JP4064234B2 - 積層基板を有する弾性波タッチ・センサー - Google Patents

積層基板を有する弾性波タッチ・センサー Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、米国仮特許出願第60/242048号(2000年10月20日提出)の優先権の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、弾性波タッチスクリーン基板に関する。特に、本発明は、ラブ波および擬似レイリー波の双方をサポート(または伝搬、support)する多層(または複数層)タッチスクリーン基板に関する。
【0003】
発明の背景
本明細書で用いるように、タッチ・センサーを含むタッチスクリーンは、コンピューターおよび他の電子システムのための透明または不透明な入力デバイスである。透明なタッチスクリーンは、陰極線管モニターおよび液晶ディスプレイ等のディスプレイ・デバイス上に一般的に配置される。このようにタッチ・ディスプレイ・システムは作製されており、レストランのオーダー・エントリー・システム、工業的なプロセス制御の用途、双方向ミュージアムの展示、公共の情報提供所(public information kiosk)、ポケットベル、携帯電話およびパーソナル携帯情報機器(PDA)を含む商業用途にますます用いられている。
【0004】
現在、主要なタッチ技術は、抵抗方式、容量方式、赤外線方式および弾性波方式である。かかるタッチスクリーンは、コスト的に競争力のある価格で高水準の性能をもたらす。「超音波」タッチスクリーンとしても知られる弾性波タッチスクリーンは、他のタッチ技術と有効に対抗し得るものである。これは、弾性波タッチスクリーンが、耐久性のあるタッチ表面を供しつつ、高い透明度および高い解像度のタッチ性能を有する必要がある用途にて取り扱うことができることに主に起因する。弾性波タッチスクリーン技術の開発は続けられており、キーとなる販売目玉にするため、また製品に対する要求事項を維持するために、耐久性のあるタッチ表面が望まれている。
【0005】
弾性波を使用することに基づいているタッチスクリーンは、タッチに対して感度を有する基板であって、弾性波が基板を伝搬しており、基板上の或る位置のタッチによって基板中を伝搬する波の少なくとも一部が吸収される。タッチ位置は、電子回路を用いて、XY座標系の吸収位置を突き止めることによって決められる。一般的な種類の弾性波タッチスクリーンは、本明細書で用いるように、擬似レイリー波を含むレイリー波タイプの弾性波を用いている。レイリー波タッチスクリーンに関連する例示的な開示には、米国特許第4642423号;同4645870号;同4700176号;同4746914号;同4791416号;再発行特許第33151号;同4825212号;同4859996号;同4880665号;同4644100号;同5739479号;同5708461号;同5854450号;同5986224号;同6091406号;同6225985号および同6236691号が含まれる。また、ラム波もしくはせん断波(またはシャーウェーブ)等の他の種類の弾性波、または種々の弾性波の組合わせ(レイリー波を含んだ組合せを含む)を用いた弾性波タッチスクリーンも既知であり、例えば、米国特許第5591945号;同5854450号;同5072427号;同5162618号;同5177327号;同5329070号;同5573077号;同6087599号;同5260521号および同5856820号にて開示される弾性波タッチスクリーンがある。上述の引用する全ての特許は、参照することによって、本明細書に組み込まれる。
【0006】
レイリー波の吸収によってタッチを検知するエロ・タッチシステムズ・インコーポレイテッド(Elo TouchSystems,Inc.)のインテリタッチ(IntelliTouch(登録商標))製品を含む弾性波タッチスクリーンは、商業的に成功していることが判っている。レイリー波を用いた製品の成功は、次のレイリー波の2つの特性に主に起因する。まず第1に、レイリー波が、他の弾性波よりも高いタッチに対する感度を有しているからである。そして、第2に、レイリー波が、シンプルなホモジニアスなガラス基板の表面を伝搬できる表面波であるからである。
【0007】
しかしながら、レイリー波は欠点も有している。例えば、レイリー波がタッチスクリーン基板を伝搬するには、一般的に、基板は、基板に供される波の波長よりも3〜4倍厚くなければならない。それゆえ、レイリー波は、タッチスクリーンを有するポータブルな電子デバイスを含む種々の用途に対して、導電性がない比較的厚みを有した重い基板を必要とする。
【0008】
更に、レイリー波は、基板の表面またはその付近に束縛(または拘束)されるので、レイリー波タッチスクリーンは、オイルおよび水等の液体汚染物ならびにシーラント等のタッチスクリーン表面に当接する他の材料に対して増加した感度を有する。汚染物または他の当接する材料は、伝搬する波から生じるエネルギーを吸収し、汚染物に交差する基材の軸に沿って弾性波シャドウ(acoustic shadow)またはブラインド・スポットを引き起こすことになる。その結果、タッチスクリーン基板は、ブラインド軸に沿うタッチを検知することができない。従って、レイリー波タッチスクリーンが水に曝されることに対して、また、露出するタッチ表面とタッチスクリーン基板の包囲される領域との間にシールを設計することに特に注意が必要である。高レベルの液体汚染物の影響を受ける用途に対しては、レイリー波の使用は困難となる。
【0009】
レイリー波タッチスクリーンの性能を最適化することは、タッチ感度および最小限度のタッチパネル厚さを独立して選択できない点で制限されている。厚さが減少したタッチスクリーンでレイリー波をサポートするためには、その他のディメンションはそのままにして、周波数または波長を減少させて弾性波の単一表面への束縛を維持することが必要である。レイリー波の特徴は、レイリー波の束縛深さが波長と関係し、波長が減少するにつれ、束縛深さが減少することである。その結果、波が、表面近くのより浅い領域に束縛され、所定の吸収媒体によって吸収される波エネルギーの割合が増加する。実験的には、これは、波長の2乗に反比例して変化することが判っている。上述のように、レイリー波を用いるタッチスクリーンは、或る用途に対して(比較的厚いパネルに対してであっても)不必要なほど敏感であると考えることができ、従って、タッチパネルの厚さが減じられる効果によって、タッチスクリーンは表面汚染物および他の当接する材料に対して極めて敏感となってしまう。その逆に、擬似レイリー波の波長を増加させることによって感度を減少させると、パネルの厚さおよび重量が増加することになる。最後に、タッチスクリーンの大量生産に関する商業的な経済的側面は、同様な電子機器が同様な動作周波数で幅広いラインのタッチスクリーンに対して使用されることをしばしば助力する。従って、波の波長を変えることなく、感度、最小限厚さおよび重量を変えることができるレイリー波タッチスクリーンが必要とされる。
【0010】
また、せん断波モードのタッチスクリーンが当該技術において既知である。これらのシステムは、基板で分散性のないゼロ次の水平偏波のせん断波(ZOHPS)を励起することによって作動する。かかるタッチスクリーンは、ノールズ(Knowles)の米国特許第5177327号および同5329070号にて説明および例示されており、シュアタッチ(SureTouch(登録商標))の名称でエグゼック・インコーポレイテッド(Exzec Inc.)およびキャロル・タッチ・インコーポレイテッド(Carroll Touch Inc.)より市販されていた。
【0011】
水平偏波のせん断波(なお、本明細書では「せん断波」と呼ぶ)をタッチスクリーンに用いる場合、レイリー波タッチスクリーンの欠点の幾つかを回避することができる。例えば、任意の薄い基板でせん断波をサポートすることができる。実際には、より高次の波モードおよびオーバートーン(overtone)を抑えるために、約2波長よりも小さい厚さに基板を維持する必要がある。従って、せん断波タッチスクリーンは、タッチスクリーンの重量を最小限度にする必要のある用途に非常に適している。
【0012】
しかしながら、せん断波タッチスクリーンに当初より用いられている1mm厚さのソーダ石灰ガラス等の非常に薄い基板は、耐久性がない。厚さを増加させて1mmのガラス基板の耐久性を上げるために、せん断波が結合しない接着剤を用いて、せん断波が伝搬する基板を背面プレートに積層させていた。基板を背面プレートに接合させるのために用いる適当な接着剤は、硬化後でも液体状態が維持されるシリコーン・ゴム接着剤である。
【0013】
ウェイジャーズ(Weigers)らの米国特許第5856820号には、せん断波をサポートするシュアタッチ(登録商標)基板を積層するのに用いるプロセスが開示されている。しかしながら、積層したシュアタッチ(登録商標)基板は、米国特許第5648643号に開示されているように化学的にエッチングされ、そして埋め込まれる(またはインレイされる)反射アレイ処理には耐えることができない。例えば、シリコーン・ゴムは、特許で開示されている銀フリットの埋込み用材料を硬化させるのに必要な高い燒結温度では存在し得ない。それゆえ、開示されている積層プロセスは、1mm厚さの弾性波基板に反射アレイを作製した後に行なわれる下流の製造プロセスである。下流の積層プロセスの費用は、製造プロセスのコストを相当に増加させる。耐水性を有した耐久性のあるせん断波サポート・タッチスクリーン基板であって、下流の積層プロセスに費用をかけずに製造することができるせん断波サポート・タッチスクリーン基板を供する必要性は依然残されたままである。
【0014】
ケント(Kent)の米国特許第5591945号には、2.3mm厚さのガラス基板から構成されるせん断波タッチスクリーンが開示されている。このタッチスクリーンは、タッチを感知するために、より高次の水平偏波のせん断波(HOHPS)を用いている。本特許で説明されるように、レイリー波は、アレイに沿って伝搬し、45°に置かれていない反射体によって、n=4のHOHPS波に変換されるモードである。
【0015】
多くの用途に対して、2.3mm厚さのガラス基板は、積層基板の必要性を排除するのに十分な構造強度を有している。しかしながら、かかるHOHPSをサポートするタッチスクリーンも欠点を有する。例えば、2.3mm厚さのガラスのHOHPSサポート基板は、他の次元のHOHPS波、ZOHPS波、レイリー波および多くのラム波を含む多くの他の追加的な弾性波モードをもサポートする。かかる付加的な弾性波モードによって、望ましくない寄生弾性波信号がもたらされることになる。HOHPS波に基づいた弾性波タッチスクリーンは、未だ市場に出ていない。従って、低コストであるが、耐久性のあるタッチスクリーン基板であって、他の関係のない弾性波モードを最小限度にサポートしつつ所望の耐水性のせん断波をサポートするタッチスクリーン基板を提供する必要性は、未だ満たされないままである。
【0016】
レイリー波タッチスクリーンとは違って、せん断波タッチスクリーンは、高レベルの表面汚染物が存在する場合であっても、タッチ位置を適切に再構築できる。動作は、水中にタッチ表面を完全に浸漬させた場合であっても継続する。水平偏波のせん断波による水または他の汚染物に対するある程度の無感受性(無感度性、insensitive)の物理的機構は、以下のように説明される。レイリー波と比べて、せん断波は、基板で単一の水平方向のモーションを生じ、タッチスクリーン基板の表面にて垂直方向のモーションを有していない。その結果、レイリー波とせん断とは、対照的なタッチ検知特性を有している。レイリー波に関する基板表面の垂直方向のモーションは、圧力波の接触媒体への放射を介して吸収が生じる。指のタッチによる吸収と、同じ接触領域での水滴による吸収とは同様である。しかしながら、せん断波は、圧力波を接触媒体へと放射せず、むしろ粘性減衰によって主に吸収される。水は指の肉よりも粘性が相当に低いので、せん断波は、指のタッチよりも水滴にほとんど反応することはない。水平偏波のせん断波は、水または他の液体から相当に汚染を受けることになる弾性波タッチスクリーン用途に対して、レイリー波を使用することよりも多くの利点を供する。
【0017】
せん断波は、水および他の汚染物に対して減少した感度を有するが、せん断波は、レイリー波よりもタッチに対する感度が相当に低い傾向を有する。実際のタッチスクリーン基板厚さにおいて、所定のタッチにより吸収されるインターセプトされるエネルギーの割合は、レイリー波の場合の方が対抗するZOHPSせん断波の場合よりも約5倍大きい。基本的な弾性波感度のこのような相違を補償するために、特別なコントローラーがZOHPS波を用いるタッチスクリーンに必要とされる。このようなコントローラーは、レイリー波タッチスクリーンに対して必要とされるコントローラーよりも複雑であり、それゆえ、コントローラーの設計に対するコストが増加する。従って、生のタッチ信号強度の相当する減少がなく、従って、あまり複雑かつ高価ではないコントローラーを用いることができるという利点をせん断波タッチスクリーンが有することが望ましい。
【0018】
ラブ波タッチスクリーンも当該技術において既知であるが、まだ商業的に開発されていない。一般的に、ラブ波は、基板の一方の表面に波エネルギーを有しており、反対側の表面で実質的により小さいエネルギーを有する水平偏波のせん断波である。レイリー波と同じように、ラブ波は、タッチ表面に束縛されており、深さと共に指数関数的に減衰する。レイリー波とは異なり、ラブ波は、ホモジニアスな媒体には存在しない。数学的には、ラブ波をサポートする最も簡単な基板は、より速いバルクせん断波速度を呈する下方の半無限媒体に接合する有限の厚さの上層である。実際的には、下方の媒体が波の振幅の指数関数的な減衰長さを多く含む程に十分に厚い場合、下方の媒体は有限の厚さの層であってよい。また、複数の層を有したより複雑な構造は、ラブ波をサポートし得る。
【0019】
ラブ波を低粘度流体の存在下で機能できる手段として使用することは、弾性波化学センサーの分野で既知である。例えば、ジゼリ(Gizeli)らの「ポリマー・オーバーレイを利用する新規なラブ波プレートの弾性波センサー(Novel Love−plate acoustic sensor utilizing polymer overlays)」(UFFC会報(1992年9月)の第657頁)、ジャコビー(Jakoby)およびベレコープ(Vellekoop)の「ラブ波センサーの解析および最適化(Analysis and Optimization of Love Wave Sensors)」(UFFC会報(1998年9月)の第1293頁)、ジャコビーとベレコープとの「ラブ波センサーの化学界面層の粘性損失の解析(Analysis of Viscous Losses in the Chemical Interface Layer of Love Wave Sensors)」(UFFC会報(2000年5月)の第696頁)を参照のこと。これらの開示は、基本原理を示しているが、実際の工業的な感覚においてタッチスクリーン技術からむしろ隔たりがある。化学センサーのアクティブ領域は、典型的には非常に小さいものであり、例えば、平方インチのフラクション(fraction)と透明性とは関連性はない。化学センサーに対するラブ波基板は、インターデジタル・トランスデューサー(またはインターデジタル変換器)の使用を可能とするために、典型的には圧電性を有している。それとは対照的に、タッチスクリーンでは、エリアが数10平方インチ〜数100平方インチであるのが一般的である。経済的な理由により、商業的な弾性波タッチスクリーンは、圧電材料から形成されていない。また、多くの用途に対して透明性が不可欠である。従って、従来技術の化学センサーによって、弾性波タッチスクリーンに対するラブ波基板をコスト的に効率よく設計および製造する手がかりが与えられることになる。
【0020】
従来技術において、ラブ波タッチスクリーンが黙示的または明示的に開示されている。例えば、ノールズの米国特許第53290070号には、ラブ波基板が開示されていると考えられ得、より遅いせん断波速度の媒体が、より速いせん断波速度の背面プレートに接合している。ケント(Kent)の米国特許第5591945号には、3mm厚さのソーダ石灰ガラスに接合した2mmまたは3mm厚さの硼珪酸ガラスを有して成るラブ波サポート基板の使用が開示されている。更に、ケントの米国特許第5854450号は、ラブ波基板が2層よりも多くの積層を含むことができることを開示している。米国特許第5854450号には、2mm厚さのガラス上に100ミクロンの鉛ベースのフリット層、アルミニウム上にエナメル、そしてセラミック上にグレーズ(glaze)を含む、考えられ得るラブ波基板の構成が開示されている。
【0021】
ディスプレイ・デバイスの前面に配置されるタッチスクリーンのための基板は、透明である必要がある。タッチ・ディスプレイ・システムでは、ユーザーが見ることになる表示される画像の質への衝撃を最小限にしたタッチ入力機能を提供することが望ましい。しかしながら、或る用途に対しては、タッチ入力デバイスが透明である必要はない。例えば、トラック・パッドを考えてみると、ユーザーは、マウスのように、カーソルを制御できる。或る市場の用途では、弾性波基板が不透明であっても、弾性波基板の設計を改良する余地が残されている場合がある。
【0022】
米国特許第5854450号で説明されているように、弾性波センサーは、種々の用途に対して種々の形状で設計することができ、コンピューターをベースにしたシステムのユーザー制御を超えた用途を有し得る。例えば、米国特許第5854450号の図19に示される円筒形状センサーは、ロボットのアームの金属シェルの一部であり得る。従って、多くの露出される領域は、タッチを感知しやすく、衝突検出に用いられる。ロボット・システムでは、ロボットのアームの動きを停止または変化させる時を決定するために、センサー情報を用いることができる。水による汚染に起因して誤った衝突情報を拒絶しなければならない用途では、せん断波モードを使用することが有利である。これは、改良されたタッチ基板から得ることができるもう1つのタッチセンサーの用途である。
【0023】
従って、レイリー波およびラブ波をサポートする改良した弾性波タッチスクリーン基板であって、耐久性およびタッチに対する増加した感度を有するが、水および他の汚染物に対しては依然比較的感度が鈍い改良した弾性波タッチスクリーン基板が必要であると考えられる。更に、低コストで容易に製造できるタッチスクリーン基板が必要であると考えられる。
【0024】
発明の簡単な要旨
本発明では、従来技術の積層化した弾性波タッチスクリーン基板の欠点を克服している。本発明の積層化(またはラミネート)したタッチスクリーン基板は、マイクロシート(タッチ表面)、プレート、およびプレートとマイクロシートとの間に配置されるポリマー・シートを含んでいる。マイクロシート、ポリマー・シートおよびプレートは、全て、バルクせん断波を個々にサポートする。従って、本発明の基板は、ラブ波−ラブ波−ラブ波タッチスクリーン、レイリー波−レイリー波−レイリー波タッチスクリーン、およびレイリー波−ラブ波−レイリー波タッチスクリーンに用いることができる。本明細書で説明するレイリー波および擬似レイリー波は、垂直モーションおよび長手方向モーションを有するいずれの表面束縛波(または表面に拘束された波)を含む。
【0025】
1つの態様において、マイクロシート、プレート、ガラスおよびポリマーは、高い透明度を有しており、ディスプレイ等の透明性を要する用途に使用するのに適当なガラス/ポリマー/ガラス基板を構成する。もう1つの態様において、マイクロシートおよびプレートは、金属であってよく、従って、キーパッド、トラック・パッドおよびロボット・シェル・センサー等の不透明性を要する用途に適当な金属/ポリマー/金属基板を形成する。
【0026】
ポリマー・シートを本発明の基板に用いることによって、多くの利点が供される。ラブ波−ラブ波−ラブ波基板において、ポリマー・シートは、プレートのエバネッセント波の振幅を減少させる点で必須なかつ重要な役割を果たし、従って、水および他の汚染物に対する基板の無感受性を減少させることなく、基板の感度を増加させる。
【0027】
更に、ポリマー・シートによって、厚さが減じられたレイリー波−レイリー波−レイリー波基板を作ることができ、従って、重量が減少することになる。特に、本発明では、プレートの厚さを1/3減少させることができるので、総計で1mmよりも小さい厚さを有するレイリー波−レイリー波−レイリー波基板が可能となる。このことによって、高感度のレイリー波−レイリー波−レイリー波基板をポータブルなタッチスクリーン用途に用いることができる。
【0028】
更に、本発明のタッチスクリーン基板は、ポリマー層をマイクロシートによって保護するので、従来技術のポリマー/プレートの2層基板よりも耐久性が増加する。
【0029】
最後に、本発明の基板のもう1つの利点は、非常にコスト的に効率よく、容易に製造できることである。
【0030】
本発明のこのようなまたは他の目的、利点および新規な特徴は、図面および明細書からより十分に理解されよう。
【0031】
発明の詳細な説明
図1を参照すると、本発明のタッチスクリーン基板1は、タッチ表面としての上側マイクロシート3、中間ポリマー・シート5、および底プレート7を有する。マイクロシート3は、上側面9および下側面11を有しており、一般的に、せん断波をサポートし、硬質であって、更に耐引掻性を有する材料であり、基板全体にわたって表面強度および耐久性を供する材料である。しかしながら、プレート7が、その平坦度に偏りを有する場合、積層プロセスの間でプレート7に適合できるように、マイクロシート3は多少可撓性を維持する程に十分に薄い必要がある。また、薄いマイクロシートは、それによって望ましい弾性波特性(または弾性特性)が供され、より低いコストにてタッチスクリーン基板を製造することができる点で有利である。
【0032】
マイクロシートは、ガラス、金属、セラミック、および同様の弾性波特性を有する(または弾性波をサポートする)他の材料ならびにそれら複合材であってよい。好ましい態様において、マイクロシートの厚さは、約300ミクロンよりも小さい。タッチスクリーンをディスプレイの前に置く用途に対して、マイクロシートは透明性を有する必要があり、ガラスから形成され得る。マイクロシートを形成するのに適当なガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、クラウンガラス、ホウ珪酸ガラス、ならびにバリウム、ストロンチウムおよび鉛を含有するガラスが含まれる。キーパッド、トラック・パッドおよび水中ロボット・シェル等のタッチスクリーン用途に対して、マイクロシートは、限定するわけではないが、アルミニウムおよびスチールを含む金属等の不透明材料であってよい。本発明に使用するのに適当な好ましいマイクロシートの例を表1に記載する。
【0033】
【表1】
表1
Figure 0004064234
【0034】
220ミクロン厚さのコーニング0211を含む、表1の全てのマイクロシート厚さに対して、マイクロシートは、圧力および温度による接合プロセスの間、その下に存在するガラス・プレートの形状に適合するのに必要な可撓性を有していた。マイクロシートの硬さは、厚さの3乗に比例するので、220ミクロン厚さのガラス・マイクロシート220は、1mm厚さのガラス・シートよりも約100倍大きい可撓性を有する。100ミクロン厚さのガラス・マイクロシートは、220ミクロン厚さのガラス・シートよりも10倍大きい可撓性を有する。従って、約300ミクロンよりも小さい厚さを有するガラス・マイクロシートは、積層プロセスをサポートする可撓性を有するものと考えられるが、1mm厚さのガラスのシートは、その下に存在するガラス・プレートに適合するのに十分な可撓性を有していないものと考えられる。
【0035】
底プレート7は、タッチスクリーン基板の主な構造を有する層であり、上側面13および下側面15を有する。また、マイクロシート3のように、プレート7は、せん断波をサポートする材料である。更に、プレート7は、好ましくは、比較的低い弾性波減衰効果を有する。透明タッチスクリーン用途に基板1を用いる場合、マイクロシート3に関して説明したような種々のガラスからプレート7を形成してよい。好ましくは、コストが安いので、ソーダ石灰ガラスからプレート7を形成する。ソーダ石灰ガラス・プレートは、公称的にはフラットであるが、下流でガラスの研削または研磨を行なわないと、理想的な平坦度から僅かにずれている。キーパッド、ロボット・シェル・センサー等の不透明なタッチスクリーン用途に対して、プレート7は、アルミニウム、スチールもしくはそれらの組合せおよびセラミック等、許容できる弾性波損失を有する金属から形成してよい。
【0036】
プレート7が、ガラス、金属または他の材料であるか否かにかかわらず、プレート7は、タッチスクリーン基板全体にわたって剛性を与える程に十分に厚い必要がある。プレートがガラスである場合、プレートは、必要な剛性を供すべく、約2mmよりも大きい厚さを有し得る。好ましい態様において、プレートは、3mm厚さのソーダ石灰ガラスのシートである。プレートが金属である場合、望ましい機械的な剛性を供するのに必要な厚さをプレートは有し得る。好ましい態様において、プレートは3mm厚さのアルミニウムまたはスチールのシートである。
【0037】
マイクロシート3およびプレート7は、相互に直接的に接合するのではなく、中間のポリマー・シート5に接合してマルチレイヤーのタッチスクリーン基板1(または複数(もしくは多数)の層から成るタッチスクリーン基板)を構成する。ポリマー・シート5は、上側面17および下側面19を有しており、絶縁状態でバルクせん断波をサポートするものであり、「せん断波サポート」シートである。好ましくは、ポリマー・シートに用いるポリマーは、高い透明性を有し、少なくとも260のガラス転移温度(またはガラス転移点)を有し、また、低い弾性波減衰効果を有する。更に、ポリマーは、湿気の吸収が少なく,環境的に安定性を有する点で有利である。かかるポリマーには、結晶性またはガラス性ポリマーが含まれる。
【0038】
従来技術のポリマー/ガラスの2層タッチスクリーン基板と比べて、ガラス/ポリマー/ガラスの3層基板では、ポリマー・シートが「埋設」される長所があるので、より脆くて耐衝撃性のより低いポリマーを使用することができる。更に、マイクロシート3とプレート7との間に配置されるポリマーでは、ポリマーの耐引掻性をもはや懸念する必要がない。その結果、ポリマー・シート5に使用できるポリマーの種類をより自由に選択することができる。
【0039】
ポリマー・シート5に適当なポリマーには、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリ環状オレフィンおよびそれらの組合せが含まれる。シリコーン・ゴムは、せん断波と結合しない材料であって、それゆえ、本発明の中間シートとして使用することができないことに留意されたい。一様な厚さを有する薄いポリマー・シートは低価格で市販されている。適当なポリマー・シートには、ダウ(Dow)によって製造され、スチロン(Styron(登録商標))の名称で市販されているポリスチレン・フィルムが含まれる。好ましい態様において、ポリマー・シートは、約300ミクロンよりも小さい厚さを有し、プレート内で生じ得るいずれのずれにも適合すべく十分な可撓性をポリマー・シートが有することを確保している。もう1つの好ましい態様において、ポリマーは、ゴム領域を含んだ耐衝撃性ポリスチレンとは異なる、汎用ポリスチレンである。汎用ポリスチレンは、安価であり、弾性波の減衰効果をほとんど有しておらず、また、1150m/sの範囲の適当な波速度を許容できる点で特に適当である。本発明に使用するのに好ましいポリマー・シートは、カマ・インコーポレイテッド(Kama、Inc.)により製造され、カリフォルニア州のサンタ・フェ・スプリングス(Santa Fe Springs)のマルチプラスチックス(MultiPlastics)により市販されている32ミクロン厚さのポリスチレン・シートである。市販の予め成形されたポリマー・シートに加えて、ポリマー・シート5は、以下の実施例3で詳細に説明するように、in situ重合によって形成することができると考えられている。
【0040】
一様な弾性波特性を供すために、中間ポリマー・シート5は、プレート7の平坦度のずれにかかわらず一様な厚さであることが好ましい。この理由により、ポリマー・シート5は、積層プロセスの間でプレートに適合すべく、可撓性を有する必要がある。ポリマーのガラス転移温度よりも高く、ポリマーの溶融温度よりも低い積層化温度を選択することによって、ポリマー・シート5の可撓性が容易に増加する。更に、ポリマーの溶融温度よりも高い温度を選択し、非常に高い粘性の溶融体を使用することによって、ポリマーの可撓性が相当に増加するので、プレート7の変化に適合して実質的に一様な厚さが維持される。
【0041】
マイクロシート3、ポリマー・シート5およびプレート7が一体的に積層してタッチスクリーン基板が形成される。基板は、温度、湿度および使用中の種々の機械的な力の変化を受ける場合があるので、マイクロシート3とポリマー・シート5とプレート7との間に強固な接合が供されることが重要である。マイクロシート、ポリマー・シートおよびプレートの物理的な積層は、限定するわけではないが、圧力、熱と圧力、またはカップリング剤を用いた熱と圧力を用いることを含む当該技術で既知の方法によって達成することができる。
【0042】
ポリマー・シート5とマイクロシート3とプレート7との間の界面における共有結合は、多くのタッチスクリーン用途に特に適当である。カップリング剤を使用することによって、強い共有結合を形成することができる。ポリマーをガラスまたは金属の基板に接合させるのに適当なカップリング剤は、当該技術において既知であり、ペンシルベニア州のチュリータウン(Tullytown)のゲレスト・インコーポレイテッド(Gelest、Inc.)を含む種々の化学会社から広く市販されている。好ましい態様において、ポリマー・シート5の上側面17とマイクロシート3の下側面11との間およびポリマー・シートの下側面19とプレート7の上側面13との間で所望の共有結合を形成するために、シラン・カップリング剤が用いられる。弾性波をよく吸収する典型的な触圧接着剤と違って、薄いシリコーン・コーティングは弾性波の伝搬に影響を与えないので、シラン化学の共有結合系を使用することは有利である。更に、シラン化学は、低コストなタッチスクリーン基板の積層プロセスにおいてマイルドな温度および圧力を使用することを助力する。
【0043】
実施例1
図1に示す本発明の3層タッチスクリーン基板は、表1の3つのマイクロシートの全て、プレート7のための3mm厚さのソーダ石灰ガラスのシートおよび32ミクロン厚さのポリスチレンのシートを用いることによって構成した。マイクロシート3の一方の側面およびプレート7の一方の側面を、0.1%のアジド・スルフォネート・シラン・メチルエチルケトン(azido sulfonate silane methyl ethyl ketone(MEK))のコーティング溶液(または被覆剤溶液)に各々浸漬させた。別法においては、ポリマー・シートの全体はシラン・コーティング溶液に浸漬させることができると考えられる。その後、マイクロシートおよびプレートを空気乾燥させ、ガラス・マイクロシートおよびプレートにシラン分子を共有結合させるのに十分な時間、110℃にてオーブンで硬化させた。乾燥プロセスの間、コーティング溶液の溶媒は蒸発し、マイクロシートおよびプレート上に数分子の厚さのシラン・コーティング(またはシランの被膜)が形成される。シラン・コーティングの厚さは無視することができるので、基板の厚さは増加することはない。続いて、マイクロシート3のシランでコートされた側面とプレート7のシランでコートされた側面との間にポリマー・シート5が配置されるように、タッチスクリーン基板の層を積層させた。その後、マイクロシートの上側面9およびプレート7の下側面15にテフロン(Teflon(登録商標))シートを配置した。その後、テフロン(登録商標)シートと共に積層した基板を、シリコーンゴム・シートの間に配置し、5分間200℃、10000ポンドにてホット・プレスで2枚のスチール・プレートの間に挿入させることによって、タッチスクリーン基板の層をしっかりと接合させた。その後、接合した基板を5000ポンドにて3分間冷却した。ギャップおよびバブルのない満足のいく基板の積層は、積層プロセスの間でガラス・マイクロシートが撓んでガラス・プレートの形状に適合したことを示すものである。
【0044】
実施例1に従って作成した基板を試験するために、5.53MHz(エロ・タッチシステムズ・インコーポレイテッドのレイリー波のインテリタッチ(登録商標)弾性波タッチスクリーンの標準的な動作周波数)にてラブ波を励起および検出するようにトランスデューサーを構成した。トランスデューサー・アッセンブリは、7.4mm長さの幅の狭いスチール製エッジを介して、基板と接触させた。送信モードにおいて、幅の狭いエッジはエッジと平行なせん断モーションに励起され、エッジに垂直に伝搬するせん断波が発生した。送信用/受信用の対を成すトランスデューサーを種々の距離離して配置することによって、フライト時間(または伝搬時間)および減衰距離に関する実験を行なった。上述の表1に記載した3種類のマイクロシートに対応した各々の基板において、ラブ波を実際に観察した。
【0045】
特定の或るサンプルは、興味深い弾性波特性でもってラブ波をサポートした。このサンプルに対する弾性波特性は、以下の表2に示す。
【0046】
【表2】
表II
Figure 0004064234
【0047】
この好ましい態様において、ラブ波のエネルギーは、マイクロシートのタッチ表面にかなり集中しており、水平偏波のせん断波で典型的に観察されるタッチ感度よりもかなり大きいタッチ感度がもたらされる。有限厚さのポリマー層の存在は、プレートのエバネッセント波の振幅を大幅に減少させることによって感度が増加するという点で欠くことのできない弾性的な役割を果たす。実際、表IIの基板のタッチ感度は、従来技術のレイリー波基板の感度に匹敵するものである。基板の感度の増加にもかかわらず、基板は、せん断モードの波を用いる従来技術の2層基板における場合のように、水または他の汚染物の存在によって実質的に影響を受けないことが維持される。
【0048】
本発明のせん断モードの波に対して驚くべき程に高いタッチ感度をもたらすメカニズムをより良く理解するために、本発明の異なる3層基板に対して、ラブ波の振幅対深さプロファイルを数学(または数値)的にコンピューター計算した。計算では、サンプルが、高いタッチ感度(即ち、1mmの厚さのソーダ石灰ガラス基板におけるZOPHS波の感度の8.4倍の感度)を有するものであることが確認された。以下の表IIIでは、実験的な観察と理論的な予測とを比較している。
【0049】
【表3】
表III
Figure 0004064234
【0050】
理論計算に用いるパラメーターが正確でないと仮定すると、コンピューター計算された位相および群速度と測定された位相および群速度との間の一致はすばらしいものである。更に、周波数による群速度の変動がないことが観察されたことがまず驚くべきことであるが、理論計算で群速度が周波数の関数として最小値にあることが示された後では意味を成すものであった。実験的観察と理論計算とを組み合せることによって、基礎的なメカニズムがより理解され、次の見識が得られた。
【0051】
マイクロシートにおけるバルクせん断波速度が、ガラス・プレートにおけるバルクせん断波速度よりも相当に小さい場合、弾性波エネルギーは、薄いマイクロシート層に相当に集中することになり、その結果、高いタッチ感度が観察される。表IIに記載の基板に対して、マイクロシート層に弾性波エネルギーの83%が含まれ、ポリスチレン層に弾性エネルギーの6%が含まれ、また、ソーダ石灰ガラスに弾性波エネルギーの11%が含まれることがコンピューターによって示される。ラブ波タッチスクリーン基板を用いる好ましい態様において、マイクロシートのせん断波速度は、ガラス・プレートのせん断波速度よりも少なくとも5%小さいものである。
【0052】
興味深いことに、上述のタッチ感度は、2層のラブ波基板で可能となる感度を相当に超えるものである。ソーダ石灰ガラス・プレートに直接的に接合されるAF−45マイクロシートの仮想的な2層構造に対して計算を行なった。タッチ感度は、1mmのガラス基板のZOPHS波の感度の3.643倍の感度にまで減少した。これは、ポリマーが重要な役割を果たしていることを示すものである。ポリマー・シートは、比較的軟らかいので、波は、プレートに到達する前に、波の振幅を急激に減少する場合がある。そして、最大限のタッチ感度(表面における弾性波エネルギーの密度)が判るまで、(仮想的な)マイクロシートの厚さを変化させた。170ミクロンの厚さにおいて、タッチ感度は、1mm厚さのガラス基板のZOPHS波のタッチ感度の約4.0倍であった。これは、表2の3層ラブ波基板を用いて達成される感度の1/2よりも依然小さいものである。ポリマー層は、製造プロセスで重要な役割を果たすだけでなく、タッチ感度を高める波ガイド効果を高めることに明らかに寄与する。
【0053】
上述のように、比較的小さい割合であるが、ラブ波の弾性エネルギーの6%が、ポリスチレン層を伝搬する。ポリマーは、ガラスよりも相当に弾性的な吸収性を有する傾向がある。しかしながら、ポリマーが、バルクせん断波をガラスの割合の数倍程度吸収する場合であっても、その効果は6%と評価される。それゆえ、上述のように、ポリアクリレート等のポリマー材料は、別の点ではタッチスクリーン基板に使用するには弾性的な吸収性を過度に有するものと考えられるが、本発明に用いることができる。
【0054】
実施例2
実施例1で説明したプロセスに基づいて作成したタッチスクリーン基板に対して、破壊衝撃強度テストを実施した。タッチスクリーン基板は、100ミクロン厚さのショット(Schott)D−263マイクロシート、32ミクロン厚さのポリスチレン・シート、および3mm厚さのソーダ石灰ガラス・プレートから作成した。ソーダ石灰ガラス・プレートは、およそ19cm×24cmのディメンションを有しており、マイクロシートおよびポリスチレン・シートは、プレートよりも僅かに小さいものであった。高さを増加させて5cmの直径のスチール・ボール(または鋼球)を2つのサンプルの各々に落とした。落下高さは、15cmから開始し、その後、5cmずつ増加させた。落下高さが40cmに達するまでは、双方のサンプルは、目視できる影響なく、スチール・ボールの落下の衝撃に耐えた。双方のサンプルは40cmで破砕(または破損)した。興味深いことに、破砕は100ミクロン厚さのガラス・マイクロシートで見られず、3mm厚さのソーダ石灰ガラス・プレートで見られた。3mm厚さのガラス・プレートの破砕した断片は、ポリスチレン・シート(破砕しなかったマイクロシートに接合した状態にある)に接合したままであった。3mm厚さのソーダ石灰ガラス・プレートが破砕する場合のみ、積層が壊された。従って、ガラス・プレートの厚さが増加すると、本発明のタッチスクリーン基板の耐衝撃性は更に増加することになる。
【0055】
本発明の3層タッチスクリーン基板の前表面(または正面)の衝撃強度に対して実験的に示された証拠は、驚くべきものである。タッチスクリーン基板をアッセンブルし、または積層させる前では、ガラス・マイクロシートは、非常に脆く、注意して取り扱わなければならない。しかしながら、積層させた後では、マイクロシート層は良好にサポートまたは閉じ込められ、ガラス・マイクロシートに破砕をもたらすタイト(tight)な半径方向の曲げが回避される。
【0056】
実施例3
図2は、本発明のタッチスクリーン基板の別の態様を示す。基板21は、図1に示すように、マイクロシート3およびプレート7を有して成る。しかしながら、中間シート23は、実施例1で説明したような別個の可撓性ポリマー・シートではない。むしろ、中間ポリマー・シート23は、in situ重合により形成されるものである。
【0057】
未硬化ポリマー系材料をポリマー前駆体にする。ポリマー前駆体は、限定するわけではないが、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリ環状オレフィンまたはそれらの組合せを含んで成り、液体またはフィラーを有した液体であってよい。好ましい態様において、ポリマー前駆体は、ポリアクリレート系液体系である。かかるポリアクリレート系は、良好な接合特性を有し、安価であり、更に、高い環境抵抗および高い光透明性を有する。更に、アクリル系を用いて基板の層の接合を達成するのに別個のカップリング剤は必要とされない。
【0058】
in situ形成されるポリマー・シートが、一様な厚さを有するために、従って、上部マイクロシート3をプレート7に存在する変化に適合させることを確保するために、ポリマー前駆体に小さいスペーサー粒子25を加えてもよい。スペーサー粒子25の直径によって、ポリマー・シートの実際の厚さが決められ、従って、必要に応じてより小さいまたはより大きいスペーサー粒子を用いることによって、ポリマー・シートの厚さを変更することができる。スペーサー粒子は、in situ重合プロセスのピーク温度よりも高い融点を有したガラス・ビーズまたはポリマー・ビーズであってよい。好ましい態様において、スペーサー粒子25は、ポリマーと同じまたは同様の弾性波特性を有する。透明なラブ波タッチスクリーン基板が望ましい場合、スペーサー粒子25は好ましくは透明であって、硬化したポリマーの屈折率と同様の屈折率を有することが好ましい。
【0059】
マイクロシート3またはプレート7上にポリマー前駆体を一様な層になるようにスピンコートしてもよく、また、ドクター・ブレード等のナイフによって、ポリマー前駆体をマイクロシート3またはプレート7上に一様な層になるように広げてもよい。従って、ポリマー前駆体層の露出表面がカバーされるように、基板層を積み重ねる。その後、積み重ねた基板は、層を貼り合わせる(またはラミネートさせる)ために、実施例1で説明したようなホット・プレスに置かれる。そして、以下の方法のいずれかによってポリマー前駆体のin situ重合が実施され得る。例えば、プレートおよび前駆体をUV照射に付して、前駆体を重合させるために、UV活性剤をポリマー前駆体に添加してもよい。別法では、温度サイクルによって活性化させる単一成分または多成分(もしくは複数成分)の熱硬化樹脂(または熱硬化プラスチック)の重合系を用いてもよい。更に、周囲温度で反応成分を混合させることによって、または、プレートの表面上の周囲の湿気と共にもしくは空気中でポリマー前駆体を反応させることによって、重合を達成することができる。別法では、周囲の空気との接触を阻止するラミネーションによって重合を達成してもよい。ポリアクリレート系ポリマー系を用いる場合、積層基板をUV硬化に付して重合を行なってもよい。別法では、ラミネーション(または貼合わせ作用)に影響を与えるために、一対の加熱されたニップロールに基板を送ることができ、その後UV硬化を実施できる。
【0060】
ポリマー・シートをin situ形成する場合、もはや積層プロセスで「可撓性」が必要とされない。それにもかかわらず、in situ形成したポリマー・シートは、可撓性を有する程に十分に薄く、望ましい弾性波特性および製造上の利点が供される。
【0061】
実施例4
図3は、強度が増し、破砕メカニズムがより安全な本発明の5層タッチスクリーン基板を示す。このようなタッチスクリーン基板は、管理下にない場所の屋外の案内所(outdoor information)またはチケット用キオスク(ticketing kiosk)等の水に対して不感受性を要し、増加した強度が必要とされる用途に特に有用である。
【0062】
タッチスクリーン基板27は、マイクロシート3、ポリマー・シート5およびプレート7を有して成り、図1に示すようなタッチスクリーン基板と同様である。しかしながら、タッチスクリーン27は、上側面31を有した接着剤層29(一般的にせん断波が結合しない材料である)および第2プレート33を更に有して成る。接着剤層29は、いずれの種類の触圧接着剤であってよい。1つの態様において、接着剤は、安全なガラス接着剤として一般に知られるポリビニルブチレート系接着剤である。第1プレート7での波のエバネッセント・テール(evanescent tail)は、プレート7の下側面15と接着剤層の上側面31との間の界面で実質的にゼロの振幅を有する。従って、接着剤層29は、弾性波を基板の上部3層を通るように伝搬させる効果を有していない。しかしながら、接着剤層29によって、プレート7での所望な波に加えて、励起され得る関係のないプレート波を減衰させる弾性的な利点が供される。第2プレート33は、プレート7の材料と同様な材料または異なる材料から形成してよく、ガラス、金属、セラミック、ポリマーまたは所望の機械的もしくは光学的な性質を有する固体材料から形成してもよい。第2プレート33の厚さは、プレート7と同様または異なっていてもよく、好ましい態様では、約1〜12mmの間である。しかしながら、プレート33の構造および厚さは、所望の用途に主に依存するものである。
【0063】
実施例5
また、水中ロボットに使用される不透明なタッチ・センサーも本発明が意図するところである。水は強い放射減衰効果を有しているので、レイリー波センサーを用いることができない。それとは対照的に、ラブ波等の水平偏波のせん断波は水に不感受性であるため、本発明のタッチ基板は水中での用途に良く適している。
【0064】
海中ロボット・センサーに適当な3層タッチスクリーン基板は、薄い金属のマイクロシート、薄いポリマー・シートおよび金属プレートから形成され得る。本実施例において、ポリマー・シートは、実施例1で説明した32ミクロン厚さのポリスチレン・シートである。塩水に曝される海水ロボット・シェルのために、マイクロシートは、耐腐食性があって丈夫な材料を必要とする。1つのかかる金属は、モネル400(Monel(登録商標)400)の商標名でスペシャル・メタルズ・コーポレーション(Special Metals Corporation)から市販されているニッケル−銅アロイである。モネル(登録商標)400のバルクせん断波速度は、2.7mm/マイクロ秒であり、実施例1のスコット(Schott)AF−45ガラス・マイクロシートのバルクせん断波速度に非常に近い。金属プレートは、3.1mm/マイクロ秒のバルクせん断波速度を有する3mm厚さのステンレス鋼シートであってよい。同様に、ステンレス鋼プレートのバルクせん断波速度は、実施例1のタッチスクリーン基板のソーダ石灰ガラス・プレートのバルクせん断波速度と同様である。従って、マイクロシートのせん断波速度とこの海中用タッチスクリーン基板のプレートせん断波速度との比は、実施例1のタッチスクリーン基板の場合と同様であり、従って、ラブ波がサポートされることになる。
【0065】
実施例6
図4は、15インチの液晶ディスプレイに使用することを意図したラブ波タッチスクリーン34を示している。タッチスクリーンは、実施例1の基板を用いて構成されており、弾性波パスのあらゆる部分にラブ波モードを用いて構成されている。これは、「ラブ波−ラブ波−ラブ波」センサーの例である。
【0066】
特に、タッチスクリーン34は、基板35、X送信トランスデューサー37およびY送信トランスデューサー39、X受信トランスデューサー41およびY受信トランスデューサー43ならびに4つの反射アレイ45、47、49および51から構成されている。マイクロプロセッサー等が含まれ得るホスト・コンピューター(図示せず)と通信するタッチスクリーン・コントローラーによって、タッチスクリーンのスキャン・サイクルが開始される。そして、コントローラーは、Xドライバー(図示せず)を介してドライブ信号をX送信トランスデューサー37に適用させる。トランスデューサー37に適用されるドライブ信号は、ラブ波のパルスを発生させるバースト・ドライブ信号である。ラブ波は、X送信アレイ47に沿って進行し、45°反射体53によって90°に反射する。ラブ波が基板表面36を横切って伝搬した後、受信アレイ51が、45°反射体55を用いてラブ波を90°に再度散乱させる。そして、受信トランスデューサー41は、入射するラブ波をタッチ情報が含まれる電気信号へと変更する。
【0067】
矢印57、59および61は、X信号に対する典型的な弾性波パスを表す。矢印63、65および67は、タッチスクリーンの最も長い弾性波パスを表す。約3〜4の標準的なビデオの矩形アスペクト比を有する15インチのタッチスクリーンに対しては、この最大限の弾性波パス長さは、X送信アレイ47に沿った略12インチの長さ、基板表面36を横切る略9インチの長さ、および受信アレイ51に沿ったもう1つの略12インチの長さを有しており、総計で約33インチまたは約840mmである。これは、本実施例のセンサーにおいてラブ波が伝搬する最大限の距離である。
【0068】
ラブ波を伝搬させる超音波トランスデューサーが種々知られている。トランスデューサーは、一方の形態から他方の形態へとエネルギーを変換する物理的な要素または一組の要素である。これは、弾性波モード間の変換および電気エネルギーと弾性波エネルギーとの間の変換を含む。本発明に使用するトランスデューサーは、図5に示すようなウェッジ状(またはくさび型)ラブ波トランスデューサーであってよい。別法では、せん断波モードの圧電要素を用いる格子状トランスデューサー(grating tranceducer)およびエッジ状トランスデューサー(edge tranceducer)を含む、他の既知の種類の超音波トランスデューサーを用いてもよい。
【0069】
図5に示すように、典型的なウェッジ状トランスデューサー69は、斜辺73を有するプラスチック・ウェッジ71、側部75(図示せず)、およびウェッジの側部75に取り付けられた圧電要素77から成る。ウェッジの斜辺73は、基板35に取り付けられている。圧電要素77は、モーションが水平方向にあるせん断波モード要素である。圧電要素は、ニオブ酸リチウム、PZT等の圧電性セラミック、またはポリマーの圧電材料であってよい。送信モードにおいて、圧電要素77は、バルクせん断波をウェッジ材料に送る。ウェッジ角θは、ウェッジ材料のバルクせん断(即ち、横断)波速度Vとラブ波の位相速度Vとに関係し、標準的にはcosθ=V/Vである。実施例1の3層基板に対しては、5.53MHzにてラブ波の位相速度が3.13mm/マイクロ秒とコンピューター計算される。ウェッジ材料におけるバルクせん断波速度は、この値よりも小さい必要があり、ポリスチレン等のポリマー材料、ガラスおよび真鍮等の金属における場合と同様である。例えば、ダウ・プラスチックス(Dow Plastics)製のスチロン666(Styron(登録商標)666)から形成されるウェッジは、1.15mm/マイクロ秒のせん断波速度を有し、従って、約68°のウェッジ角が示唆される。
【0070】
45°反射体45、47、49および51のアレイは、限定するわけではないが、ガラス・フリットのような高温硬化材料のスクリーン印刷、リンデ(Rinde)らの米国特許第5883457号(引用することにより本明細書に組み込まれている)に開示されているような複合ポリマー・インクのスクリーン印刷、ノールズ(Knowles)らの米国特許第5648643号(引用することにより本明細書に組み込まれている)に開示されているような化学エッチング、およびレーザアブレーションを含む種々の方法のうちの1つから作ることができる。考慮すべきファクターは、せん断波を90°に散乱させる反射体の性能だけでなく、製造工程の順序もある。好ましい態様において、アレイ45、47、49および51は化学的にエッチングされる。化学的なエッチングは、本発明の基板を積層させる前または後において、ガラス・マイクロシートに反射体を形成できる低温プロセスである。化学的にエッチングされた反射体は、せん断波の弾性波タッチスクリーンに従来より用いられており、せん断波を効果的に90°反射させるものとして知られている。
【0071】
本実施例のタッチスクリーンは、以下の2つの理由により、エロ・タッチシステムズ・インコーポレイテッドの2500シリーズのインテリタッチ(登録商標)コントローラー等の標準的なタッチスクリーン・コントローラー製品と適合する。第1に、せん断波がレイリー波と比べて相当に減じられた感度を有する傾向があるのにもかかわらず、タッチスクリーンが高いタッチ感度を有するからである。第2に、本発明のタッチスクリーン基板は、低い分散特性を有するからである。
【0072】
ホモジニアスな基板におけるレイリー波は、非分散性であり、それゆえ、レイリー波のパルス形状は、波が伝搬するにつれ安定する。それとは対照的に、ラブ波基板は、本質的には分散性であり、即ち、パルスの種々の周波数成分が種々の速度で伝搬するので、パルスの形状が歪められることになる。実施例1の基板に関して驚くべき発見があった。動作周波数の近傍、例えば、コントローラーの電子機器のバンド幅内においては、ラブ波の群速度が周波数から実質的に独立するように基板を構成することができるので、弾性波パルス形状は安定である。この発見は、表IIに示す実験値および理論値の双方によって裏付けられている。本発明の基板を用いると、低い分散特性を有するラブ波−ラブ波−ラブ波センサーが可能である。
【0073】
本発明のタッチスクリーンの分散効果を以下にて詳細に説明する。弾性波パルスが距離L伝搬した後の初期長さΔxの弾性パルスを考察することにする。分散の広がりとΔxとの比によって、分散効果の強度が測定される。Δfを弾性パルスのバンド幅とする。初期パルスの継続時間Δtは、Δfに反比例し、従って、ΔxはVg/Δfに比例する。更に、有限なバンド幅Δfに起因して、群速度は、量を変化させる(ΔVg=Δf∂Vg/∂f)。距離Lの後、パルスは、およそL(ΔVg/Vg)=L(Δf/Vg)∂Vg/∂fの分だけ、広がることになる。従って、パルス広がりと初期パルス長さΔxとの比によって、分散パラメーターDが次のように示唆されることになる。
【0074】
【数1】
D∝L(Δf/Vg)2*∂Vg/∂f
【0075】
弾性波パルスの周波数スペクトル内の位相−誤差歪みのより厳密な理論的な解析(本明細書には示さず)に基づいて、我々は、次の分散パラメーターを定義する。
【0076】
【数2】
D≡πL(Δf/Vg)∂Vg/∂f
【0077】
この分散パラメーターDは、公称動作周波数から±Δf分だけ変化する周波数成分の位相誤差(ラジアン単位)である。Dが1と比較して小さいと、分散効果は小さくなる。Dが1と比較して大きいと、コントローラーの電子機器によって見られるタッチに起因して落ち込む形状(touch dip shape)が相当に歪められることになる。
【0078】
タッチスクリーンの設計に対して、最大限の弾性波パス長さは、上述の分散パラメーター式において使用されるLの適当な値を供する。上述したように、本実施例の15インチ(対角)タッチスクリーンに対する最大限の弾性波パス長さは約840mmである。
【0079】
Δfの適当な値は、コントローラーのバンド幅によって主に決定され、従って、受信回路のバンド幅およびバースト回路のパワースペクトルに関係している。本実施例では、我々は、Δf/f=2.7%の場合を考慮する。このバンド幅は、現在市販されているタッチスクリーン・コントローラー製品で典型的な範囲内にある。
【0080】
上述したように、分散パラメーターDは、基本的な基板設計の関数のみならず、センサーおよび電子機器バンド幅のサイズの関数である。このことは、無次元分散パラメーターD’と工学的な選択に依存するファクター(基板の基礎構造に関係しない)とに上述の分散パラメーターを因数分解する動機付けとなる。
【0081】
我々は、無次元分散パラメーターD’を次のように定義する。
【0082】
【数3】
D’≡π(VT0/Vg)(f/Vg)∂Vg/∂f
【0083】
ここで、fは動作周波数であり、VT0は、相当なラブ波エネルギーを含む最も深い層(即ち、本実施例ではソーダ石灰ガラス・プレートのプレート)におけるバルクせん断波速度である。
D’およびDは、次のような関係を有している。
【0084】
【数4】
D≡(L/λT0)(Δf/f)D’
【0085】
ここで、λT0は、最も深い層のバルクせん断波の波長であり、式λT0=VT0/fによって、周波数fおよびせん断波速度VT0に関係している。ソーダ石灰ガラス・プレートおよび5.53MHzの動作周波数の本実施例に対して、VT0およびλT0の数値は、それぞれ3.40mm/マイクロ秒および0.615mmである。
【0086】
L=840mm、λT0=3.40mm/マイクロ秒、およびΔf/f=2.7%の本実施例に対して、ファクター(L/λT0)(Δf/f)は、1に等しい。従って、DとD’とは本実施例では数値的に等しいものである。同様な基板構造に基づくと、スケールファクター(L/λT0)(Δf/f)によって、他のセンサーおよびコントローラーの設計に対して、DをD’から容易にコンピューター計算できる。
【0087】
図6のグラフでは、実施例1の基板に対して周波数を関数としたコンピューター計算された群速度をプロットしている(なお、ポリマー層厚さtを変えてプロットしている)。5MHz〜6MHzの間にて、30ミクロン厚さおよび40ミクロン厚さのポリスチレンに対するグラフ曲線は驚くべき程にフラットである。5.53MHzの動作周波数および32ミクロンのポリスチレン厚さでは、実施例1の基板は、この低い分散領域にある。コンピューター計算されたDの値は0.1よりも小さく、実際は、1と比較して小さいものである。図6に示すように、実施例1のラブ波サポート基板を20ミクロン厚さのポリスチレン層を有するように変更し、それを8MHzで動作する低分散ラブ波タッチスクリーンを構成するのに用いてもよい。
【0088】
より一般的には、本発明の3層基板の構成に使用する材料を選択することによって、層厚さの異なる選択に対して、群速度と周波数とのプロットがコンピューター計算され得る。かかるプロットから、小さい群速度の分散領域を確認することができる。望ましい周波数にて小さい(または低い)分散を供する基板厚さの組み合せが判る場合、設計に関する小さい分散特性を定量化するために分散パラメーターDを用いる。この方法によって、種々の小さい分散性を有するラブ波−ラブ波−ラブ波センサーを設計することができる。
【0089】
実施例7
実施例1の基板等のタッチスクリーン基板は、ラブ波だけでなく、長手方向および垂直方向のせん断波成分のモーションを有する擬似レイリー波モードもまたサポートする。実施例6のラブ波−ラブ波−ラブ波センサーでは、擬似レイリー波モードが有用な目的を果たさず、望ましくない寄生弾性波信号パスをもたらす場合がある。ラブ波基板を設計するには擬似レイリー波モードの特性を理解および制御することが必要である。
【0090】
特に厄介なことは、寄生弾性波パスであり、水に敏感な擬似レイリー波モードがタッチ領域を横断している。送信トランスデューサーからのラブ波を散乱させることは可能であり、また、モードをタッチ領域を横断する擬似レイリー波モードに変換することが可能である。従って、このような寄生擬似レイリー波モードを受信アレイによりラブ波へと戻すように変換することができ、それを受信トランスデューサーによって検出することができる。別法において、ラブ波トランスデューサーは、ラブ波のみならず擬似レイリー波モードと結合することが可能であり、かかる場合、全てのレイリー波の寄生弾性波パスが送信トランスデューサーと受信トランスデューサーとの間に存在する。かかる寄生弾性波信号は、ラブ波よりも強い擬似レイリー波を吸収する弾性波ダンパー(または弾性波の制動子)を適当に配置することによって抑えることができる。しかしながら、まず第一に、寄生弾性波信号の発生を抑えることが最もコスト的に効率が良い。かかる寄生信号が存在し、コントローラー電子機器による受信に際して目的とするラブ波信号と干渉する場合、また、擬似レイリー波モードが水に敏感である場合、受信されたタッチスクリーン信号は水に敏感と成り得、ラブ波基板の水不感受性の利点が損なわれることになる。
【0091】
反射アレイの設計は、所望のモードを干渉により散乱させ、望ましくないモードを抑えるように調整される。しばしば、モードの選択機構は、位相速度の差に依存する。反射体の間隔によって、アレイの軸に沿うように進行するモードの所望の位相速度が選択される。反射体の角度によって、90°でタッチ領域へと散乱するモードおよび90°でタッチ領域から散乱するモードの位相速度が選択される。寄生モードが所望モードの位相速度に近い位相速度を有する場合、寄生モードを抑えることがより困難となる。
【0092】
上述で説明したことを仮定すると、ラブ波−ラブ波−ラブ波タッチスクリーン基板では、関係のない擬似レイリー波モードが最小になることが好ましく、擬似レイリー波モードが、ラブ波の位相速度とは相当に異なる位相速度を有することが維持されることが好ましい。図7に示すように、実施例1の基板に対してコンピューター計算した位相速度を、ラブ波の弾性モードの周波数および2つの最も低い擬似レイリー波の弾性波モードの周波数に対してプロットする。
【0093】
上述の実施例6のラブ波−ラブ波−ラブ波基板に対しては、動作周波数は5.53MHzであり、2つの擬似レイリー波モードが存在する。ラブ波の位相速度は、第1擬似レイリー波モードよりも第2擬似レイリー波モードにかなり近いものである。本実施例では、動作周波数を5.53MHzから4.5MHzと下げることによって、第2擬似レイリー波モードが除かれ、位相速度の点でラブ波から十分に分離している擬似レイリー波モードだけを有したクリーン(clean)なシステムが残されることになる。最も低い擬似レイリー波モードは、ゼロの遮断周波数であり、常に存在するものである。本実施例は、関係のない表面束縛弾性波モードの最小の数字、即ち1を表している。このように動作周波数を変化させる増加したラブ波分散の処理方法の詳細な説明を以下の実施例8で説明する。
【0094】
上述の数学的な解析の結果、一般的なスケーリング則が発見された。所定のファクターによって層厚さを増加させることは、同じファクターによって動作周波数を減少させたのと同様のモード速度の効果を有する。例えば、4.5MHzの本実施例は、5.53MHzで動作するセンサーと同様のモードおよびモード速度を有しており、減じられたガラス・マイクロシートおよびポリマーの厚さは、それぞれ81ミクロンおよび26ミクロンである。
【0095】
実施例1の基板が、実施例4における場合のような安全なガラスの積層部分を成している場合では、安全なガラス接着剤によって、ガラス・プレートにおけるプレート波が弱められることになる。この場合、4.5MHzの動作によって、いずれかの種類の1つの寄生モードだけが供される。実際の工学的な観点においては、1つの表面束縛寄生モードだけを有するこの種類の基板の設計を一般化することができる。以下に示す理由により、周波数がその遮断周波数に近づくほど、寄生モードはあまり重要とはならない。従って、実施例6の5.53MHzのセンサーであっても、1つの寄生表面束縛モードだけを有するセンサーに近づくことになる。
【0096】
周波数が、上方から遮断周波数に近づくにつれ、第2モードの周波数が、ガラス・プレートのバルクせん断波速度に近づき、モードの侵入深さは無限となる。これは、表面束縛寄生モードとしてモードのインポータンス(importance)を減少させる2つの効果を有している。深く侵入するモードは、相対的に表面に出力密度をほとんど有していない。低い表面出力密度によって、表面の反射アレイおよびトランスデューサー構造物への結合が弱められる。更に、実際には、実施例4の安全なガラスの積層の場合、深く侵入するモードは、安全なガラス接着剤によって弱められることになる。
【0097】
所定の積層基板の設計に対して、第2擬似レイリー波モードに対する遮断周波数は、複雑なコンピューター・コードを用いた数値計算によって決定され得る。しかしながら、以下にて説明するように、我々は、それほど労なく、遮断周波数を合理的な正確さで見積もることができることが判った。
【0098】
周波数が、上方から遮断周波数に近づくにつれ、第2擬似レイリー波モードは、基板の平面の座標から実質的に独立するようになり、モーションが表面に対して垂直な方向にて1次元になる。ガラス・マイクロシートおよびポリマー層は、簡易な質点−バネ・オシレーターにかなり近づくことになる。ユニット領域につき、密度ρおよび厚さtのガラス・マイクロシートは、質量m(m=ρ)を有する。厚さt、密度ρおよび圧力波速度VL1のポリマー層は、バネ定数k=ρL1 /tを有するバネに近づく。基本的な物理法則に従って、対応する共振周波数、従って第2モードの遮断周波数に対する見積もりは、次のように決定することができる。
【0099】
【数5】
Figure 0004064234
【0100】
この見積もりによって、ガラス・プレートは動かない「レンガ状の壁」であると想定される。実際、遮断周波数近くでは、第2レイリー波モードは、ガラス・マイクロシートのモーションから180°位相がずれたガラス・プレートの上部のモーションに関係し、ポリマー・シート内にゼロのモーションのノード面が存在する。質点−バネの計算に対してモーションのない「レンガ状の壁」に最も近づくのはノード面であり、従って、ノード面の上方のポリマーの厚さは、tよりも大きくなく、上記の式に適当に属するものである。このような理由により、上記の見積もりは、下限値である。実施例1の基板に対しては、この式によって、上記のプロットで見られる約5.0MHzの遮断周波数に近いが、若干それよりも小さい4.2MHzの遮断周波数が見積もられる。
【0101】
バネによって接続される2つの質量(または質点)として系をモデル化する場合(第2質量Mはガラス・プレートの有効質量である)、上述の共振の見積もりを著しく向上させることができる。ガラス・プレートの有効質量の合理的な見積もりは、共振周波数における圧力波の1/4波長に等しい深さまでの質量である(即ち、M=(1/4)ρ(V1.0/f)である)。共振振動に関係するガラス・プレートの質量のこのような見積もりを用いることによって、実施例1の基板に対する遮断周波数は、4.97MHzであるとコンピューター計算される。遮断周波数を見積もるためのこのようなより改良された方法は、精密な数値シミュレーションと一致し、多くの種々な基板設計に対するよりも10%向上することが判った。
【0102】
実施例8
実施例7における場合のように、本発明の層状基板で伝搬する擬似レイリー波を再度考察する。しかしながら、本実施例において、擬似レイリー波がタッチ検出に所望な波となっているタッチ・センサーを我々は考察する。つまり、本発明の層状基板からレイリー波−レイリー波−レイリー波タッチスクリーンを構成する。
【0103】
一見すると、かかるレイリー波−レイリー波−レイリー波タッチスクリーンは価値が殆どないように思える場合がある。ラブ波−ラブ波−ラブ波タッチスクリーンとは対照的に、水不感受性のラブ波モードを利用することができない。更に、ホモジニアスな基板を用いることによって、商業的に受け入れることができるレイリー波−レイリー波−レイリー波タッチスクリーンをより簡単に構成することができる。しかしながら、或る用途に対しては、層状基板におけるレイリー波の変更した特性を利用することが有用となる。
【0104】
図8aおよび図8bは、2種類の基板のレイリー波に対する粒子モーションの深さプロファイルを示す。図8aは、ホモジニアスな基板における標準的なレイリー波の深さプロファイルを示す。これは、従来技術の弾性波タッチスクリーンに最も一般的に使用される弾性波モードである。図8bは、実施例1の好ましい基板での最も低い次元の擬似レイリー波モードに対する深さプロファイルを示す。垂直軸は、タッチ表面に垂直な座標である。原点(または基点)は、132ミクロンの深さ、即ち、層状基板に対するガラス・プレートの上部に規定される。水平な軸は、粒子速度を示す。粒子速度の垂直成分および長手方向成分は、それぞれ大きな曲線および小さな曲線に対応する。表面での粒子速度の垂直成分は1に正規化される。本発明の基板における擬似レイリー波のエネルギーは、標準的な基板におけるレイリー波よりもタッチ表面近くにより多く集中したものとなっており、これによって、或る用途に対して利点が供される。
【0105】
本実施例では、実施例1の基板を変更したものを用いることによって、5.53MHzで動作する15インチのタッチスクリーンを構成した。ガラス・プレートの厚さを3mmから0.7mmへと減少させることによって、形成する基板の厚さを1mmよりも小さくする。実施例6で説明したように、種々の方法によって、反射体アレイおよびトランスデューサーを供してよい。かかるタッチスクリーン基板は、従来技術のレイリー波の弾性波タッチスクリーンと比較して多くの利点を有する。
【0106】
従来技術のレイリー波タッチスクリーンに用いられるホモジニアスな基板は、レイリー波を完全に(cleanly)伝搬させるべく、最小限約2mm厚さ(3〜4レイリー波長)となる必要がある。5.53MHzの動作に対して、深さを有して最もゆっくりと減衰するレイリー波の成分は、約230ミクロンの指数的な減衰長さを有する。大抵の減衰長さでは、ガラス・プレートの上側面と底表面とを減結合(decouple)させる必要がある。実施例1の複数層の基板に対しては、この指数的な減衰長さは、78ミクロンへと縮まり、従って、ガラス・プレートの厚さが1/3に減少し得る。深さプロファイルのかかる違いは、図8aおよび図8bではっきりと見ることができる。従って、本実施例によって、厚さが相当に減少したレイリー波−レイリー波−レイリー波タッチスクリーンが供される。また、厚さが減少する結果、レイリー波−レイリー波−レイリー波タッチスクリーンは、重量が減少することになる。本発明によって、レイリー波−レイリー波−レイリー波タッチスクリーン基板の重量が1/2またはそれ以上減少することになり、手持ち式コンピューター用途に特に有益となる。最終的に、厚さの減少は、レイリー波の弾性波エネルギーの深さプロファイルがより浅いことに起因して、感度を増加させる。従って、本発明では、動作周波数を変更することなく、擬似レイリー波モードの感度を増加させる手段が供される。
【0107】
あいにく、この特定のレイリー波−レイリー波−レイリー波タッチスクリーンに対する分散パラメーターは、やや大きく約3である。しかしながら、分散パラメーターのこのような大きい値を取り扱うための方法が幾つか存在している。分散によって、受信された信号のタッチによる落込み形状が歪められる。これによって、タッチ情報の抽出が複雑になるが、タッチ情報は受信された信号中に依然含まれている。この受信された信号が、5.53MHzの動作周波数よりも速いサンプリング速度でデジタル化される場合、受信された信号の全ての情報内容は保持される。そして、デジタル方式の電子機器を用いた十分に精密な数学的処理によって、タッチ情報を抽出することができる。本実施例のタッチスクリーンは、かかるデジタル化性能およびデジタル信号処理性能を有した電子機器と共に機能する。
【0108】
別の対処法は、基板を再設計して、分散パラメーターの値を減少させることである。ラブ波モードに対する図6のプロットと同様の図9に示すように、周波数を関数として群速度がプロットされている。なお、種々のグラフ曲線は、ポリマー層のそれぞれの厚さに対応している。垂直方向のスケール変化は、レイリー波の群速度の激しい変化に対応する。分散パラメーターは、最小値ではゼロである。ポリマー厚さが減少するにつれ、最小値は、より高い周波数側に移動する。ポリマー層厚さが10ミクロンよりも僅かに小さい場合、群速度の最小値は、5.53MHzへと移動する。別法にて、マイクロシートの厚さおよび種々の層の弾性波特性等の他の設計パラメーターを用いることによって、分散パラメーターの値を所望の動作周波数にてゼロとなるように調整することができる。
【0109】
更に、動作周波数または動作周波数と基板の設計パラメーターとの組合せを調整することによって、分散パラメーターを任意に調整することができる。実施例1の基板に対しては、略3.5MHz近くに動作周波数を下げることによって、群速度の最小値を調整することができる。別法にて、動作周波数を4.0MHzにまで減少させることによって、また、ポリマー層厚さを約20ミクロンにまで減少させることによって、分散パラメーターをゼロにすることができる。
【0110】
製品設計の目的、利用できる材料および製造プロセスに応じて、タッチスクリーンのエンジニアは、分散の効果を制御するために、種々の設計アプローチを探ることができる。例えば、図10に示すように、実施例1の基板に基づいている基板90は、付加的なマイクロシート91および付加的なポリマー・シート93を含み得る。これによって、タッチスクリーンの設計エンジニアが利用できる調整可能な基板設計パラメーターの数が増加する。1つの態様において、基板は、20ミクロン厚さの第1マイクロシート、25ミクロン厚さの第1ポリスチレン・シート、90ミクロン厚さの第2マイクロシート、10ミクロン厚さの第2ポリスチレン・シート、およびガラス・プレートを含む。
【0111】
図11は、この基板に対する周波数を関数とした擬似レイリー波の群速度のプロットであり、基板の各々の層が、表IIで説明したのと同様の弾性波特性を有するとの仮定に基づいている。群速度は、5MHz〜6MHzの間で実質的に一定であり、この周波数範囲では1つの擬似レイリー波モードだけが存在する。それゆえ、図11に示すように、5.53MHzで動作するかかるこの基板から組み立てられる擬似レイリー波タッチスクリーンは、非常に低い分散を有している。
【0112】
実施例9
本実施例では、実施例6におけるタッチスクリーンと同様なタッチスクリーンを考察する。15インチの透明タッチスクリーンは、実施例1の基板から構成されており、タッチは水不感受性のラブ波を用いて検出される。しかしながら、図12に示すように、タッチスクリーン79は、ラブ波−ラブ波−ラブ波センサーよりもむしろレイリー波−ラブ波−レイリー波である。
【0113】
タッチはラブ波を用いて検出されており、トランスデューサー81および83は、擬似レイリー波を送信および受信するように設計されている。最も低い擬似レイリー波は、アレイ85および87に沿う2124m/秒とコンピューター計算される位相速度を有する。ラブ波は、5.53MHzで3134m/秒とコンピューター計算されるかなり異なった位相速度を有する。モードの変換が望ましいので、反射体の角度は、45°ではなく、むしろ位相速度の比率の逆正接(即ち、arctan(3134/2124)または略56°)に等しくなるように設定される。
【0114】
タッチスクリーン79のタッチ領域89における基本的な水不感受性の利点は、実施例6のラブ波−ラブ波−ラブ波タッチスクリーンおよびこのレイリー波−ラブ波−レイリー波の実施例の双方によって供される。このような2つ方法の間での最適な選択は、製造プロセスの細部および製品デザインの所望の特徴に依存する。従って、本発明では双方の選択を意図している。
【0115】
好ましい態様において、5.53MHzの動作周波数にて実施例1の基板を用いる。しかしながら、実施例7で説明したように、ラブ波モードおよび最も低いレイリー波モードを除いて、全ての表面束縛弾性波モードを排除することが望ましい場合がある。これは、動作周波数を減少させることまたは積層基板を再設計することによって行なうことができる。
【0116】
もう1つの設計上の考慮事項は、分散である。上述の実施例で考慮される全ての選択が関連する。これには、分散効果を補正する高性能な電子機器、動作周波数の変更および基板の再設計が含まれる。
【0117】
レイリー波−ラブ波−レイリー波タッチスクリーン基板に対しては、ラブ波および擬似レイリー波の双方に対する分散パラメーターが関連する。理論的な研究では、分散パラメーターが、双方のモードに対して所望の周波数でゼロとなる3層基板の設計が数学的に可能であることが示された。適宜利用できる材料の弾性波特性の範囲に関した所定の現実的な制限に対して、かかる設計の実施可能性を評価することができる。所定の適宜利用できる材料に対しては、図10に示すような付加的な層によって、付加的な選択が供される。ラブ波−ラブ波−ラブ波設計とレイリー波−ラブ波−レイリー波設計との間の最適な選択は、双方のモードに対して低い分散を容易に同時に達成するか、または、困難を伴って同時に達成するかによって影響を及ぼされる。最後に、2つのモードに対する分散パラメーターがゼロでなく、反対の代数符号を有するレイリー波−ラブ波−レイリー波センサーの場合、2つのモードの分散効果が相殺される傾向がある。
【0118】
上述の説明は、本発明の好ましい態様を構成しているが、特許請求の範囲の適切な範囲および正当な意味内容から逸脱することなく、本発明を変更、変形および変化させる余地が残されていることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のタッチスクリーン基板の第1態様の断面図である。
【図2】 図2は、本発明のタッチスクリーン基板の第2態様の断面図である。
【図3】 図3は、本発明のタッチスクリーン基板の第3態様の断面図である。
【図4】 図4は、図1の基板を用いたラブ波−ラブ波−ラブ波タッチスクリーンの上面図であり、基板上にトランスデューサーおよび反射体が配置されている。
【図5】 図5は、図1の基板の斜視図であり、基板上にくさび型トランスデューサーが配置されている。
【図6】 図6は、図1のポリマー・シートの厚さを変化させた場合の周波数を関数としたラブ波−ラブ波−ラブ波基板の計算された群速度のプロットである。
【図7】 図7は、ラブ波および擬似レイリー波に対する、本発明の基板の計算された位相速度対周波数のプロットである。
【図8A】 図8Aは、ホモジニアスな基板における標準的なレイリー波に対する深さプロファイルである。
【図8B】 図8Bは、図1の基板における最も低い次元の擬似レイリー波に対する深さプロファイルである。
【図9】 図9は、ポリマー・シートの厚さを変えることによって図1の基板を変更した場合の周波数を関数とした擬似レイリー波の群速度のプロットである。
【図10】 図10は、本発明のタッチスクリーン基板の第4態様の断面図である。
【図11】 図11は、図10に示す基板の1つの態様の周波数を関数とした擬似レイリー波の群速度のプロットである。
【図12】 図12は、図1の基板を用いたレイリー波−ラブ波−レイリー波タッチスクリーンの上面図であり、基板上にトランスデューサーおよび反射体が配置されている。

Claims (37)

  1. タッチ表面を有する上側面および下側面を有して成る第1せん断波伝搬シート、
    せん断波伝搬プレート、ならびに
    該第1シートと該プレートとの間に配置されたせん断波を伝搬するポリマーを含んで成る第2可撓性シート
    を有して成る弾性波タッチセンサー基板。
  2. 前記基板は、ラブ波および擬似レイリー波を伝搬する、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  3. 前記第1シートの厚さは、約300ミクロンよりも小さい、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  4. 前記第1シートの厚さは、約50〜200ミクロンである、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  5. 前記第2可撓性シートの厚さは、約10〜100ミクロンである、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  6. 前記基板は、2ミリメートルよりも小さい総厚さを有する、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  7. 前記せん断波を伝搬するポリマーは、約260Kよりも高いガラス転移温度を有する、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  8. 前記せん断波を伝搬するポリマーは、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリ環状オレフィン、ポリエーテルスルホンおよびそれらの混合物から成る群から選択される、請求項7に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  9. 前記第1シート、前記第2可撓性シートおよび前記プレートは、実質的に透明である、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  10. 前記第1シートおよび前記プレートは、ガラスを含んで成る、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  11. 前記プレートは、ポリマー・シートに隣接する上側面および該上側面に対向する下側面を更に有して成り、第2プレートが、前記プレートの下側面に接着されている、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  12. 前記第1シートおよび前記プレートは金属を含んで成る、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  13. 前記第1シートおよびプレートは、バルクせん断波速度を有し、シートのバルクせん断波速度は、プレートのバルクせん断波速度よりも遅い、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  14. 前記第1シートのバルクせん断波速度は、前記プレートにおけるバルクせん断波速度よりも約5%遅い、請求項13に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  15. 前記第1シートおよび前記プレートは、カップリング剤でもって前記第2可撓性シートに積層されている、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  16. カップリング剤は、シランを含んで成る、請求項15に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  17. 前記第2可撓性シートは、スペーサー粒子を含んで成る、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  18. 前記第1シートは、約100ミクロンの厚さを有するガラスを含んで成り、前記第2可撓性シートは、約32ミクロンの厚さを有するポリスチレンを含んで成り、また、前記プレートは、約0.5mmよりも大きい厚さを有するガラスを含んで成る、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  19. 前記基板は、約1よりも小さい分散パラメーターを有する周波数で動作するラブ波を伝搬する、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  20. 前記動作周波数は、約1〜10MHzの間である、請求項19に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  21. 前記基板は、約1よりも小さい分散パラメーターを有する周波数で動作する擬似レイリー波を伝搬する、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  22. 前記動作周波数は、約1〜10MHzである、請求項21に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  23. 前記基板は、約1よりも小さい分散パラメーターを有する周波数で動作する擬似レイリー波およびラブ波を伝搬する、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  24. 前記動作周波数は、約1〜10MHzである、請求項23に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  25. せん断波を伝搬する第3シートおよびポリマーを含んで成る第4シートを更に有して成る、請求項1に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  26. タッチ表面を有する第1可撓性シート、
    背面プレート、および
    該第1シートと該プレートとの間に配置されている弾性波を伝搬するポリマーを含んで成る可撓性シート
    を有して成る弾性波タッチセンサー基板。
  27. タッチ表面を有するせん断波伝搬可撓性マイクロシート、
    せん断波伝搬背面プレート、および
    該第1シートと該プレートとの間に配置されているせん断波を伝搬するポリマーを含んで成る可撓性シート
    を有して成る弾性波タッチセンサー基板。
  28. 約300ミクロンよりも小さい厚さを有する第1せん断波伝搬シート、
    約12mmよりも小さい厚さを有するせん断波伝搬プレート、および
    該第1シートと該プレートとの間に配置されているせん断波を伝搬するポリマーを含んで成る約100ミクロンよりも小さい厚さの第2シート
    を有して成る弾性波タッチセンサー基板。
  29. せん断波を伝搬するタッチ表面を有する第1シート、
    せん断波伝搬プレート、および
    該第1シートと該プレートとの間に配置されているせん断波を伝搬するポリマーを含んで成る第2可撓性シート
    を有して成るタッチ基板、ならびに
    分散効果を補正する電子回路
    を有して成る弾性波タッチ・システム。
  30. 電子回路は、デジタル信号処理でもって、分散効果を補正する、請求項28に記載の弾性波タッチ・システム。
  31. 表面に束縛される擬似レイリー波だけが、所望の動作周波数で存在する、請求項21に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  32. 動作周波数は、第2擬似レイリー波の遮断周波数の約30%以内にある、請求項21に記載の弾性波タッチセンサー基板。
  33. 上側面および下側面を有するマイクロシート、
    上側面および下側面を有するプレート、
    マイクロシートの下側面とプレートの上側面との間に配置されているせん断波を伝搬するポリマー・シート、
    該マイクロシート上に配置されている少なくとも1つのトランスデューサー要素、ならびに
    該マイクロシート上に配置されている少なくとも1つの反射アレイ
    を有して成る、タッチ・システムに使用される弾性波タッチセンサー基板。
  34. 基板に少なくとも1つのタッチ表面を供すること、
    基板の第1軸に沿う伝搬方向を有する第1表面束縛弾性波を生じさせること、
    第1表面束縛波の一部を第2表面束縛弾性波として反射させること、
    該表面の近傍にて、オブジェクトを置くことによって、該第2弾性波に摂動を与えること、
    摂動が与えられた第2弾性波信号を検出すること、
    を含んで成るオブジェクトの検出方法であって、
    該基板は、
    可撓性マイクロシート、
    プレート、および
    マイクロシートとプレートとの間に配置されているせん断波を伝搬するポリマー・シートを有して成り、
    該基板は、擬似レイリー波およびラブ波を伝搬し、また、
    該第2表面束縛波は、第1軸とは異なって、該表面と平行である、基板の第2軸に沿うように向けられる、オブジェクトの検出方法。
  35. 第1弾性波および第2弾性波は、ラブ波である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記第1弾性波および前記第2弾性波は、擬似レイリー波である、請求項34に記載の方法。
  37. 第1弾性波は擬似レイリー波であり、第2弾性波はラブ波である、請求項34に記載の方法。
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