JP3800780B2 - 画像形成装置の定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、未定着トナー像を有する像支持体を少なくとも一方を加熱した一対の定着部材間に通してトナー像を定着する電子写真複写機、ファクシミリ、プリンタ等、電子写真プロセスを利用した画像形成装置に使用する定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子写真プロセスを利用した複写機等の画像形成装置においては、像支持体上に形成された未定着トナー像を定着して永久画像にする必要があり、その定着法としては、溶剤定着方式、圧力定着方式及び、加熱定着方式等が知られてる。
【0003】
しかし、上記溶剤定着方式や圧力定着方式は、環境問題や定着性能等の点で問題を有しており、共に広く実用化されていないのが現状である。
【0004】
従って、未定着トナーを像支持体上に定着するには、一般に加熱することによってトナーを溶融させ、像支持体上に付着させる加熱定着方式が広く採用されている。この加熱定着方式としては、少なくとも一方を加熱した一対の定着部材、例えば加熱ロールと加圧ロールを一定の圧力で接触させ、これら一対のロール間に未定着トナー像を有する像支持体を通過させて定着を行う加熱ロール方式が従来より知られている。この加熱ロール方式は、他の加熱定着方式と比べて低電力で、かつ定着部での紙づまりによる発火の危険性の少ないこと等の利点があることから、最も広く使用されている定着方式である。
【0005】
そして、この加熱ロール方式の定着装置に使用される加熱ロール100としては、例えば、図8に示すように、円筒状芯金101の表面にシリコーンゴム等の耐熱性弾性体102を被覆したものや、パーテトラフロロエチレン(PTFE)や、パーフロロアルコキシ(PFA)等の耐熱性樹脂を被覆したものがある。
【0006】
一方、加圧ロール103としては、上記加熱ロール100と加圧接触した時に、ある接触幅を持たせるように円筒状芯金104の表面にシリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性弾性体105を被覆したものや、上記耐熱性弾性体の上にパーテトラフロロエチレン(PTFE)や、パーフロロアルコキシ(PFA)等の耐熱性樹脂を被覆したものが使われている。
【0007】
しかし、この加熱ロール方式の定着装置の場合には、加熱ロール100の表面に設けられる耐熱性弾性体101の熱伝導性が悪いため、加熱ロール100の表面温度を検知する温度検知センサ109が、未定着トナー像106を担持した像支持体107の連続通紙などによる加熱ロール100表面の温度低下を検知し、当該加熱ロール100の内部に設けられた加熱ランプ108を点灯させても、加熱ランプ108の熱量が加熱ロール100表面に到達するまでに多くの時間を必要とする。このため、加熱ロール100の表面温度は、図9に示すように、加熱ランプ108の熱量が伝達されるまで低下しつづけ、最低定着保証温度を下回り、定着不良が発生してしまう虞れがあるという問題点を有していた。
【0008】
そこで、かかる問題点を解決し得る技術として、例えば、特開昭58−198072号公報や特開昭60−222880号公報等において、通紙による加熱ロールの温度低下を防止するために、コピー開始信号入力後、所定時間だけ加熱ロール内部に設けられた加熱源を強制点灯させるようにした手段が、既に提案されている。
【0009】
さらに説明すると、上記特開昭58−198072号公報に係る加熱ローラ定着装置における温度制御装置は、電源にスイッチング手段を介して接続したヒータと、このヒータにより加熱された定着ローラの温度を検出する温度検出素子と、温度検出素子の出力によりスイッチング手段を制御する温度制御器と、コピー信号を受けて一定時間高出力するタイマーとを有し、このタイマーは前記温度制御器とは別系統で作動するように構成したものである。
【0010】
また、上記特開昭60−222880号公報に係る画像形成装置は、通電により発熱する発熱手段と前記発熱手段による温度を設定温度に維持するべく前記発熱手段の通電制御を行う制御手段とを有する画像形成装置において、画像形成開始後の最初の画像形成動作中は、前記設定温度とは無関係に前記発熱手段に通電を行うように構成したものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開昭58−198072号公報や特開昭60−222880号公報等に開示されている技術を用いた場合、加熱ロール100の表面には、前述したように、耐熱性弾性体想や離型層など、熱伝導性の悪い材料があるため、必然的に、加熱源が点灯してから加熱ロール表面に熱が伝導するまでの遅延が生じ、完全に通紙による温度低下を防止することはできないという問題点を依然として有している。
【0012】
また、かかる連続通紙による加熱ロールの表面の低下を防止するためには、加熱ロールの表面温度を例えば170℃というように高めに設定しておくことも考えられるが、この場合には、加熱ロールからの放熱により、定着装置の周辺のクリーニング装置や現像装置、あるいは画像書き込む装置のモータ等への熱による悪影響や、熱エネルギーの無駄が発生するという新たな問題点を有している。
【0013】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、定着装置から放出される熱による周辺の装置等への悪影響や、熱エネルギーの無駄が発生することなく、連続通紙による加熱ロールの表面の急激な温度低下を確実に防止することが可能な画像形成装置の定着装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に記載の発明は、像担持体上に画像を形成し、この画像を像支持体上に転写、定着を行う画像形成装置において、内部に加熱源を有する加熱定着部材と、この加熱定着部材に圧接される加圧定着部材とを有する定着装置であって、前記加熱定着部材を加熱する一つの加熱源への通電を、当該加熱定着部材の温度に応じて制御する通電制御手段を備え、当該通電制御手段は、加熱定着部材の温度が所定の温度に達した後で、前記加熱源の設定された加熱定着部材の表面温度を定着可能温度になるまで上昇させる際の電力である第1の電力と、この第1の電力よりも少ない第2の電力との間で、加熱源への常時通電を制御するとともに、画像形成動作の終了後一定時間を除き、前記加熱源に第2の電力を常に供給するように構成したものである。
【0015】
この請求項1に記載の発明によれば、通電制御手段は、前記加熱源の設定された全電力である第1の電力と、この第1の電力よりも少ない第2の電力との間で、加熱源への通電を制御するように構成したので、待機中は、加熱源への通電を全電力である第1の電力と、この第1の電力よりも少ない第2の電力との間で切り替えるように制御することにより、加熱定着部材の表面温度を、大きく変動させることなく、設定温度にほぼ一定に制御することができ、加熱定着部材に十分な熱量を蓄えることが可能となる。そのため、上記定着装置によって連続通紙による定着を開始した場合であっても、従来のように、加熱定着部材の表面温度が設定温度をなっており、加熱源への通電が切られた状態で定着を開始してしまい、当該加熱定着部材の表面温度の低下の検知が遅れて、加熱源を全電力で点灯させても、連続通紙による像支持体によって加熱定着部材が熱を奪われ、当該加熱定着部材の表面温度が不本意に低下するのを確実に防止することができる。つま、上記加熱定着部材は、待機中に所定の温度に達した後も、第1の電力よりも少ない第2の電力が加熱源へ供給されつづけるので、当該加熱定着部材は、それ自身が有する熱量が低下することがなく、連続通紙による定着動作を行う際でも、十分な熱量によって定着処理を行うことができ、連続通紙による加熱定着部材の表面の急激な温度低下を確実に防止することができる。しかも、この発明では、待機時における加熱定着部材の設定温度を、通常の定着温度よりも高い温度に設定する必要がないので、定着装置から放出される熱による周辺の装置等への悪影響や、熱エネルギーの無駄が発生することをも防止することができる。
【0019】
また、この請求項1に記載の発明によれば、画像形成動作の終了後一定時間を除き、前記加熱源に第2の電力を常に供給することにより、前記請求項2に記載の発明と同様に、定着動作の開始時における連続通紙による加熱定着部材の表面の急激な温度低下を確実に防止することができるのは勿論のこと、画像形成動作の終了後一定時間を除くことにより、定着動作の終了時におけるオーバーシュートをも確実に防止することが可能となる。
【0020】
また更に、請求項2に記載の発明は、像担持体上に画像を形成し、この画像を像支持体上に転写、定着を行う画像形成装置において、内部に加熱源を有する加熱定着部材と、この加熱定着部材に圧接される加圧定着部材とを有する定着装置であって、前記加熱定着部材を加熱する一つの加熱源への通電を、当該加熱定着部材の温度に応じて制御する通電制御手段を備え、当該通電制御手段は、加熱定着部材の温度が所定の温度に達した後で、前記加熱源の設定された加熱定着部材の表面温度を定着可能温度になるまで上昇させる際の電力である第1の電力と、この第1の電力よりも少ない第2の電力との間で、加熱源への常時通電を制御するとともに、画像形成動作開始信号の入力後、像支持体が定着装置に到達するまでの間、定着動作中に使用する第3の電力よりも少ない第2の電力を加熱源に供給することを特徴とする画像形成装置の定着装置である。
【0021】
この請求項2に記載の発明によれば、画像形成動作開始信号の入力後、像支持体が定着装置に到達するまでの間、定着動作中に使用する第3の電力よりも少ない第2の電力を加熱源に供給することにより、画像形成動作開始信号の入力後、像支持体が定着装置に到達するまでの間に、前記加熱源に定着動作中に使用する第3の電力よりも少ない第2の電力を供給することにより、加熱定着部材に十分な熱量を蓄積することができ、定着動作の開始時における連続通紙による加熱定着部材の表面の急激な温度低下を確実に防止することができる。
【0022】
又、請求項3に記載の発明は、画像形成動作開始信号の入力後、一定時間第2の電力を加熱源に供給することを特徴とする請求項第1項記載の画像形成装置の定着装置である。
【0023】
この請求項3に記載の発明によれば、画像形成動作開始信号の入力後、一定時間第2の電力を加熱源に供給することにより、予め加熱定着部材を第2の電力によって加熱することができる。
【0026】
また、請求項4に記載の発明は、前記第2の電力は、全供給電力から徐々に減少させることによって、当該第2の電力に設定することを特徴とする請求項第1項乃至第3項のいずれかに記載の画像形成装置の定着装置である。
【0027】
この請求項4に記載の発明によれば、前記第2の電力は、全供給電力から徐々に減少させることによって、当該第2の電力に設定することにより、加熱定着部材の表面温度の変動を一層効果的に押さえることが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0031】
実施の形態1
図2はこの発明に係る画像形成装置に用いられ定着装置の実施の形態1を示すものである。
【0032】
電子写真複写機やプリンタ等の画像形成装置は、感光体ドラム等からなる像担持体上にトナー像を形成し、このトナー像を転写用紙等の像支持体上に転写、定着することにより、画像を形成するように構成されている。この画像形成装置においては、未定着トナー像を像支持体上に定着するために定着装置が使用されている。
【0033】
この定着装置は、図2に示すように、少なくとも一方が加熱源を有する一対の定着部材、例えば加熱ロール1と加圧ロール2を互いに圧接させ、これら一対のロール1、2のニップ部間に未定着トナー像3を有する転写用紙等の像支持体4を通過させることにより、熱及び圧力で像支持体4上に未定着トナー像3を定着させ、永久画像とするものである。ただし、上記定着装置としては、これに限定されるものではなく、加熱ロールにエンドレスベルトを圧接させて定着を行うベルトニップ方式のものなどを用いても良い。
【0034】
上記定着装置に使用される加熱ロール1は、例えば、図2に示すように、アルミニウムやステンレス等の金属からなる円筒状芯金5の表面に、シリコーンゴム等の耐熱性弾性体6を被覆したものや、パーテトラフロロエチレン(PTFE)や、パーフロロアルコキシ(PFA)等の耐熱性樹脂を被覆したものが用いられる。
【0035】
一方、加圧ロール2としては、上記加熱ロール1と加圧接触した時に、ある程度のニップ幅を形成するように、アルミニウムやステンレス等の金属からなる円筒状芯金7の表面に、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性弾性体8を被覆したものや、上記耐熱性弾性体8の上にパーテトラフロロエチレン(PTFE)や、パーフロロアルコキシ(PFA)等の耐熱性樹脂を被覆したものが用いられる。
【0036】
また、上記加熱ロール1は、内部に配置された加熱源としての加熱ランプ9によって加熱される。この加熱ランプ9としては、例えば、500〜700Wのハロゲンランプが使用されるが、これに限定されるものではなく、他の種類や値のものを使用しても勿論よい。上記加熱ロール1の表面温度は、当該加熱ロール1の表面に接触するように配置された温度検知センサ10によって検知される。なお、上記定着装置に用いられる加熱源としては、図2に示すように、加熱ロール1に設けた場合以外にも、加圧ロール2に設けたものや、加熱ロール1及び加圧ロール2の両方に設けるようにしても良い。
【0037】
上記加熱ロール1の表面には、当該加熱ロール1の表面にオイルを塗布するためのオイル塗布機構11が設けられており、このオイル塗布機構11は、オイル13を内部に収容したオイル塗布ロール12を加熱ロール1の表面に接触させ、このオイル塗布ロール12を加熱ロール1の回転に従動させて回転させることにより、当該オイル塗布ロール12の周面に穿設された微細な孔からオイル13を含浸させて、加熱ロール1の表面にオイル13を塗布するように構成されている。なお、上記オイル塗布機構11としては、図2に示したオイル塗布ロール12を用いた供給方式以外にも、ウエブ供給方式やウイック方式等のものを用いてもよい。
【0038】
また、上記加熱ロール1の表面には、前記以外にも、転写用紙等の像支持体4を加熱ロール1から剥離するための剥離爪18が設けられている。一方、未定着トナー像3が転写された像支持体4は、用紙ガイド19をへて加熱ロール1と加圧ロール2によって形成されるニップ幅を通過し、像支持体4上にトナー像を定着させている。
【0039】
ところで、この実施の形態では、加熱定着部材を加熱する加熱源への通電を、当該加熱定着部材の温度に応じて制御する通電制御手段を備え、当該通電制御手段は、前記加熱源の設定された全電力である第1の電力と、この第1の電力よりも少ない第2の電力との間で、加熱源への通電を制御するように構成されている。
【0040】
図3はこのような制御を行うためのこの実施の形態に係る定着装置の温度制御手段を示すブロック図である。
【0041】
図において、1は加熱ロール、9はこの加熱ロール1の内部に配置された加熱ランプ、10は加熱ロール1の表面温度を検知するための温度検知センサをそれぞれ示している。
【0042】
上記温度検知センサ10は、制御手段としてのCPU20に接続されており、このCPU20は、加熱ランプ9に接続されたSSR(Solid StateRelay)21を介して、当該加熱ランプ9への通電を制御し、加熱する際の電力を、全点灯時の第1の電力W1と、全点灯時の第1の電力W1よりも少ない第2の電力W2とに切り替えることにより、加熱ランプ9を用いて加熱ロール1の表面温度を所定値に保つなどの制御を行うようになっている。
【0043】
以上の構成において、この実施の形態に係る定着装置では、次のようにして、当該定着装置から放出される熱による周辺の装置等への悪影響や、熱エネルギーの無駄が発生することなく、連続通紙による加熱ロールの表面の急激な温度低下を確実に防止することが可能となっている。
【0044】
すなわち、上記定着装置においては、図4に示すように、画像形成装置のメイン電源が投入されると(ステップ101)、CPU20は、加熱ロール1の表面温度を定着可能温度(設定温度T1)、例えば150℃になるまで上昇させるため、当該加熱ロール1を内部から加熱する加熱ランプ9に、全点灯時の第1の電力W1を通電し、加熱ロール1を加熱するとともに、当該加熱ロール1の温度検知を開始する(ステップ102)。次に、上記加熱ロール1の表面温度を検知する温度検知センサ10の検出温度が、設定温度T1に達したか否かが判別され(ステップ103)、設定温度T1に達していない場合には、第1の電力w1にて加熱ランプ9の点灯を継続する(ステップ104)。一方、加熱ロール1の表面温度が設定温度T1となると、加熱ランプ9は、オン・オフ制御されるのではなく、図1に示すように、電力を先程よりも少ない第2の電力W2と、全点灯時の第1の電力W1との間で切り替えることによって加熱を継続し(ステップ105)、複写開始信号の入力を待つ(ステップ106)。その際、複写開始信号が入力する以前にあっては、上記加熱ロール1は、その表面温度が設定温度T1を下回ったか否かが判別され(ステップ107)、加熱ロール1の表面温度が設定温度T1を下回った場合には、第1の電力W1にて加熱ランプ9を点灯し(ステップ108)、表面温度が設定温度T1に達したか否かが判別され(ステップ109)、設定温度T1に達した場合にはステップ105に戻り、設定温度T1に達していない場合にはステップ106に戻る。一方、複写開始信号が入力した場合には、加熱ランプ9を第2の電力W2にて点灯しても良いが、この実施の形態では、第2の電力W2よりも大きく、かつ第1の電力W1よりも小さな第3の電力W3で、加熱ランプ9を点灯するようになっている(ステップ110)。そして、そのまま複写動作が終了するまで、加熱ロール1を第3の電力W3と第1の電力W1との間で、加熱する際の電力を切り替え(ステップ111)、複写動作が終了した時点で、ステップ105に戻る。
【0045】
上記のごとく、全点灯時の第1の電力W1から第2の電力W2(あるいは第3の電力W3)への電力の変更は、変圧器等を用いて加熱ランプ9に印加する電圧を変える方法の他、図5や図6に示すように、単位時間内の周波数成分をカットして、見かけ上電力を下げる方法も可能であるし(サイクルスチィール方式)、位相制御によって見かけ上電力を下げる方式も用いることができる。
【0046】
また、もちろん、加熱ロール1の内部に複数本の加熱ランプを設けて、その点灯する本数によって電力を変えるように構成することも可能である。
【0047】
さらに、電力の変更は、全電力W1のみでなく、電力W1と電力W2の中間の値からの段階的、あるいは連続的な変更も可能であることはいうまでもない。
【0048】
このように、前記実施の形態では、通電制御手段としてのCPU20が、前記加熱ランプ9の設定された全電力である第1の電力W1と、この第1の電力W1よりも少ない第2の電力W2との間で、加熱ランプ9への通電を制御するように構成したので、待機中あるいは、用紙5が定着装置に到達するまでの間通電することによって、離型層や弾性層内に継続的な熱の移動が発生し、通紙によって生じる加熱ロール1表面の熱量の消費に対して継続的に熱の供給が可能となるため、通紙による加熱ロール1表面温度の低下を抑えることが可能となる。また、待機中は、加熱ランプ9への通電を全電力である第1の電力W1と、この第1の電力W1よりも少ない第2の電力W2との間で切り替えるように制御することにより、加熱ロール1の表面温度を、大きく変動させることなく、設定温度にほぼ一定に制御することができ、加熱ロール1に十分な熱量を蓄えることが可能となる。そのため、上記定着装置によって連続通紙による定着を開始した場合であっても、従来のように、加熱ロール1の表面温度が設定温度をなっており、加熱ランプ9への通電が切られた状態で定着を開始してしまい、当該加熱ロール1の表面温度の低下の検知が遅れて、加熱ランプ9を全電力で点灯させても、連続通紙による像支持体5によって加熱ロール1が熱を奪われ、当該加熱ロール1の表面温度が不本意に低下するのを確実に防止することができる。つま、上記加熱ロール1は、待機中に所定の温度に達した後も、第1の電力W1よりも少ない第2の電力W2が加熱源へ供給されつづけるので、当該加熱ロール1は、それ自身が有する熱量が低下することがなく、連続通紙による定着動作を行う際でも、十分な熱量によって定着処理を行うことができ、連続通紙による加熱ロール1の表面の急激な温度低下を確実に防止することができる。しかも、この発明では、待機時における加熱ロール1の設定温度を、通常の定着温度よりも高い温度に設定する必要がないので、定着装置から放出される熱による周辺の装置等への悪影響や、熱エネルギーの無駄が発生することをも防止することができる。
【0049】
また、本発明者は、加熱ロール1の外径と、当該加熱ロール1を加熱する際における全点灯時の第1の電力W1よりも少ない第2の電力W2との関係を種々検討した結果、図7に示すような結果を得た。この図7に示す表からわかるように、加熱ロール1の外径が50mmというように大きい場合には、第2の電力W2を、170W程度に設定すれば、連続通紙時における加熱ロール1の表面温度の大幅な低下を防止することができ、しかも待機時に加熱ロール1の異常昇温が生じることもない。
【0050】
実施の形態2
この実施の形態2では、画像形成の待機時に、前記加熱源に第2の電力を供給するように構成されている。
【0051】
このように、画像形成の待機時に、前記加熱源に第2の電力を供給することにより、加熱定着部材に十分な熱量を蓄積することができ、定着動作の開始時における連続通紙による加熱定着部材の表面の急激な温度低下を確実に防止することができる。
【0052】
実施の形態3
この実施の形態3では、画像形成動作の終了後一定時間を除き、前記加熱源に第2の電力を常に供給するように構成されている。
【0053】
このように、上記実施の形態3によれば、画像形成動作の終了後一定時間を除き、前記加熱源に第2の電力を常に供給することにより、前記請求項2に記載の発明と同様に、定着動作の開始時における連続通紙による加熱定着部材の表面の急激な温度低下を確実に防止することができるのは勿論のこと、画像形成動作の終了後一定時間を除くことにより、定着動作の終了時におけるオーバーシュートをも確実に防止することが可能となる。
【0054】
実施の形態4
この実施の形態4では、画像形成動作開始信号の入力後、像支持体が定着装置に到達するまでの間、定着動作中に使用する第3の電力よりも少ない第2の電力を加熱源に供給するように構成されている。
【0055】
このように、上記実施の形態4によれば、画像形成動作開始信号の入力後、像支持体が定着装置に到達するまでの間、定着動作中に使用する第3の電力よりも少ない第2の電力を加熱源に供給することにより、上述した請求項2に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0056】
実施の形態5
この実施の形態5では、画像形成動作開始信号の入力後、一定時間第2の電力を加熱源に供給するように構成されている。
【0057】
このように、上記実施の形態5によれば、画像形成動作開始信号の入力後、一定時間第2の電力を加熱源に供給することにより、予め加熱定着部材を第2の電力によって加熱することができる。
【0058】
実施の形態6
この実施の形態6では、第2の電力が、全供給電力の5〜50%に設定されるようになっている。
【0059】
このように、上記実施の形態6によれば、第2の電力を、全供給電力の5〜50%に設定することにより、無駄な電力の消費を防止しつつ、連続通紙による加熱定着部材の表面の急激な温度低下を確実に防止することができる。
【0060】
実施の形態7
この実施の形態7では、第2の電力が、全供給電力から徐々に減少させることによって、当該第2の電力に設定するように構成されている。
このように、上記実施の形態7によれば、第2の電力を、全供給電力から徐々に減少させることによって、当該第2の電力に設定することにより、加熱定着部材の表面温度の変動を一層効果的に押さえることが可能となる。
【0061】
実施の形態8
この実施の形態8では、第2の電力が、常に供給しても加熱定着部材が設定温度以上にならない値に設定されている。
【0062】
この実施の形態8によれば、前記第2の電力は、常に供給しても加熱定着部材が設定温度以上にならない値に設定されているので、加熱定着部材の異常昇温を確実に防止することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上のとおり、この発明によれば、定着装置から放出される熱による周辺の装置等への悪影響や、熱エネルギーの無駄が発生することなく、連続通紙による加熱ロールの表面の急激な温度低下を確実に防止することが可能な画像形成装置の定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明に係る画像形成装置の定着装置の一実施の形態を示す動作の説明図である。
【図2】 図2はこの発明に係る画像形成装置の定着装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図3】 図3は制御回路を示すブロック図である。
【図4】 図4は動作を示すフローチャートである。
【図5】 図5はこの発明の一実施の形態に係る定着装置の制御例を示す説明図である。
【図6】 図6はこの発明の一実施の形態に係る定着装置の制御例を示す説明図である。
【図7】 図7は加熱ロールと電力との関係を示す図表である。
【図8】 図8は従来の定着装置を示す構成図である。
【図9】 図9は従来の定着装置の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1:加熱ロール、2:加圧ロール、3:未定着トナー像、4:像支持体、5:円筒状芯金、6:耐熱性弾性体、20:CPU、W1:第1の電力、W2:第2の電力。
Claims (4)
- 像担持体上に画像を形成し、この画像を像支持体上に転写、定着を行う画像形成装置において、内部に加熱源を有する加熱定着部材と、この加熱定着部材に圧接される加圧定着部材とを有する定着装置であって、前記加熱定着部材を加熱する一つの加熱源への通電を、当該加熱定着部材の温度に応じて制御する通電制御手段を備え、当該通電制御手段は、加熱定着部材の温度が所定の温度に達した後で、前記加熱源の設定された加熱定着部材の表面温度を定着可能温度になるまで上昇させる際の電力である第1の電力と、この第1の電力よりも少ない第2の電力との間で、加熱源への常時通電を制御するとともに、画像形成動作の終了後一定時間を除き、前記加熱源に第2の電力を常に供給することを特徴とする画像形成装置の定着装置。
- 像担持体上に画像を形成し、この画像を像支持体上に転写、定着を行う画像形成装置において、内部に加熱源を有する加熱定着部材と、この加熱定着部材に圧接される加圧定着部材とを有する定着装置であって、前記加熱定着部材を加熱する一つの加熱源への通電を、当該加熱定着部材の温度に応じて制御する通電制御手段を備え、当該通電制御手段は、加熱定着部材の温度が所定の温度に達した後で、前記加熱源の設定された加熱定着部材の表面温度を定着可能温度になるまで上昇させる際の電力である第1の電力と、この第1の電力よりも少ない第2の電力との間で、加熱源への常時通電を制御するとともに、画像形成動作開始信号の入力後、像支持体が定着装置に到達するまでの間、定着動作中に使用する第3の電力よりも少ない第2の電力を加熱源に供給することを特徴とする画像形成装置の定着装置。
- 画像形成動作開始信号の入力後、一定時間第2の電力を加熱源に供給することを特徴とする請求項第1項記載の画像形成装置の定着装置。
- 前記第2の電力は、全供給電力から徐々に減少させることによって、当該第2の電力に設定することを特徴とする請求項第1項乃至第3項のいずれかに記載の画像形成装置の定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP36013197A JP3800780B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 画像形成装置の定着装置 |
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