JP3787860B2 - アンチスキッド制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両の制動時に、車輪のスリップ状態が所定以上となった場合に、そのスリップ状態を最適状態に制御するアンチスキッド制御装置に関し、特に、リザーバ内のブレーキ油量を推定することができるアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のブレーキシステムは、ブレーキペダルに連結されたマスタシリンダと、車輪のブレーキ機構に設けられたホイールシリンダと、ブレーキ油を貯留するリザーバとをそれぞれの管路により接続して構成される。
【0003】
このブレーキシステムのうち、アンチスキッド制御装置は、例えば特開昭61−202965公報に開示されているように、マスタシリンダとホイールシリンダとの間の管路に流入弁を設けるとともに、ホイールシリンダとリザーバとの間の管路に流出弁を設け、これらの流入弁および流出弁を切り換え制御することによりホイールシリンダ内のブレーキ油圧を増減するように構成される。
【0004】
また、この装置では、通常のアンチスキッド制御中には、流入弁は遮断状態に制御される。即ち、前記流入弁は、アンチスキッド制御の実行開始と同時にマスタシリンダ油圧をカットする。この際、ホイールシリンダに向けて接続されたポンプがリザーバから汲み上げたブレーキ油を圧力下に吐出し、このブレーキ油圧によって、ホイールシリンダ油圧の緩増圧が実行される。この際、前記流出弁は遮断状態とされる。また、ホイールシリンダ油圧の減圧時には、流出弁が連通状態とされ、ホイールシリンダ側のブレーキ油がリザーバ内に還流される。このようなホイールシリンダ油圧の増減圧制御は、車輪のスリップ状態に応じて実行され、この車輪のスリップ状態は、車両の走行路面の路面摩擦係数に依存する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の装置の様に、ブレーキ油をリザーバからホイールシリンダに供給するシステム(ホイールシリンダバックシステムと称す)では、ホイールシリンダ油圧を増加させる場合には、リザーバに蓄えられたブレーキ油をポンプによってホイールシリンダに送る制御がなされるが、リザーバ内のブレーキ油が無くなると、ホイールシリンダ油圧をそれ以上増圧することができない。
【0006】
また、逆に、リザーバが満杯の場合には、ブレーキ油をホイールシリンダからリザーバに逃がすことができないので、減圧不足が生じる。
つまり、ホイールシリンダバックシステムにおいては、リザーバ内のブレーキ油量が適正でないと、好ましいブレーキ制御性能が得られないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、ホイールシリンダバックシステムにおいて、リザーバ空や満杯などに起因する増圧不足や減圧不足を回避し、制御性能を向上できるアンチスキッド制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求頃1の発明は、図1及び図2に例示する様に、乗員のブレーキペダルの踏み込みによりブレーキ油を供給してホイールシリンダ油圧を発生させるマスタシリンダと、リザーバ内のブレーキ油を汲み上げて前記ホイールシリンダに向けて圧送するポンプと、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの流路を連通・遮断するマスタ圧カット弁と、車輪のスリップ状態が所定以上となった場合に、前記ポンプ及び前記マスタ圧カット弁を駆動して、前記ホイールシリンダ油圧を制御するアンチスキッド制御手段と、を備えるアンチスキッド制御装置において、前記アンチスキッド制御手段は、前記マスタ圧カット弁を遮断し、前記ポンプから吐出力されるブレーキ油によって、前記ホイールシリンダ油圧を緩増圧する緩増圧手段と、前記ホイールシリンダからブレーキ油を排出してホイールシリンダ油圧を減少させる減圧手段と、前記リザーバから前記マスタシリンダにブレーキ油を戻すマスタシリンダリターン手段と、を備えるとともに、前記緩増圧手段による緩増圧実行時間を検出する第1の検出手段と、前記減圧手段による減圧実行時間を検出する第2の検出手段と、前記マスタシリンダリターン手段によるリターン実行時間を検出する第3の検出手段と、前記第1〜3の検知手段によって検出された前記緩増圧実行時間,減圧実行時間及びリターン実行時間に基づいて、前記リザーバ内のブレーキ油量の変化量を算出する変化量算出手段と、該変化量算出手段によって算出された前記ブレーキ油量の変化量に基づいて、前記リザーバ内のブレーキ油量を算出するブレーキ油量算出手段と、該ブレーキ油量算出手段によって算出された前記リザーバ内のブレーキ油量に基づき、前記緩増圧手段を前記ブレーキ油を前記マスタシリンダから前記ホールシリンダに供給する緩増圧補正手段に切り替えるとともに、前記減圧手段を前記マスタシリンダリターン手段に切り替えて、前記リザーバ内のブレーキ油量を所定のブレーキ油量に制御するリザーバ油量制御手段と、を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0010】
請求頃2の発明は、前記アンチスキッド制御手段が、更に、前記マスタシリンダからホイールシリンダにブレーキ油を供給する急増圧手段を備えたことを特徴とする前記請求項1記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0011】
請求頃3の発明は、前記変化量算出手段が、前記各実行時間に加え、前記緩増圧実行時の緩増圧勾配及び前記減圧実行時の減圧勾配を加味して、前記前記リザーバ内のブレーキ油量の変化量を算出することを特徴とする前記請求項1又は2記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0012】
請求頃4の発明は、前記緩増圧勾配及び前記減圧勾配を、ホイールシリンダ油圧とポンプ負荷又はポンプ回転数とに基づいて算出することを特徴とする前記請求項3記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0013】
請求頃5の発明は、前記ホイールシリンダ油圧を、マスタシリンダ油圧に基づいて算出することを特徴とする前記請求項4記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
請求頃6の発明は、前記マスタシリンダ油圧を、車体減速度に基づいて算出することを特徴とする前記請求項5記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0014】
請求頃7の発明は、前記マスタシリンダ油圧を、運転者の制動動作を検出した時点からアンチスキッド制御開始までの時間に基づいて算出することを特徴とする前記請求項5記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0015】
請求頃8の発明は、前記マスタシリンダ油圧を、各車輪のアンチスキッド制御状態に基づいて算出することを特徴とする前記請求項5記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0016】
請求頃9の発明は、前記ポンプ回転数を、前記ポンプ負荷及びバッテリ電圧の少なくともいずれか一方に基づいて算出することを特徴とする前記請求項4記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0017】
請求頃10の発明は、前記ポンプ回転数を、推定車体減速度に基づいて算出することを特徴とする前記請求項4記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0018】
請求頃11の発明は、前記リザーバ油量制御手段が、ブレーキ油の流路を開閉する弁及びブレーキ油のポンプの少なくともいずれか一方を駆動するタイミングを設定する制御モードを切り換える手段であることを特徴とする前記請求項1〜10のいずれか記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0019】
請求頃12の発明は、前記リザーバ油量制御手段が、前記ブレーキ油量算出手段によって算出された前記リザーバ内のブレーキ油量が上限値以上になった場合には、ブレーキ油をリザーバからマスタシリンダに戻し、ブレーキ油量が下限値以下となった場合には、ブレーキ油をマスタシリンダからホイールシリンダを介してリザーバに供給する制御を行なうことを特徴とする前記請求項11記載のアンチスキッド制御装置を要旨とする。
【0020】
【作用及び発明の効果】
請求頃1の発明では、マスタシリンダは、乗員のブレーキペダルの踏み込みによりホイールシリンダに向けてブレーキ油を供給しホイールシリンダ油圧を発生させ、ポンプは、リザーバ内のブレーキ油を汲み上げてホイールシリンダに向けて圧送し、マスタ圧カット弁は、マスタシリンダとホイールシリンダとの流路を連通・遮断する。そして、車輪のスリップ状態が所定以上となった場合には、アンチスキッド制御手段によって、ポンプ及びマスタ圧カット弁を駆動して、ホイールシリンダ油圧を制御する。
【0021】
更に、このアンチスキッド制御手段においては、緩増圧手段によって、マスタ圧カット弁を遮断して、ポンプから吐出力されるブレーキ油によりホイールシリンダ油圧を緩増圧し、減圧手段によって、ホイールシリンダからブレーキ油を排出してホイールシリンダ油圧を減少させ、マスタシリンダリターン手段によって、リザーバからマスタシリンダにブレーキ油を戻す。
【0024】
そして、第1の検出手段によって、緩増圧実行時間を検出するとともに、第2の検出手段によって、減圧実行時間を検出し、第3の検出手段によって、マスタシリンダリターン手段によるリターン実行時間を検出する。更に、変化量算出手段によって、第1〜3の検知手段によって検出された緩増圧実行時間,減圧実行時間及びリターン実行時間に基づいて、リザーバ内のブレーキ油量の変化量を算出し、この算出されたブレーキ油量の変化量に基づいて、ブレーキ油量算出手段によって、リザーバ内のブレーキ油量を算出する。そして、リザーバ油量制御手段によって、前記算出されたリザーバ内のブレーキ油量に基づいて、緩増圧手段を(ブレーキ油をマスタシリンダからホールシリンダに供給する)緩増圧補正手段に切り替えるとともに、減圧手段をマスタシリンダリターン手段に切り替えて、リザーバ内のブレーキ油量を所定のブレーキ油量に制御する。
【0025】
つまり、本発明では、緩増圧手段による緩増圧実行時間と減圧手段による減圧実行時間とマスタシリンダリターン手段によるリターン実行時間とに基づいて、リザーバ内のブレーキ油量を推定することができる。従って、この推定したブレーキ油量に基づき、リザーバ油量制御手段によって、リザーバ内のブレーキ油量を適量に調節する制御することにより、ホイールシリンダバックシステムにおいて、リザーバ空や満杯などに起因する増圧不足や減圧不足を回避し、制御性能を大きく向上することができる。
【0026】
請求頃2の発明では、アンチスキッド制御手段として、更に、マスタシリンダからホイールシリンダにブレーキ油を供給する急増圧手段を備えた構成を採用できる。
請求頃3の発明では、変化量算出手段が、緩増圧実行時間,減圧実行時間及びリターン実行時間等の各実行時間に加え、緩増圧実行時の緩増圧勾配及び減圧実行時の減圧勾配を加味して、リザーバ内のブレーキ油量の変化量を算出するので、一層正確にリザーバ油量を推定することができる。
【0027】
請求頃4の発明では、緩増圧勾配及び減圧勾配を、ホイールシリンダ油圧とポンプ負荷又はポンプ回転数とに基づいて算出することができるので、この算出した緩増圧勾配及び減圧勾配も用いて、より正確なブレーキ油量を算出することができる。
【0028】
請求頃5の発明では、ホイールシリンダ油圧を、マスタシリンダ油圧に基づいて算出することができるので、正確にホイールシリンダ油圧を算出できる。
請求頃6の発明では、マスタシリンダ油圧を、車体減速度に基づいて算出することができるので、正確にマスタシリンダ油圧を算出できる。
【0029】
請求頃7の発明では、マスタシリンダ油圧を、運転者の制動動作を検出した時点からアンチスキッド制御開始までの時間に基づいて算出することができる。つまり、この経過時間によって急ブレーキか緩ブレーキかが分かるので、このブレーキ状態に応じて、マスタシリンダ油圧をより正確に算出することができる。よって、このマスタシリンダ油圧を用いてより正確なホイールシリンダ油圧を算出できる。
【0030】
請求頃8の発明では、マスタシリンダ油圧を、各車輪のアンチスキッド制御状態に基づいて算出することができるので、実際のスリップ状態に応じた一層正確にマスタシリンダ油圧を算出することができる。
請求頃9の発明では、ポンプ回転数を、ポンプ負荷及びバッテリ電圧の少なくともいずれか一方に基づいて算出することができるので、実際のポンプ動作に応じた一層正確なポンプ回転数を算出することができる。
【0031】
請求頃10の発明では、ポンプ回転数を、推定車体減速度に基づいて算出することができるので、実際の車両の減速状態に応じた一層正確なポンプ回転数を算出することができる。
【0032】
請求頃11の発明では、リザーバ油量制御手段によって、ブレーキ油の流路を開閉する弁及びブレーキ油のポンプの少なくともいずれか一方を駆動するタイミングを設定する制御モードを切り換えるので、制御モードに応じて好適にリザーバ油量を調節することができる。
【0033】
請求頃12の発明では、リザーバ油量制御手段により、(ブレーキ油量算出手段によって算出された)リザーバ内のブレーキ油量が上限値以上になった場合には、ブレーキ油をリザーバからマスタシリンダに戻し、ブレーキ油量が下限値以下となった場合には、ブレーキ油をマスタシリンダからマスタシリンダを介してリザーバに供給する制御を行なうので、リザーバ内のブレーキ油量を常に一定の好適な範囲に設定することができる。よって、どの様な場合でも、好適にアンチスキッド制御を実行することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
(実施例1)
[1]図4は、本実施例におけるアンチスキッド制御装置のシステム構成である。本実施例は、フロントエンジン、フロントドライブの四輪車に適用した例である。また、図4では、車両のブレーキ配管系統が、右前輪(FR)と左後輪(RL)の系統と、左前輪(FL)と右後輪(RR)の系統との2系統を有するものを示している。
【0035】
右前輪1、左後輪2、左前輪3、右後輪4の各々に電磁式、磁気抵抗式等の車輪速度センサ27、28、29、30が配置され、各車輪1〜4の回転に応じた周波数のパルス信号を出力する。さらに、各車輪1〜4に各々油圧ブレーキ装置(以下ホイールシリンダ(W/C)という)5、6、7、8が配置され、各車輪1〜4に制動力を発生させる。ブレーキペダル15の踏み込みによって発生するマスタシリンダ(M/C)16からのマスタシリンダ油圧(M/C油圧)は、各菅路を介して第1のマスタ圧カット弁11、第2のマスタ圧カット弁12に向けて流動される。
【0036】
アンチスキッド制御が実行されていない場合では、これら第1、第2のマスタ圧カット弁11、12は連通状態とされており、マスタシリンダ油圧は各弁11、12を通して、各車輪1〜4に対応した制御弁21、22、23、24に伝達される。この制御弁21〜24は、アンチスキッド制御中でない場合には連通状態とされるため、前記マスタシリンダ油圧は乗員のブレーキペダル15の踏み込みに応じてホイールシリンダ5〜8に伝達される。なお、通常マスタシリンダ16は、図示しない独自のりザーバを有している。
【0037】
前記マスタ圧カット弁11と制御弁21、22とを結ぶ管路、およびマスタ圧カット弁12と制御弁23、24を結ぶ管路には、それぞれポンプ9、10から吐出されるブレーキ油を伝達する管路が接続されている。ポンプ9は、リザーバ25からブレーキ油を汲み上げて、ホイールシリンダ1、2側にブレーキ油を圧送する(ホイールシリンダバックシステムと称す)。また、ポンプ10は、リザーバ26からブレーキ油を汲み上げホイールシリンダ3、4側にブレーキ油を圧送する。これらポンプ11、12には、それぞれ並列に管路が接続されており、各々の管路には、ブレーキ油のリザーバ25、26への流出入を制御する流出弁13、14がそれぞれ配設されている。
【0038】
また、ホイールシリンダ1と制御弁21との間と、マスタシリンダ16とは管路によって接続されており、この管路にはホイールシリンダ5側からマスタシリンダ16側へのブレーキ油の流動のみを許容する逆止弁17が配設されている。ホイールシリンダ6、7、8についても同様にそれぞれマスタシリンダ16とを接続する管路が設けられており、逆止弁18、19、20がそれぞれ配設されている。マスタ圧カット弁11、12、制御弁21〜24、および流出弁13、14は、それぞれ2ポート2位置弁であり、その弁体は電子制御装置40(以下ECUという)からの信号に基づいて電力を供給された時、ソレノイドが励磁することによって変化してポートを切り換える。なお、各弁の非作動時すなわちアンチスキッド制御が開始されていない状態では、ポートは図示位置にある。なお、各弁には、このような電磁弁の他に機械式弁を採用するようにしてもよい。
【0039】
ECU40は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等からなるマイクロコンピュータから構成されている。また、前記車輪速度センサ27〜30によって検出されるパルス信号は、このECU40に送られ、個々の車輪1〜4の車輪速度、車体速度が演算され、各車輪1〜4のスリップ状態が演算推定される。
【0040】
[2]図5では、図4のように構成されるブレーキ配管系において、説明を簡略化するために右前輪1に対するブレーキ配管系のモデル図を示す。以下、このブレーキ配管系を用いてECU40による各弁11、21、13の制御方法を説明する。尚、図5は、通常の車両制動時すなわちアンチスキッド制御の非実行時における各弁11、21、13の動作、およびアンチスキッド制御中におけるホイールシリンダ1に対する各制御モードに対応した各弁11、21、13の動作を示している。
【0041】
▲1▼まず、アンチスキッド制御が実行されていない通常制動時では、マスタシリンダ油圧がホイールシリンダ6にむけて直結されている。よって、マスタ圧カット弁11および制御弁21は連通状態、流出弁13は遮断状態に制御されている。この際にはポンプ13は駆動されていない(OFF状態である)。よって、乗員によるブレーキペダル15の踏み込みを反映したマスタシリンダ油圧がホイールシリンダ6に伝達される。
【0042】
▲2▼次に、アンチスキッド制御が実行開始された以降の各弁の動作について説明する。なお、アンチスキッド制御の開始と同時にポンプ9が駆動され、アンチスキッド制御中断続的に駆動される。
まず、アンチスキッド制御におけるホイールシリンダ油圧(W/C油圧)の減圧出力時では、マスタ圧カット弁11は、マスタシリンダ油圧をカットするために遮断状態とされ、制御弁21は、ホイールシリンダ6内のブレーキ油圧を抜くために連通状態とされる。また、流出弁13は、ポンプ9から吐出されるブレーキ油をリザーバ25に還流するため及びホイールシリンダ6から抜いた油をリザーバ25に入れるために、連通状態とされる。この様に、減圧出力時にポンプ9からのブレーキ油をリザーバに還流できる還流路が形成されていることによって、効率良くホイールシリンダ油圧を減圧することが可能である。
【0043】
ホイールシリンダ油圧の保持出力では、マスタ圧カット弁11および制御弁21は遮断状態、流出弁13は連通状態とされる。ここで、前記制御弁21が遮断状態とされることによって、現在のホイールシリンダ油圧が保持され、この際駆動され続けているポンプ9からのブレーキ油は、連通状態とされている流出弁13を有する還流路を通して、リザーバ25に還流される。この様にされることによって、ポンプ9からのブレーキ油が、管路内に高圧に貯留されることがなくなり、管路が保護される。
【0044】
また、緩増圧出力では、ポンプ9によるホイールシリンダ油圧の増圧を実行する。この際、マスタ圧カット弁11は遮断状態、制御弁21は連通状態、また流出弁13は遮断状態に制御される。よって、ポンプ9からのブレーキ油は、流出弁13によってリザーバ25に還流されることを妨げられ、ホイールシリンダ6に向けて吐出される。
【0045】
また、緩増圧出力と比較して、ホイールシリンダ油圧をより急激に増圧したい場合には、急増圧出力を採用する。この急増圧出力では、アンチスキッド制御中にも係わらず、マスタシリンダ油圧をホイールシリンダ6に伝達する。よって、マスタ圧カット弁11および制御弁21は連通状態とされ、流出弁13は遮断状態とされる。
【0046】
また、マスタシリンダリターン(M/Cリターン)出力では、アンチスキッド制御における減圧出力時に、リザーバ25内が満杯であったならば、ホイールシリンダ6にかかるブレーキ油を抜いてホイールシリンダ油圧を減圧することができないため、リザーバ25内のブレーキ油(マスタ圧カット弁11からホイールシリンダ6にかけての閉回路中のブレーキ油)をマスタシリンダ16側に返す。この際M/Cリターン出力では、マスタ圧カット弁11を連通状態とし、制御弁21、流出弁13は遮断状態とされる。このように各弁を制御することによって、ポンプ9から吐出されるブレーキ油をマスタシリンダ16側に流動し、リザーバ25内のブレーキ油量を減少する。
【0047】
[3]次に、本実施例におけるECU40による具体的なアンチスキッド制御を、図7のフローチャートを基に説明する。なお、ここでは便宜上、図5に示した1輪1ホイールシリンダに対しての制御について説明する。
▲1▼車両のイグニッションスイッチのオン等に伴って制御が開始されると、まず、ステップ100において、各種パラメータを初期化する。
【0048】
続くステップ110では、アンチスキッド制御における制御モードの判定を行う。尚、制御モード判定は、後述する図9のフローチャートにおいて説明する。また、この制御モードとは、アンチスキッド制御中において上述の各弁11、21、13の制御により実現されるホイールシリンダ6へかかるブレーキ油圧を、所定時間継続したり所定時間間隔毎に組み合わせたりして制御するためのモードである。
【0049】
ここで、図8に基づいて、制御モードの説明をする。
・制御モードは、アンチスキッド制御中であることを表す制御中モードと、アンチスキッド制御が実行されていない、すなわち通常のブレーキ操作時である制御外モードとに大別される。尚、この制御外モードと制御中モードとは、前記ステップ110にて判定されたものである。
【0050】
・減圧モードとは、連続して減圧出力を選択する制御モードである。
・保持モードとは、図4にて説明した保持出力を所定時間連続して実行する制御モードである。
・緩増圧モードとは、前記(ポンプ9の作動による)緩増圧出力を所定時間連続して実行する制御モードである。
【0051】
・M/Cリターンモードとは、連続してM/Cリターン保持出力を選択する制御モードである。
・急増圧モードとは、前記(マスタシリンダ油圧をホイールシリンダ6側に供給する)急増圧出力と前記緩増圧出力とを所定時間毎に所定回繰り返して実行する制御モードである。これは、急増圧出力によるホイールシリンダ油圧の増圧は急激すぎる傾向があるため、すぐに車輪のスリップ状態が悪化する可能性が大きい。よってこの急増圧モードのように、ポンプ9によるホイールシリンダ油圧の増圧とマスタシリンダ油圧による増圧とを繰り返し行うようにする。
【0052】
・緩増圧補正モードとは、所定時間T5にわたり(マスタシリンダ16にブレーキ油を返す)M/Cリターン出力を実行し、その後所定時間T6にわたり急増圧出力を実行し、これらの出力を所定回交互に繰り返す制御モードである。この緩増圧補正モードでは、急増圧にて実行されるマスタシリンダ油圧によるホイールシリンダ油圧の増圧の比率は小さくなっている。尚、この緩増圧補正モードでは、ホイールシリンダ6の増圧勾配が小さく設定されており、急増圧出力外では、M/Cリターン出力によって、制御弁21(22,23,24)が遮断状態とされることにより、ホイールシリンダ油圧を増圧しない制御が実行される。また、このモードの間、リザーバ25内のブレーキ油をマスタシリンダ16側に流動することが可能である。
【0053】
図7に戻り、続くステップ120では、リザーバ油量を推定する。尚、このリザーバ油量の推定処理は、図10のブロック図において詳述する。
続くステップ130では、制御モード補正処理を行なう。尚、この制御モード補正処理については、図20のフローチャートにおいて詳述する。
【0054】
続くステップ140では、制御モードに応じて各弁を駆動するソレノイド(SOL)出力を行ない、その後前記ステップ110に戻る。
▲2▼次に、図9のフローチャートを用いて、前記図7のステップ110のアンチスキッド制御における制御モードの判定を行うフローについて説明する。
【0055】
まず、ステップ210では、各車輪1、2、3、4に設けられている車輪速度センサ27、28、29、30からの車輪速度信号に基づいて、各車輪の車輪速度VWを演算する。ステップ220では、各車輪の車輪加速度dVWを演算する。ステップ230では、車輪速度VW等に基づいて車体速度VBを推定演算する。ステップ240では、各車輪のスリップ率SWを車輪速度および車体速度等に基づいて演算する。
【0056】
ステップ250では、現在すでにアンチスキッド制御が開始されており、制御中モードに設定されているか制御外モードに設定されているかが判定される。ここで、制御中モードに設定されていると判断された場合にはステップ290に進む。
【0057】
一方、ステップ250において、現在制御中に設定されていないと判断された場合には、ステップ260に進む。
ステップ260では、車輪スリップ率SWが所定値KSよりも大きいか否かを判断する。ここでスリップ率SWが所定値KSよりも大きい値であると判断された場合は、車輪がロック傾向にあるとしてステップ270に進み、制御中モードであることを示すフラグをセットする。
【0058】
一方、ステップ260において、車輪スリップ率SWが所定値KS以下であると判断された場合、車輪のスリップ状態は比較的良好であるということで、ステップ280に進む。
ステップ250もしくはステップ270から進むステップ290では、車輪のスリップ状態が所定以上であるか否かを判断する。すなわち、スリップ率SWと所定値KSとを比較する。ここで、スリップ率SWが所定値KS以下であると判断された場合には、後述するステップ330に進み、スリップ率SWが所定値KSよりも大きいと判断された場合にはステップ300に進む。
【0059】
ステップ300に進んだということはスリップ状態が所定以上であることを意味しており、このステップ300では、車輪加速度dVWが0よりも小さいか否かを判断する。即ち、車輪速度が落ち込む方向に向かっているか、回復する方向に向かっているかを判断する。ここで車輪加速度dVWが0よりも小さく、すなわち車輪のスリップ状態が所定以上で、且つ車輪速度が落ち込んでいる状態では、ホイールシリンダ6に適切なブレーキ油圧以上の圧力が加えられており、ますますスリップ状態を悪化させる可能性があるとして、ステップ310に進み、減圧モードを選択する。
【0060】
一方、ステップ300において、車輪加速度dVWが0以上であり、すなわち車輪速度が回復する方向で、現在ホイールシリンダ6にほぼ適切なブレーキ油圧か加えられているとして、ステップ320に進み、保持モードを選択する。
また、前記ステップ290において、スリップ率SWが所定値KS以下であると判断された場合、ステップ330に進む。ここでステップ330に進んだということは、車輪のスリップ状態が所定以下であり、ホイールシリンダ6に加えるべきブレーキ油圧が不足しているとして、ホイールシリンダ油圧を増圧する制御モードについての判定を行う。すなわち、ステップ330では、緩増圧モードにおいて所定時間の実行が終了したか否かを判断する。ここで終了していないと判断された場合にはステップ360に進み、引き続き緩増圧モードが選択される。
【0061】
一方、ステップ330において緩増圧モードが終了したと判断された場合にはステップ340に進み、急増圧モードが所定時間実行されたか否かが判定される。通常アンチスキッド制御では、ポンプ9の吐出によるゆるやかなホイールシリンダ油圧の増圧を実行し、ホイールシリンダ油圧とマスタシリンダ油圧とがほぼ等しくなったと判断した場合にはマスタシリンダ16による急増圧(すなわちマスタシリンダ16とホイールシリンダ6との連通による増圧)を実行している。これは、マスタシリンダ油圧とホイールシリンダ油圧とに比較的大きな差圧があった場合にいきなりマスタシリンダ16とホイールシリンダ6とを連通すると車輪速度の落ち込みが激しくなるが、これによる車輪のスリップが大きくなる状態を回避するためである。
【0062】
ステップ340において、急増圧モードか終了したと判断された場合には、ステップ280に進み、制御中モードをリセットした後、一旦本処理を終了する。一方、ステップ340において、急増圧モードが終了していないと判断された場合には、ステップ350に進み、引き続き急増圧モードを選択する。
【0063】
▲3▼次に、図7のステップ120において実行されるリザーバ油量推定の処理を、図10の処理の手順を示すブロック図に基づいて説明するが、最初に、リザーバ油量の推定の原理について、図11の説明図に基づいて説明する。尚、図11において点線は実際の値を示す。
【0064】
図11に示す様に、ブレーキペダル15が踏まれて、例えばスリップ率等の所定のアンチスキッド条件が満たされると、弁11(SMC),21(SWC),13(SRC)等が駆動されてアンチスキッド制御が実行される。このとき、弁11,21,13の動作状態に応じて、(マスタシリンダ油圧PMは変化しないが)ホイールシリンダ油圧PWは変動を繰り返す。従って、この弁11,21,13の動作状態に基づいて、リザーバ油量を推定することができるのである。
【0065】
図10に示す様に、A1にて、緩増圧出力時間△t1を計測し、A2にて、減圧出力時間△t2を計測し、A3にて、急増圧出力時間△t3を計測し、A4にて、M/Cリターン出力時間△t4を計測する。
・A5では、緩増圧増圧勾配g1を演算する。例えば図12に示す様に、ポンプ回転数Npと緩増圧増圧勾配g1との関係を示す関数fg1のマップから、緩増圧増圧勾配g1を求める。
【0066】
・A6では、減圧勾配g2を演算する。例えば図13に示す様に、(マスタシリンダ油圧PM−ホイールシリンダ油圧PW)と減圧勾配g2との関係を示す関数fg2のマップから、減圧勾配g2を求める。
【0067】
・A7では、急増圧増圧勾配g3を演算する。例えば図14に示す様に、ホイールシリンンダ圧PWと急増圧増圧勾配g3との関係を示す関数fg3のマップから、急増圧増圧勾配g3を求める。
・A8では、前記A1,A2,A4,A5,A6にて求めた値を用い、下記(1)式に基づいて、リザーバ油量の変化量△QTを算出する。
【0068】
△QT=−g1・(△t1+△t4)+g2・△t2 …(1)
・A9では、下記(2)式に基づいて、リザーバ油量QTを算出する。
QT(n)=QT(n−1)+△QT …(2)
・A10では、前記A1〜A3,A5〜A7にて求めた値を用い、下記(3)式に基づいて、ホイールシリンダ油量QWの変化量△QWを算出する。
【0069】
△QW=g1・△t1−g2・△t2+g3・△t3 …(3)
・A11では、下記(4)式に基づいて、ホイールシリンダ油量QWを算出する。
QW(n)=QW(n−1)+△QW …(4)
・A12では、ホイールシリンダ油量QWからホイールシリンダ油圧PWを算出する。例えば図15に示す様に、ホイールシリンダ油量QWとホイールシリンダ油圧PWとの関係を示すマップから、ホイールシリンダ油圧PWを求める。
【0070】
・A13では、ポンプ負荷PPの演算を、図16のフローチャートに示す様に、所定の関数fPPを用いて行なう。すなわち、
まず、ステップ400では、ソレノイド(SOL)の出力状態の判定を行なう。そして、この判定の結果、ソレノイドが減圧出力の場合は、ステップ410にて、ポンプ負荷PPを0と設定する。ソレノイドが保持出力の場合は、ステップ420にて、同様にポンプ負荷PPを0と設定する。ソレノイドが緩増圧出力の場合は、ステップ430にて、ポンプ負荷PPをホイールシリンダ油圧PWと設定する。ソレノイドが急増圧出力の場合は、ステップ440にて、ポンプ負荷PPをマスタシリンダ油圧PMと設定する。ソレノイドがM/Cリターン出力の場合は、ステップ450にて、同様にポンプ負荷PPをマスタシリンダ油圧PMと設定する
・A14では、ポンプ回転数NPの演算を、図17のマップに示す様に、ポンプ負荷PPとポンプ回転数NPとの関係を示す所定の関数fNPを用いて行なう。
【0071】
・A15では、マスタシリンダ油圧PMの演算を、図18のフローチャートに示す様に、所定の関数fPMを用いて行なう。すなわち、
まず、ステップ500では、制御中モードか否かを判断する。ここで肯定判断されうるとステップ510に進み、一方、否定判断されるとステップ520に進む。
【0072】
ステップ520では、制御中モードでないので、車体の減速度Gに応じて、例えば図19に示す様なマップから、マスタシリンダ油圧PMを設定し、一旦本処理を終了する。尚、図19に代えて、このグラフを直線で近似してもよい。
一方、ステップ510では、制御中モードであり、所定値KPMを今回のマスタシリンダ油圧PMとして設定し、一旦本処理を終了する。
【0073】
ここで、KPMは、通常考えられる最大の圧力(例えば15MPa程度)にセットするなどにより、実際のマスタシリンダ油圧とのずれを、安全な方向にもっていくことができる。
つまり、上述したブロックの手順で処理を行なうことにより、逐次正確なリザーバ油量QTを算出することができる。
【0074】
▲4▼次に、図7のステップ130において実行される制御モード補正処理について、図20のフローチャートに基づいて説明する。
図20に示す様に、まず、ステップ600にて、制御モード中か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ610に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0075】
ステップ610では、リザーバ油量QTが最大値KMAXを上回るか否かを判定する。即ち、リザーバ油量QTが多すぎるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ620に進み、一方否定判断されるとステップ640に進む。
ステップ620では、現在、ホイールシリンダ油圧PWを保持する保持モードか否かを判定し、保持モードであればステップ630に進み、そうでなければステップ640に進む。
【0076】
ステップ630では、M/Cリターンモードにセットする。即ち、ブレーキ油が多すぎるのであるから、ブレーキ油をリザーバ25からマスタシリンダ16側に戻すモードにセットし、一旦本処理を終了する。
一方、ステップ640では、リザーバ油量QTが最小値KMINを下回るか否かを判定する。即ち、リザーバ油量QTが少なすぎるか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ650に進み、一方否定判断されると一旦本処理を終了する。
【0077】
ステップ650では、現在、ポンプ9によってブレーキ油をリザーバ25からホイールシリンダ6側に供給する緩増圧モードか否かを判定し、緩増圧モードであればステップ660に進み、そうでなければ一旦本処理を終了する。
ステップ660では、緩増圧補正モードにセットする。即ち、リザーバ油量QTが少ない状態であるので、緩増圧モードに代えて、ブレーキ油をマスタシリンダ16からホイールシリンダ6に供給するモードにセットし、一旦本処理を終了する。ここで、緩増圧補正モードは、図8にある様に、M/Cリターン出力を含んでいるが、これは、リザーバ油量QTを必要以上に増加させないためである。
【0078】
この様に、本実施例では、緩増圧出力時間△t1,減圧出力時間△t2,M/Cリターン出力時間△t4等に基づいて、リザーバ油量QTを求めることができる。そして、この算出したリザーバ油量QTに応じて、上述した制御モード補正処理によって制御モードを設定することにより、例えばリザーバ油量QTが少ない場合にはリザーバ油量QTを増加し、逆に、リザーバ油量QTが多い場合にはリザーバ油量QTを減少させる制御を行なうことによって、常に適正なリザーバ油量QTに保つことができる。
【0079】
その結果、リザーバ25内のブレーキ油が空の場合に起因するホイールシリンダ油圧の増圧不足や、逆にリザーバが満杯の場合に起因するホイールシリンダ油圧の減圧不足を防止できるので、常に、高いブレーキ性能を発揮できるという顕著な効果を奏する。
【0080】
(実施例2)次に、本発明の実施例2について説明する。
【0081】
本実施例は、マスタシリンダ油圧を算出する処理が前記実施例1と大きく異なる。尚、ハード構成等前記実施例1と同様な部分の説明は省略又は簡略化する。図21に、本実施例におけるマスタシリンダ油圧PMの算出のフローチャートを示すが、まず、ステップ700にて、制御中モードであるかを判定する。ここで肯定判断されるとステップ710に進み、一方否定判断されるとステップ750に進む。
【0082】
ステップ750では、アンチスキッド制御中ではないので、前記図19と同様なマップを用いて、車体減速度Gに応じてマスタシリンダ油圧PMを決定し、一旦本処理を終了する。
一方、ステップ710では、アンチスキッド制御を行なうので、まず、(ブレーキペダル15が踏まれたことを示す)図示しないストップスイッチ(STP・SW)がオンとなった時から制御中となるまでの遅れ時間tSTPを計測する。
【0083】
続くステップ720では、その遅れ時間tSTPが基準となる時間KSTPを上回るか否かによって、緩ブレーキか急ブレーキかを判定する。
そして、急ブレーキの場合は、ステップ730に進み、大きめの所定値KPMをマスタシリンダ油圧PMとして設定し、一旦本処理を終了する。
【0084】
一方、緩ブレーキの場合は、ステップ740に進み、下記(5)式に基づいて、マスタシリンダ油圧PMを算出し、一旦本処理を終了する。
PM=PM(0)+KPOFS …(5)
但し、PM(0)は制御中モードとなる直前の車体減速度GによるPM演算値、KPOFSはアンチスキッド制御開始時のPMのオフセット値である。
【0085】
次に、本実施例の制御による動作を、図22の説明図に基づいて説明する。尚、図において点線は実際の値を示す。
図22に示す様に、急ブレーキ時には、ストップスイッチがオンになってからアンチスキッド制御(ABS制御)が開始されるまでの遅れ時間tSTPは短いので、急ブレーキ相当の所定値KPMを、アンチスキッド制御開始時点t2のマスタシリンダ油圧PMとして設定する。
【0086】
一方、緩ブレーキ時には、ストップスイッチがオンになってからアンチスキッド制御が開始されるまでの遅れ時間tSTPは長いので、制御中モードとなる直前の車体減速度GによるPM演算値であるPM(0)にアンチスキッド制御開始時点t3のPMのオフセット値KPOFSを加算して、アンチスキッド制御開始時点t3のマスタシリンダ油圧PMを求める。
【0087】
この様に、本実施例では、ブレーキの操作状態に応じてマスタシリンダ油圧PMを算出することができるので、より正確にマスタシリンダ油圧PMを求めることができる。その結果、より正確なホイールシリンダ油圧PWを求めることができ、よって、正確なリザーバ油量QTを求めることができるので、ブレーキ性能を一層向上することができるという利点がある。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。
【0088】
本実施例は、マスタシリンダ油圧を算出する処理が前記実施例1,2と大きく異なる。尚、ハード構成等前記実施例1と同様な部分の説明は省略又は簡略化する。
図23に、本実施例におけるマスタシリンダ油圧PMの算出のフローチャートを示す。
【0089】
まず、ステップ800にて、4輪ともスリップしていない時のマスタシリンダ油圧PM(GRIP)を、前記図19の様なマップを用いて求める。
続くステップ810では、図24に示す様なマップから、係数Zを求める。このマップとは、四輪の個々の車輪全てについて、アンチスキッド制御中か制御外かに応じて所定の係数Zを設定するためのマップである。
【0090】
続くステップ820では、下記(6)式に基づいて、マスタシリンダ油圧PMを算出する。つまり、4輪ともスリップしていない時のマスタシリンダ油圧PM(GRIP)に前記ステップ610にて述べた係数Zを掛けた値と、所定値KPMとのうち、小さい方をマスタシリンダ油圧PMとして設定する。
【0091】
PM=MIN[PM(GRIP)・Z,KPM] …(6)
次に、本実施例の制御による動作を、図25の説明図に基づいて説明する。尚、図において点線は実際の値を示す。
図25に示す様に、時点t1にてストップスイッチがオンになってから、例えばFR輪についてのみ時点t2にてアンチスキッド制御が開始され、その後時点t3から4輪全てのアンチスキッド制御が行われる。
【0092】
そこで、本実施例では、アンチスキッド制御以前は、前記図19に基づいてマスタシリンダ油圧PM(GRIP)を求め、次いでFR輪のみ制御が開始された場合には、前記図24に基づいて係数Zを求め、この係数Zを前記PM(GRIP)の掛けることにより、FR輪のみ制御時のマスタシリンダ油圧PMを求めることができる。その後、4輪とも制御される状態に変化した場合は、前記KPMをマスタシリンダ油圧PMとして制御を行なっている。
【0093】
この様に、本実施例では、各輪の制御状態に応じてマスタシリンダ油圧PMを算出することができるので、より正確にマスタシリンダ油圧PMを求めることができる。その結果、より正確なホイールシリンダ油圧PWを求めることができ、よって、正確なリザーバ油量QTを求めることができるので、ブレーキ性能を一層向上することができるという利点がある。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4について説明する。
【0094】
本実施例は、ポンプ回転数を求める処理が前記実施例1と大きく異なる。尚、ハード構成等前記実施例1と同様な部分の説明は省略又は簡略化する。
図26に、本実施例におけるポンプ回転数NPを求めるためのグラフを示す。
同図に示す様に、本実施例では、バッテリ電圧VBATに応じて、ポンプ負荷PPとポンプ回転数NPとの関係を代えている。
【0095】
つまり、実際のポンプ回転数NPは、バッテリ電圧VBATに応じて変化するので、本実施例の様にしてポンプ回転数NPを求めることにより、より正確にポンプ回転数NPを求めることができる。その結果、正確なホイールシリンダ油圧PWを求めることができ、よって、より正確なリザーバ油量QTを求めることができるので、ブレーキ性能を一層向上することができるという利点がある。
(実施例5)
次に、本発明の実施例5について説明する。
【0096】
本実施例は、ポンプ回転数を求める処理が前記実施例1,4と大きく異なる。尚、ハード構成等前記実施例1と同様な部分の説明は省略又は簡略化する。
図27に、本実施例におけるポンプ回転数NPを求めるためのフローチャートを示す。
【0097】
まず、ステップ900にて、例えば前記図17に示す様なマップを用いて、ポンプ負荷PPから基本となるポンプ回転数NP(BASE)を算出する。
続くステップ910では、下記(7)式を用いて、推定車体減速度G’を算出する。
【0098】
G’=KPF(PWFR+PWFL)+KPR(PWRR+PWRL) …(7)
但し、KPF;前輪のホイールシリンダ油圧に関する係数
KPR;後輪のホイールシリンダ油圧に関する係数
PWFR;右後輪のホイールシリンダ油圧
PWFL;左前輪のホイールシリンダ油圧
PWRR;右後輪のホイールシリンダ油圧
PWRL;左前輪のホイールシリンダ油圧
続くステップ920では、下記(8)式を用いて、係数α(n)を算出する。
【0099】
α(n)=α(n−1)+C(G−G’) …(8)
但し、C;実車体減速度Gと推定車体減速度G’との差に関する係数
α;図12の緩増圧増圧勾配の勾配を決定する係数
続くステップ930では、下記(9)式を用いて、ポンプ回転数NPを算出し、一旦本処理を終了する。
【0100】
NP=α・NP(BASE) …(9)
尚、ここで、αの収束性を向上させるために、αの更新は減速出力開始タイミングに限定してもよい。
次に、本実施例の制御による動作を、図28の説明図に基づいて説明する。尚、図において点線は実際の値を示す。
【0101】
図28に示す様に、バッテリ電圧VBATが高い間(正常時)は、実際の車体減速度Gと推定車体減速度G’とが近い値であり、よって、αは1.0近傍にある。ところが、バッテリ電圧VBATが低下すると、ホイールシリンダ油圧PWの緩増圧勾配にずれが生じる、実際のホイールシリンダ油圧PWと算出したホイールシリンダ油圧PWとの間に差が生じる。これをもとに、推定ポンプ回転数NPを補正していくので、実際の値に近いより正確なポンプ回転数NPを求めることができる。 この様に、本実施例では、前記(7)〜(9)式を用いてポンプ回転数NPを補正するので、例えばバッテリ電圧VBATをECU40が検出していなくても、バッテリ電圧VBATの変動に好適に対処でき、より正確にポンプ回転数NPを求めることができる。その結果、より正確なホイールシリンダ油圧PWを求めることができ、よって、正確なリザーバ油量QTを求めることができるので、ブレーキ性能を一層向上することができるという利点がある。
【0102】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本実施例の要旨を逸脱しない範囲内で各種の態様で実施できることは勿論である。
例えば、上述の各実施例では、図4および図5に示した油圧回路に対して本発明のアンチスキッド制御装置が実行する制御を説明した。しかし対象とする油圧回路は、図4、図5に示したものだけではなく、ホイールシリンダバックシステムにおける一般的な油圧回路でもよい。
【0103】
また、ホイールシリンダ油圧の推定は、前記図10に示す手順だけでなく、各種の推定処理を採用できる。更に、推定値を用いるのではなく、圧力センサ等により、直接にホイールシリンダ油圧を検出してもよい。
更に、図10に示すブレーキ油量及びホイールシリンダ油圧の推定処理は、ホイールシリンダバックシステムに限らず、応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の基本構成を例示する概略構成図である。
【図2】 請求項1の発明を例示する概略構成図である。
【図3】 発明の基本的な構成を説明する説明図である。
【図4】 実施例1のブレーキシステムの油圧回路図である。
【図5】 一輪に対しての油圧回路を示す簡略化した油圧回路図である。
【図6】 ホイールシリンダ油圧を制御する際における各弁の動作を示す説明図である。
【図7】 実施例1におけるメインのフローチャートである。
【図8】 制御外モードとアンチスキッド制御における制御中モードの内容を示す説明図である。
【図9】 制御モード判定を実行するフローチャートである。
【図10】 リザーバ油量の推定処理の手順を示すブロック図である。
【図11】 リザーバ油量の推定の原理を示す説明図である。
【図12】 緩増圧増圧勾配を求めるためのグラフである。
【図13】 減圧勾配を求めるためのグラフである。
【図14】 急増圧増圧勾配を求めるためのグラフである。
【図15】 ホイールシリンダ油圧を求めるためのグラフである。
【図16】 ポンプ負荷演算処理を示すフローチャートである。
【図17】 ポンプ回転数を求めるためのグラフである。
【図18】 マスタシリンダ油圧の演算処理を示すフローチャートである。
【図19】 車体減速度とマスタシリンダ油圧との関係を示すグラフである。
【図20】 制御モード補正処理を示すフローチャートである。
【図21】 実施例2のマスタシリンダ油圧算出処理を示すフローチャートである。
【図22】 マスタシリンダ油圧の変化を示す説明図である。
【図23】 実施例3のマスタシリンダ油圧算出処理を示すフローチャートである。
【図24】 係数Zの設定のためのマップを示す説明図である。
【図25】 マスタシリンダ油圧の変化を示す説明図である。
【図26】 実施例4のポンプ回転数を求めるためのグラフである。
【図27】 実施例5のポンプ回転数を求めるためのフローチャートである。
【図28】 ホイールシリンダ油圧等の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1…右前輪
2…左後輪
3…左前輪
4…右後輪
5、7…第1のホイールシリンダ
6、8…第2のホイールシリンダ
9、10…ポンプ
11、12…マスタ圧カット弁
13、14…流出弁
15…ブレーキペダル
16…マスタシリンダ
21、22、23、24…制御弁
25、26…リザーバ
40…電子制御装置(ECU)
Claims (12)
- 乗員のブレーキペダルの踏み込みによりブレーキ油を供給してホイールシリンダ油圧を発生させるマスタシリンダと、
リザーバ内のブレーキ油を汲み上げて前記ホイールシリンダに向けて圧送するポンプと、
前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの流路を連通・遮断するマスタ圧カット弁と、
車輪のスリップ状態が所定以上となった場合に、前記ポンプ及び前記マスタ圧カット弁を駆動して、前記ホイールシリンダ油圧を制御するアンチスキッド制御手段と、
を備えるアンチスキッド制御装置において、
前記アンチスキッド制御手段は、
前記マスタ圧カット弁を遮断し、前記ポンプから吐出力されるブレーキ油によって、前記ホイールシリンダ油圧を緩増圧する緩増圧手段と、
前記ホイールシリンダからブレーキ油を排出してホイールシリンダ油圧を減少させる減圧手段と、
前記リザーバから前記マスタシリンダにブレーキ油を戻すマスタシリンダリターン手段と、
を備えるとともに、
前記緩増圧手段による緩増圧実行時間を検出する第1の検出手段と、
前記減圧手段による減圧実行時間を検出する第2の検出手段と、
前記マスタシリンダリターン手段によるリターン実行時間を検出する第3の検出手段と、
前記第1〜3の検知手段によって検出された前記緩増圧実行時間,減圧実行時間及びリターン実行時間に基づいて、前記リザーバ内のブレーキ油量の変化量を算出する変化量算出手段と、
該変化量算出手段によって算出された前記ブレーキ油量の変化量に基づいて、前記リザーバ内のブレーキ油量を算出するブレーキ油量算出手段と、
該ブレーキ油量算出手段によって算出された前記リザーバ内のブレーキ油量に基づき、前記緩増圧手段を前記ブレーキ油を前記マスタシリンダから前記ホールシリンダに供給する緩増圧補正手段に切り替えるとともに、前記減圧手段を前記マスタシリンダリターン手段に切り替えて、前記リザーバ内のブレーキ油量を所定のブレーキ油量に制御するリザーバ油量制御手段と、
を備えたことを特徴とするアンチスキッド制御装置。 - 前記アンチスキッド制御手段が、更に、前記マスタシリンダからホイールシリンダにブレーキ油を供給する急増圧手段を備えたことを特徴とする前記請求項1記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記変化量算出手段が、前記各実行時間に加え、前記緩増圧実行時の緩増圧勾配及び前記減圧実行時の減圧勾配を加味して、前記前記リザーバ内のブレーキ油量の変化量を算出することを特徴とする前記請求項1又は2記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記緩増圧勾配及び前記減圧勾配を、ホイールシリンダ油圧とポンプ負荷又はポンプ回転数とに基づいて算出することを特徴とする前記請求項3記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記ホイールシリンダ油圧を、マスタシリンダ油圧に基づいて算出することを特徴とする前記請求項4記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記マスタシリンダ油圧を、車体減速度に基づいて算出することを特徴とする前記請求項5記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記マスタシリンダ油圧を、運転者の制動動作を検出した時点からアンチスキッド制御開始までの時間に基づいて算出することを特徴とする前記請求項5記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記マスタシリンダ油圧を、各車輪のアンチスキッド制御状態に基づいて算出することを特徴とする前記請求項5記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記ポンプ回転数を、前記ポンプ負荷及びバッテリ電圧の少なくともいずれか一方に基づいて算出することを特徴とする前記請求項4記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記ポンプ回転数を、推定車体減速度に基づいて算出することを特徴とする前記請求項4記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記リザーバ油量制御手段が、ブレーキ油の流路を開閉する弁及びブレーキ油のポンプの少なくともいずれか一方を駆動するタイミングを設定する制御モードを切り換える手段であることを特徴とする前記請求項1〜10のいずれか記載のアンチスキッド制御装置。
- 前記リザーバ油量制御手段が、前記ブレーキ油量算出手段によって算出された前記リザーバ内のブレーキ油量が上限値以上になった場合には、ブレーキ油をリザーバからマスタシリンダに戻し、ブレーキ油量が下限値以下となった場合には、ブレーキ油をマスタシリンダからホイールシリンダを介してリザーバに供給する制御を行なうことを特徴とする前記請求項11記載のアンチスキッド制御装置。
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CN101549685B (zh) * | 2008-04-03 | 2013-10-02 | 株式会社日立制作所 | 制动助力装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08324405A (ja) | 1996-12-10 |
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