JP3800274B2 - 音響的接触検出装置 - Google Patents

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    • G06F3/0436Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means using propagating acoustic waves in which generating transducers and detecting transducers are attached to a single acoustic waves transmission substrate

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波トランスデューサの分野に関し、特に音響タッチパネルにおけるグレーティングトランスデューサに関する。
【0002】
【従来の技術】
タッチパネル(タッチスクリーン)は対話型コンピュータシステムのための入力装置である。それらはキオスク情報端末やレストランのオーダー入力方式などのような応用分野に、商業的にますます使われている。
【0003】
主要なタッチパネル技術としては、抵抗膜方式タッチパネル、静電容量方式タッチパネル、および音響方式タッチパネルがある。音響方式タッチパネル、すなわち超音波タッチパネルは、非常に丈夫な接触感知表面や、ディスプレイ画像の透過度の低下の極小化が要求されるとき、特に有利である。
【0004】
様々な種類の超音波トランスデューサが知られている。音響方式タッチパネルにおいて最も通常使われているトランスデューサのタイプは、ウェッジ(くさび)トランスデューサ(wedge transducers)であり、圧電振動子とタッチ基板との間を直接結合している。トランスデューサとは、ある一つの形態から他の形態へとエネルギーを変換する1つ又は一連の物理的素子である。これは音響波のモード間の変換や電気エネルギーと音響エネルギーとの間の変換も含む。典型的に使用されている圧電方式トランスデューサは、その表面に形成された導電体を有する、矩形形の圧電セラミックで形成されている。それらは、基板の表面の素子、例えば、くさび(wedge)材料と接触している金属電極や、圧電素子の平らな表面を配置することによって、表面と音響的に結合している。
【0005】
ウェッジトランスデューサは表面波や板波を基板に励起する。ウェッジトランスデューサは、音波が異なった媒体の境界面に斜めに入射したとき、音波が屈折する現象を利用する。典型的なウェッジトランスデューサは、1つの側面に貼り付けられた圧電振動子を有し、その斜辺は、例えば、ガラスなどの基板と接着したプラスチックのくさびからなる。圧電振動子は、くさび材料の中で、バルク波と結合する。このバルク波は、ガラス中で水平方向に伝搬する波へ、または水平方向に伝搬する波から、入射角が臨界角のとき、すなわち「くさびの角度」のとき屈折して伝搬する。くさびの材料は、バルク波の音速がタッチ基板で要求された波動モードの位相速度より遅いように選ばれる。つまり、くさびの角度のコサイン(cosine)がこれら2つの音速の比に等しいと言うことである。従って、ウェッジトランスデューサは、レーリー(Rayleigh)波やラブ(Love)波、およびラム(Lamb)波などの板波の送信と受信との双方に使用できる。
【0006】
それと対照的に、圧電振動子の直接結合や“エッジ”トランスデューサは、一般的には、基板表面に多くのエネルギーを有する音波が直接励起されるような様式で、タッチパネル基板に直接接着された圧電振動子を提供する。その界面は、所望の音響モードと結合する音響的な作用又は特性と同様に、基板と圧電振動子との接合の機械的な機能にも寄与している。参考までに本願明細書の内容をなす米国特許5,162,618号明細書は、薄い基板の中にラム(Lamb)波を励起するために使われるエッジトランスデューサを図示している。ラーダット(Lardat)の米国特許3,893,047号明細書も参照されたい。エッジトランスデューサは、基板における深さ方向の粒子速度の分布に節のない板波との結合のために、最も自然に使われている。幾らかの仕事が、レーリー(Rayleigh)波と結合するエッジトランスデューサを開発するために、行われている。参考までに本願明細書の内容をなす牛田(Ushida)の特開平8-305481号公報および特開平8-305482号公報を参照。このようなエッジトランスデューサは小型であるが、圧電トランスデューサは無防備なままである。
【0007】
公知の音響的接触位置検出装置の1つのタイプに、基板の第1の端部に沿って並べられた送信器(送信アレイ)を有するタッチパネル又はタッチプレートがある。基板の第2の端部には、第1の送信器(送信アレイ)に対向して対応する検出器(検出アレイ)が位置し、この検出器(検出アレイ)に対して、送信アレイ群は、パネルを通じて方向性をもって伝搬する弾性表面波又は板波を同時に並列に励起する。もう一つのトランスデューサアレイのペアが、最初のトランスデューサアレイに対して直角方向に設けられている。パネルの一点に触れると、タッチする点を通過する波の減衰を生じさせ、それ故、タッチした座標を指示するトランスデューサアレイの二つのペアからの出力を解析する。このタイプの音響タッチ位置検出装置は、本願明細書の内容をなす戸田による米国特許3,673,327号明細書と国際公開番号WO94/02911に示されている。音響波は発散し、一つの送信用トランスデューサから発信する波の一部が、受信用トランスデューサに入射又は侵入するので、送信トランスデューサと受信トランスデューサとの簡単な一対一の組み合わせより詳細なタッチ位置の検出が認められる。これらのシステムは多数のトランスデューサを必要とする。
【0008】
アドラー(Adler)タイプ音響タッチパネルと呼され、図1に示す商業上成功したタッチパネルは、信号を空間的に分配し、位置を示す摂動の時系列的な状況を分析することによって、効率よくトランスデューサを使用している。
【0009】
典型的な矩形のタッチパネルは2セットのトランスデューサを含んでおり、各セットのトランスデューサは、基板により規定される物理的デカルト座標の軸にそれぞれ配列された異なる軸を有している。一つのトランスデューサで励起された音響パルス又はパルス列は、各要素が45°の角度を持ち、かつ音響波パルスの波長の整数倍と一致する間隔を持つ反射要素(反射素子)のアレイを横切る軸に沿って幅の狭いレーリー(Rayleigh)波として伝搬する。各反射要素(反射素子)は、タッチ位置検出に適合した広い基板の領域を横切る前記軸に垂直な伝播路に沿って波動の一部を反射する。一方、次の反射要素のアレイに向かって一部を与えるために、第1のアレイとトランスデューサの鏡像になる位置のアレイとトランスデューサとに向けて反射する。鏡面対象にあるアレイのトランスデューサーは音響波を受けるが、この受信される波は放出されたパルスとは反平行に向いており、両方の反射アレイによって反射された、徐々に反射された波の一部の重ね合わせから成っている。このように、重ね合された波は、その減衰が生じた軸の位置を特徴づける時系列情報を有している。検出可能領域の中の伝搬路は固有の遅延時間を持っており、それ故、タッチ感応領域をタッチされることによって減衰する波の伝搬路は、合成され戻ってくる波の波形の減衰タイミングを決めることにより認識される。
【0010】
第2の一連のアレイとトランスデューサは、第1のアレイとトランスデューサにたいして直角に配置されているが、同様に操作される。トランスデューサの軸が基板の物理的な座標の軸に対応するので、受信波の中の減衰を示す時系列情報は、基板上での接触位置のデカルト座標を示し、二次元デカルト座標上で減衰を起こしている座標の位置を決定する。このシステムは以下のような原理で動作する。表面へのタッチは表面のパワー密度の高い表面波や板波を減衰させる。基板を横切る波の減衰は、受信トランスデューサが受信する波に、特徴的な時間周期に対応した減衰を起こさせる。それ故、コントローラは、軸の座標位置を決定するために、減衰の時系列情報を検出する必要があるだけである。測定は、デカルト座標での位置を検出するために、順に2本の軸に沿って行われる。参考までに本願明細書の内容をなす米国特許4,642,423号, 4644100号, 4645870号, 4600176号, 4746914号および4791416号明細書, 再発行特許Re33,151号明細書を参照。本願明細書の内容をなすアドラー(Adler)の米国特許4642423号明細書は、球の立体角で区切られた範囲によって形成された矩形のタッチパネル表面のための疑似平面化のテクニックについて言及している。
【0011】
図1の中に示したように、システムはバースト形の短時間の超音波の波動信号を、音響波伝達手段11,12によって送信し、音響分散器の役割を果たす反射要素13,14を通して座標入力範囲15の表面全体に送信信号を分散し、さらに指示された座標を検出するために、時間軸に沿って受信信号を分析する音響波圧縮器の役割を果たす反射要素16,17を通して、受信手段18,19によって受信する。
【0012】
タッチパネルの中で、ウェッジタイプのトランスデューサがパネルの表面上で位置する部分は、パネルの表面よりも必然的に高い。図2で示したように、ディスプレイが一般の陰極線管のような曲面パネルから成るとき、ウェッジトランスデューサ23が位置することの出来るスペースは、曲面パネル21と曲面パネル21の周囲を覆っている外枠22との間に存在している。しかしながら、ディスプレイが図3に示したように、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイのようなフラットパネルから成るとき、外枠25に覆われたパネル24の表面の周囲において、パネル24と外枠25との間には隙間が無く、そのため、ウェッジトランスデューサの配置のための空間がない。そのためウェッジトランスデューサが使用されるならば、超音波方式タッチパネルはフラットパネルにうまく適応させることが出来ない。それ故、適用可能なディスプレイと適合可能な外枠構成との種類は、大いに限定される。
【0013】
既知の反射アレイは、ソーダライムガラスの上にスクリーン印刷され、フロート法によって成形され、そして高くなったガラスの断続的な山形パターンを形成するため、オーブンで焼成される、溶融ガラスによって、一般的に作られる。これらの断続形は典型的には波長の1%の高さか深さかを有しており、それ故、音響のエネルギーを部分的に反射する。受信トランスデューサに等化された音響パワーを提供するため、反射要素の間隔は、送信トランスデューサから離れるにつれて短くなっていても良く、また、反射要素における、音響透過率と反射率とのバランスを送信トランスデューサから離れるにつれて反射率を増加させるように変えていっても良い。一般的には、タッチ検出装置はディスプレイ装置の前に置かれ、反射アレイが見えるので、反射アレイは一般的に能動検出エリアの外側である基板の周囲に配置され、外枠の下に隠され、保護されている。
【0014】
更にトランスデューサの数を減らすためには、折り返し音響通過路が用いられても良い。米国特許4,700,176号明細書の図11は、波を分散させ、再結合させるために一つの反射アレイを用い、波の送信と、検出波の受信とを行うために、単独のトランスデューサを使用することを教えている。それため、そのような構成は反射アレイの反対側に反射する構造を使用する。それ故、その音響波は音響波は基板の端面で、もしくは送信側の反射格子の軸に平行な反射器の列で180°反射され、基板を通り、反射アレイで反射され、トランスデューサへ戻る路を引き返す。この場合、トランスデューサは、送信と受信とを行うために、該当する時間周期で、時間分割多重送信を行う。第二のトランスデューサ、反射アレイ及び反射エッジは垂直な軸に沿った接触座標の決定を与えるよう、直角に軸を用意されている。“トリプル送信”システムが、両方の軸から2つの直交した軸で接触を検出するために、感応波を励起し、両方の軸からの波動送信受信を両方行う、一つのトランスデューサを供給する。参照文献に挙げた米国特許5,072,427号明細書, 5,162,618号明細書,及び5,177,327号明細書を参照されたい。現在商業生産を行っている製品の大多数は、レーリー(Rayleigh)波にその基礎をおく。レーリー(Rayleigh)波は、そのパワー密度がタッチ表面に拘束されているという事実により、タッチ表面で有効なパワー密度を保持する。レーリー(Rayleigh)波は波の伝搬軸を含む表面に対して垂直な面内で、楕円状の軌道に沿って動いている基板粒子を介して垂直成分と横の成分とを有し、基板の深さの増加と共に減衰する波動エネルギーを持つ波動である。剪断応力と圧縮応力とは両方ともレーリー(Rayleigh)波と関連する。
【0015】
数学的には、レーリー(Rayleigh)波は半無限媒体にのみ存在する。有限の厚さを持つ実現可能な基板で、結果として生ずる波は、より正確には疑似レーリーと呼んでもよい。ここでは、レーリー波は理論上の存在であり、それ故、それに対して参照された例は疑似レーリー波を示していると理解している。工学的目的には、タッチパネルの設計に利益のある距離の伝搬を支持するためには、レーリー波の波長の3ないし4倍の厚さを持つ基板で十分である。
【0016】
レーリー(Rayleigh)波に加えて、表面上のタッチに敏感な、言い換えれば表面のタッチが音響エネルギーの減衰につながる音響波は、ラム(Lamb)波、ラブ(Love)波、その振動方向が水平方向に偏向している0次の横波(ZOHPS,zero order horizontally polarized shear wave)、そしてその振動方向が水平方向に偏向している高次の横波(HOHPS, high order horizontally polarized shear wave)を含むが、これに制限されるものではない。参考文献によってここで引用されている、米国特許5,591,945号明細書, 米国特許5,329,070号明細書, 米国特許5,260,521号明細書, 米国特許5,234,148号明細書, 米国特許5,177,327号明細書,米国特許5,162,618号明細書, および米国特許5,072,427号明細書を参照。
【0017】
レーリー(Rayleigh)波のように、ラブ(Love)波は表面波であり、言い換えれば、一つの表面によって拘束されたもしくは導かれる波であり、十分な厚さを持つ基板の他の表面によって影響されない。レーリー(Rayleigh)波に比べて、ラブ(Love)波の粒子運動は水平方向である。換言すれば、タッチ表面に対して平行方向であり、伝搬方向に対しては垂直方向である。剪断応力のみがラブ(Love)波と関連している。
【0018】
音響タッチパネルとの関連で興味のある可能な他の音響波の種類が板波である。これは様々な対称性と次数とを持つLamb波と同様に、最も低い次数をもち水平方向に偏向した横波(ZOHPS)と、より高い次数をもち水平方向に偏向した横波(HOHPS)を含む。
【0019】
規則的な間隔、もしくは増加する間隔を持った反射要素は、音響波を含む侵入放射物を回折、散乱させることが出来ることが知られている。これまでで議論してきた、アドラー(Adler)タイプのタッチパネルのデザインは、音響波をあらかじめ決められた角度で、位相を揃えて反射するために反射アレイを使用してる。本願明細書の内容をなす米国特許5,072,427号明細書と5,591,945号明細書によるタッチパネルの設計は、この原理を拡大し、波動モードを変換すると同時に、表面上のあらかじめ決められた角度に、位相を揃えて音響波を反射する反射アレイを与えてくれる。このように、回折格子を用いた音響波の相互作用は、様々な波動モードの間で波動エネルギーを変換することが知られている。
【0020】
音響波によって感知された接触物は、表面に対して直接的に、またはカバーシートを通して間接的に圧力を加える指や針を含んでもよい。例えば、ここで引用する参照文献米国特許5,451,723号明細書を見られたい。そこでは横波モード音響センサーシステムとエッジトランスデューサとを使用している。レーリー(Rayleigh)波音響タッチセンサーでしばしば使われるウェッジトランスデューサの使用は、カバーシートとウェッジトランスデューサの間の機械的な抵触によって、前面へのカバーシートの取り付けを困難にしている。LCDタッチモニターの設計にとって、ウェッジトランスデューサの使用は、機械的な設計を複雑にし、オプションを制限するかもしれない。
【0021】
ウェッジトランスデューサからのそのような機械的抵触について扱う一つのアプローチが、本願明細書の内容をなす1996年3月4日に出願された米国特許出願番号 08/610,260に記述されている。ここで開示されているように、ウェッジトランスデューサは、タッチ領域に隣接した前面斜部に取り付けられてもよい。この方法は、タッチパネル基板の前面の高さよりもウェッジトランスデューサを低くできるが、音響損失を招く。液晶ディスプレイ(LCD)設計での必要とされていることとは反対に、そのようなデザインは、典型的にふち幅を加える。
【0022】
ここでの参考文献「弾性表面波用グレーティングカプラの動作解析」:竹内正男、清水洋、日本音響学会誌第36巻11号、543-557,(昭和55年6月24日受理)、はグレーティングトランスデューサとそれらの作用の理論的な骨子とを明らかにしている。東北大学の竹内正男と清水洋との出版された研究論文「周期構造導波路を用いた板波の進行波励振」(1991)も見られたい。また、J. MelngailisとR. C. Williamsonによる"Interaction of Surface Waves and Bulk waves in Grating: Phase shifts and Sharp Surface Waves/Reflected Bulk Wave Resonances", Proc. 1978 IEEE Ultrasonics Symposium, p.623、やHerman A. Haus, Annalisa Lattes およびJohn Melngailisによる"Grating Coupling between Sueface Acoustic Waves and Plate Modes", IEEE Transactions on Sonics and Ultrasonics, p. 258(September, 1980) もまた見られたい。
【0023】
ウェッジトランスデューサでは、圧電トランスデューサからの、例えばRayleigh波と結合しない、未変換バルク波はタッチパネル基板に入らず、ウェッジ材料の中に放散する。対照的に、表面におけるグレーティングの配列において、グレーティングで例えばRayleigh波に変換されなかった、圧電振動子からのバルク波は、基板材料それ自身の中で伝搬する寄生バルク波や板波の形態をとる。
【0024】
竹内等が1980に明らかにしたように、入射バルク波のエネルギーからRayleigh波エネルギーへの変換効率の、理論上の上限は81%であり、バルク波エネルギーの内、最小でも19%は寄生バルク波の形で残っている。この効率でさえ、実際に到達するのは難しい。1980年の竹内等の論文での配分係数Fの検討を見られたい。グレーティングトランスデューサは、それ故、ウェッジトランスデューサに比べて、寄生バルク波の強力な生成という重大な欠点を持つことは明白である。非破壊検査のような、典型的な超音波トランスデューサの応用にとっては、そのような寄生バルク波の強力な生成はしばしば受け入れることが出来ない。タッチパネルの中でさえ、要求される波に対して、基板表面と平行に伝搬する、重大な寄生波励起の予想は問題であると考えられる。同様の考察が、寄生波に対するグレーティングトランスデューサの受信波モードの感度に適用される。
【0025】
要求されない寄生波は少なくともいくつかの音響タッチパネルデザインにとって問題になりうることが知られている。例えば、参考文献の中に特に掲げた米国特許5,260,521号明細書の図13,14,および17、及びそれに関連した文章を参照されたい。商業用タッチパネルコントローラのタッチ認識アルゴリズムは、要求された信号が寄生的な信号の干渉から自由であることを要求する。R. F. Humphryes とE. A. Ashによる論文"Acoustic Bulk-Surface-wave transducer,"; Electonics Letters( Vol.5 No.9) May 1, 1969,は一方向性トランスデューサを構成する手段として、非対称のグレーティングの歯を用いるグレーティングトランスデューサに関する検討を含んでいる。この参照文献もまた、表面間のRayleigh波の遷移のための手段として、対抗する基板表面の上の一対のグレーティングについて考察している。
【0026】
参考文献の中に特に掲げた、米国特許5,400,788号明細書の図12,13,および14は、グレーティングがレーリー波とバルク波とを結合させるために使われる際のトランスデューサの配列を開示している。圧電基板上の交差指電極トランスデューサは、音響波導波路(それは光ファイバーともなる)の中へ、結合した縦波へとグレーティングを介して変換されたレーリー波を励起する。その交差指電極とグレーティングとは円弧の区画を形成している。
【0027】
本願明細書の内容をなす米国特許5,673041号明細書"Reflective mode ultrasonic touch sensitive swith"はパネル基板の厚さモード共振を利用する超音波タッチセンサーを開示している。例えばポリビニリデンフルオライド(PVDF)で形成された、透明圧電振動子の配列は、基板(例えばガラス)の裏面に接着される。基板の厚み共振と結合する圧電振動子の特性インピーダンスは電気的にモニターされる。指のタッチが音響エネルギーを吸収し、厚み共振を減少させ、それ故に共振システムのQ値(品質係数)を変える。そして厚み共振と結合した圧電振動子の特性インピーダンスを変える。この構成は、既知の吸収対象物による音響波の減衰を用いており、散乱構造やグレーティングを使用していない。
【0028】
【発明の構成】
本発明は、音響波タッチスクリーンのためのトランスデューサシステム(a transducer system)を提供するものであり、前記音響波タッチスクリーンでは、音響放出素子(例えば圧電振動子など)が媒体(又は基板)中にバルク波を生成し、例えば、表面波又は表面弾性波[レーリー(Rayleigh)波,ラブ(Love)波など],板波[HOHPS(high order horizontally polarized shear)波などのSH(shear horizontal)波,ラム(Lamb)波など]などの有用な波を生成するためのグレーティング構造(a grating structure)と相互作用を行う。従って、圧電振動子と結合しているバルク波は、グレーティング構造と相互作用し、基板の一つ又はそれ以上の表面によって束縛されており、少なくとも一つの表面に多くのエネルギーを有する波動モード(波モード)へと変換される。これらの一般的な原理を使用することで、様々なタッチパネル構成が可能である。代表的には、バルク波モードそれ自身は、タッチパネルでの使用には不適当であり、より有効な波動モードに変換しなければならない。
【0029】
本発明によれば、バルク波は、表面近傍範囲に対して、ゼロ「0」でない角度で伝搬する表面でグレーティングと相互作用する。必要により、グレーティングは、表面のグレーティング構造に加えて、又はグレーティング構造に代えて、基板の内部に重要な成分を有していてもよい。グレーティング自体は音響波モードを結合可能な少なくとも一つの散乱中心で構成でき、実際的には、効率的な波動モードの変換は、線形、円弧、ドット、又は他の形態であってもよい一連の周期的な摂動とともに生じる。例えば、入射音響ビームの幅を超えて拡げて配置された線形のグレーティングは、一次元の散乱素子(散乱エレメント)であり、典型的に、軸に沿ってわずかに発散する散乱音響波を生産するであろう。音響波の一部と相互作用する素子は、例えば、点散乱中心や短い線形要素(素子)であり、異なる波のモード或いは伝搬軸を潜在的に有する、多数の異なる音響波モードへと散乱してもよい。湾曲、又は湾曲軸に沿って配列した素子(要素)は、他の点では同様の特徴を有する線形の格子と比較して、音響波を一点に集めるか、発散させるような音響レンズとして機能してもよい。
【0030】
本発明の発明者は、縦波(longitudinal waves or compression waves)及び/又は横波(transversal waves or shear waves)であってもよいバルク波が基板を通じて前記基板の表面上の周期的な摂動構造に向かって伝搬されるとき、バルク波は周期的摂動手段により表面波(surface bound waves)又は板波(plate waves)に変換されることを見いだした。表面波や板波は、例えば、パネルの画像表示範囲に対応するパネルの接触感応領域において、高い精度でタッチ位置(接触位置又は入力位置)を検出するために使用できる。そのため、ウェッジトランスデューサの必要性を軽減する。代表的な態様では、前記波は、厚み振動モード(a compression mode)音響波トランスデューサによって基板(又は伝播媒体)の一表面上で励起又は発生される。それは、グレーティング又は一連の散乱要素(素子)に向けられた、基板中のバルク波を生成する。驚くべきことに、グレーティングトランスデューサ(grating transducers)自身が、基板中の寄生バルク波と重要な結合を行う一方、発明者は、グレーティングトランスデューサを取り付けた完全なタッチパネルにおいてかなりの処理が可能となる寄生信号効果を見いだした。
【0031】
本発明の他の観点は、ポリマー基板に適しており、レーリー(Rayleigh)波トランスデューサを含む音響トランスデューサシステムを提供する。米国特許5,162,618号明細書(第5欄の42行〜44行)は、横波(板波,shear plate waves)を用いるタッチパネル用プラスチック基板について言及しているが、レーリー(Rayleigh)波をプラスチック基板中で生成させる方法に関しては教示していない。圧電振動子の反対側のウェッジトランスデューサのくさび角度は、下記式で表される。
【0032】
cos(θ)=Vp(ウェッジ)/VR(基板)
所定の材料について、レーリーRayleigh波速度VRは、典型的には、縦波速度Vpの約半分である。ウェッジトランスデューサの設計を可能とするため、換言すれば、cos(θ)を1より小さくするため、くさび材料(wedge material)中の縦波(pressure wave)速度が、基板材料における縦波速度の約半分以下でなければならない。仮に、基板材料(例えばガラス)が比較的速い音速を有し、そして、くさび材料(例えばアクリル材料)が比較的遅い音速を有するならば、それは可能である。しかし、仮に、基板がポリマー材料であり、そのため、相対的に遅い音速を有するならば、要求されるより遅い音速を有する材料を見いだすことは困難である。実際にポリマー基板にレーリー(Rayleigh)波が励起され、また受信される設計のポリマータッチパネルを作成するためには、ウェッジトランスデューサを代替又は変更する必要がある。従って、本発明は、波動モードを変換するための代わりの回折原理を使用することで、ウェッジ材料の屈折特性についての検討を不要とする。
【0033】
本発明によれば、グレーティングは、好ましくは、複数の散乱中心による位相を揃えた散乱を利用する。そのため、グレーティングは、バルク波と所望の波とを結合させる所望のブラック回折に対応する、少なくとも一つの重要なフーリエ成分を有するアレイであってもよい。この場合、バルク波の波数ベクトルの水平成分が板波又は表面波の波数ベクトルと結合する。グレーティングは、基板の表面に対して斜め方向の角度で入射又は侵入するバルク波についての表面構造として提供してもよい。グレーティングは、基板又は非平面基板中に埋めてもよい。グレーティングトランスデューサの作用の基本原理は、グレーティング構造の非対称性が、方向性を導くものであったとしても、グレーティング構造の細部からは大きく独立している。グレーティングは、溝、隆起、配置(堆積又は沈着)された材料、充填された溝、埋設構造(基板表面下に位置する音響反射要素)などとして現れる要素又は素子(エレメント)で構成してもよく、素子は、矩形、正弦波、鋸波及び他の対称又は非対称な構造を含む種々の形状(プロファイル)を有している。実際に、ポリマー基板のための成形グレーティングトランスデューサにとって、正弦波グレーティングの滑かな端(平滑なエッジ)が好ましい。たとえ、グレーティングが高調波に対して異なる特性を有していたとしても、前記要素又は素子(エレメント)の対称性と間隔とによって、グレーティング要素(素子)の機能は基本的な周波数と本質的に同じであろうことに留意すべきである。
【0034】
本発明の目的にとって、グレーティングは、媒体の音響特性が、2次元の波数ベクトル空間における1又は複数の点で意味のあるフーリエ変換をもつ散乱中心の分布(寄与)を生産するために、そのような様式で変調されてきた場合のセンサーのサブシステムの領域と見なされてもよい。複数の受け入れ角度を有するグレーティングは、2次元の波数ベクトル空間において、2又はそれ以上の点のための、意味のある2次元フーリエ変換強度を有している。グレーティングは、例えば、グレーティング材料を選択的に積層又は析出することにより形成された平面グレーティング又はバルク波回折構造であってもよい。
【0035】
多数の方向と結合することにより、幾分かの効率は失われるであろう、そしてより多くの注意が寄生信号を避けるのに必要とされるかもしれない。しかし、設計にあたって、減少させた部品の数や小型化したこと、機械的な簡素化がある条件下では有利であるかもしれない。例えば、単独又は単一受信トランスデューサがX及びYの両方の信号を受信してもよい。
【0036】
いくつか場合、細長い材料(ストリップ)の上に、反射アレイやグレーティングを作製し、基板の台の上に接着することが、製造目的のために便利であるかもしれない。米国特許4,746,914号明細書の9欄を参照。従って、接着構造は製造の利便性やパッケージの配列(形態)のために使われてもよい。
【0037】
音響トランスデューサの部分を形成する音響送信構造又は受信構造は、代表的には圧電振動子であるが、それに制限されない。トランスデューサは一つの形態から他の形態へエネルギーを変換する構造であり、二方向性であってもよい。例えば、トランスデューサのうち、電気音響トランスデューサ、光音響トランスデューサ、磁気音響トランスデューサ、音響−音響トランスデューサ(ひとつの音響モードと他の音響モードとの間でエネルギーを変換する)、熱音響トランスデューサなどが利用可能である。
【0038】
圧電振動子は、代表的には、その間に圧電感応材料を挟んでいる電極としての機能を有する導電体(導電部)を備えた薄い矩形平板の形態である。振動電圧信号を電極に印加すると、圧電体内部にその結果生ずる電界が、圧電効果を介して、圧電材料の性質、電極の配列、及び機械的な限界又は結合に応じて、素子を振動させる。逆に、素子が機械的な振動を受けると振動電圧が電極に生じる。
【0039】
圧電振動子の機械的な振動のモードに関するいくつかのオプションが存在する。一般的な選択は、素子の厚み方向の次元に対する、圧縮−伸張振動である。そのような素子は、縦波又は意味のある厚み方向の成分を持つ音響モードと結合する。その他の選択(オプション)は、電極支持面が反対面に対して反平行に動く最低次の横波(a lowest-order shear oscillation)である。そのような素子は、横波(bulk shear waves)と滑り成分を有する他の音響モードとを結合させる。滑り運動の方向は、電極の面内のいかなる方向にも設計することが出来る。より複雑なオプションもまた可能である。本発明の一つの観点によれば、基板内を伝搬する様々な一連の感応波は、適当なモード検出トランスデューサとの選択的な結合によって、それらの伝搬モードに従って識別又は区別できる。
【0040】
圧電振動子は、典型的には、所望の振動モードについて、使用周波数で共振周波数とするよう設計される。最低次の厚み振動の場合は、圧電トランスデューサが半波長の厚さを有しているので、共振周波数は、圧電振動子の厚みの二倍で、(圧電材料の)縦波音速を割った値である。同様に、最低次の横波モード圧電振動子は、横波の波長の半分の厚さである。タッチスクリーン(又はタッチパネル)に使われるとき、圧電振動子は、基板中の音響波との結合によって、減衰を有する機械的発振子となる。
【0041】
本発明の一つの態様では、圧電振動子は、直列に配列し、個別に駆動される帯電極(band electrodes)を有する。ガラスの厚さ方向に沿って配列した一連の電極と、基板、例えばガラス平板の端とを結合させたとき、フェーズアレイトランスデューサが形成される。最も簡単な構成においては、電極の間隔は、所望するバルク波の波長の1.5倍を要求された伝搬角の余弦(cosine)によって割った値である。そして、その電極は並列接続になるように交互に配列し、それ故、基板の斜め上方向と斜め下方向と両方に音響波を生成する、モード選択2電極トランスデューサを形成している。より一般的には、フェーズアレイ(整相配列)したそれぞれの電極は、別々に励起と回折とを行ない、そのトランスデューサは相互電極の間隔の二倍よりも長い波長を有する波との結合を許容し、そのことは方向の選択性を許容する。
【0042】
送信トランスデューサは、所望する周波数で、コントローラからサイン波もしくは疑似サイン波の音響バースト信号の形で励起する。このバーストは、典型的には、公称操作周波数(nominal operating frequency)で最大値を取るパワースペクトルを有している。通常、センサーはある特定の周波数、もしくは一連の周波数で使用されるように調整されており、それ故このパラメータは予め決定される。参考までに本願明細書の内容をなす米国特許4,644,100号明細書, 再発行特許Re. 33,151号明細書, および4,700,176号明細書を参照。
【0043】
グレーティングトランスデューサの基礎的な概念は、次の通りである。圧電振動子は基板に直接接着され、基板の中でバルク波と結合する。それらのバルク波は、グレーティングを介して、タッチパネル操作のための所望の音響モードと結合する。前記所望する音響モードはレーリー(Rayleigh)波であってもよい。
【0044】
ウェッジトランスデューサと対比して、グレーティングトランスデューサは、くさびを必要とせず、そのため、機械的なプロファイル(機械的構造又は形状)を低減又は簡素化できる。このことは、LCD(液晶表示)タッチモニターにとって特に重要である。
【0045】
グレーティングトランスデューサは、基板表面上でのウェッジトランスデューサ・サブアッセンブリーの正確な角度調節又は配列の必要性を除去するので、特に有利である。グレーティングトランスデューサにおいては、グレーティングの角度調節又は配列は同様の許容差(tolerances)を有する。しかし、そのような許容差は通常の印刷プロセスによって簡単に合致させることが可能である。許容差は、基板表面における圧電振動子の配置と比べて、非常にルーズである。
【0046】
図4のグレーティング5a′,5b′,8a,8bは、y軸に対して傾いていても平行でもよく、また湾曲線の形をした要素や断続的な要素でもよい。それらのグレーティングは、基板の局部的な表面によって規定された水平(x−y)面での二次元ブラッグ(Bragg)散乱条件を介して、バルク波と表面波又は板波とを結合させる。κが表面波又は板波の波数ベクトルを示している。これは、図4で定義されたX−Y平面でのベクトルであり、その方向が音響波の伝搬方向であり、その長さは2π/λである(λは表面波又は板波の波長である)。κB はバルク波の波数ベクトルを示し、(κB)1 は、バルク波の波数ベクトルの水平面への射影、換言すればx成分とy成分とを示している。θB はκと(κB)1 との間の角度として定義され、θBTはバルク波から表面波又は板波へと変換されるときの角度であり、θBRは表面波又は板波からバルク波モードへと変換される時の角度である。これらは結合したバルク波モードが異なっており、それ故、それぞれの散乱角度が異なるかもしれないことを明示するために、異なる表記法で示される。κg はグレーティングの重要な二次元フーリエ成分である。その二次元ブラッグ(Bragg)散乱条件は下記式が満たされるかどうかで決定される。
±κg =κ−(κB)1
この原理的な2次元ブラッグ(Bragg)散乱条件には多くの特殊な場合が存在する。いくつかの例を以下に示す。
【0047】
κと(κB)1 とが平行、換言すれば、θE=0°であり、グレーティングが間隔pを有するκに対して垂直方向の線形格子要素(グレーティング素子)の周期的構造をとっている場合、以上の関係は次に示すスカラーの条件を導く(ここで、nは整数である)。
2πn/p=κ−κB sinθB
更に、もし所望する表面波又は板波が、波長λRのレーリー(Rayleigh)波であるならば(そのバルク波波長がλBであるならば)、この関係は、さらに下記式へ導く。
θB=Arcsin(λB/λR+nλB/p) (n=…,-3,-2,-1,0,1,2,3,…) (1a)
式(1a)の内角θBは、通常、−π/2<θ<π/2、好ましくは−3π/8<θ<3π/8、更に好ましくは−π/4<θ<π/4の範囲から選択できる。
【0048】
タッチを検出するために用いられる波は、基板の表面上へのタッチにより検出可能な摂動を生じるいかなる音響波であってもよい。多くのオプションが表面波又は板波のモードの選択のために存在する。レーリー(Rayleigh)波は優れたタッチ感度を有し、任意の大きさと厚さを有する基板でさえ、本質的に、タッチ表面近傍の薄い範囲に限定されている。水平方向にその振動方向を有する横波(horizontally polarized shear waves)は、水やシリコンゴムシールなどの液体やゲル状汚染物質と弱く結合するという利点を備えている。不均一基板は、他のタイプの波の伝搬を支持することに加えて、水平方向に偏向した横波(horizontally polarized shear waves)の伝搬の支持に特に適しており、前記横波は非対称な補表面パワー密度を有し、レーリー(Rayleigh)波のようにタッチ表面近傍に束縛されている、水平に振動方向を有する横波であるラブ(Love)波を含む。十分に薄い基板におけるラム(Lamb)波は音響波モードの選択のためのその他のオプションを提供する。様々な技術上のトレードオフが、所定の応用のための音響モードの最適な選択の中に含まれる。
【0049】
これに関連して、ラブ(Love)波は、より速い位相速度を有する下部基板と、界面で連結したより遅い位相速度を有する上部基板によって支持してもよい。同様のタイプの波は、一般的には非対称性水平方向偏向横波として分類されているが、もっと複雑な状態となっている垂直方向での位相速度の分布によって支持されていてもよい。音響吸収層の上に、音速の速い層を設置し、その上に音速の遅い層を配置するサンドウィッチ構造がラブ(Love)波を支持してもよく、また同時に寄生板波の除去を行ってもよい。従って、基板は、異なる音響伝搬特性を有する層及び/又は音響的な界面で構成してもよい。
【0050】
基板は、矩形,または6角形状の板などの非矩形のフラットな平面として形成してもよい。一方、基板は、円筒形、球形、そして楕円球形の表面又は断面として、1つ又は両方の軸に沿って湾曲してもよく、他の形状を有していてもよい。大きな立体角の球形や複雑な円筒形基板は可能である。例えば、多角形のタッチセンサーは、それぞれの辺に反射アレイを、それぞれの頂点にトランスデューサを備えていてもよい。本発明は、標準の矩形のセンサー外形に限定されるものではない。
【0051】
この応用の目的のために、基板は単独の一体構造である必要はなく、むしろ均一構造であれ不均一構造であれ、一連の要素と音響的に結合する必要があることに留意されたい。送信トランスデューサから受信トランスデューサへの音波の進路は、製作過程の部品と一緒に接着された基板の範囲を通って、任意に通過してもよい。
【0052】
本願明細書の内容をなす、1996年8月12日に出願され、現在審査中の米国特許出願番号08/615,716に記載の概念によれば、パネルの低い湾曲は要求されておらず、実際、本発明のグレーティングトランスデューサは、大ざっぱには非平面を含む、多数の異なる音響タッチ入力を検出する形状に適用できることに留意されたい。米国特許出願番号08/615,716もまた、複数の又は重複した感応波の使用と分析(解析)とを包含している。
【0053】
大型基板は、例えば大型のホワイトボード用途にも使用でき、基板は大きな領域全体にわたって接触感知性である。アドラー(Adler)タイプの音響センサーは電子白板としての使用について考察されてきた。セイコーエプソンのヨーロッパ特許94118257.7の図10及びそれに関連する文章を参照。ホワイトボードへの応用では、基板は透明である必要はなく、それ故、アルミニウムなどの不透明な材料で形成してもよい。好都合なことに、アルミニウムや他のいくつかの金属は、相対的に遅い音響位相伝搬速度を有するエナメルでコートしてもよく、そのため、前面に(水平方向に振動方向を持つ横波に比べて)高いタッチ感度を有するラブ(Love)波を支持可能である。
【0054】
基板を形成するために適切なガラスは、ソーダライムガラス、例えばホウケイ酸ガラスなどのホウ素含有ガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、鉛含有ガラス、およびクラウンガラスを含む。例えば、津村およびケント(Kent)との米国特許出願番号 08/904,670を参照。受け入れ可能な音響損失を有する他の材料もまた使用してもよく、アルミニウムや鋼鉄に限定されているわけではない。ある条件下、適切な基板は、ポリマー、例えば、ダウケミカル(Dow Chemical)社の低音響損失ポリマースチロン(Styron)R で形成されてもよい。適切な基板は、例えば積層構造のような不均一な音響特性を有する基板(積層体)から形成してもよい。積層板(積層体)は、好都合なことに、例えば、ホウケイ酸ガラス又はショット(Schott)社の「B270」とソーダライムガラスとの積層構造、アルミニウムの上のエナメルなどのように、前表面に集中している音響エネルギー密度を有するラブ(Love)波の伝搬を支持してもよい。
【0055】
このように、本発明における1つのタッチタイプ座標入力装置は、音響波(表面波又は板波)が伝搬可能な表面を有する伝搬媒体(例えば、基板,パネル)と、伝播媒体の前記表面に対する交差方向にバルク波を伝播させるためのバルク波生成手段と、このバルク波生成手段からのバルク波を音響波に変換し、前記伝播媒体の表面を伝播させるための音響波生成手段と、この音響波生成手段からの音響波の表面での散乱を検出するための検出手段とを備えている。バルク波生成手段は、伝播媒体の表面に対してバルク波を斜め方向又は垂直方向に伝播させることができる。
【0056】
伝播媒体は弾性表面波が伝播可能な表面を有しており、伝播媒体の低部又は側面側から伝搬媒体の表面に対して斜め方向又は垂直方向にバルク波を伝搬し、周期的な摂動手段により表面波又は板波を生成させるための送信手段と、周期的な摂動の手段によって表面波や板波をバルク波に変換し、伝搬媒体の底部又は側面部に向けて斜め方向又は垂直方向へバルク波を伝搬させ、伝搬したバルク波を受信するための受信手段とを備えていてもよい。送信手段は、バルク波生成手段と、バルク波を変換して音響波(弾性表面波など)を生成させるための音響波生成手段とで構成でき、受信手段は、音響波を変換してバルク波を生成させるための手段で構成できる。
【0057】
さらに、伝搬媒体の表面上に形成された接触可能な画像表示領域と、画像表示領域の周囲に互い反対側となる両サイド部に形成され、両サイド部のうち一方から画像表示領域全体に亘って送信手段からの表面波又は板波を伝搬させ、他方のサイド部に伝搬する表面波や板波を焦点に集め又は収束させるため反射手段を備えていてもよい。
【0058】
本発明のいくつかの態様において、伝搬媒体は、フラットパネル又は低曲率パネルを構成してもよい。さらに、送信手段は、伝搬媒体の底部又は側面部(例えば、伝搬媒体の第1のコーナー部の低部)に配設され、電気信号に応じて伝搬媒体の表面に斜め方向又は垂直方向にバルク波を伝搬するための第1の圧電手段と、第1の圧電手段からのバルク波を伝搬媒体の表面で表面波に変換するための第1のグレーティング(格子)手段とで構成してもよく、受信手段は、伝搬媒体の表面で表面波からバルク波に変換し、伝搬媒体の第2のコーナー部の低部又は側面側に向かって斜め方向又は垂直方向にバルク波を伝搬させるための第2のグレーティング(格子)手段と、第2のコーナー部の低部又は側面側で、第2のグレーティング(格子)手段による変換に応じて得られたバルク波を受信し、電気信号を生成させるための第2の圧電手段とで構成してもよい。
【0059】
本発明の一つの態様は、アドラー(Adler)タイプのタッチパネルシステムを提供し、このシステムは、基板中の感応波又は感知波(the sensing wave)と圧電振動子とを結合させるためのグレーティングトランスデューサを使用する。そのタッチパネルは、側面から超音波表面波または超音波板波が伝搬可能な、左右対称の画像表示領域を有するパネルから構成される座標入力システムを提供する。典型的な4つのトランスデューサシステムのなかで、2対のトランスデューサはそれぞれX軸とY軸に設けられている。それぞれのトランスデューサに対して、パネルのコーナー部に傾斜面が形成され、この傾斜面に圧電トランスデューサが配設されている。圧電振動子は、画像表示領域の周囲のうちグレーティングトランスデューサが配置された送信領域に対して斜め方向に傾いた軸に沿って伝搬するバルク波と結合する。そのグレーティング(格子)は、表面波又は板波とバルク波とを結合させ、バルクトランスデューサを表面波又は板波と相互作用させる。これらの表面波や板波は、パネルの周辺の端部近くに形成された反射アレイ(反射格子reflecting grating)上の軸に沿って進行する。反射アレイの要素(素子)は、それぞれ、パネルを横切って進行する感応波と表面波又は板波のうちの一部分とを結合させ、隣接する要素(素子)に一部分を伝達し、タッチ検出領域全体からの分散された感応波を、トランスデューサと結合する狭幅音響ビームと結合させる。そのため、それぞれのトランスデューサが、対称的に、音響波の送信と受信との両方行ってもよい。前記2対は、座標構成を決定するために、直角に配置されている。グレーティング(格子)は音響ビームの拡がりを補償するために、収束機能(フォーカシング機能)を備えていてもよいことに留意されたい。
【0060】
音波の通過路(伝搬路)は、送信アレイと受信アレイとの散乱の間で反射境界(reflective boundary)に遭遇してもよい。その反射境界は、散乱中心の重なりから位相を揃えて散乱することを利用してもよい。そして、もしそうなら、反射境界は音波の通過路の扇形の部分をたどっている反射アレイに関する同様の原理を利用して設計することができる。しかし、反射境界にとって、より強く散乱する反射要素を使用することが有利であるかもしれない点に留意されたい。
【0061】
本発明によれば、これらの反射境界は、同じ面内で、モード変化の有無に関わらず、波の反射に対応する有用であり重要なフーリエ成分を有していてもよく、波(例えば表面の面内を進行する波)から表面に対して斜めの角度で方向付けられたバルク波へのモード変換に対応していてもよいことが理解される。
【0062】
時には、元々の信号からの変化を生じる望ましくない寄生的な音波の進路(伝搬路)の生成を極小化するため、アレイデザインには技術的な注意が要求されるかもしれない。グレーティングトランスデューサを使用するとき、これらの寄生的な進路は3次元の中で考察されなければならない。
【0063】
本発明者らは、圧電トランスデューサの軸に沿った重要な寄生音響波の生成にも拘らず、実行可能な形態が得られることを見いだした。アドラー(Adler)タイプのタッチスクリーン(又はタッチパネル)において、音響波は音響反射アレイと相互作用を行う。反射アレイは、波長および伝搬の角度の双方の狭帯域バンドフィルタとして機能する。そのため、反射アレイは高い指向性を有しており、トランスデューサの指向性とともに、システムの受け入れ角度を限定するのに役立つ。それ故、寄生バルク波が相対的に低いエネルギーを有するシステムの中で、迷走波動エネルギーはまれに受信信号のかなりの干渉を引き起こす。寄生波の直達路(又は直進路)は、利用されないか、又は有用な時間枠の外であると推測され、時間枠の内部にある反射された寄生波は減衰し、寄生バルク波を阻止するために大きな努力を払う必要はない。干渉を起こす寄生波の進路が問題であることを証明する過程の中で、代表的にはタッチセンサーの形状(外形)の若干の変更により、問題を除去できる。
【0064】
寄生バルク波が高い強度で存在している場合には、寄生波を減少させる設計に関する考察は重要であるかもしれない。波動モードを相互に変換するグレーティングを使用する際には、バルク波からの入射波動エネルギーのうち最大で81%が、特に所望する音響波モードへと変換される。従って、少なくとも19%が寄生バルク波エネルギーとして反射又は散乱され、しばしば所望の波と平行に進行する。本発明によれば、所望の波は、反射又は散乱された寄生波とは異なる軸に沿って選択的に散乱させてもよく、及び/又はそのシステムは、1又はそれ以上の、反射アレイやモード選択フィルタなどの機械的なフィルタや、時間で区切るシステムなどの電気的なフィルタを、寄生バルク波の干渉を減少させるように備えていてもよい。寄生波の効果を低減させるもう一つの特に有利な技術は、横波モード圧電振動子を使用することであり、この圧電振動子は、所望の表面波やバルク波に対して適当な鋭角で横波モードバルク波を生成する。この態様は少なくとも2つの利点を提供する。第一に、反射された波エネルギーが所望の波動モードに対して逆方向(逆平行方向)に伝搬し、そのため、その進路(伝搬路)に沿った表面に適用された吸収剤によって、その反射波がより容易に減衰されることである。第二に、効率的な波動の変換を意味する、竹内ら(1980)による配分係数“F”を1と等しくするように、所望の表面波や板波だけとそのような横波モードバルク波が結合することである。
【0065】
タッチスクリーン(又はタッチパネル)は、典型的には、多くの機能を持つコントローラシステムと関連している。先ず、電気信号が生成し、その信号は、音響波を生成するトランスデューサを励起し、前記音響波はその後に続けて一連の波を形成する。トランスデューサは一連の波を受け取り(受信し)、それらを電気信号に変換する。低いレベルの制御システムにおいて、比較的高いデータ信号速度を有する意味のある信号を保持している電気信号が受信される。多くの態様において、受信信号に含まれた位相情報を捕らえることは必要ではない。しかし、いくつかの場合、そのようにすることは有利かもしれない。低いレベルの制御手段と構造的にしばしば組合わされる中間レベルの制御システムは、摂動を認識又は特定し特徴づけようと、受信されたデータを処理する。例えば、第一の態様の中で、中間レベルの制御手段が信号を濾過し、ベースライン補正を実行し、信号としきい値(スレッシーホールド)との関係を決定し、短すぎる又は長すぎる音響遅延時間を有する寄生音響波の通路を示す信号を除去するため、信号をゲートで制御する。高いレベルの制御手段は信号の摂動を分析又は解析し、タッチ位置を検出する。従って、制御システムは、全体として、音響波を励起する機能、摂動としてタッチ情報を生み出す音響波の一部を受信する機能、タッチ(例えば位置)の特徴を抽出するため受信部を解析する機能を有している。
【0066】
本発明の範囲は、1又はそれ以上のセンササブシステムがポジティブな信号形態である構成を含む。「ポジティブな信号(positive-signal)」とは、タッチにより、音波の通過を完全にするために要求されたモード変換を誘発するための、又はタッチにより、元の波(生成波)から位相がシフトした波動を生成するための所望の音波の通過路(伝播路)の使用を意味する。それ故、信号の摂動は、小さい又は0であった従前の信号強度について、遅延時間で、信号強度を生成することである。共同出願中である米国特許出願番号08/615,716(1996年8月12日出願)を参照。
【0067】
励起機能又は関数は、連続したパルスであってもよく形作られた所定形状のパルスであってもよく、所定形状のパルスは、所定のパターンで放出され、周波数分布のうち名目上の操作周波数でかなりのパワースペクトル密度を有している。このパルスは限られた持続時間を有するため、それは有限のバンド幅を有する。例えば、エロタッチシステムズ(Elo TouchSystems)は、波数が6〜42波の範囲の持続時間を有する5.53MHzのトーンバースト信号を励起可能であり、有限の励起持続時間によって、反射アレイのバンド幅に比較して広い周波数帯の励起を生じるコントローラを製造している。この電子パルス列は、通常、信号を送信する圧電振動子を駆動する。励起されたバースト全てをコントロールするのに高い柔軟性が望まれる場合には、アナログデバイセズ(Analog Devices)AD9850などの直接のデジタルシンセサイザーが使用できる。
【0068】
本発明によるシステムは、寄生信号からのかなりの干渉無しで構成される一方で、いくつかの構造は、限られた時間持続する寄生信号が所望する信号と干渉するのを許容する。それらの場合、異なる寄生信号の感度を有する、1又はそれ以上の部分的に重複したセンサのサブシステムを備えていることは有利である。そのため、1つのトランスデューササブシステムからの信号又はその一部が、使用不可能となる場合、その他のトランスデューササブシステムは、にもかかわらずタッチ位置の決定を与えるように処理してもよい。発明のこの態様によれば、音響信号の摂動が、寄生的な又は潜在的に寄生的な信号に対して異なる感度を有する、3又はそれ以上の音響波トランスデューササブシステムにより感知してもよい。それに加えて寄生信号が干渉しない場合、追加情報は、アンチシャドウイングアルゴリズム処理や多重タッチ検出を含む、さらなる情報や機能を与えるために使用できる。
【0069】
【発明の目的】
従って、本発明の目的は、音響的タッチ検出装置、および基板(又は伝播媒体)の使用方法を提供することにあり、基板は表面を有するとともに、基板中のバルク波を変換し、表面と交差する軸に沿って基板を通して伝搬するための音響波トランスデューサと有しており、前記バルク波のエネルギーは、表面に多くのエネルギーを有する変換された波動モードを有し、かつ表面に沿って伝搬する波と結合する。変換された波のモードの摂動(perturbation)は検出される。音響波モード結合器(acoustic wave mode coupler)は、例えば、音響回折要素(素子)又は一連の音響回折要素である。具体的に、システムは、変換された波のエネルギーの摂動を検出する手段を含むであろう。
【0070】
本発明の他の目的は、表面に沿って音響波を伝搬可能な表面を有する伝搬媒体と、伝搬媒体中にバルク波を生成するための放出素子(又は放射手段)と、バルク波から音響波を生成するための第1のモード変換器(mode converter)と、第1のモード変換器からの音響波を受信し、対応するバルク波を生成するための第2のモード変換器と、第2のモード変換器からのバルク波を受信するための受信素子とで構成され、少なくとも1つのモード変換器が、一連の少なくとも1つの音波散乱要素(音波散乱素子,wave scattering element)又は回折波動モード結合構造(diffractive wave mode coupling structure)で構成されているタッチスクリーン(タッチパネル)を提供することにある。
【0071】
本発明のさらに他の目的は、中心又は中央領域と、一対の表面とを有し、音響的検出装置のための基板(伝播媒体)を提供することにあり、前記装置は、基板と結合してバルク波を生成し、表面のうち少なくとも一つの表面と交差している伝搬軸を有する音響トランスデューサと、表面のうちの一つの近傍に形成され、バルク波の音響波動エネルギーを、表面の内の一つに多くのエネルギーを有する位相のそろった波に変換するのに適合した一連の少なくとも1つの散乱素子と、前記中心領域を通して、変換された音響波動エネルギーの一部を反射するための手段とを備えている。反射手段からの音響波は空間的に分散される。
【0072】
本発明の別の目的は、音響波源が、基板の表面へ斜め方向にバルク波を伝搬するための手段で構成されたシステムを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、基板上又は基板の中で、少なくとも1つの散乱中心との相互作用により、バルク波を他の波動モードと結合させるシステムを提供することにある。前記散乱中心は、基板の周期的な摂動を提供するセットとして、又は格子構造(grating structure)として配列してもよい。
【0073】
本発明によれば、ウェッジトランスデューサは音響タッチパネル設計又は再配置から除去してもよく、改善された前面の許容差(クリアランス)と改善された環境に対する抵抗力とを潜在的に与える。基板と比較して、比較的低い音響伝搬速度を有するくさびの要求の除去は、プラスチックなどの遅い音響伝搬速度の基板の使用を許容する。
本発明のさらに他の目的は、複数のトランスデューサを有する音響タッチスクリーン(タッチパネル)システムを提供することにあり、低い調整感度を有し、潜在的に製造コストを減少できる。
さらに本発明の目的は、収束する音響波を生成させ、又は他のフォーカシング又は音響レンズの機能を備えたトランスデューサを提供することにある。
これらの目的および他の目的は明確になるであう。本発明を十分に理解するため、添付の図面に図示されている発明の好ましい形態を、以下に詳細に説明する。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照しつつ本発明の好ましい態様を説明する。
図中、同一の特色部には同じ符号を付す。公知の音響デバイスの可換性原理は、名目上(見掛け上)の送信トランスデューサと受信トランスデューサとが等しい機能を果たすことを示している。従って、下記の態様において、音響トランスデューサは送信トランスデューサ又は受信トランスデューサ、もしくはその双方であってもよいことを理解されたい。
【0075】
実施例1
図5は、本発明の座標入力装置の一例を示す概略斜視図であり、図6は、摂動範囲、グレーティング手段による回折の範囲を示す概略斜視図である。
この例の座標入力装置は、接触可能であり、その表面に形成されたX軸とY軸との方向に対して左右対称である表示領域2(画像表示領域)を有するとともに、表面波又は板波が伝搬可能な表面を有する伝播媒体1と、バルク波(縦波モード又は横波モードでもよい)を、伝搬媒体1の低部から伝搬媒体1の表面へと斜め方向に伝搬し、摂動手段によりX軸およびY軸方向に表面波又は板波を発生させるための送信トランスデューサ(送信手段)とを備えている。すなわち、傾斜面3aに取付けられた圧電トランスデューサ4aと、X軸方向に媒体1上に形成された格子(グレーティング)5aとを含む送信手段、傾斜面3bに取付けられた圧電トランスデューサ4bと、Y軸方向に媒体1上に形成された格子(グレーティング)5bとを含む送信手段を備えている。この例では、伝搬媒体1は、端面に傾斜面を有するソーダライムガラスで形成された、等方性フラットパネルで構成される。
【0076】
前記送信手段3a,4a,5aおよび3b,4b,5bは、それぞれ、伝搬媒体1の低部のX軸およびY軸方向での摂動領域(送信領域)に対応する、隣接するコーナー部(第1のコーナー部)のオリジナル領域(ベース領域)に形成された傾斜面3a及び3bと、これらの傾斜面に配設され、電気信号に応答して、伝搬媒体1の表面上の摂動領域(送信又は伝達領域)に向かって斜め方向にバルク波を放射するための圧電トランスデューサ(第1の圧電手段)4a及び4bと、前記伝搬媒体1の表面上の摂動領域(伝達領域)において、圧電トランスデューサから伝搬媒体の中を伝搬するバルク波を表面波に変換するための格子(グレーティング,第1の格子手段)5a,5bとで構成されている。さらに、オリジナル領域の傾斜面3a及び3bからの直交する投影(投影領域)は、伝搬媒体1の画像表示領域2の周辺部の摂動領域で互いに交差しており(X軸方向の送信領域およびY軸方向の送信領域)、格子5a及び5bはそれぞれ摂動領域(横断領域又は投影領域)に配設されている。前記格子(第1の変換手段)5a,5bは、お互いにほぼ平行に、圧電トランスデューサ4a及び4bから伝搬したバルク波の進行方向に対して直交する方向に延び、かつ周期的に配設されている。そして、格子により、バルク波と表面波とを互いに変換可能である。
【0077】
X軸方向の送信手段3a,4a,5aおよびY軸方向の送信手段3b,4b,5bからの表面波又は板波は、第1の反射アレイ(第1の反射手段又は第1の反射格子手段)6a及び6bと、第2の反射アレイ(第2の反射手段又は第2の反射格子手段)7a及び7bとで構成された反射手段により画像表示領域2全体にわたって、Y軸およびX軸方向に伝搬され、伝搬した表面波又は板波は、X軸方向およびY軸方向に方向付けされ又は収束され、そして、受信手段8a,9a,10a及び8b,9b,10bによりそれぞれ受信される。
【0078】
より詳細には、起点としての周期的な摂動領域(伝達領域)を有するX軸方向からY軸方向へ、送信手段3a,4a,5aからの表面波又は板波を伝搬するための第1のX軸反射アレイ6aは、画像表示領域2の周囲のX軸方向に延びる一方の側部(第1の側部)に形成されている。また、第1のX軸反射アレイ6aによりY軸方向に反射された表面波又は板波を反射し、反射された表面波や板波を摂動領域(受信領域)でX軸方向に方向付けするための第2のX軸反射アレイ7aは、画像表示領域2の周囲の第1の側部とは反対側の他方の側部(第2の側部)に形成されている。
【0079】
さらに、起点としての摂動領域(伝達領域)を有するY軸方向からX軸方向へ、送信手段3b,4b,5bからの表面波もしくは板波を伝搬させるための第1のY軸反射アレイ6bが、画像表示領域2の周囲のY軸方向に延びる一方の側部に形成され、第1のY軸反射アレイ6bによりX軸方向に反射された表面波もしくは板波を反射するための第2のY軸反射アレイ7bが、画像表示領域2の周囲の前記側部と反対側の他の側部に形成されている。
【0080】
各反射アレイ6a,6b,7a,7bは、表面波又は板波の一部を透過し、表面波又は板波を反射可能である。これらの反射アレイ6a,6b,7a,7bは、摂動領域(X軸の受信領域とY軸の受信領域)で、画像表示領域2に伝搬された表面波や板波を方向を向けさせるのと同様に、X軸方向の送信手段およびY軸方向の送信手段からの表面波や板波を画像表示領域2全体に亘り伝搬することを可能にする。
【0081】
受信手段8a,9a,10bおよび8b,9b,10bは、画像表示領域2で伝搬又は収束してきた表面波又は板波をバルク波に変換し、伝搬してきたバルク波を受信するために、伝搬媒体1の低部に向かって斜め方向に振動波を伝搬させる。特に、受信手段は、第2の反射アレイ7a,7bに隣接する摂動領域(受信領域)に配設され、バルク波を伝搬媒体1の低部に向けて斜め方向に伝搬させるのと同様に、表面波又は板波とをバルク波に変換するための格子(第2の変換手段)8a,8bと、伝搬媒体1の低部のうち、格子手段8a,8bによる反射投影領域に対応するコーナー部(第2のコーナー部)の終点領域に形成された傾斜面9a,9bと、これらの傾斜面に配設され、格子8a,8bによる変換で得られたバルク波を受信し、かつ電気信号を生成するための圧電トランスデューサ(第2の圧電手段)10a,10bとで構成さている。格子(第2の変換手段)8a,8bは、前記格子(第1の変換手段)5a,5bと同様に構成され、圧電トランスデューサ10a,10bに向かうバルク波の進行方向に対して垂直方向に、周期的に平行に延びる複数の線形格子(グリッド格子)で構成されている。
【0082】
圧電トランスデューサ10a,10bにより受信された信号は、信号を分析又は解析するための検出手段(図示せず)に与えられる。検出手段において、受信信号のうち画像表示領域のタッチにより引き起こされた擾乱又は散乱成分は、対応する時間遅れを伴って検知又は検出され、画像表示領域2のタッチ位置又はタッチ領域を検出する。
【0083】
圧電トランスデューサ4a,4bにより生成したバルク波は、伝搬媒体1中を直進し、伝搬媒体1と摂動領域(格子5a,5b)の界面に斜め入射し、表面波又は板波に変換される。伝搬媒体1中を伝搬する表面波又は板波は、バルク波に変換するために。摂動領域(格子8a,8b)で斜め方向へと回折される。
【0084】
このような座標入力装置では、電気信号を圧電トランスデューサに与えると、圧電トランスデューサの振動によってバルク波が生成される。そして、バルク波を、摂動領域の格子5a,5bによって表面波又は板波に変換できる。そのため、表面波又は板波を、第1の反射手段によって画像表示領域2の複数の進路(伝搬路)を通ってX軸およびY軸方向に伝播させることができる。画像表示領域2を指又はそれに類する物でタッチすると、表面波又は板波が散乱され、その散乱成分を含む表面波や板波は第2の反射手段によって摂動領域(受信領域)に方向付け又は収束(収斂)される。受信領域において、表面波や板波は、格子8aと8bによってバルク波に変換され、バルク波は、圧電トランスデューサ10a又は10bによって、電気信号へと変換される。
【0085】
摂動のための格子5a,5b,8aおよび8bは、例えば、音波の波長に比べて非常に薄い。そのため、伝搬媒体の表面は、ウェッジトランスデューサの機械的又は構造的な形状(プロファイル)と比較して、相対的に平滑(又は滑か)である。そのため、本発明のタッチパネルは、比較的小さな又は低い隙間でベゼルの後ろに取り付けることができる。
【0086】
伝搬媒体の種類は特に限定されないが、表面波又は板波、特に超音波表面波又は超音波板波が伝搬可能なパネル(基板)が使用される。パネルの画像表示領域は、タッチ可能な領域(すなわち、座標入力領域)を含み、前記のように、左右対称な形状で、特に線形対称形状(その中でも特に方形)に形成される。パネルとして構築される伝搬媒体は、通常、液晶パネル(又はスクリーン)、真空蛍光管、他のフラットパネルディスプレイ、又は可視化パネルを形成するために、透明性を有する。好ましい伝搬媒体は透明で等方性である。画像表示領域の周辺(パネルなどの伝搬媒体の端部)は、一般的に外枠(ベゼル)で覆うことができる。
【0087】
傾斜面は、伝搬媒体の低部のうち起点領域および終点領域に対応する部位(位置)にそれぞれ形成してもよく、図5に示されるように、パネルなどの伝搬媒体の側面と底面との間のコーナー部の全体に形成してもよい。
【0088】
伝播媒体表面に対するバルク波の入射角θは下記式(1)で表すことができ、伝播媒体表面に対するバルク波の交差方向は斜め方向であってもよく、垂直方向であってもよい。
θ=Arcsin(λB/λR+nλB/p) (1)
(式中、λBは伝播媒体中のバルク波の波長、λRは伝播媒体表面における音響波の波長、pは摂動周期を示し、nは負の整数である)
さらに、伝播媒体に傾斜面を形成する場合、傾斜面の法線と伝播媒体表面との角度θ1は下記式(2)で表すことができる。
θ1=90゜−Arcsin(λB/λR+nλB/p) (2)
(式中、λB、λR、pおよびnは前記に同じ)
摂動領域(格子領域)での摂動周期(格子周期,格子間の間隔又は距離)は、伝搬媒体中のバルク波の波長と伝搬媒体の表面での表面波の波長に応じて、例えば、約0.01〜10mm、好ましくは約0.1〜5mm、更に好ましくは約0.3mm〜1mmの範囲から選択できる。グレーティング(格子)の数とその幅は特に限定されず、例えば、グレーティング数は約3〜10であり、格子の幅(基板との境目間の長さの範囲)は、例えば、約0.01〜10mmである。
【0089】
格子の厚さ(高さ)は5mm以下(例えば約0.01mm〜3mm)、好ましくは約0.1mm〜3mm、更に好ましくは約0.1mm〜1mmの範囲から選択できる。格子はスクリーン印刷やその他の技術で形成できる。格子は、エッチングやカッティング(切削)、研磨、除去或いは他の材料削除方法を用いて形成してもよい。格子は、さらに、成形、刻印(ホットスタンピング)、製造後の加工(基板の特性を改質する加工)によって形成してもよい。格子の要素(素子)は、格子の反射率と透過率とのバランスをとるために、反射アレイの要素(素子)と同様の様式で、その高さ及び又は幅変化させてもよい。例えば、格子に一方向性を与えるため、格子の高さが単調に変化した格子を使用してもよい。
【0090】
反射手段は反射アレイで構成する必要はなく、表面波や板波の一部分を伝達可能な1又は複数の反射要素又は部材で構成できる。反射手段を構成する反射アレイは、伝搬媒体の表面に、突起又は凸部(例えば、ガラス,セラミック、金属で形成された突起又は凸部)及び/又は溝として形成された反射アレイ素子の集合体(反射アレイ群)であってもよい。反射アレイ素子は、一般的に、互いに平行に形成され、反射部材や各反射アレイ素子の角度は、通常、X軸及びY軸方向に表面波や板波を伝搬させるため、X軸又はY軸に対して約45゜である。
【0091】
本願明細書の内容をなす米国特許5,5911,945号明細書から公知のように、反射アレイ要素(素子)を、他の角度に傾斜させ、タッチスクリーン(タッチパネル)にとって非方形状の波の進路(伝播路)を生じさせたり、入射波と反射波、例えば、疑似Rayleigh波から高次の水平偏向横波やLove波との間のモード変化又は変換をもたらしてもよい。
【0092】
格子要素(素子)は、例えば、スクリーン印刷などのような反射アレイ要素と共通の工程で形成してもよい。この共通の様式は製造コストを減少させる。
【0093】
本発明のタッチパネルシステムは、通常、電子コントロールシステム(図示せず)を使用している。それは感応音響波を生成し、タッチ位置を示す摂動を決定する。その電子コントロールは、順に、コンピュータシステム(図示せず)、例えばパーソナルコンピュータ、埋め込みシステム(embeded system)、ヒューマンインターフェース装置としてキオスク(kiosk)やユーザー端末と連結する。コンピュータシステムは、適切であればいずれの形式でもよく、例えば、画像表示装置、オーディオの入出力能力(機能)、キーボード、電子カメラ、その他の指示入力デバイス、或いはそれに類するものが含まれる。前記コンピュータシステムは、カスタムソフトウェアを使って作動するが、通常、標準的なオペレーティングシステム、例えば、マイクロソフトウィンドウズ(例えば、3.1, 3.11, CE, NT, 95, 98など)、マッキントッシュオペレーティングシステム、ユニックスバライアント(UNIX Variants)などを用いて作動できる。タッチパネルは、グラフィックユーザのために、ユーザの入力信号を受信するため、一次又は二次の点指示装置(pointing device)として使用してもよい。タッチスクリーン(タッチパネル)コントローラとコンピュータシステムは、例えば、埋め込みシステムにおるように、統合又は一体化してもよい。
【0094】
本発明の座標入力装置は、陰極線管(CRT)など湾曲した表面を有する画像表示装置のために有利に用いられるだけでなく、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネルディスプレイにも使用可能である。
【0095】
実施例2
グレーティングトランスデューサを組込んだタッチパネルを設計し、組立してテストを行った。グレーティングトランスデューサタッチパネルは十分に機能し、高品質の信号を生成させた。
比較的小さな強度を有する寄性波信号が僅かに観測された。これらの寄性信号は、タッチパネル操作について所望する信号の時間範囲の外側にあり、影響を与えなかった。これらの寄性信号はタッチパネルシステムの操作の妨害となることはなく、コントローラの電子回路にタイムゲート機能を持たせるか、タッチ領域および反射アレイの外側に音響減衰剤を含ませることにより、更に減少させることが可能である。グレーティングトランスデューサにより有意な寄性バルク波が生成するにもかかわらず、受信トランスデューサからの寄性信号は、グレーティングトランスデューサを有する音響タッチパネルの機能に対して何の傷害にもならない。
【0096】
ガラス基板の寸法は約272.5mm×348.7mm×3mmであった。ガラス基板には、裏面側に圧電振動子を取付けるための45゜の傾斜面を、θB =45゜のグレーティングトランスデューサ用に設けた。そのため、圧電振動子に対する垂線は、基板に垂直な方向に対して45゜の角度を成している。14mmの幅の反射アレイをガラス上に印刷した。アレイの内側の透明ガラスの方形領域は、約234.6mm×310.8mmの大きさである。このことは、15インチを越える対角寸法を有する能動タッチ領域を提供する。
【0097】
前記ガラスフリットを重ねて繰り返し印刷することで、それぞれが40μmの高さを有する4つの格子を、4つのトランスデューサの位置に配置させた。外折りされた圧電トランスデューサ素子4a,4b,10a,10bを傾斜面3a,3bに接着させた。図5および図6を参照。ワイヤーケーブル(図5および図6には図示れていないを、半田付けにより、各圧電トランスデューサ4a,4b,10a,10bの電極にそれぞれ接続した。市販の超音波タイプのコントローラ(タッチパネルシステムズ社(”TPS”)製の1055E101)をコントローラとして使用した。適当なソフトウェアを有するパーソナルコンピュータをコントローラに接続した。そして適当な音響タッチパネルの機能を観察した。
【0098】
比較のために、ウェッジトランスデューサをグレーティングトランスデューサ5a,5b,8a,8bの直前に仮に直接配置した。グレーティングトランスデューサは、約10dBほど低いタッチスクリーンシグナル(2つのトランスデューサ間の信号の進路で)値を与えた。グレーティングトランスデューサの設計と製造とがまだ最適化されていない一方で、グレーティングトランスデューサは、多くの製品設計にとって有用である十分満足される効率を示した。
さらに、信号波形を観測した。グレーティングトランスデューサタッチパネルからの信号の描写が、図7に示されている。
【0099】
符号Aを付したピークは実験開始のための人工的なピークである。バースト信号と受信回路とからのクロストークが、受信信号に現れているバースト信号の現象という結果を生じさせる。これは受信信号において便利なt=0という目印(マーカー)を提供する。
符号Bは、持続時間が190マイクロ秒の所望のタッチスクリーンシグナルを示し、ピークAの90マイクロ秒後に始まる、タッチパネルをタッチすると、信号Bのなかに、タッチパネル操作に望ましい凹部(くぼみ)Cが現われた。
【0100】
小さな寄性信号Dは約80マイクロ秒、すなわち所望する信号開始の10マイクロ秒前に観察される。この信号の除去は、2つのグレーティングトランスデューサの近くのガラス基板の端部の表面と裏面とに吸収剤を設置することにより観察された。
【0101】
その他の小さな寄性信号Eは、所望の信号の後、20マイクロ秒に観察される。この寄性信号は、ウェッジトランスデューサを用いたタッチパネルでもしばしば観察される。ウェッジトランスデューサおよびグレーティングトランスデューサの双方のケースで、この寄性信号は、(ガラス端部におけるRayleigh波の反射を除去するために)ガラスの表面に適当な位置に配置された適切な音響吸収剤を用いて除去可能である。
【0102】
実施例3
図8は、音響タッチパネルがLCDタッチモニターにうまくフィットするように、音響タッチパネルに適合し、かつ適用されたグレーティングトランスデューサを示している。図8において、シール(密閉剤)24を含む外枠(ベゼル)26は、周囲とタッチパネルの検出作業(官能動作,sensitive working)との間のバリアーを与えている。基板20の前面22は密閉剤24に接している。前記密閉材24は、フラットパネルディスプレイ28と同様に、汚染物質から格子30と圧電トランスデューサ32とを保護する一方で、タッチパネル操作を許容するのに十分な音響エネルギーを与えるように備えられている。圧電振動子32は、基板20の背傾斜面38に接着され、電気的に半田34とワイヤー(線材)36とに接続されている。前記傾斜面は、励起過程で圧電トランスデューサ32によって放射されたバルク波の伝搬軸に沿って、または基板20中のバルク音響波に対するトランスデューサの感度を最大にする軸に沿って配置された格子30に対して、角度θB で傾斜している。前記格子30は、格子30に対して傾斜角度の軸に沿って伝搬するバルク波と、前記表面22で有意なエネルギーを有する表面波又は板波とを結合させる。
【0103】
LCDタッチモニター設計の観点から、グレーティングトランスデューサはタッチパネル設計単独の観点からは予期できないいくつかの利点を提供すると思われる。グレーティングは、形状および構造(プロファイル)が低く、典型的には付加された密閉剤よりも高さがさらに低く、外枠の下部に容易にフィット(適合)する。半田の接続部や連結ワイヤーのルーティングを含む圧電振動子は、基板の傾斜面に関連して、除去された基板材料の容積に適合できる(除去部に収まる)。それ故、グレーティングトランスデューサは、LCDタッチモニターのために、エレガントに機械的設計することを解決可能とする。
【0104】
実施例4
実施例2と同様のグレーティングトランスデューサを、厚さ3mmのソーダライムガラス基板上に形成した。
これらのグレーティングトランスデューサは、図6に示されるように、格子要素(素子)とともに、傾斜した圧電振動子(θB =45゜)を有している。格子は、反射アレイを作製するのと同じスクリーン印刷工程およびオーブンでの400℃以上の温度での硬化を利用して、ガラスフリットインクを析出又は堆積させることにより形成した。高い温度の硬化は、ガラスを焼結させガラス基板とそれとを接合させる。硬化したガラスフリットは、約5.6g/cm3 の密度を有する硬質セラミック材料である。スクリーン印刷の工程を重ねて行うことにより40μmまでの格子高さを得た。
【0105】
竹内正男、清水洋「弾性表面波用グレーティングカプラの動作解析」;日本応用学会誌,第36巻11号543-557(昭和55年6月24日受理)に記載の原理に基づいて、0.89mmの格子間隔を設計した。この計算は、レーリー(Rayleigh)波の速度を3103m/s、バルク縦波の速度を5940m/s、バルク波の角度45゜使用周波数5.53MHzであると仮定した。
【0106】
一方、適切な反射要素は、サンドブラストのような除去プロセスによってもまた形成できる。
【0107】
圧電振動子は、当業者で公知の圧電セラミック材料(富士セラミックス社製)で構成されており、エロタッチシステムズ社(Elo TouchSystems,米国カリフォルニア州、フリーモント)やTPS(東京)から入手できる多数のタッチパネル製造品用のウェッジトランスデューサに使用されている。この材料は、圧電セラミックの一種のPZTの一員である。設計周波数は選択に係わる事項であるが、圧電振動子は名目上の基本共振周波数を5.53MHzに持っている。圧電振動子の幅は3mmである。
圧電振動子を水平な基板表面に対して45゜傾いた傾斜面に接着した。ガラスに接着した圧線振動子の側部の導電性電極は、圧電振動子の周面に延びており、そのため。両方の圧線振動子の電極は同じ露出面でワイヤに半田付けできる。
【0108】
HP 8012Bパルスジェネレータを用い、5ミリ秒ごとに繰り返される5マイクロ秒のゲートを発生させた。このゲートは、HP 8111Aファンクションジェネレータにトリガーをかけるために用い、5マイクロ秒の幅を持つトーンバースト信号を生成する。HP 8111Aは10ボルトの公称電圧を持ち、5.53MHzの正弦波トーンバースト信号を生成するようにプログラムされた。これらのトーンバースト信号は、1MΩの入力チャンネルを用いた横河電機製DL12000 4チャンネルデジタルオシロスコープ上で観察した。これらのトーンバースト信号は、試験中、グレーティングトランスデューサを励起させるために使用した。
【0109】
グレーティングトランスデューサから25cmの距離にウェッジトランスデューサを配置し、横河電機製DL12000 4チャンネルデジタルオシロスコープの1MΩの第2チャンネルに接続した。グレーティングトランスデューサへの送信バースト信号と、ウェッジトランスデューサからの受信信号との時間と強度とを、同時にデジタルオシロスコープで観察した。
【0110】
グレーティングトランスデューサからの信号はウェッジトランスデューサで観察された。そのことはグレーティングトランスデューサから、表面に多くのエネルギーを有する波を十分に放出していることを示している。
グレーティングトランスデューサとウェッジトランスデューサとの間に指又は他のレーリー(Rayleigh)波吸収剤を位置させたところ、受信信号が消去した。このことは、多くの表面パワーを持つ波動モードが、基板中でしかもこの発信周波数で、より少ない減少を示すことを期待されたとき、受信信号が、グレーティングトランスデューサとウェッジトランスデューサとの間のRayleigh波の伝播によるものであり、合理的に見込みのある観察された波動モードが、疑似−レーリー(Rayleigh)波であることを示している。さらに、トーンバースト信号と受信信号との間の遅延時間は、ガラス基板上の既知のレーリー(Rayleigh)波の速度に正確に対応する。
【0111】
実施例5
例1,2および4では、放射(又は受信)角度0゜のグレーティングトランスデューサを使用している。すなわち、レーリー(Rayleigh)波の方向は、水平面へのバルク波の伝搬軸の射影と同じである。グレーティングトランスデューサの設計はそのように制限されるものではない。グレーティングトランスデューサの概念は、レーリー(Rayleigh)波の伝搬方向が、バルク波の方向の水平成分に対するノンゼロ(0゜以外)の放射角度(non-zero emission angle)θE を有する場合に一般化できる。ノンゼロ((0゜以外の)放射角度は、以下の2つの考えられる利点を持っている。
【0112】
0゜以外の放射角度は、機械的なデザインに柔軟性を与える。タッチパネル66の一つのコーナー58で一対の受信グレーティングトランスデューサの平面図を示している図9を参照。それぞれのグレーティングトランスデューサは、圧電トランスデューサとバルク波とが結合している軸52a,52bに沿って、基板66を通して配列している一組の格子要素とともに、後部傾斜面56に設置された圧電振動子60a,60bを含んでいる。格子54a,54bはバルク波の伝搬軸52a,52bに対して傾いており、そのため、バルク波は、バルク波の伝搬軸とは異なる軸50a,50bに沿って、基板66の端64,62とそれぞれ平行に進行する単独の表面波もしくは板波と結合する波動モードに変換される。
【0113】
そのような設計は、例えば、仮に、ガラス基板のコーナー(nominal corner)と取り付け用柱などのタッチモニターの他の成分とが機械的に抵触する場合に利点がある。
【0114】
0゜以外の放射角度の第二の利点は、所望のレーリー(Rayleigh)波放射角度と圧電振動子によって生成された寄性バルク波の代表的な角度である放出角度0゜との角度を分離又は選別することである。等価的に、図9で示されるように、受信グレーティングトランスデューサの検出方向と、入ってくるバルク波の検出方向との角度分離がある。圧電トランスデューサと結合したバルク波は、レーリー(Rayleigh)波に対する任意の角度(例えば90゜)を有していてもよいことに留意すべきであり、所望のレーリー(Rayleigh)波と、バルク波の伝搬軸の水平面への射影に対して平行に進行する寄性波との間の実質的な分離を可能とする。
【0115】
それ故、システムは、傾斜した圧電振動子(θB=45゜)と0゜以外の放射角度(θE=30゜)のグレーティングトランスデューサを持つように構築された。製造方法は、実施例4の放射角度0゜の場合と同じである。唯一の違いは、格子の間隔と配向とが、レーリー(Rayleigh)波の波数ベクトルと、縦波の水平成分とを結合させるように、水平方向のブラッグ(Bragg)散乱条件を満たすように修正されることである。
【0116】
これらの30゜の放射角度のグレーティングトランスデューサは、実施例4の放射角度0゜で論議したのと同じ実験方法を用いてテストした。定量的な遅延時間のデータと、表面での吸収の検出とから、それがRayleigh波の信号であることが確認された。0゜以外の放射角度を持つグレーティングトランスデューサの作動は明瞭に証明された。
【0117】
見掛け放出角度30゜のグレーティングトランスデューサ(θB=45゜)の角度分散性を、グレーティングトランスデューサから半径250mmの円弧上の異なる位置に受信用のウェッジトランスデューサを設置することにより測定した。
【0118】
一対のトランスデューサを通して送信された測定信号の相対強度(観察された最大強度に対する)を、放射角度の関数として以下の表に示す。
【0119】
放射角度 測定信号の相対強度 [dB]
26゜ −14
27゜ −13
28゜ −11
29゜ −4
30゜ −1
31゜ 0
32゜ 0
33゜ −1
34゜ −4
35゜ −10
36゜ −14
グレーティングトランスデューサは、0゜以外の放射角度に方向を向けて送信されたビームを有することが観測された。31.5゜の放射角度で観測されたピークは、見掛け上の設計値30゜に近い。このように、グレーティングトランスデューサは、ノンゼロ(0゜以外の)放出角度を支持でき、音響タッチパネルの設計のために、重要な新たなオプションを提供している。
【0120】
実施例6
図10に示されるように、水平に取り付けられた圧電振動子32という特別な場合は、一つのオプションであり、それはすなわちθB=0゜である。特筆すべきは、このグレーティングトランスデューサのデザインが基板の端部68で機械的加工される傾斜面の必要性を回避できることである。この製作プロセスの削減は、製作コストを減少させる可能性を有する。図10に示したように、バルク波72は、レーリー(Rayleigh)波となる変換された波動モード79を生成又は発生する格子30の前表面(フロント表面)22近傍で部分的に反射される。その波動エネルギーの一部分は、表面22と平行に伝搬する波に変換される。代表的には、基板20の裏面42では、受信された波と結合する音響エネルギーは低く、それ故、裏面はタッチに対して感応又は反応せず、裏面上への取り付けを許容する。
【0121】
θB=0゜のグレーティングトランスデューサを組込んだタッチパネルを設計し、組立てて試験を行った。用いた方法は、ガラス基板に傾斜面を設けない点を除いて、実施例2と同様である。更に得られたグレーティングトランスデューサのタッチパネルを製造したところ、十分に機能し、製品規格の信号を有していた。さらには、寄性波の生成は、グレーティングトランスデューサ音響タッチパネルの良好な操作を妨害せず、観察された寄性信号は最低であった。
【0122】
比較のために、ウェッジトランスデューサを、仮にグレーティングトランスデューサの直前に直接配置した。このθB=0゜の場合では、グレーティングトランスデューサとウェッジトランスデューサとは、実験誤差範囲内で同じタッチパネル信号強度を与えた。グレーティングトランスデューサの設計と製作とをθB=0゜で最適化しなかったにもかかわらず、商業的に興味および利点のあるトランスデューサ効率が明瞭に証明された。
【0123】
実施例2のθB=45゜のグレーティングトランスデューサに対して、約10dB(トランスデューサ1個あたり5dB)の信号の増加が示されたことに注意されたい。この実験的な観測は、新しい物理的な効果が、θB=0゜のグレーティングトランスデューサの設計での効率の向上を導くかもしれないことを示唆する。
【0124】
実施例7
実施例6で記述されたグレーティングトランスデューサと同様のグレーティングトランスデューサを、3mm厚のソーダライムガラスの基板に、θB=0゜のグレーティングトランスデューサとして作製した。
【0125】
測定は、ガラスが傾斜面を備えておらず、図10で示されように圧電振動子がグレーティングの反対側のガラス裏面に取り付けられていることを除き、実施例4に記載と同じ製造技術と試験方法を用いた。実施例4のθB=45゜のグレーティングトランスデューサに比べて、向上した効率が観測された。このことは、実施例2のタッチパネルに対する実施例6のタッチパネルの信号強度の増加が、θB=0゜についてグレーティングトランスデューサの効率向上に起因することを確認する。
【0126】
θB=0゜の場合、θB≠0゜の場合には存在しなかった新しい機構又は物理的な効果が作用する。垂直なバルク波は、基板表面の上面と裏面とで多重反射を経ることが可能であり、圧電振動子及び格子を介してレーリー(Rayleigh)波と結合するために、正確な配向と位相とをまだ持っている。これらの多重反射が、グレーティングを介して、所望の音響モードと結合する1回以上の機会をバルク波に与えることによって、グレーティングトランスデューサの効率を向上させるための手段を与えている。
【0127】
θB=0゜の場合について検討する他の方法は、基板の厚み共振について考察することである。格子と圧電振動子との両方が、基板の厚み共振と結合する。この共振状態を得るための好ましい手段は、グレーティングトランスデューサ表面と平行に、表面上に圧電トランスデューサを配置することである。多重反射と等価な概念上のモデルがこれまで討論されてきた一方で、厚み共振の枠組みは、時間領域よりはむしろ周波数領域においてこの効果を考察する。それ故、使用周波数が基板の厚さ共鳴に一致するとき何が起こるかを考察することは興味深い。
【0128】
基板の厚み、送信周波数、或いはその双方を変えることによって、厚み共振は強化されうる。このことは、トランスデューサ効率向上のためのさらなる手段を提供する。厚みモード共振又は垂直方向バルク波の多重反射は、例えば、垂直方向の縦波とレーリー(Rayleigh)波との間で格子を介した結合を増加させるのに使用してもよい。このことは、最適なトランスデューサの効率のための最適な高さの減少につながり、それ故、製造工程を簡単化する。
【0129】
厚みモード共振は、接着された圧電振動子の等価回路抵抗を調整する自由な設計に提供し、それ故、音響タッチパネルの電気特性インピーダンスを制御する。図11はグレーティングトランスデューサについての等価回路を示している。そのような発振又は多重反射は、例えば、圧電振動子が接着されるガラス表面の機械インピーダンスまたは音響インピーダンスを変化させる。厚み共振において、ガラスの音響インピーダンスは減少し、ガラスに接着された圧電振動子の機械的なQ値は増加する。これは、トランスデューサの等価回路の抵抗分(図11の回路図の中の”R”)を減少させる結果を生じる。
【0130】
もし、圧電振動子が正確に操作周波数に調整されたなら、すなわち、1/{2π(LC1)1/2}が操作周波数と等しいならば、共振インダクタンスと共振キャパシタンスのインピーダンスは相殺され、等価回路は単純に抵抗Rとそれに平行な静電容量C0 となる。圧電振動子に与えられたエネルギーはV2 /Rで示され、Vは適用された駆動電圧の二乗平均である。
【0131】
既知の商用タッチパネル用コントローラのトランスデューサ励起バースト回路は、しばしば、電流源より電圧源として近似される。もし、送信バースト電圧を最大安全電圧基準(例えばUL規格)によって制限又は規定するならば、これは、特に正確である。励起信号のための固定された電圧を仮定すると、トランスデューサ等価回路のより小さな抵抗がトランスデューサの方に分配される電気エネルギー増加を意味する。それ故に、幾らかのコントローラデザインを用いて、厚み共振は、音響波へ変換することが可能な電気エネルギーを有意に向上させてもよい。
【0132】
実施例8
アルミニウム基板について、グレーティングトランスデューサを作製し、十分に試験した。アルミニウムは不透明なタッチパネルのための基板として使用することができる。このことは、グレーティングトランスデューサの作動原理が、基板材料の特別な選択に限定されないことを示している。
【0133】
アルミニウム基板の上に、機械的に溝を形成すことで格子を形成した。格子は、深さ51μm、幅254μm、中心間の距離533μmに設計した。格子の本数は10本である。
ガラス基板を用いた実施例6と同様に、圧電振動子を水平に取付け、放射角度は0゜である。この場合、格子の領域のアルミニウム基板の厚さは、厚さ共鳴に対応するように設計した。基板の厚みは、格子の領域で2.29mmであった。
【0134】
グレーティングトランスデューサの作動は、実施例4と同様の試験を使って観測した。
ピークツウピーク(peak to peak)電圧は14Vであり、3〜4マイクロ秒の幅を有するトーンバースト信号を、ウェッジトランスデューサを励起するための送信パルスとして使用した。ウェッジトランスデューサからのレーリー(Rayleigh)波を格子で検出した。2mmの幅の圧電振動子を、基板の底部のグレーティングの開始部の下部に設置された。受信信号が、ピークツウピーク(peak to peak)で1.4Vのピーク電圧、すなわち励起信号に対して−20dBで観測された。一対のウェッジトランスデューサの信号強度は同様の測定信号を与えた。
【0135】
基板上に材料を堆積させるよりむしろ溝を使用してグレーティングトランスデューサをうまく構築できたことは、注目すべきである。このことは、さらに、格子の製造又は加工のための製造プロセスの多様化を証明している。
【0136】
実施例9
水平方向にピエゾを設置し(θB=0゜)、0゜以外の放射角度(θE=0゜)のグレーティングトランスデューサのプロトタイプを、ガラスとは特性の異なる2つの材料を含む、3つの異なるグレーティング材料で作製した。レーリー(Rayleigh)波の放出は、3つの場合の全てで観察され;硬化ガラスフリット(高さ約10μm);リトポン(Lithopone)TM添加又は含有エポキシ樹脂(高さ約25μm);そしてタングステン添加又は含有エポキシ樹脂(高さ約25μm)の全てで観察された。エポキシ又はエポキシ樹脂は、無機フィラー組成物のためのポリマーマトリックスを提供する。ガラスフリットが堆積した格子の重量とリトポン充填エポキシが堆積した格子の重量とは近似的に同じであり、対応する受信信号は実験誤差の範囲内であった。タングステン充填エポキシの格子は2〜3倍の重量を有しており、受信信号強度がそれに対応して増加した。
ポリマー格子材料の使用は、設計と工程の自由度を向上させる。
【0137】
実施例10
実施例2,4,5,6および7においては、圧電振動子より発生しているバルク波は縦波(pressure wave)であった。例えば、図5および図6における素子4a,4b,10a,10bは、ずり振動モードの圧電振動子への変更は自由である。しかし、本態様に示されるままで、ずり振動圧電振動子よりも一般的であり、かつより低コストの厚み振動圧電振動子を使用して、ずり振動バルク波(a bulk shear wave)を励起可能である。この態様は、図12に示されているように、通常とは異なって配置された厚み振動モード圧電振動子32を使用することによって実現化され、縦波78は、グレーティング30に到達する前に、この紙面方向への粒子運動を有する横波(a shear wave)80、つまりSV波へと変換される。図12では、基板20はソーダライムガラスであり、その縦波速度は6000m/sec,バルク横波速度は3433m/secである。5.5MHzの厚み振動子32は、水平方向に対してθp=62.5゜傾いている。放射された縦波78は、ガラス板に垂直な軸に対してθpの角度で下方向に伝搬する。このことは、垂直方向に対してθs=30.5゜の角度で上方向に反射された横波80を導く。θs の値は、以下の式で示されるスネルの法則に従う。
sin(θs )/Vs=sin(θp )/Vp
この例で値θp は光学におけるブリュスタ(Brewster)角にあたる角度を満足するように選ばれる。その角度は、既知の音響理論を使用して計算された角度であり(B. A, Auld編 "第2版Acoustic Fields and Waves in Solids"第2巻, Krieger出版社、フロリダ州マラバル市,1990,ISBN 089874783-Xに記載の式9.45(Г11=……)を参照)、その角度を取るとき入射した縦波は100%横波となって反射される。このようなモード変換を行う反射は、通常の厚み振動子を用いて有効な横波の励起を可能とする。
【0138】
厚みモード振動子32の使用にも拘らず、横波80をグレーティングに照射する可能性は、竹内のグレーティングトランスデューサに関する論文に記載されている配分係数Fを変更又は最適化するための興味深い選択を与えてくれる。
【0139】
図12で示されているように、基板が安全ガラス積層体20,130,132の上側の層であるとき、言い換えれば、基板が、ソーダライムガラス20,132でポリビニルブチレート(又はポリビニルブチラール)ポリマー130や他のポリマーをサンドイッチ(挟んで)している場合、特別な利点を与える。この場合では、横波は上部ガラス板20の裏面42で反射しており、ガラス20とポリビニルブチレート130との間の音響インピーダンスの差が非常に大きいため、波80のほとんどはグレーティング30の方向へ上向きに反射され、例えば、レーリー(Rayleigh)波79へと変換される。一方、同時に発生する寄生板波モードはポリマー層130によって急激に減衰する。傾斜面74を安全ガラスの上層部20の上側に設けることは、圧電振動子取り付け作業の自動化への対応を容易にする。そして、基板20を形成しているガラス板の範囲からはみ出す余分なポリマー130と圧電振動子32との間の機械的な緩衝を除去することもまた容易である。
【0140】
この特定の例では、θs=30.5゜のとき、横波は表面に対して垂直方向へのすべり運動の形で、そのエネルギーのsin2(θs )=26%を持っており、表面に対して水平方向の滑り運動の形でそのエネルギーのcos2(θs)=74%を持っている。後述する例で説明するように、この大きな水平方向の滑り成分は、ラブ(Love)波やHOHPS波などの水平方向にその振動方向を有する横波を放出するグレーティングトランスデューサの実現を可能とする。
【0141】
実施例11
グレーティングトランスデューサはレーリー(Rayleigh)波以外の波を送信又は受信するようにも設計可能である。図13および14は水平に滑り振動を行う圧電振動子32′を使い、水平に振動する横波、すなわちラブ(Love)波を励起するグレーティングトランスデューサを示している。
【0142】
積層又は層状基板84,86は、例えば厚さ3mmのソーダライムガラスに接着され、ショット社B270TMやバリウム含有ガラスなどの遅い横波速度を持った厚さ0.5mmのカラス層である。そのような基板84,86は、ラブ(Love)波94を伝搬させ、そのラブ(Love)波は1mmの厚さのガラス基板におけるZOHPS波(a lowest order horizontally polarized shear wave)によって与えられる水平滑り振動のエネルギー密度よりも高いエネルギー密度を表面82において供給する。図13において、その圧電振動子32の滑り振動、横波92の滑り振動、格子90の軸、そしてラブ(Love)波94の滑り振動は、全て紙面に対して垂直方向に振動している。
【0143】
一方、図14は図12で示されるのと同様の結合構造を有している。しかし、この場合、水平振動モードを有する圧電振動子32′からの水平振動滑り波96は、基板86の裏面88でモード変換なしで反射する。そのため、入射角度と反射角度とは等しい。そのようなグレーティングトランスデューサは、上記で検討した圧電振動子の配向(方向)や放出の角度を変化させて設計することが可能である。しかし、最も悪い例として例えば90゜などの大きな放出角度の場合、バルク波の水平滑り振動が、もはや放出される波の水平方向の動きと平行ではないため、効率が低下する。
【0144】
グレーティングの間隔(周期)と配向(方向)は、放出されるラブ(Love)波の波数ベクトルと水平振動成分を有するバルク波の波数ベクトルとの間のブラッグ散乱条件によって決定される。
【0145】
実施例12
フォーカシンググレーティングトランスデューサ(Focusing grating transducer)は、図15に示されるように、格子5a′,5b′,8a′を湾曲させることによって構成されている。なお、湾曲した圧電振動子の必要性はない。圧電振動子の製造コストを増やすことなく、グレーティングトランスデューサは、放射音響ビームの収束特性の調整に対して自由度を与える。これはウェッジトランスデューサやエッジトランスデューサでは不可能である。
【0146】
ガラス裏面に水平方向に配列配置した圧電振動子を利用したグレーティングトランスデューサの場合、グレーティング5a′,5b′,8a′の円弧の半径は所望の焦点距離100,102,104に等しく設定される。有効な焦点距離は、好ましくは反射アレイ6a,6b,7aの長さの1/2から3/4であり、たとえ長くとも、せいぜい反射アレイと同程度の長さである。これらのグレーティング素子は、所望の進路(伝播路)に沿って音響波のエネルギーの方向をそろえさせるため、放物線状に又は他の所望の形状に設置してもよい。代表的には、所望のグレーティングの焦点距離は、グレーティングの大きさに比べて大きく、パラボラ状(放物線状)のカーブと円弧状のカーブとが実用的に同等である。傾斜した圧電振動子を有するグレーティングトランスデューサの場合、焦点距離を調節することは自由であるが、支配的な数学方程式はより複雑である。ブラッグ(Bragg)散乱の原理はまだ応用可能である。所望のブラッグ散乱角度はグレーティングトランスデューサの内部の位置の関数となっている。フォーカシンググレーティングトランスデューサの格子の曲線は、以下の式と図16を用いて設計可能である。
【0147】
dy/dx=tan(π/2−θg
κg 2 =[κBsin θB2 +κR 2 −2・κBsinθB κR cosθ
sin(θg −θ)=[κBsinθB sinθ]/κg
我々は、回折によるビームの拡がりによる信号のロスを部分的に相殺するために、音響ビームのわずかなフォーカシング(Focusing)を使用できる。例えば、フォーカシンググレーティングトランスデューサの焦点距離は反射アレイの長さ又はその1/2に設定してもよい。図15で示されるように、反射アレイを示さなくとも、アドラー(Adler)タイプのタッチパネルと米国特許3,673327号明細書のジョンソン−フレイベルガー(Johnson-Freyberger)タイプのタッチパネルと両方を包含していてもよく、グレーティングは焦点を有し、その焦点は好もしくは基板を横切る距離の1/2から3/4に位置する。
【0148】
実施例13
図15Aは、竹内らの論文(1980)に記載されているように、配分係数を1にすることで、トランスデューサ効率を更に向上させるグレーティングトランスデューサの設計について考察している。このことは、負の値を持ち、次式を満足するθB でグレーティングに入射するバルク横波を用いるならば可能性がある。
【0149】
|sin(θB)|>Vs/Vp=(0.5−σ)/(1−σ)1/2
式中、Vsは横波の速度、Vpは縦波の速度、σはポアソン比を示す。
この条件をかなえ、かつグレーティングの周期を横波とレーリー(Rayleigh)波が結合するように設計したとき、ブラッグ(Bragg)散乱によって縦波とレーリー(Rayleigh)波とが結合することはない。ポアソン比σ=0.355を有するアルミニウムの場合、上記の条件は絶対値でθB >28.3゜として評価される。それ故、配分係数F=1を有するグレーティングトランスデューサは、図15Aで示された方向、例えば30゜まで傾斜した基板表面に取り付けた水平滑り圧電振動子(horizontal-shear piezoelectric element)によって構成することが可能である。
【0150】
そのため、図17で示されるように、放射するバルク波108の伝搬する方向の軸のグレーティング30′の面への射影が、変換された波79の進行方向と反対方向であるように圧電振動子32は設置される。その圧電振動子32は、保護されるワイヤ(線)36と信号ケーブル106とを結合する半田34の突起が入り込める内部傾斜面(インナーベベル)内にシールドされている。
【0151】
いくつかの場合、圧電振動子,半田の結合部および線材を、図17に示されているように、基板の鋸状凹部内に位置させることによって保護するということは利点である。また、いくつかのケースにおいては、例えば、より低コストの厚み圧電振動子を用いるため、配分係数F<1であるとしても、これらの機械的な設計の利点は、図17での外形を正当化するであろう。
【0152】
特に成形プロセスにより形成されたポリマー基板では、図17の基板形状は、殆ど工業的にコストを加えることなく、配分係数F=1でかつ圧電振動子の機械的保護という利点を提供できる。例えば、スチロン(Styron)R 666(ダウケミカル社製のポリスチレン)では、ポアソン比σ=0.35と、30゜ないしそれ以上負の向きに傾斜した滑り圧電振動子とで、配分係数F=1を達成する。
【0153】
図17の形状のレーリー(Rayleigh)波やラブ(Love)波グレーティングトランスデューサを実現化するポリマー基板は、特に興味深い。なぜなら、前記のように、ポリマー基板に対するウェッジトランスデューサを設計することは困難又は不可能だからである。成形ポリマー基板で特記すべきは、グレーティング(および反射アレイ)を金型で設計できるということである。そのようなプロセスでは、様々な高さや深さを有するグレーティングを実現化することは困難ではない。
【0154】
図18で示される変更例は、図17の原理と図12の原理とを結びつける。例えば、ポリスチレン基板20において、圧電振動子32を水平面に対して60゜の角度で取付けることがれできる。その圧電振動子32は、垂直軸に対して60゜の方向にグレーティング30′に向かって伝播する縦波116と結合する。反射面112において、この縦波は90゜で反射しθB=−30゜となる横波118へとモード変換される。前記反射面112は垂直方向に対して55.6゜の角度をなしている。実施例10で言及したB. A. Auldの教科書に示された音響学的な原理は、反射面において77%のモード変換効率をもたらす。
【0155】
図18もまた、ウェッジ構造110に圧電振動子32を設置する可能性を示しており、そのウェッジ構造は、基板20との界面120で、接着剤又は他の手段で接合できる。前記界面120は、広い範囲でバルク波モード118を減衰させない。そのため、前記基板20は、基板の両面22,42に前もって形成された表面構造を有する必要はない。
【0156】
図18は、バルク波が反射され一つの反射面によってモード変換が起きるという例を示している。グレーティングトランスデューサの設計において、2又はそれ以上のバルク波の反射を含ませることも可能である。このことは、音響タッチパネルのためのグレーティングトランスデューサの設計の選択の幅を広げる。グレーティングトランスデューサ構造の近傍に位置する吸収体は、同時に発生する寄生波の効果を抑制するために使用可能である。反射面の成形及び/又は音響インピーダンスマッチング用吸収剤への応用の可能性は、同時に発生する不要な波(寄生波)の位置決めにおける大きな自由度を与える。
【0157】
実施例14
θB≠0゜の場合、グレーティングトランスデューサは一方向性であり、前方方向に優先的にビームを放出し、後方には放出しない。
θB=0゜の場合は、左右対称に設計されたグレーティングトランスデューサは、2方向性であり、送信(又は受信)では前方及び後方ともに等価である。いくつかのケースでは、もしタッチパネルのグレーティングトランスデューサが、お互いに反平行に進行する2つの有用な波モードと結合するように設計されているのならば、この構造は利点である。
【0158】
一方向性のθB=0゜のグレーティングトランスデューサを設計することは可能である。一つのアプローチはグレーティングトランスデューサの背後に音響反射器を設置することである。例えば、半波長グレーティング(n+1/2)λ 122を、図19に示すように、波のモードを変換させるためのグレーティングの背後に設置することも可能である。図20に示す態様において、反射器128は、単純に、通常のグレーティングトランスデューサの範囲を拡張した波長間隔グレーティング(nλ)であり、グレーティングの後方に拡張して設けられている。波長間隔のグレーティング(wavelength spaced grating)128は、後方への音響波(後進波)126を、垂直方向のバルク波130とを結合させる。この垂直方向のバルク波130は基板の裏面43で反射し、次いでグレーティング128の拡張領域で目的とする前方向への音響波(前進波)124と結合する。前進波124と後進波126は使用可能な波(有効波)79として足し合わされ、トランスデューサシステムから放射される。
【0159】
他方、レーリー(Rayleigh)波の励起や受信のために、図21に示されるような、非対称形状グレーティング132が使用できる。そのようなグレーティングが一方向性と成り得るという実験的な証拠は、本願明細書の内容をなすエレクトリックレター(Electric Letter )(Volume5 Number9(May 1 1969))の記事である。理論的には、非対称性グレーティングと垂直バルク波の相互作用は、粒子の楕円運動を導く。反対の方向に動いているレーリー(Rayleigh)波は反対方向への楕円運動に対応しており、その楕円運動を励起したグレーティングは優先的に一方向のレーリー(Rayleigh)波と結合する。
【0160】
本願明細書の内容をなす竹内教授及び山之内教授による論文"Unidirectional excitation of plate waves in a periodic structure," October 1991, は周期的アレイの散乱中心から(nλ+λ/8)ずらした周期的アレイの励起中心が、音響波の一方向への放出(又は発射)を導くことができることを示している。同様の原理は、本発明におけるタッチパネル用グレーティングトランスデューサにも応用可能である。
【0161】
レーリー(Rayleigh)波やラブ(Love)波などの表面を導波路とする波は、基板内部へ幾らかの範囲、言い換えれば実質上のエネルギー密度がまだ存在している範囲、例えば表面の下の1/2波長に浸透又は入り込んでいる。図22に示す本発明の1態様によれば、回折音響波モード結合器(グレーティング)90′,90″の要素(素子)もまた、上側表面の下に同様の深さまで拡がっていてもよい。この場合では、基板の底部88′と音響的に結合している横波モードの圧電振動子32″からのバルク波92′は、基板20′からフロント表面82に近づいていき、浅い領域(shallow region)84′に到達するよりも前により深く横たわる領域(deeper-lying region)86′に到達するであろう。基板20′は、ラブ(Love)波の伝搬を支持可能な積層体(積層構造)として形成されている。この時間遅延と相当する位相の変動とを許容するために、回折音響モード結合器90′,90″の要素(素子)は、相対的なオフセット(relative offset)91を有していてもよく、傾斜していてもよく、それにより表面に沿って反対方向に伝搬する波94″よりも比較的大きなエネルギーをもつラブ(Love)波94′の所望の伝搬方向に対する構造的干渉を構築してもよい。このタイプの結合器は、それ故、部分的に又は全て一方向性と成りうる。この場合、基板は、例えば、重金属を含むエナメルの高密度層で被覆されたアルミニウムでもよい。埋め込まれた回折音響波モード結合器要素(又は素子)(coupler elements)90′は、アルミニウムの表面へ刻印を押すことにより形成してもよく、それはコーティング過程でエナメル84′で充填される。その表面回折音響波モード結合器要素90″は、エナメル84′が十分に硬化する前に、エナメル84′に刻印してもよい。相対的なオフセット91は機械的な治具によって形成される。
【0162】
実施例15
グレーティングトランスデューサを用いる音響センサーは、総数4つに限定された配列に限定される必要はない。ウェッジトランスデューサを用いる超音波タッチパネルで可能であるならば、本発明による単独のタッチセンサーシステムや基板に、6個、8個又はそれ以上のトランスデューサを用いた設計を用いてもよい。例えば、接触位置を決定するために、コントローラの電子回路によって捕捉された4つのセンサーシグナル:Xright,Xleft,Ytop,Ybottom.に関して、本発明による方形のタッチパネルの一例において、2つのグレーティングトランスデューサを各コーナーに設置される。このことは、例えば、より多くのアレイ列のうちの3つによるX座標の測定により更に一般化できる。しかし、特別に興味深いのは、ウェッジトランスデューサとの類似点を持っていないグレーティングトランスデューサタッチパネルである。
【0163】
グレーティングトランスデューサは、エッジトランスデューサよりもウェシ゛トランスデューサに似ており、自由端近傍に関係なく基板表面のいずれの場所にでも設置できることに留意すべきである。しかし、基板表面上に接合されたウェッジトランスデューサとは違って、他のセンサー構成(sensor subsystem)の音波の進路(伝播路)におかれたとき、音響的に完全に不透明な障害害物としての存在を必要としない。グレーティングトランスデューサは、センサー構成の上にオーバーラップさせるための設計の自由度をより大きくする。特にグレーティングトランスデューサは図23,24に示されているように、センサー構成の継ぎ目のない敷き詰めを可能とする。
【0164】
図23は、送信側反射アレイ146及び受信側反射アレイ144と対応して、一対の送信側グレーティングトランスデューサ142及び受信側グレーティングトランスデューサ140を示している。そのようなグレーティングや反射アレイは多くの方法で、例えば、印刷やエッチング、金属基板への刻印、ポリマー基板のモールド成形を利用して形成可能である。好ましい態様では、グレーティングトランスデューサ140,142は一方向性トランスデューサであり、例えば、θB<0゜であるので、図18に示されたのと同様の配列で、圧電振動子と基板の裏側との間に設置された基板と同じ材料で作成されたくさび形状が挙げられる。
【0165】
図24は、複数対の格子150X,152X,150Y,152yと反射アレイ154X,156X,154Y,156Yのタイル状の配列の一つの可能性を示している。黒丸は、図23のような送信用グレーティングトランスデューサ150X,150Yを示しており、太い矢印は送信側反射アレイ154X,154Yを示し、細い矢印は受信側反射アレイ156X,156Yを示し、白丸は受信用グレーティングトランスデューサ152X,152Yを示している。そのほかの可能性として、送信側反射アレイと受信側反射アレイとを重ね合わせ、反射アレイを単一の送信受信共通のグレーティングトランスデューサ(図示していない)と結合させることが挙げられる。図24に点線矢印で示されるように、X軸送信側反射アレイは、図の下方向に音波を方向転換させる。同様にY軸反射アレイ154Yは、図の右方向に音波を方向転換させる。なお、表面上のそれぞれの点は、少なくとも1つのX軸センサーサブシステム及び少なくとも一つのY軸センサーサブシステムによって検出される。実際、ほとんどのタッチパネルにおいて、X軸側及びY軸側の2つの測定を行っている。そのようなタイル状の配列(敷き詰め)は、任意の大きさのタッチパネルを支持が可能である。接触点160において、Y座標は波動158Yによって検出される。またX座標は波動158X,158X′によって検出される。
【0166】
図24の態様において、低減した結合強度を持つグレーティング(及び反射アレイ)を設計することは可能である。このことは信号強度を減少させ、個々のセンサーサブシステムの最大可能サイズを減少させる一方で、そのことは他の重ねられたセンサーサブシステムの成分からの音響シグナルを影で覆うことを、有利に減少させる。所望の音響信号の進路が直交したX及びY方向からの逸脱もまた有益である。それは、例えば、X側反射アレイがY軸センサー副システムに対して局所化された影の減少を生じさせるためである。好ましい態様では、レーリー(Rayleigh)波が接触を検出するために使われる。例えば、タッチ表面はロボット装置のアルミニウムや鉄製シェル(外板)であってもよく、それは平面である必要はない。そのような接触探知機能を持つロボット表面は、例えば衝突回避のために使用してもよい。必要により、金属タッチ表面は、力が接触表面に対してプラスチックを押圧したときにのみ、緊密な音響的な接触とするように設計されたプラスチックカバーシートを備えていてもよい。
【0167】
他の好ましい態様では、ラブ(Love)波が接触を検出するために使われる。ラブ(Love)波基板は、例えば高密度のエナメルでコートされたアルミニウムなどにより提供されてもよい。この場合、グレーティングトランスデューサや反射アレイは、アルミニウム表面における溝又はエッチングとして、またはエナメル中に突出した適用材料として提供される。そのような構成は、例えばフェルトペンインクからの溶剤の乾燥などの液体汚染物質に対する感度の減少が望まれる大型ホワイトボードの応用として興味深い。
【0168】
実施例16
実施例10で議論したように、基板の裏面での反射と組み合わされた図12の厚み振動子は、横波との結合に使用可能である。この態様は、横波などの縦波と違った波を、ラブ(Love)波と結合させるために使用できることを示している。この構成は、例えば、図14に示されるように、ラブ(Love)波基板196を含んでいる。一対の受信器を示す図25は好ましい態様を示しており、この態様では、ラブ(Love)波210,212は、バルク波214,216の伝搬軸に対して、グレーティングの面内において放出(発射)角度90゜で励起される。戻ってくるときには、そのバルク波は基板の裏面で反射され、圧電振動子198,200を取り付けたフロント傾斜面204,206と縦波モードとして結合する。
【0169】
放出/受入角度90゜の場合、グレーティング202,208は、ラブ(Love)波伝搬軸210,212に対して垂直ではなく、下記数式を満足する角度θgに従って回転又は傾いている。
【0170】
tan(θg)/VLove=sin(θs)/Vs
ラブ(Love)波の位相速度VLoveは経験的に決定又は測定でき、積層材料の既知の特性に基づいて計算してもよい。また角度θgは。有効なラブ(Love)波位相速度の決定を与える、最適又は最大効率の角度を見いだすため実験的に変化させることも可能である。ラブ(Love)波と横波との位相速度はあまり違いがなく、その角度は相対的に小さいため、θgの最適値はθsと大きく異なることはないであろう。
【0171】
なお、放出/受入角度が90゜である必要はない。しかし、90゜以外の角度では、効率の幾分かの損失が予想される。バルク波の滑り振動の水平成分は、もはやラブ(Love)波の滑り振動と平行ではないであろう。例えば、放出角度が45゜の場合では、効率において2倍の損失が予想される。このラブ(Love)波グレーティングトランスデューサの設計は簡単であり、かつコンパクトである。それは、簡単な傾斜(θB≠0)゜タイプのグレーティングトランスデューサと比較して、新たな製造工程を加える必要はなく、追加部品の必要もない。また、より高価なタイプの圧電振動子の必要性を避けるという長所も持っている。
【0172】
実施例17
反射アレイなしで作動する多くの音響タッチパネルシステムが存在する。例えば、米国特許3,673327号明細書,ジョンソン及びフレイベルガー(Johonson and Freyberger)(1972)およびトダコウジのPCT出願WO94/02911 (PCT/JP93/010288,1994) を参照。これらの文献は、本願明細書の内容をなす。グレーティングトランスデューサは、そのような音響タッチパネルの新規なバリエーションを可能とする。WO94/02911の図16および図19に類似している図26は、本発明による設計を示しており、“T”sは送信側グレーティングトランスデューサであり、“R”sは受信側グレーティングトランスデューサである。
【0173】
本発明の好ましい態様によれば、図26のこれらのグレーティングトランスデューサはポリビニリデンフルオライド(“PVDF”)シートで構成されており、このシート上には多数の圧電振動子を規定する金属パターン(メタライズパターン)が形成されている。このPVDFサブアセンブリは、それぞれのグレーティング要素に向かって伝搬するバルク波を発生又は生成するため、基板の傾斜面に配置されている。PVDFを使うと、トランスデューサ近傍でインピーダンス整合回路を用いるのが利点となるかもしれない。例えば、相対的に高いインピーダンスのPVDFの交差電極トランスデューサ又は櫛歯トランスデューサ(interdigital transducer)を有する低いインピーダンスケーブルの使用を許容するための電界効果トランスジスタがある。
【0174】
先行技術に記載のガラス基板の表面に接合した交差電極圧電振動子又は櫛歯圧電振動子(interdigital piezoelectric element)と比較して、本発明による表面のグレーティングと裏面の圧電振動子のグレーティングトランスデューサは、次のような可能な利点を与える。(a)簡単な圧電振動子電極デザイン、例えば1/4電極線幅を必要としない;(b)単一又は単独のグレーティング印刷工程を用いて、トランスデューサの相対的角度配列をより容易に提供できる;(c)使用者から離れた基板表面にデリケートな圧電振動子と電極接合部を移動できる。
【0175】
図27は、2つの異なる波動モード、例えばラブ(Love)波162とレーリー(Rayleigh)波164を結合する比較的簡単な構造を有するグレーティングトランスデューサを示している。基板84,86は、レーリー(Rayleigh)波とともに、ラブ(Love)波の伝搬を支持する。例えば、上部の圧電振動子174は、傾斜面178に設置された圧電厚み振動子であってもよく、この振動子はθ1=θB=60゜の縦波を介して、レーリー(Rayleigh)波と結合する。下部の圧電振動子174は、傾斜面176に設置された水平方向にその振動モードを有する圧電滑り振動子であってもよく、この振動子はθ2=θs=24゜の横波を介してバルク波168と結合する。グレーティング166の間隔は、縦波の侵入角度θB=60゜でレーリー(Rayleigh)波と結合させ、横波の侵入角度θs=24゜でラブ(Love)波と結合させるため、2次元のフーリエ変換の重なり合った有用なピークを与えるように、前記Bragg散乱の原理を利用して計算してもよい。横波の伝搬角度θBは、ラブ(Love)波位相速度、グレーティング間隔、横波速度を用いて計算してもよい。基板がアルミニウム(σ=0.355)であり、かつラブ(Love)波速度がレーリー(Rayleigh)波速度と比較的近い範囲で、横波侵入角度θBは近似的に24゜である。そのようなセンサーは、ラブ(Love)波の吸収とレーリー(Rayleigh)波の吸収との比から、例えば、指のタッチと水滴とを容易に識別又は区別する。
【0176】
他の態様では、図27でも例証しているように、0次オーダーのラブ(Love)波および1次オーダーのラブ(Love)波に対して感応する二重モードのグレーティングトランスデューサを提供する。この場合、双方の圧電振動子172,174は水平方向にその振動成分を有する圧電滑り振動子であり、その基板84,86は、0次および1次のラブ(Love)波の伝搬を支持するのに十分に厚く、遅い横波速度の層を上層に有している。表面で横波のエネルギーを優先的に吸収することにより、タッチは滑りモードのエネルギーの深さ方向プロファイルを変えることが可能であり、それ故、タッチは、いくつかの入射波動エネルギー、例えば0次のラブ(Love)波162のエネルギーを、例えば1次のラブ(Love)波164のエネルギーへと変換する。0次のラブ(Love)波162を送信し、1次のラブ(Love)波164もしくは0次のラブ(Love)波162および1次のラブ(Love)波164の双方を受信することによって、ポジティブ(凸の)タッチ信号や、ポジティブ(凸)及び減衰(凹)の双方の応答性(反応性)を有するセンサー構成が得られる。仮に、凸のタッチ信号のみが設計されるのであれば、グレーティングトランスデューサは、一つの圧電振動子を用いて、所望のモードで設計されてもよい。
グレーティングトランスデューサは、それ故、音響タッチパネルに音響モードの選択という、拡大された追加項目を提供する。
【0177】
実施例18
音波源は、その表面と裏面とに簡単な電極を有する単純な圧電振動子を用いる必要はない。本発明の実施例によれば、より複合した音響源を考察する。これらには、多重圧電振動子及び/又は複合電極配列(図28に示されるような電極配列)を有する圧電振動子が含まれる。
【0178】
比較的厚い基板、例えば厚さ12mmのガラス基板の場合、グレーティング182から比較的遠い底面194よりむしろ、グレーティング182に近い垂直端部(側面部)192に圧電振動子188を取り付けるのが好ましい。そのような近接した圧電振動子188の位置は、圧電振動子188から放出又は発射されたバルク波184の回折による拡散を最小化するのに役立つであろう。好ましい態様によれば、圧電振動子188は、浮遊底部電極190と、幾何学的に相互に組み合わされた外部の一連の電極(櫛歯電極)192,194とを有する。隣接する櫛歯電極192,194の中心から中心の間隔sは、垂直方向に対する所望するバルク波184の角度θBの余弦(cosine)で、基板のバルク波の半波長を割った値、すなわち下記式の値sと一致する。
s=1/2*λ(バルク)/cos(θB)
なお、全ての交差電極192,194は、分極の間は共通の電圧を保たれているが、操作の間は指示されたように交互に変わる極と接続されている。
【0179】
図1で示された構造に比べて、図28に示された構造において3dBの損失が予想される。なぜなら、上方向へのバルク波184と下方向へのバルク波186とは両方とも圧電振動子188によって励起されているからである。これに対して、電極を調整するため、電極へ或いは電極からの信号の個別の位相をコントロール可能な電子回路と、十分に小さな電極間隔とを用いると、位相を交互に変える必要はなく、下方に伝搬するバルク波186は消去される。
【0180】
実施例19
先行技術で公知のように、基板に適切に配列し形成した一対のグレーティングは、基板の第1の表面から第2の表面へ波動エネルギーを遷移させるために使用してもよい。本願明細書の内容をなすハンフリー及びアッシュ(Humphryes and Ash)(1969)を参照。すなわち、この構造は“媒介物又は媒体”(via)と考えてもよい。本発明によれば、そのような構造は、基板の第1の表面にエネルギーを有する波動を発生又は生成するなら、ウェッジトランスデューサやグレーティングトランスデューサを含むいかなる構造であってもよく、前記波動は、基板の第2の表面に有効に遷移されてもよい、それ故反射アレイやタッチ表面より分かれた基板表面への構造を生み出す音響波を再び動かしている。そのような配列もまた、音響波が、垂直方向に障害(妨害)や干渉する構造を通過するのを許容している。
【0181】
図29,30,31は、より大きな連続基板の表面242上に任意に位置するタッチ表面238を与えるための手段として、音響媒介物(acoustic vias)を利用する例を示している。基板246は、例えば平面の表面や裏面として利用するのに十分な大きさを有する6mm厚の熱処理(tempered)ソーダライムガラスの板でもよい。設計技術者は、基板の連続表面242の内部に、任意にタッチ検出領域238を配置してもよい。唯一、4つの延出する一連のグレーティング240だけが前面242に現れる。好ましい態様では、これらのグレーティングは、基板表面242の前面に全く妨害物か存在しないような形態で、クリアなエポキシ又はエポキシ樹脂を用いて埋められた溝である。特に基板表面には反射アレイやトランスデューサ成分がないことに留意すべきである。
【0182】
タッチ検出領域の裏面で、画像表示素子は、適当な結合剤(接着剤)254を用いて、接着領域236において、基板の裏面244と光学的に接着される。画像表示装置又は素子(図示せず)は例えば10.4インチの液晶ディスプレイであってもよい。そのほかに画像表示素子は、基板に光学的に接着された、背面投写型のプロジェクトスクリーンを含んでいてもよい。それ故、設計技術者は、例えばレストランで注文する際のカウンターや、オフィスで働いている人間のインターネットやイントラネットのインターフェースとしてのデスクトップの連続表面にタッチディスプレイのインターフェースを配置可能である。
【0183】
基板246の底面244には、4つの多重グレーティング要素234と4つのレーリー(Rayleigh)波ウェッジトランスデューサ230が、例えば図1で示した構造と同様な配列で設けられている。なお、反射アレイ232のペアの間の通常の音波通過路(伝播路)が、画像表示装置の音波吸収性光学的接着剤によって遮断されている。反射アレイ232と画像表示素子との間には、グレーティング234が存在する。グレーティングや反射アレイの作製には、印刷,線の刻み込み(罫引き)、エッチング、その他の表面材料の除去プロセスや、添加又は充填プロセスなどを含む、多くの選択が可能である。
【0184】
表面と裏面とのグレーティングのペアは、その二つの面の間でレーリー(Rayleigh)波248,252のエネルギーを遷移させるための音響的媒介物として働く。好ましい構成によれば、垂直方向に対してθB=−45゜で伝搬している横波250は、グレーティング234,240と結合している。それ故、ソーダライムガラスにおいて、配分係数F=1の条件を満足している。グレーティングの間隔pは次の式を用いて計算してもよい。
【0185】
p=(VR/f)/(1−sin(θB)+(VR/VB))
例えば、使用周波数f=5MHz、レーリー(Rayleigh)波速度VR=3.16mm/μsec、横波速度VB=3.43mm/μsec、およびθB=−45゜の条件下で、グレーティングの間隔は、p=383μmである。グレーティング構造が例えば1cm幅であるなら、そこには約25本の格子が存在する。
【0186】
この態様は、グレーティングトランスデューサの形態をなす音響媒介物の有用性を示している。また、この態様は、基板に直接に接着する圧電振動子なしに、実施例のグレーティングトランスデューサの使用をより一般的に示している。
【0187】
実施例20
本発明によれば、グレーティングは平面上の一連の(又は連続した)線である必要はなく、より進んだ設計思想を含んでもよい。例えば、このことは、多重軸検出のための単独トランスデューサの使用を可能とする。それ故、共通のX/Y受信用または送信用グレーティングトランスデューサが可能である。
【0188】
図9を参照すると、圧電振動子60a,60bがその横幅全体で、近似的に二重にされた一つの圧電振動子に置換される箇所に、共通X/Yグレーティングトランスデューサの一例が位置する。随意に、グレーティングトランスデューサ54a,54bの2組は、2つの有用な2次元フーリエ成分と重なり合ったグレーティング構造を形成するように、部分的に一致するように延出することが可能である。その他には、そのような部分的に重複した(重なり合った)グレーティングトランスデューサは、ダイアモンド形状の単位セルに関する反射点格子と同様の、格子パターンのネガによって置換可能である。
【0189】
図32は、基板に対して水平に設置された(すなわちθB=0゜)のと同様の設計のグレーティングトランスデューサである。この場合のグレーティングは、点222による正方配列もしくは直交配列であり、そのX方向とY方向との双方における中心間距離は、例えばレーリー(Rayleigh)波の約1波長である。このグレーティング222の下の圧電振動子220は、X224アレイからの信号とY226アレイからの信号の双方に応答する。なお、圧電振動子222により励起された信号は、複数の周波数成分を含んでいるかもしれない。軸に沿った要素の間隔は散乱特性によって決定されるであろう。そのため、グレーティングは異なる軸に沿った周波数で選択してもよい。したがって、θB=0゜の場合では、直交格子は、第1の周波数が一つの軸に沿って伝搬し、第2の周波数が第2の軸に沿って伝搬することを許容する。θB≠0゜の場合、直交格子は斜方格子へと置き換わる。
【0190】
実施例21
図33,図34は、例えば半球状センサーのような非平面の例を示しており、タッチ表面は、北緯23.5゜で“回帰線”の全ての北方向と一致又は対応し、赤道と回帰線との間の領域は、アレイとトランスデューサのために利用される。図33は、タッチゾーン、2つの送信用グレーティングトランスデューサ、2つの送信用反射アレイ、2つの受信用反射アレイ、および2つの受信用反射アレイが表されるメルカトル図法を与える。これらの要素は、2つのセンサーサブシステムを形成し、それは図34の投影図にも示されている。これら2つのセンサーサブシステム(反射アレイを延出及び重合わせることによりわずかに部分的に重なり合うように、代表的に設計されている)は、ともに、タッチゾーン全てを一つの座標で測定する方法を与えてくれる。
【0191】
そのようなセンサーは“超音波トラックボール”(ultrasonic trackball)、すなわち可動部がなく、機械式トラックボールの外観、感触および機能を有する入力素子として働く。これは、X方向への移動成分を持ったタッチゾーン上の指の移動によって超音波トラックボールとしての役割を果たす。関連するコントローラの電子回路は、タッチ情報を処理し、通常の機械式トラックボールと同じ様式でホストコンピュータにデータを送ってもよい。
【0192】
追加のセンサーサブシステムを、図33と34とに示されるセンサーサブシステムの上に重ねてもよい。合計で8個のグレーティングトランスデューサと8個の反射アレイを使って、タッチゾーン表面の2次元的な接触位置が十分に再現できる。合計で12個のグレーティングトランスデューサおよび反射アレイを使って、例えばY軸(北極264を通る)に対して+60゜と−60゜まで回転された図33に示された成分のコピーを含むことによって、タッチゾーンは3つの座標尺度の余分な又は重複したセットを用いて十分にカバーできる。そのような重複は、多重接触情報を処理できる頑健なアルゴリズムの発展のための追加物を増加させる。グレーティングトランスデューサを使用すると、圧電振動子、電気的な結合部、およびおそらくコントローラの電子回路自身を、半球形の基板シェルの内部に配置可能になる。そのため、グレーティングトランスデューサは、頑健性と小型化とが向上した機械的な構造を有する超音波トラックボールを可能とする。
【0193】
一つの例では、基板は、直径15cm、厚さ3mmの半球型のスチールシェルを形成している。そのような超音波トラックボールは、かなりの物理的酷使にさらされても、まだ十分に機能を持っている。従って、入力装置はキオスクへの公共的なアクセスのための機能性を有するトラックボールを供給する。
【0194】
変更例では、基板の半球性は、使用者の手に人間工学的によりよい適合を与えるようゆがめられる。なお、このことは機械的なトラックボールのための追加物ではない。
【0195】
さらに他の例では、直径5cm、厚さ3mmのポリスチレン製、例えばダウケミカル社のスチロン(Styron)R 666でできた半球形のシェル(殻)の形を成している。特筆すべきは、この構成では、反射アレイ,グレーティング,グレーティングトランスデューサの圧電振動子を据え付けるための傾斜面を含む基板は、金型の設計中にその全てを含めてもよい。このことは低コストの製作工程を支持する。それに加えて、そのようなポリスチレンセンサーの操作周波数は2MHzである。横波速度と縦波速度とから計算される、既知のレーリー(Rayleigh)波速度は0.99mm/μsecであり、その波長λR は約1/2mmである。このことは、約5MHzの操作周波数でのガラスのレーリー(Rayleigh)波速度と本質的に同じであることに留意されたい。音響減衰定数が、周波数に対して単調増加関数であるとき、そのようなより低い操作周波数は、直径5cmのセンサーに対して15cmより短い最大通過路(伝播路)長を支持するため、十分低い音響定数を実現化する。出版された文献の中では、スチロン(Styron)R 666はポリマーの中でも5MHzで1.8dB/cmという低い音響減衰定数を持っている。この値については、ホームページ(http://www.ultrasonic.com/Tables/plastics.html)を参照のこと。2MHzで評価すれば、この値は0.72dBより低く、言い変えれば15cmの通過路長に対して10dBより低い。米国特許第5,648,643号明細書は、横波モードの音響タッチパネルでのポリスチレンの使用を開示している。レーリー(Rayleigh)波は横波の音響エネルギーと縦波の音響エネルギーとが混合しているので、同様の音響損失の評価が観測されるであろうこと、そして現在の音響タッチパネルのコントローラの設計は、そのようなセンサーシステムで使用できることと思われる。
【0196】
図33と図34とで示されているR1/T1とR2/T2とのセンサーサブシステムにおいて、送信側反射アレイ270は、X軸を横切り、赤道面260に対するX軸の角度Θまで回転されている大円(great circle)の断面(又は区分)をたどっている。例えばΘ=20゜程度の傾斜角は、回帰線の緯度23.5゜より小さい。図15,図17,図18,図25に示すグレーティングトランスデューサを使用してもよい。圧電振動子266,268が垂直方向の長軸で取付けられ、かつグレーティングは放出角度θE=Θで設計されているか、又はθE=0゜の設計は、圧電振動子266,268全体を含んでいるグレーティングトランスデューサの構造それ自身全体が、角度Θまで回転している場合に使用してもよい。。一つのオプションは配分係数F=1の設計であり、この設計では、負の傾斜面角度θB=30゜を有するポリスチレン基板に、横波モードの圧電振動子266,268が配置されている。
【0197】
反射アレイ270,272の設計は、使用されたトランスデューサのタイプとは全く無関係であるが、完全性を期すために以下に説明する。
反射アレイ270,272は大円の円弧(セグメント)を形成している。送信側アレイ270は半球の表面上で、以下に示す道筋をたどっている。
x(s)=R・cos(πs/2)
y(s)=R・sin(Θ)・sin(πs/2)
z(s)=R・cos(Θ)・sin(πs/2)
式中、Rは半球の半径、例えば2.5cmなどである。ここで使用されているx,yおよびz方向の定義は図34に示されている。同様に、受信側アレイの道筋を以下に示す。
x(s)=R・cos(πs/2)
y(s)=R・sin(Θ)・sin(πs/2)
z(s)=−R・cos(Θ)・sin(πs/2)
これらの式中、sは通過パラメータであり、このパラメータは、送信側トランスデューサ266と受信側トランスデューサ268との間と対応する音波の通過路274に一致する遅延時間を伴って、わずかに単調増加する。この例において、アレイはsの小さな正の値に向けて出発するだろうし、そして前記センサーサブシステムのペアの間の部分的な重なり合いを与えるために、1よりわずかに大きなsの値で終わるであろう。
【0198】
以下の関係によって定義される半球表面の(θ,φ)座標系について考察する。
【0199】
−π/2<θ<π/2 0<φ<π
x(θ,φ)=R・cos(θ)・cos(φ)
y(θ,φ)=R・cos(θ)・sin(φ)
z(θ,φ)=R・sin(θ)
この座標系で、送信アレイは以下の道筋をたどる。
θ(s)=arcsin(cos(Θ)・sin(πs/2))
φ(s)=arctan(sin(Θ)・tan(πs/2))
そして、受信アレイは以下の道筋をたどる。
θ(s)=−arcsin(cos(Θ)・sin(πs/2))
φ(s)=arctan(sin(Θ)・tan(πs/2))
タッチゾーンを通る音波の通過路(伝播路)もまた大円の円弧(セグメント)である。通過パラメータsで送信側アレイ270および受信側アレイ272とつながっている大円は、Z軸に対する経線の区分(セグメント)、すなわち、以下に示す大円の範囲である。
【0200】
−arcsin(cos(Θ)・sin(πs/2))<θ<arcsin(cos(Θ)・sin(πs/2))
φ=arctan(sin(Θ)・tan(πs/2))
ラブ(Love)波やその他の音響モードはいくつかの構成にとって有用であるかもしれないが、レーリー(Rayleigh)波の音速VR を用いる場合の設計について、以下により細部に説明する。通過パラメータの関数としての遅延時間は、次の式で与えられる。
【0201】
T(s)=(R・(πs/2))/VR+2R・arcsin(cos(Θ)・sin(πs/2))/VR
+(R・(πs/2))/VR
遅延時間はまた、音波の通過路を横切るタッチ座標φの項で表すことができる。
T(θ)=(2R/VR)・arctan(tan(φ)/(sin(Θ))+
2R・arcsin(cos(Θ)・sin(arctan(tan(φ)/(sin(Θ)))/VR
この解析式を使って、調査票(look-up table)を計算してもよい。そのような調査票は、信号の摂動の測定遅延時間をタッチ座標φへ変換するための実時間(リアルタイム)マイクロプロセッサーコードに使用することができる。
【0202】
反射器の間隔と角度は前記の原理を使用して計算できる。図34の第1のセンサーサブシステムを再び参照する。送信側アレイにおいて、反射器のスペーシングベクトルは次式で表される。
S=2πn(kt(s)−kp(s))/|kt(s)−kp(s)|2
ここで、kt(s)とkp(s)は、以下の式により、前記既知のアレイの道筋(θ(s),φ(s))から計算することができる。
kt(s)=(2π/λR)・(-sin(πs/2)), sin(Θ)・cos(πs/2),
cos(Θ)・cos(πs/2)
kp(s)=(2π/λR)・(-cos(φ(s))sin(θ(s)),
-sin(φ(s))sinθ(s)), cos(θ(s))
式中、λRはレーリー(Rayleigh)波の波長を示す。Sの絶対値は反射器に対して垂直方向での反射器間の中心間の距離を示し、Sの方向は反射器要素に対して垂直方向である。
【0203】
タッチパネルのトランスデューサシステムにおける新規の概念と新規な形状とを示しかつ説明した。それらは、求めてきた課題又は目的と利点とを全て充足する。しかし、好ましい態様を開示する本明細書および添付図面を参照すると、様々な発明の変化、改良、バリエーション、組み合わせ、副次的な組み合わせ、および他の使用や応用は、当業者にとって明白になるだろう。本発明の精神や範囲から逸脱しない全てのそのような変化、改良、バリエーション、及び使用や応用は、本発明によって包含され、本発明はクレームにより限定される。
【0204】
【発明の効果】
本発明では、タッチ位置を検出できる新規な音響的タッチ検出装置および基板(又は伝播媒体)やタッチスクリーン(タッチパネル)を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は従来の音響タッチパネル装置を示す概略斜視図である。
【図2】 図2は曲面パネルと外枠(ベゼル)との関係を示す概略断面図である。
【図3】 図3はフラットパネルと外枠との関係を示す概略断面図である。
【図4】 図4は表面波又は板波とバルク波との間の変換機構を説明するための概略図である。
【図5】 図5は本発明の座標入力装置の一例を示す前面概略斜視図である。
【図6】 図6は本発明の座標入力装置の一例を示す側部概略斜視図である。
【図7】 図7はタッチで誘導された摂動を有する検出された受信音響波形図である。
【図8】 図8は本発明のグレーティングトランスデューサデバイス(素子又は装置)の概略図であり、直接の進路、厚み振動モード圧電振動子を取り付けた背斜面、鈍角となる入射角度を有し、フラットパネルディスプレイの前に前面外枠と表面とのシーリング材を有する。
【図9】 図9はグレーティングトランスデューサシステムを示す概略図であり、基板の面内のバルク波の伝搬軸の射影が変換された波の伝搬軸とは異なる例を示している。
【図10】 図10は本発明のグレーティングトランスデューサデバイスの概略図であり、直接の進路と、背面に厚み振動モードの圧電トランスデューサを有し、圧電トランスデューサと散乱中心との間の基板内部での厚い共振を有している。
【図11】 図11は圧電トランスデューサと基板との構成の等価回路図である。
【図12】 図12は本発明のグレーティングトランスデューサデバイスの概略図であり、反射された進路、表斜面に取り付けられ横波モードバルク波を生成する圧電トランスデューサ、そして鈍角となる入射角度を有している。
【図13】 図13は本発明のグレーティングトランスデューサデバイスの概略図であり、直接の進路、背斜面に取り付けた横波モード圧電トランスデューサ、そして鈍角となる入射角を有し、基板中のラブ(Love)波を支持している。
【図14】 図14は本発明のグレーティングトランスデューサデバイスの概略図であり、反射された進路、表斜面に取り付けた横波モード圧電トランスデューサ、そして鈍角となる入射角を有し、基板中のラブ(Love)波を支持している。
【図15】 図15は、収束音響波を発信する格子を有する本発明のグレーティングトランスデューサを用いたタッチパネルシステムを示す概略図である。
【図16】 図16、湾曲グレーティング素子のモード変換と焦点効果とを説明するための概略図である。
【図17】 図17は、本発明のグレーティングトランスデューサデバイスを示す概略断面図であり、ポリマー基板に、直接の進路、背面の内部の斜面に取り付けた圧電トランスデューサ、鋭角となる入射角を有している。
【図18】 図18は、本発明のグレーティングトランスデューサデバイスを示す概略断面図であり、端部に取り付けられた横波モード圧電トランスデューサと、背面内部の斜面で反射される進路と、鋭角となる入射角を有している。
【図19】 図19は、本発明のグレーティングトランスデューサを示す概略断面図であり、共振器に取り付けられた圧電トランスデューサを有し、一方向性の音響波放出を提供する非対称構造のグレーティング構造を有する。
【図20】 図20は、本発明のグレーティングトランスデューサを示す概略断面図であり、共振器に取り付けられた圧電トランスデューサを有し、グレーティング構造に対して非対称な位置に配置したトランスデューサを有し、音響波放出の選択的な方向性を与えている。
【図21】 図21は、本発明のレーティングトランスデューサの構成を示す概略断面図であり、共振器に取り付けられた圧電トランスデューサを有し、非対称要素を持つグレーティング構造と相殺機能層を有するグレーティング構造とを備え、音響波放出の選択的な方向性を与えている。
【図22】 図22は、本発明のレーティングトランスデューサの構成を示す概略断面図であり、共振器に取り付けられた圧電トランスデューサを有し、非対称要素を持つグレーティング構造と相殺機能層を有するグレーティング構造とを備え、音響波放出の選択的な方向性を与えている。
【図23】 図23は、本発明のグレーティングトランスデューサを示す概略図であり、セグメントに区切られた反射アレイと、それぞれがグレーティングトランスデューサ構造とつながっている反射アレイセグメントとを有している。
【図24】 図24は、本発明のグレーティングトランスデューサを示す概略図であり、セグメントに区切られた反射アレイと、それぞれがグレーティングトランスデューサ構造とつながっている反射アレイセグメントとを有している。
【図25】 図25は、ラブ(Love)波の伝搬を支持する基板上の本発明のグレーティングトランスデューサを示す概略図であり、変換されたラブ(Love)波はバルク波の伝搬軸と直角の方向に進行している。
【図26】 図26は、反射アレイなしで操作する本発明のグレーティングトランスデューサを示す概略断面図である。
【図27】 図27は、本発明のグレーティングトランスデューサを示す概略断面図であり、グレーティングは2つの異なる波と2つの圧電トランスデューサとを結合させている。
【図28】 図28は、本発明のグレーティングトランスデューサを示す概略断面図であり、基板中のバルク波との結合を特定の方向に向けるための複合圧電トランスデューサ素子を有している。
【図29】 図29は、本発明のシステムを示す概略図であり、基板の表面と裏面との間で音響エネルギーを遷移させる一対のグレーティング構造を有している。
【図30】 図30は、図29のシステムの概略断面図であり、図29のシステムを使用するタッチ検出構造は、圧電振動子又はウェッジトランスデューサなしで、簡素化された前面構造を有する。
【図31】 図31は、図30のタッチセンサーシステムの裏面を示す概略図であり、前面はタッチ検出を許容する一方で、音響トランスデューサ、反射アレイ、および延出したグレーティング構造は、基板の裏面に配置されている。
【図32】 図32は、本発明のグレーティングトランスデューサを示す概略図であり、基板の面内で2つの有意な受信可能な角度を有し、2つの異なる変換された波と結合している。
【図33】 図33は、本発明のシステムを示す概略図であり、グレーティングトランスデューサを使用する半球形の検出システムのための波動の進路をメルカトル投影図に示している。
【図34】 図34は、本発明のシステムを示す概略図であり、グレーティングトランスデューサを使用する半球形の検出システムのための波動の進路を平面図に示している。
【符号の説明】
1…伝播媒体(基板)
2…表示領域
3a,3b,9a,9b…傾斜面
4a,4b,10a,10b,32,32′,32″,60a,60…圧電トランスデューサ(圧電振動子)
5a,5b,5a′,5b′,8a,8b,8a′,30,30′,54a,54b,90′,90″,
140,142…格子(グレーティング,回折音響波モード結合器)
6a,6b,7a,7b,144,146…反射アレイ
20,20′,66,86…基板
20,132…ガラス
130…ポリマー

Claims (72)

  1. (a)表面を有する基板、
    (b)前記表面と交差する軸に沿って前記基板を通って伝搬しているバルク波である第1の波と結合している音響波トランスデューサ、
    (c)前記表面で多くのエネルギーを有する変換波のモードを有しており、かつ前記表面に平行な軸に沿って伝搬する第2の波と前記第1の波とを結合させる、回折音響波モード結合器、および
    (d)前記第2の波のエネルギーの摂動を検出するための手段を備えている音響的接触検出装置。
  2. 前記音響波トランスデューサが、前記表面に対して斜め方向にバルク波を伝搬させるための手段で構成されている請求項1記載の装置。
  3. 前記音響波トランスデューサが、前記回折音響波モード結合器に対して前記第1の波を直接結合している請求項1記載の装置。
  4. 前記音響波トランスデューサが、前記第1の波を前記回折音響波モード結合器に結合させており、この回折音響波モード結合器が、第1の波の進路において少なくとも一つの音響的な反射器を有している請求項1記載の装置。
  5. 前記回折音響波モード結合器が、第3の波と結合しており、この第3の波が、前記第1の波のエネルギーからなり、かつ前記第1の波と異なる波動モードを有する請求項1記載の装置。
  6. さらに、前記表面と交差する軸に沿って前記基板を通して伝搬するバルク波である第8の波と結合する第2の音響波トランスデューサを備えており、前記回折音響波モード結合器が、前記第8の波のエネルギーを、前記第2の波と区別され、かつ前記表面に多くのエネルギーを有する変換波のモードを有するとともに、前記表面に平行な軸に沿って伝播する第9の波と結合させている請求項1記載の装置。
  7. 前記回折音響波モード結合器が、一連の散乱中心で構成されている請求項1記載の装置。
  8. 前記一連の散乱中心が、前記表面上に配置されている請求項7記載の装置。
  9. 前記回折音響波モード結合器が、前記基板の周囲とは異なる音響的な特徴を有する、間隔を置いた一連の要素で構成されている請求項1記載の装置。
  10. 前記要素が周期的又は規則的に間隔を置いた、細長い線形の要素又は格子で構成されている請求項9記載の装置。
  11. 前記要素が周期的又は規則的に間隔を置いた細長い湾曲した要素又は格子で構成されている請求項9記載の装置。
  12. 前記回折音響波モード結合器が、前記基板の周期的な音響摂動を生成するものからなる請求項1に記載の装置。
  13. さらに、前記第2の波の進行方向の軸とは違った軸に沿って、前記表面と平行にそれぞれが進行している、一連の第4の波として前記第2の波のエネルギーの一部を反射するために、前記第2の波の進路の少なくとも一部に沿って配置された一連の要素を備えている請求項1記載の装置。
  14. 前記一連の第4の波が、単調増加で変化する明瞭な固有の時間遅れを有する請求項13記載の装置。
  15. さらに、前記一連の第4の波の軸を横切る進路に沿って配置された一連の要素を備えており、この要素は、共通の受信器にむけて、前記一連の第4の波のエネルギーの少なくともその一部を反射し、前記共通の受信機が前記一連の第4の波のうち反射部分のエネルギーと関連のある信号を生成する請求項14記載の装置。
  16. 前記第2の波のエネルギーの摂動を検出するための手段が、共通の受信器からの信号を解析し、受信エネルギーの摂動を検出するための手段で構成されている請求項15記載の装置。
  17. さらに、複数の音響波トランスデューサを備えており、各音響波トランスデューサが前記表面と交差する軸に沿って基板を通して伝搬する異なるバルク波と結合しており、前記異なるバルク波のエネルギーが、それぞれ、前述の表面に多くのエネルギーを有する変換波動モードを有し、かつ回折音響波モード結合器によって前記表面と平行な軸に沿って伝搬する波と結合している請求項1に記載の装置。
  18. 前記異なるバルク波と結合した、少なくとも2つの前記変換波動モードが、平行な進路に沿って伝搬する請求項17記載の装置。
  19. さらに、波動分散機と波動圧縮器とを備えており、それぞれが、前記表面で多くのエネルギーを有する前記波動の音響エネルギーの通過路の異なった部分に沿って連続して配置され、前記波動分散器と波動圧縮器とが、接触を検出するのに適合した前記表面部により分離されている請求項1に記載の装置。
  20. さらに、第5の波と結合する第2の音響波トランスデューサを備えており、その第5の波は前記表面と交差する軸に沿って基板を通して伝搬するバルク波であり、前記第5の波が、前記表面に多くのエネルギーを有する変換波動モードを有し、かつ前記表面に平行な軸に沿って伝搬する第6の波と結合しており、前記第2の波が、波動分散器の少なくとも一部を含む通過路を通過しており、前記第6の波が、前記波動圧縮器の少なくとも一部を含む通過路を通過している請求項19記載の装置。
  21. 前記検知手段が前記摂動の位置を検出する請求項1記載の装置。
  22. 前記表面が平らである請求項1記載の装置。
  23. 前記表面が平滑ではあるが平面ではなく、前記第2の波の伝搬軸が、表面に従って軌跡をもって変化している請求項1記載の装置。
  24. 前記音響波トランスデューサが、平坦な音響的結合表面で構成され、平坦な音響的結合表面が、第1の波が横断する表面の一部に対して傾斜している請求項1に記載の装置。
  25. 前記音響波トランスデューサが圧電振動子で構成されている請求項1記載の装置。
  26. 前記音響波トランスデューサに結合される第1の波と第7の波とを結合させる回折音響波結合器を含んでいる請求項1記載の装置。
  27. 前記第1の波が、前記第2の波の伝播軸と異なり、かつ前記表面への投射軸となる伝播軸を有する請求項1記載の装置。
  28. 前記第1の波が、縦波モード、表面に対して平行な振動方向を有する横波モード、表面に対して平行でない振動を有する横波モードからなる群から選択された1又はそれ以上の振動成分を有する請求項1記載の装置。
  29. 前記第2の波が、縦波モード、表面に対して水平方向にその振動方向を有する横波モード、表面に対して垂直な面内にその振動方向を有する横波モードからなる群から選択された1又はそれ以上の振動成分を有する請求項1記載の装置。
  30. 前記第2の波が、レーリー(Rayleigh)型波で構成されている請求項1記載の装置。
  31. 前記第2の波が、ラブ(Love)型波で構成されている請求項1記載の装置。
  32. 前記基板が、不均一な音響特性を有する請求項1記載の装置。
  33. 前記基板が、異なる音響特性を有する前記表面に対して平行な層を備えている請求項1記載の装置。
  34. 前記第1の波が、交差する点において前記表面の接線平面に対して少なくとも約|π/8|ラジアンの傾きを有する軸に沿って伝搬する請求項1記載の装置。
  35. 前記第1の波が、すべり振動モードを含有するとともに、前記第1の波の伝播軸の前記表面への投影と前記第2の波の伝搬軸のなす角が45°以上である請求項1記載の装置。
  36. 前記音響波トランスデューサが、縦波モードのバルク波と結合し、前記第2の波が、表面に対して水平偏波の横波を含有している請求項1記載の装置。
  37. 前記表面と交差する軸に平行に伝搬する前記第1の波だけが、特定の音響周波数で、前記回折音響波モード結合器における、水平成分のブラッグ散乱条件を実質的に満足する請求項1記載の装置。
  38. 前記回折音響波モード結合器が、ガラスフリットを含む組成物から前記表面上に形成された一連の要素で構成されている請求項1記載の装置。
  39. 前記回折音響波モード結合器が、ポリマーマトリックスで構成された組成物から表面上に形成された一連の要素で構成されている請求項1記載の装置。
  40. 前記回折音響波モード結合器が、ポリマーを含む高密度の無機組成物から表面上に形成された一連の要素で構成されている請求項1記載の装置。
  41. 前記回折音響波モード結合器が、前記表面に形成された一連の溝で構成されている請求項1記載の装置。
  42. 前記回折音響波モード結合器が、音響レンズとして作用する請求項1記載の装置。
  43. 前記回折音響波モード結合器が、少なくとも2つのバルク波と、変換波のモードを有する少なくとも2つの有用な波とを結合させるため、ブラッグ散乱条件を満足しており、前記各有用な波が、前記表面付近にかなりのエネルギー量を有するとともに、前記表面に平行な軸に沿って伝播する請求項1記載の装置。
  44. 前記音響トランスデューサが、基板の中で、前記表面に対して実質的に垂直な方向にその伝搬軸を有する前記第1の波と結合している請求項1記載の装置。
  45. 前記第1の波が、前記基板中で共振する請求項1記載の装置。
  46. 前記音響波の通過路の一部が、合計2πラジアンの約整数倍になる反射位相角を有する部分的な音響反射を含んでいる請求項1記載の装置。
  47. 前記音響波トランスデューサは電気信号発生器と電気的に結合し、前記基板がある周波数で音響的な共振性を示し、それ故、前記第1の波と、所定の信号強度を有する電気的入力信号との間の結合効率を高めるために、前記音響トランスデューサが前記周波数で音響的共振器と結合している請求項1記載の装置。
  48. 前記基板が、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、クラウンガラス、バリウム含有ガラス、ストロンチウム含有ガラス、ホウ素含有ガラス、ラブ(Love)波の伝搬が可能な積層ガラス、セラミック、アルミニウム、ラブ(Love波)の伝搬が可能なコートされたアルミニウム基板、および低い音響減衰率を有するポリマーからなる群から選択された材料である請求項1記載の装置。
  49. さらに、前記回折音響波モード結合器を形成する方法と同様の方法で形成された要素の配列からなり、受信時間が段階的に変化する一連の波として前記第2の波の一部を反射させるための手段を備えている請求項1記載の装置。
  50. さらに、前記基板を通して伝搬する一連の分散された波として、前記第2の波の一部を選択的に反射させるための手段を備えており、前記選択的な反射手段が、前記第1の波のうち変換されなかった各周波数成分と弱く結合しているかあるいは全く結合していない請求項1記載の装置。
  51. 前記回折音響波モード結合器が、前記第2の波の進行方向の軸に沿った非対称な形状を有する少なくとも一つの要素で構成されている請求項1記載の装置。
  52. 前記音響波トランスデューサがセラミック圧電振動子で構成されている請求項1記載の装置。
  53. 前記音響波トランスデューサがポリマー圧電振動子で構成されている請求項1記載の装置。
  54. 前記音響トランスデューサが、少なくとも二つの面で、基板によって機械的に保護されている領域で基板に設置されている請求項1記載の装置。
  55. 下記構成とともに、領域および表面を有する音響的な検出装置のための基板。
    (a)基板中で前記表面に交差する伝搬軸を有するバルク波と結合している音響トランスデューサ;
    (b)前記表面近傍に形成され、バルク波の音響波エネルギーを前記表面に平行な軸に沿って伝搬する波に変換するために適合した回折音響波モード結合構造;および
    (c)摂動の位置を測定するために適合した方法で、変換された音響波エネルギーを検出するための手段
  56. 前記検知手段が、前記変換された音響波エネルギーと、前記領域を通して伝搬し、かつ分散されて受信時間が段階的に変化する一連の波とを結合させるための手段で構成されている請求項55記載の基板。
  57. 表面を有する基板への接触を検出する方法であって、前記表面と交差する軸に沿って、前記基板を通して伝搬する基板中のバルク波を励起するステップ、前記バルク波のエネルギーを、表面付近に多くのエネルギーを有する変換された波動モードを有し、かつ前記表面に平行な軸に沿って伝搬する波に回折的に結合させるステップ、および変換された波動モードを有する波の摂動を検出するステップで構成された方法。
  58. 前記バルク波モードを、前記励起するステップと前記回折的に結合させるステップにおいて変換させる請求項57記載の方法。
  59. さらに、前記励起するステップと前記回折的に結合させるステップにおいてバルク波を反射するステップを含んでいる請求項57記載の方法。
  60. さらに、変換された波動モードを有する波を収束させるステップを含んでいる請求項57記載の方法。
  61. さらに、一連の時間的に変化している分散された波として変換された波動のモードを有する波動のエネルギーの一部を反射させ、方向を変えられた軸に沿って前記表面と平行にそれぞれが伝搬させるステップを含んでいる請求項57記載の方法。
  62. さらに、共通の受信器に向かって、時間的に変化する分散された波のエネルギーの少なくとも一部を反射するステップを含む請求項61記載の方法。
  63. さらに、共通の受信器によって受信されたエネルギーの摂動を解析するステップを含む請求項62記載の方法。
  64. さらに、基板の中でバルク波を共振させるステップを含む請求項57記載の方法。
  65. さらに、変換された波動モードを有する波動を、接触を検出するのに適合した領域全面に分散するステップと、接触を検出するのに適合した領域を横切った後に前記分散された波を圧縮するステップを含む請求項57記載の方法。
  66. さらに、圧縮された分散波の少なくとも一部をバルク波と回折的に結合し、前記結合された圧縮された分散波を電気信号に変換するステップを含む請求項65記載の方法。
  67. さらに、検出された摂動の位置を解析するステップを含む請求項57記載の方法。
  68. 前記バルク波のエネルギーを、少なくとも一つの散乱中心によって、変換された波動モードを含む複数の波動モードに散乱又は変換し、さらに、変換された波動モードを有する波を選択的に識別するステップを含む請求項57記載の方法。
  69. 変換された波動モードを有する波を、少なくとも一つの散乱中心と、音響波の干渉が選択的に生じる、配向した追加の散乱中心とを用い、バルク波が各散乱中心を通過する際のバルク波の音響エネルギーと各散乱中心との相互作用によって選択的に識別する請求項68記載の方法。
  70. 音響波が伝播可能な表面を有する伝播媒体と、この前記伝播媒体の前記表面に対する交差方向にバルク波を伝播させるためのバルク波生成手段と、このバルク波生成手段からのバルク波を音響波に変換し、前記伝播媒体の表面を伝播させるための音響波生成手段と、この音響波生成手段からの音響波の表面での散乱を検出するための検出手段とを備えているタッチ式座標入力装置であって、
    伝播媒体の底部側のうち隣接するコーナー部に、面に垂直な軸が伝播媒体の発信領域の表面と交差するように傾斜面が形成されており、伝播媒体の前記傾斜面に配設された圧電振動子と、前記伝播媒体の表面のうち前記発信領域に配設され、かつ伝播媒体中のバルク波と伝播媒体表面の弾性表面波とを相互に変換可能なグレーティングとを備えている、前記タッチ式座標入力装置。
  71. 傾斜面の法線と伝播媒体表面との角度θ1が下記式(2)
    θ1=90゜−Arcsin(λB/λR+nλB/p)(2)
    (式中、λBは伝播媒体中のバルク波の波長、λRは伝播媒体表面における音響波の波長、pは摂動周期を示し、nは負の整数である)で表される請求項70記載のタッチ式座標入力装置。
  72. 超音波弾性表面波を伝播可能な左右対称の表示領域を備えたパネルと、このパネルの第1のコーナー部の底部側に形成された第1の傾斜面と、この第1の傾斜面に配設され、かつ前記表示領域の周縁部の発信領域に向けてバルク波を斜め方向に伝播させるための第1の圧電振動子と、前記発信領域に配設され、かつ前記第1の圧電振動子によるバルク波を弾性表面波に変換するための第1のグレーティングと、前記表示領域の周縁部のうちX軸及びY軸方向の第1の側部に設けられ、かつ変換媒体による弾性表面波を一部透過させるとともに反射させて前記表示領域の全域に亘って伝播させるための第1の反射アレイと、前記第1の側部に対向するX軸及びY軸方向の第2の側部に設けられ、前記第1の反射アレイにより反射し、かつ表示領域を伝播した弾性表面波を前記表示領域の周縁部の受信領域に集束させるための第2の反射アレイと、前記受信領域に配設され、かつ前記第2の反射アレイによる弾性表面波をバルク波に変換し、前記パネルの第2のコーナー部の底部側へ伝播させるための第2のグレーティングと、前記第2のコーナー部の底部側に形成された第2の傾斜面と、この第2の傾斜面に配設され、かつバルク波の受信に応答して電気信号を生成させるための第2の圧電振動子とを備えている座標入力装置。
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