JPH08334676A - 自動焦点カメラ用レンズ鏡筒 - Google Patents

自動焦点カメラ用レンズ鏡筒

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Publication number
JPH08334676A
JPH08334676A JP13963195A JP13963195A JPH08334676A JP H08334676 A JPH08334676 A JP H08334676A JP 13963195 A JP13963195 A JP 13963195A JP 13963195 A JP13963195 A JP 13963195A JP H08334676 A JPH08334676 A JP H08334676A
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JP
Japan
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ring
switching
lens barrel
focus
friction plate
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Application number
JP13963195A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Suzuki
宏明 鈴木
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 AF時には小さな負荷でフォーカスレンズを
円滑に駆動でき、MF時にはフォーカス環の回動操作力
を適切にして操作感を向上させることができる自動焦点
カメラ用レンズ鏡筒を提供すること。 【構成】 回動されて合焦状態を調節するフォーカス環
と;焦点検出装置からの情報に基づき、このフォーカス
環を駆動するAF駆動系と;回動操作及び光軸方向への
移動切換操作が可能なAF−MF切換環と;このAF−
MF切換環が光軸方向の一方に移動されたとき、フォー
カス環をAF駆動系に連結して該AF−MF切換環との
連結を解き、光軸方向の他方に移動されたときフォーカ
ス環を該AF−MF切換環に連結してAF駆動系との連
結を解くAF−MF切換機構と;を備えた自動焦点カメ
ラ用レンズ鏡筒において、フォーカス環がAF−MF切
換環に接続されているときの該フォーカス環の回動抵抗
を、フォーカス環がAF駆動系に接続されているときの
回動抵抗より大きくする回動抵抗付与手段を設けた自動
焦点カメラ用レンズ鏡筒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動焦点(AF)カメラに用い
られるレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】AF一眼レフカメラでは従
来、手動操作によるマニュアルフォーカス(MF)と、
焦点検出装置からの情報に基づき作動するAF駆動系に
よるオートフォーカス(AF)との切り換えは、カメラ
ボディ側で行なわれていた。AF一眼レフカメラでは、
カメラボディにAF軸が備えられ、交換レンズ側に、こ
のAF軸によって駆動される被動AF軸が設けられてい
る。この両AF軸が結合されている状態がAF状態であ
り、AF軸の回転により、フォーカスレンズ群が光軸方
向に移動し、同時にレンズ側のフォーカスリングが回動
する。MF状態にするには、ボディ側AF軸とレンズ側
被動AF軸の結合を外し、手動で、レンズ側のフォーカ
スリングを回動させる。しかしこの従来のレンズ鏡筒
は、AF時にも、レンズ側のフォーカスリングが回動す
るという問題があった。
【0003】そこで、本出願人により、光軸方向での直
進移動操作及び回動操作が可能なAF−MF切換環を設
け、このAF−MF切換環が光軸方向のMF位置にある
ときには、該AF−MF切換環の回動によりマニュアル
フォーカシングを行なわせ、AF位置にあるときには、
このAF−MF切換環を回動させることなくオートフォ
ーカシングを行なわせる自動焦点カメラ用レンズ鏡筒が
提案されている(特開平5-34568 号参照)。
【0004】ところで、このような構造を備えたレンズ
鏡筒では、フォーカス環を介してフォーカスレンズを自
動で駆動する場合にレンズ駆動用モータに過負荷が掛か
らないようにするため、フォーカス環を回転させるため
のトルクを極力軽くしている。従って、このレンズ鏡筒
を操作する場合、AF時にはフォーカス環の回転トルク
が軽くて良いものの、MF時にはフォーカス環を手動で
回動させるときの回動操作力が軽過ぎ、微妙なフォーカ
ス調整や合焦状態のホールドが困難となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような自動焦点カメラ用
レンズ鏡筒に関する上記問題点に基づき、AF時には小
さな負荷でフォーカスレンズを円滑に駆動でき、MF時
にはフォーカス環の回動操作力に適度の負荷を持たせて
操作感を向上させ得る自動焦点カメラ用レンズ鏡筒を提
供することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】上記目的を達成するための本発明は、回
動されて合焦状態を調節するフォーカス環と;焦点検出
装置からの情報に基づき、このフォーカス環を駆動する
AF駆動系と;回動操作及び光軸方向への移動切換操作
が可能なAF−MF切換環と;このAF−MF切換環が
光軸方向の一方に移動されたとき、フォーカス環をAF
駆動系に連結して該AF−MF切換環との連結を解き、
光軸方向の他方に移動されたときフォーカス環を該AF
−MF切換環に連結してAF駆動系との連結を解くAF
−MF切換機構と;を備えた自動焦点カメラ用レンズ鏡
筒において、フォーカス環がAF−MF切換環に接続さ
れているときの該フォーカス環の回動抵抗を、フォーカ
ス環がAF駆動系に接続されているときの回動抵抗より
大きくする回動抵抗付与手段を設けたことを特徴として
いる。
【0007】上記回動抵抗付与手段は、AF−MF切換
環とこれを支持する固定環との間に設けることができ
る。
【0008】
【発明の実施例】以下図示実施例について本発明を説明
する。図1〜図12は、本発明に係るレンズ鏡筒の第1
実施例を示している。図1において符号10は固定環で
あり、この固定環10は、光軸方向の後端部に、カメラ
ボディとの装着マウント11を有し、光軸方向における
前部内周に内周円筒部41を有している。固定環10は
また、円周方向に所定の角度間隔を持つ一対のストッパ
突起18を内周側に突出させている。
【0009】内周円筒部41の内周には、フォーカスレ
ンズL1を支持したフォーカスレンズ枠12が、光軸方
向進退可能に嵌合されている。内周円筒部41は、光軸
方向と平行な直進案内溝13を有し、この直進案内溝1
3に、フォーカスレンズ枠12に固定したガイドピン1
4を移動自在に嵌入させている。固定環10は、実際に
は複数の環状部材の組み合わせからなるが、図では便宜
上、一部材で描いている。
【0010】固定環10にはフォーカス環15が、直進
案内溝13の外側に位置させて相対回転自在に嵌合され
ている。フォーカス環15の内周面には、直進案内溝1
3と対向させて、ガイドピン14を嵌入させるリード溝
16が形成されている。従って、フォーカス環15を回
転させると、直進案内溝13、リード溝16及びガイド
ピン14に従ってフォーカスレンズ枠12を、フォーカ
スレンズL1と共に光軸方向に移動させて、フォーカシ
ングを実行させることができる。またフォーカス環15
の後部外周には、径方向外方に向けて突出させたストッ
パ突起19が設けられている。
【0011】フォーカス環15の回動範囲は、固定環1
0内周の一対のストッパ突起18と、該フォーカス環1
5外周のストッパ突起19とによって規制される。ま
た、フォーカス環15の外周側に撮影距離目盛20が付
され、固定環10の該撮影距離目盛20と対応する位置
に観察窓21が設けられており、撮影者は、この観察窓
21を通して撮影距離目盛20を観察することができ
る。なお、図1中のOは光軸を示し、L2は撮影レンズ
を示している。
【0012】フォーカス環15は後部内周に内歯歯車2
4を有している。また固定環10には、この内歯歯車2
4と噛み合うピニオン25を有するAF伝達軸26が軸
方向(光軸と平行な方向)に移動可能に支持されてい
る。このAF伝達軸26の後端部に固定されたピニオン
27は、被動AF軸28の前端部に固定したピニオン2
9に噛み合っている。この被動AF軸28は、周知のよ
うに、図示しないカメラボディに装着されたとき、該ボ
ディ内のAF軸に結合される。このカメラボディ内に
は、焦点検出装置からの情報に基づいてフォーカス環1
5を駆動する、駆動モータを含むAF駆動系が設けられ
ており、このAF駆動系の駆動による被動AF軸28の
回転がピニオン29、27を介してピニオン25に伝達
される。
【0013】固定環10の光軸方向の中間部には、AF
−MF切換環31が、光軸方向での進退及び回動を可能
に支持されている。このAF−MF切換環31の外周に
は、化粧環32が嵌合された状態で固定されている。こ
の実施例では、AF−MF切換環31を光軸後方(図1
右方)の移動端に移動させた状態がAF位置(図1参
照)、前方(図2左方)の移動端に移動させた状態がM
F位置(図2参照)である。AF−MF切換環31の内
面には、AF位置とMF位置に対応する、環状V溝3
3、34が形成されている。また固定環10には、該環
状V溝33と34のいずれか一方に嵌入するクリックボ
ール35と、このボール35を径方向外方に移動付勢す
る板ばね36が設けられている。
【0014】フォーカス環15とAF−MF切換環31
との間には、AF−MF切換環31をMF位置に移動さ
せたとき、フォーカス環15とAF−MF切換環31と
を機械的に連結する第1クラッチ機構48が設けられて
いる。フォーカス環15の後端部には、図4と図9に示
されるように、光軸後方に向けて開口され、第1クラッ
チ機構48の一部を構成するロックピン45を摺動自在
に収納する収納孔42が形成されている。この収納孔4
2は、フォーカス環15の周方向に90゜ずつ位置をず
らして4箇所形成されている。この4箇所の収納孔42
はそれぞれ、後部内周に雌ねじ42aを有し、前部内周
に凹部42bを有している。収納孔42の雌ねじ42a
には、環状抜止部材43の外周に形成した雄ねじ43a
が螺合されている。
【0015】この環状抜止部材43は、フォーカス環1
5の後端壁に当て付くフランジ43bと、ロックピン4
5を摺動自在に挿通する貫通孔43dを有している。フ
ランジ43bには、マイナスドライバー等の締付工具を
係合させる係合溝43cが形成されている。ロックピン
45は、光軸後方に向いた先端部が半球状に形成され、
本体部分の外径が、環状抜止部材43の貫通孔43dの
内径と略等しくされている。該本体部分の内周側には、
光軸前方に開口する、圧縮ばね46を挿入するための挿
入孔45aが形成されている。ロックピン45はまた、
環状抜止部材43の前端部に当て付き光軸後方への抜け
を規制する、外径が収納孔42の内径よりやや小さいフ
ランジ45bを有している。上記圧縮ばね46は、収納
孔42にロックピン45を挿入した状態において、挿入
孔45a内の壁面と凹部42bとの間に縮設されてい
る。
【0016】図6と図11に示すように、AF−MF切
換環31の内周側には内周フランジ65が形成されてい
る。この内周フランジ65には、ロックピン45とで第
1クラッチ機構48を構成する多数のロック用溝部65
aが周方向に形成されている。また内周フランジ65
は、各ロック用溝部65aの間に、多数のロック用溝部
65aと同数の壁部65bを有している。各ロック用溝
部65aは、フォーカス環15に接近したとき、該フォ
ーカス環15の周方向の4箇所に等角度間隔で設けたロ
ックピン45を同時に係合できるように、互いの角度間
隔が定められている。
【0017】フォーカス環15とAF伝達軸26との間
には、第2クラッチ機構53が設けられている。この第
2クラッチ機構53は、AF−MF切換環31が後方の
AF位置にあるときには、ピニオン25を内歯歯車24
に噛み合わせ、前方のMF位置にあるときには、ピニオ
ン25と内歯歯車24との噛合を解く。
【0018】図8に示すように、AF伝達軸26の軸方
向の略中央には、ばね受フランジ66と、該フランジ6
6より大径のばね受フランジ58bが、互いに所定距離
離して固定されている。AF伝達軸26のばね受フラン
ジ66と58bの間には、ばね受フランジ66より大径
のばね受リング58aが摺動自在に嵌められている。A
F伝達軸26のばね受リング58aとばね受フランジ5
8bの間に、圧縮ばね63が縮設されている。この圧縮
ばね63の移動端は、ばね受リング58aがばね受フラ
ンジ66に当接する位置で規制される。
【0019】AF伝達軸26のばね受フランジ58bよ
りピニオン27側には、切換アーム60が設けられてい
る。この切換アーム60は略90゜屈曲され、一端部に
二股部61を有し、他端部に、上方に突出する係合ピン
56を有している。AF−MF切換環31の内面には、
周方向に長い環状溝54(図1)が形成され、また固定
環10の一部をなす小径部10b(図1)には、光軸方
向に長い係合溝10cが形成されている。切換アーム6
0は、ピン56を環状溝54に摺動自在に嵌入させかつ
二股部61をAF伝達軸26に係合させた状態で係合溝
10c内を光軸方向に移動可能に支持されている。
【0020】小径部10bより前方側の小径部10aに
は、切換アーム60と対をなす切換アーム55が固定ね
じ54で固定されている。この切換アーム55は、切換
アーム60と同様に略90゜屈曲され、固定ねじ54を
挿入するねじ孔55aと、二股部57とを有している。
この二股部57は、小径のばね受フランジ66とは係合
せずにこれを通過させ、大径のばね受リング58aとの
み係合する。
【0021】AF−MF切換環31と固定環10との間
には、AF−MF切換環31をAF位置に移動させたと
き、AF−MF切換環31と固定環10とを機械的に連
結する第3クラッチ機構64が設けられている。図4、
図10及び図11により、この第3クラッチ機構64を
説明する。すなわち、固定環10の小径部10aには、
周方向において90゜ずつ角度を異ならせた4箇所の収
納孔51が形成されている。各収納孔51は、収納孔4
2と内径が等しく、ロックピン45と外径が等しいロッ
クピン62を摺動自在に収納する。各収納孔51は、前
部内周側に雌ねじ51aを有し、後端部内周側に凹部5
1bを有している。収納孔51の雌ねじ51aには、環
状抜止部材52の外周に形成した雄ねじ52aが螺合さ
れる。この環状抜止部材52は、小径部10aの前壁に
当て付く、係合溝52cを有するフランジ52bと、ロ
ックピン62を摺動自在に貫通する貫通孔52dとを有
している。
【0022】ロックピン62は、AF−MF切換環31
をAF位置に切り換えるとき、該切換環31内周のロッ
ク用溝部65aに係合するもので、該ロック用溝部65
aとで上記第3クラッチ機構64を構成している。すな
わち、多数のロック用溝部65aは、ロックピン45と
係合することによって第1クラッチ機構48を構成し、
ロックピン62と係合することによって第3クラッチ機
構64を構成する。
【0023】ロックピン62は、環状抜止部材52の貫
通孔52dの内径と略等しい外径を有し、圧縮ばね59
を挿入し光軸後方に開口する挿入孔62aを有してい
る。ロックピン62は、外径が収納孔51の内径よりや
や小さい、抜け止め用のフランジ62bを有している。
収納孔51にロックピン62を挿入した状態において、
圧縮ばね59は、挿入孔62a内の壁面と凹部51bと
の間に縮設されている。
【0024】次に、本発明の特徴である、手動操作時の
AF−MF切換環31に適度の回動抵抗を付与すること
により、フォーカス環15がAF−MF切換環31に接
続されているときの該フォーカス環31の回動抵抗を、
フォーカス環15がAF駆動系に接続されているときの
回動抵抗より大きくする回動抵抗付与機構90について
説明する。
【0025】図1に示されるように、AF−MF切換環
31を相対回転可能に支持する固定環10は、飾り環9
7によって覆われた光軸後方の小径部69に、光軸方向
に移動可能な直進移動環91が嵌合されている。この飾
り環97は、AF−MF切換環31に対する回動抵抗の
調整後に固定環10後部に取り付けられる。上記直進移
動環91は、内周に形成された、光軸Oと平行なガイド
溝91aを、小径部69の外周面に固定したガイド突起
95に摺動可能に係合させることにより、固定環10に
対する相対回転を規制され、光軸方向の進退のみ許され
ている。
【0026】また直進移動環91には、一対の環状摩擦
板92と、コイルばね93とが嵌合支持され、このコイ
ルばね93の該環状摩擦板92に対する付勢力(スラス
ト力)を調整するための調整環94が後端部に螺合され
ている。この直進移動環91は、外周面に、円周方向に
等角度間隔で形成された4個の摺動溝91bを有してい
る。これらの摺動溝91bはいずれも光軸Oと平行に形
成されていて、環状摩擦板92の内周に等角度間隔で形
成した4個のキー突起92aをそれぞれに係合させる。
これにより一対の環状摩擦板92は、直進移動環91つ
まり固定環10に対する相対回転が規制され、光軸方向
の移動のみ許される。
【0027】調整環94は内周に雌ねじ部94cを有
し、直進移動環91は外周に、この雌ねじ部94cと螺
合する雄ねじ部91cを有している。よって、両ねじ部
94cを螺合させた状態では、直進移動環91を光軸O
を中心に時計方向または反時計方向に回動させることに
より、該直進移動環91を光軸方向に進退させ、環状摩
擦板92との間に縮設したコイルばね93の圧縮状態を
変えることができる。
【0028】AF−MF切換環31の後端部には、一対
の環状摩擦板92の間に挟まれ、直進移動環91に摺動
自在に嵌合された環状摩擦板96がねじ止めされてい
る。従って、AF−MF切換環31を回動させると、環
状摩擦板96が、回転しない一対の環状摩擦板92に対
して相対回転するため、環状摩擦板92と96の間の摩
擦力により、AF−MF切換環31に対する回動抵抗が
発生する。この回動抵抗が、AF−MF切換環31に連
結したときのフォーカス環15の操作感を、フォーカス
環15がAF駆動系に接続されているときに比して適度
に重くする。
【0029】この回動抵抗(回動操作力)は摩擦力に比
例し、この摩擦力はコイルばね93の付勢力に比例し、
この付勢力は、調整環94の締め込みによる進退量で決
まる。従って、調整環94の締め込み量を調整すること
により、MF時に最も適した回動操作力をAF−MF切
換環31即ちフォーカス環15に与えることができる。
また、環状摩擦板92、96の摩擦による発熱は、両面
間にグリス等を注入することによって防止できる。な
お、調整環94の後面にはスリワリ(カニメ溝)94a
が形成されているため、図3に示す調整治具99で簡単
に回動調整することができる。また、コイルばね93と
して、伸縮変化に対するばね力の変動が小さいものを用
いれば、仮に環状摩擦板92、96が摩耗して厚さに変
化が生じた場合でもスラスト力を該環状摩擦板92、9
6に対し略同じ大きさで作用させることができる。よっ
て、回動操作力の変動を可及的に小さくし、経時変化に
対して強くすることができる。
【0030】上記構成の本レンズ鏡筒は従って、次のよ
うに作動する。先ず、図1のように、AF−MF切換環
31を後方に移動させたAF状態では、第1クラッチ機
構48は、AF−MF切換環31とフォーカス環15の
一体回動関係を解き、第2クラッチ機構53は、AF伝
達軸26のピニオン25をフォーカス環15の内歯歯車
24に噛み合わせ、第3クラッチ機構64は、AF−M
F切換環31を固定環10にロックしている。このAF
位置への切り換え時に、ロックピン62が、図5のよう
に壁部65bに当接してロック用溝部65aに直ちに係
合しなくても、AF−MF切換環31を周方向における
一方向に僅かに回転させることにより、全てのロックピ
ン62を周方向に微移動させてロック用溝部65aの対
応するものそれぞれに係合させることができる。
【0031】AF状態において、フォーカス環15に支
持された4個のロックピン45は、AF−MF切換環3
1の内周フランジ65から離反しており、AF−MF切
換環31との非係合状態を保ち、さらに圧縮ばね63に
よって光軸後方に付勢されたAF伝達軸26のピニオン
25が、上記のように内歯歯車24に噛み合っている。
この状態において、カメラボディ側のAF軸によって被
動AF軸28が回転されると、回転がフォーカス環15
に伝達されてオートフォーカシングがなされる。このと
き、フォーカス環15はAF−MF切換環31から完全
に切り離されて、回動抵抗付与機構90による回動抵抗
を受けないため、回転トルクが極めて軽くされ、AF駆
動系によって円滑に駆動される。
【0032】そしてこのAF状態から、AF−MF切換
環31を光軸前方に移動させてMF状態に切り換える
と、第1クラッチ機構48は、AF−MF切換環31と
フォーカス環15とを連結させ、第2クラッチ機構53
は、AF伝達軸26のピニオン25と、フォーカス環1
5の内歯歯車24との噛合を解き、第3クラッチ機構6
4は、AF−MF切換環31の固定環10に対するロッ
クを解除する。
【0033】MF位置に切り換わるとき、AF−MF切
換環31が固定環10に支持された4個のロックピン6
2から離反するため、ロック用溝部65aは、該ロック
ピン62から離れるが、これに代わって、第1クラッチ
機構48のロックピン45に接近して該ロックピン45
と係合する。その場合、ロックピン45が、図6のよう
に壁部65bに当接してロック用溝部65aに直ちに係
合しなくても、AF−MF切換環31の回転操作時に該
切換環31が僅かに回転すれば、全てのロックピン45
が周方向に微移動してロック用溝部65aの対応するも
のそれぞれに係合する(図7)。
【0034】上記MF状態において、固定環10側に支
持された4個のロックピン62は、AF−MF切換環3
1の内周フランジ65から離間した状態であり、AF−
MF切換環31との非係合状態を保ち(図7)、AF伝
達軸26のピニオン25は、AF−MF切換環31と共
に前方に移動する切換アーム60によって同方向に移動
され、フォーカス環15の内歯歯車24との噛合を解く
(図2)。よってフォーカス環15を、AF−MF切換
環31と一体にかつAF機構と無関係に回動操作するこ
とができる。この手動操作時にフォーカス環15は、環
状摩擦板92と96との摩擦による回動抵抗をAF−M
F切換環31を介して受け、操作感が適度に重くされて
いる。よって、手動による微妙なフォーカス調整が容易
とされ、合焦状態のホールドが有利となっている。
【0035】上記実施例では、AF切換え時には第3ク
ラッチ機構64によってAF−MF切換環31を固定環
10側にロックしたが、このAF−MF切換環31に
は、AF切換え時であっても回動抵抗付与機構90によ
る回動抵抗が付与されるため、回動抵抗が全く付与され
ていない場合に比して保持性が良く、不用意に回転する
ことがない。従って、図13及び図14に示すように、
ロックピン62も収納孔51も設けない小径部10a′
として構成し、AF切換え時には、この小径部10a′
に内周フランジ65の壁部65bを単に当接させ、AF
−MF切換環31の回転規制は回動抵抗付与機構90の
みで行なうようにしても良い。この場合、第3クラッチ
機構64に関する部品を省くことができるから、部品点
数を減少させ、コストダウンを図ることができる。
【0036】また図15〜図17に示すように、調整環
94に調整摘み98を後方側から螺合させ、飾り環97
側に、この調整摘み98を後方に突出させる円弧状の開
口97aを形成することができる。この構成によれば、
開口97aから突出した調整摘み98を調整環94の周
方向に移動操作して該調整環94を回転させることによ
り、この調整環94を光軸方向に進退させてコイルばね
93によるスラスト力を変化させ、回動抵抗付与機構9
0による回動抵抗を大小に適宜調整することができる。
従って、レンズ鏡筒の完成後にAF−MF切換環31つ
まりフォーカス環15に対する回動抵抗の調整を行なう
ことができるから、使用時に使用者の好みに応じて操作
感を任意に調整することができる。また、飾り環97の
開口97aの付近に、調整摘み98の操作位置(調整範
囲)と回動抵抗の大きさとを対応させて示す目盛りを描
いたプレート104を貼付しておけば、回動抵抗調整を
より行ない易くすることができる。
【0037】上記第1〜第3の実施例ではいずれも、A
F−MF切換環31の前後進退時の位置をロックするク
リック機構として、固定環10側にクリックボール35
を取付け、AF−MF切換環31側に、このクリックボ
ール35を係合させる環状V溝33と34を設けたが、
クリック機構はこのような構成に限られず、次のように
構成することもできる。すなわち、図18〜図20に示
すように、固定環10の小径部69に、AF−MF切換
環31のAM位置とAF位置にそれぞれ対応する環状V
溝33′、34′を設け、直進移動環91に、光軸前方
に突出する環状部91dを形成し、この直進移動環91
を小径部69に嵌合させた状態で、この環状部91dの
嵌入孔91eにクリックボール35を嵌入し、該ボール
35を該環状部91dの一端部にねじ止めした板ばね3
6で径方向内方に向け付勢する。また、直進移動環91
に外周フランジ91fを設け、AF−MF切換環31の
内周側に、後方移動時に該外周フランジ91fに係合す
る内周フランジ31aを設ける。
【0038】この構成のレンズ鏡筒は従って、AF−M
F切換環31をAF位置から前方のMF位置に向けて移
動させると、直進移動環91が環状摩擦板96と92を
介して同方向に牽引されるため、環状V溝33′に嵌入
していたクリックボール35が板ばね36に抗して一旦
上昇した後環状V溝34′に嵌入する。これによりAF
−MF切換環31は、図19に示すMF位置にロックさ
れる。また、AF−MF切換環31をMF位置から後方
のAF位置に向けて移動させると、直進移動環91がそ
の外周フランジ91fを内周フランジ31aによって同
方向に押圧されるため、環状V溝34′に嵌入していた
クリックボール35が一旦上昇した後環状V溝33′に
嵌入する。
【0039】これによりAF−MF切換環31は、図1
8に示すAF位置にロックされる。このように上記レン
ズ鏡筒は、AF−MF切換環31をAF位置に切換える
とき、内周フランジ31aが外周フランジ91fを押圧
して直進移動環91を移動させるため、クリックボール
35の環状V溝34′からの脱出に要する力がコイルば
ね93のスラスト力より大きい場合でも、直進移動環9
1が後退せずにコイルばね93のみが環状摩擦板92、
96によって縮められるという不具合は生じない。
【0040】上記第1〜第4の実施例では、環状摩擦板
92を環状摩擦板96に押し付ける付勢手段としてコイ
ルばね93を用いたが、本発明の付勢手段はこれに限ら
れない。すなわち、付勢手段として、図21に示す環状
ゴムチューブ100、図22に示す環状板ばね101、
図23に示す環状ウェーブワッシャ93b、及び、図2
4に示す環状ウェーブ線ばね103を用いることができ
る。なお、これらの付勢部材以外にも、環状摩擦板92
に対してスラスト付勢力を付与できるものであれば、上
記付勢手段として使用可能であることは言うまでもな
い。
【0041】なお、上記第1〜第4の実施例では、環状
摩擦板96を一対の環状摩擦板92で挟んだが、この環
状摩擦板92は必ずしも一対必要ではなく、摩擦力はや
や小さくなるが、コイルばね93側に位置する一方のみ
でも回動抵抗付与機構90を構成することが可能であ
る。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、AF時に
は小さな負荷でフォーカスレンズを円滑に駆動でき、M
F時にはフォーカス環の回動操作力に適度の負荷を持た
せて操作感を向上させることが可能な自動焦点カメラ用
レンズ鏡筒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるAFカメラ用レンズ鏡筒の第1実
施例を示すAF状態の上半縦断面図である。
【図2】同MF状態の上半縦断面図である。
【図3】図1のAFカメラ用レンズ鏡筒の要部の分解状
態を示す斜視図である。
【図4】図1の第3クラッチ機構の係合状態を拡大して
示す断面図である。
【図5】同第3クラッチ機構の非係合状態を拡大して示
す断面図である。
【図6】図1の第1クラッチ機構の非係合状態を拡大し
て示す断面図である。
【図7】同第1クラッチ機構の係合状態を拡大して示す
断面図である。
【図8】第2クラッチ機構の要部を拡大して示す斜視図
である。
【図9】第1クラッチ機構の要部の分解状態を示す斜視
図である。
【図10】第3クラッチ機構の要部の分解状態を示す斜
視図である。
【図11】光軸前方から見たAF−MF切換環を示す図
である。
【図12】光軸前方から見た図11と異なる状態のAF
−MF切換環を示す図である。
【図13】本発明によるAFカメラ用レンズ鏡筒の第2
実施例を示すAF状態の上半縦断面図である。
【図14】同MF状態の上半縦断面図である。
【図15】本発明によるAFカメラ用レンズ鏡筒の第3
実施例を示すAF状態の上半縦断面図である。
【図16】同MF状態の上半縦断面図である。
【図17】第3実施例で用いられる調整環と調整摘みを
示す斜視図である。
【図18】本発明によるAFカメラ用レンズ鏡筒の第4
実施例を示すAF状態の上半縦断面図である。
【図19】同MF状態の上半縦断面図である。
【図20】第4実施例で用いられる直進移動環を示す斜
視図である。
【図21】付勢手段として使用可能な環状ゴムチューブ
を示す斜視図である。
【図22】付勢手段として使用可能な環状板ばねを示す
斜視図である。
【図23】付勢手段として使用可能な環状ウェーブワッ
シャを示す斜視図である。
【図24】付勢手段として使用可能な環状ウェーブ線ば
ねを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 固定環 15 フォーカス環 31 AF−MF切換環 48 第1クラッチ機構 64 第3クラッチ機構(回動規制手段) 90 回動負荷付与手段 91 直進移動環 92 環状摩擦板(第1環状摩擦板) 93 コイルばね(付勢部材、コイル状ばね部材) 94 調整環 96 環状摩擦板(第2環状摩擦板) 98 調整摘み 100 環状ゴムチューブ(付勢部材、環状ゴム部材) 101 環状板ばね(付勢部材、環状ばね部材) 102 環状ウェーブワッシャ(付勢部材、環状ばね部
材) 103 環状ウェーブ線ばね(付勢部材、環状ばね部
材) 104 プレート(目盛り) L1 フォーカスレンズ O 光軸

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回動されて合焦状態を調節するフォーカ
    ス環と;焦点検出装置からの情報に基づき、このフォー
    カス環を駆動するAF駆動系と;回動操作及び光軸方向
    への移動切換操作が可能なAF−MF切換環と;このA
    F−MF切換環が光軸方向の一方に移動されたとき、フ
    ォーカス環をAF駆動系に連結して該AF−MF切換環
    との連結を解き、光軸方向の他方に移動されたときフォ
    ーカス環を該AF−MF切換環に連結してAF駆動系と
    の連結を解くAF−MF切換機構と;を備えた自動焦点
    カメラ用レンズ鏡筒において、 フォーカス環がAF−MF切換環に接続されているとき
    の該フォーカス環の回動抵抗を、フォーカス環がAF駆
    動系に接続されているときの回動抵抗より大きくする回
    動抵抗付与手段を設けたことを特徴とする自動焦点カメ
    ラ用レンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記回動抵抗付与手
    段は、AF−MF切換環とこれを支持する固定環との間
    に設けられている自動焦点カメラ用レンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記回動抵抗付与手
    段は、AF状態及びMF状態のいずれの場合においても
    AF−MF切換環に上記回動抵抗を付与する自動焦点カ
    メラ用レンズ鏡筒。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において、
    上記回動抵抗付与手段は、摩擦力によって上記回動抵抗
    を発生させる自動焦点カメラ用レンズ鏡筒。
  5. 【請求項5】 請求項2において、上記回動抵抗付与手
    段は、固定環に、光軸方向移動可能にかつ回転を規制さ
    れて嵌合された第1環状摩擦板と;AF−MF切換環に
    固定されかつ固定環に嵌合された、該第1環状摩擦板と
    摺接する第2環状摩擦板と;該第1環状摩擦板と第2環
    状摩擦板を圧接する付勢部材と;を備えている自動焦点
    カメラ用レンズ鏡筒。
  6. 【請求項6】 請求項5において、上記付勢部材は、第
    2環状摩擦板に隣接して固定環に嵌合されたコイル状ば
    ね部材である自動焦点カメラ用レンズ鏡筒。
  7. 【請求項7】 請求項5において、上記付勢部材は、第
    2環状摩擦板に隣接して固定環に嵌合された環状ゴム部
    材である自動焦点カメラ用レンズ鏡筒。
  8. 【請求項8】 請求項5において、上記付勢部材は、第
    2環状摩擦板に隣接して固定環に嵌合された環状ばね部
    材である自動焦点カメラ用レンズ鏡筒。
  9. 【請求項9】 請求項5において、上記固定環に光軸方
    向移動可能かつ回転不能に嵌合した直進移動環がさらに
    備えられ、この直進移動環に、上記第1環状摩擦板と付
    勢部材とが支持されている自動焦点カメラ用レンズ鏡
    筒。
  10. 【請求項10】 請求項9において、上記直進移動環に
    は、付勢部材を第1環状摩擦板とで挟む位置に螺合され
    た、回動時に光軸方向に進退して該付勢部材を伸縮させ
    該第1環状摩擦板に対する付勢力を調整する調整環がさ
    らに備えられている自動焦点カメラ用レンズ鏡筒。
  11. 【請求項11】 請求項10において、上記調整環に
    は、先端部をレンズ本体外方に突出させた調整摘みが固
    定され、この調整摘みの操作により調整環が光軸方向に
    進退される自動焦点カメラ用レンズ鏡筒。
  12. 【請求項12】 請求項11において、レンズ本体外面
    の上記調整摘みと近接する位置には、この調整摘みの操
    作位置と回動抵抗の大きさとを対応させて示す目盛りが
    備えられている自動焦点カメラ用レンズ鏡筒。
  13. 【請求項13】 請求項1において、上記フォーカス環
    がAF駆動系に連結されたときAF−MF切換環の回動
    操作を規制し、フォーカス環がこのAF−MF切換環に
    連結されたとき該AF−MF切換環の回動操作を許す回
    動規制手段がさらに備えられている自動焦点カメラ用レ
    ンズ鏡筒。
JP13963195A 1995-06-06 1995-06-06 自動焦点カメラ用レンズ鏡筒 Pending JPH08334676A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1123948A (ja) * 1997-06-30 1999-01-29 Asahi Optical Co Ltd 焦点調節操作切換機構を持つレンズ鏡筒
JP2018151500A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 株式会社リコー レンズ鏡筒及び撮像装置
JP2022174289A (ja) * 2018-08-20 2022-11-22 株式会社ニコン レンズ鏡筒及び撮像装置

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