JP3791387B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置、特にトナー担持体から背面電極へのトナー飛翔を制御することによって複写紙、転写紙、コピー用紙、記録紙、転写媒体などの受像体にトナーを付着させて画像形成を行う画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トナーを用いた画像形成方法としては、従来よりジャンピング方式のものや、プロジェクション方式のものが最も広く用いられている。この種の画像形成方法は、感光体上に画像に対応する静電潜像を形成し、画像形成剤としてのトナーを現像ローラ等のトナー担持体から感光体上の静電潜像に付着させてトナー像を得た後、そのトナー像を複写紙、転写紙、コピー用紙、記録紙などに転写するものである。しかしながら、これらの画像形成方法では、感光体表面に静電潜像を形成する工程(感光プロセス)を必要としており、装置構成が複雑であり、かつ装置コストおよびランニングコストが高いという問題を含んでいる。そこで、近年、米国特許第3,689,935号、同第5,036,341号や特表2001−505146号公報に記載されたように、電界の作用によりトナーを複写紙、記録紙や中間転写ベルトなどの受像体上に飛翔させ、画像を形成するいわゆる「トナージェット(登録商標)」方式の画像形成装置が注目されてきている。
【0003】
この画像形成装置では、トナーを担持しながら所定の移動方向に搬送する現像ローラなどのトナー担持体が設けられるとともに、そのトナー担持体の表面に当接するようにトナー規制ブレードが設けられている。このため、トナー担持体上のトナーはトナー規制ブレードによって摩擦帯電されるとともに、所定厚みに規制された後、背面電極と対向するトナー飛翔開始位置まで搬送される。
【0004】
また、この画像形成装置には、トナー担持体と背面電極との間に、帯電トナーが通過するための複数のトナー通過孔を有するフレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit)が配置されるとともに、さらにフレキシブルプリント回路基板と背面電極との間に記録紙や転写媒体などの受像体が配置されている。そして、トナー担持体と背面電極との間に電位差が印加されて帯電トナーをトナー担持体から背面電極に向かって飛翔させる移送静電界が形成されている。また、フレキシブルプリント回路基板では、各トナー通過孔の周囲に制御電極が配置されており、画像信号に応じて各制御電極に与える電圧を制御することによって各トナー通過孔を静電気的に開閉し、上記画像信号に対応して帯電トナーをトナー担持体からトナー通過孔を介して背面電極に飛翔させ、受像体に付着させる。こうすることで画像信号に対応するトナー像が受像体上に形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなトナージェット方式の画像形成装置では、使用されるトナーの粒径や帯電量にばらつきがあるため、移送静電界の作用によって飛翔する各トナーの飛翔軌跡は一定とはならない。このため、受像体上の一点に収束すべき複数のトナー粒子の着弾位置はある範囲に拡がり(散り)を有することとなり、したがって、受像体上に形成することのできる最小ドットの大きさはこの散りによって決まる。すなわち、トナーの散りの大小はトナー像の解像度を決める大きな要因の1つであると言える。そこで、解像度の高い画像を得るために、受像体上に着弾するトナーの散りを低く抑える技術の確立が望まれている。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、飛翔トナーの散りを抑えて良好な画質で画像を形成することができるトナージェット方式の画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、背面電極と、トナーを担持しながら、所定の移動方向に移動して前記背面電極と対向するトナー飛翔開始位置に該トナーを搬送する現像ローラと、前記背面電極と前記現像ローラとの間に配置されて、前記現像ローラの前記トナー飛翔開始位置から前記背面電極へのトナー飛翔を制御することによって前記背面電極との間を搬送されてくる受像体にトナーを着弾させてトナー像を形成するトナー飛翔制御手段とを備え、しかも、前記トナー飛翔制御手段は、その主面のうち前記現像ローラと対向する主面に設けられた半導電性表面層と、前記トナーを通過させるためのトナー通過孔と、前記トナー通過孔の周囲を取り囲むリング状に形成されて前記トナーの前記トナー担持体から前記背面電極への飛翔を制御するための制御電圧が印加される制御電極とを有し、前記制御電極のリングの中心が、前記トナー通過孔の中心に対して前記移動方向の下流側に設けられて、前記制御電圧により前記トナー通過孔の近傍に形成される電界の中心が前記トナー通過孔の中心よりも前記移動方向の下流側に位置するように構成されていることを特徴としている(請求項1)。
【0008】
このような画像形成装置では、トナー担持体に担持されたトナーはトナー飛翔開始位置から背面電極に向けてまっすぐ飛翔することが望ましい。しかし、本願発明者の実験によって、実際の画像形成装置では、トナー担持体から飛翔するトナーの中にはトナー搬送方向における下流側(以下、単に「下流側」という)への速度成分を持って飛翔するトナーが多く含まれることが明らかになった。このような下流側への速度成分が発生する理由としては、トナー担持体によりトナー飛翔開始位置まで搬送されてくるトナーが持つその搬送方向への慣性や、トナー飛翔開始位置に到達する前に飛翔を開始したトナーが移送静電界によってその電界中心(トナーが飛翔した位置よりも下流側に位置することになる)に向かう力を受けること等が考えられる。このように、飛翔トナーがトナー搬送方向の速度成分を有するためにその飛翔軌跡が電界中心より下流側に逸れることが上記したトナーの散りの原因の一つとなっている。
【0009】
そこで、この発明では、トナー通過孔の開口の幾何学的な中心が制御電極による移送静電界の電界中心より上流側に位置するように構成している。そのため、上記のように電界中心より下流側に大きく逸れて飛翔したトナーはトナー通過孔を通過することができず、トナー飛翔制御手段のトナー担持体側表面に衝突することとなる。こうして飛翔方向が大きく下流側に逸れたトナーのトナー通過孔の通過が規制されることにより、トナー通過孔を通過したトナーの飛翔方向のばらつきが低く抑えられ、その結果、受像体上におけるトナーの散りが小さくなって解像度の高い画像を形成することができる。
【0010】
ところで、このような画像形成装置に使用されるトナーの粒径にはばらつきがあり、そのうち粒径の比較的小さなものはこのように下流側へ逸れて飛翔することが多い。というのは、一般に粒径の小さいトナーは粒径の大きいトナーに比して帯電量が小さく、移送静電界から受ける力も小さいので、トナーの飛翔方向に対して慣性による下流側への速度成分の寄与がより大きくなるからである。
【0011】
このような飛翔特性を有する小径のトナー粒子を数多く含むトナーをそのまま従来の画像形成装置に使用すると、小径トナー粒子が電界中心より下流側に逸れて飛翔し、受像体上に着弾・付着するため、受像体上におけるトナーの散りが大きくなってトナー像の輪郭が不鮮明となり、画像の解像度が低下する。そのため、従来の画像形成装置においては、粒径の小さなトナー粒子の含有量を低くしたトナーを使用する必要があり、その結果、トナーのコストおよび装置のランニングコストが高くなるという問題を含んでいる。
【0012】
これに対して、本発明の画像形成装置では、上述したように、下流側に大きく逸れたトナー粒子のトナー通過孔の通過を規制しているので、このように粒径の小さいトナー粒子が多く含まれていたとしてもそれによって画像の解像度が低下することがない。
【0013】
このようなトナーとしては、例えば、その粒径が5μm以下のトナーの含有量が10個数%以上であるトナーであってもよい(請求項2)。このようなトナーを使用可能とすることによって、本発明の画像形成装置では上記したような特別なトナーを調製する必要がなく、したがって、装置のランニングコストを低く抑えながら、トナーの散りの少ない鮮明な画像形成を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が制御ユニット100のメインコントローラ101に与えられると、このメインコントローラ101からの信号に応じてエンジンコントローラ102が現像器1の各部を制御することで、2つのローラ21、22に掛け渡された中間転写ベルト23にトナーを飛翔し、付着させて画像信号に対応するトナー像を形成する。このように、この実施形態では中間転写ベルト23が受像体として機能している。
【0015】
この現像器1では、ハウジング11内に、現像剤としてのトナーTが貯留されるとともに、現像ローラ12、供給ローラ13および規制ブレード14が収容されている。現像ローラ12は、帯電したトナー(すなわち、画像形成用の帯電粒子)Tを担持し、図1の矢印方向Dに所定の周速度で回転することによって後述する背面電極3に対向する位置(トナー飛翔開始位置)Jに搬送するトナー担持体である。この現像ローラ12は、アルミニウム、鉄等の金属又は合金によって円筒状に形成されており、エンジンコントローラ102に設けられた現像ローラバイアス発生部103から直流電圧が印加されている。
【0016】
供給ローラ13は現像ローラ12の外周面に当接されて、該現像ローラ12とは逆方向に回転し、トナーTを現像ローラ12に供給するとともに、余分なトナーTを該現像ローラ12から落とすものである。この供給ローラ13は、例えば金属芯にウレタンスポンジ等の合成ゴムを巻き付けてなり、現像ローラ12と摩擦接触することによってトナーTを所定極性に帯電させる働きも有する。なお、本実施形態ではトナーTは負に帯電するものとして、以下説明する。
【0017】
規制ブレード14は、現像ローラ12の回転方向Dにおいて上記供給ローラ13よりも下流側で現像ローラ12の外周面に当てられ、現像ローラ12との摩擦によってトナーTを負に帯電させるとともに、現像ローラ12に担持されるトナーTの量を規制する。より具体的には、この規制ブレード14は、その一端をハウジング11に固定した板状金属片141の他端部に弾性部材142を取り付けたものによって構成され、弾性部材142が現像ローラ12の外周面に当接し、トナーTを規制している。
【0018】
この現像ローラ12に対向して背面電極3が配置されている。より詳しくは、背面電極3は、図1に示すように、中間転写ベルト23を挟んで現像ローラ12の反対側に配置されている。そして、エンジンコントローラ102に設けられた背面バイアス発生部104から、現像ローラ12に印加される電圧よりも高い直流電圧が印加されており、現像ローラ12と背面電極3との間に帯電トナーTを背面電極3に向かって移送させるための移送静電界が形成されている。このため、この移送静電界によってトナー飛翔開始位置Jで帯電トナーTが現像ローラ12から背面電極3に向けて飛翔し、受像体として機能する中間転写ベルト23の表面に着弾付着する。
【0019】
また、この実施形態では、中間転写ベルト23への帯電トナーTの飛翔を制御するために、現像ローラ12と背面電極3との間にフレキシブルプリント回路基板(以下、FPCという)4が配置されている。以下、図3および図4を参照しつつFPC4の構成および作用について説明する。
【0020】
図3はフレキシブルプリント回路基板の部分拡大断面および帯電トナーの飛翔モデルを示す図である。また、図4はフレキシブルプリント回路基板に形成された制御電極および偏向電極を示す図である。このFPC4では、現像ローラ12から背面電極3に帯電トナーTを案内するためのトナー通過孔41がポリイミド等の電気絶縁性材料よりなる基体42に穿設されている。なお、図3においては、トナー通過孔41が1つだけ示されているが、この実施形態では、複数のトナー通過孔41が図3紙面の垂直方向(方向X)に等間隔で一列に設けられており、各トナー通過孔41を介して帯電トナーTが背面電極3側に向けて通過可能となっている。なお、この実施形態ではトナー通過孔41を1列に並べているが、複数列に並べて設けてもよい。また、トナー通過孔41の形状については、この実施形態の如く長方形に形成してもよいし、また正方形、円形、楕円形あるいは他の多角形であってもよい。
【0021】
また、基体42の現像ローラ12側において、各トナー通過孔41を取り囲むように、リング状に制御電極43が形成されている。また、各制御電極43からリード線44がトナー通過孔41の配列方向と直交する方向(図4に示す方向Y)に延びている。なお、制御電極43の形状は長方形に限定されるものではなく任意であり、例えば正方形、円形、楕円形あるいは他の多角形であってもよい。
【0022】
ここで、図4に示すように、トナー通過孔41はリング状に形成された制御電極43の中央ではなく、やや上流側(図4において下方)にずれた位置に穿設されているが、その理由については後に詳述する。
【0023】
また、基体42の背面電極3側において、各トナー通過孔41ごとに、一対の偏向電極45L、45Rが図4に示すように中間転写ベルト23の搬送方向(トナー通過孔列と直交する方向)Yに対して斜めに対向するように設けられるとともに、偏向電極45L、45Rからリード線46L、46Rがそれぞれ延設されている。
【0024】
この基体42には、図3および図4への図示は省略されているものの、高圧ドライバICなどからなる制御バイアス発生部47(図2)、L偏向バイアス発生部48L(図2)およびR偏向バイアス発生部48R(図2)が設けられている。このうち、制御バイアス発生部47は各制御電極43に電気的に接続されており、エンジンコントローラ102のCPU105からの開閉制御信号に応じて適切な制御電圧が選択的に印加されることによって、上記トナー通過孔41を静電気的に開閉する。つまり、各制御電極43ごとに、帯電トナーTが現像ローラ12から飛び出し、トナー通過孔41を通過して背面電極3に向かって飛翔するように、現像ローラ12と背面電極3との間にトナー通過孔41を通る移送静電界を露出させ、また該露出を制限するものである。
【0025】
また、L偏向バイアス発生部48Lは偏向電極45Lと電気的に接続されるとともに、R偏向バイアス発生部48Rは偏向電極45Rと電気的に接続されており、エンジンコントローラ102からの偏向制御信号に応じて偏向電極45L、45Rのそれぞれに適切な電圧が選択的に印加されることによって、帯電トナーTの飛翔方向を以下の3方向に切り替えている。
【0026】
(1)偏向なし:図3の矢符P1
偏向電極45L、45Rの両者に同一電圧を印加した場合には、帯電トナーTは図3の矢符P1で示すようにトナー通過孔41をまっすぐ通過して中間転写ベルト23の上の当該トナー通過孔41に対応する位置に飛翔する。
【0027】
(2)左偏向:図3の矢符P2
両偏向電極45L、45Rのうち中間転写ベルト23の搬送方向Yを基準としてトナー通過孔41の左側に配置された偏向電極45Lに右側に配置された偏向電極45Rよりも相対的に高い電圧を印加した場合には、負極性に帯電している帯電トナーTは、図3の矢符P2に示すように、両電極45L、45Rの間に生ずる偏向用静電界によって左側に偏向する。
【0028】
(3)右偏向:図3の矢符P3
両偏向電極45L、45Rのうち中間転写ベルト23の搬送方向Yを基準としてトナー通過孔41の右側に配置された偏向電極45Rに左側に配置された偏向電極45Lよりも相対的に高い電圧を印加した場合には、負極性に帯電している帯電トナーTは、図3の矢符P3に示すように、両電極45L、45Rの間に生ずる偏向用静電界によって右側に偏向する。
【0029】
このように、この実施形態では、帯電トナーTの飛翔方向を3方向に切替えながら、その偏向範囲内を含む中間転写ベルト23の着弾位置PIで帯電トナーTを中間転写ベルト23に着弾させている。
【0030】
ただし、上述の如く偏向電極45L、45Rは中間転写ベルト23の搬送方向Yに対して斜め方向に対向配置されているから、上記(1)偏向なし、(2)左偏向及び(3)右偏向という3つの態様によって、中間転写ベルト23が停止しているときは該中間転写ベルト23の搬送方向Yに対して斜めに直線的に並ぶ3つのドットが中間転写ベルト23上に形成される。この場合、中間転写ベルト23がドットを打つ周期(時間)で相隣るドットのずれ量(距離)だけ搬送されるようにその搬送速度を定めることにより、当該3つのドットを中間転写ベルト23の搬送方向Yと直交する方向に直線的に並べることができる。従って、1つのトナー通過孔41で3つのドットを形成することができ、ドットの高密度化を図ることができる。
【0031】
FPC4の基体42では、現像ローラ12側の表面421上と、背面電極3側の表面422上とに、帯電防止用の半導電性層49が形成されるとともに、接地電位が与えられている。これらの半導電性層49は予め設定されている温度(初期設定温度)で最適抵抗値を示し、上記のようにして飛翔する帯電トナーTがFPC4と接触することで発生する摩擦電荷をFPC4から逃がしてFPC4の帯電を効果的に防止するとともに、移送静電界および偏向用電界への影響を抑えることができるように構成されている。すなわち、半導電性層49の温度が初期設定温度あるいは許容温度範囲内に保持される間、良好な印字品質を確保可能となっている。
【0032】
また、現像ローラ12の回転方向Dにおいてトナー飛翔開始位置Jよりも上流側において、上記のように構成されたFPC4と現像ローラ12との間に現像ローラ12の長手方向(図3紙面の垂直方向X)の全長にわたって広がったスペーサ5がFPC4のトナー通過孔41よりも手前側まで差し込まれており、スペーサ5の一部が現像ローラ12上に担持されるトナー層TLと当接することで、現像ローラ12とFPC4のトナー通過孔41とのギャップGPが一定値に規定されている。
【0033】
なお、上記のように構成された画像形成装置では、外部装置から画像信号が制御ユニット100のメインコントローラ101に与えられると、このメインコントローラ101からの信号に応じてエンジンコントローラ102のCPU105がその画像信号に応じた制御信号を制御バイアス発生部47、L偏向バイアス発生部48LおよびR偏向バイアス発生部48Rに与えてトナーTを中間転写ベルト23上に飛翔・付着させて画像信号に対応したトナー像を形成する。そして、そのトナー像については、所定の転写領域TRにおいて、カセット7から取り出された複写紙、転写紙、およびOHP用透明シートなどのシートS上に転写する。また、こうして画像が形成されたシートSは定着ユニット8を経由して図示を省略する排出トレイに搬送される。
【0034】
次に、トナー通過孔41の中心と制御電極43の中心とが相互にずれるようにトナー通過孔41および制御電極43がFPC4に設けられている理由について、図5を参照しつつ説明する。図5はこの画像形成装置においてトナーがトナー通過孔を通過する様子を模式的に示す図である。なお、ここでは理解を容易にするために、図5においては装置の構造を簡略化したモデルを用い、トナー飛翔方向に対する偏向なし、すなわち偏向電極45L、45Rに同じ電圧が印加されて、図3の矢符P1に示すようにトナーTをまっすぐ飛翔させる場合について説明するが、偏向電極45L、45Rの間に電位差を与えてトナーTを偏向させる場合についても同様である。
【0035】
前述した従来の画像形成装置と同様に、この画像形成装置においても、トナーTはトナー担持体たる現像ローラ12が図5(a)に示す矢印方向Dに回転することによってトナー飛翔開始位置Jまで搬送される。そして、制御電極43に印加された制御電圧によってトナー飛翔開始位置Jの近傍に形成される移送静電界Eから受ける力によって現像ローラ12から引き離され、背面電極3に向けて飛翔を開始するが、前述したように、飛翔トナーの中には下流側方向(同図において右向き)の速度成分を有するものがあり(同図の符号T1)、このようなトナーT1はまっすぐ背面電極3に向かうのではなく、同図に示す矢印D1のようにやや下流側に向けて飛翔する。
【0036】
ここで、この画像形成装置では、図5(b)に示すように、トナー通過孔41の中心線CAがリング状に形成された制御電極43の中心からやや上流側(同図において左側)にずれるように、トナー通過孔41が穿設されている。したがって、制御電極43のリング中央に形成される移送静電界Eの電界中心CEは、トナー通過孔41の中心線CAよりもやや下流側(同図において右側)に位置することとなる。そのため、上記のように電界中心CEから下流側に逸れながら飛翔したトナーT1は、トナー通過孔41に進入することなく、FPC4の上面に衝突する(符号T4)。一方、ほぼ移送静電界Eの向きに沿って飛翔したトナーT2、T3は、トナー通過孔41を通過して背面電極3に向けて飛翔し、受像体たる中間転写ベルト23(図3)に着弾・付着してトナー像を形成する。
【0037】
このように、この画像形成装置では、トナー飛翔制御手段たるFPC4に設けられたトナー通過孔41がリング状の制御電極43の内側において上流側に片寄った位置に配置されており、そのため、その飛翔方向が大きく下流側に逸れたトナーT1がトナー通過孔41を通過するのを規制する一方、ほぼ静電界Eの向きに沿って飛翔するトナーT2、T3についてはトナー通過孔41を通過させている。こうして、トナー通過孔41を通過して背面電極3へ向け飛翔するトナーTの飛翔方向が絞り込まれることとなり、受像体たる中間転写ベルト23(図3)上に着弾するトナーの散りが少なくなって、その結果、解像度の高い鮮明なトナー像を得ることができる。
【0038】
また、このようなトナー飛翔方向を制限する機能を有するFPC4は、制御電極43とトナー通過孔41との位置関係を上記のように規定して製造することで形成が可能であり、そのため、例えば制御電極の内側中央にトナー通過孔を穿設した従来の画像形成装置に対して、装置の構成およびその製造工程において何ら特別な構成を加える必要がなく、したがって、従来の画像形成装置と同程度の装置コストにてこのような優れた機能を実現することが可能である。
【0039】
ところで、前述したように、トナーTに含まれる様々な粒径のトナー粒子のうち、小径のトナー粒子が下流方向に逸れて飛翔しやすい。そのため、従来の画像形成装置においてこのような小径のトナー粒子を多く含むトナーを使用すると、受像体上でのトナーの散りが大きくなって画像品質の劣化を招くこととなる。
【0040】
これに対して、この実施形態の画像形成装置においては、上記したように、下流側へ逸れて飛翔するトナーT1のトナー通過孔41の通過を規制する構成としているので、このような小径のトナー粒子を多く含むトナーを使用しても受像体上におけるトナーの散りを小さく抑えることが可能となっている。したがって、トナーTとして、例えば、従来の画像形成装置では使用に適さなかった、その粒径が5μm以下のトナー粒子を10個数%程度、またはそれ以上含有するトナーを使用してもよい。このようなトナーは、合成や分級などの製造方法に対する制約が少ないので低コストで製造することができ、このような低コストのトナーを使用することによって、画像形成装置のランニングコストの低減を図ることができる。
【0041】
もちろん、この画像形成装置においても、従来の画像形成装置において使用される小径トナー粒子の含有量の少ないトナーを使用して画質の良好なトナー像形成を行うことができることは言うまでもない。また、下流側に逸れて飛翔するトナーは小径トナー粒子だけではなく、粒径の大きなトナーであってもこのような飛翔をするものもあるので、このようなトナーを使用した場合においても、下流側へ逸れて飛翔するトナーのトナー通過孔41の通過を規制して受像体上のトナーの散りを小さく抑える効果が得られる。
【0042】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、トナー通過孔41および制御電極43の形状やその配置については上記した実施形態以外にも種々の構成が考えられるが、トナーの搬送方向において移送静電界の電界中心から下流側へ逸れて飛翔するトナーの通過を規制するために、トナー通過孔の中心が移送静電界の中心より上流側に位置するように構成したものはすべて本発明の技術思想の範囲に含まれるべきものである。
【0043】
すなわち、トナー通過孔41の形状が例えば図6に示す正方形(同図(a))、円形(同図(b))、楕円形(同図(c))または図示しない他の形状であっても、同図に一点鎖線で示す、方向Yにおけるトナー通過孔41の中心線、すなわち方向Yに沿ったトナー通過孔41の開口径Dyを二分する線CAよりも下流側(同図右側)に移送静電界の中心が位置する(例えば、同図(a)に示す×印)ように構成したものは、本発明の技術思想の範囲に含まれる。なお、トナー通過孔41の方向Xについては、電界中心が必ずしもその中心線上にある必要はなく、図6の上方または下方にずれていてもよい。
【0044】
また、例えば、上記実施形態では、トナー像を中間転写ベルト23などの転写媒体に形成した後、その転写媒体上のトナー像をシートSに転写する中間転写方式の画像形成装置に本発明を適用しているが、現像器1から飛翔させた帯電トナーTを直接シートSに着弾させて画像を形成する画像形成装置に対して本発明を適用してもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、偏向電極45L、45Rによって帯電トナーTの飛翔方向を3方向P1、P2、P3に切替可能な画像形成装置に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、帯電トナーTの飛翔方向が固定された画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0047】
さらに、上記実施形態では、1つの現像器1で画像を形成する、いわゆる単色印字を実行する画像形成装置に本発明を適用しているが、例えばフルカラーの画像を形成する場合には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4種類のトナーについて同様の現像器1を中間転写ベルト23やシートSの搬送方向Yに一列に並ぶように設けた、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、トナー担持体から飛翔したトナーのうち、トナー搬送方向において下流側に大きく逸れて飛翔したトナーがトナー通過孔を通過するのを規制しているので、トナー通過孔を通過して背面電極に向け飛翔するトナーの飛翔方向のばらつきが低く抑えられ、受像体上におけるトナーの散りを小さくして解像度の高い画像を形成することができる。
【0049】
また、飛翔方向が下流側に逸れて散りが大きくなりやすい小径トナー粒子を多く含むトナーでも使用することができるので、トナーの製造コストを抑えて装置のランニングコストを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】フレキシブルプリント回路基板の部分拡大断面および帯電トナーの飛翔モデルを示す図である。
【図4】フレキシブルプリント回路基板に形成された制御電極および偏向電極を示す図である。
【図5】この画像形成装置においてトナーがトナー通過孔を通過する様子を模式的に示す図である。
【図6】トナー通過孔の他の形状を例示する図である。
【符号の説明】
3…背面電極
4…FPC(トナー飛翔制御手段)
12…現像ローラ(トナー担持体)
23…中間転写ベルト(受像体)
41…トナー通過孔
43…制御電極
CA…(トナー通過孔41の)中心線
CE…(移送静電界Eの)電界中心
D…トナー搬送方向
E…移送静電界
J…トナー飛翔開始位置
T…トナー
Claims (3)
- 背面電極と、
トナーを担持しながら、所定の移動方向に移動して前記背面電極と対向するトナー飛翔開始位置に該トナーを搬送する現像ローラと、
前記背面電極と前記現像ローラとの間に配置されて、前記現像ローラの前記トナー飛翔開始位置から前記背面電極へのトナー飛翔を制御することによって前記背面電極との間を搬送されてくる受像体にトナーを着弾させてトナー像を形成するトナー飛翔制御手段と
を備え、しかも、
前記トナー飛翔制御手段は、
その主面のうち前記現像ローラと対向する主面に設けられた半導電性表面層と、前記トナーを通過させるためのトナー通過孔と、前記トナー通過孔の周囲を取り囲むリング状に形成されて前記トナーの前記現像ローラから前記背面電極への飛翔を制御するための制御電圧が印加される制御電極とを有し、
前記制御電極のリングの中心が、前記トナー通過孔の中心に対して前記移動方向の下流側に設けられて、前記制御電圧により前記トナー通過孔の近傍に形成される電界の中心が前記トナー通過孔の中心よりも前記移動方向の下流側に位置するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記トナーは、その粒径が5μm以下のトナーの含有量が10個数%以上である請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記トナー通過孔の断面形状が円形または楕円形である請求項1または2に記載の画像形成装置。
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