JP3798619B2 - マルチビーム露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高速レーザプリンタ装置、複数ドラム方式カラー複写機あるいはデジタルカラー複写機などの画像形成装置に利用されるマルチビーム光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、複数ドラム方式カラープリンタあるいは複数ドラム方式カラー複写機などの画像形成装置では、色分解された色成分に対応する複数の画像形成部、及び、この画像形成部に、色成分に対応する画像データすなわち複数のレーザビームを提供するレーザ露光装置すなわち光走査装置が利用されている。
【0003】
光走査装置は、半導体レーザ素子から出射されたレーザビームの断面ビーム径を所定の大きさに絞り込む第1のレンズ群、第1のレンズ群により絞り込まれたレーザビームを記録媒体が搬送される方向と直交する方向に連続的に反射する光偏向装置、光偏向装置により偏向されたレーザビームを記録媒体の所定の位置に結像させる第2のレンズ群などを有している。なお、多くの場合、光偏向装置によりレーザビームが偏向される方向が主走査方向ならびに記録媒体が搬送される方向すなわち主走査方向と直交する方向が副走査方向と示される。
【0004】
この種の光走査装置としては、適用される画像形成装置に合わせて、各画像形成部のそれぞれに対応して複数の光走査装置が配置される例と、複数のレーザビームを提供可能に形成されたマルチビーム光走査装置が配置される例とが知られている。
【0005】
ところで、記録媒体に対して、たとえば、N本のレーザビームにより画像情報を記録できるならば、回転ミラーの回転数および画像周波数は、それぞれ、1/Nに低減される。
【0006】
また、N本のレーザビームを含む光源を色分解された色成分の数に対応させてM群配置することで、カラー画像を形成可能な画像形成装置向けのコンパクトな光走査装置が提供される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、M群のレーザビームを実質的に1本のレーザビームとみなすことのできる状態で光偏向装置に案内するためには、光偏向装置よりも光源側でM群のレーザビームを合成する必要が生じる。この場合、光偏向装置と光源の間の距離を十分に確保するか、光偏向装置の反射面に入射するレーザビームを反射面が回転される方向と直交する方向すなわち副走査方向に距離を置いて入射させる必要がある。
【0008】
光源と光偏向装置との間の距離を確保するためには、光偏向装置と光源の間の距離を増大させることから、光走査装置が大型化される問題がある。一方、反射面に入射するレーザビームに対して副走査方向の間隔を与えることは、結像特性を劣化させたり、M群のレーザビームごとの走査方向に対する曲り量の差および同M群のレーザビームごとの環境変化に起因するレンズ材質の屈折率変化に伴なう像面での断面ビーム径の変動等が増大する問題がある。
【0009】
また、光走査装置の大きさを低減する目的で、最終のレンズ面と像面との間の距離が拡大されると、M群のレーザビームごとの走査方向に対する曲り量の差が大きくなる問題がある。この場合、光偏向装置の反射面と最終のレンズ面との間の距離を増大することで、曲り量は低減可能であるが、光走査装置が大型化する問題がある。また、反射面と最終のレンズ面との間の距離が増大されると、有効振り角が狭くなることから、各光源のレーザ素子を駆動する駆動周波数すなわち画像周波数を高くしなければならず、ノイズ対策および駆動装置の周波数特性の点でコストが増大される問題がある。
【0010】
さらに、副走査方向に距離を置いたM群のレーザビームのそれぞれに対して与えられる光学特性を均一化するために各レーザビームが光走査装置の各レンズを通過する位置を最適化する際に、光走査装置の系の光軸から副走査方向に離れた位置を通過されるレーザビームには、残りのレーザビームに比較して異なるコマ収差が生じる問題がある。
【0011】
また、M群のレーザビームのそれぞれがN本のレーザビームを含む場合、N本のレーザビームを実質的に1本のレーザビームとみなすことができるよう合成するために複数の半透明鏡であるハーフミラーが利用されるが、各レーザビームがハーフミラーを通過される回数の差が大きな場合、レーザビーム相互間の光量の差、球面収差あるいはコマ収差などに差を生じ、ビーム径に差が生じる問題がある。
【0012】
さらにまた、M群のレーザビームがN本のレーザビームを含む場合には、各群のレーザビームにN本のビーム分の副走査方向の幅が与えられることから、1回の走査により走査されるレーザビームの露光開始位置と露光終了位置との間の主走査方向の傾きが目視可能なレベルまで増大される問題がある。
【0013】
またさらに、M群のレーザビームがN本のレーザビームを含むことにより、像面に到達されたレーザビームの全ての光強度が合成された時点で、レーザビーム相互の位相の差あるいは波長の変動に起因して、像面の光エネルギーが変動する問題がある。なお、位相差あるいは波長の変動による光エネルギーの変動が所定の大きさを越えた場合には、画像形成装置に組み込まれた際に、画像欠損または未露光部へのトナーの供給の欠損が生じる問題がある。
【0014】
この発明の目的は、色ずれの少ないカラー画像を形成可能な光走査装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、ΣN(N+N+・・・+N) (Mは1以上の整数、かつ、Nの少なくとも1つは2以上の整数) の光源と、前記複数の光源から出射された光を、副走査方向に収束させるために副走査方向に正のパワーが与えられたM組の光学部材と、M組の光学部材からのM個の光群を第1の方向にほぼ重なる様に反射させるM−1個の合成用反射ミラーと、を含む第1の光学手段と、回転可能に形成された反射面を有し、前記光を所定の方向に偏向する偏向手段と、この偏向手段により偏向された前記ΣΝ本の光を所定像面に等速で走査するように結像し、前記偏向手段の面倒れを補正する機能を持つレンズを含む第2の光学手段と、前記光による書き出し位置を規定するための水平同期検出器と、を有し、φを前記偏向手段により偏向されるビームの有効画角、Wを水平同期信号を検出する領域を含む有効画像領域幅、pを副走査方向走査ピッチ、及び、kを回転多面鏡面数とするとき、像担持体の進行方向に対して走査線が、δ=tan−1(N×p×k×φ/ (4×π×W) )だけ直角方向から傾けられており、書き出し位置を規定するための水平方向の同期の基準位置を結んだ直線を、走査線に対して角度δだけ傾けていることを特徴とする光走査装置を提供するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
【0026】
図1は、この発明の実施の形態としてが適用されたマルチカラー光走査装置が組み込まれる4連ドラム式カラー画像形成装置の正面断面図である。
【0027】
図1に示されるように、画像形成装置100は、色分解された色成分すなわちY=イエロー,M=マゼンタ,C=シアンおよびB=ブラックごとに画像を形成する第1ないし第4の画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bを有している。
【0028】
各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) は、光走査装置1の第3の折返しミラー37Y,37M,37Cおよび第1の折返しミラー33Bを介して各色成分画像に対応するレーザビームL (Y,M,CおよびB) が出射される位置に対応して、光走査装置1の下方に、50Y,50M,50Cおよび50Bの順で直列に配置されている。
【0029】
それぞれの画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の下方には、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) により形成された画像を搬送する搬送ベルト52が配置されている。
【0030】
搬送ベルト52は、図示しないモータにより矢印の方向に回転されるベルト駆動ローラ56およびテンションローラ54に掛け渡され、ベルト駆動ローラ56が回転される方向に所定の速度で回転される。
【0031】
各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、円筒ドラム状で、矢印の方向に回転可能に形成され、印字すべき画像情報に対応する静電潜像が形成される感光体ドラム58Y,58M,58Cおよび58Bを有している。
【0032】
それぞれの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の周囲の所定位置には、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の表面に所定の表面電位を提供する帯電装置60Y,60M,60Cおよび60B、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の表面に形成された静電潜像を対応する色が与えられているトナーで現像する現像装置62Y,62M,62Cおよび62B、搬送ベルト52を感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) との間に介在させた状態で感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に対向され、搬送ベルト52または搬送ベルト52を介して搬送される記録用紙Pに、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 上のトナー像を転写する転写装置64Y,64M,64Cおよび64B、転写装置64 (Y,M,CおよびB) を介してトナー像が転写されたあとに感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 表面に残った残存トナーを除去するクリーナ66Y,66M,66Cおよび66B、及び、転写装置64 (Y,M,CおよびB) を介してトナー像が転写されたあとにそれぞれの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 上に残った残存電位を除去する除電装置68Y,68M,68Cおよび68Bが、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の回転方向に沿って順に配置されている。
【0033】
なお、光走査装置1の各ミラー37Y,37M,37Cおよび33Bにより、感光体ドラム58に案内される各レーザビームLY,LM,LCおよびLBは、図2および図6を用いて後述するよう、それぞれの感光体上で副走査方向にNi本に分離され、各帯電装置60 (Y,M,CおよびB) と各現像装置62 (Y,M,CおよびB) との間に照射される。また、この例では、レーザビームLY,LMおよびLCは2本 (N1=N2=N3=2) に、また、レーザビームLBは4本 (N4=4) に、それぞれ、分離される。
【0034】
搬送ベルト52の下方には、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) により形成された画像が転写されるための記録媒体すなわち用紙Pを収容する用紙カセット70が配置されている。
【0035】
用紙カセット70の一端部であって、テンションローラ54の近傍には、用紙カセット70に収容されている用紙Pを (最上部から) 1枚ずつ取り出す半月ローラ (送り出しローラ) 72が配置されている。送り出しローラ72とテンションローラ54との間には、カセット70から取り出された1枚の用紙Pの先端と各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) 、特に、50Bによりそれぞれの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) 、特に、58Bに形成されたトナー像の先端とを整合させるためのレジストローラ74が配置されている。
【0036】
レジストローラ74と第1の画像形成部50Yとの間であって、テンションローラ54の近傍、実質的に、搬送ベルト52を挟んでテンションローラ54の外周上には、レジストローラ72を介して所定のタイミングで搬送される1枚の用紙Pに、所定の静電吸着力を提供する吸着ローラ76が配置されている。なお、吸着ローラ76の軸線とテンションローラ54は、平行に配置される。
【0037】
搬送ベルト52の一端であって、ベルト駆動ローラ56の近傍、実質的に、搬送ベルト52を挟んでベルト駆動ローラ56の外周上には、搬送ベルト52あるいは搬送ベルトにより搬送される用紙P上に形成された画像の位置を検知するためのレジストセンサ78および80が、ベルト駆動ローラ56の軸方向に所定の距離をおいて配置されている (図1は、正面断面図であるから、後方のセンサ80のみが示されている) 。
【0038】
ベルト駆動ローラ56の外周に対応する搬送ベルト52上には、搬送ベルト52上に付着したトナーあるいは用紙Pの紙かすなどを除去する搬送ベルトクリーナ82が配置されている。
【0039】
搬送ベルト52を介して搬送された用紙Pがテンションローラ56から離脱されてさらに搬送される方向には、用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定着する定着装置84が配置されている。
【0040】
図2には、図1に示したカラー画像形成装置に利用されるマルチビーム光走査装置が示されている。なお、図1に示したカラー画像形成装置では、通常、Yすなわちイエロー、Mすなわちマゼンタ、CすなわちシアンおよびBすなわちブラック (黒) の各色成分ごとに色分解された4種類の画像データと、Y,M,CおよびBのそれぞれに対応して各色成分ごとに画像を形成するさまざまな装置が4組利用されることから、同様に、各参照符号にY,M,CおよびBを付加することで、色成分ごとの画像データとそれぞれに対応する装置を識別する。
【0041】
図2に示されるように、マルチビーム光走査装置1は、光源としてのレーザ素子から出射されたレーザビームを、所定の位置に配置された像面すなわち図1に示した第1ないし第4の画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bの感光体ドラム58Y,58M,58Cおよび58Bのそれぞれの所定の位置に向かって所定の線速度で偏向する偏向手段としてのただ1つの光偏向装置5を有している。なお、以下、光偏向装置5によりレーザビームが偏向される方向を主走査方向と示す。また、主走査方向と直交する方向であって、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面に平行な方向を副走査方向と示す。
【0042】
光偏向装置5は、複数、たとえば、8面の平面反射鏡 (面) が正多角形状に配置された多面鏡本体5aと、多面鏡本体5aを、主走査方向に所定の速度で回転させる図示しないモータとを有している。多面鏡本体5aは、たとえば、アルミニウムにより形成される。また、多面鏡5aの各反射面は、多面鏡本体5aが回転される方向を含む面すなわち主走査方向と直交する面、すなわち、副走査方向に沿って切り出されたのち、切断面に、たとえば、二酸化ケイ素などの表面保護層が蒸着されることで提供される。
【0043】
光偏向装置5と像面との間には、光偏向装置5の反射面により所定の方向に偏向されたレーザビームに所定の光学特性を与える第1および第2の結像レンズ30aおよび30bからなる2枚組みの偏向後光学系30、偏向後光学系30の第2の結像レンズ30bから出射されたそれぞれの合成されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) の個々のビームが、画像が書き込まれる領域より前の所定の位置に到達したことを検知するためのただ1つの水平同期検出器23、及び、偏向後光学系21と水平同期検出器23との間に配置され、偏向後光学系21の後述する少なくとも一枚のレンズを通過された2+2+2+4本の合成されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) の一部を、水平同期検出器23に向かって、主走査方向ならびに副走査方向のそれぞれ共に異なる方向へ反射させるただ1組の水平同期用折り返しミラー25などが配置されている。
【0044】
次に、光源としてのレーザ素子と光偏向装置5との間の偏向前光学系について詳細に説明する。
【0045】
光走査装置1は、N (iは正の整数) を満たす第1および第2の2つ (N=N=N=2) のレーザ素子を含むイエロー,マゼンタおよびシアン用光源3Y,3Mおよび3Cと、N (iは正の整数) を満たす第1ないし第4の4つ (N=4) のレーザ素子を含む第4の光源3Bを有している。なお、ビーム群光源の数M (Mは正の整数) は、4で示される。
【0046】
第1の光源3Yは、Yすなわちイエロー画像に対応するレーザビームを出射するイエロー第1レーザ3Yaおよびイエロー第2レーザ3Ybを有している。それぞれのレーザ3Yaおよび3Ybは、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面上で、それぞれから出射されたレーザビームLYaおよびLYbに、副走査方向に所定の距離を提供可能に配置されている。
【0047】
第2の光源3Mは、Mすなわちマゼンタ画像に対応するレーザビームを出射するマゼンタ第1レーザ3Maおよびマゼンタ第2レーザ3Mbを有している。なお、それぞれのレーザ3Maおよび3Mbも、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面上で、それぞれから出射されたレーザビームLMaおよびLMbに、副走査方向に所定の距離を提供可能に配置されている。
【0048】
第3の光源3Cは、Cすなわちシアン画像に対応するレーザビームを出射するシアン第1レーザ3Caおよびシアン第2レーザ3Cbを有している。この光源3Cも、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面上で、それぞれから出射されたレーザビームLCaおよびLCbに、副走査方向に所定の距離を提供可能に配置されている。
【0049】
第4の光源3Bは、Bすなわちブラック (黒) 画像に対応するレーザビームを出射する黒第1レーザ3Ba、黒第2レーザ3Bb、黒第3レーザ3Bcおよび黒第4レーザ3Bdを有している。なお、光源3Bは、4つのレーザを含むものの、上述した第1ないし第3の光源3Y,3Mおよび3Cと同様に、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面上で、それぞれから出射されたレーザビームLBa,LYb,LYcおよびLYdに、副走査方向に所定の距離を提供可能に配置されている。
【0050】
これにより、光偏向装置5の多面鏡5aの各反射面には、各反射面上で副走査方向に距離をおいたNi本かつM組 (M=4) のレーザビームLYa,LYb,LMa,LMb,LCa,LCb,LBa,LBb,LBcおよびLBdが出射される。
【0051】
それぞれのレーザ素子3Yaおよび3Yb、3Maおよび3Mb、3Caおよび3Cb、ならびに、3Ba,3Bb,3Bcおよび3Bdすなわち4群の光源3Y,3M,3Cおよび3Bと光偏向装置5との間には、それぞれの光源から出射された2本+2本+2本+4本の合計10本のレーザビームLYa,LYb,LMa,LMb,LCa,LCb,LBa,LBb,LBcおよびLBdの断面ビームスポット形状を所定の形状に整える4 (M) 組みの偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB) が配置されている。
【0052】
イエロー第1レーザ3Yaおよびイエロー第2レーザ3Ybのそれぞれと、光偏向装置5の間には、各レーザ3Yaおよび3Ybに所定の収束性を与える有限焦点レンズ9Yaおよび対応する有限レンズを通過されたレーザビームのビーム断面形状を所定の形状に整える絞り10Ya、ならびに、同レンズ9Ybおよび同10Ybが配置されている。なお、各有限レンズ9Yaおよび9Ybは、後述する偏向後光学系に利用される結像レンズ群に与えられる光学特性に対して相補的な光学特性を有することが必要であり、結像レンズ群の光学特性に依存して、たとえば、それぞれのレーザビームを平行光に変換するコリメートレンズが利用されてもよい。
【0053】
それぞれの絞り10Ya,10Ybを通過されたレーザビームLYa,LYbが交差する位置には、それぞれのレーザビームLYbとLYaとを、副走査方向から見た状態で実質的に1本のレーザビームLYとみなすことのできるよう重ね合わせる半透明鏡であるハーフミラー12Yが配置されている。すなわち、ハーフミラー12YのレーザビームLYaが入射される面と反対の面には、レーザビームLYaに対して副走査方向に所定のビーム間隔を提供可能に配置されたレーザビームLYbがレーザビームLYaに対して副走査方向に所定のビーム間隔で入射される。なお、ハーフミラー12Yは、それぞれのレーザビームLYa,LYbを、副走査方向から見た状態で実質的に1本のレーザビームLYとみなすことのできるよう重ね合わせた状態で光偏向装置5の多面鏡5aに入射させることのできる所定の角度で配置される。
【0054】
ハーフミラー12Yと光偏向装置5との間には、ハーフミラー12Yにより重ね合わせられたレーザビームLYを、副走査方向にのみ、さらに収束させるハイブリッドシリンダレンズ11Y、及び、図8を用いて後述するようにハイブリッドシリンダレンズ11Yを通過されたレーザビームLYを、実質的に1まとまりの光線束として光偏向装置5に案内するための複数の反射面を有するレーザ合成ミラーユニット13が配置されている。
【0055】
レーザ合成ミラーユニット13は、以下に示す他のレーザビームを、実質的に1まとまりの光線束として光偏向装置5に案内する。なお、図2から明らかなように、第1の光源3Yにより出射された第1および第2のイエローレーザビーム3Yaおよび3Ybは、図8に示すレーザ合成ミラーユニット13を通過されて光偏向装置5に案内される。
【0056】
また、マゼンタ第1レーザ3Maおよびマゼンタ第2レーザ3Mbのそれぞれとレーザ合成ミラーユニット13との間には、それぞれのレーザ3Maおよび3Mbに対応された有限焦点レンズ9Maおよび絞り10Maならびに9Mbおよび10Mb、ハーフミラー12M、及び、ハイブリッドシリンダレンズ11Mが配置されている。
【0057】
以下、同様に、シアン第1レーザ3Caおよびシアン第2レーザ3Cbのそれぞれとレーザ合成ミラーユニット13との間には、それぞれのレーザ3Caおよび3Cbに対応された有限焦点レンズ9Caおよび絞り10Caならびに9Cbおよび10Cb、ハーフミラー12C、及び、ハイブリッドシリンダレンズ11Cが配置されている。
【0058】
さらに、黒第1レーザ3Ba、黒第2レーザ3Bb、黒第3レーザ3Bcおよび黒第4レーザ3Bdのそれぞれとレーザ合成ミラーユニット13との間には、上述した他の光源に類似した光学特性を提供可能な、第1ないし第4の有限焦点レンズ9Ba,9Bb,9Bcおよび9Bd、第1ないし第4の絞り10Ba,10Bb,10Bcおよび10Bd、ハーフミラー12B,12Bならびに12B、及び、ハイブリッドシリンダレンズ11Bが配置されている。
【0059】
なお、それぞれの光源3 (Y,M,CおよびB) 、偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB) 、及び、レーザ合成ミラーユニット13は、例えば、アルミニウム合金によって形成される図示しない保持部材により一体的に保持されている。
【0060】
次に、偏向前光学系に利用される各レンズおよびハーフミラーの光学特性について詳細に説明する。
【0061】
有限焦点レンズ9 (Y,M,CおよびB) a,9 (Y,M,CおよびB) b,9Bcおよび9Bdには、それぞれ、非球面または球面ガラスレンズの表面に、図示しない紫外線硬化型プラスチック非球面レンズを貼り合わせた単レンズが利用される。
【0062】
各ビーム群中のレーザ素子の出力を全て同一の値とし、面上でも同一の光強度とするために、ハーフミラー12 (Y,MおよびC) とハーフミラー12Bの反射率と透過率の比は、それぞれ、1:1に設定される。これに対して、ハーフミラー12Bおよび12Bの反射率と透過率の比は、それぞれ、2:1および3:1に設定される。
【0063】
詳細には、第1ないし第3の光源3Y,3Mおよび3Cのそれぞれは、レーザの個数NがΝ=Ν=Ν=2であることから、要求されるハーフミラー12 (Y,MおよびC) の総数は、N−1により管理されるとともに、実質的に、2つの光源からのレーザビームの光量を50%ずつ合成することが必要となる。従って、反射率と透過率との比は、1:1に設定され、ハーフミラー12 (Y,MおよびC) を通過された時点で、それぞれのレーザ3Yaおよび3Yb、3Maおよび3Mb、ならびに、3Caおよび3Cbから出射されたレーザビームLYa,LYb,LMa,LMb,LCaおよびLCbの光強度は、実質的に等しく規定される。
【0064】
一方、黒第1レーザ3BaからのレーザビームLBaと黒第2レーザ3BbからのレーザビームLBbを合成するハーフミラー12Bも2つの光源からのレーザビームの光量を50%ずつ合成する点で、ハーフミラー12 (Y,MおよびC) と同一の反射率と透過率とを有する。これに対して、ハーフミラー12Bは、ハーフミラー12Bにより既に合成されたレーザビームLBaとレーザビームLBbに対して黒第3レーザ3BcからのレーザビームLBcを合成するものであるから、反射率と透過率との比を2:1とすることにより、レーザビームLBa,LBbおよびLBcの光強度を等しくすることができる。同様に、ハーフミラー12Bは、ハーフミラー12Bにより既に合成されたレーザビームLBcとレーザビームLBaおよびレーザビームLBbとに対して黒第4レーザ3BdからのレーザビームLBdを合成するものであるから、反射率と透過率との比を3:1とすることにより、ハーフミラー12Bを通過された時点で、それぞれのレーザ3Ba,3Bb,3Bcおよび3Bdから出射されたレーザビームLBa,LBb,LBcおよびLBdの光強度を、実質的に等しくできる。
【0065】
ところで、ハイブリッドレンズ11Bに入射される各レーザビームLBa,LBb,LBcおよびLBbの光強度は、それぞれのレーザ3Ba,3Bb,3Bcおよびa3Bdを出射された時点に比較して、おおむね、25%に減少されることになる。
【0066】
これに対して、ハーフミラー12 (Y,MおよびC) を通過されてハイブリッドレンズ11 (Y,MおよびC) に入射される各レーザビームLYa,LYb,LMa,LMb,LCaおよりLCbの光強度は、それぞれのレーザ3Ya,3Yb,3Ma,3Mb,3Caおよび3Cbを出射された時点に比較して、おおむね、50%に保持される。
【0067】
このことから、図2に示した例では、各レーザ3Ya,3Yb,3Ma,3Mb,3Caおよび3Cbの定格出力を10ミリワット (以下、mWと示す) に、3Ba,3Bb,3Bcおよび3Bdの定格出力20mWに、それぞれ設定することにより、異なるビーム数かつ異なる色用のレーザビームを、結像位置において、実質的に等しい光強度に設定できる。
【0068】
ところで、各現像装置62 (Y,M,CおよびB) に使用されるトナーの特性の個体誤差および各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) に利用される感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の特性の個体誤差に関連して、像面におけるレーザビームの最適光強度が変動することが知られている。また、各色成分に対応するトナーには、着色剤等の特性あるいは転写方式等に起因して異なる光強度およびビーム径が要求されることもある。しかしながら、同一の色成分に対応される画像形成部50における光強度およびビーム径は、実質的に均一であることが必要である。
【0069】
すなわち、画像形成部50 (Y,M,CおよびB) 相互間でのレーザビーム群LY,LM,LCおよびLBの光強度は、均一である必要はないが、各ビーム群におけるN本のビーム相互の像面での光強度およびビーム径は、それぞれ、均一であることが要求される。
【0070】
例えば、イエローレーザビームLYaおよびLYbの光強度が同一で、LYaのビーム径がLYbより小さい場合、イエローレーザビームLYaにより感光体ドラム58Yに書き込まれる潜像の幅はレーザビームLYbにより感光体ドラム58Yに書き込まれる潜像の幅に対して狭くなる。一例として、2本おきに、主走査方向に線を書き込む場合には、線の太さにばらつきが生じ、むらのある画像となってしまう。
【0071】
従って、イエローレーザビームLYaおよびLYb、マゼンタレーザビームLMaおよびLMb、シアンレーザビームLCaおよびLCb、ならびに、ブラック (黒) レーザビームLBa,LBb,LBcおよびLBdは、それぞれ、像面での光強度が同一でビーム径も均一であることが要求される。
【0072】
ところで、一般に、出力の高いすなわち高出力用レーザ素子ほど、そのビーム放射角度が小さくなることから、同一の有限レンズと絞りを使用した場合には、像面でのビーム径が大きくなってしまう。よって、ハーフミラー12Yにより主走査方向にまとめられるそれぞれのレーザビーム用のレーザ素子の定格出力は、互いに等しいことが必要となる。
【0073】
このことから、この発明の実施の形態では、ハーフミラー12Yにより主走査方向にまとめられるLYaおよびLYbを出射するレーザ素子3Yaおよび3Ybの定格出力は、それぞれ10mWに揃えられている。また、ハーフミラー12Mにより主走査方向にまとめられるLMaおよびLMbを出射するレーザ素子3Maおよび3Mbの定格出力は、それぞれ10mW、同様に、ハーフミラー12Cにより主走査方向にまとめられるLCaおよびLCbを出射するレーザ素子3Caおよび3Cbの定格出力は、それぞれ10mWである。なお、ハーフミラー12B,12Bおよび12BによりまとめられるレーザビームLBa,LBb,LBcおよびLBdを出射するレーザ素子3Ba,3Bb,3Bcおよび3Bdの定格出力は、それぞれ20mWに揃えられている。
【0074】
これにより、それぞれのビーム群、すなわち、LYaおよびLYb、LMaおよびLMb、LCaおよびLCbならびにLBa,LBb,LBcおよびLBdの各ビーム群の中での像面のビーム径は、同一の有限レンズおよび絞りによっても、容易に均一とすることができる。
【0075】
ここで、仮に、図2に示した光学装置において、ハーフミラー12B,12Bおよび12Bの透過率と反射率の比を、全て、1:1とすると、像面での光強度を均一とするためには、レーザ素子3Ba,3Bb,3Bcおよび3Bdの定格出力は、それぞれ、40mW,40mW,20mWおよび10mWに設定されなければならない。この場合、上述したレーザビームの放射角の差によって像面でのビーム径にばらつきが生じることとなる。
【0076】
ここで、各レーザ素子3Ba,3Bb,3Bcおよび3Bdとして定格出力が同一すなわち40mWのレーザ素子を利用し、実際に使用する際の出力を、それぞれ、40mW,40mW,20mWおよび10mWに制御する方法は容易に着想可能であるが、レーザ素子3Bcおよび3Bdは、オーバースペックとなることは明らかであり、コストが増大される。
【0077】
また、各レーザビームLY,LM,LCおよびLBに対して用意されるハーフミラー12の個数は、M組の光源のそれぞれを構成するビーム数NのΝ−1個(イエロー、マゼンタ、シアンは1、黒は3)であるが、いづれのレーザビームに関しても、ハーフミラー12を透過される回数は、最大で1回に制限される。
【0078】
換言すると、レーザビームLYb,LMa,LCbおよびLBaは、ハーフミラー12により反射されるのみ (透過回数=0) であり、残りのレーザビームもハーフミラー12を1回だけ通過する。
【0079】
このように、それぞれのレーザビームがハーフミラー12を透過する回数およびビーム相互間の通過回数の差を最小とすることにより、平行光以外の光が平行平板を通過する場合に生じる問題である焦点距離の変動あるいは球面収差の影響を低減できる。なお、ハーフミラー12を通過されないレーザビームLYb,LMa,LCbおよびLBaのそれぞれを、ハーフミラー12と等しい屈折率が与えられている平行平板を通過させることにより、ビーム相互間の通過回数の差に起因する光学特性の変動を低減できる。
【0080】
以下、表1ないし表3に、偏向前光学系7の光学的数値データを示す。
【0081】
【表1】
Figure 0003798619
【0082】
【表2】
Figure 0003798619
【0083】
【表3】
Figure 0003798619
【0084】
表1ないし表3から明らかなように、それぞれの色成分に対応される有限焦点レンズ9およびハイブリッドシリンダレンズ11は、単体では、どの色成分に関しても、同一のレンズが利用される。なお、転写ベルトである搬送ベルト52が回転される方向に関し、最も回転方向上流側と最も回転方向下流側に位置するY (イエロー) 画像形成部58Yに対応される偏向前光学系7YおよびB (ブラック) 画像形成部58Bに対応される偏向前光学系7Bは、実質的に、同一のレンズ配置を有する (系の光軸に対して対称となっている) 。また、M (マゼンタ) に対応される偏向前光学系7MおよびC (シアン) に対応される偏向前光学系7Cは、偏向前光学系7Yおよび7Bに比較して、有限焦点レンズ9とハイブリッドシリンダレンズ11との間隔が広げられている。
【0085】
一方、ハイブリッドシリンダレンズ11と光偏向装置5の反射面との間の距離は、両端のレーザビーム、すなわち、レーザビームLYおよびレーザビームLBに関して最大に規定される。このことは、図2から明らかなように、複数の光源のそれぞれを複数のレーザにより構成する際に、各レーザ3 (Y,M,CおよびB) a,3 (Y,M,CおよびB) b,黒第3レーザ3Bcおよび黒第4レーザ3Bdと、それぞれに対応する有限焦点レンズ9 (Y,M,CおよびB) a、9 (Y,M,CおよびB) b,黒第3レーザ用有限焦点レンズ9Bcおよび黒第4レーザ用有限焦点レンズ9Bdの配列に関する制約 (実装面) を低減できる。
【0086】
次に、図3を用いて、各光源から光偏向装置に向かうレーザビームに作用する偏向前光学系の機能について説明する。なお、各光源と光偏向装置との間に配置される各レンズおよびハーフミラーの作用は実質的に同一であるから、イエロー第1レーザ3Yaから光偏向装置5の多面鏡5aに向かうレーザビームLYaを代表させて説明する。
【0087】
図3に示されるように、イエロー第1レーザ3Yaを出射されたレーザビームLYaは、有限焦点レンズ9Yaにより所定の収束性が与えられたのち絞り10Yaを通過されて、断面ビーム形状が所定の形状に整えられる。
【0088】
ハーフミラー12Yにより、後述するイエロー第2レーザ3YbからのレーザビームLYb (図3では示されていない) に対して、副走査方向に所定の距離を置いた実質的に1本のレーザビームにまとめられたレーザビームLY (LYa+LYb) は、図8を用いて後述するレーザ合成ミラーユニット13の非反射領域を通過されて、副走査方向から見た状態で他の3群のレーザビームLM,LCおよびLBと実質的に1まとまりにまとめられて光偏向装置5に案内される。
【0089】
ハイブリッドシリンダレンズ11Yは、空気と接する面すなわち入射面が実質的に円筒面に形成され、副走査方向に対して実質的に等しい曲率が与えられた第1のシリンダレンズ17Yと第2のシリンダレンズ19Yとが、シリンダレンズ17Yの出射面とシリンダレンズ19Yの入射面との間の接着により、または、図示しない位置決め部材に向かって所定の方向から押圧されることで、一体に形成される。第1のシリンダレンズ17Yは、プラスチック、たとえば、PMMA (ポリメチルメタクリル) により形成される。第2のシリンダレンズ19Yは、ガラス、たとえば、TaSF21により形成される。なお、それぞれのシリンダレンズ17Yおよび19Yは、保持部材15と一体に形成された図示しない位置決め機構を介して、有限焦点レンズ9Yaあるいは9Ybのそれぞれと正確な間隔で固定される。
【0090】
ところで、レーザビームLYaは、第1および第2の結像レンズ30aおよび30bを通過する際に生じるコマ収差を打ち消すよう (図3において、17aで示されるシリンダレンズの入射面から延出された一点鎖線である) ハイブリッドシリンダレンズ11Yの光軸に偏心および傾きを伴なって入射される。
【0091】
また、図示しないレーザビームLYbは、ハイブリッドシリンダレンズ11Yの光軸に対してレーザビームLYaと非対称に入射される。なお、レーザビームLYbは、図3と同一の条件で表示すると、実質的にレーザビームLYbと重なり合うよう、ハイブリッドシリンダレンズ11Yに入射される。
【0092】
表4および表5は、表1ないし表3に示した偏向前光学系と組み合わせて利用される偏向後光学系の光学的数値データを示している。
【0093】
【表4】
Figure 0003798619
【0094】
【表5】
Figure 0003798619
【0095】
表4および表5に示した偏向後光学系を利用すれば、光偏向装置5の各反射面の面倒れの最大値を1分とした場合であっても、像面でのビームの位置ズレは、4μmに抑えられる。
【0096】
すなわち、表4に示した偏向後光学系は、光偏向装置5の各反射面の面倒れに対して1/48倍の面倒れ補正機能を有する。なお、偏向後光学系が面倒れ補正機能を持たない場合、ジッタが目視により知覚されない程度まで光偏向装置5の各反射面相互の面倒れを低減しようとすれば、光偏向装置5の各反射面の倒れを2秒程度まで低減しなければならないことから、多面鏡本体5aが非常に高価なものとなってしまう。
【0097】
また、光偏向装置5により偏向されるビームの有効画角φは、1.01237ラジアン (以下、radと示す) であり、水平同期信号検出領域を含む有効画像領域幅Wは、320ミリメートル(以下、mmと示す)、光偏向装置5の各反射面の反射点と像面との間の距離LTは、329.797mmである。ここで、
1.01237=φ > W/LT=0.97
となるよう、ビームの有効画角φ、有効画像領域幅Wおよび反射点と像面との間の距離LTを最適化することにより、マルチビームに必要な結像特性および走査線曲がり等が環境の変化によって劣化されることを低減する一方で、光源に利用されるレーザ素子を駆動するレーザ駆動周波数を低くすることができる。これにより、光走査装置の大きさも低減できる。また、偏向後光学系に、プラスチックレンズを使用しても、温湿度の変化に対して色ズレの少ない光学ユニットを提供できる。
【0098】
なお、φ > W/LTは、有効画角φ、W/LT (有効画像領域幅/反射点と像面との間の距離) すなわちを最適化設計の変数としてシミュレーションした結果得られたものである。ここで、φ < W/LTの領域では、温湿度変化に対して走査線曲がりおよび結像特性の劣化が大きくなることが確認されている。また、製造公差も、厳しくなることが確認された。その一方で、φ > 1.2(W/LT)の領域では、温湿度の変化に対して走査線曲がりが大きくなることが確認されている。
【0099】
従って、ビームの有効画角φは、好ましくは、
1.2(W/LT) > φ > W/LT
の範囲内から選択される。なお、ビームの有効画角φを評価する際に、図4に示す評価関数を用いている。ここで、図4を参照すれば、φが1付近で全体的に評価関数が小さくなるが、φ=1.1(W/LT)近傍でも評価関数が小さくなることが確認できる。
【0100】
図5には、図3および表1ないし表3に示した偏向前光学系7 (Y,M,CおよびB) のそれぞれを、光偏向装置5の反射面の回転軸に直交する方向(副走査方向)のそれぞれのレーザ合成ミラーの反射面13Y,13Mおよび13Cから光偏向装置5に向かうレーザビームLY,LMおよびLCが示されている (LYはLYaとLYb、LMはLMaとLMb、LCはLCaとLCbから成っている) 。ここで、図5中の各ビームLB,LC,LM,LYに各々記載されている一点鎖線は、それぞれのビームの主光線を表している。また、ビームLMとLCの主光線の間に記載されている一点鎖線は、本願の4本ビームによる光学系の系全体の光軸を表している。
【0101】
図5から明らかなように、それぞれのレーザビームLY,LM,LCおよびLBは、光偏向装置5の反射面の回転軸と平行な方向に、相互に異なる間隔で、光偏向装置5に案内される。ここで、図1および図5に示したように、レーザビームLBを光偏向装置5に反射するためのミラー13Bは、レーザビームLCを光偏向装置5に反射するためのミラー13CおよびレーザビームLMを光偏向装置5に反射するためのミラー13Mよりも光偏向装置5に近い位置に配置されている。また、レーザビームLCを光偏向装置5に反射するためのミラー13Cは、レーザビームLMを光偏向装置5に反射するためのミラー13Mよりも光偏向装置5に近い位置に配置される。また、レーザビームLMおよびLCは、光偏向装置5の反射面の回転軸と直交するとともに反射面の副走査方向の中心を含む面、すなわち、光走査装置1の系の光軸を含む面を挟んで非対称に、光偏向装置5の各反射面に案内される。なお、光偏向装置5の各反射面上でのレーザビームLY,LM,LCおよびLB相互のそれぞれの主光線相互の間隔は、LY−LM間で2.26mm、LM−LC間で1.71mm、及び、LC−LB間で1.45mmである。このように、レーザビームLY,LM,LC,LBをそれぞれ光偏向装置5側に反射するミラーのうち、最も光偏向装置5に近い位置に配置されているミラー13Bにより反射されるビームLBの主光線と、ミラー13Bに隣接するミラー13Cにより反射されるビームLCの主光線との距離(1.45mm)は、ビームLCの主光線と、ミラー13Cに対して光偏向装置5から遠ざかる方向で隣接するミラー13Mにより反射されるビームLMの主光線との距離(1.7mm)より小さい値となっている。すなわち、光偏向装置5から遠いミラーで反射されるビームほど、隣接するビームとの間隔が広くなっていくように配置されている。これは、複数のビームのビーム径の像面での大きさを同じ大きさに合わせるためには、光偏向装置5の偏向面で反射されるビームのビーム径を同じ大きさにしておかなければならないために、ビームの収束特性が同じ場合には、偏向面からより近い位置にいるほど、ビーム径は、小さくなることを利用したもので、ビーム径が小さいビームを反射するために用いるミラーは、反射面を小さくすることによって、ビームの間隔を狭くし、ひいてはビーム全体(4本全体)が 占める幅を狭くするようにしたものである。
【0102】
図6には、光走査装置1の光偏向装置5から各感光体ドラム58すなわち像面までの間に配置される光学部材に関し、光偏向装置5の偏向角が0°の位置で副走査方向から見た状態が示されている。
【0103】
図6に示されるように、偏向後光学系30の第2の結像レンズ30bと像面との間には、レンズ30bを通過された2+2+2+4=10本のレーザビームL (Y,M,CおよびB) を像面に向かって折り曲げる第1の折り返しミラー33 (Y,M,CおよびB) 、第1の折り返しミラー33Y,33Mおよび33Cにより折り曲げられたレーザビームLY,LMおよびLCを、さらに折り返す第2および第3の折り返しミラー35Y,35Mおよび35Cならびに37Y,37Mおよび37Cが配置されている。なお、図6から明らかなように、B (ブラック) 画像に対応するレーザビームLBは、第1の折り返しミラー33Bにより折り返されたのち、他のミラーを経由せずに、像面に案内される。
【0104】
第1および第2の結像レンズ30aおよび30b、第1の折り返しミラー33 (Y,M,CおよびB) 、及び、第2の折り返しミラー35Y,35Mおよび35Cは、それぞれ、光走査装置1の中間ベース1aに、たとえば、一体成型により形成された図示しない複数の固定部材に、接着などにより固定される。
【0105】
また、第3の折り返しミラー37Y,37Mおよび37Cは、図16を用いて後述する固定用リブと傾き調整機構を介して、ミラー面と垂直方向に関連した少なくとも1方向に関し、移動可能に配置される。
【0106】
第3の折り返しミラー37Y,37M,37Cおよび第1の折り返しミラー33Bと像面との間であって、それぞれのミラー33B、37Y,37Mおよび37Cを介して反射された2+2+2+4=10本のレーザビームL (Y,M,CおよびB) が光走査装置1から出射される位置には、さらに、光走査装置1内部を防塵するための防塵ガラス39 (Y,M,CおよびB) が配置されている。
【0107】
次に、ハイブリッドシリンダレンズと偏向後光学系との間の光学特性について詳細に説明する。
【0108】
偏向後光学系30すなわち2枚組みの第1および第2の結像レンズ30aおよび30bは、プラスチック、たとえば、PMMAにより形成されることから、周辺温度が、たとえば、0°Cから50°Cの間で変化することで、屈折率nが、1.4876から1.4789まで変化することが知られている。この場合、第1および第2の結像レンズ30aおよび30bを通過されたレーザビームが実際に集光される結像面、すなわち、副走査方向における結像位置は、±4mm程度変動してしまう。
【0109】
これに対して、図3に示した偏向前光学系7に、偏向後光学系30に利用されるレンズの材質と同一の材質のレンズを、曲率を最適化した状態で組み込むことで、温度変化による屈折率nの変動に伴って発生する結像面の変動を、±0.5mm程度に抑えることができる。すなわち、偏向前光学系7がガラスレンズで、偏向後光学系30がプラスチックレンズにより構成される従来の光学系に比較して、偏向後光学系30のレンズの温度変化による屈折率の変化に起因して発生する副走査方向の色収差が補正できる。
【0110】
しかしながら、補正可能な色収差の補正量は、プラスチックシリンダレンズのパワーに比例する。すなわち、補正可能な色収差の量は、プラスチックシリンダレンズの入射面曲率と出射面曲率との差に応じて決まることから、プラスチックシリンダレンズの入射面を平面とすれば、このことにより、ガラスシリンダレンズの曲率が特定される。従って、ガラスシリンダレンズに利用される材料が特定されるとハイブリッドシリンダレンズの焦点距離が決定される。
【0111】
このことから、偏向後光学系の光学特性が特定された場合には、副走査方向のビームの最小径は、ハイブリッドシリンダレンズの焦点距離のみによって、設定可能となる。この場合、設計自由度が確保できなくなり、目標とするビーム径を得ることと色消しとが両立しなくなる虞れがある。
【0112】
なお、ガラス材料を変更することにより屈折率を変えてガラスシリンダレンズの焦点距離を調整することで、ハイブリッドシリンダレンズとしての焦点距離を設定する方法もあるが、ガラスの材質によっては、研削性、保管あるいは運送に際して必ずしも有益とは限らず、自由度が低くなることは避けられない。
【0113】
また、ガラスシリンダレンズの入射面および出射面のそれぞれに曲率を与え、プラスチックシリンダレンズのパワーと、ハイブリッドシリンダレンズのパワーを独立の関数とする方法もことも可能である。
【0114】
しかしながら、成型により作成するプラスチックシリンダレンズの両側に曲率を与え、プラスチックシリンダレンズのパワーとハイブリッドシリンダレンズのパワーを独立の関数とする上記方法により最もコストを低減できる。また、上記方法によれば、加工精度および形状精度を容易に確保できる。
【0115】
図7には、図6に示した光偏向装置5と像面との間を通過する第1ないし第4の合成されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) と光走査装置1の副走査方向の系の光軸との関係を示す光路図である。
【0116】
図7に示されるように、光偏向装置5の反射面で反射された第1ないし第4の合成されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) は、それぞれ、第1の結像レンズ30aと第2の結像レンズ30bとの間で、副走査方向に関し、系の光軸と交差して、像面に案内される。
【0117】
図8には、第1ないし第4の合成されたレーザビームLY,LM,LCおよびLBを、1つの束のレーザビームとして光偏向装置5の各反射面に案内すレーザ合成ミラーユニット13が示されている。
【0118】
レーザ合成ミラーユニット13は、画像形成可能な色成分の数 (色分解された色の数) よりも「1」だけ少ない数だけ配置される第1ないし第3のミラー13M,13Cおよび13Bと、それぞれのミラー13M,13Cおよび13Bを保持する第1ないし第3のミラー保持部13α,13βおよび13γならびにそれぞれの保持部13α,13βおよび13γを支持するベース13aにより構成される。なお、ベース13aならびにそれぞれの保持部13α,13βおよび13γは、熱膨脹率が小さい、たとえば、アルミニウム合金などにより一体的に形成されている。
【0119】
このとき、光源3Yすなわちイエロー第1レーザ3Yaおよびイエロー第2レーザ3YbからのレーザビームLYは、既に説明したように、光偏向装置5の各反射面に直接案内される。この場合、レーザビームLYは、光走査装置1の系の光軸よりもベース13a側すなわち第1の保持部13αに固定されるミラー13Mとベース13aとの間を通過される。
【0120】
次に、図8に示した合成ミラー13のそれぞれのミラー13M,13Cおよび13Bにより反射されて光偏向装置5に案内される各レーザビームLM,LCおよびLBならびに光偏向装置5に直接案内されるレーザビームLYの光強度 (光量) について考察する。
【0121】
レーザ合成ミラーユニット13によれば、それぞれのレーザビームLM,LCおよびLBは、光偏向装置5の各反射面に入射する前段の各レーザビームLM,LCおよびLBが副走査方向に分離している領域で、通常のミラー (13M,13Cおよび13B) によって折り返される。従って、各反射面 (13M,13Cおよび13B) で反射されたのち多面鏡本体5aに向けて供給される各レーザビームL (M,CおよびB) の光量は、各ハイブリッドシリンダレンズ11からの出射光量のおおむね90%以上に維持できる。各レーザ素子の出力を低減できるばかりでなく、傾いた平行平板による収差が発生しないため、像面に到達される光の収差を均一に補正できる。これにより、それぞれのレーザビームのビーム径を小さく絞ることが可能となり、結果として、高精細化への対応を可能とする。なお、Y (イエロー) に対応するレーザ素子3Yは、合成ミラー13のいづれのミラーにも関与されることなく、直接、光偏向装置5の各反射面に案内されることから、レーザの出力容量が低減できるばかりでなく、 (合成ミラーにより反射される他のレーザビームに生じる虞れのある) ミラー (13M,13Cおよび13B) で反射されることによる各反射面への入射角の誤差が除去される。
【0122】
次に、図2および図6を参照して、光偏向装置の各反射面で反射されたレーザビームL (Y,M,CおよびB) と偏向後光学系30を通って光走査装置1から外部へ出射される各レーザビームLY,LM,LCおよびLBの傾きと折り返しミラー33B,37Y,37Mおよび37Cとの関係について説明する。
【0123】
既に説明したように、光偏向装置5の多面鏡5aで反射され、第1ないし第2の結像レンズ30aおよび30bにより所定の収差特性が与えられた各レーザビームLY,LM,LCおよびLBは、それぞれ、第1の折り返しミラー33Y,33M,33Cおよび33Bを介して所定の方向に折り返される。
【0124】
このとき、レーザビームLBは、第1の折り返しミラー33Bで反射されたのち、そのまま防塵ガラス39Bを通って感光体ドラム58bに案内される。これに対し、残りのレーザビームLY,LMおよびLCは、それぞれ、第2の折り返しミラー35Y,35Mおよび35Cに案内され、第2の折り返しミラー35Y,35Mおよび35Cによって、第3の折り返しミラー37Y,37Mおよび37Cに向かって反射され、さらに、第3の折り返しミラー37Y,37Mおよび37Cで反射されたのち、それぞれ、防塵ガラス39Y,39Mおよび39Cにより、おおむね等間隔でそれぞれの感光体ドラムに結像される。この場合、第1の折り返しミラー33Bで出射されたレーザビームLBとレーザビームLBに隣り合うレーザビームLCも、おおむね等間隔で感光体ドラム58Bおよび58Cのそれぞれに結像される。
【0125】
ところで、レーザビームLBは、多面鏡5aの各反射面で偏向された後は、折り返しミラー33Bで反射されるのみで、光走査装置1から感光体ドラム58に向かって出射される。
【0126】
このレーザビームLBは、光路中に複数のミラーが存在する場合に、ミラーの数に従って増大 (逓倍) される結像面での像のさまざまな収差特性の変動あるいは主走査線曲がりなどに関し、残りのレーザビームL (Y,MおよびC) を相対的に補正する際の基準光線として有益である。
【0127】
なお、光路中に複数のミラーが存在する場合には、それぞれのレーザビームLY,LM,LCおよびLBごとに利用されるミラーの枚数を奇数または偶数に揃えることが好ましい。すなわち、図5に示されるように、レーザビームLBに関与する偏向後光学系内のミラーの枚数は、光偏向装置5の多面鏡5aを除いて1枚 (奇数) で、レーザビームLC,LMおよびLYに関与する偏向後光学系内のミラーの枚数は、それぞれ、多面鏡5aを除いて3枚 (奇数) である。ここで、いづれか1つのレーザビームLC,LMおよびLYに関し、第2のミラー35が省略されたと仮定すれば、第2のミラー35が省略された光路 (ミラーの枚数は偶数) を通るレーザビームのレンズなどの傾きなどによる主走査線曲がりの方向は、他のレーザビームすなわちミラーの枚数が奇数のレンズなど傾きなどによる主走査線曲がりの方向と逆になり、所定の色を再現する際に有害な問題である色ズレを引き起こす。
【0128】
従って、2+2+2+4=10本のレーザビームLY,LM,LCおよびLBを重ねて所定の色を再現する際には、各レーザビームLY,LM,LCおよびLBの偏光後光学系30の光路中に配置されるミラーの枚数は、実質的に、奇数または偶数に統一される。
【0129】
図9には、偏向後光学系の系の光軸と一方の端の走査線の間の距離L、偏向後光学系の系の光軸と他方の端の走査線の間の距離L、及び、両端の走査線間の系の光軸に平行な方向の距離ΔLmaxの関係が示されている。
【0130】
これらの値 (L,LおよびΔLmax) は、最終のレンズ面と像面と間の距離Loと、M=4群で示されるビーム相互の間隔により、その最大値が設定される。しかしながら、最終のレンズ面と像面と間の距離Loを優先させて設定すると、光学系に対する要求が厳しくなり、結像特性、走査線の曲がり、環境変化による諸特性の変動が無視できないレベルに達してしまう問題がある。
【0131】
このため、多くの光走査装置を設計して光学部材の実装を繰り返した結果、光走査装置の光学性能を維持可能であって、感光体ドラム相互の間隔および光走査装置と各感光体ドラムとの間の距離を確保できる条件を見出だすことができた。
【0132】
すなわち、上述した各距離L,LおよびΔLmaxとLoとの間には、
(ΔLmax+L+L) /1.8 > Lo
Lo > (ΔLmax+L+L) / 2
が満足されることを条件に、光走査装置の光学性能を維持可能であって、感光体ドラム相互の間隔および光走査装置と各感光体ドラムとの間の距離を確保できることが確認された。
【0133】
詳細には、最終レンズ (第2の結像レンズ30b) を通過したビームは、傾きを無視することで、図10に示されるように、偏向後光学系30の2つのレンズ30aおよび30bの光軸を結ぶ線と平行に出射するものと近似できる。
【0134】
また、一番レンズ側に近い位置で分離されるビームの第1および第2のミラーによる反射を回の反射で近似し、この反射点を (x,y) = (0,0) と置くとともに、感光体ドラムを光軸の上側 (紙面の上方) とみなす (従って、ここでの座標系は、他の図面の座標系と異なる) 。さらに、第3のミラーによる反射点を (x,y) 、像面の座標を (x,y) 、及び、折り返しミラーを1つだけ通るビームの像面の座標を (x,y) と置く。
【0135】
この時、プロセス関係の部品を実装可能な容積を最大にするには、y1が正の場合には、図10 (a) に示されるように、 (x,y) 、 (x,y) 、 (x,y) および (x,y) で囲まれる面積Sを最大にすればよい。また、yが負の場合には、 (x,y) 、 (x,y) 、 (x,0) および (x,0) で囲まれる面積Sを最大にすればよい。
【0136】
以下、面積Sあるいは面積Sを最大にするためには、第2のミラーにより反射されたビームと偏向後光学系の光軸との角度をΨ、第2のミラーでの反射点と第3のミラーでの反射点との距離を と置くと、y,xは、それぞれ、
【数3】
Figure 0003798619
【0137】
【数4】
Figure 0003798619
【0138】
で示される。
【0139】
第2のミラーによる反射点から像面までの光路長を と置き、第3のミラーでの反射後のビームが偏向後光学系の光軸と垂直である (このような場合にSあるいはSが最大となる) と近似して像面の座標を (x,y) と置くと、
= x (a−3)
= y (a−4)
と表される。
【0140】
一方、最もレンズ側に近い位置で分離されるビームと、最後に第1のミラーで反射されるビームの距離をy4と置くと、
= − ( −y−y) (a−5)
= y (a−6)
が満足される。
【0141】
従って、SおよびSは、それぞれ、
= (y−y) (x−x) (a−7)
=y (x−x) (a−8)
と示される。
【0142】
ところで、yは、少なくとも、ビームが重ならない位置で3つのビームを分離できる距離に設定されることから、それぞれのビームの像面に等間隔に位置される場合、像面からそれぞれの分離点までの光路長は、

( ((x−x) /3) /2) 及び、
( ((x−x) /3) /2)
で表される。
【0143】
一方、像面でのビーム半径をω とすると、その広がり角は、ξλ/(πω )で表される。ここで、ξは、偏向前光学系の絞りによる回折の影響を含む係数とする。この場合、広がり角ξλ/π/ω 内に、光の伝播を遮るものが有ると像面でのビーム径が大きくなってしまう。像面から分離点までの距離に、この広がり角を掛けたものが、分離点でのビーム半径となる為、分離点では、反射する光線については、その主光線は、少なくともビーム半径分は折り返しミラー側、折り返しミラーで折り返されないものについては、その主光線は、少なくとも分離位置でのビーム半径分は折り返しミラー端部から離れている必要が有る。即ち、広がり角ξλ/π/ω に、像面から分離点までの距離を掛けたもの2倍だけ、その箇所での主光線位置がずれている必要が有る。それぞれの分離点は、像面からの距離が、先に述べた様に、l ( (( −x ) /3 )) /2 ) 及び、l (( −x ) /3 ) /2 ) であるから、それぞれの主光線が概ね平行であると近似している為、これに2ξλ/π/ω を掛けた距離だけ、第1の分離点での主光線間隔を確保する必要がある。この為、一番初めに分離される光線と、最後に折り返されるビームの主光線は、これらの和の分だけ離れている必要があることになる。最初の分離点の座標を原点として考えているため、は、
=ξ2λ/π/ω ( (( −x ) /3 ) /2 )
+l (( −x ) /3 ) /2 ) ・・・(a−9)
【0144】
で示される。
【0145】
なお、ζは、像面におけるビーム径をωoとするために、一般に、l.4に設定される。また、ζは、特に、第1のミラー (分離ミラー) に関し、隣接ビームの回析の影響を除去するためには、2.8程度に規定される。
【0146】
(a−9) 式を、(a−1),(a−2),(a−3),(a−4),(a−5)および(a−6)式を使って、x ,x を消去し、これをについて解くと、
【数5】
Figure 0003798619
【0147】
が得られる。
【0148】
ここで、 (a−10) 式および (a−1) 式ないし (a−6) 式を (a−7) 式および (a−8) 式に代入し、SおよびSの小さい方の値を縦軸にプロットすると図11が得られる。なお、図11では、ζ=1.4, =175,λ=0.00068およびωo=0.025の条件下で、横軸をΨを−πからπまで、奥行き方向の軸を を、0から175までとしている。
【0149】
図11から明らかなように、SおよびSの小さい方の値が最大になる条件は、
Ψ = 0 (a−11)
である。
【0150】
以下、S で微分して0が得られる解を求めると、
【数6】
Figure 0003798619
【0151】
となる。
【0152】
ここで、実際には、 に、最終のレンズ面と第1の折り返しミラーの距離を加えた数値がLoであるが、 = Loと近似すると、
Figure 0003798619
【0153】
に変形される。
【0154】
従って、 (a−13) 式を、(a−1)ないし(a−6)、(a− 10 )および (a−11) 式を代入使って、x −x を消去して簡素化すると、
【数7】
Figure 0003798619
【0155】
が導かれる。
【0156】
以下、現在、実用可能と考えられる範囲の組み合わせであるλ=0.00063に対して、横軸に、ζを1.4142から2.8まで、奥行き方向の軸に、ωoを0.02=から0.06までとした (a−14) 式の値を図12に示す。同様に、λ=0.0008に対して、横軸に、ζを1.4142から2.8まで、奥行き方向の軸に、ωoを0.02から0.06までとした (a−14) 式の値を図13に示す。これらの縦軸の値が(a− 14 )式の値の範囲であり、(a− 14 )式は、1.8〜2の間の値を取ることがわかる。
【0157】
以上のことから、1.8 < (ΔL max +L +L )/L ) < 2であり、L は、正の値であることを考えて、L に対する式に直すと、
(ΔLmax+L+L) /1.8 > Lo
Lo > (ΔLmax+L+L) / 2
が満足されることを条件に、光走査装置の光学性能を維持可能であって、感光体ドラム相互の間隔および光走査装置と各感光体ドラムとの間の距離を確保できることすなわちプロセス関係の部品を実装可能な容積がSに対して最大になることが認められる。
【0158】
なお、上述した説明においては、それぞれの感光体ドラム間隔を一定とみなしたが、たとえば、折り返しが1回だけのビームが案内される感光体ドラムの直径が他の感光体ドラムよりもΔDだけ大きい場合、LをΔDだけ小さくし、ΔLmaxをΔDだけ大きくすることで、転写位置の高さを一定に維持できる。このことから、 (ΔLmax+L+L) の値は、感光体ドラムの直径が不均一であっても同一となる。従って、 (a−15) 式は、感光体ドラム相互の間隔および感光体ドラムの径のいづれかが不均一に設定された画像形成装置に対しても有効である。
【0159】
なお、この条件を確認するために、図2ないし図9ならびに図14ないし図16に示した光走査装置に上記条件を適用すると、
(ΔLmax+L+L) /1.8
= 187.25mm
Lo = 175mm
(ΔLmax+L+L) /2
= 168.527
であるから、上記条件が満足されることが認められる。
【0160】
このことから、偏向後光学系の全体およびレンズの大きさを適正に設定できるとともに、M個のビーム群の環境変化による曲がり発生量の差を抑止することが可能となる。なお、同時に、光走査装置の大きさが不所望に大型化されることが抑制される。また、大きさが実質的に等しい光走査装置に比較して、画角を増大可能であることから、画像周波数を低く設定できる。
【0161】
図14は、像面に案内されたレーザビームの位置関係を示す概略図である。
【0162】
図14 (a) は、それぞれ、2本のレーザビームが一まとめにまとめられたレーザビームLMおよびLCを示し、図14 (b) は、4本のレーザビームが一まとめにまとめられたレーザビームLBの例を示している。
【0163】
図14 (a) および図14 (b) においてハッチング部分は、レーザビームの光強度が、1/e以上となる領域に対応される。なお、ビームの断面形状は、主走査方向の1/e直径が、隣接するビーム相互間距離 (ピッチ) の0.8〜1.2倍、副走査方向の1/e直径が、ピッチの1.2〜l.6倍程度となるよう設定される。また、隣接するそれぞれのビームは、相互に (LBについては4本のそれぞれが) 像面で隣り合う走査線を走査するよう設定されるとともに、1/e直径が重なることのないよう、走査方向に1/e直径以上ずらされている。
【0164】
すなわち、2本以上のレーザビームが一まとめにまとめられたレーザビームを用いて画像を露光する場合に、それぞれのレーザビームの光強度が1/e以上となる1/e直径がレーザビーム相互間で重なりあうと、ビーム相互の干渉によるビーム形状が生じる問題があるが、図14 (a) および図14 (b) に示されるように、それぞれのビーム間隔および走査方向位置を僅かにシフトすることで、ビーム相互の干渉によるビーム形状の変化が生じることを防止できる。
【0165】
図15には、水平同期用折り返しミラーが詳細に示されている。
【0166】
図15によれば、水平同期用折り返しミラー25は、それぞれの合成されたレーザビームLY,LM,LCおよびLBを、主走査方向には水平同期検出器23に異なるタイミングで反射させるとともに、副走査方向には水平同期検出器23上で実質的に同一の高さを提供できるよう、主走査方向および副走査方向ともに異なる角度に形成された第1ないし第4の折り返しミラー面25Y,25M,25Cおよび25B、及び、それぞれのミラー25 (Y,M,CおよびB) を一体に保持するミラーブロック25aを有している。
【0167】
ミラーブロック25aは、たとえば、ガラス入りPC (ポリカーボネイト) などにより成型される。また、各ミラー25 (Y,M,CおよびB) は、所定の角度で成型されたブロック25aの対応する位置に、たとえば、アルミニウムなどの金属が蒸着されて形成される。
【0168】
このようにして、光偏向装置5で偏向された各レーザビームLY,LM,LCおよびLBを、1つの検出器23の同一の検出位置に入射させることが可能となるばかりでなく、たとえば、検出器が複数個配置される際に問題となる各検出器の感度あるいは位置ずれに起因する水平同期信号のずれが除去できる。なお、水平同期検出器23には、水平同期用折り返しミラー25により主走査方向1ラインあたりレーザビーム群LY,LM,LCおよびLBが合計4回入射され1つのビームにつきN回づつ (LY,LMおよびLCについては2回、LBについては4回) の水平同期信号が得られることはいうまでもない。また、ミラーブロック25aは、型のミラー面が1つにブロックから切削加工により作成可能に設計され、アンダーカットを必要とせずに、型から抜けるよう工夫されている。
【0169】
図16は、第3の折り返しミラー37Y,37Mおよび37Cの支持機構を示す概略斜視図である。
【0170】
図16によれば、第3の折り返しミラー37 (Y,MおよびC) は、それぞれ、光走査装置1の中間ベース1aの所定の位置に、中間ベース1aと一体的に形成された固定部41 (Y,MおよびC) 、及び、固定部41 (Y,MおよびC) に対し、対応するミラーを挟んで対向されるミラー押さえ板ばね43 (Y,MおよびC) により保持される。
【0171】
固定部41 (Y,MおよびC) は、各ミラー37 (Y,MおよびC) の両端部 (主走査方向) に一対形成されている。
【0172】
一方の固定部41 (Y,MおよびC) には、それぞれ、ミラー37 (Y,MおよびC) を2点で保持するための2つの突起45 (Y,MおよびC) が形成されている。また、他の一方の固定部41 (Y,MおよびC) には、突起45 (Y,MおよびC) で保持されているミラーを垂直方向または光軸に沿って移動可能に支持する止めねじ47 (Y,MおよびC) が配置されている。
【0173】
図16に示されるように、それぞれのミラー37 (Y,MおよびC) は、止めねじ47 (Y,MおよびC) が所定の方向に移動されることで、突起45 (Y,MおよびC) を支点として、ミラー面に垂直方向または光軸方向に移動されるので、主走査方向の傾きすなわち主走査線の曲りが補正される。
【0174】
図17は、像面へのレーザビームの露光すなわち感光体ドラムに潜像を形成する状態を示す概略図である。なお、図17では、黒レーザビームすなわち光源3Bから出射される4本のレーザビームを例に説明する。
【0175】
図17によれば、実線で書かれている領域は光偏向装置5の多面鏡5aのある反射面で作像 (画像形成のためのレーザビームが偏向) される領域であり、中央部分の領域が有効画像領域に対応される。また、他の部分は、無効領域として、作像に寄与しないレーザビームが偏向される領域である。なお、一点鎖線部は、多面鏡5aの次の反射面で作像される領域を示している。
【0176】
図17 (a) は、光偏向装置5の多面鏡5aのある反射面で偏向されたΝ=4本のレーザビームを所定像面に等速で走査するように結像した場合、pを副走査方向のビーム間距離 (ビームピッチ) およびkを多面鏡5aの反射面の数とするとき、走査線と感光体ドラムが回転される方向とのなす角、すなわち、走査線が副走査方向に対して傾く量δを示している。なお、このとき、水平方向の同期の基準となる信号を出す場所を結んだ直線を基準位置として定義する。
【0177】
ここで、傾きδは、
δ=tan−1[(N×p×k×φ) / (4×π×W)]
により求められる。なお、Nはレーザビームの数、φは有効画角及びWは有効画像領域幅を示す。また、傾きδは、感光体ドラムの回転方向に対して遅れ (−) となる。
【0178】
図17 (b) は、図17 (a) により求められる傾きδを補正する例を示し、走査線と感光体ドラムの回転方向すなわち副走査方向との間に傾きδを設定することで、走査線が感光体ドラムの回転方向と平行になる (走査線と感光体ドラムの軸線とが平行になる) ことを示している。この場合、傾きδは、図17 (a) に示した角度に一致される。なお、傾きδは、感光体ドラムの回転方向に対して進み (+) に設定されることはいうまでもない。また、傾きδは、光走査装置1のユニット全体あるいは少なくとも光偏向装置により反射されたレーザビームが感光体ドラムに向けて案内される間に関与する光学部材の全てに与えられる (光走査装置1が画像形成装置100に配置される際に、光偏向装置5と各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) とを結ぶ軸線が各感光体ドラム58の軸線に対してδだけ傾くよう配置される) 。なお、各ビーム群に対し、傾き角δiを最適に設定するには、折り返しミラー35と37に対し、主走査方向に、δi−δだけ傾ければよい。
【0179】
図17(c)は、図17(b)に示した方法により、感光体ドラムの回転方向と平行に補正された走査線の4本のビームによる書き出し位置を示している。図1(c)に示されるように、4本のレーザビームの水平同期の基準位置を、走査線に対して角度δ傾けることで、書き出し位置を、感光体ドラムの回転方向と直交するよう改善できる。
【0180】
ところで、プロセススピードをv (mm/s) 、光偏向装置5の回転多面鏡5aの回転数をNp (rpm) とすると、回転多面鏡5aの1反射面によりレーザビームが露光される時間に対して感光体ドラムの表面が移動される距離は、60v/ (NpN) =Q (mm) となる。すなわち、Qは、プロセススピードの関数であり、走査線の傾きδは、
Figure 0003798619
となり、プロセススピードの関数となる。
【0181】
以上説明したように、M群のレーザビームがN本のビームを含む場合、N本のビームが各感光体ドラムに案内される際に生じる傾きと反対方向に、光走査装置全体あるいは光偏向装置により反射されたレーザビームが感光体ドラムに向けて案内される間に関与する光学部材の全てを、傾けることにより、走査線の傾きを補正することが出来る。これにより、1群あたりのビーム数Nを増加した場合であっても、出力画像の水平線が傾くことが防止できる。
【0182】
次に、図18ないし図22を用いて、N本のレーザビームの各ビーム間の位相差について説明する。なお、ここでは、ビームが2本の場合を例に説明するが、3本以上の場合でも同様である。
【0183】
図18 (a) は、隣接するビームの位相差が0度の場合の強度分布が、図18 (b) には、同位相差が180度の場合の強度分布がそれぞれ示されている。なお、以下、βpをビームの主走査方向のe−2直径 (pは、ビームピッチ) 、αpを同副走査方向のe−2直径、ζを各感光体ドラムの半減露光量/平均露光エネルギー、ηを2つの隣あうビームの中心を結んだ線の中点における一方のビームのピーク強度に対する他の一方のビームの相対強度とする。また、以下、α=1.2、β=0.8、ζ=0.25、η=0.211およびp=0.042mmとする。なお、上記条件は、ビーム中心位置が、副走査方向に、0.042mm、主走査方向に、0.0096mm、それぞれ、ずれていることを示す。
【0184】
図18 (a) および図18 (b) から明らかなように、1群あたりのビーム数がNiである光源のN個のレーザ素子によりN本のレーザビームを同時に照射することで、各感光体ドラムに到達されるレーザビームの強度分布が、位相差による干渉の影響を受けた結果として変化することが認められる。すなわち、図18 (a) に示されるように位相差が0度であれば、2つのビームの間の強度分布は、露光量として強め合うよう増加され、位相差が180度であれば (図18 (b) ) 、2つのビームの間に強度分布の谷が生じることが認められる。
【0185】
図19 (a) ならびに図19 (b) は、それぞれ、図18 (a) および図18 (b) に示した感光体ドラム上の強度分布を平均露光エネルギーで正規化、すなわち、y方向に対して積分して得られる結果を、1つのビームのみの場合の強度分布をy方向に対して積分して得られた結果をpで割り算して得られるグラフである。なお、図18 (a) および図18 (b) と同様に、図19 (a) が位相差が0度に、また、図19 (b) が位相差が180度に、それぞれ、対応される。
【0186】
図19 (a) を参照すれば、2つのビームの中間においても、半減露光量 (このグラフでは、平均露光エネルギーを1としているため、 半減露光量 = 半減露光量/平均露光エネルギー×平均露光エネルギー = ζ×平均露光エネルギーとなる) を示す0.25より大きな光強度が確保されることが認めれる。
【0187】
これに対して、図19 (b) では、強度分布の谷において、半減露光量を満足する光強度が得られなくなることが確認できる。
【0188】
このことは、2つのビームの位相差が180度である場合に生じる強度分布の谷は、それぞれのビームの中心部とは逆に、正規現像の場合、未露光部にもかかわらず、潜像として現像されることを示している。また、反転現像の場合には、露光部であるにもかかわらず、現像されないすなわち画像欠損を生じさせることとなる。なお、レーザ素子から出射されるレーザビームの波長が全く同一でなければ、2つのビームの位相差は、時間とともに変動することとなる。
【0189】
図20 (a) および図20 (b) は、図2ないし図12に示したこの発明の実施の形態が組み込まれる光走査装置のある1群のレーザビーム (2本) に対し、図18 (a) および図18 (b) に示したと同様にして強度分布を求めた結果を示している。ここで、α,β,ζ,ηおよびpを、それぞれ、α=1.2、β=0.8、ζ=0.25、η=0.135およびp=0.042mmとする。なお、上記条件は、ビーム中心位置が、副走査方向に、0.042mm、主走査方向に、0.0187mm、それぞれ、ずれていることを示す。また、位相差は、0度および180度である。
【0190】
図20 (a) および図20 (b) から明らかなように、2本のレーザビームが各感光体ドラムに到達されたことによるレーザビームの強度分布は、位相差が0度であれば (図20 (a) ) 、2つのビームの間の強度分布は、露光量として強め合う方向に増加される一方で、位相差が180度であれば (図20 (b) ) 、2つのビームの間に強度分布の谷が生じることが認められる。
【0191】
図21 (a) ならびに図21 (b) は、それぞれ、図20 (a) および図20 (b) に示した感光体ドラム上の強度分布を、図18 (a) および図18 (b) と同様に、平均露光エネルギーで正規化した結果が示されている。なお、図18 (a) および図18 (b) と同様に、図21 (a) が位相差が0度に、また、図21 (b) が位相差が180度に、それぞれ、対応される。
【0192】
図21 (a) および図21 (b) から明らかなように、図2ないし図9に示したこの発明の実施の形態が組み込まれる光走査装置においては、隣接するビームの位相差が0度であっても180度であっても、正規化された半減露光量の0.25より大きな光強度が確保されることが認められる。
【0193】
次に、2つのビームの位相差が180度であっても、感光体ドラムの半減露光量より大きな光強度を提供できる条件について説明する。
【0194】
既に説明したように、副走査方向のビーム間隔すなわちビームピッチがp、ビームの主走査方向のe−2直径がβp,副走査方向のe−2直径がαp,感光体の半減露光量/平均露光エネルギーがζ、2つの隣あうビームの中心を結んだ線の中点での1つのビームのピーク強度に対する相対強度がηで示されるとき、副走査方向をz、主走査方向をyとし、1つのビームが、座標 (y,z) = (0,0) にあり、他のビームが、座標 (y,z) = (δy,p) にあるとする。
【0195】
このとき、2つの隣あうビームの中心を結んだ線の中点での相対強度ηは.
η = exp (−2χ) (c−1)
と示される。
【0196】
このとき、χは、
【数10】
Figure 0003798619
【0197】
で表される。
【0198】
これに対して、2つの隣り合うビームの中心を結んだ線の中点での相対強度ηを与えるδyは、 (c−1) 式および (c−2) 式をδyについて解くことにより、
【数11】
Figure 0003798619
【0199】
ここに、χ=−0.5ln (η) である;
により求められる。
【0200】
従って、ビームの主走査方向のe−2直径がβpならびに副走査方向のe−2直径がαpとなる座標 (y,z) = (0,0) と、座標 (y,z) = (δy,p) にピーク強度を持つビームの電界分布は、それぞれ、
【数12】
Figure 0003798619
【0201】
および
【数13】
Figure 0003798619
【0202】
で示される。
【0203】
なお、 (c−4) 式および (c−5) 式のrzおよびryは、それぞれ、
rz = αp/2 (c−6)
ry = βp/2 (c−7)
と示される。
【0204】
次に、強度分布を正規化するために必要な、平均強度を計算する。
【0205】
まず、 (c−5) 式を、主走査方向すなわちy方向に積分すると、
【数14】
Figure 0003798619
【0206】
が求められる。なお、 (c−8) 式における*は、複素共役数を表す。
【0207】
次に、 (c−8) 式を副走査方向すなわちz方向へ積分して、ビームピッチpでこれを割り算すると、
【数15】
Figure 0003798619
【0208】
から平均強度が求められる。
【0209】
ここで、第1のレーザならびに第2のレーザの双方を点灯すると、ある場所で受けるエネルギーは、ビームが主走査方向に走査されているため、強度を主走査方向すなわちy方向に対し積分した値に比例する。
【0210】
このとき、最もエネルギーが小さくなる特定の場所において、感光体ドラムの半減露光量よりも大きなエネルギーが与えられることにより、2つのレーザからのレーザビームの位相差が180度であっても、画像欠損が生じたり未露光部にトナーが供給されることを防止できる。なお、最もエネルギーが小さくなる場所の位置は、2つの隣あうビームの中心を結んだ線の中点のz方向の座標であるから、
z = p/2 (c−10)
により求められる。
【0211】
このとき、 (c−10) 式により求められる場所での電界は、e−eで表される。なお、光強度を、主走査方向すなわちy方向に対し積分した値を平均露光エネルギーで正規化した値は、
【数16】
Figure 0003798619
【0212】
により示される。なお、 (c−11) 式において、e−eは、 (c−4) 式および (c−5) 式より、実数であることから (e−e) × (e−e) = (e−e) ) で近似される。
【0213】
(c−11) 式に示した数値が感光体ドラムの半減露光量/平均露光エネルギーよりも大きくなることは、
≧ ζ (c−12)
により表される。
【0214】
このようにして求められた (c−12) 式に、 (c−11) 式を代入すると、
【数17】
Figure 0003798619
【0215】
が導かれる。
【0216】
従って、
【数18】
Figure 0003798619
【0217】
が満足されるよう、ηを設定することで、2本以上のレーザビームが1まとめにまとめられた1群のレーザビームを利用する際に、隣接するレーザビームの位相差を考慮する必要がなくなる。
【0218】
なお、図2ないし図12に示したこの発明の実施の形態が組み込まれる光走査装置においては、 (c−13) 式により、η<0.155354が導き出される。
【0219】
ここで、図20および図21に示した例ではη=0.135であり、図18および図19に示した例ではη=0.211となる。従って、 (c−13) 式が有益であることが認められる。
【0220】
図22は、一般に用いられることのあるαとζに対し、その限界となるηが取り得る値を示すグラフである。すなわち、ηを、図22におけるハッチング領域よりも下方の範囲となるよう、光走査装置の各要素を設定することで、隣接するレーザビームの位相差を考慮する必要がなくなる。
【0221】
次に、図1および図23を参照して画像形成装置100の動作について説明する。
【0222】
図示しない操作パネルあるいはホストコンピュータから画像形成開始信号が供給されることで、主制御装置101の制御により各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) がウォームアップされるとともに、画像制御CPU111の制御により光走査装置1の光偏向装置5の多面鏡5aが所定の回転速度で回転される。
【0223】
続いて、主制御装置101の制御により、外部記憶装置あるいはホストコンピュータもしくはスキャナ (画像読取装置) からプリントすべき画像データがRAM102に取り込まれる。RAM102に取り込まれた画像データの一部 (あるいは全部) は、画像制御部110の画像制御CPU111の制御により、各画像メモリ114 (Y,M,CおよびB) に収納される。
【0224】
また、主制御装置101の制御により、所定のタイミング、たとえば、タイミング制御部113からの垂直同期信号などを基準として送り出しローラ72が付勢され、用紙カセット70から1枚の用紙Pが取り出される。この取り出された用紙Pは、レジストローラ72により各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) による画像形成動作により提供されるY,M,CおよびBの各トナー像とタイミングが整合され、吸着ローラ74により搬送ベルト52に密着されて、搬送ベルト52の回転にともなって、各画像形成部50に向かって案内される。
【0225】
一方、用紙Pの給送および搬送動作と平行してあるいは同時に、タイミング設定装置 (クロック回路) 118により出力されるクロック信号CLKに基づいて各レーザ駆動部116 (Y,M,CおよびB) が付勢されるとともに、各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) の制御により、RAM102に保持されている画像データDATが各光源3 (Y,M,CおよびB) に供給される。これにより、主走査方向の有効印字幅の所定位置から順に、1ライン分のレーザビームが各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に照射される。
【0226】
このようにして、各データ制御部115 (Y,M,CおよびB) の制御により各レーザ駆動部116 (Y,M,CおよびB) に対し、各光源3から出射される各レーザビームL (Y,M,CおよびB) の強度を変化するために画像データが転送され、各画像形成部50 (Y,M,CおよびB) の感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に、レーザビームの1回の走査において、一定のクロック長の画像クロックにより、ずれのない画像が形成される。
【0227】
第1ないし第4の画像形成部50 (Y,M,CおよびB) のそれぞれの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に結像された第1ないし第4の各レーザビームL (Y,M,CおよびB) は、予め所定の電位に帯電されている各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の電位を、画像データに基づいて変化させることで、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に、画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0228】
この静電潜像は、各現像装置62 (Y,M,CおよびB) により、対応する色を有するトナーにより現像され、トナー像に変換される。
【0229】
各トナー像は、それぞれの感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) の回転にともなって搬送ベルト52により搬送されている用紙Pに向かって移動され、予め決められたタイミングにより、転写装置64により、搬送ベルト52上の用紙Pに、所定のタイミングで転写される。
【0230】
これにより、用紙P上で互いに正確に重なりあった4色のトナー像が用紙Pに形成される。なお、トナー像が用紙Pに転写されたあとに、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に残った残存トナーは、クリーナ66 (Y,M,CおよびB) により除去され、また、各感光体ドラム58 (Y,M,CおよびB) に残った残存電位は、除電ランプ68 (Y,M,CおよびB) により除電されて、引き続く画像形成に利用される。
【0231】
4色のトナー像を静電的に保持した用紙Pは、搬送ベルト52の回転にともなってさらに搬送され、ベルト駆動ローラ56の曲率と用紙Pの直進性との差によって搬送ベルト52から分離されて、定着装置84へ案内される。定着装置84へ導かれた用紙Pは、定着装置84によりそれぞれのトナーが溶融されることにより、カラー画像としてのトナー像が定着されたのち、図示しない排出トレイに排出される。
【0232】
一方、用紙Pを定着装置84に供給したあとの搬送ベルト52はさらに回転されつつ、ベルトクリーナ82により、表面に残った不所望なトナーが除去され、再び、カセット70から給送される用紙Pの搬送に利用される。
【0233】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の光走査装置によれば、M個のビーム群が偏向手段の反射面に、一端からビーム群間の間隔が単調に増加する様に入射され、このビーム群間の間隔の最も小さい一端のビーム群が偏向装置によって偏向されたビームと交差するように入射される。これにより、ビーム群の結像特性のばらつきおよびビーム群間の走査線の曲りが低減される。従って、画質の劣化が防止できる。なお、光走査装置の大きさも低減される。
【0234】
また、この発明の光走査装置によれば、Lを第2の光学手段の系の光軸と一方の端の走査線の間の距離、Lを第2の光学手段の系の光軸と他方の端の走査線の間の距離およびΔLmaxを両端の走査線間の系の光軸に平行方向の距離とするとき、最終のレンズ面と像面間の距離Loが (ΔLmax+L+L) /l.8 > Lo > (ΔLmax+L+L) /2 の範囲内に設定される。これにより、ビーム群間の走査線の曲りが低減される。なお、レンズの大きさおよび光走査装置の大きさが不所望に大型化されることが防止できる。
【0236】
またさらに、この発明の光走査装置によれば、副走査方向にのみ正のパワーが与えられたM組の光学部材への入射角および位置が、その光学部材の光軸に対して非対称に設定されることから、系の光軸に対して副走査方向に距離を置いた位置を通過されるレーザビームに対して生じるコマ収差の影響を低減できる。これにより、画像の解像度が低下することが防止できる。
【0237】
さらにまた、この発明の光走査装置によれば、各ビームが半透明鏡を透過する回数が1または0回であることから、収束性のレーザビームが平行平板に入射される際に生じるさまざまな収差のビーム群間のばらつきが生じにくくなり、画質が劣化することが防止できる。
【0238】
またさらに、この発明の光走査装置によれば、pを副走査方向走査ピッチ、及び、kを回転多面鏡面数とするとき、像担持体の進行方向に対して走査線が、 δ=tan−1 (N×p×k×φ/ (4×π×W) ) だけ直角方向から傾けられていることから、走査線が感光体ドラムの軸線すなわち副走査方向に対して傾きを持つことが防止できる。
【0239】
さらにまた、この発明の光走査装置によれば、pを副走査方向のビームのピッチ、αをビームの副走査方向のe−2直径/p、ζを感光体の半減露光量/平均露光エネルギー、及び、ηを2つの隣あうビームの中心を結んだ線の中点でのlつのビームのピーク強度に対する相対強度とするとき、
【数8】
Figure 0003798619
【0240】
が満足される。これにより、N本のレーザビームを近接して像面に照射することにより生じる干渉の影響により、画像が欠損したり、未露光部にトナーが付着されることが防止される。また、N本のレーザビームの各レーザビームの位相差の影響を考慮する必要がなくなることから、装置のコストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例であるマルチビーム光走査装置が利用される画像形成装置の概略断面図。
【図2】図1に示した画像形成装置に組み込まれる光走査装置の光学部材の配置を示す概略平面図。
【図3】図2に示した光走査装置を第1の光源と光偏向装置との間の系の光軸に沿って切断した部分断面図。
【図4】図2に示した光走査装置におけるビームの有効画角を評価する評価関数を示すグラフ。
【図5】図2に示した光走査装置の副走査方向部分断面であって、光偏向装置に向かう第1ないし第4のレーザビームの状態を示す概略図。
【図6】図2に示した光走査装置を光偏向装置の偏向角が0°の位置で切断した概略断面図。
【図7】図2に示した光走査装置の偏向後光学系の各光学部材が配置される状態を示す概略平面図。
【図8】図2に示した光走査装置のレーザ合成ミラーユニットを示す平面図および側面図
【図9】図2に示した光走査装置を用いた場合に、画像形成装置に組み込まれる感光体ドラムを配置可能な領域を示す概略図。
【図10】図2に示した光走査装置に用いられるプロセス関係の部品を実装可能な容積を規定する方法を示す概略図。
【図11】図10に示したプロセス関係の部品を実装可能な領域を示すグラフ。
【図12】実用可能と考えられるλ=0.00063に対する偏向前光学系の絞りによる回析の影響を含む係数ζおよび2つの隣あうビームの中心を結んだ線の中点での1つのビームのピーク強度に対する相対強度ηの範囲を示すグラフ。
【図13】実用可能と考えられるλ=0.0008に対する偏向前光学系の絞りによる回析の影響を含む係数ζおよび2つの隣あうビームの中心を結んだ線の中点での1つのビームのピーク強度に対する相対強度ηの範囲を示すグラフ。
【図14】図2に示した光走査装置を用いた場合に、像面における複数のレーザビームの位置関係を示す概略図。
【図15】図2に示した光走査装置の水平同期検出用折り返しミラーの概略斜視図。
【図16】図2に示した光走査装置の出射ミラーの調整機構を示す概略斜視図。
【図17】図2ないし図9ならびに図14ないし図16に示した光走査装置により感光体ドラムに照射されるレーザビームのビーム位置を示す概略図。
【図18】感光体ドラムに照射されるレーザビームの位相差と強度分布の関係を説明するグラフ。
【図19】図18に示した強度分布を、平均露光エネルギーで正規化したグラフ。
【図20】図2ないし図9ならびに図14ないし図16に示した光走査装置により感光体ドラムに照射されるレーザビームの位相差と強度分布の関係を、図18と同一の条件で示したグラフ。
【図21】図18に示した強度分布を、図19と同一の条件で示したグラフ。
【図22】2本以上のレーザビームが1まとめにまとめられた1群のレーザビームを利用する際に、隣接するレーザビームの位相差の影響を除去できる光走査装置の要素の設定例を示すグラフ。
【図23】図1に示した画像形成装置の画像制御部のブロック図。
【符号の説明】
1…マルチビーム光走査装置、
3 (Y,M,C,B) …光源、
3Ya…イエロー第1レーザ、
3Yb…イエロー第2レーザ、
3Ma…マゼンタ第1レーザ、
3Mb…マゼンタ第2レーザ、
3Ca…シアン第1レーザ、
3Cb…シアン第2レーザ、
3Ba…黒第1レーザ、
3Bb…黒第2レーザ、
3Bc…黒第3レーザ、
3Bd…黒第4レーザ、
5…光偏向装置、
7 (Y,M,C,B) …偏向前光学系
9 (Y,M,C,B) …有限焦点レンズ
11 (Y,M,C,B) …ハイブリッドシリンダレンズ、
12 (Y,M,C,B) …ハーフミラー (半透明鏡) 、
13…レーザ合成ミラーユニット、
15…保持部材、
17 (Y,M,C,B) …プラスチックシリンダレンズ、
19 (Y,M,C,B) …ガラスシリンダレンズ、
23…水平同期検出器、
25…水平同期用折り返しミラー、
30…偏向後光学系、
30a…第1の結像レンズ、
30b…第2の結像レンズ、
33 (Y,M,C,B) …第1の折り返しミラー、
35 (Y,M,C) …第2の折り返しミラー、
37 (Y,M,C) …第3の折り返しミラー、
39 (Y,M,C,B) …防塵ガラス、
41 (Y,M,C) …ミラー固定部、
43 (Y,M,C) …ミラー押さえ板ばね、
45 (Y,M,C) …突起、
47 (Y,M,C) …止めねじ、
50 (Y,M,C,B) …画像形成部、
52…搬送ベルト、
54…ベルト駆動ローラ、
56…テンションローラ、
58 (Y,M,C,B) …感光体ドラム、
60 (Y,M,C,B) …帯電装置、
62 (Y,M,C,B) …現像装置、
64 (Y,M,C,B) …転写装置、
66 (Y,M,C,B) …クリーナ、
68 (Y,M,C,B) …除電装置、
70…用紙カセット、
72…送り出しローラ、
74…レジストローラ、
76…吸着ローラ、
78…レジストセンサ、
80…レジストセンサ、
82…搬送ベルトクリーナ、
84…定着装置、
100…画像形成装置、
101…主制御装置、
102…RAM、
103…不揮発性メモリ、
110…画像制御部、
111…画像制御CPU、
112…バスライン、
113…タイミング制御部、
114 (Y,M,C,B) …画像メモリ、
115 (Y,M,C,B) …データ制御部、
116 (Y,M,C,B) …レーザ駆動部、
118 (Y,M,C,B) …タイミング設定装置、
121…水平同期信号発生回路、
P…用紙。

Claims (1)

  1. ΣN(N+N+・・・+N) (Mは1以上の整数、かつ、Nの少なくとも1つは2以上の整数) の光源と、
    前記複数の光源から出射された光を、副走査方向に収束させるために副走査方向に正のパワーが与えられたM組の光学部材と、M組の光学部材からのM個の光群を第1の方向にほぼ重なる様に反射させるM−1個の合成用反射ミラーと、を含む第1の光学手段と、
    回転可能に形成された反射面を有し、前記光を所定の方向に偏向する偏向手段と、
    この偏向手段により偏向された前記ΣΝ本の光を所定像面に等速で走査するように結像し、前記偏向手段の面倒れを補正する機能を持つレンズを含む第2の光学手段と、
    前記光による書き出し位置を規定するための水平同期検出器と、を有し、
    φを前記偏向手段により偏向されるビームの有効画角、
    Wを水平同期信号を検出する領域を含む有効画像領域幅、
    pを副走査方向走査ピッチ、及び、
    kを回転多面鏡面数とするとき、
    像担持体の進行方向に対して走査線が、
    δ=tan−1(N×p×k×φ/ (4×π×W) )
    だけ直角方向から傾けられており、
    書き出し位置を規定するための水平方向の同期の基準となる信号を出す場所を結んだ直線を、走査線に対して角度δだけ傾けていることを特徴とする光走査装置。
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