JP3797194B2 - 給紙カセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート材をシート材収納部より毎葉に装置本体のシート材搬送路に給紙する給紙カセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、装置本体内部に設けられたシート材搬送経路にシート材を供給するシート材供給手段として給紙トレイや給紙カセット等を使用する給紙装置を備える装置が知られている。
【0003】
複写機、ファクシミリ、コンピュータ出力によるプリンタ、ワードプロセッサ、軽印刷機等の各種の装置においては、シート材として普通紙、印刷用紙、感光紙、感圧紙、感熱紙、静電記録紙、転写紙、合成樹脂記録シート等が知られている。これらの各種サイズにカットされたシート材を前記装置の給紙装置に供給するとき、セット、補充、交換を簡便化するために、給紙カセットに収納し、これを装置本体のカセット受部に装填して給紙させる、いわゆるカセット給紙方式が採用されている。
【0004】
このカセット給紙方式においては、必要とされる紙質及び各種サイズにカットされたシート材を収納した給紙カセットは、装置本体のカセット受部に装填されて、給紙装置の吸着パット、給紙ローラ又は給紙ベルトの摩擦力と分離手段とを併用して、積層されたシート材の最上層(最上位ともいう)から毎葉に取り出し、画像形成部に給送する。
【0005】
上記装置には、シート材の多様化(例えばA6〜A3判、B6〜B4判、ハガキサイズ、USA各種サイズ等)と、専用給紙カセットの省スペース化と、装置価格の低廉化を図るため、1つの給紙カセットで多種類の異なるサイズのシート材が装填・給送できるいわゆる多サイズに対応が可能な給紙カセットが用いられている。
【0006】
多サイズに対応が可能な給紙カセットでは、サイズの異なるシート材を装填・給送するために、シート材の左右位置を制限する紙幅規制板や、記録用紙の後端を制限する後端規制部材を移動可能とし、シート材のサイズに合わせてセットするようにしている。
【0007】
このようなカセット給紙方式についてはその他に、例えば、複数枚のシート材を積載収納し、該給紙カセットが装置本体上部に傾斜を付けてセットされ、この給紙カセットに積載収納されたシート材の最上位の1枚を吸盤で吸引、吸着させ、毎葉に取り出して順次給紙カセット下部に配置されたシート材搬送路に給紙・搬送するいわゆる吸盤吸着方式のシート材給送装置が知られており、例えば複写撮影装置等に採用されている。
【0008】
この吸盤吸着方式のシート材給送装置においては、給紙カセット内に積載収納されるシート材が凸湾曲した状態になる場合、積載量に応じて凸湾曲の状態が変わるため前述した吸盤吸着方式で紙搬送経路に搬送される際、吸盤での吸引、吸着が不十分となり、安定して給紙装置から紙搬送経路へ供給することができず、円滑な給送動作が行えないという現象を引き起こし易くなる。例えば運転免許証等のIDカードを作製するのに使用する申請書など、比較的厚手で、顔写真の貼付されているシート材を用いると、カセット内に複数のシート材を重ねて積載した場合、シート材の一部に厚みの異なる部分が偏在し、そのために凸湾曲した状態(カールした状態)で積載、保持され、更に積載量によって湾曲が変化する現象が発生する。
【0009】
このような現象を防止することを目的として、給紙カセットの底板部の短辺端部にバネ力を応用したシート材押さえ部材を設置することにより、積載されたシート材を給紙カセットの底板面方向に押さえつけ、吸盤での安定した吸引、吸着を図り、搬送安定性の向上がなされてきた。このシート材押さえ部材を設置することにより、シート材にカールがない場合にはこの効果が認められた。
【0010】
しかしながら、カールのあるシート材の場合、シート材押さえ部材の機構ではシート材に対する押圧力がバネの付勢力によりかけられているため、シート材の積載量が減るに従って押圧力が変化し、シート材のカール具合が異なってくるため、給紙カセットのシート材収納部から安定してシート材を取り出し、搬送経路に搬送することが困難となる問題が生じていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は給紙カセットの収納部に積載されたシート材量の増減に係わらず安定した給紙を可能とする給紙カセットを提供することであり、特に吸盤吸着方式にてシート材を順次シート材収納部より毎葉に吸引、吸着し、装置本体のシート材搬送路に安定して給紙・搬送することが可能な給紙カセットを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は以下の構成により達成された。
【0013】
1.装置本体に着脱自在で、矩形の底板部と該底板部の周縁部に一体に設けられた側壁部を有する箱形容器と、該箱形容器のシート材収納部に積載されたシート材の端縁位置を規制する位置規制手段と、前記シート材に当接し、該シート材を押さえる押圧手段を有し、前記シート材を毎葉に装置本体のシート材搬送路に給送する給紙カセットにおいて、前記押圧手段が前記箱形容器に取り付け部材を介して回動可能に軸支された第1押圧手段と、該第1押圧手段に回動可能に軸支された第2押圧手段とを有することを特徴とする給紙カセット。
【0014】
2.前記第1押圧手段は、前記取り付け部材に係合された弾性部材により付勢されていることを特徴とする1記載の給紙カセット。
【0015】
3.前記第1押圧手段は、箱形容器に付設される部材に当接し回動を規制する回動規制手段を有していることを特徴とする1又は2記載の給紙カセット。
【0016】
4.前記第2押圧手段は、前記箱形容器のシート材収納部に積載されたシート材の積載量の状態に応じて、前記シート材に対する付勢力(押圧力)が変化するように前記第1押圧手段に回動可能に軸支されていることを特徴とする1〜3の何れか1項記載の給紙カセット。
【0017】
5.前記第2押圧手段の先端には、回転可能な押さえローラが軸支されていることを特徴とする1〜4の何れか1項記載の給紙カセット。
【0018】
6.前記第2押圧手段の回動を規制する回動規制手段が、前記第2押圧手段の端部に一体に設けられており、前記押圧手段がシート材積載位置から上方へ回動した際、前記回動規制手段が前記第1押圧手段に当接し第2押圧手段の回動が規制されることを特徴とする1〜5の何れか1項記載の給紙カセット。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に図1〜図6を参照して、この発明に従って構成された給紙カセットの一実施形態を詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0020】
図1は本発明の給紙カセットの概略斜視図である。図中、1は給紙カセットを示し、この給紙カセット1は矩形の底板部201と、この底板部201の周縁部に一体に設けられた側壁部202とによって形成されている箱形容器2を有しており、箱形容器2の内部がシート材収納部203となっている。又、給紙カセット1は箱形容器2の底板部201に取り付けられ、シート材Pに当接し、該シート材Pを押さえる押圧手段3とを有している。202a、202bは底板部201の長辺に一体に設けられた側壁を示し、202c、202dは短辺に一体に設けられた側壁を示す。
【0021】
204は底板部201に配設され、かつシート材収納部203に積載されたシート材Pの左右一対に設けられ、幅手方向端縁位置を規制する幅位置規制手段を示し、205はシート材Pの給紙方向端縁位置を規制する後端位置規制手段を示す。尚、この幅位置規制手段204は、シート材Pの大きさに合わせ位置を変えることが出来るように配設されている。
【0022】
押圧手段3は、箱形容器2の側壁202dに平行で、底板部201に上面側からネジ331で固定して取り付けられた取り付け部材330に回動可能に軸支された第1押圧手段310と、該第1押圧手段310の端部に回動可能に軸支された第2押圧手段320とを有している。
【0023】
332a、332bは取り付け部材330の端部左右一対に形成されている各軸受部、333a、333bは各々軸受部332a、332bに配置されている回動軸を示す。334は取り付け部材330の上端部に設けられた回動規制手段を示す。311は第1押圧手段の端部に設けられた回動規制手段を示す。312は第1押圧手段310の上面側からネジ312aで固定して取り付けられた回動規制手段を示し、第1押圧手段310のシート材P方向への回動を規制する。
【0024】
313は弾性部材を示し、本図に示されるように、取り付け部材330内壁面(シート材収納部203側)上端部側に左右一対に形成された係合部335に係合され、かつ第1押圧手段310端部に左右一対に形成された切欠部314に係合されている。315は第2押圧手段320の回動を規制する回動規制手段321を固定するための切欠部を示す。322は第2押圧手段320の端部左右一対に形成されている軸受部を示し、323は回転軸を示し、324a〜324cは押さえローラを示し、回転軸323を介して回転可能に軸支されている。
【0025】
この給紙カセット1は、シート材Pを積載するとともに、装置本体のシート材供給部又は搬送部の受部(不図示)に対して着脱自在に装着され、シート材搬送路にシート材Pを給紙することが可能である。
【0026】
図2は図1の概略断面図である。図2(a)は図1のA−A′に沿った概略断面図であり、図2(b)は図1のB−B′に沿った概略断面図である。
【0027】
第1押圧手段310は取り付け部材330の端部左右一対に形成されている各軸受部332a、332bに配置されている回動軸333a、333bに回動可能に取り付けられている。又、第1押圧手段310は第1押圧手段310の端部の左右一対に設けられた弾性部材313によって特定の弾性力で付勢され、弾性部材313の付勢力と第2押圧手段320の自重により、押さえローラ324a〜324cを介してシート材Pは押圧される。シート材Pの積載量が一定量より少ない状態となったときには、第1押圧手段310の端部下面側にネジ312aにて固定された回動規制手段312が取り付け部材330に当接して第1押圧手段310の回動が規制され、弾性部材313の付勢力から解放された状態になり、これ以降は第2押圧手段320の自重によりシート材Pの押圧が行われる。
【0028】
取り付け部材330は、底板部201から側壁202dに平行に立ち上がるよう配設される。その高さは底板部の周縁部に設けられた側壁部202の高さよりも高く設定されている。尚、取り付け部材330の形状は限定されず、板状でも、枠状でもよい。
【0029】
第2押圧手段320は第1押圧手段310の端部に回動軸316にて回動可能に軸支され、底板部201上のシート材収納部203に積載されたシート材Pの積載量の状態に応じて、シート材Pに対する付勢力(押圧力)が常に安定した状態で付与されるように設けられている。押圧手段3がシート材積載位置から上方へ回動した際、第2押圧手段320はその自重により第1押圧手段310とのなす角度を狭めると共に、回動規制手段321は第1押圧手段310端部の下面側に当接、突き当たって停止することにより、第2押圧手段320はその停止位置で保持され回動が規制される。回動規制手段321が一体に設けられている第2押圧手段320の端縁とは反対側の端縁、即ち給紙方向先端の軸受部322に回転軸323を介して回転可能に軸支されている複数の押さえローラ324a〜324cは、シート材Pに直接当接し、弾性部材313の付勢力と第2押圧手段320の自重により、押さえローラ324a〜324cを介してシート材Pの撓みを押圧する。同時に、シート材Pの搬送に際し、第2押圧手段320の複数の押さえローラ324a〜324cが直接シート材Pに接し、シート材Pが搬送不良となるのを解消している。
【0030】
回転軸323の両端部及び中央に軸支されているこれらの押さえローラ324a〜324cは、ほぼ等間隔に固定、配列されている。この押さえローラ324a〜324cは如何なる素材で形成されていても構わないが、樹脂等で形成されるのが好ましい。尚、本図では撓みのないシート材Pを使用して図示しているが、凸湾曲している場合でも押さえローラ324a〜324cが当接している状態は同じである。他の符号は図1と同義である。
【0031】
後端位置規制手段205はシート材Pの後端の位置を揃えるので、後端のずれに起因する紙詰まりが防止される。尚、後端位置規制手段205はシート材Pの後端に当接する面が平面であれば、この面とは反対の側は平面でなくともよい。従って、後端位置規制手段205は板状に限られない。
【0032】
この後端位置規制手段205と共にシート材Pの位置ずれを規制するものが幅位置規制手段204である。この幅位置規制手段204は底板部201からほぼ垂直に立ち上がった板であり、その高さは底板部201の周縁部に設けられた側壁部202の高さとほぼ同じ高さに設定されている。幅位置規制手段204は、シート材Pの幅手方向を規制するもので、カセット本体の底板部201上面にネジ204aによってネジ固定される。
【0033】
幅位置規制手段204は、シート材収納部203に積載されたシート材Pの幅端縁位置の一端に当接してその位置が揃うように規制する。シート材Pの左右に一対に設置された幅位置規制手段204によって、幅手方向の両端の位置が規制されたシート材Pは、その長さ方向が給紙方向にほとんど一致している。この結果、シート材Pの長さ方向が給紙方向からずれた状態でシート材Pが給紙カセット1から送り出されることがなく、斜行が防止される。
【0034】
図3は図1に示される給紙カセットに凸湾曲となる申請書を積載したときの図1のA−A′に沿った概略断面図である。図3(a)は給紙カセットのシート材収納部内の積載量が多い状態の概略断面図であり、図3(b)は給紙カセットのシート材収納部内の積載量が少なくなった状態の概略断面図である。
【0035】
図3(a)では、満載された、顔写真が貼付され積載した時に凸湾曲となる申請書Sは押圧手段3により押圧されているが、申請書Sの積載量が多いため押圧手段3における押圧は弾性部材313の付勢力と第2押圧手段320の自重が、押さえローラ324a〜324cを介して申請書Sの最上層に加わっている。この申請書Sの場合、積載量が多い状態では、申請書Sの最上層は凸湾曲しており、第1と第2押圧手段310、320及び第2押圧手段320の先端に形成され、回転可能に軸止されている押さえローラ324a〜324cの荷重のみでは安定した押圧が困難となるため、弾性部材313の付勢力によって申請書Sに対する押圧を容易に可能としている。
【0036】
一方図3(b)では、給紙、搬送が進み、シート材収納部203内の申請書Sの積載量が減少すると、第1押圧手段310に設置されている回動規制手段312が取り付け部材330に当接して第1押圧手段310の回動が規制され、弾性部材313の付勢力から解放された状態になる。一方第2押圧手段320は第1押圧手段310の回動が規制されることにより、弾性部材313の付勢力から解放された状態になるので、第2押圧手段320が自重により下方に回動し、その自重力により残り少なくなった凸湾曲している申請書Sを一定の押圧力にて押圧する。この押圧力によってシート材収納部203内の残り少なくなった凸湾曲している申請書Sに対する押圧を容易に可能としている。そして、又第2押圧手段320の先端に軸支されている押さえローラ324a〜324cの機能により、凸湾曲している申請書Sはスムーズに搬送される。他の符号は図1と同義である。
【0037】
図4は本発明の給紙カセットの押圧手段の機構を示すフロー図である。S1はシート材Pをシート材収納部203に積載する際、押圧手段3を給紙カセット1本体から立ち上げた姿勢に保持した状態の給紙カセット1の概略断面図を示す。図示するように、シート材Pをシート材収納部203に積載するためには押圧手段3自体を回動させ、第1押圧手段310を立ち上げた姿勢に保持することが必要である。このとき第2押圧手段320はその自重により第1押圧手段310とのなす角度を狭めると共にシート材Pの最上層を押圧したまま底板部201方向に移動する。第2押圧手段320の回動規制手段321は第1押圧手段310端部の下面側に当接、突き当たることによって第2押圧手段320の移動は停止し、その停止位置で保持された第2押圧手段320の回動が規制され、給紙カセット1上で保持される。このような姿勢の状態で、シート材Pがシート材供給部に収納される。
【0038】
S2はシート材収納部203内に十分な量のシート材Pを積載した状態で、押圧手段3をシート材Pの最上層に当接させ、該シート材Pを押圧している給紙カセット1を示す概略断面図を示す。図示するように、押圧手段3の第1押圧手段310は、取り付け部材330に係合された弾性部材313により付勢されているため、第2押圧手段320を介してシート材Pを押圧している。
【0039】
S3はシート材収納部203内のシート材Pの積載量の少ない状態で、押圧手段3をシート材Pの最上層に当接させ、該シート材Pを押圧している給紙カセット1を示す概略断面図を示す。図示するように、シート材収納部203内のシート材Pの積載量が少ない状態では、回動規制手段312が取り付け部材330に当接して第1押圧手段310の回動が規制されるため、第2押圧手段320は弾性部材313の付勢力から解放された状態になり、自重により第1押圧手段310とのなす角度を狭めながら残り少なくなったシート材Pを押圧されることが可能となる。従って、第2押圧手段320の自重力によりシート材収納部203内の残り少なくなった状態のシート材Pに対して安定な押圧力をかけることができる。即ち、第2押圧手段320はシート材収納部203内のシート材Pの積載量の減少に応じてその位置を上下させる。
【0040】
図5は本発明の給紙カセットを装着したIDカード作製用複写撮影装置の概略構成図である。IDカード作製用複写撮影装置10は、帳票としての申請書又はカードに記載された個人当たりの固有番号としての免許番号等を読み取ると共に、シートの台紙に貼付された顔写真を読取ることでIDカードである運転免許証を作製するための情報を取り込む。IDカード作製用複写撮影装置10には、上部に自動供給部20が、その下部に番号読取部30が、その下部に画像認識センサー35が、その下部に顔写真読取部40が、その下部に情報読取部50が配置されている。
【0041】
自動供給部20には、帳票としての申請書を供給する申請書供給部21と、カード状のシートの台紙を供給する台紙供給部22とが備えられている。申請書供給部21には本発明の給紙カセット1がセットされ、台紙供給部22には収納部を構成する台紙カセット24がセットされる。給紙カセット1における押圧手段3を付勢する弾性部材としては圧縮コイルバネが用いられるが、そのバネ力としては114g/mm程度であればよく、その許容範囲は±10g/mmである。給紙カセット1から申請書と、台紙カセット24からの台紙を搬送する共通の搬送部60が備えられており、この搬送部60には給紙カセット1に積載収納された申請書の最上位の1枚を吸盤で吸引、吸着させ、毎葉に取り出して順次給紙カセット1下部に配置された搬送路61に給紙・搬送するいわゆる吸盤吸着方式が採用され、吸引装置(不図示)から接続されている吸盤(不図示)が配置されている。更にその下にはこの搬送部60の搬送路61に沿って免許番号等を読み取る番号読取部30と、顔写真のずれや傾きを読み取る画像認識センサー35と、顔写真を読み取る顔写真読取部40とが配置されている。
【0042】
番号読取部30には、OCRリーダ31が備えられ、OCRリーダ31により免許番号等を読み取り、この読取情報は解読部32で解読されてCPU44に送られ、CPU44から処理部70へ送られる。画像認識センサー35で読み取られた傾き角θ及び縦横のずれ量のうち、縦(搬送方向)のずれ量はCPU44に送られ、搬送部60のステッピングモータ63の補正駆動を行わせると共に傾き角θ及び横のずれ量はCPU44に送られ、顔写真読取部40のCCDカメラ41を作動させる。
【0043】
顔写真読取部40には、CCDカメラ41が備えられ、CCDカメラ41により顔写真を読取り、アナログ色信号を画像処理部42へ送り、画像処理部42で画像処理されて処理部70へ送る。CCDカメラ41には照明灯43が備えられ、CCDカメラ41はCPU44で制御される。顔写真読取部40には、台紙を情報読取部50のスキャナー部51の手前で分岐し排出する台紙排出部45を備えており、切替ガイド46の操作で搬送路61を切り替え台紙をスキャナー部51の手前で分岐し、台紙バケット47へ排出する。
【0044】
搬送部60は、搬送路61を搬送ローラ62によって形成し、この搬送ローラ62はステッピングモータ63を駆動源とする動力伝達手段64により駆動可能になっている。動力伝達手段64は、例えばベルトで構成される。
【0045】
情報読取部50には、免許番号等及び写真の読取り後、申請書の記録情報を読み取るスキャナー部51が備えられ、スキャナー部51はCPU52で制御され、読取情報はCPU52により処理部70へ送られる。スキャナー部51により読取が終了した申請書は申請書バケット53へ排出される。処理部70では、免許番号を読取ることで運転免許証を作製するための情報を取り込み、免許証プリンタ80へ出力してIDカードとしての運転免許証を作製する。
【0046】
従って、この複写撮影装置10では、申請書の入った給紙カセット1を申請書供給部21にセットし、又台紙の入った台紙カセット24を台紙供給部22にセットし、このようにして申請書及び台紙をオートドキュメントフィーダーにセットすることができる。
【0047】
例えば、申請書に免許番号が印字されている場合は、申請書の入った給紙カセット1を申請書供給部21にセット、申請書のみ搬送すれば良い。又、台紙に写真を貼る方式の場合は、台紙の入った台紙カセット24を台紙供給部22にセットし、台紙のみを搬送すればよい。
【0048】
そして、複写スタート指令により、申請書又は台紙が1枚ずつフィードされ、搬送ローラ62によって免許番号の印刷されている位置がOCRリーダ31の位置に到達する迄搬送される。その位置で停止し、OCRリーダ31により免許番号が読み取られる。その後、顔写真位置が画像認識センサー35の位置に到達し、顔写真の傾きやずれが読み取られ、更にその顔写真がCCDカメラ41に到達する迄搬送され、停止して、CCDカメラ41により顔画像が読み込まれる。
【0049】
図6は図5で使用した本発明の給紙カセット1を装着したIDカード作製用複写撮影装置の搬送部60のオートドキュメントフィーダー(ADF)方式における吸盤吸着動作の流れを示すフロー図である。申請書供給部21にセットされた給紙カセット1のシート材収納部203に収納された申請書Sは以下に示すような順に従って、自動供給部20から搬送部60へ搬送される。即ち、S1のように最初に吸盤90を給紙カセット1の側壁部−押さえローラ間へ移動させる。次にS2のように吸盤90を前進させ(図中の矢印方向)、最上位(最上層)の申請書Sに吸着させる。更にS3のように最上位の申請書Sを分離させ、S4のように吸盤90を後退させる(図中の矢印方向)。次にS5のように吸着した申請書Sを装置側の搬送ローラ62の位置迄移動させ、S6のように申請書Sが搬送ローラ62に圧着された後、吸盤90の申請書Sへの吸着を解除し、S7のように吸盤90を待機位置へ移動させる。
【0050】
本実施例ではシート材Pとして申請書を用いて説明したが、台紙の場合も有効であり、それぞれ専用の供給部の給紙カセットに載置される。シート材Pが申請書でも台紙の場合であっても吸盤吸着動作の流れは同様である。
【0051】
ここでは、IDカードとして運転免許証を作製する場合について説明したが、本発明の給紙カセットは他の装置についても同様に適用される。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、給紙カセットの収納部に積載されたシート材量の増減に係わらず安定した給紙を可能とする給紙カセットを提供することができるという顕著に優れた効果を奏するものである。特に吸盤吸着方式にてシート材を順次シート材収納部より毎葉に吸引、吸着し、装置本体のシート材搬送路に安定して給紙・搬送することが可能な給紙カセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】給紙カセットの概略斜視図を示す。
【図2】図1の概略断面図を示す。
【図3】図1に示される給紙カセットに申請書を積載したときの図1のA−A′に沿った概略断面図である。
【図4】給紙カセットの押圧手段の機構を示すフロー図である。
【図5】給紙カセットを装着したIDカード作製用複写撮影装置の概略構成図である。
【図6】図5で使用した給紙カセットを装着したIDカード作製用複写撮影装置の搬送部のオートドキュメントフィーダー方式における吸盤吸着動作の流れを示すフロー図である。
【符号の説明】
1 給紙カセット
2 箱形容器
3 押圧手段
201 底板部
202 側壁部
203 シート材収納部
310 第1押圧手段
320 第2押圧手段
324a〜324c 押さえローラ
311、312、334 回動規制手段
330 取り付け部材
Claims (6)
- 装置本体に着脱自在で、矩形の底板部と該底板部の周縁部に一体に設けられた側壁部を有する箱形容器と、該箱形容器のシート材収納部に積載されたシート材の端縁位置を規制する位置規制手段と、前記シート材に当接し、該シート材を押さえる押圧手段を有し、前記シート材を毎葉に装置本体のシート材搬送路に給送する給紙カセットにおいて、前記押圧手段が前記箱形容器に取り付け部材を介して回動可能に軸支された第1押圧手段と、該第1押圧手段に回動可能に軸支された第2押圧手段とを有することを特徴とする給紙カセット。
- 前記第1押圧手段は、前記取り付け部材に係合された弾性部材により付勢されていることを特徴とする請求項1記載の給紙カセット。
- 前記第1押圧手段は、箱形容器に付設される部材に当接し回動を規制する回動規制手段を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の給紙カセット。
- 前記第2押圧手段は、前記箱形容器のシート材収納部に積載されたシート材の積載量の状態に応じて、前記シート材に対する付勢力(押圧力)が変化するように前記第1押圧手段に回動可能に軸支されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の給紙カセット。
- 前記第2押圧手段の先端には、回転可能な押さえローラが軸支されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の給紙カセット。
- 前記第2押圧手段の回動を規制する回動規制手段が、前記第2押圧手段の端部に一体に設けられており、前記押圧手段がシート材積載位置から上方へ回動した際、前記回動規制手段が前記第1押圧手段に当接し第2押圧手段の回動が規制されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の給紙カセット。
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