JP3798096B2 - レーザ・パンチ複合機における高速レーザ・パンチモード切換方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はレーザ・パンチ複合機における高速レーザ・パンチモード切換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ・パンチ複合機において、パンチ加工時はワークを支持したクランプ装置がX軸上を移動し、このクランプ装置を載設したテーブルがY軸上を移動して加工が行われるが、パンチモードからレーザモードに切り換わる場合、その都度テーブルはY軸上を原点Y0 まで戻り、改めて原点Y0 からスタートして移動を始めるのが一般的な動作である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、レーザモードとパンチモードの切換時に、その都度テーブルがY軸上の原点Y0 に戻らなければならない為に、一枚の材料からパンチ加工及びレーザ加工を共に行う製品を多数個取りする場合などは特に大幅に切換時間を必要とするのが通常である。
【0004】
この発明は、上述の点に着目してなされたもので、複数の仮想原点Y1 〜Yn をプログラム上に設定しプログラム制御するか、または製品寸法を入力して数値制御することによりテーブルが毎回Y軸上の原点Y0 に戻る必要がなくレーザモードとパンチモードの切換時間を短縮できるレーザ・パンチ複合機における高速レーザ・パンチモード切換方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、下記方法により解決できるものである。
【0006】
(1)レーザ・パンチ複合機において、レーザ加工時におけるレーザモードとパンチ加工時におけるパンチモードとのモード切換を高速化するために材料を載置しY軸上を移動するテーブルのY軸上の移動開始の原点をY1〜Ynとして制御システムに複数の仮想原点を設定し、パンチモードではワークを把持したクランプ装置がX軸上を移動し、テーブルがY軸上を移動して加工が実施され、レーザモードではワークを把持したクランプ装置がX軸上を移動し、レーザセンタがy軸上を移動して加工が実施されるように設定して制御することを特徴とするレーザ・パンチ複合機における高速レーザ・パンチモード切換方法。
【0007】
(2) 制御システムをプログラム制御とし、プログラム上に複数の仮想原点Y1 〜Yn を設定することを特徴とする前項(1)記載のレーザ・パンチ複合機における高速レーザ・パンチモード切換方法。
【0008】
(3) 制御システムを数値制御とし、製品寸法を入力し複数の仮想原点Y1 〜Yn を設定することを特徴とする前項(1)記載のレーザ・パンチ複合機における高速レーザ・パンチモード切換方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の一実施の形態を説明する。
【0010】
図1は、この発明に係るレーザ・パンチ複合機の要部平面図、図2及び図3は動作説明図、図4は材料から製品を多数個取りする場合の加工説明図、図5は仮想原点Y1 〜Yn の一例を示す説明図、図6は製品拡大説明図である。
【0011】
定尺材より製品を複数個または多数個取り加工する場合、製品単位でパンチ加工とレーザ加工を交互に実施し、この操作を繰り返す場合と、材料単位で製品の数量分を先ずパンチ加工し、その後で製品数量分を纏めてレーザ加工する場合とでは、材料単位で加工する場合は、材料の延び等で個々の製品精度が悪くなることがある。
【0012】
従って、この発明の場合は、製品精度を保つため、パンチ加工及びレーザ加工を交互に実施し一製品ごとに完結する方式とし、この操作を繰り返す場合を対象とする。
【0013】
図面について説明すれば、1はレーザ・パンチ複合機のパンチ加工機用フレーム、2はタレット、3はパンチセンタであり、レーザセンタ4を内蔵したレーザ加工機用フレーム5がパンチ加工機用フレーム1に横設され、レーザセンタ4は独自にy 軸上を移動可能に設けられている。
【0014】
またY軸上を移動するテーブル6の上面に材料Wを支持するクランプ装置7がX軸上を移動可能に配設されている(図1、図2、図3参照)。
【0015】
即ち、パンチモードではクランプ装置7がX軸上を移動しテーブル6がY軸上を移動して加工が実施され、レーザモードではクランプ装置7がX軸上を移動しレーザセンタ4がy軸上を移動して加工が実施されるように設定されている。
【0016】
図7はこの発明における一実施の形態の作用プロセスを示すブロック図であり、図8は一実施例の数値制御の場合の製品寸法入力による仮想原点設定流れ図である。
【0017】
上述の構成に基づいて作用を説明する。
【0018】
クランプ装置7によって支持された材料Wはプログラム制御または数値制御に従ってX軸上を移動し、同時にクランプ装置7を載設したテーブル6はY軸上を移動して製品のパンチ加工部位が、パンチセンタ3の位置に到達して停止し、図4及び図6に示す穴がパンチ加工され、穴開けパンチ加工が終わると、その位置をY軸上の原点として、図6に示すようにテーブル6はY軸上を距離Bだけ移動し、レーザセンタ4はy軸上を移動して所定の位置aで停止しクランプ装置によりX軸上をaからbへ移動して製品の外周の一辺を切断加工しその一辺の切断加工が終わるとY1 を原点としてレーザセンタ4は製品寸法Aの距離だけy軸上をbからcまで移動して、この一辺の切断加工を実施する。引き続き次の一辺がクランプ装置のcからdまでのX軸上の移動によって切断加工され、更にY0 を原点としてレーザセンタ4はy軸上をdからaまで製品寸法Aだけ移動して残った一辺が切断加工され一つの製品WS の加工が完了する。
【0019】
次いでレーザモードからパンチンモードに移行する場合は、図6に示すa点を通るY軸がY軸上の原点となり、この点をスタートして最寄りのパンチ加工用の穴の位置までクランプ装置7のX軸移動とテーブル6のY軸移動により、クランプ装置7に支持された材料Wが移動し、パンチセンタ3の位置で停止し穴開けパンチ加工が実施され、続いて穴の中心を通るY軸を原点として、テーブル6はY軸上をBの距離だけ移動し製品WS の外周がレーザによって切断加工される。
【0020】
以上の操作が繰り返され、一枚の材料Wから製品WS を多数個取りすることができる。
【0021】
なお、一枚の材料から取り出す製品の個数が多数個の場合に限らず、製品の大きさに応じて、テーブルのY軸移動及びレーザセンタのy軸移動を最短距離とすることができる。
【0022】
更にまた、パンチモードでパンチ加工を実施中に、次のレーザ加工を行う位置までレーザセンタのy軸移動をしておいて待機の状態とすることもできる。
【0023】
【発明の効果】
この発明によれば、レーザ・パンチ複合機において、制御要素として複数の仮想原点をプログラム上に設定または製品寸法を入力して数値制御することにより材料を支持するクランプ装置を載設したテーブルのY軸移動距離を最短とすることができ、更に加えて、レーザセンタのy軸移動距離も最短とすることができるので、総合的にパンチモードとレーザモードの高速切換が可能となって加工時間が短縮され生産効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態を示すレーザ・パンチ複合機の要部平面図
【図2】 動作説明図
【図3】 動作説明図
【図4】 一枚の材料から製品を多数個取りする場合の加工説明図
【図5】 仮想原点設定例の説明図
【図6】 製品拡大説明図
【図7】 この発明の一実施の形態の作用プロセスを示すブロック図
【図8】 製品寸法入力による数値制御の場合の仮想原点設定流れ図
【符号の説明】
1 パンチ加工機用フレーム
2 タレット
3 パンチセンタ
4 レーザセンタ
5 レーザ加工機用フレーム
6 テーブル
7 クランプ装置
W 材料
WS 製品
Claims (3)
- レーザ・パンチ複合機において、レーザ加工時におけるレーザモードとパンチ加工時におけるパンチモードとのモード切換を高速化するために材料を載置しY軸上を移動するテーブルのY軸上の移動開始の原点をY1〜Ynとして制御システムに複数の仮想原点を設定し、パンチモードではワークを把持したクランプ装置がX軸上を移動し、テーブルがY軸上を移動して加工が実施され、レーザモードではワークを把持したクランプ装置がX軸上を移動し、レーザセンタがy軸上を移動して加工が実施されるように設定して制御することを特徴とするレーザ・パンチ複合機における高速レーザ・パンチモード切換方法。
- 制御システムをプログラム制御とし、プログラム上に複数の仮想原点Y1 〜Yn を設定することを特徴とする請求項1記載のレーザ・パンチ複合機における高速レーザ・パンチモード切換方法。
- 制御システムを数値制御とし、製品寸法を入力し複数の仮想原点Y1 〜Yn を設定することを特徴とする請求項1記載のレーザ・パンチ複合機における高速レーザ・パンチモード切換方法。
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