JP3791780B2 - プロテクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプロテクタに関し、特に、ワイヤーハーネス等の長尺状部材を収容保持した状態で、車体パネル等の外部構造体に取り付けられるプロテクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来のプロテクタ1の全体構成を示す平面図及び正面図である。
樹脂成形品よりなるプロテクタ1は、長尺状部材であるワイヤーハーネス(図示せず)を収容する断面半円形状のプロテクタ本体2と、このプロテクタ本体2の上方開口部に開閉自在に装着される断面半円形状のプロテクタカバー3と、該プロテクタカバー3を前記プロテクタ本体2に装着した状態で両者をロックするロック手段4とを備えている。
【0003】
前記各ロック手段4は、図4に示したように、前記プロテクタ本体2の長手方向に沿って開口縁部に設けられた複数の挿入片係合部である係合枠5と、前記係合枠5に対応して前記プロテクタカバー3の長手方向に沿って突出形成された挿入片6とで構成されている。
【0004】
そして、前記挿入片6には係止突起6aが突設されており、該挿入片6が係合枠5に挿入されると、前記係止突起6aが係合部5aに抜け止め係止されることで、前記プロテクタカバー3を前記プロテクタ本体2に装着した状態で両者がロックされる。
【0005】
そこで、前記プロテクタ1により、車体パネルに配索されるワイヤーハーネスを保護する場合には、先ず、プロテクタ本体2とプロテクタカバー3との間に画成される収容空間内にワイヤーハーネスを収容した後、該プロテクタカバー3をプロテクタ本体2に対し上から押し付けることにより、各挿入片6を対応する係合枠5に挿入し係合させる。これにより、プロテクタ本体2とプロテクタカバー3とをロックすることができる。
その後、治具台からワイヤーハーネスを取り外し、前記プロテクタ本体2に設けた固定脚7をボルト止めすることで、該プロテクタ本体2が車体パネルに固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば自動車のワイヤーハーネスは、3次元的な経路で配索される関係で、それを保護する上記プロテクタ1の形状も3次元的な形状となる場合がある。
即ち、図3(b)中の範囲Aで示したように、プロテクタ1が部分的に取付面に対して上下方向に傾斜した形状となることがある。
【0007】
その場合、前記各ロック手段4のロック方向(挿入片6の挿入方向)F2は、プロテクタ本体2とプロテクタカバー3の突き合わせ方向と平行に全部統一されているので、前記範囲Aの傾斜している部分のプロテクタ本体2及びプロテクタカバー3が、対応する挿入片6の挿入方向(図3(b)中、右端のロック手段4のロック方向F2)に対して傾斜した関係となる。
【0008】
そこで、図4に示したように、プロテクタ本体2及びプロテクタカバー3が傾斜している部分のロック手段4をロックしようとした場合、プロテクタカバー3の上面に対して効率良く押圧付勢力(荷重)をかけることができず、プロテクタカバー3の上面の傾斜方向F1に押圧付勢力が逃げてしまい、ロック嵌合が難しくなることがあった。
【0009】
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、ロック方向に対して傾斜している部分におけるプロテクタカバーのロック嵌合を容易とし、該プロテクタカバーの装着作業性を向上させることができる良好なプロテクタを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、 長尺状部材を収容保持するプロテクタ本体と、該プロテクタ本体の上方開口部に開閉自在に装着されるプロテクタカバーと、該プロテクタカバーを前記プロテクタ本体に装着した状態で両者をロックするロック手段とを備えたプロテクタであって、
前記ロック手段が、前記プロテクタカバーの開口縁部に開口部をはさんで対をなすように突出形成された挿入片と、前記プロテクタ本体に設けられて前記挿入片が挿入されることで挿入片を抜け止め係止する挿入片係合部とで構成されており、
前記ロック手段の挿入片の挿入方向に対して傾斜している前記プロテクタカバーの上面であって、前記対をなす挿入片の中央部には、前記上面に沿って最上点を中心に円弧状に形成され、その上側面に前記挿入片の挿入方向に平行な押圧付勢力を受ける受圧面を有するリブが設けられていることを特徴とするプロテクタより達成される。
【0011】
上記構成によれば、プロテクタカバーの上面に設けられた受圧面をロック方向に押圧付勢することで、挿入片の挿入方向に対して傾斜しているプロテクタカバーの上面に加えた力を他方向へ逃がさずに無駄なく、前記挿入片の挿入力として作用させることができる。即ち、プロテクタカバーをプロテクタ本体に対し上から押し付けてロック手段をロック嵌合させる際、傾斜しているプロテクタカバーの上面を押す指先が前記受圧面に引っ掛かり、該プロテクタカバーを挿入片の挿入方向に押圧付勢することができる。
この場合、プロテクタカバーを成形する際に、受圧面を構成するリブを容易に一体成形することができ、コストアップを招くことがない。
【0012】
尚、好ましくは前記受圧面が、前記挿入片の挿入方向に対して垂直な受圧面となっている。
【0013】
又、好ましくは前記受圧面に対する押圧付勢方向と前記挿入片の挿入方向とが略同一平面上に位置するように、前記受圧面が設けられる。この場合、プロテクタカバーの上面に加えた力を更に効率的に、前記挿入片の挿入力として作用させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係るプロテクタを詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るプロテクタの要部拡大平面図であり、図2は図1に示したプロテクタの要部拡大正面図である。
【0015】
図1及び図2に示した本実施形態のプロテクタ11は、図3に示した従来のプロテクタ1と同様に、長尺状部材であるワイヤーハーネス(図示せず)を収容する断面半円形状のプロテクタ本体2と、このプロテクタ本体2の上方開口部に開閉自在に装着される断面半円形状のプロテクタカバー13と、該プロテクタカバー13を前記プロテクタ本体2に装着した状態で両者をロックするロック手段4とを備えている。
【0016】
前記ロック手段4は、図2に示したように、前記プロテクタ本体2の長手方向に沿って開口縁部に設けられた複数の挿入片係合部である係合枠5と、前記係合枠5に対応して前記プロテクタカバー3の長手方向に沿って突出形成された挿入片6とで構成されている。
【0017】
そして、前記挿入片6には係止突起6aが突設されており、該挿入片6が係合枠5に挿入されると、前記係止突起6aが係合部5aに抜け止め係止されることで、前記プロテクタカバー13を前記プロテクタ本体2に装着した状態で両者がロックされる。
【0018】
更に、前記プロテクタカバー13の上面には、前記挿入片6の挿入方向(ロック方向)に対して垂直な受圧面14を備えたリブ12が受圧部として突設されている。尚、このリブ12は、前記プロテクタカバー13を射出成形する際に、容易に一体成形することができ、コストアップを招くことがない。
そして、前記リブ12は、前記プロテクタカバー13の上面の曲率に沿って最上点を中心に円弧状に形成されており、そのリブ12の上側面部に前記受圧面14が確保されている。
【0019】
そこで、前記プロテクタ11により、車体パネルに配索されるワイヤーハーネスを保護する場合には、先ず、前記プロテクタ本体2に設けた固定脚7をボルト止めすることで、該プロテクタ本体2が車体パネルに固定される。
次に、プロテクタ本体2とプロテクタカバー13との間に画成される収容空間内にワイヤーハーネスを収容した後、該プロテクタカバー13をプロテクタ本体2に対し上から押し付けることにより、挿入片6を係合枠5に挿入し係合させる。
【0020】
この際、前記プロテクタカバー13の上面に設けられたリブ12の受圧面14を指先で押圧付勢することで、挿入片6の挿入方向F2に対して傾斜しているプロテクタカバー13の上面に加えた力Pを他方向へ逃がさずに無駄なく、前記挿入片6の係合枠5に対する挿入力として作用させることができる。
【0021】
即ち、プロテクタカバー13をプロテクタ本体2に対し上から押し付けてロック手段4をロック嵌合させる際、傾斜しているプロテクタカバー13の上面を押す指先が前記リブ12に引っ掛かり、該プロテクタカバー13を挿入片6の挿入方向に押圧付勢することができる。
【0022】
更に、前記リブ12は、該リブ12の受圧面14に対する指先の力Pの押圧付勢方向と前記挿入片6の挿入方向F2とが略同一平面上に位置するように、プロテクタカバー13の上面に設けられている。
そこで、前記プロテクタカバー13の上面に加えた力Pを更に効率的に、前記挿入片6の挿入力として作用させることができる。
【0023】
従って、前記プロテクタカバー13を前記プロテクタ本体2に装着する際には、各ロック手段4を容易にロック嵌合させることができ、該プロテクタカバー13の装着が容易になるので、その結果、プロテクタ11へのワイヤーハーネスの装着作業性を向上させることができる。
【0024】
尚、本発明のプロテクタにおけるプロテクタ本体、プロテクタカバー、ロック手段及び受圧部等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは云うまでもない。
例えば、上記実施形態では、プロテクタ本体2側に挿入片係合部である係合枠5を設け、プロテクタカバー3側に挿入片6を設けているが、これとは逆に、プロテクタ本体2側に挿入片6を設け、プロテクタカバー3側に係合枠5を設けることもできる。勿論、これら挿入片及び挿入片係合部の形状も、種々の形状を採りうる。
【0026】
更に、本発明のプロテクタはワイヤーハーネスに限らず、チューブやワイヤーケーブル等の種々の長尺状部材の保護にも使用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプロテクタによれば、プロテクタカバーの上面に設けられた受圧部をロック方向に押圧付勢することで、挿入片の挿入方向に対して傾斜しているプロテクタカバーの上面に加えた力を他方向へ逃がさずに無駄なく、前記挿入片の挿入力として作用させることができる。
即ち、プロテクタカバーをプロテクタ本体に対し上から押し付けてロック手段をロック嵌合させる際、傾斜しているプロテクタカバーの上面を押す指先が前記受圧部に引っ掛かり、該プロテクタカバーを挿入片の挿入方向に押圧付勢することができる。
従って、ロック方向に対して傾斜している部分におけるプロテクタカバーのロック嵌合を容易とし、該プロテクタカバーの装着作業性を向上させることができる良好なプロテクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロテクタの要部拡大平面図である。
【図2】図1に示したプロテクタの要部拡大正面図である。
【図3】従来のプロテクタの全体構成を示す平面図及び正面図である。
【図4】図3(b)のB部分の拡大正面図である。
【符号の説明】
2 プロテクタ本体
4 ロック手段
5 係合枠(挿入片係合部)
6 挿入片
11 プロテクタ
12 リブ
13 プロテクタカバー
14 受圧面
Claims (3)
- 長尺状部材を収容保持するプロテクタ本体と、該プロテクタ本体の上方開口部に開閉自在に装着されるプロテクタカバーと、該プロテクタカバーを前記プロテクタ本体に装着した状態で両者をロックするロック手段とを備えたプロテクタであって、
前記ロック手段が、前記プロテクタカバーの開口縁部に開口部をはさんで対をなすように突出形成された挿入片と、前記プロテクタ本体に設けられて前記挿入片が挿入されることで挿入片を抜け止め係止する挿入片係合部とで構成されており、
前記ロック手段の挿入片の挿入方向に対して傾斜している前記プロテクタカバーの上面であって、前記対をなす挿入片の中央部には、前記上面に沿って最上点を中心に円弧状に形成され、その上側面に前記挿入片の挿入方向に平行な押圧付勢力を受ける受圧面を有するリブが設けられていることを特徴とするプロテクタ。 - 前記受圧面が、前記挿入片の挿入方向に対して垂直な受圧面であることを特徴とする請求項1に記載のプロテクタ。
- 前記受圧面に対する押圧付勢方向と前記挿入片の挿入方向とが略同一平面上に位置するように、前記受圧面が設けられることを特徴とする請求項1に記載のプロテクタ。
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