方向無断階回転規制手段として一方向回転クラッチを内蔵した一方向回転圧着ローラを、プランジャーソレノイドを用いたアクチュエータによってローラ圧着面に圧着、離間させる方式を採用したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
【発明の効果】
本発明のリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラは、ズームリングがレンズ鏡筒に対して第1の回転方向とその反対方向である第2の回転方向との2方向に回転される際、そのズームリングの2方向における任意の回転位置にて、2つの回転規制手段によってズームリングの第1及び第2の回転方向への回転をそれぞれ独立して規制及び規制解除することができるようにして、リアフォーカスタイプのズームレンズでありながら、フロントフォーカスタイプのズームレンズと同様にズーム動作端を認識することができるようにしたので、従来不可能であったリアフォーカスタイプのズームレンズにおいて、クラッチ機構を用いずに、業務用ビデオカメラで多く用いられてきたフロントフォーカスタイプのズームレンズと同様に、ズーミング中のワイド端やテレ端等の動作端を明確に確認することができ、操作性を著しく向上することができる。
【0050】
本発明のリアフォーカスタイプのズームレンズとピテオカメラは、フロントフォーカスタイプのズームレンズと同様にズーム動作端を認識することができるようにしたので、クラッチ機構のように、撮影者に対してズーム機能のサーボと手動の切り替えを強要することなく、各種のオート機能や補正機能(オートフォーカス、オートフランジバック調整等)を成立させることができる。
【0051】
本発明のリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラは、2つの回転規制手段によってズームリングの第1及び第2の回転方向の任意の回転位置にて、ズームリングの第1及び第2の回転方向の回転をそれぞれ独立して規制及び規制解除することができるようにしたので、コマ撮りやアニメーション撮影、その他、撮影者が意図的にズーム位置(画角)を固定したい場合に、任意の位置でズーム位置(画角)を自由に固定することができ、コマ撮りやアニメーション撮影、その他の撮影を撮影者の希望通りに実行することができる。
【0052】
本発明のリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラは、2つの回転規制手段が、ズーミングを行うズーミング用レンズやフォーカシングを行うフォーカシング用レンズから独立されたズームリングの回転位置を規制するので、フォーカシングによる画角補正やレンズ鏡筒全体の熱膨張/収縮によるズーム位置の移動には悪影響を及ぼさない。
【0053】
本発明のリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラは、2つの回転規制手段が、ズーミングを行うズーミング用レンズやフォーカシングを行うフォーカシング用レンズから独立されたズームリングの回転位置を規制するので、ズーミング用レンズやフォーカシング用レンズ等をそれぞれ移動する各モータへの負荷が小さくなり、ズームレンズ全体の小型化、省電力化、低騒音化等を実現できる。
【0054】
本発明のリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラは、2つの回転規制手段が、ズームリングの回転位置を無断階に規制することができるので、コマ撮りやアニメーション撮影、その他、撮影者が意図的にズーム位置(画角)を固定したい場合に、任意のズーム位置(画角)を微細に設定することができ、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したリアフォーカスタイプのズームレンズとビデオカメラの第1の実施の形態におけるズームリングのワイド方向及びテレ方向回転規制手段を示した斜視図である。
【図2】 図1の側面図である。
【図3】 図2の下面図である。
【図4】 同上のワイド方向回転規制手段の動作を説明する側面図である。
【図5】 同上のテレ方向回転規制手段の動作を説明する側面図である。
【図6】 同上のズームレンズの制御系と、ワイド方向及びテレ方向回転規制手段の制御系が組み込まれた光学系制御装置のブロック図である。
【図7】 図6の光学系制御装置におけるワイド方向及びテレ方向回転規制手段によるズームリングのワイド端及びテレ端検出と位置規制の動作を説明するフローチャート図である。
【図8】 同上のズームレンズが取り付けられたビデオカメラの先端部分を示した斜視図である。
【図9】 本発明を適用したリアフォーカスタイプのズームレンズの第2の実施の形態における回転リングのワイド方向及びテレ方向回転規制手段を示した斜視図である。
【図10】 図9の側面図である。
【図11】 図10の下面図である。
【図12】 本発明を適用したリアフォーカスタイプのズームレンズの第3の実施の形態におけるズームリングのワイド方向及びテレ方向無断階回転規制手段を示した斜視図である。
【図13】 図12の側面図である。
【図14】 図13の下面図である。
【図15】 同上のワイド方向無断階回転規制手段の動作を説明する側面図である。
【図16】 同上のテレ方向無断階回転規制手段の動作を説明する側面図である。
【図17】 同上のワイド方向及びテレ方向無断階回転規制手段における一方向回転圧着ローラの一方向クラッチを説明する側面図である。
【符号の説明】
1はズームレンズ、2はビデオカメラ、3はレンズ鏡筒、5はズーミング用レンズ、6はフォーカシング用レンズ、11はズームリング、110はズームリングに連動して回転される回転リング、21は第1方向回転規制手段であるワイド方向回転規制手段、22は第2方向回転規制手段であるテレ方向回転規制手段、210は第1方向回転規制手段であるワイド方向無断階回転規制手段、220は第2方向回転規制手段であるテレ方向無断階回転規制手段、29、30はラチェット機構、34、35はアクチュエータ、40は光学系制御装置、41は動作制御部、41はレンズ制御信号生成部、61、62はローラ圧着面、63、64は一方向回転圧着ローラ、63d、64dは一方向回転クラッチ、72、73はアクチュエータである。
Claims (4)
- リアフォーカスタイプのズームレンズにおいて、
ズーミング用レンズと、
該ズーミング用レンズの位置を検出して検出結果を出力する第1検出手段と、
ズームリングと、
該ズームリングのレンズ鏡筒に対する回転位置を検出して検出結果を出力する第2検出手段と、
操作部と、
前記第1検出手段の出力と前記第2検出手段の出力と前記操作部により入力された情報に応じて第1制御信号、第2制御信号を発生する制御手段と、
前記ズームリングの前記レンズ鏡筒に対する第1の回転方向に対して任意の位置で前記第1制御信号に応じて規制又は規制解除する第1の回転規制手段と、
前記ズームリングの前記レンズ鏡筒に対する第1の回転方向とは異なる第2の回転方向に対して任意の位置で前記第2制御信号に応じて規制又は規制解除する第2の回転規制手段とを備え、
前記操作部により所定の情報が入力された時、前記第1の回転規制手段及び前記第2の回転規制手段が、共に前記ズームリングの回転を規制する
ことを特徴とするリアフォーカスタイプのズームレンズ。 - 前記第1の回転規制手段は、一方向にのみ回転可能とするための第1回転クラッチが組み込まれた第1回転輪を有し、前記第1制御信号に応じて前記第1回転輪を前記ズームリングに圧着又は離間するように構成され、
前記第2の回転規制手段は、前記第1回転輪の回転方向とは逆方向にのみ回転可能とするための第2回転クラッチが組み込まれた第2回転輪を有し、前記第2制御信号に応じて前記第2回転輪を前記ズームリングに圧着又は離間するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のリアフォーカスタイプのズームレンズ。 - ズーミング用レンズと、
該ズーミング用レンズの位置を検出して検出結果を出力する第1検出手段と、
ズームリングと、
該ズームリングのレンズ鏡筒に対する回転位置を検出して検出結果を出力する第2検出手段と、
操作部と、
前記第1検出手段の出力と前記第2検出手段の出力と前記操作部により入力された情報に応じて第1制御信号、第2制御信号を発生する制御手段と、
前記ズームリングの前記レンズ鏡筒に対する第1の回転方向に対して任意の位置で前記第1制御信号に応じて規制又は規制解除する第1の回転規制手段と、
前記ズームリングの前記レンズ鏡筒に対する第1の回転方向とは異なる第2の回転方向に対して任意の位置で前記第2制御信号に応じて規制又は規制解除する第2の回転規制手段とを備え、
前記操作部により所定の情報が入力された時、前記第1の回転規制手段及び前記第2の回転規制手段が、共に前記ズームリングの回転を規制するリアフォーカスタイプのズームレンズとを備え、
前記ズームレンズが固着又は脱着可能に搭載されている
ことを特徴とするビデオカメラ。 - 前記第1の回転規制手段は、一方向にのみ回転可能とするための第1回転クラッチが組み込まれた第1回転輪を有し、前記第1制御信号に応じて前記第1回転輪を前記ズームリングに圧着又は離間するように構成され、
前記第2の回転規制手段は、前記第1回転輪の回転方向とは逆方向にのみ回転可能とするための第2回転クラッチが組み込まれた第2回転輪を有し、前記第2制御信号に応じて前記第2回転輪を前記ズームリングに圧着又は離間するように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のビデオカメラ。
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