JP3267525B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3267525B2 JP35475596A JP35475596A JP3267525B2 JP 3267525 B2 JP3267525 B2 JP 3267525B2 JP 35475596 A JP35475596 A JP 35475596A JP 35475596 A JP35475596 A JP 35475596A JP 3267525 B2 JP3267525 B2 JP 3267525B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を用
いた主に複写機、プリンタ等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置には、帯電手段で一
様に帯電した像担持体表面に原稿画像あるは入力した画
像信号に対応した画像露光を行い、該像担持体表面上に
静電潜像を形成し、該静電潜像を現像手段でトナー像に
現像し、該トナー像を転写手段で転写材に転写し、定着
装置で転写材上のトナー像を該転写材上に定着して出力
する電子写真方式の複写機やプリンターがある。
【0003】このような複写機やプリンターに用いられ
る従来の定着装置は、例えば図7に示すような構成とな
っており、内部に加熱手段としてのヒーター12a,1
2bを具備した定着ローラー10と表層をゴム層で形成
した加圧ローラー11とを互いに押し当て回転させ、紙
等の転写材6を挟持搬送すると同時に定着ローラー10
表面の熱で転写材6上のトナーを溶融し該転写材6に定
着するものである。
【0004】従って、良好な定着を行うには、定着ロー
ラー10の表面の温度を所定の定着温度に維持する必要
があるため、この従来例では、定着装置の定着ローラー
10の表面温度を、定着ローラー10通紙部上の転写材
の進行方向に直交する長手方向の中央部に当接させた表
面温度検知装置13によって検知している。
【0005】この表面温度検知装置13の位置は、すべ
ての転写材の長手方向中央部が、定着ローラー10の長
手方向中央部と一致する位置を通過するため、該長手方
向中央部に当接させており、画像形成可能なすべての転
写材において定着ローラー10表面の転写材が触れる長
手方向における領域の温度を検知している。
【0006】そして、電源投入から定着可能となる所定
の温度までは、温度制御装置14により、ヒーター12
a,12b共に点灯して高速に定着ローラー10の温度
を立ち上げ、定着可能となる所定の温度に達するとヒー
ター12bを消灯する。
【0007】また、温度制御装置14は、表面温度検知
装置13で検知した定着ローラ10の表面温度と設定し
てある制御温度との大小関係を比較し、表面温度の方が
低い場合には、ヒーター12aへの通電を行い、表面温
度の方が低い場合には、ヒーター12aへの通電を停止
するように制御を行っている。なお、ヒーター12a,
12bの消費電力は、それぞれ使用できる電力の限界値
となっている。
【0008】また、以上のような定着装置を備えた従来
の画像形成装置においては、画像形成動作の実行命令が
入り次第、画像形成動作の実行が可能となるように、画
像形成装置の主電源(図示せず)のON、OFFに同期
して定着装置を立ち上げ、上記した温度制御が安定して
実行されている状態であるスタンバイ状態に保持する。
【0009】そして、スタンバイ時と画像形成時ではそ
れぞれ別の温調温度が設定されており、画像形成動作が
開始すると共に、温調温度は画像形成時用の設定に切り
替えられる。
【0010】しかしながら、一般に40cpm以上のプ
ロダクティビティーの画像形成装置では、連続で画像形
成を行うと定着ローラー10の温度は温調温度に達する
ことなく図8に従来例1として示すように、単調減少し
てしまう系が多い。
【0011】このように温度が単調減少してしまうの
は、定着ヒーターに供給されるワッテージに対して、画
像形成スピードが勝ってしまい、熱量の供給が追いつか
ないことに起因している。
【0012】なお、画像形成開始の初期において、非通
紙部の温度が通紙部より低いのは、非通紙部は定着ロー
ラーの端部にあたるため、外気への放熱が中央部より大
きいため、転写材への伝熱のない画像形成前は、通紙部
より低くなるためである。
【0013】このように、定着ローラーの温度が下がっ
てくると、必然的に連続画像形成枚数が増えるに従って
定着性が悪化してくるという問題点が発生する。ここ
で、定着性とは、出力画像を200gの圧で擦ったとき
の、擦る前と後での濃度の低下率を測定したものであ
り、定着のされ具合を示す指標として用いている。
【0014】そこで、この定着性の悪化の対策として、
従来はある温度まで下がったら紙間を伸ばしたり、プロ
セススピードを遅くしたりして、プロダクティビティー
を下げるようにした画像形成装置が提案された。
【0015】例えば、プロダクティビティーが50cp
mで、画像形成時の温調温度が200℃の画像形成装置
においては、定着ローラー10の温度は200枚目には
180℃を割ってしまう。そこで、180℃を割り込ん
だ時点で、紙間距離を延長し40cpmとするのであ
る。しかし、それでも定着ローラー10の温度が下がり
続けるような場合には、170℃を割り込んだ時点でさ
らに30cpmまで落とし、160℃を割り込んだ時点
で画像形成動作を一時的に中断し、190℃に達してか
ら画像形成動作を再開するような制御を行っていた。
【0016】しかし、この制御方式では、根本的な対策
にはなっておらず、プロダクティビティーを落とさずに
定着性悪化という問題点を解決することのできる画像形
成装置が望まれていた。
【0017】そこで、リーダー部の動作状況に応じて、
定着装置に具備されるヒーターの制御方法を変化させ画
像形成装置が提案されている。このような従来例につい
て説明する。
【0018】図9にこの従来例の画像形成装置の要部断
面を示す。図9において、リーダー部では、原稿台31
に置かれた原稿20を、原稿照明ランプ21で照らし、
その画像情報をCCD22によって電圧に変換し、その
電圧をA/D変換することによりデジタル画像信号に変
換している。
【0019】また、プリンター部では、一次帯電装置2
4で一様に帯電した像担持体27表面にリーダー部で読
み取った原稿画像に対応したデジタル画像信号に基づき
画像露光40を照射して静電潜像を形成し、その静電潜
像を現像装置25でトナー像に現像した後、そのトナー
像を転写帯電装置28で転写材6に転写する。そして、
トナー像を付与された転写材6は定着装置1でそのトナ
ー像を定着された後、出力画像として排出される。な
お、この画像形成装置のプロダクティビティーは50c
pmである。
【0020】また、ヒーター12a,12bの消費電力
は、それぞれ750W,300Wであり、これは、画像
形成時に本体に許容される消費電力を超えない限界の値
になっている。さらに、原稿照明ランプ21には消費電
力が300Wのものを使用している。
【0021】以上のような構成の画像形成装置において
は、画像形成時に定着ヒーター12a,12bを同時に
点灯すると、画像スキャン時に原稿照明ランプ21を点
灯させる際の電力が不足してしまう。
【0022】そこで、原稿照明ランプ21を点灯する際
は、定着ヒーター12aのみを点灯し、原稿照明ランプ
21を消灯している間は、定着ヒーター12a,12b
両方を点灯することで、装置全体の消費電力が1500
W以下になるように調整している。
【0023】また、この従来例の画像形成装置は、リテ
ンションメモリ(図示せず)という画像情報を記憶する
メモリを具備しており、同一画像を複数部複写する際
に、リーダー部での画像スキャンを一回で済ますため
に、一枚目の画像形成時にのみ画像スキャンを行い、読
み込んだデジタル画像信号をこのリテンションメモリに
取り込んでおき、2枚目以降はこの記憶された画像信号
からレーザーを駆動し潜像を形成する。
【0024】つまり、2枚目以降は原稿照明ランプ21
を点灯させず原稿照明ランプ21に供給していた電力を
そのまま定着ヒーター12bの点灯に用いることができ
る。
【0025】このような制御を行った時の定着ローラー
10の表面温度の推移を図8に従来例2として示す。こ
のような制御を行うことで、画像形成装置本体に許容さ
れる消費電力を最大限に使用し、プロダクティビティー
を落とすことなく、定着性を確保することができる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、定着ヒーターの出力を上げてから、大量の連
続複写を行った際、温度低下の防止に大きな効果はある
ものの、特に最大通紙幅より、著しく小さい幅の転写材
を連続複写した場合に、定着ローラーの通紙部の熱損失
に対し、非通紙部の熱損失が著しく小さいため、非通紙
部では、ヒーターからの熱が過補給により表面温度が異
常に上昇し、ローラー自身の寿命を縮めることがあっ
た。
【0027】また、次回画像形成時に連続複写時より大
きな幅の転写材を用いた際に、異常高温部ではトナーの
溶融時の粘度が下がりすぎ、転写材上のトナーの一部が
ローラーと転写材の分離時に転写材上に捕捉されきれず
にローラー側に奪われ、ホットオフセットと呼ばれる画
像欠陥を生じることがあった。
【0028】このように、ヒーター12a,bの消費電
力の和が大きい程、温度低下は起こしにくいものの、非
通紙部の異常昇温が発生し易い場合があった。
【0029】つまり、定着ローラー10の表面温度はヒ
ーター12a,12bから供給される熱と紙及び外気等
に奪われる熱の量に大きく依存し、大量の複写を連続し
て行った際は、定着ローラー10の通紙部に関しては、
転写材に奪われる熱が大きくなるので、表面温度が低下
し易い。特に、ヒーター12a,12bしか使用できな
いリーダー部の動作中はこの傾向は顕著である。
【0030】しかし、定着ローラー10の非通紙部で
は、転写材に奪われる熱が少ないので、温度低下が生じ
にくく、ある程度以上ヒーターからの熱供給が多いと、
表面温度は上昇する。特に、ヒーター12a,12b共
に動作するリーダー部非動作時は、通紙部の温度が下が
りにくい程の熱が供給されるため、非通紙部の温度は異
常に昇温し易くなるのである。
【0031】これに対しては、画像形成可能な転写材の
形状が1種類のみの時は、ヒーターの転写材の進行方向
に直交するいわゆる長手方向の配光分布を適切に設定す
ることで対応できる。
【0032】しかし、使用できる転写材の長手方向の長
さ、いわゆる転写材の幅が多数ある場合には、すべての
転写材の幅に対して、適切な配光分布を設定すること
は、非常に困難である。
【0033】そこで、本発明は、通紙部の温度低下の防
止と、非通紙部の異常昇温の防止を両立することのでき
る画像形成装置を提供することを目的としている。
【0034】本出願に係る第1の発明によれば、上記目
的は、リーダー部と、リーダー部もしくは外部から入力
されたデジタル信号に応じた静電像を像担持体上に形成
する静電像形成手段と、像担持体上の静電像をトナーで
現像する現像手段と、像担持体上のトナー像を転写材に
転写する転写手段と、第1ヒーターと、第1ヒーターよ
りも消費電力の小さな第2ヒーターとを備え、転写材上
の未定着トナー像を加熱定着する加熱定着手段とを有す
る画像形成装置において、上記リーダー部の動作、非動
作に関わらず上記第1ヒーターを所定の温調温度になる
ように駆動すると共に上記第2ヒータをリーダー部の動
作状況と転写材枚数により駆動形態を切り替えることに
より達成される。
【0035】また、本出願に係る第2の発明によれば、
上記目的は、リーダー部と、リーダー部もしくは外部か
ら入力されたデジタル信号に応じた静電像を像担持体上
に形成する静電像形成手段と、像担持体上の静電像を複
数種類のトナーで現像する現像手段と、像担持体上のト
ナー像を転写材に転写する転写手段と、第1ヒーター
と、第1ヒーターよりも消費電力の小さな第2ヒーター
とを備え、転写材上の未定着トナー像を加熱定着する
熱定着手段とを有する画像形成装置において、上記リー
ダー部の動作、非動作に関わらず上記第1ヒーターを所
定の温調温度になるように駆動すると共に前記第2ヒー
タをリーダー部の動作状況と画像形成を行うトナーの種
類または/及びトナーの割合により駆動形態を切り替え
ることにより達成される。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】かかる本願発明によれば、制限された消費
電力内で温調を精度よく行え、オフセット防止され
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0045】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1に本
実施形態の画像形成装置の要部断面を示す。図9に示し
た従来例とは、リーダー部非動作時のヒーターの制御の
みが異なるものである。
【0046】図1に示すように、リーダー部では原稿台
31に置かれた原稿20を、原稿照明ランプ21で照ら
し、その画像情報をCCD22によって電圧に変換し、
その電圧をA/D変換することによりデジタル画像信号
に変換している。
【0047】プリンター部では、一次帯電装置24で一
様に帯電した像担持体27表面にリーダー部で読み取っ
た原稿画像に対応したデジタル画像信号に基づき画像露
光40を照射して静電潜像を形成し、その静電潜像を現
像装置25でトナー像に現像した後、そのトナー像を転
写帯電装置28で転写材6に転写する。そして、トナー
像を付与された転写材6は定着装置1でそのトナー像を
定着された後、出力画像として排出される。なお、この
画像形成装置におけるプロダクティビティーは50cp
mである。
【0048】次に、定着装置1は、内部に加熱手段とし
てのヒーター12a,12bを2本具備した定着ローラ
ー10と、表層をゴム等で形成した加圧ローラー11と
を互いに押し当て回転させ、転写材6を挟持搬送すると
同時に定着ローラー10表面の温度で転写材6上のトナ
ーを溶融し、転写材に定着する。
【0049】本実施形態の装置では、このヒーター12
a,12bの消費電力は、100Vでそれぞれ750
W,300Wである。また、原稿照明ランプ21は消費
電力が300Wのものを使用している。
【0050】また、本実施形態の画像形成装置は、リテ
ンションメモリ(図示せず)という画像情報を記憶する
メモリを具備しており、同一画像を複数部複写する際
に、リーダー部での画像スキャンを一回で済ますため
に、一枚目の画像形成時にのみ画像スキャンを行い、読
み込んだデジタル画像信号をこのリテンションメモリに
取り込んでおき、2枚目以降はこの記憶された画像信号
からレーザーを駆動し潜像を形成し、原稿照明ランプ2
1は使用しない。
【0051】そして、温度制御装置14によるヒーター
12aの制御は、リーダー部の動作状況に拘らず、定着
ローラー10の表面温度が200℃以上の場合に出力を
OFF、200℃未満の場合にONとする(以下、この
温調を200℃温調とする)。一方、ヒーター12bの
制御はリーダー部動作時は、定着ローラー10の表面温
度に拘らずOFFとし、リーダー部非動作時には、定着
ローラー10の温度が190℃以上の時はOFF、19
0℃未満の時はONとする。
【0052】すなわち、リーダー部動作時には、ヒータ
ー12aのみを動作させることで、ヒーターの出力を最
大750Wに抑え、リーダー部非動作時であって、定着
ローラー10の温度が190℃未満の時は、ヒーター1
2a、ヒーター12b共に動作することでヒーターの出
力を最大1050Wとし、定着ローラー10の温度が1
90℃以上の時には、ヒーター12aのみ動作させるこ
とによって、ヒーターの出力を750Wに抑える。この
時、ヒーター12bの出力とリーダー部のハロゲンラン
プの出力が等しいため、リーダー部の動作状況による画
像形成装置全体の出力はほぼ変わらない。
【0053】なお、本発明において、リーダー部の動作
中とは単にリーダー部の駆動中という意味だけではな
く、照明ランプの点灯中等のように、リーター部消費電
力が比較的大きい状態のすべての場合をいう。
【0054】以上のような本実施形態によれば、リーダ
ー部動作時のヒーターの総出力は、ローラー表面温度が
200℃未満で750Wであり、また、リーダー部非動
作時は、ヒーターの総出力は、ローラー表面温度が19
0℃以上200℃未満で750W、190℃未満では1
050Wとなる。
【0055】図2に第1の実施形態で原稿をリテンショ
ンメモリに読み込んで10部ずつ合計1000枚の複写
を行った例を示す。この時、最初の1枚でリーダー動作
しながら画像形成し、その後の999枚はリテンション
メモリからのデジタル信号で画像形成を行うため、リー
ダー部は動作せず、190℃未満では定着ヒーターは合
計1050Wを出力する。
【0056】図8に示す従来例2と比較してもサーミス
タ13の検知温度が190℃以上になると、750Wと
抑えられるため、単位時間あたりの非通紙部へ熱供給も
小さくなり、非通紙部の定着ローラー温度も問題ないレ
ベルに抑えられた。またこの時、ホットオフセットによ
り画像異常は生じなかった。
【0057】また、定着性に関しては、定着性に大きな
影響を与える通紙部の定着ローラー温度も定着性の最も
悪くなる最低温度が約190℃と高く保たれており、定
着性も問題ないレベルであった。
【0058】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を図3に基づいて説明する。なお、第1の実施
形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0059】定着ヒーター12a,12bとで配光分布
を変えた例を本実施形態で説明する。本実施形態の構成
は、定着ヒーター12a,12bの配光分布を変えたこ
とのみが第1の実施形態と異なる。
【0060】定着ヒーター12a,12bの配光分布を
図3に示す。定着ヒーター12aは端部に対し中央部の
約1.5倍と高く、定着ヒーター12bは中央部に対し
端部を約1.5倍と高く設定した。
【0061】ヒーターの制御は第1の実施形態と同様に
行い、その結果、リーダー非動作時のサーミスタの出力
するローラー表面温度が190℃より高いときは、より
中央の配光が高くなる。
【0062】つまり、ローラー表面温度が190℃より
高いときは、ヒーター12aのみを点灯し、端部の配光
の高いヒーター12bを消灯することで、連続した画像
形成時の非通紙部の昇温をさらに効率良く防ぐことがで
きる。
【0063】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態を図4に基づいて説明する。なお、第1の実施
形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0064】上述した実施形態においては、進行方向の
長さが等しく、長手方向の幅が広い転写材に比べ幅の狭
い転写材を連続複写した場合、定着ローラーの非通紙部
領域に供給された熱の一部が通紙部領域に伝導してくる
分、通紙部の温度低下はやや小さく抑えられている。こ
のことは、幅の狭い転写材の方が幅の広い転写材より定
着ヒーターからローラーに与える熱量、即ちヒーターの
出力がやや小さくても定着可能であることを示す。
【0065】一方、非通紙部の温度に着目すると、幅の
狭い転写材を連続複写した場合は、ローラー全体として
奪われる熱量が小さく、転写材に熱を奪われない非通紙
部が広くなるため、単位面積当たりで非通紙部から通紙
部に定着ローラー中を伝導する熱量も比較的少なくな
り、非通紙部は温度上昇を起こし易くなる。
【0066】つまり、幅の狭い転写材の方がヒーターの
出力、特に非通紙部への熱供給が小さい方がよい。
【0067】よって、転写材の幅によりヒーターの出力
を切り替えることで、より効率的に通紙部の温度低下の
防止と非通紙部の昇温を両立することが可能となる。
【0068】このような制御の例を図4を用いて説明す
る。本実施形態では、リーダー動作時は、ヒーター12
aのみを200℃温調し、リーダー非動作時のヒーター
12bの温調温度のみを転写材の長手方向の長さにより
切り替える。
【0069】また、リーダー非動作時は、ヒーター12
bを転写材の長手方向の長さが20cm未満の際は、1
80℃で温調し、20cm以上の場合は190℃で温調
する。
【0070】なお、ヒーター12aはリーダー非動作時
も転写材の大きさに拘らず、200℃温調を行う。
【0071】この結果、紙サイズを変化させてもより安
定して通紙部の温度低下の防止と非通紙部の昇温防止を
両立することが可能となる。
【0072】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態を図5に基づいて説明する。なお、第1の実施
形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0073】幅の狭い転写材を画像形成したときの定着
ローラー非通紙部の昇温は、非通紙部は熱が飽和状態に
あるにも拘らず、通紙部の熱が不足するために、ヒータ
ーからの熱が定着ローラー全体に加え続けられることに
より、非通紙部の温度が上昇することにより生じる。即
ち、一般的に大量の連続した画像形成時がきびしく少量
の画像形成時や画像形成時の初期には定着ローラーへ加
えられた熱の総量が少ないので問題とはならない。
【0074】また、図2からもわかるように、一般に画
像形成の開始からしばらくは、通紙側の温度の低下が激
しく、できるだけ多くの熱を加えた方が定着性の確保に
有利となる。
【0075】そこで、本実施形態においては、連続複写
中のヒーター12bの制御を複写開始から一定時間経過
後あるいは一定枚数複写後から低めの温度で制御するこ
とで、定着ローラー10に与える熱を減らし、初期の通
紙部の温度低下を最大限防ぎつつ、非通紙部の異常昇温
を防ぐようにした。
【0076】このような例を第4の実施形態として説明
する。本実施形態の構成は、ヒーター12bのリーダー
非動作時の制御が異なるのみで、他は第1の実施形態と
同様の構成である。
【0077】本実施形態のヒーター12a,12bの制
御を図5を用いて説明する。ヒーター12bはリーダー
非動作時は画像形成開始から100枚までは200℃温
調し、100枚以上で190℃温調とする。但し、リー
ダー動作時は、画像形成開始からの枚数に拘らず消灯す
る。また、ヒーター12aは画像形成中は常に200℃
温調する。
【0078】このような制御をすることで、幅の狭い転
写材を連続通紙した際の非通紙部の昇温を抑えつつ、連
続複写時の特に初期の通紙部の温度低下を抑えることが
できる。
【0079】非通紙部の昇温には、ヒーター12a,1
2bから大量の余剰な熱が与えられることが問題となる
ので、ヒーター12a,12bが共に点灯し得るタイミ
ング、即ちリーダーの動作終了時からの枚数または時間
でヒーター12bを制御する温度を変更しても同様の効
果が得られる。
【0080】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態を図6に基づいて説明する。なお、第1の実施
形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0081】なお、複数の種類のトナーを同時に定着す
ることを目的とする画像形成装置においては、各々のト
ナーの熱的性質が異なるため、2色ともホットオフセッ
トを起こさず、かつ、定着不良も起こさない、いわゆる
使用可能温度領域が小さくなる。磁性体を内包するトナ
ーを含まないトナーを同時に定着する際等、熱性質が異
なる場合は特にこの傾向は顕著であり、本発明の第1な
いし第4の実施形態は特に有効な手段である。
【0082】しかし、複数の種類のトナーを同時に定着
する際に、画像形成を行うトナーの種類により、ヒータ
ー12a,及びリーダー非動作時のヒーター12bの制
御温度を切り替えることで、さらに良好な効果を得るこ
とが可能となる。
【0083】このような例を第5の実施形態として説明
する。本実施形態の構成の概要は、第2の実施形態と同
様であるが、2種類のトナーA,Bを転写材上に定着さ
せられることができる。
【0084】ここで2種類のトナーA,Bの温度特性の
概要を図8に示す。比較的定着可能な温度領域が低いト
ナーAを定着する際には、リーダー非動作時の定着ヒー
ター12bの制御温度を比較的低い180℃に設定し、
比較的定着可能な温度領域が高いトナーBを定着する際
には、比較的高い190℃に設定する。
【0085】このように設定することで、複数の種類の
トナーを良好に定着することが可能である。
【0086】また、複数の種類のトナーを同時に定着す
る際には、それぞれのトナーの画像割合、濃度等の画像
情報に基づき、リーダー非動作時のヒーター12bの制
御温度を切り替えることで、より良好に定着することが
可能である。
【0087】なお、ここでは定着ローラー側にヒーター
を2本入れた例で説明を行ったが、定着ローラー、加圧
ローラーにヒーターを1本ずつ投入した例でも、それぞ
れ異なる温度で制御することで、同様の効果を得られ
る。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の加熱定
着手段は第1ヒーターと、第1ヒーターより消費電力の
小さな第2ヒーターとを備え、第1の発明では、リーダ
ー部の動作、非動作に関わらず前記第1ヒーターを所定
の温調温度になるように駆動すると共に前記第2ヒータ
をリーダー部の動作状況と転写材枚数により駆動形態を
切り替えることとしたので、また、第2の発明ではリー
ダー部の動作、非動作に関わらず前記第1ヒーターを所
定の温調温度になるように駆動すると共に前記第2ヒー
タをリーダー部の動作状況と画像形成を行うトナーの種
類または/及びトナーの割合により駆動形態を切り替え
ることとしたので、これの特徴により制限された消費電
力内で温調精度が高くオフセット防止できるという効
果を得る。
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置
の概略構成を示す図である。
【図2】図1装置における定着装置の温度変化を示す図
である。
【図3】本発明の第2の実施形態のヒーターの配光分布
を表す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態のヒーターの温度制御
を説明する図である。
【図5】本発明の第4の実施形態のヒーターの温度制御
を説明する図である。
【図6】本発明の第5の実施形態のトナーの熱特性の概
略を表す図である。
【図7】従来の定着装置の概略構成を示す図である。
【図8】従来例における定着装置の温度変化を示す図で
ある。
【図9】従来の画像形成装置の概略構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 定着装置 6 転写材 12a,12b ヒーター(加熱手段) 14 温度制御装置 25 現像装置 27 像担持体 28 転写帯電装置(転写装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−8183(JP,A) 特開 平4−76589(JP,A) 特開 平8−166742(JP,A) 特開 平2−5075(JP,A) 特開 平7−72758(JP,A) 特開 平6−167844(JP,A) 特開 昭56−29264(JP,A) 特開 平4−197030(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/00 303 G03G 15/20 G03G 21/00 370 - 502 G03G 21/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リーダー部と、リーダー部もしくは外部
    から入力されたデジタル信号に応じた静電像を像担持体
    上に形成する静電像形成手段と、像担持体上の静電像を
    トナーで現像する現像手段と、像担持体上のトナー像を
    転写材に転写する転写手段と、第1ヒーターと、第1ヒ
    ーターよりも消費電力の小さな第2ヒーターとを備え、
    転写材上の未定着トナー像を加熱定着する加熱定着手段
    とを有する画像形成装置において、 上記リーダー部の動作、非動作に関わらず上記第1ヒー
    ターを所定の温調温度になるように駆動すると共に上記
    第2ヒータをリーダー部の動作状況と転写材枚数により
    駆動形態を切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 転写材枚数により第2ヒーターの温調温
    度を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像
    形成装置。
  3. 【請求項3】 リーダー部と、リーダー部もしくは外部
    から入力されたデジタル信号に応じた静電像を像担持体
    上に形成する静電像形成手段と、像担持体上の静電像を
    複数種類のトナーで現像する現像手段と、像担持体上の
    トナー像を転写材に転写する転写手段と、第1ヒーター
    と、第1ヒーターよりも消費電力の小さな第2ヒーター
    とを備え、転写材上の未定着トナー像を加熱定着する
    熱定着手段とを有する画像形成装置において、 上記リーダー部の動作、非動作に関わらず上記第1ヒー
    ターを所定の温調温度になるように駆動すると共に前記
    第2ヒータをリーダー部の動作状況と画像形成を行うト
    ナーの種類または/及びトナーの割合により駆動形態を
    切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 画像形成を行うトナーの種類または/及
    びトナーの割合により第2ヒーターの温調温度を切り替
    えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 上記第1、第2ヒーターは配光分布が異
    なることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    かに記載の画像形成装置。
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