JP3791174B2 - 精米装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、精米装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
投入した穀粒を送穀ラセンで搬送し、精白筒と精白ロ−ルで精白作用を受け、精白米になって機外に排出される横型、あるいは竪型の精米装置は周知である。その際、特に長期間保存されて劣化された玄米の周辺の糠は蝋質化されており、このような穀粒を精米作業すると、糠中の蝋部分が送穀ラセンに付着し、その結果、送穀ラセン周辺には糠が堆積され、穀粒の搬送能力が低下し精米作業の能率が低下していた。
【0003】
そこで、送穀ラセンの形状を変えることにより、糠を付着しにくくなるような技術が開示されている(特開平4−200648号)。しかし、糠の付着を防止するには加温するのがより効果的であることが経験上知られている。例えば、穀粒色彩選別機の流下樋を加温することで糠付着を防止する技術が公開されている(特開昭58−35932号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
糠の付着した送穀ラセンのメンテナンスをするには、精米装置における精白筒を外す必要があり、大変な労力を要する。従って、できるだけ送穀ラセンには糠が付着しない状態であることが望ましい。しかし、送穀ラセンは回転体であるため、加温方法が難しいものであった。
【0005】
本発明は、精米作業中における送穀ラセンへの糠付着を防止することで送穀ラセンにおける穀粒搬送能力を維持することを目的とする。また、加温部材をより効率的な形状・配置方法にすることで、より効果的な加温をなすことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の構成によって達成される。請求項1においては、投入した穀粒を搬送する送穀装置(36)と、該送穀装置(36)で搬送された穀粒に精白作用を及ぼす精白ロ−ル(37)と、該精白ロ−ル(37)を内包する精白筒(38)と、前記送穀装置(36)と前記精白ロール(37)とを回転駆動させる主軸シャフト(40)とを機枠(8a)内に備えた精米装置において、前記主軸シャフト(40)は前記送穀装置(36)の内部を貫通する構成とすると共にその内部に空洞部(40a)を形成し、該空洞部(40a)には前記送穀装置(36)を加温する加温部材(47)を設け、該加温部材( 47)の根元側を精米装置(8)の機枠(8a)外に取り付けたことを特徴とする精米装置とする。
【0007】
請求項2においては、加温部材(47)は軸状に形成し、送穀装置(36)の長手方向と並行して設けたことを特徴とする請求項1記載の精米装置とする。
【0008】
【発明の作用効果】
請求項1の発明においては、加温部材47が加温を開始すると、主軸シャフト40内部の空洞部40aの温度が上昇し、熱が主軸シャフト40を通して送穀装置36に伝わり、それに伴い送穀装置36の表面の温度も上昇する。すると、精白作業において送穀装置36が穀粒を搬送する際、穀粒中の糠が搬送による圧力で穀粒より分離しても、送穀装置36に付着しにくい。従って、送穀装置36における穀粒の搬送能力を維持することができる。
請求項2の発明においては、加温部材47を軸状に形成し、送穀装置36の長手方向と並行して空洞部40aに設けたことで、加温の効果が送穀装置36の全体に均一にいきわたることにより効果的な加温をなすことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明を精米施設に用いた場合について説明する。精米施設の全体構造について図1から図5に基づいて説明する。図1は、精米施設を設置する建家の平面図で、内部は投入された穀粒を搬送・精白・糠処理等をする機械室Bと、作業者が穀粒・料金の投入、精白度の設定、精白処理された穀粒の取出をする操作室Aとに分けられている。
【0010】
1は穀粒を投入する投入タンクで、投入タンク1の下部には投入した穀粒を繰り出すロ−タリバルブ2を設けている。そして、ロ−タリバルブ2の排出側を石抜装置用昇降機3のホッパ部3aに連通させ、石抜装置用昇降機3の上部は石抜装置5に臨ませる。石抜装置5は、図3に示すように揺動選別板5aと送風5bファンからなる周知の構成で、揺動選別板5aの揺下側にある穀粒排出口5cが精米昇降機6のホッパ部6aに連通し、さらに、精米昇降機6の上部は玄米タンク7に臨ませている。
【0011】
玄米タンク7の下部には穀粒を精白する精米装置8を設け、精米装置8の排出側は操作室A側に面している白米タンク9に連通している。また、精米装置8で発生した糠を処理する糠処理部Cは、サイクロン10、サイクロン10より落下した糠を水平移送する糠移送ラセン11、糠移送ラセン11を内装する糠移送樋12、糠移送樋12の途中部に複数設けた糠排出口13a・13b、糠排出口13a・13bより排出した糠を最初に受ける第1糠袋14a、第1糠袋14aが満杯になると次に受ける第2糠袋14b等から構成されている。なお、15は切替弁で精米装置から発生する糠を操作室側用サイクロン16を経て操作室A側に搬送できるようになっている。
【0012】
ところで、前記操作室A側に設けている精米施設の作業を設定する操作盤20について説明すると、盤面には図4に示すように、コインメック21、もち選択ボタン22、白度選択ボタン23・23・23(本実施例では、上白・標準・8分の3段階に選択できる)等を配設している。そして、この操作盤20の内部には装置各部駆動モ−タ等の駆動制御を行うCPU24aを内蔵した制御部24を備えている。
【0013】
図5に示すように、制御部24には、コインセンサ25からの検出情報、白度選択ボタン23・23・23からの白度選択情報等が入力インタ−フェイス24bを介してCPU24aに入力される。一方CPU24aからは、石抜装置用・精米装置用昇降機駆動モ−タ26への制御信号、精米装置駆動モ−タ27への制御信号、白度調節モ−タ28への制御信号、糠ラセン駆動モ−タ29、石抜装置駆動モ−タ30への制御信号等が出力インタ−フェイス24cを介して出力される。
【0014】
次に、精米施設の作業工程について説明する。原料となる穀粒(玄米・もち等)を投入タンク1に投入し、穀粒量に見合う運転時間を確保できるだけのコインをコインメック21の投入口に投入する。次に、白度選択ボタン23・23・23のいずれかを選択し精白度を選択すると、CPU24aは投入コインの枚数を読み込み、運転時間を算出し、当該算出時間にわたり駆動信号を出力し、装置各部は運転を開始する。
【0015】
投入タンク1に投入された穀粒は、ロ−タリバルブ2で石抜装置用昇降機3で揚穀され、石抜装置5に供給される。石抜装置5に供給された穀粒は、揺動選別板5aで揺動選別される。そこで、穀粒中に混入している石等は、選別板揺上側に移動し、石抜排出口5dより排出され、石屑貯留室5eに貯留される。一方穀粒は、選別板揺下側に移動し、穀粒排出口5cより精米装置用昇降機6に供給される。
【0016】
精米装置用昇降機6で揚穀された穀粒は、玄米タンク7に供給され、次いで、精米装置8で設定された精白度になるよう表面糠層を剥離される。そして、精白された精白米は白米タンク9に搬送され、適宜操作室A側にて回収できる。なお、精白作業の際、発生する糠は糠処理部Cに空気搬送され、サイクロン10を経て糠移送樋12を糠ラセン11で搬送され糠袋14・14に回収される。そして、精米施設の装置各部は投入金額にて設定された時間が経過すると、順次停止する。
【0017】
次に発明の要部である精米装置8について図6から図12に基づいて説明する。35は穀粒供給口で、その下方には投入した穀粒を搬送する送穀ラセン36を横長手方向に配設し、送穀ラセン36の搬送終端側からは精白ロ−ル37を同一軸心上に接続している。精白ロ−ル37の外側は、多数の孔38a…が設けられている精白金網38で覆われ精白室Dが形成され、精白室Dの排出側には精白室D内の搗精圧力を調節する圧迫板39を設けている。なお、28は白度調節モ−タであり、前記白度調節ボタン23・23・23で設定された精白度に基づいて精白室D内の圧力調節をしている。
【0018】
送穀ラセン36の内部は搬送方向に主軸シャフト40が貫通している。そして、主軸シャフト36の一端側は精白ロ−ル37を軸支しており、他端側は伝動プ−リ42を貫通して、精米装置の機枠8aに設けている軸受部32に軸着している。そして、精米装置駆動モ−タ27から伝動ベルト39を介して主軸シャフト40を回転駆動させ、送穀ラセン36と精白ロ−ル37を回転駆動するよう構成している。また、主軸シャフト40と精白ロ−ル37の内部は空洞に形成されていると共に、主軸シャフト40の他端側が送風管44と連通されることにより、送風ファン43からの風が送風管44から主軸シャフト40、精白ロ−ル37を経て、精白ロ−ル37に設けられている通風口37aから精白室Dに案内され、精白作業で発生する糠を精白金網38の孔38a…から精白室D外に排出するよう形成されている。なお、精白室Dより排出された糠は吸引ファン33に吸引され、糠ホッパ45から搬送ダクト46を通過し、サイクロン10を経て糠移送樋12に搬送されるよう構成されている。
【0019】
ところで、前記主軸シャフト40内の空間部40aに長手方向に沿って加温部材であるヒ−タ−軸47を設けてある(図10参照、なお、図10は伝動プ−リ42を省略してある)。ヒ−タ−軸47の先端側は送穀ラセン36の搬送終端部まで挿通し(図11参照)、根元側は精米装置8の機枠8a外に取り付けているに挿着する。該プレ−ト48は主軸シャフト40と送風管44の間をを横断して設けられているが、その際、送風管44からの風を遮断することがないように、送風管44の設置範囲内には複数の通風口48aを設けている(図12参照)。なお、図12はヒ−タ−軸47の挿入とプレ−ト48の取り付け方法を説明している図である。
【0020】
さて、送穀ラセン36を加温する過程について説明すると、電源Eから電熱線(図示せず)をヒ−タ−軸47に接続し電源EをONすると、ヒ−タ−軸47の温度は上昇し、それに伴って空洞部40aの温度も上昇する。すると、ヒ−タ−軸47から発生した熱が主軸シャフト40を通して送穀ラセン36に伝わり、送穀ラセン36の表面温度も上昇する。
【0021】
また、精米施設でヒ−タ−軸47を利用する際には、精米施設内に設けてある室温計50で室温を測定し、室温に適した送穀ラセン36の温度になるようにCPU25aから制御信号、すなわち、加温指令あるいは加温停止指令を出すことで、送穀ラセン36が適した温度になるようされる。そして、精米施設においては精米施設の営業時間のみ前記制御信号を出力するようにしてもよい。なお、送穀ラセン36の温度は概して60度ぐらいになるように制御するのが望ましい。
【0022】
このような構成で送穀ラセン36を加温することで、精白作業において送穀ラセン36が穀粒を搬送する際、穀粒中の糠が搬送による圧力で穀粒より分離しても、送穀ラセン36に付着しにくい。従って、短期間で穀粒の搬送能力が低下することがない。特に、玄米の周辺の糠が蝋質化され、精白作業をすると送穀ラセン36に糠が付着しやすい古米の場合に効果が大きい。また、ヒ−タ−軸47を軸状に形成し、送穀ラセン36の長手方向と並行して前記空間部40aに設けたことで、加温の効果は送穀ラセン36の全体に均一にいきわたることができるので、より効果的な加温をなすことができる。さらに、料金を投入して穀粒を精白処理する精米施設においては、送穀ラセン36に付着しにくいことで、管理者が精米装置8のメンテナンスをする回数を減少させることが可能になる。
【0023】
次に、精米施設における糠処理部の別実施例について説明する。通常の糠処理部Cは図2のように、糠移送樋12を地面と平行に設け、糠袋14・14、糠移送ラセン11等から構成されるが、ここで図14のように糠移送樋53と糠移送ラセン52とを搬送終端側を上方にして斜設する。別実施例の作用について説明すると、精米装置8で発生した糠が前記搬送ダクト46、サイクロン10を経て糠受け口50に供給されるが、その際、糠は自然落下して第1糠袋51に貯留されていく。そして、第1糠袋51が満杯になると糠ラセン52で搬送され、第2糠袋54に貯留されていく。そして、第2糠袋54が一杯になると、第2糠袋54の上方に設けてあるオ−バ−フロ−口55よりオ−バ−フロ−するように構成する。
【0024】
従来、精米装置の精白室Dにおける糠を多く吸引できるように吸引ファン33の風力を強くすると、糠受け口50に供給された糠が風の勢いで第1糠袋14aに落下せず、第2糠袋14bまで搬送され、順序よく糠袋に貯留されないという欠点が生じていた。このような構成にすることで、風の勢いで、第1糠袋51が満杯にならないのに第2糠袋54まで搬送されるということがなく、搬送供給された糠を順序よく糠袋51・54に投入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による精米施設の平面図
【図2】 本発明による精米施設の作業工程図
【図3】 石抜装置の断面図
【図4】 操作盤図
【図5】 ブロック図
【図6】 糠搬送経路図
【図7】 側面から見た精米装置の断面図
【図8】 側面から見た発明の要部を表す断面図
【図9】 正面から見た精白室の断面図
【図10】 平面から見た発明の要部を表す断面図
【図11】 側面から見た発明の要部を表す断面図
【図12】 背面から見た発明の要部の説明図
【図13】 発明の要部における説明図
【図14】 別実施例図
【符号の説明】
8…精米装置、36…送穀ラセン、37…精白ロ−ル、38…精白金網、40…主軸シャフト、47…ヒ−タ−軸、48…プレ−ト
Claims (2)
- 投入した穀粒を搬送する送穀装置(36)と、該送穀装置(36)で搬送された穀粒に精白作用を及ぼす精白ロ−ル(37)と、該精白ロ−ル(37)を内包する精白筒(38)と、前記送穀装置(36)と前記精白ロール(37)とを回転駆動させる主軸シャフト(40)とを機枠(8a)内に備えた精米装置において、前記主軸シャフト(40)は前記送穀装置(36)の内部を貫通する構成とすると共にその内部に空洞部(40a)を形成し、該空洞部(40a)には前記送穀装置(36)を加温する加温部材(47)を設け、該加温部材(47)の根元側を精米装置(8)の機枠(8a)外に取り付けたことを特徴とする精米装置。
- 加温部材(47)は軸状に形成し、送穀装置(36)の長手方向と並行して設けたことを特徴とする請求項1記載の精米装置。
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JP05532598A JP3791174B2 (ja) | 1998-03-06 | 1998-03-06 | 精米装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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JPH11253825A JPH11253825A (ja) | 1999-09-21 |
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1998
- 1998-03-06 JP JP05532598A patent/JP3791174B2/ja not_active Expired - Fee Related
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