JP3793890B2 - 反射型フリンジフィールド駆動モード液晶表示装置 - Google Patents

反射型フリンジフィールド駆動モード液晶表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型液晶表示装置に係り、より詳細には、コントラスト比を改善できる反射型フリンジフィールド駆動モード液晶表示装置(reflective type fringe field switching mode LCD:以下、反射型FFS−LCD)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の反射型LCDは、誘電率異方性が陽であるネマチック液晶組成物をツイスト配向させたTN(Twisted Nematic)LCDが用いられる。この反射型TN−LCDは、低消費電力という特徴を有し、電子式卓上時計、デジタル時計等の比較的小型LCDに用いられる。しかしながら、反射型TN−LCDは、視野角特性が非常に悪くて、コントラスト比が低いという問題点を有する。
【0003】
このため、近年、視野角特性に優れ、かつ高い反射率及び開口率を確保するために、反射型フリンジフィールド駆動液晶表示装置が研究、開発されている。このような従来の反射型フリンジフィールド駆動液晶表示装置は、その概略的な構成が図1及び図2に示されている。
【0004】
図1及び図2を参照すると、下部基板11と上部基板12は、所定の距離をおいて対向する。多数個の液晶分子15aを有する液晶層15は、下部基板11と上部基板12の間に介在する。液晶分子15aを動作させるためのフリンジフィールドを形成するカウンタ電極14及び画素電極13は、下部基板11の内側面に配置される。
【0005】
カラーフィルタ(図示せず)は、上部基板12の内側面に配置される。第1の水平配向膜20は、カウンタ電極14及び画素電極13が形成された下部基板11と液晶層15との間に介在し、第2の水平配向膜19は、カラーフィルターが形成された上部基板12と液晶層15との間に介在する。この際、第1及び第2の水平配向膜20、19は、それぞれラビング軸を有し、第1の水平配向膜20のラビング軸と第2の水平配向膜19のラビング軸は、お互いに180゜の角度をなす(anti−parallel)。さらに、第1の水平配向膜20のラビング軸は、カウンタ電極14と画素電極13の間に形成されるフリンジフィールドを、基板面に投影させた線と所定の角度をなす。上部基板12の外側面には、偏光子18が取り付けられ、偏光子18は、その偏光軸が第1の水平配向膜20のラビング軸と一致するように取り付けられる。また、下部基板11の外側面には、入射または反射される光をλ/4だけ偏光させる4分1波長板17が配置され、λ/4板17(すなわち4分1波長板)の外側には、4分1波長板17を通過した光を反射させる反射板16が配置される。この際、4分1波長板17の遅延軸は、第1の水平配向膜20のラビング軸と45゜をなす。
【0006】
このような従来の反射型FFS−LCDは、次のように動作する。
まず、図1を参照すると、カウンタ電極14と画素電極13の間に電圧差が発生しないと、液晶分子15aは、その長軸が水平配向膜20、19のラビング軸と平行に配列される。これにより、自然光は、偏光子18を通過しながら、偏光軸と一致する方向に進行する入射光になる。その後、入射光は、液晶分子15aの長軸が水平配向膜20、19のラビング軸と並んで配列されている液晶層15を通過するので、進行方向が変わらない。液晶層15を通過した入射光は、4分1波長板17の遅延軸と45゜をなすので、4分1波長板17を通過しながら右側円偏光になる。右側円偏光は、反射板16により反射され、右側円偏光された反射光になる。
【0007】
反射光は、その進行方向と45゜をなす遅延軸を有する4分1波長板17を通過しながら、偏光軸と直交する方向に進行する反射光になる。4分1波長板17を通過した反射光の進行方向は、液晶分子15aの長軸と直交するので、進行方向が変化せず液晶層15を通過する。液晶層15を通過した反射光は、偏光軸と直交するので、偏光子18を通過しない。したがって、画面は、ダーク(dark)となる。
【0008】
次に、図2のように、カウンタ電極14と画素電極13の間にフリンジフィールドFが形成されると、液晶分子15aは、フリンジフィールドEの形態でツイストされる。これにより、液晶分子15aの光軸は、偏光軸と所定の角度をなすことになる。自然光は、偏光子18を通過することによって、偏光軸と一致する方向に進行する入射光になる。その後、入射光は、フリンジフィールドEの形態で配列された液晶分子15aの長軸と45゜をなす。したがって、液晶層15を通過した入射光は、偏光軸と45゜をなす入射光になる。ここで、液晶層15を通過した入射光は、4分1波長板17の遅延軸と一致するから、入射光は、4分1波長板17を通過しながら、その進行方向が変わらない。4分1波長板17を通過した入射光は、反射板16により反射されて反射光となる。
【0009】
反射光は、その進行方向が4分1波長板17の遅延軸と一致するから、進行方向が変化することなく、4分1波長板17を通過する。4分1波長板17を通過した反射光の進行方向は、液晶層15の液晶分子15aの長軸と45゜をなすので、液晶層15を通過した反射光の進行方向は、偏光軸と一致することになる。したがって、画面は、ホワイト状態となる。
【0010】
しかしながら、従来の反射型FFS−LCDは、次のような問題点を有する。従来の反射型液晶表示装置は、バックライトを光源として使用することなく、コントラストを改善するために、基板の外側に4分1波長板のような光学成分が付加される。しかし、4分1波長板のような光学成分が付加されることによって、製造費用が上昇するという問題点がある。さらに、4分1波長板が入射または反射される光を一部吸収するので、LCDの透過率、すなわち反射率を低下させる。
【0011】
このような問題点を解決するために、従来の他の方法として、4分1波長板が除去される代わりに、液晶層の位相遅延(dΔn)がλ(2n+1)/4になるようにして、液晶層が4分1波長板の役目をするようにする技術が本出願人により出願されたことがある。
【0012】
しかし、液晶層が4分1波長板の役目をする技術は、次のような問題点がある。
すなわち、液晶層自体が4分1波長板の役目をすることができるように、液晶層の位相遅延を(2n+1)λ/4に調節したとしても、この位相遅延は、光波長λの関数で、特定の光波長のみでダークを実現でき、他の波長帯域では、完璧なダークを実現出来ない。これにより、すべての光波長帯域で完璧なコントラストを示すことができない。
【0013】
また、反射型FFS−LCDは、液晶分子の初期配列方向を指定するために、上下基板の配向膜が所定のラビング軸を有するようにラビングする工程を必要とする。この際、ラビング工程は、よく知らされているように、不良が発生する確率が高くて、配向膜の表面に損傷を与えやすい。このような配向不良により、ダーク状態時、すなわちカウンタ電極と画素電極の間に電圧差が発生する前、液晶分子が誤整列され、光漏洩が発生する。これにより、FFS−LCDの画質特性が劣化する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、コントラストを改善できる反射型FFS−LCDを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の反射型FFS−LCDは、所定の距離をおいて配置され、単位画素が限定された上下部基板と、前記上下部基板の間に介在し、誘電率異方性が陽又は陰である多数個の液晶分子を含む液晶層と、前記下部基板の前記単位画素に各々形成されるカウンタ電極と、前記カウンタ電極より上方に形成され、カウンタ電極と共にフリンジフィールドを発生させて、前記単位画素内の大部分の前記液晶分子を動作させる画素電極と、前記下部基板と前記液晶層の間に介在し、所定のラビング軸を有する水平配向膜と、前記上部基板と前記液晶層の間に介在する垂直配向膜と、前記上部基板の外側面に配置され、所定の偏光軸を有する偏光子と、前記部基板に配置され、前記上部基板の上方から入射される光を反射させる反射手段とを含み
前記水平配向膜のラビング軸は、前記液晶層の前記液晶分子の誘電率異方性が陽である場合、フリンジフィールドの基板投影面と45ないし90゜の角度をなし、前記液晶分子の誘電率異方性が陰である場合、フリンジフィールドの基板投影面と0ないし45゜の角度をなし、前記液晶層は、フリンジフィールド印加時、λ(2n+1)/4の有効位相遅延を有し、前記偏光子の偏光軸は、前記水平配向膜のラビング軸と一致し、前記反射手段は、プレート形態で形成される前記カウンタ電極であり、アルミニウム、金、銀から選ばれる一種の物質で形成されることを特徴とする。
【0017】
前記目的を達成するために、本発明の他の反射型FFS−LCDは、所定の距離をおいて配置され、単位画素が限定された上下部基板と、前記上下部基板の間に介在し、誘電率異方性が陽又は陰である多数個の液晶分子を含む液晶層と、前記下部基板の前記単位画素に各々形成されるカウンタ電極と、前記カウンタ電極より上方に形成され、カウンタ電極と共にフリンジフィールドを発生させて、前記単位画素内の大部分の前記液晶分子を動作させる画素電極と、前記下部基板と前記液晶層の間に介在し、所定のラビング軸を有する水平配向膜と、前記上部基板と前記液晶層の間に介在する垂直配向膜と、前記上部基板の外側面に配置され、所定の偏光軸を有する偏光子と、前記上部基板に配置され、前記上部基板の上方から入射される光を反射させる反射手段と、を含み、
前記水平配向膜のラビング軸は、前記液晶層の前記液晶分子の誘電率異方性が陽である場合、フリンジフィールドの基板投影面と45ないし90゜の角度をなし、前記液晶分子の誘電率異方性が陰である場合、フリンジフィールドの基板投影面と0ないし45゜の角度をなし、前記液晶層は、フリンジフィールド印加時、λ(2n+1)/4の有効位相遅延を有し、前記偏光子の偏光軸は、前記水平配向膜のラビング軸と45°の角度をなし、前記反射手段は、プレート形態で形成される前記カウンタ電極であり、アルミニウム、金、銀から選ばれる一種の物質で形成されることを特徴とする。
【0018】
ここで、液晶分子の屈折率異方性(Δn)は、約0.04ないし0.2程度の範囲であり、上下部基板間の距離は、2ないし10μmであることが好ましい。また、液晶層は、フィールド印加時、液晶分子が容易にツイストされるようにドーパントを含むことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
図3及び図4は、本発明の実施例1に係るFFS−LCDの斜視図であり、図5及び図6は、本発明の実施例2に係るFFS−LCDの斜視図である。特に、図3及び図5は、電圧を印加する前の作動状態を、図4及び図6は、電圧を印加した後の作動状態を各々示す。
【0021】
【実施例1】
・ノーマルホワイト方式の反射型HAN(hybrid alignmentnematic) FFS−LCD:
図3及び図4を参照すると、下部基板30と上部基板50は、所定の距離をおいて対向する。多数個の液晶分子40aを有する液晶層40は、下部基板30と上部基板50の間に介在する。ここで、液晶分子40aは、誘電率異方性が陰または陽であり、電圧印加時、容易にツイストされるようにドーパントが添加され、好ましくはd/p(d:上下基板の距離、p:ピッチ)が0.5以下に添加される。
【0022】
下部基板30の内側面には、カウンタ電極32がプレート形態または櫛歯形態で配置されることができ、本実施例では、プレート形態で形成される。また、カウンタ電極32は、反射型液晶表示装置の反射板の役目をすることができるように、反射効率に優れるアルミニウム(Al)、金(Au)または(Ag)のような物質で形成される。このようなカウンタ電極32の表面には、ゲート絶縁膜34が形成され、ゲート絶縁膜34の上部には、カウンタ電極32とフリンジフィールドを形成できるように、櫛歯形態で画素電極36が形成される。画素電極36は、カウンタ電極32と同じ物質で形成されるか、又は透明導電体で形成されることができる。この際、フリンジフィールドは、画素電極36の櫛歯部分と、櫛歯部分により露出したカウンタ電極32の間に形成される。
【0023】
このように処理された下部基板30の表面には、水平配向膜38が形成される。水平配向膜38は、ラビング処理により、所定方向へのラビング軸を有する。ここで、ラビング軸は、液晶分子40aの誘電率異方性によって、その方向が決定される。すなわち、最大の透過率を満足できるように、液晶分子40aの誘電率異方性が陰である場合、ラビング軸は、フリンジフィールドの基板投影面と約0ないし45゜をなすようにし、誘電率異方性が陽である場合、ラビング軸は、フリンジフィールドの基板投影面と約45ないし90゜をなすようにする。
【0024】
対向する上部基板50の内側面には、垂直配向膜52が配置され、この垂直配向膜52は、公知のように別のラビング処理をしない。ここで、上下部基板のいずれか一方には、垂直配向膜が配置され、他方には水平配向膜が配置される構成をHAN(Hybrid−Aligned Nematic)モードという。
【0025】
上部基板50の外側面には、所定の偏光軸Pを有する偏光子55が配置される。この際、偏光軸Pの方向によって、反射型液晶表示装置の駆動モードが決定される。本実施例で、偏光軸Pは、ラビング軸と一致するように配置される。
また、本実施例では、ノーマルホワイトモードで電圧印加時、液晶層40の有効位相遅延(dΔn、d:上下基板の距離、Δn:液晶分子の屈折率異方性)がλ(2n+1)/4(ここで、nは整数)になるように調節して、液晶層40が4分1波長板の役目をする。ここで、一般に反射型モードは、液晶分子40aの円滑な動作のために、透過型より小さな位相遅延が要求される。しかしながら、FFS−LCDのセルギャップまたは屈折率異方性を減らすことは、フィールド形成及び透過率に影響を及ぼすから、このようなセルギャップと屈折率異方性を任意に調節することは困難である。
【0026】
しかし、本実施例のように、上部基板50の側に垂直配向膜52が形成されることによって、上部基板50側の液晶分子40aは、基板と長軸とが垂直な形態で配列され、相対的に有効位相遅延が減少することになる。したがって、別の調節をしなくても、反射型で動作できる程度に有効位相遅延が減少する。好ましくは、液晶分子40aの屈折率異方性Δnは、約0.04ないし0.2程度の範囲に設定され、上下基板30、50間の距離は、2ないし10μmの範囲内に設定される。
【0027】
このような本発明の反射型FFS−LCDは、次のように動作する。
まず、図3を参照すると、カウンタ電極32と画素電極36の間に電圧差が発生しないと、液晶分子40aは、下部基板30側では、長軸が基板表面と平行に配列されるが、上部基板50側へ行くほど長軸が基板表面と垂直をなすようなハイブリッド形態で配列される。この際、下部基板30側の液晶分子40aの長軸は、偏光軸Pと一致するラビング軸と平行に配列される。これにより、自然光100は、偏光子55を通過しながら、偏光軸Pと一致する方向に進行する入射光100aになる。その後、入射光100aは、液晶分子40aがハイブリッド形態で配列された液晶層40を通過しながら、その進行方向が変わらない。液晶層40を通過した入射光100bは、カウンタ電極32により反射光100cになる。
【0028】
反射光100cは、さらに液晶層40を通過しながら下部基板30側の液晶分子40aの長軸と直交するから、進行方向が変化することなく、液晶層40を通過する。液晶層40を通過した反射光100dは、偏光軸Pと一致するから、偏光子55を通過する。したがって、画面はホワイトとなる。
【0029】
一方、図4に示すように、カウンタ電極32と画素電極36の間にフリンジフィールドEが形成されると、液晶分子40aは、フリンジフィールドE形態でツイストされる。この際、フリンジフィールドEの下部基板30の投影線は、偏光軸Pと所定角度をなす。これにより、液晶分子40aは、フリンジフィールドと長軸または光軸とが平行するように配列され、液晶層40は、(2n+1)λ/4(ここで、nは整数)だけ位相遅延が発生する。
【0030】
自然光200は、偏光子55を通過することによって、偏光軸Pと一致する入射光200aになる。偏光子55を通過した入射光200aは、(2n+1)λ/4(ここで、nは整数)の位相遅延を有する液晶層40を通過しながら、その進行方向が変わって、右側円偏光された入射光200bになる。右側円偏光された入射光200bは、カウンタ電極32によって反射され、右側円偏光された反射光200cになる。
【0031】
反射光200cは、さらに液晶層40の位相遅延によって偏光軸Pと直交する反射光200dになる。これにより、液晶層40を通過した反射光200dの進行方向は、偏光軸Pと直交するから、偏光子55を通過しなく、画面は、ダークとなる。したがって、4分1波長板を具備しなくても、ノーマルホワイト方式でディスプレイを実現できる。この際、単位画素内の大部分の液晶分子40aは、全部ツイストされ、高透過率及び高開口率を実現できる。
【0032】
ここで、上部基板50側の液晶分子40aは、既に垂直配向されているので、より一層速い応答時間で液晶分子40aが駆動される。また、上部基板50側の垂直配向膜52は、別のラビング工程を必要としないので、上部基板50側の配向不良が除去される。また、下部基板30の結果物は、従来のFFS−LCDの構造と同一なので、別の変更なしに、従来のFFS−LCDで処理された下部基板をそのまま使用することができる。
【0033】
【実施例2】
・ノーマルブラック方式の反射型HAN FFS−LCD:
図5及び図6は、本発明の実施例2に係る反射型HAN FFS−LCDの断面図である。本実施例では、下部基板30の構造物及び上部基板50構造物の構成は、上述した実施例1と同様で、液晶層40及び偏光子55の配置だけが異なる。本実施例の反射型HAN FFS−LCDは、図5に示すように、ノーマルブラック方式で動作するように、偏光子55の偏光軸Pがラビング軸Rと所定角度、好ましくは45゜をなす。さらに、液晶層40の電圧印加前の有効位相遅延(dΔn、d:上下基板の距離、Δn:液晶分子の屈折率異方性)がλ(2n+1)/4(ここで、nは整数)になるように調節して、液晶層40が4分1波長板の役目をするようにする。
【0034】
このようなノーマルブラック方式の反射型FFS−LCDの動作を説明する。
まず、フリンジフィールドが形成される前、液晶分子40aは、長軸がラビング軸と一致し、かつ基板にほぼ平行に配列される。このため、自然光300は、図5に示したように、偏光子55によって偏光軸Pと一致する方向に進行する入射光300aになる。入射光300aは、液晶層40を通過しながらλ(2n+1)/4だけ位相遅延が発生し、右側円偏光された入射光300bになる。液晶層40を通過した入射光300bは、カウンタ電極32によって反射されて反射光300cになる。
【0035】
反射光300cの進行方向は、液晶分子40aの長軸と45゜をなすので、液晶層40を通過しながら、反射光は、偏光軸Pと垂直をなす反射光300dになる。液晶層40を通過した反射光300cは、その進行方向が偏光軸Pと垂直であるから偏光軸Pを通過できない。したがって、画面は、ダークとなる。
【0036】
一方、フリンジフィールドFが形成されると、液晶分子40aは、フリンジフィールドEと長軸または短縮が平行するように配列される。自然光400は、図6に示したように、偏光子55を通過しながら偏光軸Pと一致する入射光400aになる。偏光子55を通過した入射光400aは、液晶分子40aが位相遅延無しに45゜ツイストされるので、液晶層40を通過しながら偏光軸Pと直交する方向に進行する入射光400bになる。液晶層40を通過した入射光400bは、カウンタ電極32によって反射されて反射光400cになる。
【0037】
反射光400cは、フリンジフィールドの形態で配列された液晶層40を通過しながら、さらに偏光軸と一致する反射光400dになる。液晶層40を通過した反射光400dの進行方向は、偏光軸Pと一致するので、偏光子55を通過する。したがって、画面は、ホワイトとなる。すなわち、4分1波長板を具備しなくても、ノーマルブラック方式でディスプレイを実現できる。
【0038】
また、本発明は、前述の実施例のみに限定されるものではない。例えば、本発明では、カウンタ電極が反射板に利用されたが、カウンタ電極及び画素電極は、透明導電体で形成され、反射板が取り付けられても、本実施例と同様な動作をする。
【0039】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によると、反射型FFS−LCDにおいて、下部基板側に水平配向膜が配置され、上部基板側に垂直配向膜が配置される。
【0040】
これにより、フィールド印加前、液晶分子がハイブリッド形態で配列されることによって、液晶分子の配列自体で液晶分子の屈折率異方性が自然に補償されるので、多様な光波長帯域でも完璧なダークを実現できる。
【0041】
また、上下基板間の距離及び屈折率異方性を調節しなくても、反射型で動作できる程度に有効位相遅延を減少させることができる。
【0042】
また、上部基板側にラビングを必要としない垂直配向膜を配置することによって、配向不良が減少する。したがって、ダーク時、液晶分子の誤整列を防止でき、画質欠陥が改善される。したがって、コントラスト比が大きく改善される。
【0043】
また、上部基板側の液晶分子は、既に垂直配向膜により垂直配向されているので、応答時間が一層減少する。
【0044】
さらに、液晶層が4分1波長板の役目をすることができる程度の位相遅延を有するので、4分1波長板のような別の光学的手段を備える必要がなく、反射率が大きく改善される。
【0045】
尚、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内でいろいろと変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に係る反射型FFS−LCDの電圧印加前の状態を示す断面図である。
【図2】従来技術に係る反射型FFS−LCDの電圧印加後の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例1に係るFFS−LCDの電圧印加前後の状態を各々示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例1に係るFFS−LCDの電圧印加前後の状態を各々示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例2に係るFFS−LCDの電圧印加前後の状態を各々示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例2に係るFFS−LCDの電圧印加前後の状態を各々示す斜視図である。
【符号の説明】
30 下部基板
32 カウンタ電極
34 ゲート絶縁膜
36 画素電極
38 水平配向膜
40 液晶層
40a 液晶分子
50 上部基板
52 垂直配向膜
55 偏光子

Claims (5)

  1. 所定の距離をおいて配置され、単位画素が限定された上下部基板と、
    前記上下部基板の間に介在し、誘電率異方性が陽又は陰である多数個の液晶分子を含む液晶層と、
    前記下部基板の前記単位画素に各々形成されるカウンタ電極と、
    前記カウンタ電極より上方に形成され、カウンタ電極と共にフリンジフィールドを発生させて、前記単位画素内の大部分の前記液晶分子を動作させる画素電極と、
    前記下部基板と前記液晶層の間に介在し、所定のラビング軸を有する水平配向膜と、
    前記上部基板と前記液晶層の間に介在する垂直配向膜と、
    前記上部基板の外側面に配置され、所定の偏光軸を有する偏光子と、
    前記部基板に配置され、前記上部基板の上方から入射される光を反射させる反射手段とを含み
    前記水平配向膜のラビング軸は、前記液晶層の前記液晶分子の誘電率異方性が陽である場合、フリンジフィールドの基板投影面と45ないし90゜の角度をなし、前記液晶分子の誘電率異方性が陰である場合、フリンジフィールドの基板投影面と0ないし45゜の角度をなし、
    前記液晶層は、フリンジフィールド印加時、λ(2n+1)/4の有効位相遅延を有し、
    前記偏光子の偏光軸は、前記水平配向膜のラビング軸と一致し、
    前記反射手段は、プレート形態で形成される前記カウンタ電極であり、アルミニウム、金、銀から選ばれる一種の物質で形成されることを特徴とする反射型フリンジフィールド駆動モード液晶表示装置。
  2. 所定の距離をおいて配置され、単位画素が限定された上下部基板と、
    前記上下部基板の間に介在し、誘電率異方性が陽又は陰である多数個の液晶分子を含む液晶層と、
    前記下部基板の前記単位画素に各々形成されるカウンタ電極と、
    前記カウンタ電極より上方に形成され、カウンタ電極と共にフリンジフィールドを発生させて、前記単位画素内の大部分の前記液晶分子を動作させる画素電極と、
    前記下部基板と前記液晶層の間に介在し、所定のラビング軸を有する水平配向膜と、
    前記上部基板と前記液晶層の間に介在する垂直配向膜と、
    前記上部基板の外側面に配置され、所定の偏光軸を有する偏光子と、
    前記上部基板に配置され、前記上部基板の上方から入射される光を反射させる反射手段と、を含み、
    前記水平配向膜のラビング軸は、前記液晶層の前記液晶分子の誘電率異方性が陽である場合、フリンジフィールドの基板投影面と45ないし90゜の角度をなし、前記液晶分子の誘電率異方性が陰である場合、フリンジフィールドの基板投影面と0ないし45゜の角度をなし、
    前記液晶層は、フリンジフィールド印加時、λ(2n+1)/4の有効位相遅延を有し、
    前記偏光子の偏光軸は、前記水平配向膜のラビング軸と45°の角度をなし、
    前記反射手段は、プレート形態で形成される前記カウンタ電極であり、アルミニウム、金、銀から選ばれる一種の物質で形成されることを特徴とする反射型フリンジフィールド駆動モード液晶表示装置。
  3. 前記液晶分子の屈折率異方性(Δn)は、約0.04ないし0.2程度の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型フリンジフィールド駆動モード液晶表示装置。
  4. 前記上下部基板間の距離は、2ないし10μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型フリンジフィールド駆動モード液晶表示装置。
  5. 前記液晶層は、フィールド印加時、液晶分子が容易にツイストされるようにドーパントを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型フリンジフィールド駆動モード液晶表示装置。
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