JP3793382B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、エンジンへの供給空気量又は供給燃料量を、排気ガス中に設置された排気成分センサ出力に応じて判別された燃料の性状に基づいて補正し、エンジンに供給するエンジン制御装置に関するものである
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関においては、吸入空気量、もしくは吸気管内圧力と内燃機関の回転数とから基本燃料量を計算し、内燃機関の排気管に設置された酸素濃度センサの出力に基づいて基本燃料量を補正し、予め定められた目標空燃比となるように、内燃機関に供給される燃料量が制御されている。
【0003】
また、アクセル開度とエンジン回転数とから基本燃料量を計算し、目標空燃比となるようにエンジンへの供給空気量を制御するシステムにおいては、内燃機関の排気管に設置された酸素濃度センサの出力に基づいて基本燃料量又は供給空気量を補正し、予め定められた目標空燃比となるように制御されている。
【0004】
しかし、このようにフィードバック制御しても、内燃機関の過渡時、例えば加速状態時のように、燃料噴射量が急激に増大する場合およびストイキ運転からリーン運転に切り替わる時などに急激に空気流量が増大し、吸気管内の圧力上昇が生じる場合は、吸気管内の壁面に付着する燃料液膜の量が増大し、この燃料液膜は遅れをもって内燃機関の気筒内へ供給されるために、一時的にリーン状態となる。
【0005】
また、内燃機関の減速状態時では、燃料噴射量が減少するものの、吸気管圧力が低くなることにより、吸気管に付着していた液膜燃料が内燃機関の気筒内ヘ流入し、一時的にリッチ状態となる。
【0006】
そこで、内燃機関の燃料噴射装置は、過渡時の空燃比変動をなくすため、燃料液膜量が増大する場合には、クランク角度と同期、もしくは非同期式に燃料を噴射し、吸気管燃料液膜の変化分を補っている。また、燃料液膜量が減少する場合には、吸気管燃料液膜の変化分に応じて基本燃料量の減量を行なうようにしている。
【0007】
しかし、内燃機関の経時変化、例えば、吸気弁や吸気弁周辺に炭素化合物等が付着すると、その化合物などに燃料が吸着されることにより、過渡時に対する燃料の補正量が変化してしまう。
このため、吸気管に付着する炭素化合物の影響を考慮したものとして特開平2−256844号公報に記載されたものがある。これは、排気管内の酸素濃度を検出する酸素濃度検出器と加速状態を検出する加速状態検出手段とを備えており、酸素濃度検出器および加速状態検出手段の検出結果に基づいて、加速運転時の混合気のリーン時間がリッチ時間よりも長く、かつ前記偏差が予め定めた設定値を越えたときに燃料噴射量を増量する一方で、前記加速状態検出手段の検出結果に基づいて加速状態が大きくなるほど前記設定値を増大させるものである。
ところで、始動後一定時間経過後においては、空燃比をフィードバック制御しているので、燃料性状が異なるものが内燃機関に供給されても、基本的に目標空燃比を維持することができる。
【0008】
しかし、内燃機関の始動時において、始動時における不安定性や吸入空気量が絶対的に少ないこと等に起因して、内燃機関に供給される空気流量を正確に把握することができないために、フィードバック制御を一時的に実行できず、燃料性状の変化に対応できない。
【0009】
このため始動時においては、予め車両に供給される燃料の性状を想定しておき、この燃料性状に応じた燃料量を噴射することで対応するものがある。また、過渡時においても燃料性状の違いによる空燃比の変化をフィードバック制御することは、過渡の初期段階においては不可能であるため、空燃比の大幅な変化をもたらし、排気状態の悪化、あるいは運転性の悪化を引き起こす。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平2-256844号公報に記載されたものでは、加速運転時の混合気のリーン時間とリッチ時間との偏差から間接的に燃料液膜量を考慮しているだけで、その時間的変化までは考慮していないために、ある状態では目標空燃比を維持できるものの、またある状態では目標空燃比を維持することができない。
【0011】
また従来技術では、始動時に車両の出荷段階において既に想定されている燃料性状に応じて、燃料噴射量を定めているので、当初想定した物と異なる性状の燃料が内燃機関に供給されれば、始動時の燃焼性が悪くなり、始動性が悪化してしまう。さらに、排気状態の悪化、運転性の悪化をもたらす。
【0012】
すなわち、従来技術では、良好な燃焼状態を維持することができず、排気ガスを清浄化することができない、あるいは運転性の悪化をもたらすという問題点がある。
【0013】
本発明の目的は、良好な燃焼状態を維持し、排気ガスを清浄化すると共に運転性の悪化を防止することができるエンジンの制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明では、エンジンの排気系に設置された排気成分センサ出力に応じて、エンジンへの供給燃料量を補正して供給するエンジンの制御装置において、前記エンジンに吸入される空気流量とエンジン回転数とから前記エンジンへの供給燃料量を演算する基本燃料供給量演算部と、異なった複数のエンジンシステム運転状態での空燃比変動に対する排気成分センサ出力に基づいて演算部で演算するエンジン制御パラメータに基づき前記供給燃料量を補正演算する補正演算部と、前記補正演算された供給燃料量に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御部とを有し、エンジン制御パラメータを演算する前記演算部には、前記排気成分センサ出力により供給空燃比の補正量を演算する空燃比フィードバック補正係数演算部と、燃料の重、軽質判別を行うエンジン運転領域を判別する領域判別部と、前記エンジンが高温と判定された運転領域のときに実空燃比変化に基づいてモデルの修正を行うモデル修正部と、前記エンジンが所定状態の運転領域のときに実空燃比変化に基づく演算値とモデルの出力とを比較する比較部と、前記比較部の結果に基づいて燃料性状を判別する重軽質判別部と、前記判別された燃料性状に基づいて前記燃料の液膜量に基づく燃料補正量を演算する液膜補正量演算部とを備えたことを特徴とするものである。
【0020】
好ましくは、前記排気成分センサとしては、空燃比センサ、O2センサ、HCセンサ、NOxセンサのうち少なくとも一つを使用することを特徴とする。
【0027】
好ましくは、前記液膜補正量演算部は、エンジン温度と燃料性状の関係に基づいて判別する燃料の性状を用いて演算することを特徴とする。
【0028】
また好ましくは、前記液膜補正量演算部は、前記エンジンの高回転時と低回転時、ないしエンジンの高負荷時と低負荷時から判別する燃料の性状を用いて演算することを特徴とする。
【0029】
更に好ましくは、前記液膜補正量演算部は、前記エンジンに供給される供給燃料量、供給空気量、スロットル開度のうち少なくとも一つから判別した燃料性状を用いて演算することを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態例に係るエンジンの制御装置を、図を用いて説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施の形態例に係るエンジンの制御装置を備えたエンジン回りの構成を示す。図1に示すように、エンジン160回りには、吸入する空気の質量流量を計測する熱式空気流量計151と、エンジン160が吸入する空気量を調整するスロットル弁165と、このスロットル弁165の弁開度を検出するスロットル開度センサ156と、エンジン160の回転数を検出するクランク角度センサ152と、エンジン160の冷却水の温度を測定する水温センサ154と、吸気管内の圧力を測定する圧力センサ153と、アイドリング時の回転数を制御するアイドルスピードコントロール弁163と、エンジン160に燃料を供給する燃料噴射弁162と、排気ガスを酸化還元により浄化する三元触媒164と、三元触媒164の上流に設置され排気ガス中の排気成分を検知する排気成分センサ、すなわち空燃比を検知するリニア空燃比センサ155と、各センサ151,152,…からの信号でエンジン160の運転状態等を把握し、これらの情報により予め定められた手順でエンジン160が要求する燃料量を計算して燃料噴射弁162等のアクチュエータを駆動するコントロールユニット100とが設けられている。
【0033】
コントロールユニット100は、ハードウェアー的には、図2に示すように、各種センサ151,152,…等からの信号が入力し、これを増幅、又は燃料噴射弁162等のアクチュエータへの駆動信号を増幅する増幅回路101と、入出力信号をデジタル演算処理を行えるようデジタル信号に変換するA/D変換回路102と、デジタル演算処理を行うマイクロコンピュータ、若しくはそれに準ずる演算回路103と、演算回路103の演算処理にも用いる定数、変数、及び演算手順等を格納するROM104及びRAM105と、揮発性のRAM105の内容を保持するためのバックアップ回路106とを有している。
【0034】
なお、本実施の形態例のコントロールユニット100には、熱式空気流量計151、クランク角センサ152、圧力センサ153、水温センサ154、リニア空燃比センサ155、スロットル開度センサ156及びスタータスイッチ157からの信号が入力し、燃料燃料噴射弁162への噴射弁駆動信号、点火プラグ166への点火時期信号、アイドルスピードコントロール弁163へのアイドルスピードコントロール信号が出力されるようになっている。
【0035】
コントロールユニット100には、本発明の一実施例に係るエンジンの制御装置1が備えられており、図3は、エンジンの制御装置1の機能構成を示す。
【0036】
図3に示すように、本エンジンの制御装置1は、エンジンに吸入される空気流量とエンジン回転数とからエンジンへの基本供給燃料量を演算する基本燃料供給量演算部10と、異なった複数のエンジンシステム運転状態での空燃比変動に対する排気成分センサ出力に基づいて、エンジン制御パラメータを演算する演算部11と、演算されたエンジン制御パラメータに基づきエンジンへの供給燃料量を補正演算する補正演算部18と、補正された供給燃料量に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御部19とで構成されている。
【0037】
また、演算部11は、排気系に設置されたリニア空燃比センサ出力により供給空燃比の補正量を演算する空燃比フィードバック補正係数演算部12と、燃料の重、軽質判別を行なうエンジン運転領域を判別する領域判別部13と、エンジンの運転領域(状態)が所定状態1のときに実空燃比変化(リニア空燃比センサ出力)に基づく演算値とモデルの出力とを比較する比較部14と、エンジンの運転領域(状態)が所定状態2のときに実空燃比変化(リニア空燃比センサ出力)に基づいてモデルの修正を行なうモデル修正部15と、比較部14の結果に基づいて燃料性状を判別する重軽質判別部16と、判別された燃料性状に基づいて、燃料の液膜量に基づく燃料補正量を演算する液膜補正量演算部17とで構成されている。
【0038】
図4は、図3の空燃比フィードバック補正係数演算部12のロジック回路を示す。図4に示すように、リニア空燃比センサ155からの出力信号からノイズを除去する1次遅れフィルタ121と、空燃比センサ出力値から排気空燃比を演算する排気空燃比演算部123と、目標空燃比が記憶されている目標空燃比記憶部122と、排気空燃比演算部123からの出力と目標空燃比記憶部122からの出力との差分を求める減算器124と、減算器124の出力から比例分利得KPを求める比例分利得計算器125と、減算器124で求められた差分の積分利得KIを求める積分利得計算器126と、積分利得を積分演算する積分分演算器127と、空燃比補正係数αの基本値dBを記憶しておく基本値記憶部128と、微分利得KPと積分分演算器127の出力である積分値Iと基本値dBとを加算して空燃比補正係数αを求める加算器129とを有して構成されている。
【0039】
次に、本エンジンの制御装置1の動作について、説明する。
【0040】
まず、空燃比フィードバック補正係数算出部120における空燃比補正係数αの算出について、図5に示すフローチャートに従って、説明する。
【0041】
まず、リニア空燃比センサ155から出力信号を取り込む(ステップ301)。この信号は、1次遅れフィルタ121を通って、ノイズが除去される。フィルタリングされた値は、排気空燃比演算部123において空燃比に変換される。
【0042】
減算器124で、排気空燃比演算部123の出力と目標値空燃比との差分が求められる(ステップ302)。この差分と比例分ゲインKPに基づいて比例分利得計算器125で比例分Pが求められる(ステップ303)。さらに、差分と積分ゲインKIに基づいて積分値計算器126で積分分Iが求められる(ステップ304)。そして、比例分Pと積分分Iの積分値と基本値dBとが加算器129で加算され、これが空燃比補正係数αとして出力される(ステップ305)。
【0043】
次に、燃料液膜について説明する。図6に示すように、例えば、吸気弁161が閉じているときに燃料噴射弁162から燃料が噴射された場合や、燃料噴射弁162から噴射された燃料のうち直接気筒内に入らないもの、つまり吸気管内面や吸気弁161に至るものがある場合には、吸気弁161やこの近傍の吸気管内面に燃料が付着する。このように燃料が付着して燃料液膜170として成長すると、従来技術において述べたように、燃料と空気の混合比、つまり空燃比を狂わせてしまう。
【0044】
この液膜量が、燃料性状によって異なるため、空燃比を一定に保つためには燃料性状に応じて、液膜量を充填する燃料量の補正を行なう必要がある。
【0045】
図7は、燃料が噴射されてから排気系に設置された空燃比センサで検知されるまでのモデルを示している。噴射された燃料が液膜を形成し、エンジンに吸入され、一サイクルの遅れをもって排気管に排出される。排出された排気ガスは排気管内を充填しつつ空燃比センサに到達する。空燃比センサ自体の出力遅れを考慮し、全体のモデル601を無駄時間要素と遅れ時間要素で形成する。このモデル601の出力と、実際にエンジンの排気管で計測された空燃比とを比較することにより、燃料の性状(重質か、或いは軽質か)を判別する。
【0046】
図8は、重質ガソリンを使用したときと、軽質ガソリンを使用したときの、空燃比変動に対する排気空燃比変化の様子を示している。図8(b)に示すように、エンジンが高温時には、図8(a)に示すエンジンへの入力空燃比が変化しても、排気空燃比の変化に関しては、燃料の重質、軽質いずれの場合も大きな違いを生じない。
【0047】
これに対し、図8(c)に示すように、エンジン低温時には、エンジンへの入力空燃比が変化が変化すると、燃料の重質、軽質で排気空燃比の変化に大きな違いが生じる。
【0048】
従って、この応答の時定数τは、図9(a)のような特性を示す。重質ガソリンと軽質ガソリンは水温WT2以下の領域で、時定数がτ1より大であるか小であるかによって識別が可能である。
【0049】
次に上記τ1の設定の仕方であるが、もちろん図9(a)のような固定レベルでもよいし、図9(b)のようにエンジン温度の関数として設定してもよい。さらに判定領域を広げかつ判定精度も確保するため、τ1をエンジン高温時(WT3)の時定数を基準として設定することが好ましい。
【0050】
このため、エンジン高温時の排気空燃比変化の情報から、図7のモデル601の遅れ時間要素を学習する。このように学習したモデルを使用して、図10のBに示すエンジン低温時の排気空燃比変化を予測し、さらにエンジン温度の情報から図10のC、C'に示す判定用の空燃比変化を演算し、図10のAに示す実際の排気空燃比変化と比較して燃料の性状を判定する。すなわち図10のCとAの関係であれば燃料は重質と判定でき、図10C'とAの関係であれば燃料は軽質と判定できる。
【0051】
図10のCあるいはC'とAとの差の大きさによって燃料性状の重質傾向を連続的に把握することも可能である。また、図10のBとAあるいは図10のC又はC'とAとの差を積分することでさらに判定精度を向上させることも可能である。
【0052】
図11は、燃料性状判定のフローチャートを示している。始めにステップ101でエンジンが高温と判定された場合には、エンジンが所定領域で運転されているかどうかを判定し(ステップ107)、所定領域であればモデル601による排気空燃比の推定を行なう(ステップ108)。推定された排気空燃比は実空燃比と比較され(ステップ109)、この差が所定値以上であればその差を狭める方向にモデル601の修正、学習を行なう(ステップ110)。
【0053】
次に、ステップ101でエンジンが低温と判定された場合には、燃料性状を判定するのに適したエンジン温度であるかどうかが判定され(ステップ102)、適していると判定された場合には運転領域が燃料性状判定に適しているかどうかが判定される(ステップ103)。
【0054】
ここで適していると判定された場合には、モデル601による排気空燃比の推定を行ない(ステップ104)、推定された空燃比と実空燃比とを比較する(ステップ105)。この差が所定値以上であれば重質ガソリンと判定し(ステップ106)、所定値以下であれば軽質ガソリンと判定する(ステップ111)。
【0055】
判定された燃料性状に基づいて、過渡時の空燃比を補正するため、液膜モデル、加速時非同期噴射、加速時同期噴射の増量、空気量変化量、スロットル開度変化速度等を補正する。
【0056】
本実施の形態例では燃料性状を判別する要素として、エンジン温度の高温時と低温時を使用したが、これは重質燃料と軽質燃料の差が大きく出るところと出ないところの最低2個所を選定すればよいわけで、例えば、エンジン回転数の高低、エンジン負荷の高低、吸入空気量の多少、スロットル開度の大小、および吸気管内圧力の高低等やさらに上記条件の二つ以上を組み合わせて使用しても同様、あるいはさらに精度の高い燃料性状の判別が可能である。
【0057】
なお、本実施の形態例では、空燃比変化を起す要因として過渡時、又は燃料量変化によるものにつき言及したが、特に電子的にスロットルを操作するシステムにおいては、スロットル開度を変化させ、空気量を変化させることにより空燃比を変えることも可能である。また、本実施の形態例では排気成分センサとして空燃比センサを使用したが、O2センサ、HCセンサ、NOxセンサ等を使用しても同様に燃料性状を判別しうる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、入力空燃比が変化しても排気空燃比の変化が燃料の重質、軽質で大きな違いの生じないエンジンの高温時にモデルの修正をモデル修正部で行い、エンジンの所定の運転領域で実空燃比変化に基づく演算値とモデルの出力とを比較を行った後、燃料の性状を判別するものであるため、燃料の性状を精度よく判別することが可能であり、この判別された燃料性状情報に基づき空燃比制御量を補正することにより、良好な燃焼状態を維持できるので、排気、運転性、始動性の悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例に係るエンジンの制御装置を備えたエンジン回りの構成図である。
【図2】図1のコントロールユニットの回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態例に係るエンジンの制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図3のエンジンの制御装置の空燃比フィードバック補正係数算出部のロジック回路図である。
【図5】図4の空燃比フィードバック補正係数算出部の処理動作のフローチャート図である。
【図6】吸気弁近傍の燃料液膜の状態を示す説明図である。
【図7】本発明に係る一実施例の燃料系モデルを示す説明図である。
【図8】本発明に係る一実施例の燃料性状ごとの入力空燃比変化に対する排気空燃比変化を示す図である。
【図9】本発明に係る一実施例の燃料性状ごとの排気空燃比変化の時定数を示す図である。
【図10】本発明に係る一実施例の燃料系モデルによる排気空燃比推定および燃料性状判定値と、実空燃比変化の比較を示す図である。
【図11】本発明に係る燃料性状判別法の一実施例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1…エンジンの制御装置、10…基本燃料供給量演算部、11…演算部、12…空燃比フィードバック補正係数演算部、13…領域判別部、14…比較部、15…モデル修正部、16…重軽質判別部、17…液膜補正量演算部、18…補正演算部、19…燃料噴射量制御部、100…コントロールユニット、103…演算回路、104…ROM、105…RAM、151…熱式空気流量計、152…クランク角センサ、153…圧力センサ、154…水温センサ、155…酸素濃度センサ、156…スロットル開度センサ、157…スタータスイッチ、160…エンジン、161…吸気弁、162…燃料噴射弁、170…燃料液膜
Claims (5)
- エンジンの排気系に設置された排気成分センサ出力に応じてエンジンへの供給燃料量を補正し、エンジンに供給するエンジンの制御装置において、前記エンジンに吸入される空気流量とエンジン回転数とから前記エンジンへの供給燃料量を演算する基本燃料供給量演算部と、異なった複数のエンジンシステム運転状態での空燃比変動に対する排気成分センサ出力に基づいて演算部で演算するエンジン制御パラメータに基づき前記供給燃料量を補正演算する補正演算部と、前記補正演算された供給燃料量に基づいて燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御部とを有し、エンジン制御パラメータを演算する前記演算部は、前記排気成分センサ出力により供給空燃比の補正量を演算する空燃比フィードバック補正係数演算部と、燃料の重、軽質判別を行うエンジン運転領域を判別する領域判別部と、前記エンジンが高温と判定された運転領域のときに実空燃比変化に基づいてモデルの修正を行うモデル修正部と、前記エンジンが所定状態の運転領域のときに実空燃比変化に基づく演算値とモデルの出力とを比較する比較部と、前記比較部の結果に基づいて燃料性状を判別する重軽質判別部と、前記判別された燃料性状に基づいて前記燃料の液膜量に基づく燃料補正量を演算する液膜補正量演算部とを備えたことを特徴とするエンジンの制御装置。
- 請求項1において、前記排気成分センサとしては、O2センサ、空燃比センサ、HCセンサ、NOxセンサのうち少なくとも一つを使用することを特徴とするエンジンの制御装置。
- 請求項1又は2において、前記液膜補正量演算部は、エンジン温度と燃料性状の関係に基づいて判別する燃料の性状を用いて演算することを特徴とするエンジンの制御装置。
- 請求項1又は2において、前記液膜補正量演算部は、前記エンジンの高回転時と低回転時、ないしエンジンの高負荷時と低負荷時から判別する燃料の性状を用いて演算することを特徴とするエンジンの制御装置。
- 請求項1又は2において、前記液膜補正量演算部は、前記エンジンに供給される供給燃料量、供給空気量、スロットル開度のうち少なくとも一つから判別した燃料の性状を用いて演算することを特徴とするエンジンの制御装置。
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