JP3795603B2 - アセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物 - Google Patents

アセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス処理、燃焼、乾燥、調理、空調用機器等において利用されるアセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、脱臭には、臭気を稀釈する希釈法や、活性炭やゼオライトなどの吸着剤にガス状の悪臭物質を吸着させる吸着法が用いられてきた。また、悪臭物質をオゾンガスによって酸化分解するオゾン分解法や、悪臭物質を火炎に接触させて燃焼させるか、または貴金属などの燃焼触媒を高温活性化させて触媒燃焼させる燃焼法も用いられている。
しかしながら、これらの脱臭方法は、それぞれ次のような問題点を有している。
希釈法は、悪臭発生量が微量の場合以外は効果が無い。吸着法は、吸着量が飽和に達すると脱臭効果が無くなることから、寿命に問題がある。また、かえって吸着剤自体が悪臭源となる可能性がある。オゾン分解法は、常温で使用可能であるが、オゾンガス自体が人体に有害であるため、装置外部にオゾンがリークした場合に危険である。燃焼法は、高温で燃焼させるため多大なエネルギーが必要であり、熱源の周辺基材への熱影響も懸念される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の脱臭方法の問題点を解決し、低温で燃焼させることにより効果的に悪臭物質を除去することができるアセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クロムおよびコバルトからなる群より選択される少なくとも一種の遷移金属およびマンガンを主体とし、前記遷移金属を前記遷移金属および前記マンガンの和に対する原子比で0.2〜0.6の割合で含む複合酸化物からなり、その比表面積が60m2/g以上のものを悪臭物質を燃焼除去するためのアセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物に用いるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の脱臭用触媒組成物は、クロムおよびコバルトからなる群より選択される少なくとも一種の遷移金属およびマンガンを主体とし、遷移金属を遷移金属およびマンガンの和に対する原子比で0.2〜0.6の割合で含む複合酸化物からなり、比表面積が60m2/g以上のものである。50〜200℃の範囲の低温域でこの脱臭用触媒組成物に臭気を接触させることにより、効率的な臭気の燃焼除去が可能になる。特に、遷移金属種がコバルトもしくはクロムである場合、顕著な効果が得られる。
【0006】
本発明の脱臭用触媒組成物の好ましい態様は、X線粉末法により得られる回折パターンにおいて、面間隔が2.40〜2.50オングストロームの位置に反射ピーク1が現れ、さらに反射ピーク1のピーク強度を100として、面間隔が4.65〜4.75オングストロームの位置にピーク強度が41〜79の反射ピーク2、面間隔が3.84〜4.11オングストロームの位置にピーク強度が10〜31の反射ピーク3、面間隔が2.77〜2.89オングストロームの位置にピーク強度が25〜46の反射ピーク4、面間隔が2.32〜2.35オングストロームの位置にピーク強度が10〜50の反射ピーク5、面間隔が2.10〜2.18オングストロームの位置にピーク強度が3〜25の反射ピーク6、面間隔が2.00〜2.04オングストロームの位置にピーク強度が9〜33の反射ピーク7、面間隔が1.60〜1.66オングストロームの位置にピーク強度が6〜28の反射ピーク8、面間隔が1.43〜1.49オングストロームの位置にピーク強度が18〜54の反射ピーク9、および面間隔が1.34〜1.40オングストロームの位置にピーク強度が2〜15の反射ピーク10が現れるコバルト−マンガン複合酸化物からなる。
【0007】
本発明の脱臭用触媒組成物の他の好ましい態様は、X線粉末法により得られる回折パターンにおいて、面間隔が2.40〜2.44オングストロームの位置に反射ピーク1が現れ、さらに反射ピーク1のピーク強度を100として、面間隔が3.76〜3.88オングストロームの位置にピーク強度が22〜90の反射ピーク2、面間隔が3.50〜3.60オングストロームの位置にピーク強度が15〜73の反射ピーク3、面間隔が3.33〜3.41オングストロームの位置にピーク強度が54〜87の反射ピーク4、面間隔が3.00〜3.18オングストロームの位置にピーク強度が33〜84の反射ピーク5、面間隔が2.75〜2.86オングストロームの位置にピーク強度が12〜75の反射ピーク6、面間隔が2.69〜2.76オングストロームの位置にピーク強度が26〜68の反射ピーク7、面間隔が2.49〜2.54オングストロームの位置にピーク強度が40〜87の反射ピーク8、面間隔が2.46〜2.49オングストロームの位置にピーク強度が71〜95の反射ピーク9、面間隔が2.06〜2.15オングストロームの位置にピーク強度が5〜60の反射ピーク10、面間隔が1.84〜1.93オングストロームの位置にピーク強度が2〜52の反射ピーク11、面間隔が1.58〜1.63オングストロームの位置にピーク強度が3〜49の反射ピーク12、面間隔が1.47〜1.50オングストロームの位置にピーク強度が2〜47の反射ピーク13、および面間隔が1.39〜1.42オングストロームの位置にピーク強度が2〜52の反射ピーク14が現れるクロム−マンガン複合酸化物からなる。
【0008】
本発明の脱臭用触媒組成物の製造法は、クロムおよびコバルトからなる群より選択される少なくとも一種の遷移金属の塩の水溶液に過マンガン酸カリウムを加えて煮沸しながら、この水溶液にさらにマンガンの塩を溶解させることにより、マンガンの酸化物を沈殿させとともに、この酸化物に遷移金属イオンを吸着させる工程と、得られた沈殿物を焼成する工程を含むものである。
強酸化剤である過マンガン酸カリウムをマンガンの塩の水溶液に投入することにより、溶液中のマンガンイオンが酸化されてその酸化物が沈殿する。さらに溶液中の遷移金属イオンは、マンガン酸化物に吸着する。このようにして得られた沈殿物を焼成して、コバルト−マンガン酸化物を得るものである。加えるマンガン塩としては、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物などを用いることができる。本製造法によると、あらかじめ調製されたマンガン塩の水溶液に過マンガン酸カリウムを加えて沈殿させる方法と比べて、純度が高く、より低温燃焼活性の高いマンガン系複合酸化物を得ることができる。
【0009】
本発明の他の脱臭用触媒組成物の製造法は、クロムおよびコバルトからなる群より選択される少なくとも一種の遷移金属の塩およびマンガン塩を溶解した水溶液に塩基性溶液を混合することにより、遷移金属の水酸化物およびマンガンの水酸化物を共沈させる工程と、得られた沈殿物を焼成する工程を含むものである。
本製造法によると、脱臭用触媒組成物は、たとえば、マンガンの塩および遷移金属の塩を溶解させた溶液をpH調整してこれらの元素の水酸化物を合成、沈殿させた後、この沈澱物を焼成することによって得られる。マンガン塩および遷移金属塩としては、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、ホスフィン酸塩、燐酸塩、チオシアン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩などを用いることができる。沈澱物を生成させる際に用いるpH調整剤としては、アンモニア、各種アンモニウム塩、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩などを用いることができる。分離後の沈殿物の焼成は、空気中で200〜300℃で行うことが望ましい。
【0010】
焼成により得られた組成物は、粉砕した後、顆粒状に成形して、あるいはセラミックハニカム、セラミックファイバー、セラミックフォーム、金属板などの担体に担持させて用いることができる。担体にこれらの組成物の触媒膜を形成するには、シリカゾル、アルミナゾル、水ガラスなどの無機系バインダを用いることが望ましい。
悪臭物質を触媒燃焼させるために触媒を加熱するための熱源としては、電気炉など外部に設置するものを用いることができる。また、担体自体に発熱機能のあるものを用いることも可能である。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0012】
《実施例1》
触媒担体であるアルミナ(Al23)粉末に、金属触媒として1)Ptを担持させたもの、同様に2)Pdを担持させたもの、3)Rhを担持させたもの、4)Agを担持させたもの、5)Cr23を担持させたもの、6)Mn23を担持させたもの、7)Fe23を担持させたもの、8)Co23を担持させたもの、9)NiOを担持させたもの、10)CuOを担持させたものおよび11)ZnOを担持させたものと、12)Mn23、13)Co34、14)Fe23、15)CuO、16)Cr23、17)Co−Mn複合酸化物、18)Fe−Mn複合酸化物、19)Cu−Mn複合酸化物および20)Cr−Mn複合酸化物の計20種類の材料を用いてそれぞれ触媒体を作製した。
【0013】
ここで、上記の1)〜11)に用いた金属触媒は、Rh、Pd、Ag、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、CuおよびZnについてはそれらの硝酸塩を用い、Ptについては塩化白金酸を用いて合成した。いずれの触媒体も、これらの金属塩をそれぞれ溶解させた水溶液に触媒担体であるアルミナ粉末を加え、湿式粉砕を行った後、650℃で焼成することにより、これら金属触媒をアルミナ粉末表面にアルミナに対して1.0wt%の割合で担持させ、さらにふるいにかけて粒径を8〜15メッシュにしたものである。
【0014】
12)〜20)の酸化物は、いずれも各種硝酸塩を水に溶解させた後、この水溶液にアンモニア水をpH7〜8になるまで加えて得られた沈澱物を、遠心分離により採取し、さらにこの沈殿物を空気中で200℃、5時間焼成して得られたものである。なお、17)〜20)のマンガンと遷移金属の複合酸化物は、いずれも原子比を遷移金属/(遷移金属+マンガン)=0.33になるように各酸化物を混合した後焼成したものである。
【0015】
以上のようにして得られた1)〜20)の触媒体について、アセトアルデヒド燃焼試験を行った。
触媒体の性能評価には、常圧固定床流通式反応装置を用いた。まず、内径10mmの石英管に触媒体を0.2g充填した。この触媒体を充填した石英管の周りにヒータを設置し、触媒体の温度を自由に設定できるようにした。濃度100ppmのアセトアルデヒドを含む空気を、石英管内部に50ml/minで流通させ、触媒体の上・下流のアセトアルデヒド濃度をガスクロマトグラフィで分析することにより、アセトアルデヒドの各温度での転化率を求めた。
各触媒の100℃および200℃におけるアセトアルデヒドの転化率を表1に示す。
【0016】
【表1】
Figure 0003795603
【0017】
表1に示すように、アセトアルデヒドの燃焼においては、17)Co−Mn複合酸化物、18)Fe−Mn複合酸化物、19)Cu−Mn複合酸化物および20)Cr−Mn複合酸化物を用いた触媒体は、その他の触媒体に比べ、低温での燃焼活性が高い。また、これらマンガンと遷移金属の複合酸化物は、同様な沈澱法で調製したマンガン酸化物および遷移金属酸化物のそれぞれよりはるかに高い燃焼活性を示すことから、マンガンと遷移金属の複合酸化物の低温での高活性は、これら2種の金属による相乗効果によるものであることがわかる。
【0018】
次に、マンガンと遷移金属の複合酸化物触媒中の遷移金属含有率とアセトアルデヒド燃焼特性の相関を検討した。
なお、本検討には、上記の常圧固定床流通式反応装置を用い、触媒量、反応ガス流量などの試験条件も同じにした。
複合酸化物触媒中の遷移金属含有率と、アセトアルデヒド転化率80%を示す触媒温度との相関を表2および表3に示す。
【0019】
【表2】
Figure 0003795603
【0020】
【表3】
Figure 0003795603
【0021】
表2および表3に示すように、遷移金属が遷移金属およびマンガンの和に対する原子比で0.2〜0.6の割合で含まれるとき、アセトアルデヒド燃焼において高い活性を示すことが分かる。
【0022】
次に、マンガンと遷移金属の複合酸化物触媒の比表面積のアセトアルデヒド燃焼特性との相関を、以下のようにして調べた。
複合酸化物触媒の調製は以下のようにして行った。まず、各種硝酸塩を水に溶解させ、この水溶液にアンモニア水をpH7〜8になるまで加えてマンガンの水酸化物および遷移金属の水酸化物を共沈させた。次にこの沈殿物を遠心分離した後、空気中で焼成した。この際、焼成温度を制御して、触媒の比表面積を変化させた。また、この共沈法以外に、マンガンと遷移金属の硝酸塩溶液を熱分解させて低比表面積の触媒を調製した。なお、この場合のマンガンと遷移金属の原子比が遷移金属/(遷移金属+マンガン)=0.33になるようにした。
異なる比表面積のMn系複合酸化物触媒を用い、アセトアルデヒド転化率の温度依存性を調べた。表4に各触媒の比表面積、調製法および100℃での転化率を示す。
【0023】
【表4】
Figure 0003795603
【0024】
表4に示すように、Mn系複合酸化物触媒は、いずれも比表面積が60m2/g以上の場合、アセトアルデヒド燃焼において高い活性を示すことがわかる。
【0025】
《実施例2》
マンガンと遷移金属の複合酸化物の合成法と燃焼活性の相関を検討した。遷移金属としてコバルトを用い、以下のA〜Dのコバルト−マンガン酸化物を合成した。ただし、いずれもCo/(Co+Mn)を原子比で0.33とした。
【0026】
A:Co34およびMnO2を粉砕、物理混合して得られたコバルト−マンガン酸化物
B:硝酸コバルトと硝酸マンガンの混合水溶液を300℃で加熱し、熱分解させて得られたコバルト−マンガン酸化物
C:硝酸コバルトと硝酸マンガンの混合水溶液にアンモニア水を加えて沈殿物を生成させ、この沈殿物を200℃で焼成して得られたコバルト−マンガン酸化物
D:硝酸コバルト水溶液に過マンガン酸カリウムを加えて煮沸し、さらに硝酸マンガンを加えて沈殿物を生成させ、この沈殿物を200℃で焼成して得られたコバルト−マンガン酸化物
【0027】
以上のA〜Dのコバルト−マンガン酸化物を触媒体に用いて、実施例1と同様のアセトアルデヒド燃焼試験を行った。その結果を表5に示す。
【0028】
【表5】
Figure 0003795603
【0029】
表5より明らかなように、CおよびDの共沈法により得られたコバルト−マンガン酸化物は、AおよびBのコバルト−マンガン酸化物と比べて、優れた低温燃焼活性を示す。これは、CおよびDのコバルト−マンガン酸化物は、均一な組成を有することから、実施例1と同様に、コバルトおよびマンガンの相乗効果が得られたものと推測される。
【0030】
《実施例3》
Co−Mn系複合酸化物触媒の結晶構造とアセトアルデヒド燃焼特性との相関を調べるため、以下の21)〜25)の5種類の試料を調製し、検討を行った。
実験に用いた試料および調製方法は以下の通りである。21)Co−Mn酸化物(共沈法、200℃焼成)、22)Co−Mn酸化物(熱分解法、300℃焼成)、23)CoMn24(試薬)、24)Mn酸化物(沈澱法、200℃焼成)、および25)Co酸化物(沈澱法、200℃焼成)の5種類の試料について検討を行った。なお、共沈法および熱分解法で得られたCo−Mn酸化物は、Co/(Co+Mn)の原子比を0.33としたものである。
【0031】
以上のようにして得られた21)〜25)の5種類の試料について、X線粉末法により結晶構造解析を行った。照射源には50kVおよび200mAで操作される高強度CuターゲットX線管を用いた。グラファイトモノクロメータを用いてCuKαに単色化されたX線に対する各試料の回折図形をX線スペクトロメータ、シンチレーションカウンタおよびパルス高さ分析器で計測し、ストリップチャート記録器で記録した。ここで、走査範囲を6〜70°とし、ステップ幅を0.02°、スキャン速度を4°/minとして走査した。面間隔(d)は2θ(ブラッグ角)として表される回折ピークの位置から得られる。強度はバックグラウンドを減じた後の反射ピークの高さから決定した。
上記試料のX線回折パターンにおける各反射ピーク強度を表6〜10に示す。
【0032】
【表6】
Figure 0003795603
【0033】
【表7】
Figure 0003795603
【0034】
【表8】
Figure 0003795603
【0035】
【表9】
Figure 0003795603
【0036】
【表10】
Figure 0003795603
【0037】
表6〜10に示すように、21)Co−Mn酸化物は、Co酸化物とMn酸化物の2つのX線回折パターンを重ね合わせたパターンとも異なる。すなわち、共沈法により得られた21)Co−Mn酸化物は、均一に固溶した複合酸化物を形成していることがわかる。また、21)Co−Mn酸化物は、他のCo−Mn酸化物と異なったX線回折パターンを示し、同じ調製法で得た25)Co酸化物および24)Mn酸化物のX線回折パターンとも異なっていた。
【0038】
次に、上記の酸化物を触媒体に用いてアセトアルデヒド燃焼試験を実施例1と同様に行った。同試験における100℃での転化率を表11に示す。
【0039】
【表11】
Figure 0003795603
【0040】
表11より、共沈法により得られた21)Co−Mn酸化物は、他の触媒より高活性であることがわかる。
21)のCo−Mn酸化物と同様の試料を複数個同様に評価したところ、いずれも低温燃焼活性が高いことが確認された。これらのX線粉末法による回折パターンでは、いずれも表12に示す範囲内に反射ピークが確認された。得られたX線回折パターンの一例を図1に示す。
【0041】
【表12】
Figure 0003795603
【0042】
すなわち、表12に示すX線回折パターンの得られるCo−Mn酸化物は、他のCo−Mn酸化物と比べて、優れた触媒活性を示すことが明らかになった。
【0043】
《実施例4》
Cr−Mn系酸化物触媒の結晶構造とアセトアルデヒド燃焼特性の相関を調べるため、以下の検討を行った。
実験に用いた試料および調製方法は以下の通りである。26)Cr−Mn酸化物(共沈法、200℃焼成)、27)MnCrO4(試薬)、28)Mn酸化物(沈澱法、200℃焼成)、および29)Cr酸化物(沈澱法、200℃焼成)の4種類の試料について検討を行った。なお、共沈法により得られた26)Cr−Mn酸化物の組成は、Cr/(Cr+Mn)の原子比が0.33のものである。
X線粉末法により、上記の試料の結晶構造を調べた。解析方法は実施例3と同様とした。
26)〜29)の試料のX線回折パターンを表13〜16に示す。
【0044】
【表13】
Figure 0003795603
【0045】
【表14】
Figure 0003795603
【0046】
【表15】
Figure 0003795603
【0047】
【表16】
Figure 0003795603
【0048】
表13〜16に示すように、26)Cr−Mn酸化物は、Cr酸化物とMn酸化物の2つのX線回折パターンを重ね合わせたパターンとも異なる。すなわち、共沈法により得られた26)Cr−Mn酸化物は均一に固溶した複合酸化物を形成していることがわかる。
【0049】
次に、上記の触媒を用いて実施例1と同様のアセトアルデヒド燃焼試験を行った。100℃での転化率を表17に示す。
【0050】
【表17】
Figure 0003795603
【0051】
表17より、共沈法により得られた26)Cr−Mn酸化物は、他の触媒より高活性であることがわかる。26)のCr−Mn酸化物と同様の試料を複数個評価したところ、いずれも低温燃焼活性が高いことが確認された。これらのX線粉末法による回折パターンでは、いずれも表18に示す範囲内に反射ピークが確認された。得られたX線回折パターンの一例を図2に示す。
【0052】
【表18】
Figure 0003795603
【0053】
すなわち、表18に示すX線回折パターンの得られるCr−Mn酸化物は、他のCr−Mn酸化物と比べて、優れた触媒活性を示すことが明らかになった。
【0054】
【発明の効果】
本発明によると、高効率かつ経済的に悪臭を燃焼除去することができる脱臭用触媒組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の脱臭用触媒組成物のX線粉末法による回折パターンである。
【図2】 本発明の他の実施例の脱臭用触媒組成物のX線粉末法による回折パターンである。

Claims (4)

  1. クロムおよびコバルトからなる群より選択される少なくとも一種の遷移金属およびマンガンを主体とし、前記遷移金属を前記遷移金属および前記マンガンの和に対する原子比で0.2〜0.6の割合で含む複合酸化物からなり、比表面積が60m2/g以上であるアセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物。
  2. X線粉末法により得られる回折パターンにおいて、面間隔が2.40〜2.50オングストロームの位置に反射ピーク1が現れ、さらに前記反射ピーク1のピーク強度を100として、面間隔が4.65〜4.75オングストロームの位置にピーク強度が41〜79の反射ピーク2、面間隔が3.84〜4.11オングストロームの位置にピーク強度が10〜31の反射ピーク3、面間隔が2.77〜2.89オングストロームの位置にピーク強度が25〜46の反射ピーク4、面間隔が2.32〜2.35オングストロームの位置にピーク強度が10〜50の反射ピーク5、面間隔が2.10〜2.18オングストロームの位置にピーク強度が3〜25の反射ピーク6、面間隔が2.00〜2.04オングストロームの位置にピーク強度が9〜33の反射ピーク7、面間隔が1.60〜1.66オングストロームの位置にピーク強度が6〜28の反射ピーク8、面間隔が1.43〜1.49オングストロームの位置にピーク強度が18〜54の反射ピーク9、および面間隔が1.34〜1.40オングストロームの位置にピーク強度が2〜15の反射ピーク10が現れるコバルト−マンガン複合酸化物からなる請求項1記載のアセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物。
  3. X線粉末法により得られる回折パターンにおいて、面間隔が2.40〜2.44オングストロームの位置に反射ピーク1が現れ、さらに前記反射ピーク1のピーク強度を100として、面間隔が3.76〜3.88オングストロームの位置にピーク強度が22〜90の反射ピーク2、面間隔が3.50〜3.60オングストロームの位置にピーク強度が15〜73の反射ピーク3、面間隔が3.33〜3.41オングストロームの位置にピーク強度が54〜87の反射ピーク4、面間隔が3.00〜3.18オングストロームの位置にピーク強度が33〜84の反射ピーク5、面間隔が2.75〜2.86オングストロームの位置にピーク強度が12〜75の反射ピーク6、面間隔が2.69〜2.76オングストロームの位置にピーク強度が26〜68の反射ピーク7、面間隔が2.49〜2.54オングストロームの位置にピーク強度が40〜87の反射ピーク8、面間隔が2.46〜2.49オングストロームの位置にピーク強度が71〜95の反射ピーク9、面間隔が2.06〜2.15オングストロームの位置にピーク強度が5〜60の反射ピーク10、面間隔が1.84〜1.93オングストロームの位置にピーク強度が2〜52の反射ピーク11、面間隔が1.58〜1.63オングストロームの位置にピーク強度が3〜49の反射ピーク12、面間隔が1.47〜1.50オングストロームの位置にピーク強度が2〜47の反射ピーク13、および面間隔が1.39〜1.42オングストロームの位置にピーク強度が2〜52の反射ピーク14が現れるクロム−マンガン複合酸化物からなる請求項1記載のアセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物。
  4. クロムおよびコバルトからなる群より選択される少なくとも一種の遷移金属の塩の水溶液に過マンガン酸カリウムを加えて煮沸しながら、前記水溶液にさらにマンガンの塩を、前記遷移金属が前記遷移金属および前記マンガンの和に対する原子比で0.2〜0.6の割合になるように溶解させ、前記マンガンの酸化物を沈殿させとともに、前記酸化物に前記遷移金属のイオンを吸着させる工程と、得られた沈殿物を200℃〜400℃で焼成する工程を含むアセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物の製造法
JP34752496A 1996-12-26 1996-12-26 アセトアルデヒド燃焼除去用触媒組成物 Expired - Fee Related JP3795603B2 (ja)

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