JP3800469B2 - 婦人体温計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎体温を測定するための婦人体温計に関する。
【0002】
【従来の技術】
女性の基礎体温は周期的に高温相と低温相の2相性を持っており、婦人体温計はその基礎体温を測定するために使用される。婦人体温計により基礎体温を毎日記録してトレンドグラフを作成することで、高温相と低温相の周期を測定者は知ることができる。基礎体温のトレンドを正確に記録するために、測定者による読み取り誤差をなくすべく、デジタル式の婦人体温計も利用されている。デジタル式の婦人体温計では、単に体温を測定するにとどまらず、測定した体温を記録してトレンドグラフ自体を作成する機能や、測定した体温の記録から次回生理日や排卵日といった生理周期に関する情報を推定する推定機能を有するものもあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら高温相と低温相といっても実際上は微少な温度差に過ぎず、基礎体温は100分の1℃程度の制度で測定する必要があった。このため、基礎体温計としては実測式の体温計が普通は用いられるが、実測式では平衡温を測定するためにはおおよそ10分程度要するのが普通である。
【0004】
また、推定機能を有する従来の婦人体温計ではその推定機能の精度が十分ではなく、かならずしも満足できる推定結果を得ることができなかった。
【0005】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、体温の測定に要する時間を短縮しつつ、その測定精度を低下させることがなく、しかも高精度で生理周期に関する情報を予測できる婦人体温計を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の婦人体温計は次のような構成からなる。すなわち、体温を測定する体温測定手段と、複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、生理事項を入力する手段と、測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、前記演算手段により予測された平衡温、または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、蓄積された基礎体温に所定日数をこえる連続した欠落があった場合、最近の生理初日に遡って測定された基礎体温を無効とし、所定日数以内の連続した欠落があった場合、欠落した基礎体温を補間する補間手段と、前記基礎体温から生理周期を推定する推定手段とを備える。
【0007】
あるいは、体温を測定する体温測定手段と、複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、生理事項を入力する手段と、測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、蓄積された基礎体温に所定日数をこえる連続した欠落があった場合、最近の生理初日に遡って測定された基礎体温を無効とし、所定日数以内の連続した欠落があった場合、欠落した基礎体温を補間する補間手段と、前記基礎体温に基づいて高温相及び低温相を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された低温相の最終日を排卵日と判断する判断手段とを有する。
【0008】
あるいは、体温を測定する体温測定手段と、複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、生理事項を入力する手段と、測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、蓄積された基礎体温に所定日数をこえる連続した欠落があった場合、最近の生理初日に遡って測定された基礎体温を無効とし、所定日数以内の連続した欠落があった場合、欠落した基礎体温を補間する補間手段と、前記入力手段により生理事項データとして生理メモが所定日数以上連続して入力された場合、その初日を生理初日と判断する判断手段とを有する。
【0009】
あるいは、体温を測定する体温測定手段と、複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、生理事項を入力する手段と、測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、前記基礎体温および前記入力手段により入力された生理事項データに基づいて、次回排卵予定日を推定する推定手段とを有し、前記推定手段は、測定当日が低温相であれば、最後の生理初日を基準として、平均低体温期間を加算した日付けを中心に、平均低体温期間のばらつきを可能期間とする範囲を排卵日として推定し、高温相であれば、最後の排卵日を基準として、平均月経周期を加算した日付けを中心に、平均月経周期のばらつきを可能期間とする範囲を排卵日として推定する。
【0010】
あるいは、体温を測定する体温測定手段と、複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、生理事項を入力する手段と、測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、蓄積された基礎体温に所定日数をこえる連続した欠落があった場合、最近の生理初日に遡って測定された基礎体温を無効とし、所定日数以内の連続した欠落があった場合、欠落した基礎体温を補間する補間手段と、前記基礎体温および前記入力手段により入力された生理事項データに基づいて、出産予定日を推定する推定手段とを有する。
【0011】
あるいは、体温を測定する体温測定手段と、複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、生理事項を入力する手段と、測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、前記基礎体温および前記入力手段により入力された生理事項データに基づいて次回生理日を推定する推定手段とを有し、前記推定手段は、当日が高温相であれば、最後の排卵日を基準として、平均高温相期間後の日を中心とする高温相期間のばらつきの範囲を次回生理日として予測し、当日が低温相であれば、最後の生理初日を基準として、平均月経周期後の日を中心とする月経周期のばらつきの範囲を次回生理日として予測する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の婦人体温計を図面を参照して説明する。
【0013】
<体温計の構成例>
図1は本実施形態における婦人体温計の構成を示すブロツク図である。
【0014】
本体温計は温度を計測し、それをデジタル値として出力する温度計測部10と、計測された温度から予測温度を演算すると共に本電子体温計を制御する演算制御部20と測定結果を表示する表示部30とから構成される。
【0015】
温度計測部10は、並列に接続された感温部に設置されたサーミスタ13及びコンデンサ14と、このサーミスタ13とコンデンサ14との時定数に従つて、ワンシヨツトをたたくワンシヨツトマルチ15と、基準クロツクを発生するクロツク発生器11と、基準クロツクを分周する分周器12と、ワンシヨツトマルチ15の出力がハイレベルの間のクロツク発生器11からのクロツク数をカウントするカウンタ16とから成る。温度計測部10は、サーミスタ13の温度に対応してカウンタ16のカウント量を変化させることにより、温度をデジタル量として出力する。尚、本温度計測部10の構成は一例であつて、これに限る必要はない。
【0016】
演算制御部20は、演算制御用のCPU21と、制御プログラムを格納し、且つ本電子体温計で使用される予測式を記憶する予測式記憶部22aと、パラメータa,b,c,dを記憶するパラメータ記憶部22bと、予測式の補正値(例えばΔtあるいは他の予測係数a〜d)を記憶する予測補正テーブル22cとを有するROM22と、計測温度やメモ入力された項目を時系列で記憶したり、判断された、あるいは推定された生理周期を格納するためのRAM23と、測定データ管理用の時計(リアルタイムクロック)24とを有する。演算制御部20は、プログラムに従つて、後述する初期判断や群分け、予測演算及び成立条件の判断等の本体温計の測定動作の制御や、測定された体温データに基づく生理周期の判断や推定(予測)を行う。
【0017】
図2(a)は体温計本体の蓋31を120度程度開いた上面図、(b)は蓋を閉じた状態の側面図である。この体温計本体は、口中に挿入して体温を検知するためのセンサ部32aを備えたプローブ32と、測定日時や測定された体温、基礎体温のトレンド等などの測定値に関する情報や、電池切れなど装置の制御に関する情報を表示する表示パネル33と、体温測定に付随する各種情報を入力するためのキーパネル34とを備えている。また、図示しないが、パーソナルコンピュータなどをホストとして接続するためのコネクタ等も備える。また、この体温計は定時測定を促進するために目覚まし機能を有しており、別途設定された時刻になると目覚し音を鳴らして利用者に体温測定を促す。
【0018】
より詳しく説明すると、表示パネル7は、日付や測定された体温、あるいは測定された体温のトレンドグラフを表示する他に、次回排卵日,次回生理日,出産予定日といった、基礎体温の測定結果に基づいて推定される日付を表示するための予定表示バー33aを含む。また、基礎体温の測定に付随して入力される、生理メモ,発熱メモ等の各メモ項目や、平衡温予測式で体温を測定しているか、実測式で体温を測定しているのかなどを示すための表示バー33bも含まれる。なお、図2ではすべての表示バー33a,33bが表示されている様子を示しているが、これらはすべて同時に表示されるわけではなく、対応する項目の表示時や入力時に各表示バーが表示される。
【0019】
また、入力部としてのキーパネル34には、電源キー,メモキー,機能キー,確定キー,体温表示・移動キー(+キー及び−キー),アラームキー,取り消しキーの各種キーが備えられている。また、前述の各表示バーに対応して、各表示バーが何を意味するかを示す項目名が記載されている。
【0020】
<本婦人体温計の機能>
本婦人体温計は、体温の測定やメモ入力、推定結果の計算や表示等、本婦人体温計による各種機能を遂行するため、各機能モードを有している。
【0021】
(1)停止モード
電源スイッチがオフにされたり、あるいは、電源投入後所定時間経過した場合には停止モードとなる。
【0022】
(2)通常モード
電源スイッチをオンにしたときや、取り消しキーによりリセットされたときは、表示部の全LCDを点滅表示し(例えば2秒間点灯後2秒間消灯)、その通常モードに入る。この通常モードでは、初期状態で時計8により示される現在日の日付(年月日),現在日の測定値(未検温時は「−−.−−℃」)や入力されたメモ表示バー,アラームマーク,体温グラフ等を表示する。また、予測式で体温測定を行う際には、「予測」マークを表示する。
【0023】
通常モード移行後、予備計測が開始され、4秒間隔で測定された温度がサンプリングされる。
【0024】
(3)本計測モード
予備計測により測定された温度が30℃以上で、かつ0.25℃/4秒以上の温度上昇率である場合には、本計測モードに移行する。計測された温度が32℃以上になったなら、「32.00℃」を所定時間(例えば2秒間)表示し、それ以降は測定値を表示する。本計測モードでは後述するシーケンスで体温測定を行う。本計測モードでは、温度のサンプリングは2秒間隔で行われる。
【0025】
なお、本計測モードに移行してから所定時間(14秒)以内に測定温度が所定温度(32℃)以上にならない場合には、再び通常モードに移行して予備計測が行われる。
【0026】
(4)メモモード
測定モードにおいて、入力部44としてのキーパネル34を構成するメモキーが押されると、メモモードに遷移する。本実施形態では、このモードに入ると、測定モードで設定された日付について、生理メモや発熱メモ等、5項目の生理事項に関するメモが入力できる。メモキーが押されるごとに設定する項目が順次移行する。その際、現在設定対象となっている項目に対応するメモ表示バー33bを点滅表示する。操作者はその点滅表示を見て、設定される項目を知ることができる。各項目において確定キーが押されると、そのメモ項目が設定されたことを記憶し、その項目に対応するメモ表示バー33bを表示して測定モードに戻る。また、どの項目も確定されず、6回目のメモキーが押された場合にも測定モードに戻る。
【0027】
このようにして設定されたメモ項目は、測定モードにおいて指定された日付ごとに読み出され、設定されている項目に対応するメモ表示バー33bが表示される。
【0028】
(5)推定日表示モード
測定モードにおいて機能キーが押されると、推定日表示モードに遷移する。このモードに入ると、既に計算され記憶された各種データから、まず次回排卵日が表示される。このモードで表示される項目は全部で3項目あり、機能キーが押されるごと表示される項目が次回生理日,出産予定日と移行し、3回目の機能キーで測定モードに戻る。
【0029】
(6)データ処理モード
後述するデータ処理を実行するモードである。このモードへは、電源スイッチがオフにされたとき、あるいは、機能スイッチが押されたときに移行する。
【0030】
(7)実測確認モード
後述するように、平衡温予測値(温)と実測値(温)とを交互に表示することで、予測値の精度を確認できるモードである。
【0031】
本実施形態の婦人体温計のモードは以上の7モードである。なお、各モードにおいて取り消しキーが押されると通常モードに戻る。また、通常モード以外の各モードにおいては、キー入力がないまま経過する時間を測定しており、所定時間経過すると取り消しキーが押された場合と同じ状態に戻る。通常モードにおいて同様に所定時間が経過すると、自動的に停止モードに移る。
【0032】
<本計測モードにおける体温測定シーケンス>
本計測モードにおいて測定が開始されると、所定サンプリング周期(例えば2秒)ごとにセンサ部32aにより検知される温度をサンプリングし、そのサンプルデータをもとに所定の方法で体温を測定する。この本計測の手順を図7に示す。
【0033】
まず、電源スイッチにより電源が入ると、ステツプS1で通常モードに移行する前の初期化が行なわれる。ステツプS2で温度計測部10からのデータを時間経過に対応して記憶する。ステツプS3では今迄の温度上昇に基づいて通常検温か判断し、通常検温でない(例えば再検温)と判断される場合は、ステツプS4で時間軸調整処理を行う。
【0034】
ステツプS4で時間軸調整が施されると、測定温度の遷移の傾向からステップ5で群分けが行われる。ステツプS6で分けられた群に応じた予測式を基に体温の予測演算が行なわれ、ステツプS7で所定の予測成立条件が満たされたかチエツクする。
【0035】
予測成立条件が満たされない場合は、ステツプS9に進んで、予測温度をLCDに表示し、ステツプS10からステツプS2に戻って計測を続ける。
【0036】
予測が成立した場合は、ステツプS7からS8に進んで成立を告げるブザーを鳴らし、ステツプS9に進んで予測された体温を表示部に表示してステツプS10からS2に戻る。計測は終了条件が成立するまで繰り返される。終了条件が満たされた場合、例えば体温計が測定部位からはずされた場合等に計測を終了する。
【0037】
なお、ステップS9において表示される温度は必ずしも予測された温度そのものとは限らず、表示用に補正された温度の場合もある。
【0038】
次に、図7のステップS4〜S7の各ステップについて詳しく説明する。
【0039】
[ステップS4:時間軸調整処理]
予測式体温計による、予測起点からの経過時間tの時点における予測値Y(t)は、検出温度をT(t)、上乗せ量をU(t)として、以下の予測計算式で与えられる。
【0040】
Y(t)=T(t)+U(t) (1)
U(t)=(a×t+b)×dT+(c×t+d) (2)
ここで、a〜dは予測係数であり、測定された温度データに応じて決まる。dTは過去20秒間の温度上昇で、
dT=T(t)−T(t-20)、ただし、t−20<0の場合、t−20→0
と表せる。
【0041】
時間軸調整処理は、特に繰り返し検温時の予測精度を向上させるために行われる。繰り返し検温時には、温度検出部の初期温度が相当高いため、上記予測計算式をそのまま適用すると実際の温度からずれた温度が予測値として得られてしまう。図4は、初回検温と再検温のそれぞれの場合の測定温度の時間遷移の様子を示す図である。このように、再検温の測定値のカーブは、初回検温のそれを所定時間(図4では「時間調整分」)だけ進めたものとなる。このため、再検温時には、平衡温の予測計算式におけるパラメータtを、この進んでいる時間分だけ調整する。すなわち再検温時には、上乗せ値U(t')は、予測計算式のパラメータtから調整分Δtを引いた値t’=t−Δtをパラメータとして下式で計算される。
【0042】
U(t')=(a×t'+b)×dT+(c×t'+d) (2')
この時間軸調整分Δtを求めるために、まず本計測開始から所定時間(10秒)後の温度(H10)と10〜14秒の温度上昇(HSB)とから、初期温度が高いか否かを判断する。例えば再検温のデータは、計測開始時の温度が高くその後の上昇率が小さい。そのため、図3のように、温度上昇HSBを縦軸、温度H10を横軸としてデータを配置すると、右下に集中する傾向がある。
【0043】
そこで、時間軸の調整には、まずパラメータ値BRを、
BR=(H10−30)/HSB
なる式によって求める。パラメータ値BRが大きいほど検温開始時の温度が高くその後の温度上昇が小さくなり、通常の検温とはかけ離れた状況になってくる。従って、BRの値に応じて通常検温時の予測計算時間とのずれを決定する。
【0044】
時間軸調整分Δtは、BRに対応して記憶されたROMテーブル等を用いるのが好ましい。時間軸調整分Δtの数値例を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
Figure 0003800469
なお、BRの値がマイナス、すなわちH10が所定値(30)未満の場合には時間軸調整は行わない。
【0047】
[ステップS5:群分け処理]
群分け処理では、上乗せ値Uを推定するための計算式における予測計数を決定する。群は、測定対象の熱応答の早さに応じて、すなわち、温度上昇のカーブの形状に応じて分けられ、各群に最適化された予測計数が選択される。そのため、本計測開始から所定時間の間(20〜30秒間)の温度上昇値(図5(A),(B)の縦軸)と所定時間(20秒)における温度(図5(A),(B)の横軸)とを用いて、計測データを1〜10群に分ける。
【0048】
図5(A)は、時間軸調整を行っていない場合の、本計測開始から20秒後の温度と20〜30秒間の温度上昇値との関係を多数のサンプルについてプロットしたグラフの例である。また、図5(B)は、時間軸調整を行った場合の、本計測開始から20秒後の温度と20〜30秒間の温度上昇値との関係を多数のサンプルについてプロットしたグラフの例である。測定値は、図5のように、時間軸調整がある場合には第1〜7群、時間軸調整がない場合には第8〜10群に、プロットされた位置に応じて分類される。各群に属する測定値は、図6に示した測定値のカーブに乗る値となるように分類されている。例えば、図5(A)の第5群に属する測定値は、おおよそ図6の第5群のカーブに乗る値である。また、図5(B)の第8群に属する測定値であれば、おおよそ図4における「再検温」のカーブに乗る値である。
【0049】
時間軸調整がない場合の群は、熱応答の早い群(第1群)から熱応答の遅い群(第5群)となる。第1群は最も熱応答の早い群であり、最初の温度は高いがすぐに上昇がおさまり、予測に必要な上乗量は小さい。逆に、第5群は最も熱応答の遅い群で、最初の温度は低いが温度上昇が遅くまで続き、必要な上乗量が大きい。
【0050】
第6群および第9群は熱応答が遅すぎて予測不能である。第7群および第10群は温度変化がほとんどない恒温水槽測定モードであり、予測は行われず、実測のみで測定される。
【0051】
本計測開始後所定時間(38秒)までは、各群に共通の予測係数を用いて予測計算を行うが、40秒以降は、それぞれの群に応じた係数a〜dを用いて予測演算を行う。なお、係数a〜dは40秒から120秒まで所定時間おき(20秒おき)に各群毎の所定の値に切り替えられる。
【0052】
一例として、40〜60秒間の各群の予測係数a〜dを挙げる。
【0053】
1群 a=0.03859 :b=-0.56178 :c=-0.00642 :d=0.78483
2群 a=0.03363 :b=-0.15209 :c=-0.00623 :d=0.7967
3群 a=0.03363 :b=-0.15209 :c=-0.00389 :d=0.7977
4群 a=0.03363 :b=-0.15209 :c=-0.00674 :d=1.0937
5群 a=0.06137 :b=-0.85641 :c=-0.00701 :d=0.95034
8群 a=0.8628 :b=-3.584 :c=-0.0207 :d=1.664
なお、第6群および第9群の予測係数としては、第5群および第8群のものを代用する。
【0054】
[ステップS6:予測演算処理]
前述したように、測定区間は本計測開始所定時間(30秒)後から20秒おきの6区間に分けられ、各区間ごとかつ各群毎に設定された予測係数を用いて、式(1)及び(2)あるいは(2')を用いて温度予測演算を行う。
【0055】
第1区間 : 0〜38秒 →各群共通の予測係数
第2区間 : 40〜60秒 →1群〜5群、8群
第3区間 : 62秒〜100秒 →1群〜5群、8群
第4区間 : 82秒〜100秒 →1群〜5群、8群
第5区間 : 102秒〜120秒 →1群〜5群、8群
以上から、予測係数は群及び区間毎に合計25種類のセットが必要である。
【0056】
(予測値の信頼性処理)
予測値(予測平衡温)の信頼性を示すために、予測計算を行う毎に予測値の変動幅を計算し、その幅が設定された所定値をこえる場合、表示値を本計測開始から所定時間(120秒)以降点滅させる。この点滅は、本計測開始から所定時間(2分30秒)(実測表示開始)まで続けられる。
【0057】
[ステップS7:予測成立条件]
本計測開始から所定時間(50〜120秒間)に予測が成立するとブザーが鳴る。この予測成立の条件は以下の3つがすべて満たされることである。
▲1▼過去20秒間の検出温度の上昇(dT)が設定値以下であること
▲2▼過去10秒間の予測値の回帰直線の傾きが設定値以下であること
▲3▼上乗せ量が一定の範囲であること
条件▲1▼を満足する温度上昇dTの範囲は、例えば40〜60秒間では、
1群 ≦0.19℃/20秒
2群 ≦0.23℃/20秒
3群 ≦0.20℃/20秒
4群 ≦0.15℃/20秒
5群 ≦0.17℃/20秒
のように設定される。
【0058】
条件▲2▼の予測値の回帰直線の傾きKAは、本計測開始後の経過時間tにおける予測値をY(t)として、例えば次のように求める。
【0059】
SY = Y(t)+Y(t-2)+Y(t-4)+Y(t-6)+Y(t-8)+Y(t-10)
STY = 2*Y(t-2)+4*Y(t-4)+6*Y(t-6)+8*Y(t-8)+10*Y(t-10)
KA = 20*(SY/14+STY/70)
こうして求めたKAが所定値(0.04℃/20秒)以下になったら条件▲2▼が満たされたと判断する。
【0060】
条件▲3▼は、算出されたU(t)が所定値以下であれば満足される。
【0061】
本計測開始から所定時間(120秒)までに予測が成立しない時は、120秒で強制成立させる。
【0062】
なお、予測成立条件等の判断は、たとえ繰り返し検温のための空間平均処理により表示値KHが与えられている場合であっても、予測値Yにより行われる。
【0063】
[ステップS9:温度表示]
表示される温度は、本計測開始から所定時間(2分30秒)経過するまでは表示値KHである。表示値KHは、繰り返し検温処理の場合には前述した式(3)(4)で算出される。それ以外の場合には、予測値Yがそのまま表示値KHとなる。
【0064】
計測開始から2分30秒までは予測値を表示するとともに予測マークを点灯し、その後は実測値Tを表示して予測マークを消灯する。
【0065】
以上の手順によって、本計測開始から所定時間(2分30秒)経過するまでは予測値が表示され、所定時間(2分30秒)以降には実測値が表示される。このため、測定者は、平衡温を実測するまで待たなくとも、体温を知ることができる。さらに、上述した温度予測手順は、時間軸調整や群分け、繰り返し検温処理を行っているために、測定状況等に応じた測定温度の変化のカーブを高精度に予測して平衡温を予測できる。このため、予測された体温の精度が高い。また、予測の精度が低いことが予想される場合には、表示によりその旨を利用者に知らせることができる。
【0066】
本体温計はこのほか次のような機能も有している。
【0067】
[定時ブザー鳴動]
本計測開始から5分で定時ブザーを鳴動(「ピピ ピピ ピピ ピピ」)させる。
【0068】
[実測確認機能]
所定のキーシーケンスをたどることにより、例えば「機能」スイッチと「メモ」スイッチを押しながら電源スイッチを入れることにより、ブザーが鳴動し(「ピピ ピピ ピピ ピピ」)、実測確認モードに入る。
【0069】
5分定時ブザーの鳴動後予備計測を開始し、予測表示値と実測値を2秒間隔で交互に表示する。実測確認モードは、電源を切ることにより解除される。
【0070】
<データ処理の内容>
体温の測定は、上記シーケンスで行われる。データ処理モードでは、測定され蓄積された測定値を用いて生理周期を判定し、あるいは予測する。そのために、例えば生理初日を判定し、生理初日がそれまでの日付から更新されたなら、更新前の生理初日から更新された生理初日の前日までの最新の月経周期について、その平均高温相期間,平均低温相期間を求めるほか、それまで蓄積された過去の月経周期についてのデータを用いて、平均月経周期や基準体温を計算する。さらに、測定が行われた当日(以下、本日と呼ぶ)が高温相か低温相か判定して排卵日を検出し、平均体温を算出する。最後に、これらのデータを用いて、次回生理日,次回排卵日,出産予定日を予測する。
【0071】
図8は、月経周期の例を示す図である。丸付き数字は各生理周期における生理初日を表し、この間の符号a〜hがそれぞれ月経周期となる。各月経周期には、生理初日から始まる低温相H〜Nと、排卵日◎から始まる高温相とが含まれる。本婦人体温計は、ある月経周期の中にいるときに、次回の排卵日および生理日を高精度に予測(推定)するとともに、測定結果から妊娠と判定されれば出産予定日も予測(推定)する。また、図8を参照して各種データ処理の説明をするが、その際、図8の月経周期aの途中から測定が開始され、符号▲1▼が最初に確認される生理初日であるものとする。処理の内容は次のようなものである。
【0072】
[1.計算タイミング]
これより説明する演算処理は、電源オフ及び機能スイッチ印加時に行われる。ただし、電池電圧が所定値以下に低下したことを示す電池電圧低下マーク表示後は、機能スイッチ印加時に行う。
【0073】
[2.基準体温(非表示)]
・基準体温は生理初日確定後に以下の手順で求めて更新し、以降次回生理初日が確定するまで保持する。
・記録開始より所定回目、例えば2回目の生理初日まで(区間a及びb)は、36.5℃に固定される。
・生理初日▲2▼においては、区間aおよびbの全ての体温値から、36.5℃以上の所定数の最大体温値、例えば上位3つと、36.5℃を下回る所定数の最小体温値、例えば上位3つから、
基準体温={最大体温上昇3つの合計+最小体温上位3つの合計}/6
ただし、最大最小それぞれ所定数ずつ、上記例では最大3つ及び最低3つ分のデータが揃わない場合、36.5℃を補う。
Figure 0003800469
【0074】
例えば、生理初日▲5▼における基準体温は、
Figure 0003800469
として求められれる。
【0075】
[3.高低体温判断(非表示)]
・測定当日の体温値が基準体温以上の場合、高体温と判定する。
・測定当日の体温値が基準体温未満の場合、低体温と判定する。
【0076】
[4.相判定]
・相判定は、記録開始から1日毎に判定する。高温相の開始条件は以下の通りである。
▲1▼低温相の状態で高体温が所定日数、例えば4日続いた場合、高体温の初日(3日前)に遡り、高温相開始日とする。
▲2▼低温相の状態で高体温が所定日数、例えば3日続き、その翌日低体温、さらにその翌日高体温の場合、最初の高体温3日の初日(4日前)に遡り、高温相開始日とする。
【0077】
低温相の開始条件は以下の通りである。
▲1▼高温相の状態で低体温が所定日数、例えば4日続いた場合、低体温の初日(3日前)に遡り、低温相開始日とする。
▲2▼高温相の状態で低体温が所定日数、例えば3日続き、その翌日高体温、さらにその翌日低体温の場合、最初の低体温3日の初日(4日前)に遡り、低温相開始日とする。
・当日に発熱メモがあるか、体温値が所定温度、例えば37.5℃以上の場合、当日の高低体温判断を無効とし、高体温判断は前日のものを用いる。ただし、無効の日が2日以上連続した場合は、相判定を行わない。
【0078】
[5.生理初日判断(認定生理日:非表示)]
・低温相の開始した日を生理開始日とする。
・相判定により、低温相が確定する以前に生理メモがあった場合、生理メモの初日を生理初日とする。また、この場合、生理初日を低温相開始日とする。
・生理初日から14日以内は次の生理初日は認めない。
【0079】
[6.排卵日判断(認定排卵日:非表示)]
・低温相の最終日を排卵日とするが、相判定において高温相の開始日が更新された後に計算される。即ち、
排卵日=高温相開始日−1
[7.平均月経周期(非表示)]
・平均月経周期は、最近所定回数、例えば6回分の月経周期において、最長周期と最短周期を除いた有効な所定回数、例えば3回分以上の月経周期を平均する。なお、有効月経周期は所定の日数内、例えば21〜42日に納められる。
・暫定処置として、区間eにおいては、区間b,c,dが全て有効月経周期ならその3回分の平均とする。
・区間fにおいては、区間b、c、d、eの内、3回分以上が有効月経周期なら、有効な3または4回分の月経周期の平均とする。
・区間gにおいては、有効な3回分以上の月経周期の平均、ただし、有効データが所定数、例えば5つの場合、最長データを除く4回分の平均とする。
・平均に用いた3または4つの月経周期のばらつきが1.5σで3日以内の場合、平均月経周期は有効とする。
【0080】
[8.平均高温相期間(非表示)]
・平均高温相期間は最近所定回数、例えば6回分の高温相期間において、最長周期と最短周期を除いた有効な所定回数、例えば3回分以上の高温相期間を平均する。なお、有効高温相期間は所定長期間、例えば7〜16日とする。
・暫定処置として、区間eにおいては、区間A、B、Cが全て有効高温相期間なら所定回数、例えば3回分の平均とする。
・区間fにおいては、区間A、B、C、Dの内、所定回数、例えば3回分以上が有効高温相期間なら、有効な3または4回分の高温相期間の平均とする。
・区間gにおいては、有効な3回分以上の高温相期間の平均とする。ただし、有効データが5つの場合、最長データを除く4回分の平均とする。
・平均に用いた3または4つの高温相期間のバラツキが1.5σで3日以内の場合、平均高温相期間は有効とする。
【0081】
[9.平均低温相期間(非表示)]
・平均低温相期間は最近の所定回数、例えば6回分の低温相期間において、最長期間と最短期間を除いた所定回数、例えば3回分以上の低温相期間を平均する。なお有効低温相期間は、所定日数の期間、例えば5〜30日である。
・暫定処置として、区間eにおいては、区間H、I、Jが全て有効低温相期間なら所定回数、例えば3回分の平均とする。
・区間fにおいては、区間H、I、J、Kの内、所定回数、例えば3回分以上が有効低温相期間なら、有効な3または4回分の低温期間の平均とする。
・区間gにおいては、有効な所定回数、例えば3回分以上の低温相期間の平均とする。ただし、有効データが5つの場合、最長データを除く4回分の平均とする。
・平均に用いた3または4つの低温相期間のばらつきが1.5σで3日以内の場合、平均低温相期間は有効とする。
【0082】
[10.平均体温(非表示)]
・高温相平均体温は、高温相の開始から所定日数、例えば2日、最終の所定日数、例えば2日を除く体温値を平均する。
・低温相平均体温は、低温その開始から所定日数、例えば2日、最終の所定日数、例えば2日を除く体温値を平均する。
・当日に発熱メモがある場合及び体温値が所定の上限温度、例えば37.5℃以上の場合、体温値が所定の下限温度、例えば35.0℃未満の場合は体温値を無効とし、平均体温の計算から除く。
【0083】
[11.次回排卵日予測(推定機能表示)]
・次回排卵日は所定回数目、例えば4回目の生理初日確定以降、生理初日確定時に推定値を更新する。なお、区間a〜dにおいての表示は、「−−年−−月−−日頃」とする。
・更新時に有効な平均月経周期又は平均低温相期間がある場合のみ計算する。
・更新の現時点が低温相の場合、
次回排卵日 = 最近(最後)の生理初日 + 平均低温相期間
・更新の現時点が高温相の場合、
次回排卵日 = 最近(最後)の排卵日 + 平均月経周期
という式で推定する。
・次回排卵日が確定しないときは、「−−年−−月−−日頃」と表示する。
・当日が推定した次回排卵日を過ぎた場合、「−−年−−月−−日頃」と表示する。
・出産予定日(後述)が確定している場合、「−−年−−月−−日頃」と表示する。
【0084】
[12.次回生理日予測(推定機能表示)]
・次回生理日は4回目の生理初日確定以降、生理初日確定後に推定値を更新する。なお、区間a〜dにおいての表示は「−−年−−月−−日頃」となる。
・更新時に有効な平均月経周期又は平均高温相期間がある場合のみ計算する。
・更新の現時点が低温相の場合、
次回生理日 = 最近(最後)の生理初日 +平均月経周期
・更新の現時点が高温相の場合、
次回生理日 = 最近(最後)の排卵日 + 平均高温相期間
・次回生理日が確定しないときは、「−−年−−月−−日頃」と表示する。
・当日が推定した次回生理日を過ぎた場合、「−−年−−月−−日頃」と表示する。
・出産予定日(後述)が確定している場合、「−−年−−月−−日頃」と表示する。
【0085】
[13.出産予定日(推定機能表示)]
・出産予定日は、「××年××月××日頃」と表示する。
・当日で高温相日数が、所定日数、例えば21日以上で、最近の排卵日を含む所定期間、例えば最近の排卵日−3日〜排卵日+1日に性交メモがあり、有効は平均月経周期及び平均低温相期間がある場合、出産予定日は下式で求められる。
【0086】
出産予定日 = 排卵日 + 265日(所定日数)
・出産予定日が確定しないときは、「−−年−−月−−日頃」と表示する。
・出産予定日表示後、低温相が開始した場合、「−−年−−月−−日頃」と表示する。
【0087】
[14.測定体温の欠落データ(測定忘れ)後処理]
欠落した測定値は、内部データとして欠落日前後の測定体温から計算で求める。ただし、体温表示は行わず、欠落日の体温表示は、「−−.−−℃」となる。・測定体温データ欠落が1日分(N日)の場合、下表で求める。
【0088】
Figure 0003800469
・測定体温データ欠落が2日分(N日、N+1日)の場合には下表で求める。
【0089】
Figure 0003800469
・同様に測定体温データの欠落がm日の時、欠落前日体温をa、欠落後の体温をbとして
欠落n日目の体温 = a+n(b−a)/(m+1)
・測定体温欠落データの連続日数mは8日まで許容する。8日をこえる欠落があった場合、最近の生理日に遡り、体温データを無効とする。
・測定体温の有効データが、月経周期内の日数の所定比率、例えば50%以上の場合、その月経周期内のデータを有効とする。所定比率、ここでは50%未満の場合、その月経周期内のデータを無効とする。
【0090】
<データ処理の手順>
以上、個々の項目ごとに処理の内容を説明したが、図9〜図10により、一連の処理としてデータ処理手順を説明する。図9は処理全体の流れを示すフローチャートであり、図1におけるCPU21によりROM22に格納されたプログラムを実行することで実現される。以下、フローチャートを参照しつつ、処理の内容について説明する。
【0091】
図9において、まず本日の測定データ処理が既に済んでいるか判定する(ステップS501)。済んでいれば処理は終了する。済んでいなければ、まず欠落データを補間する(ステップS501)。すなわち、所定日数、例えば8日以上欠落があれば、最近の生理初日以降のデータを無効化し、所定日数以下、例えば7日以下であれば、n日欠落したm日目のデータを(a+n(b−a)/(m+1))の式により補間する。これは上述した項目[14]に説明した通りである。
【0092】
次に、生理初日を判定する(ステップS503)。この詳細は前述した項目[5]の通りであるが、改めて図10に示した。すなわち、最近の生理初日から14日以内であれば、生理初日は更新されない(ステップS801−YES)。そうでなければ、生理メモがあったか判定し(ステップS802)、メモ入力あれば当日の日付で生理初日を更新する(ステップS803)。生理メモリ入力がない場合でも、低温相開始日が更新されていれば、その日が生理初日と見なされるために、生理初日を低温相開始日で更新する(ステップS805)。
【0093】
次に、直前の月経周期が確定したならば、すなわち、あらたな生理初日が確認されてから初めての処理であれば、平均月経周期の計算(ステップS506)、平均高温相期間および平均低温相期間の計算(ステップS507)、基準体温の計算(ステップS508)を行う。これら3つの値は、上述した項目[7],[8],[9]及び[2]で説明した要領で算出される。
【0094】
ステップS506−S508は、1回の月経周期で1回行われる処理である。これに対して、ステップS509−S514は毎日体温が測定されるごとに実行される。
【0095】
まず、相判定並びに排卵日の検出が行われる(ステップS510)。その詳細は、上述した項目[4]および[6]で説明した通りである。
【0096】
ステップS509において相判定が行われると、本日づけで低温相開始日が更新され、かつ、生理初日が更新されていないことを、ステップS510において判定する。この結果が肯定判定であれば、生理初日を低温相開始日で更新する必要があるため、ステップS503に戻り生理初日の更新を改めて行う。それにともなって、生理初日が新たに判定されて、その直前の月経周期に関するデータ処理がステップS504−S508で行われることになる。
【0097】
これ以降は、平均体温計算(ステップS511)、次回生理日予測(推定)計算(ステップS512)、次回排卵日予測(推定)計算(ステップS513)、出産予定日予測(推定)計算(ステップS514)を順次行って、データ処理モードにおける処理を終了する。これらの処理は、それぞれ上述の項目[10],[12],[11],[13]で説明した通りである。
【0098】
測定された体温や上述のようにして計算された値は全てRAM22に格納され、所定期間、例えば240日間にわたって保存される。すなわち、例えば月経周期や高温相期間,低温相期間,平均体温等、月経周期の1周期毎に算出される値であれば、おおよそ6〜10周期分程度が保存される。このため、平均高温相期間や平均低温相期間等、その前の多くの月経周期におけるデータに基づいて得られる値を算出するためにも、十分なデータを保存しておくことができる。
【0099】
上述した構成および処理手順により、測定された基礎体温および生理メモや発熱メモなどの生理事項から得られた、生理初日や平均月経周期、排卵日や平均高温相周期・平均低温相周期といった生理的な周期を基に、現在の相(低温相あるいは高温相)に応じて、次回生理日あるいは次回排卵日を予測する。この際、生理初日の判定を、単に生理メモの入力のみならず低温相の開始日に基づいても行うために、仮に生理メモの入力がなくとも正確に生理初日を判定できる。このため、より精度の高い生理日や排卵日の予測が可能となる。
【0100】
さらに、欠落した基礎体温データを、欠落期間の前後で実測された値を線形に補間するように推定するため、欠落した期間が高温相と低温相との境界を含んでいる場合であっても、相の境界を、その誤差の最大値が最小となる様に推定することができる。
【0101】
さらに、基礎体温データから得られる生理的な諸周期を使用する際に、有効な値であるための条件を設定し、それに適合する値に限って使用するために、信頼できる値だけを使用して、各種の値を算出できる。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る婦人体温計は、体温の測定に要する時間を短縮しつつ、その測定精度を低下させることがなく、しかも高精度で生理周期に関する情報を予測できるという効果を奏する。
【0103】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る婦人体温計のブロック図である。
【図2】本発明に係る婦人体温計本体の外観図である。
【図3】本発明に係る婦人体温計の初期温度判断を説明する図である。
【図4】本発明に係る婦人体温計の時間軸調整を説明する図である。
【図5】本発明に係る婦人体温計の群分けを説明する図である。
【図6】本発明に係る婦人体温計の温度上昇曲線例を示す図である。
【図7】本発明に係る婦人体温計の測定シーケンスを示すフローチヤートである。
【図8】女性の生理的な周期の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る婦人体温計によるデータ処理手順のフローチャートである。
【図10】生理初日を判定する手順のフローチャートである。

Claims (9)

  1. 体温を測定する体温測定手段と、
    複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、
    生理事項を入力する手段と、
    測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、
    前記演算手段により予測された平衡温、または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、
    蓄積された基礎体温に所定日数をこえる連続した欠落があった場合、最近の生理初日に遡って測定された基礎体温を無効とし、所定日数以内の連続した欠落があった場合、欠落した基礎体温を補間する補間手段と、
    前記基礎体温から生理周期を推定する推定手段と
    を備えることを特徴とする婦人体温計。
  2. 生理事項を入力する入力手段をさらに備え、
    前記蓄積手段は、前記基礎体温と、入力された生理事項とを併わせて日付ごとに蓄積し、
    前記推定手段は、蓄積された前記基礎体温と生理事項とを基に生理周期を推定することを特徴とする請求項1に記載に婦人体温計。
  3. 体温を測定する体温測定手段と、
    複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、
    生理事項を入力する手段と、
    測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、
    前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、
    蓄積された基礎体温に所定日数をこえる連続した欠落があった場合、最近の生理初日に遡って測定された基礎体温を無効とし、所定日数以内の連続した欠落があった場合、欠落した基礎体温を補間する補間手段と、
    前記基礎体温に基づいて高温相及び低温相を判定する判定手段と、
    前記判定手段により判定された低温相の最終日を排卵日と判断する判断手段と
    を有することを特徴とする婦人体温計。
  4. 体温を測定する体温測定手段と、
    複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、
    生理事項を入力する手段と、
    測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、
    前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、
    蓄積された基礎体温に所定日数をこえる連続した欠落があった場合、最近の生理初日に遡って測定された基礎体温を無効とし、所定日数以内の連続した欠落があった場合、欠落した基礎体温を補間する補間手段と、
    前記入力手段により生理事項データとして生理メモが所定日数以上連続して入力された場合、その初日を生理初日と判断する判断手段と
    を有することを特徴とする婦人体温計。
  5. 前記判断手段は、さらに、低温相開始日が更新されたなら、その低温相関始日を生理初日と判断し、低温相開始日が生理初日と判断された場合に、高温相になる前に生理メモが入力された場合には、その生理メモの入力日を生理初日とあらためて判断することを特徴とする請求項4に記載の婦人体温計。
  6. 体温を測定する体温測定手段と、
    複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、
    生理事項を入力する手段と、
    測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、
    前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、
    前記基礎体温および前記入力手段により入力された生理事項データに基づいて、次回排卵予定日を推定する推定手段とを有し、
    前記推定手段は、測定当日が低温相であれば、最後の生理初日を基準として、平均低体温期間を加算した日付けを中心に、平均低体温期間のばらつきを可能期間とする範囲を次回排卵予定日として推定し、高温相であれば、最後の排卵日を基準として、平均月経周期を加算した日付けを中心に、平均月経周期のばらつきを可能期間とする範囲を次回排卵日予定として推定することを特徴とする婦人体温計。
  7. 体温を測定する体温測定手段と、
    複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、
    生理事項を入力する手段と、
    測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、
    前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、
    蓄積された基礎体温に所定日数をこえる連続した欠落があった場合、最近の生理初日に遡って測定された基礎体温を無効とし、所定日数以内の連続した欠落があった場合、欠落した基礎体温を補間する補間手段と、
    前記基礎体温および前記入力手段により入力された生理事項データに基づいて、出産予定日を推定する推定手段と
    を有することを特徴とする婦人体温計。
  8. 前記推定手段は、前記体温測定手段による基礎体温の測定履歴から、低温相の最後の日を排卵日と判定し、最後の排卵日から第1の所定日数以上経過してなお高温相にあるならば、最後の排卵日から第2の所定日数後を出産予定日と推定することを特徴とする請求項に記載の婦人体温計。
  9. 体温を測定する体温測定手段と、
    複数通りの予測係数を記憶する予測係数記憶手段と、
    生理事項を入力する手段と、
    測定された体温の変化に応じた予測係数を前記複数通りの予測係数から選択し、選択した予測係数を用いて平衡温度を予測演算する演算手段と、
    前記演算手段により予測された平衡温または前記体温測定手段により検出された実測温を基礎体温として蓄積する蓄積手段と、
    前記基礎体温および前記入力手段により入力された生理事項データに基づいて次回生理日を推定する推定手段とを有し、
    前記推定手段は、当日が高温相であれば、最後の排卵日を基準として、平均高温相期間後の日を中心とする高温相期間のばらつきの範囲を次回生理日として予測し、当日が低温相であれば、最後の生理初日を基準として、平均月経周期後の日を中心とする月経周期の ばらつきの範囲を次回生理日として予測することを特徴とする婦人体温計。
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