JP3787483B2 - クランクシャフトのピン部の高周波焼入方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等に用いられるクランクシャフトのピン部の高周波焼入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、ガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等に用いられるクランクシャフト1を示すものである。この種のクランクシャフト1は、図4に示すように、鍛造加工により例えば各4つのピン部12,14,16,18及びジャーナル部11,13,15,17,19をウエイト部50を介して一体に成形して成るものである。従来より、クランクシャフト1のピン部12,14,16,18には高周波焼入処理が施され、これによりピン部12,14,16,18の表面(外周面等)に焼入硬化層を形成するようにしている。なお、ピン部12,14,16,18の高周波焼入処理に当たっては、クランクシャフト1を中心軸X(ジャーナル部11,13,15,17,19の軸線)を中心に回転させながらピン部12,14,16,18の上に半開放鞍型の高周波誘導加熱コイルを僅かな間隔をもって載置し、この高周波誘導加熱コイルをピン部12,14,16,18の回転(ジャーナル部の周囲を回る公転)に追従させながら高周波誘導加熱し、しかる後に冷却を行なうことにより高周波焼入を施行している。
【0003】
ピン部12及び18とピン部14及び16とは位相が180゜ずれた位置に配置されているが、これらの形状はそれぞれ同一に構成されている。以下においては、ピン部14を例にとってその形状を説明する。図5及び図6に示すように、このピン部14は、円筒状の外周面αを有する円柱部141と、この円柱部141に続くR部(角部若しくは隅部)142と、このR部142に続いて形成されかつクランクシャフト1の中心軸Xに対して直角に延びるように形成されたフィレット部143とから成る。図5(A)に示す焼入硬化層147は、円柱部141のみを焼入処理することによって得られたものであり、このような焼入の仕方をフラット焼入と称している。また、図5(B)に示す焼入硬化層147は、円柱部141,R部142及びフィレット部143をそれぞれ含む連続した部分の全てを焼入処理することにより得られるものであり、このような焼入の仕方をフィレットR焼入と称している。
【0004】
ところで、大多数のクランクシャフト1は、一般的に、ピン部14の中心軸Y(図4参照)に対してクランクシャフト1の中心軸Xとは反対側のピン部近傍の肩部144(図6参照)の質量が小さく、従ってこの肩部144の熱容量がその他の部分の熱容量に比べて小さい。このように熱容量が各所で異なるピン部14の表面(外周面α及びその周辺部分)を例えばフィレットR焼入のために高周波誘導加熱を行なう際に、熱容量の小さい肩部144が部分的に過熱され易くなり、ひいては肩部144にその他の部分よりも深く焼きが入ることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の方法によりピン部14を一定の電力で一定の高周波通電電流にて高周波誘導加熱した場合には、ピン部14の表面の各所における熱容量が異なるため、ピン部14のうちクランクシャフト1の中心軸Xに対してより遠い部分の肩部144、円柱部141、及びこの円柱部141に続くR部(角部若しくは隅部)142と、ピン部14のうちクランクシャフト1の中心軸Xにより近い部分のフィレット部143の側面、R部(角部若しくは隅部)142及び円柱部141との加熱パターン及び加熱温度が異なり、マルテンサイト変態開始時間にズレが生じる。このようにピン部14の表面の各所における冷却速度に差が生じてマルテンサイト変態開始時間にズレが生じると、焼割れ及び焼き歪等の欠陥を引き起こす原因となる。
【0006】
すなわち、クランクシャフト1は、一般的に、図6に示す如く上死点145近傍の肩部144の質量がその他の部分の質量よりも小さく、クランクシャフト1の各部における熱容量はそれぞれ異なる。このように熱容量の異なるピン部14の円筒面(表面)を例えばフィレットR焼入する場合には、前記肩部144が過熱されてこの肩部144部分に深く焼きが入り、円柱部141の上死点145側おける焼入硬化層は下死点146側における焼入硬化層よりも深くなる。具体的には、高周波誘導加熱コイルへの投入電力並びに通電電流を一定にした状態の下で高周波誘導加熱を行なうようにした従来の方法によれば、図6に示すように、円柱部141の外周面αのうちクランクシャフト1の中心軸Xから遠い部分に形成される焼入硬化層145の深さaが、クランクシャフト1の中心軸Xに近い部分に形成される焼入硬化層146の深さbよりも深くなる(a>b)。そして、これに起因して、焼割れが発生し、ピン部14の変形量が大きくなる傾向を引き起こすおそれがある。
【0007】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、クランクシャフトのピン部の表面(被焼入部分)を均一に高周波誘導加熱することができてクランクシャフトの焼割れの発生を防止でき、しかも焼き歪み(変形)の程度を小さく抑えることができるようなクランクシャフトのピン部の高周波焼入方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、クランクシャフトのピン部の上に半開放鞍型の高周波誘導加熱コイルを載置し、前記クランクシャフトをその中心軸を中心に回転せしめて前記高周波誘導加熱コイルを前記ピン部に追従させつつ前記ピン部を高周波誘導加熱し、しかる後に前記ピン部を冷却することにより前記ピン部の表面を焼入する方法において、
前記ピン部が前記クランクシャフトの中心軸を中心に1回転する際、前記ピン部が上死点位置を通過する時に最も高い周波数の高周波電流を前記高周波誘導加熱コイルに流して、前記ピン部のうちの熱容量が比較的小さい箇所である前記クランクシャフトの中心軸から遠い側のピン部分を比較的浅い加熱深さで高周波誘導加熱し、かつ、前記ピン部が下死点位置を通過する時に最も低い周波数の高周波電流を前記高周波誘導加熱コイルに流して、前記ピン部のうちの熱容量が比較的大きい箇所である前記クランクシャフトの中心軸に近い側のピン部分を比較的深い加熱深さで高周波誘導加熱し、
このような前記ピン部の1回転中における高周波誘導加熱を繰り返して行なうのに伴い、前記比較的浅い加熱深さで高周波誘導加熱された前記ピン部のうちの熱容量が比較的小さい箇所における熱伝導によって、前記クランクシャフトの中心軸から遠い側のピン部分の表面にさらに深い加熱深さを得る一方、前記比較的深い加熱深さで高周波誘導加熱された前記ピン部のうちの熱容量が比較的大きい箇所における熱伝導に応じて、前記クランクシャフトの中心軸に近い側のピン部分の表面における加熱深さを前記高周波誘導加熱による加熱深さと同様のままとし、
これにより、各所で熱容量の異なるピン部の表面領域を均一の加熱温度、かつ、均一の加熱深さに設定するようにしている。
また、本発明では、前記クランクシャフトのピン部の高周波誘導加熱時に前記高周波誘導加熱コイルに投入する電力を一定に固定するようにしている。
また、本発明では、前記高周波誘導加熱コイルの通電開始及び通電停止を、前記ピン部が下死点位置を通過した後にそれぞれ所定の角度だけ回転したときに行なうようにしている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明に係るクランクシャフトのピン部の高周波焼入方法を施行するために使用される焼入装置2を示すものである。この焼入装置2は、図1に示すように、黄銅製の一対の側板(保持板)3と、この側板3に取付けられた半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル4と、この高周波誘導加熱コイル4にリード5を介して電力を供給する高周波電源6と、側板3の下端に取付られて高周波誘導加熱コイルの下方位置に配置された焼入冷却用の一対の冷却液噴射環7a,7bと、高周波電源6とリード5とを接続するための一対の接続端子8a,8bと、接続端子8a,8b及びリード5を保持するために側板3の上端に取付けられた絶縁性材料から成るブロック9と、ワーク(例えば、ピン部14)と高周波誘導加熱コイル4との間の間隔を一定(僅かな間隔)に保つための複数のセラミックス製の接触子(チップ部材)10をそれぞれ具備している。
【0011】
なお、側板3、高周波誘導加熱コイル4、冷却液噴射環7a,7b、接続端子8a,8b及びブロック9を互いに一体に組付けて成るアッセンブリ100が図外の支持機構によって垂下状態で保持されている。そして、クランクシャフト1がその中心軸Xを中心に回転されるのに伴い、図外のワーク追従機構により、高周波誘導加熱コイル4がピン部14の上に載置された状態を維持したまま、前記アッセンブリ100がピン部14に追従して移動し得るように構成されている。なお、この際、ピン部14の上半分部分の周面には例えば3本のセラミック製の接触子10が当接され、これにより高周波誘導加熱コイル4の半円状凹部4aとピン部14の周面とが僅かな所定間隔を隔ててピン部14上に載置された状態でこのピン部14が高周波誘導加熱コイル4にて高周波誘導加熱されるようになっている。
【0012】
上述の一対の冷却液噴射環7a,7bは、図1に示すように、高周波誘導加熱コイル4の下方の所定の位置において既述の側板3に固定されている。そして、この冷却液噴射環7a,7bの内周壁には多数の冷却液噴射孔20が所要の上向き噴射角度β(図1参照)をもって形成されると共に、その外周壁には冷却液導入管21a,21bがそれぞれ接続されている。
【0013】
次に、上述の焼入装置2にてクランクシャフト1のピン部14の表面を焼入(フラット焼入又はフィレットR焼入)する場合の本発明に係る焼入方法につき、図2を参照して説明すると、以下の通りである。なお、図2は、高周波焼入処理時における高周波誘導加熱コイル4への供給電流の切り替え工程を説明するために、クランクシャフト1のピン部14の回動(公転)動作を概念的に示したものである。
【0014】
まず、クランクシャフト1のピン部14を高周波焼入(フラット焼入又はフィレットR焼入)する場合、クランクシャフト1の中心軸Xが水平になるようにクランクシャフト1の両端を図外のワーク保持装置により回転可能に保持し、この状態の下でクランクシャフト1を図外の回転駆動装置にて回転させながら半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル4をピン部14の上方位置にセラミック製の接触子10を介して所定の間隙をもって載置する。その直後に、高周波電源6から高周波誘導加熱コイル4への高周波電力の供給を開始し、それ以後においては高周波誘導加熱コイル4に流される高周波電流の周波数がピン部14の回転位置に応じて切り替えられるように制御し(通電電流の周波数の切り替え制御は後に詳述する)、このように制御された通電電流によりピン部14の表面を高周波誘導加熱する。なお、本実施形態の場合には、クランクシャフト1のピン部14の高周波誘導加熱時に高周波電源6から高周波誘導加熱コイル4に投入される電力は一定に固定される。
【0015】
そして、ピン部14の表面(被焼入面)が所要の焼入温度に到達した時点で、高周波電源6から高周波誘導加熱コイル4への高周波電力の供給を遮断し、一対の冷却液噴射環7a,7bの冷却液噴射孔20からピン部14の加熱表面に冷却液を噴射することにより、この加熱表面を急速冷却して焼入硬化層を形成する。
【0016】
図2において、Xはクランクシャフトの中心軸(すなわち、ジャーナル部の断面中心)、Yはピン部14の中心軸である。クランクシャフト1を前記中心軸Xを中心として例えば矢印U方向に回転させることにより、ピン部14の中心軸Yはクランクシャフト1の中心軸Xを中心とする円弧γに沿って移動(回動)する。すなわち、ピン部14は矢印U方向に公転しながら矢印W方向に1公転につき1回の割合で自転する。
【0017】
高周波誘導加熱コイル4は、ピン部14の公転及び自転に対応して、図外のワーク追従機構によって、図2において矢印K方向(上下方向)及び矢印Q方向(水平方向)に往復運動してピン部14の公転及び自転動作に追従する。
【0018】
この際、クランクシャフト1の回転角度ひいてはピン部14の回転角度(回動位置)の検出が、図外の回転角度検出装置(例えばホール素子やエンコーダ等)により行われる。この検出装置は、クランクシャフト1の回転角度に関する信号を図外の信号線を経由して図外の制御装置に送給する。かくして、この制御装置により、クランクシャフト1の回転の開始及び停止、回転速度、高周波電源6のON・OFF切換、噴射冷却液の噴射の開始及び停止や噴射速度等の制御が行なわれると共に、高周波誘導加熱を行なう際の高周波誘導加熱コイル4への通電電流の周波数を切り替え制御するように構成されている。
【0019】
本実施形態においては、ピン部14が上死点位置を通過する時に最も高い周波数の高周波電流が高周波誘導加熱コイル4に流され、かつ、ピン部14が下死点位置を通過する時に最も低い周波数の高周波電流が高周波誘導加熱コイル4に流されるように制御している。
【0020】
次に、高周波誘導加熱コイル4への通電電流の周波数を切り替え制御する仕方を図2に基づいて説明すると、以下の通りである。なお、ここでは、クランクシャフト1の1回転中においてピン部14が下死点(最下位置)にきたときのピン部14の中心軸Yの位置を点A(回転角度0゜)とし、この点Aからクランクシャフト1の回転方向(矢印U方向)に沿って回転角度θ1,θ2,θ3だけ順次に回転した中心軸Yの位置を点B,点C,点Dとする。但し、点Dと点Aとの間の回転角度をθ4とすると、θ1+θ2+θ3+θ4=360゜である。この場合、点Aはピン部14の回転の下死点であり、点Cはピン部14の回転の上死点であり、点B及び点Dは前記点Aに対する回転角度θ1及びθ4は鈍角となる回転位置である。
【0021】
さらに、クランクシャフト1の回転開始後において、最初に加熱を開始する位置(通電開始位置)及びこの加熱開始位置からクランクシャフト1が所定角度だけ回転して加熱を停止する位置(通電停止位置)におけるピン部14の中心軸Yの位置をそれぞれ点S及び点Tとする。本実施形態では、これらの点S及び点Tは、ピン部14の中心軸Yが描く円弧γ上における点Dから点Aを通って点Bに至る回転角領域、すなわち、高周波誘導加熱コイル4に流される高周波電流の周波数が相対的に低く設定される下死点側の区間P1内に選定されている。なお、点Tは点Aよりも回転下流側の位置であり、点Sは回転上流側の位置である。
【0022】
クランクシャフト1が回転を開始し、ピン部14の中心軸Yが最初に点Aの位置にきたときの回転角度を0゜とした場合のクランクシャフト1の矢印U方向の回転角度が、図外の回転角度検出装置により検出され、これに基づいてピン部14の中心軸Yの各回転位置(前記点A〜点D、点S、点T)が検出される。そして、ピン部14の中心軸Yが点A(下死点位置)から初めて点Sにきたときに、図外の回転角度検出装置により点Aから点Sまでの回転角度θ5が検出されると、ピン部14が点Sに達した時点から高周波誘導加熱コイル4に高周波電源6から相対的に低い周波数(例えば、10kHz)の高周波電流が供給され、ピン部14の高周波加熱が開始される。
【0023】
次いで、ピン部14の中心軸Yが点Sから初めて点Bにきたときに図外の回転角度検出装置により角度θ1が検出され、その検出信号が図外の制御装置に送られるのに応じて、高周波誘導加熱コイル4に流される高周波電流の周波数が相対的に高い周波数(例えば、30kHz)に切り替えられる。続いて、ピン部14の中心軸Yが点C(上死点位置)を通過して点Dにきたときに回転角度(θ1+θ2+θ3)が検出され、その検出信号が図外の制御装置に送られるのに応じて、高周波誘導加熱コイル4に流される高周波電流の周波数が再び相対的に低い周波数(例えば、10kHz)に切り替えられる。すなわち、ピン部14が点Dから点Aを通って点Bに至る領域(下死点側の区間P1)内を回動する際には、高周波誘導加熱コイル4に相対的に低い周波数の高周波電流が流され、ピン部14が点Bから点Cを通って点Dに至る領域(上死点側の区間P2)内を回動する際には、高周波誘導加熱コイル4に相対的に高い周波数の高周波電流が流される。但し、この場合、高周波誘導加熱コイル4への投入電力は、一定に設定されて固定されている。
【0024】
しかる後に、ピン部14の中心軸Yが、点Aからn回転して再び点Aに至り、その後さらに角度θ6だけ回転して点Tにくると、前記中心軸Yが回動した角度(n×360゜+θ6)が回転角度検出装置により検出され、その検出信号が図外の制御装置に送信されるのに応じて、高周波誘導加熱コイル4への通電が停止されてピン部14の高周波誘導加熱が終了される。これにより、ピン部14の表面が所要の焼入温度まで高周波誘導加熱される。
【0025】
そして、上述のようにして所要の焼入温度まで高周波誘導加熱されたピン部14の表面には噴射冷却液が冷却液噴射環7a,7bから噴射され、これによりピン部14の表面に所定の焼入硬化層が形成される。
【0026】
以上のような方法によりクランクシャフトのピン部を高周波焼入する際の操作手順及び作用は、以下の通りである。
【0027】
(1) まず、クランクシャフト1の中心軸Xを水平にして、ワーク保持装置(チヤツク及びセンター)により回転可能に保持する。
(2) その後に、ピン部14を下死点位置(図2において点Aで示す回転角度0゜の位置)に配置し、図外のワーク追従機構の下部に固定された半開放鞍型の高周波誘導加熱コイル4を上方より下降させて、ピン部14上に接触子10を介して高周波誘導加熱コイル4を載置する。
(3) 次いで、クランクシャフト1の回転を開始する。これに伴い、高周波誘導加熱コイル4がクランクシャフト1の回転(ピン部14の回動)に伴って上下方向K及び前後方向Qに揺動してピン部14に追従する。
(4) この際、ピン部14の中心軸Yが所定の位置S(360゜−θ5)にきたときに、高周波誘導加熱コイル4に相対的に低い周波数の高周波電流を流し、これによりピン部14の高周波誘導加熱を開始する。
(5) そして、ピン部14の中心軸Yが点Bに達した時点で、高周波誘導加熱コイル4に流す高周波電流の周波数を相対的に高い周波数に切り替え、さらに点Dに達した時点で前記周波数を相対的に低い周波数に再び切り替える。このような切り替え操作をピン部14が1回転する毎に繰り返し行ないながらクランクシャフト1を所定の回転速度で回転させ、所要回転数で所要時間にわたりピン部14の表面を所要焼入温度まで高周波誘導加熱する。
(6) しかる後、ピン部14の表面が所要焼入温度に到達した時点で、所定の位置T(n×360゜+θ6)において高周波誘導加熱コイル4への通電を遮断し、高周波誘導加熱を停止する。
(7) 次に、高周波誘導加熱コイル4の下方箇所に組み込まれた噴射冷却環7a,7bより所要流量の冷却液をピン部14の表面に噴射し、ピン部14の表面温度が常温に至るまで所要時間にわたって急冷する。
(8) 次いで、ピン部14が下死点Aに達した時点で噴射冷却及び回転を停止し、一連の焼入処理を完了する。
【0028】
以上述べたような高周波焼入方法によれば、ピン部14の中心軸Yが点A,B,C,D,S及びTにきたことを検出して、その検出信号に基づいて、ピン部14の中心軸Yが上死点側の区間P2を通過する際には相対的に高い周波数の高周波電流を高周波誘導加熱コイル4に流し、かつ、ピン部14の中心軸Yが下死点側の区間P1を通過する際には相対的に低い周波数の高周波電流を高周波誘導加熱コイル4に流すようにしているので、ピン部14の表面をその全周にわたって均一に加熱でき、焼割れの発生を防止できると共に変形を小さく抑えることができる。
【0029】
すなわち、ピン部14に投入する高周波電力並びに高周波誘導加熱コイル4に流す高周波電流の周波数をそれぞれ一定に固定した状態の下で高周波誘導加熱を行なうと、ピン部14のうちのクランクシャフト1に中心軸Xから遠い側の部分の熱容量が相対的に小さいためこの部分が過熱される傾向となる一方、中心軸Xに近い部分の熱容量は大きいためこの部分は加熱されにくい傾向となり、従ってピン部14の全周にわたる加熱温度の分布は不均一となる。これに対し、上述の如く高周波電流の周波数を切り替えることにより、中心軸Xから遠い側のピン部14の表面部分は相対的に高い周波数の高周波電流の誘導作用により比較的浅い加熱深さで加熱されるが、その際の熱は、熱容量が比較的小さい箇所において熱伝導作用によってそれより深い領域にまで拡散されて所要深さの表面領域が所要の焼入温度になる。一方、中心軸Xに近い側のピン部14の表面部分は相対的に低い高周波電流の誘導作用により比較的深い箇所まで加熱されるが、熱容量が比較的大きい箇所においてピン部14の表面部分の深さ方向における熱の拡散は生じにくく、従ってその加熱深さのまま表面領域が所要の焼入温度になる。
【0030】
よって、高周波誘導加熱そのものによる加熱温度は、中心軸Xから遠い側のピン部14の表面部分のほうが中心軸Xに近いピン部14の表面部分よりも高く、また加熱深さは、中心軸Xから遠い側のピン部14の表面部分のほうが中心軸Xに近いピン部14の表面部分よりも浅いが、これらの部分の熱容量が異なるので、熱伝導作用の結果として加熱温度が瞬時にピン部14の全周囲にわたって均一になると共に加熱深さも均一となる。このため、高周波誘導加熱後の焼入冷却時に焼割れを生じずに済み、しかもクランクシャフト1の全体としての変形量を少なく抑えることが可能である。
【0031】
以下に、本発明に係わる具体的な実施例を示す。
【0032】
上記加工条件により上述の焼入手順(焼入方法)に従ってピン部14のフィレットR焼入を施した場合の焼入硬化層パターンと、ピン部14の高周波誘導加熱時にクランクシャフト1の回転速度を一定に固定するようにした従来の方法による焼入硬化層パターンとを互いに比較したところ、図3に示すような結果が得られた。なお、図3において、(A)は従来の方法による焼入硬化層パターンであり、(B)は本発明の方法による焼入硬化層パターンである。また、図3において、60は冷却油が流通される油孔である。
【0033】
高周波誘導加熱コイル4に流す高周波電流の周波数を一定にしてピン部14の加熱表面を焼入冷却するようにした従来の方法では、図3(A)に示すように、ピン部14の肩部144及び円柱部141のうちクランクシャフト1の中心軸Xに対してより離れた側の過熱され易い部分の焼入硬化層Mは、クランクシャフト1の中心軸Xに近い側の部分の焼入硬化層Nと比較するとより深くなっており、ピン部14の表面部において全体的に不均一な焼入硬化層パターンとなる。これに対し、上述の如く高周波電流の周波数を切り替えるようにした本発明の方法によれば、図3(B)に示すように、ピン部14の表面部において全体的に略均一な焼入硬化層パターンを得ることができる。
【0034】
また、本発明の方法を施行した場合の焼入歪は、従来法と比較すると、互いに対向するウエイト部50間の寸法L(図5及び図6参照)は、従来の方法では減少する傾向を示したが、本発明の方法では焼入前と殆ど変化がなかった。また、円柱部141の変形については、従来法では矢印Z方向(図6参照)に偏心変形をしたが本発明の方法では、どちらの方向にも偏心変形は生ずることなくバランスを保っていた。
【0035】
以上、本発明の一実施形態につき述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。例えば、既述の実施形態では、高周波誘導加熱コイル4に流す高周波電流の周波数をピン部14の1回転(公転)中において2段階の切り替えを行なうようにしているが、ピン部14が上死点位置Cを通過する時に最も高い周波数の高周波電流を高周波誘導加熱コイル4に流し、そしてピン部14が下死点位置Aを通過する時に最も低い周波数の高周波電流を高周波誘導加熱コイル4に流すように設定しさえすれば、ピン部14の各部分における熱容量を勘案して周波数切り替えを2段階以上の多段階で行うようにしても良く、また段階的な周波数切り替えではなく連続的に周波数を変更するように構成しても良い。
【0036】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明は、クランクシャフトのピン部がクランクシャフトの中心軸を中心に1回転する際、ピン部が上死点位置を通過する時に最も高い周波数の高周波電流を高周波誘導加熱コイルに流して、ピン部のうちの熱容量が比較的小さい箇所であるクランクシャフトの中心軸から遠い側のピン部分を比較的浅い加熱深さで高周波誘導加熱し、かつ、ピン部が下死点位置を通過する時に最も低い周波数の高周波電流を高周波誘導加熱コイルに流して、ピン部のうちの熱容量が比較的大きい箇所であるクランクシャフトの中心軸に近い側のピン部分を比較的深い加熱深さで高周波誘導加熱し、このようなピン部の1回転中における高周波誘導加熱を繰り返して行なうのに伴い、比較的浅い加熱深さで高周波誘導加熱されたピン部のうちの熱容量が比較的小さい箇所における熱伝導によって、クランクシャフトの中心軸から遠い側のピン部分の表面にさらに深い加熱深さを得る一方、比較的深い加熱深さで高周波誘導加熱されたピン部のうちの熱容量が比較的大きい箇所における熱伝導に応じて、クランクシャフトの中心軸に近い側のピン部分の表面における加熱深さを高周波誘導加熱による加熱深さと同様のままとし、これにより、各所で熱容量の異なるピン部の表面領域を均一の加熱温度、かつ、均一の加熱深さに設定するようにしたものであるから、ピン部の表面を均一の深さにしかも均一温度に高周波誘導加熱することができ、ひいては焼割れの発生がなくしかも変形の少ない焼入処理が可能となる。
【0037】
請求項2に記載の本発明は、クランクシャフトのピン部の高周波誘導加熱時に高周波誘導加熱コイルに投入する電力を一定に固定するようにしたものであるから、高周波誘導加熱コイルへの通電電流の周波数制御を行なうだけで済み、その制御を構成が簡素で安価な周波数制御手段にて容易に行なうことができる。
【0038】
請求項3に記載の本発明は、高周波誘導加熱コイルの通電開始及び通電停止を、ピン部が下死点位置を通過した後にそれぞれ所定の角度だけ回転したときに行なうようにしたものであるから、ピン部の各部における熱容量の相違を考慮して、ピン部のうちで熱容量の最も大きな部分への加熱エネルギの有効な伝達、並びに、ピン部のうちで熱容量の最も小さな部分への電力供給の遮断を有利なタイミングで行なうことが可能となり、効率良くピン部の表面全体の均一加熱を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクランクシャフトのピン部の高周波焼入方法を施行するために用いられる焼入装置の構成図である。
【図2】 半開放鞍型の高周波誘導加熱コイルにてピン部を高周波誘導加熱する際のクランクシャフトひいてはピン部の回転速度の変速方法を説明するための説明図である。
【図3】従来の方法と本発明の方法とによる焼入硬化層パターンの比較をするためのものであって、図3(A)は従来の方法によりピン部の表面に得られる焼入硬化層パターンを示す断面図、図3(B)は本発明の方法によりピン部の表面に得られる焼入硬化層パターンを示す断面図である。
【図4】クランクシャフトの外観を示す側面図である。
【図5】焼入硬化層パターンの違いによる焼入方法の種類を示すものであって、図5(A)はフラット焼入の焼入硬化層パターンを示す断面図、図5(B)はフィレットR焼入の焼入硬化層パターンを示す断面図である。
【図6】従来の方法により得られる焼入硬化層パターンを示す断面図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト
2 焼入装置
4 高周波誘導加熱コイル
6 高周波電源
7 冷却液噴射環
11,13,15,17 ジャーナル部
12,14,16,18 ピン部
50 ウエイト部
A 点(回転開始点、下死点位置)
B 点(高い周波数の高周波電流への切り替え点)
D 点(低い周波数の高周波電流への切り替え点)
C 点(上死点位置)
S 点(通電開始点)
T 点(通電停止点)
U クランクシャフトの公転方向
W ピン部の自転方向
X クランクシャフトの中心軸
Y ピン部の中心軸
P1 下死点側の区間(低い周波数の高周波電流が流される区間)
P2 上死点側の区間(高い周波数の高周波電流が流される区間)
M,N 焼入硬化層
Claims (3)
- クランクシャフトのピン部の上に半開放鞍型の高周波誘導加熱コイルを載置し、前記クランクシャフトをその中心軸を中心に回転せしめて前記高周波誘導加熱コイルを前記ピン部に追従させつつ前記ピン部を高周波誘導加熱し、しかる後に前記ピン部を冷却することにより前記ピン部の表面を焼入する方法において、
前記ピン部が前記クランクシャフトの中心軸を中心に1回転する際、前記ピン部が上死点位置を通過する時に最も高い周波数の高周波電流を前記高周波誘導加熱コイルに流して、前記ピン部のうちの熱容量が比較的小さい箇所である前記クランクシャフトの中心軸から遠い側のピン部分を比較的浅い加熱深さで高周波誘導加熱し、かつ、前記ピン部が下死点位置を通過する時に最も低い周波数の高周波電流を前記高周波誘導加熱コイルに流して、前記ピン部のうちの熱容量が比較的大きい箇所である前記クランクシャフトの中心軸に近い側のピン部分を比較的深い加熱深さで高周波誘導加熱し、
このような前記ピン部の1回転中における高周波誘導加熱を繰り返して行なうのに伴い、前記比較的浅い加熱深さで高周波誘導加熱された前記ピン部のうちの熱容量が比較的小さい箇所における熱伝導によって、前記クランクシャフトの中心軸から遠い側のピン部分の表面にさらに深い加熱深さを得る一方、前記比較的深い加熱深さで高周波誘導加熱された前記ピン部のうちの熱容量が比較的大きい箇所における熱伝導に応じて、前記クランクシャフトの中心軸に近い側のピン部分の表面における加熱深さを前記高周波誘導加熱による加熱深さと同様のままとし、
これにより、各所で熱容量の異なるピン部の表面領域を均一の加熱温度、かつ、均一の加熱深さに設定するようにしたこと、
を特徴とするクランクシャフトのピン部の高周波焼入方法。 - 前記クランクシャフトのピン部の高周波誘導加熱時に前記高周波誘導加熱コイルに投入する電力を一定に固定したことを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトのピン部の高周波焼入方法。
- 前記高周波誘導加熱コイルの通電開始及び通電停止を、前記ピン部が下死点位置を通過した後にそれぞれ所定の角度だけ回転したときに行なうようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のクランクシャフトのピン部の高周波焼入方法。
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